JP2010145268A - Memsセンサおよびmemsセンサの製造方法 - Google Patents

Memsセンサおよびmemsセンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MEMSセンサの錘部の厚さを均一化する。
【解決手段】支持部と、環状の錘部と、前記錘部の内周面に結合し前記錘部を貫通し上端部が前記錘部の上面から突出している連結部と、前記連結部の上端部に一端が結合し、前記支持部に他端が結合し、空隙を挟んで底面が前記錘部の上面と対向し、前記錘部の運動に伴って変形する可撓部と、前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出手段と、を備え、前記錘部の底面の内側に露出している前記連結部の底面の表層と前記錘部の前記底面の表層とは互いに異なる材料からなる、MEMSセンサ。
【選択図】図1

Description

本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)およびMEMSセンサの製造方法に関する。
従来、錘部に結合している可撓部の変形を電気信号に変換する、加速度センサ、振動ジャイロスコープなどのMEMSセンサが知られている(例えば特許文献1、2参照)。このようなMEMSセンサにおいては、特性のばらつきを抑えるために、錘部の厚さの寸法精度を高める必要がある。
特表平10−506717号公報 特表2002−500961号公報
しかし、錘部となる層の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって後退させて錘部の厚さを調整するとき、目標厚さにCMPの終点を制御することは容易でない。
本発明はこの問題を解決するために創作されたものであって、MEMSセンサの錘部の厚さを均一化することを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するためのMEMSセンサは、支持部と、環状の錘部と、前記錘部の内周面に結合し前記錘部を貫通し上端部が前記錘部の上面から突出している連結部と、前記連結部の上端部に一端が結合し、前記支持部に他端が結合し、空隙を挟んで底面が前記錘部の上面と対向し、前記錘部の運動に伴って変形する可撓部と、前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出手段と、を備え、前記錘部の底面の内側に露出している前記連結部の底面の表層と前記錘部の前記底面の表層とは互いに異なる材料からなる。
本発明によると、錘部の底面の内側に露出している連結部の底面の表層と錘部の底面の表層とは互いに異なる材料からなるため、錘部の厚さをCMPによって調整する際に連結部をCMPの終点制御に用いることができる。したがって本発明によると錘部の厚さが均一なMEMSセンサを実現することができる。なお、本明細書では、錘部に対する可撓部の位置関係を上として「上」と「底」の用語を用いる。
(2)上記目的を達成するためのMEMSセンサにおいて、前記支持部の底面が接着されるパッケージをさらに備え、前記支持部は、前記錘部を構成している厚層と、前記可撓部を構成している前記厚層より薄い薄層と、前記厚層の内面に結合し前記厚層を貫通し上端部が前記薄層に結合し前記連結部と同一の層構成を有する第二連結部を備え、前記第二連結部の底面は前記支持部の底面から突出していてもよい。
本発明によると、連結部と同時に形成可能な第二連結部の底面が支持部の底面から突出しているため、支持部とパッケージとを接着する際に第二連結部がスペーサとして機能する。したがって本発明によると支持部とパッケージとを結合する接着層の厚さが均一なMEMSセンサを実現することができる。
(3)上記目的を達成するためのMEMSセンサにおいて、前記連結部の底面は前記錘部の前記底面から突出していてもよい。
本発明によると、錘部がパッケージなどに固着するスティッキングを防止することができる。
(4)上記目的を達成するためのMEMSセンサにおいて、前記連結部の他端面と前記錘部の前記底面とは平坦に連続していてもよい。
本発明によると、錘部の底面の内側に連結部の底面が露出したことを検出したときに錘部のCMPを停止することによって錘部の厚さを調整することができるため、錘部の厚さが均一なMEMSセンサを実現することができる。
(5)上記目的を達成するためのMEMSセンサにおいて、前記連結部は、2層以上に積層された互いに異なる複数材料からなってもよい。
本発明によると、応力制御、ボイド防止、スループット向上、密度等の観点から連結部の層構造を最適化することができる。
(6)上記目的を達成するためのMEMSセンサにおいて、前記第二連結部は、2層以上に積層された互いに異なる複数材料からなってもよい。
本発明によると、応力制御、ボイド防止、スループット向上、密度等の観点から第二連結部の層構造を最適化することができる。
(7)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法は、(1)において記載されたMEMSセンサの製造方法であって、前記錘部および前記支持部となる厚層と、前記厚層より薄く前記支持部および前記可撓部となる薄層と、前記厚層と前記薄層との間に位置する犠牲層とを含む積層構造体を形成し、前記薄層と前記犠牲層とを貫通する孔をエッチングによって形成し、前記孔から露出している前記厚層の領域に予め決められた深さの凹部をエッチングによって形成し、前記犠牲層のエッチングにおいて前記連結部として残存し前記厚層とは異なる連結材料を前記通孔と前記凹部とに堆積し、前記凹部の裏に相当する前記厚層の面を少なくとも前記連結材料が露出するまでCMPによって後退させることによって前記錘部の厚さを調整し、前記犠牲層をエッチングすることによって前記錘部と前記可撓部との間の前記空隙を形成する、ことを含む。
本発明によると、錘部の厚さを調整するCMPの終点制御と、錘部と可撓部との間の空隙を形成するエッチングの終点制御とに連結部を用いることができる。したがって本発明によるとMEMSセンサの錘部と可撓部のパターンを独立に設計することができる。
(8)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法において、第一の前記連結材料からなるサイドウォールを前記通孔の内側に形成し、前記サイドウォールの内側を第二の前記連結材料によって埋める、ことを含んでも良い。
本発明によると、連結部におけるボイドの発生を防止することができる。
(9)上記目的を達成するためのMEMSセンサの製造方法は、積層構造体の厚層を含む錘部と、前記積層構造体の薄層を含み前記厚層を含まず、前記錘部に連結され、前記錘部の運動に伴って変形する可撓部と、前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出手段と、を備えるMEMSセンサの製造方法であって、前記厚層と、前記厚層より薄く前記可撓部となる薄層とを含む前記積層構造体を形成し、前記厚層に予め決められた深さの孔をエッチングによって形成し、前記厚層のポリシングストッパとなる材料を前記孔に堆積し、前記孔の裏に相当する前記厚層の面を少なくとも前記ポリシングストッパとなる材料が露出するまで後退させることによって前記厚層の厚さを調整する、ことを含む。
本発明によると錘部となる厚層の厚さをCMPによって調整する際にあらかじめ厚層に形成した孔に堆積させた材料をCMPの終点制御に用いることができる。したがって本発明によると錘部の厚さが均一なMEMSセンサを実現することができる。
尚、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。また、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明のMEMSセンサの第一実施形態である加速度センサを図1A、図1Bおよび図2に示す。図1Aは加速度センサのセンサダイ1Aを示す断面図であって図1Bに示すAA線の断面図である。図1Bはセンサダイ1Aの上面図である。図2は加速度センサ1を示す断面図である。図1Aおよび図2において、センサダイ1Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ1Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。
加速度センサ1は互いに直交する3軸の加速度成分を検出するためのMEMSセンサである。加速度センサ1は、図2に示すパッケージ1Bと、パッケージ1Bに収容されたセンサダイ1Aとを備える。
センサダイ1Aは、図1Aに示すように、厚層としての厚いシリコン層11と、薄層としての薄いシリコン層13と、第一絶縁層20と、連結層30と、第二絶縁層40と、表面配線層50とからなる積層構造体である。厚いシリコン層11と薄いシリコン層13はいずれも単結晶シリコン(Si)からなる。厚いシリコン層11の厚さは200μmである。薄いシリコン層13の厚さは10μmである。第一絶縁層20および第二絶縁層40はシリコン酸化膜(SiO)からなる。第一絶縁層20の厚さは0.5μmである。第二絶縁層40の厚さは0.5μmである。連結層30は厚いシリコン層11と薄いシリコン層13と第一絶縁層20とを貫通している。連結層30は連結材料としてのシリコン窒化膜(Si)からなる。表面配線層50はアルミニウム(Al)からなる。表面配線層50の厚さは0.3μmである。
加速度センサ1のセンサダイ1Aは、枠形の支持部Sと、支持部Sの内側に十文字形に配置された4つの梁Fと、4つの梁Fのそれぞれに結合している柱形の第一連結部301と、第一連結部301と結合している環形の錘部Mと、4つの梁Fのそれぞれに設けられた検出手段としてのピエゾ抵抗素子131とを備える。
支持部Sは図1Bに示すように矩形枠の形態を有する。支持部Sは厚いシリコン層11、薄いシリコン層13、第一絶縁層20、連結層30および第二絶縁層40を含む。支持部Sは厚いシリコン層11を含み、パッケージ1Bに固定されるため、実質的に剛体として振る舞う。支持部Sにおいて連結層30からなる第二連結部302が厚いシリコン層11と薄いシリコン層13と第一絶縁層20とを貫通している。第二連結部302は図1Bに示すように矩形枠の形態を有し、支持部Sを一周している。
4つの梁Fのそれぞれは片持ち梁の形態を有する。梁Fは薄いシリコン層13と第一絶縁層20と第二絶縁層40とを含む。梁Fは厚いシリコン層11を含まないため、可撓性を有する膜として振る舞う。4つの梁Fのそれぞれの一端は支持部Sの内側の4辺に結合している。支持部Sは剛体として振る舞うため、加速度センサ1に固定された座標系において梁Fの一端は固定端となる。4つの梁Fは支持部Sの内側の4辺から支持部Sの内側の空間の中央に向かって延びている。4つの梁Fのそれぞれの突端は第一連結部301に結合している。錘部Mは第一連結部301にのみ結合し、図2に示すようにパッケージ1Bの底面90aから浮いているため、第一連結部301に結合している梁Fの突端は加速度センサ1に固定された座標系において自由端として振る舞う。4つの梁Fは錘部Mの運動にともなってそれぞれ変形する。
錘部Mは、梁Fの厚さ方向から見て外周が矩形である板の形態を有する。錘部Mの中央部には第一連結部301が貫通している。すなわち錘部Mは環状である。錘部Mは厚いシリコン層11からなる。錘部Mは厚いシリコン層11を含むため実質的に剛体として振る舞う。錘部Mの上面と梁Fの底面との間には空隙Gが形成されている。空隙Gの高さ(錘部Mの上面と梁Fの底面との距離)は1μmである。
第一連結部301は四角柱形である。第一連結部301は錘部Mの内周面に結合し錘部Mを貫通している。第一連結部301の上端部は錘部Mの上面から突出し、4つの梁Fの自由端に結合している。すなわち第一連結部301は錘部Mと梁Fとを連結している。第一連結部301の形状と寸法は、第一連結部301が錘部Mと梁Fとを連結する実質的な剛体として振る舞うように設定すればよい。本実施形態において梁Fの厚さ方向から見た第一連結部301の一辺の長さは30μmである。第一連結部301の底面は錘部Mの底面と平坦に連続している。第一連結部301の材質は錘部Mの材質と異なり、錘部Mに対するCMPのストッパとなる材質である。本実施形態においては、錘部Mが単結晶シリコンからなるのに対し、第一連結部301はシリコン窒化膜である連結層30からなる。すなわち単結晶シリコンからなる錘部Mの底面と窒化シリコンからなる第一連結部301の底面とが平坦に連続している。これはCMPにより錘部Mの厚さを調整する工程において厚いシリコン層11に埋没している第一連結部301の底面にCMPの終点を定めた結果である。なお、第一連結部301が絶縁材料からなる場合、第二絶縁層40は不要である。
ピエゾ抵抗素子131は錘部Mの運動に伴う梁Fの変形を検出するための検出手段である。ピエゾ抵抗素子131は薄いシリコン層13に形成された高抵抗部131aと低抵抗部131bとで構成されている。高抵抗部131aにはボロン(B)イオンが2×1018/cmの濃度で拡散している。低抵抗部131bには、ボロンイオンが2×1020/cmの濃度で拡散している。高抵抗部131aに比べて比抵抗が小さい低抵抗部131bは高抵抗部131aと表面配線層50との接続抵抗を低減する。ピエゾ抵抗素子131は第一絶縁層20と第二絶縁層40とに形成されたコンタクトホールを介して表面配線層50に接続している。ピエゾ抵抗素子131は長手方向に直線的に並ぶ2つの梁Fに形成された4つを1組とする合計3組のホイーストンブリッジを構成するように結線される。互いに直交する3軸の加速度成分のそれぞれに対応する信号を各ホイーストンブリッジから得ることができる。
図2に示すパッケージ1Bは、無蓋箱型のベース90とベース90の内部空間を閉塞するカバー94とを備える。ベース90とカバー94とは接着層93を介して接合されている。ベース90には複数の貫通電極91が設けられている。ワイヤ95は一端がセンサダイ1Aの表面配線層50に接合され他端がパッケージ1Bの貫通電極91に接合される。センサダイ1Aの支持部Sはベース90の内側の底面90aに接着層92によって接着されている。底面90aに形成する凹部の深さや接着層92の厚さによってセンサダイ1Aの錘部Mとベース90の内側の底面90aとの間の空隙の高さが設定されている。なお、パッケージ1Bの内部にセンサダイ1Aと接続されるLSIダイを収容してもよい。
(製造方法)
以下、図3から図17に基づいて加速度センサ1の製造方法の一例を説明する。図3から図17の断面図は図13Bを除いて全て図1Bに示すAA線に対応する断面図である。図13Bは図13Cに示すBB線に対応する断面図である。
はじめに図3に示すように、フォトレジストからなる保護膜R1を用いてSOI(Silicon On Insulator)ウエハ10の薄い方の薄いシリコン層13に不純物を導入することにより高抵抗部131aを形成する。不純物として、例えば2×1018/cmの濃度でボロン(B)イオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。SOIウエハ10は、厚いシリコン層11、犠牲層12および薄いシリコン層13を含む。SOIウエハ10の厚いシリコン層11の厚さは錘部Mの厚さより厚ければ良く、例えば625μmである。犠牲層12は厚さ1μmのシリコン酸化膜からなる。薄いシリコン層は厚さ10μmの単結晶シリコン膜からなる。
次に図4に示すように薄いシリコン層13の表面に第一絶縁層20を形成する。第一絶縁層20として、例えば熱酸化またはCVD(Chemical Vapor Deposition)により厚さ0.5μmの二酸化シリコンの膜を形成する。
次に図5Aおよび図5Bに示すように、第一絶縁層20、薄いシリコン層13および犠牲層12を貫通する孔H1、H2をフォトレジストからなる保護膜R2を用いたエッチングによって形成する。孔H1のパターンは第一連結部301に対応する。孔H2のパターンは第二連結部302に対応する。第一絶縁層20、薄いシリコン層13および犠牲層12は例えば反応性イオンエッチングによって異方的にエッチングする。
次に図6に示すように、孔H1、H2から露出している厚いシリコン層11の領域に予め決められた錘部Mの厚さと等しい深さの凹部をエッチングによって形成する。その結果、孔H1、H2が深さ方向に伸びる。厚いシリコン層11は例えば反応性イオンエッチングによって異方的にエッチングする。本実施形態において、凹部の深さは錘部Mの厚さと等しい200μmに設定される。
次に孔H1、H2から露出した厚いシリコン層11と第一絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなる連結材料を堆積することにより、図7に示すように孔H1、H2を完全に埋める連結層30を形成する。連結層30には犠牲層12に対するエッチング選択比を非常に小さくできる材料(すなわち犠牲層12とともに連結層30が実質的にエッチングされないエッチング方法を選択可能な材料)を用いる。連結層30として、例えばCVDによって厚さ15μmの窒化シリコンの膜を形成する。連結層30として、窒化アルミニウム(Al)、窒化チタン(Ti)などの窒化物の膜を形成してもよいし、酸化シリコン(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタン(TiO)などの酸化物の膜を形成してもよいし、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)等のシリサイド化合物の膜を形成してもよいし、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)等の金属の膜を形成してもよい。犠牲層12のエッチングストッパとなる連結材料から犠牲層12を貫通する第一連結部301を形成することにより、梁Fの厚さ方向から見て梁Fに重なる領域に錘部Mを形成できるため、支持部Sの内側の空間に占める錘部Mの割合を高めることができる。すなわちセンサダイ1Aを大型化することなく錘部Mの質量を増大することができる。
次に図8に示すようにエッチバックのための被膜R3を連結層30の表面に形成する。被膜R3の材料には、連結層30とのエッチング選択比をほぼ1にできる材料を選択する。例えば、フォトレジスト、SOG(Spin On Glass)、ポリイミド等を塗布しベークすることにより表面が平坦な被膜R3を形成する。
次に図9に示すように第一絶縁層20と連結層30とを平坦化する。具体的には、被膜R3と連結層30のエッチング選択比がほぼ1:1の条件において、第一絶縁層20が露出するまで連結層30の表層を被膜R3もろともにエッチバックして除去する。その結果、連結層30は孔H1、H2の内部にのみ残存し、連結層30の表面と第一絶縁層20の表面とが平坦に連続する。
次に第一絶縁層20と連結層30の表面に第二絶縁層40を形成する。第二絶縁層40として、例えばCVDにより二酸化シリコン(SiO)の膜を形成する。第二絶縁層40としてPSG(Phospho Silicate Grass)、BPSG(Boro- Phospho Silicate Grass)、窒化シリコン(Si)などの膜を形成してもよい。なお、連結層30を絶縁膜から構成する場合、第二絶縁層40は不要である。続いて図10に示すようにフォトレジストからなる保護膜R4を用いて第一絶縁層20および第二絶縁層40にコンタクトホールH3を形成し、高抵抗部131aを露出させる。コンタクトホールH3は、例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングによって第一絶縁層20、40を異方的にエッチングすることによって形成する。フッ酸(HF)または緩衝フッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングによってコンタクトホールH3を形成してもよい。
次に図11に示すようにコンタクトホールH3から露出している高抵抗部131aに不純物を導入することにより図10に示すように低抵抗部131bを形成する。不純物として、例えば2×1020/cmの濃度でボロンイオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。
次に図12に示すように第二絶縁層40の表面に表面配線層50を形成し、フォトレジストからなる保護膜R5を用いて表面配線層50をエッチングすることによって所定パターンの配線を構成する表面配線層50を形成する。表面配線層50として、例えばスパッタリングによって0.3μmの厚さのアルミニウム(Al)の膜を形成する。配線層50として銅やアルミシリコン(AlSi)の膜を形成してもよい。表面配線層50のパターンは、例えば塩素(Cl)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより形成する。
次に図13A、図13B、図13Cに示すように、フォトレジストからなる保護膜R6を用いて薄いシリコン層13、第一絶縁層20および第二絶縁層40をエッチングすることにより梁Fのパターンを形成する。梁Fのパターンは、例えばCHFガスを用いた反応性イオンエッチングにより第一絶縁層20と第二絶縁層40をエッチングし、続いてCFガスおよびOガスを用いた反応性イオンエッチングにより薄いシリコン層13をエッチングすることにより形成する。フッ酸や緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングによって梁Fのパターンを形成してもよい。
次に上述の工程によって形成された積層構造体Wの表面配線層50が形成されている面を図14に示すように犠牲基板60に接着する。接着層Bとして、例えばワックス、フォトレジスト、両面粘着シート等を用いる。
次に厚いシリコン層11の表面を図15に示すように第一連結部301と第二連結部302が露出するまで研削、研磨およびCMPによって順次後退させることによって厚いシリコン層11の厚さを調整する。このとき、厚いシリコン層11とは異なる材質の第一連結部301と第二連結部302とをCMPの終点制御に用いることができる。具体的には厚いシリコン層11から異質の第一連結部301と第二連結部302の底面が露出したことを検出したときにCMPを停止することによって厚いシリコン層11の厚さを調整することができるため、第一連結部301と第二連結部302とが厚いシリコン層11に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層11の厚さを調整することができる。本実施形態では、厚いシリコン層11の厚さは、図6に示す工程において形成された凹部の深さである200μmに調整される。本工程において調整された厚いシリコン層11の厚さが錘部Mの厚さになる。
次に図16に示すようにフォトレジストからなる保護膜R7を用いて厚いシリコン層11をエッチングすることによって厚いシリコン層11に環状のスリットH4を形成することによって厚いシリコン層11からなる錘部Mのパターンを形成する。具体的には例えば、パッシベーションとエッチングのステップを短い時間間隔で交互に繰り返すDeep−RIE(いわゆるボッシュプロセス)によって錘部Mのパターンを形成する。
次に、環状のスリットH4から露出している犠牲層12を等方性エッチングによって除去すると図17に示すように錘部Mと梁Fとの間の空隙Gが形成される。このとき第一連結部301および第二連結部302がエッチングストッパとして機能する。すなわち錘部Mと梁Fとが重なっている領域において犠牲層12が除去されることによって空隙Gが形成される一方で、錘部Mと梁Fとを連結する第一連結部301がエッチングストッパとして残存する。このため、錘部Mと梁Fとが空隙Gを間に挟んで重なる構造を実現できる。その後、ワークから接着層Bを除去し、ダイシング、パッケージング等の後工程を実施すると図1および図2に示す加速度センサ1が完成する。
以上説明した加速度センサ1の製造方法によると、錘部Mとなる厚いシリコン層11の厚さをCMPによって調整する際に厚いシリコン層11と材質が異なる第一連結部301および第二連結部302を終点制御に用いることができるため、錘部Mの厚さを正確に調整することができる。このため、錘部Mの厚さを均一化することができる。したがって特性のばらつきが小さい加速度センサ1を製造することができる。また、犠牲層12を貫通し梁Fと錘部Mとを連結する第一連結部301を予め形成しておき、その後に犠牲層12を等方性エッチングによって除去することによって錘部Mと梁Fとの間の空隙Gを形成するため、錘部Mと梁Fのパターンを独立に設計することができる。したがって、梁Fの厚さ方向から見てはみ出す形状を有する錘部Mを形成することができる。すなわち、矩形枠形状の支持部Sの内側空間を最大限錘部Mに割り当てることによって、加速度センサ1を小型化し、加速度センサ1の製造コストを低減することができる。
2.第二実施形態
(構成)
図18に示すように第一連結部301および第二連結部302はサイドウォール31a、31bとコア層32とからなる二層構造としてもよい。図18において、センサダイ2Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ2Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。サイドウォール31aは薄いシリコン層13と厚いシリコン層11とに外周面が結合している筒状の形態を有する。サイドウォール31bは薄いシリコン層13と厚いシリコン層11に結合している矩形枠の形態を有し、支持部Sを一周している。サイドウォール31aの上端面は外周面から内周面に向かってなだらかに落ち込む角のない形態を有している。サイドウオール31bの上端部は、矩形枠の外周側では外周側から内周側に向かって、矩形枠の内周側では内周側から外周側に向かって、なだらかに落ち込む角のない形態を有している。サイドウォール31a、31bは犠牲層12のエッチングストッパとなる材料からなる。コア層32はサイドウォール31a、31bを貫通し第一絶縁層20と厚いシリコン層11とに結合している。第一連結部301においてコア層32の底面は錘部Mの底面の内側に露出しており、コア層32の露出している底面と錘部Mの底面とは平坦に連続している。第二連結部302においてコア層32の底面は支持部Sの底面の内側に露出しており、コア層32の露出している底面と支持部Sの底面とは平坦に連続している。第一連結部301および第二連結部302の上面に露出しているコア層32の上面と第一絶縁層20の上面とは平坦に連続している。コア層32の材料は応力、強度、剛性、製造コストといった要素を勘案して選択すればよく、犠牲層12のエッチングストッパとして機能しない材料を選択できる。
(製造方法)
第一実施形態において説明した図6に対応する工程までを実施した後に、孔H1、H2から露出した厚いシリコン層11と第一絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなる材料を堆積することにより、図19に示すエッチングストッパ層31を形成する。例えばCVDによって多結晶シリコン膜をエッチングストッパ層31として形成する。エッチングストッパ層31の材料としては、単結晶シリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)等の半導体、窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化チタンなどの窒化物、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化シリコンなどの酸化物、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)などのシリサイド化合物、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、銅、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銀(Au)などの金属を用いても良い。エッチングストッパ層31の厚さは図6に示す孔H1、H2を埋めない例えば0.5μmの厚さとする。エッチングストッパ層31の表面は孔H1、H2の縁の近傍がなだらかな曲面となる。
次に図20に示すようにエッチングストッパ層31の表面全体を、第一絶縁層20と厚いシリコン層11とが露出し、さらに厚いシリコン層11に凹部が形成されるまで異方的にエッチングする。その結果、孔H1、H2の内側にのみエッチングストッパ層31が筒形に残る。孔H1、H2の内側に筒状に残ったエッチングストッパ層31はそれぞれサイドウォール31a、サイドウォール31bとなる。エッチングストッパ層31は例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングにより異方的にエッチングされる。本工程において厚いシリコン層11をエッチングする深さは0.3μmとする。
次に図21に示すようにサイドウォール31a、31bと第一絶縁層20を覆うコア層32を形成し、孔H1、H2を完全に埋める。このときサイドウォール31a、31bの上端が角のないなだらかな曲面であるため第一連結部301および第二連結部302においてコア層32のボイドが生じにくい。したがって製造歩留まりが向上する。コア層32として、例えばCVDまたは減圧CVDによって厚さ10μmの窒化シリコン膜を形成する。
次に第一実施形態において説明した図8、図9に対応する工程を実施し、コア層32の表層を図22に示すように第一絶縁層20が露出するまで除去する。その結果、孔H1、H2の内側にのみコア層32が残存し、第一連結部301と第二連結部302とが形成される。
次に第一実施形態と同様にして低抵抗部131b、表面配線層50および梁Fを形成した後に、図23に示すように犠牲基板60に以上の工程によって形成された積層構造体Wを接着する。
次に図24に示すように厚いシリコン層11の表面を第一連結部301および第二連結部302のコア層32が露出するまで研削、研磨およびCMPによって順次後退させることによって厚いシリコン層11の厚さを調整する。このとき、第一連結部301および第二連結部302の底面の表層を構成し厚いシリコン層11とは異なる材質のコア層32をCMPの終点制御に用いることができるため、第一連結部301および第二連結部302のコア層32が厚いシリコン層11に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層11の厚さを調整することができる。本工程において調整された厚いシリコン層11の厚さが錘部Mの厚さになる。
その後、第一実施形態と同様に犠牲層12を除去する工程などを実施すると、図18に示すセンサダイ2Aが完成する。犠牲層12を除去する工程ではサイドウォール31a、31bがエッチングストッパとして機能する。
3.第三実施形態
(構成)
本発明のMEMSセンサの第三実施形態である加速度センサ3を図25に示す。図25において、センサダイ3Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ3Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。センサダイ3Aと第二実施形態において説明したセンサダイ2Aとの相違点は、第一連結部301および第二連結部302においてコア層32の底面が錘部Mの底面から突出している点である。本実施形態によると、第一連結部301のコア層32の底面が錘部Mの底面から突出しているため、錘部Mとパッケージ3Bのベース90の内側の底面90aとが接触して固着するスティッキングを防止できる。また第二連結部302のコア層32の底面が支持部Sの底面において突出しているため、支持部Sとパッケージ3Bのベース90とを結合している接着層92の厚さを均一にできる。すなわち第二連結部302のコア層32がスペーサとして機能するため、錘部Mの底面とパッケージ3Bのベース90の内側の底面90aとの距離は、第二連結部302のコア層32の底面が支持部Sの底面において突出している高さによって正確に設定することができる。例えば接着層92の厚さを接着剤に混合するビーズで設定する場合には、ビーズの分布密度が安定しないため、接着層92の厚さが不均一になるが、本実施形態ではスペーサとしてビーズを用いる必要がなく、接着層92の厚さを均一にできる。
(製造方法)
第一連結部301および第二連結部302のコア層32の底面を錘部Mの底面から突出させるには、第二実施形態において説明した図24に対応する工程においてCMPの終点をコア層32の底面が露出してから所定時間経過後に設定すればよい。すると図26に示すように第一連結部301および第二連結部302のコア層32の底面を錘部Mの底面から所定の高さだけ突出させることができる。なお、このときサイドウォール31a、31bをCMPの終点制御に用いても良い。この場合、サイドウォール31a、31bとなるエッチングストッパ層31の材質には厚いシリコン層11のCMPに対してストッパとなる材質を採用する。
4.第四実施形態
図27に示すように第一連結部301および第二連結部302をエッチングストッパ層33とコア層34とによって構成し、エッチングストッパ層33を梁Fの表層として連続して形成してもよい。第一連結部301においてエッチングストッパ層33は有底筒形に形成され、錘部Mを貫通している。錘部Mの底面と錘部Mの内側に露出しているエッチングストッパ層33の底面とは平坦に連続している。梁Fにおいてエッチングストッパ層33にはピエゾ抵抗素子131のコンタクトホールが形成されている。表面配線層50はエッチングストッパ層33の表面に形成されている。第一連結部301および第二連結部302の上面は梁Fのエッチングストッパ層33の表面と平坦に連続している。
(製造方法)
第一実施形態において説明した図6に対応する工程までを実施した後に、孔H1、H2から露出した厚いシリコン層11と第一絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなるとともに厚いシリコン層11のCMPのストッパともなる材料を堆積することにより、図28に示すエッチングストッパ層33を形成する。例えばCVDによって厚さ0.2μmの窒化シリコン膜をエッチングストッパ層33として形成する。エッチングストッパ層33として窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンなどの膜を形成してもよい。ただしエッチングストッパ層33は表面配線層50の下地となるため、絶縁材料から形成する。
次に第一連結部301および第二連結部302のコア層34を図29に示すように形成することによって孔H1、H2を完全に埋める。例えばコア層34として、CVDによって厚さ10μmの酸化シリコン膜を形成する。コア層34にはエッチングストッパとしての機能もCMPのストッパとしての機能も必要ないため、コア層34の材質は剛性、強度、応力、密度、スループットなどを勘案して幅広く選択することができる。例えばコア層34として多結晶シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、銅などの膜を形成してもよい。
次にコア層34の表層を図30に示すようにエッチングストッパ層33が露出するまで例えばCMPによって除去する。その結果、孔H1、H2の内側にのみコア層34が残存し、第一連結部301と第二連結部302とが形成される。このときエッチングストッパ層33はコア層34に対するCMPのストッパとして機能する。
次に第一実施形態と同様にして低抵抗部131b、表面配線層50および梁Fを形成する。
次に、図31に示すように厚いシリコン層11の表面をエッチングストッパ層33が露出するまで研削、研磨およびCMPによって順次後退させる。このとき第一連結部301および第二連結部302の底面の表層を構成しているエッチングストッパ層33がCMPのストッパとして機能する。すなわち、第一連結部301および第二連結部302の底面の表層を構成しているエッチングストッパ層33が厚いシリコン層11と異なる材質からなるため、エッチングストッパ層33が厚いシリコン層11に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層11の厚さを調整することができる。
さらにその後、第一実施形態と同様に犠牲層12を除去する工程などを実施すると図27に示すセンサダイ4Aが完成する。犠牲層12を除去する工程では、エッチングストッパ層33がエッチングストッパとして機能する。
5.第五実施形態
(構成)
図32に示すように第一連結部301および第二連結部302を三層構造にしても良い。図32において、センサダイ5Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ5Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。センサダイ5Aにおいて第一連結部301および第二連結部302はそれぞれエッチングストッパ層35とポリシングストッパ層36とコア層37とで構成される。第一連結部301においてエッチングストッパ層35は錘部Mを貫通する筒形に形成されており第一連結部301の外殻を構成している。エッチングストッパ層35は梁Fの表層をも構成している。梁Fにおいてエッチングストッパ層35にはピエゾ抵抗素子131と表面配線層50とを接続するためのコンタクトホールが形成されている。エッチングストッパ層35は厚さ0.2μmのシリコン酸化膜からなる。エッチングストッパ層35の材質としては犠牲層12のエッチングストッパとして機能するものであればよく、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン等を用いても良い。第一連結部301においてポリシングストッパ層36は錘部Mを貫通する有底筒形に形成されておりエッチングストッパ層35とコア層37との間に形成されている。ポリシングストッパ層36の錘部Mの内側に露出している底面は錘部Mの底面から突出している。したがって第三実施形態と同様に錘部Mとパッケージのスティクションを防止することができる。梁Fの表層においてポリシングストッパ層36の外側の輪郭は梁Fの表層において表面配線層50と同一のパターンに形成されている。ポリシングストッパ層36には表面配線層50とピエゾ抵抗素子131とを接続するためのコンタクトホールが形成されている。ポリシングストッパ層36は厚さ0.5μmの窒化チタン膜からなる。ポリシングストッパ層36の材質としては錘部Mの材質と異なるものであればよく、窒化タンタル、酸化窒化チタン(TiO)等を用いても良い。第一連結部301および第二連結部302においてコア層37は最も内側の層であってポリシングストッパ層36の内側の空間を完全に埋めている。コア層37は銅からなる。コア層37は梁Fの上面の内側においてのみ露出しているため、コア層37の材質は応力制御、ボイド防止、スループット向上、密度等の観点で適宜選択すればよい。例えばコア層37の材質として金(Au)、銀(Ag)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などの金属やAuSn、NiFe、PtPd等の合金を用いても良い。
(製造方法)
第一実施形態において説明した図6に対応する工程までを実施した後に、孔H1、H2から露出した厚いシリコン層11と第一絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなる材料を堆積することにより、図33に示すエッチングストッパ層35を形成する。例えばCVDによって酸化シリコン膜をエッチングストッパ層35として形成する。
次にエッチングストッパ層35の表面に錘部MのCMPに対するストッパとなる材料を堆積することにより、図34に示すポリシングストッパ層36を形成する。例えばCVDによって窒化チタン膜をポリシングストッパ層36として形成する。次にポリシングストッパ層36の表面に図34に示すようにコア層37を形成することによって孔H1、H2を完全に埋める。例えばコア層37として電界めっき法によって厚さ10μmの銅膜を形成する。
次にコア層37の表層を図35に示すようにポリシングストッパ層36が露出するまで例えばCMPによって除去する。このときポリシングストッパ層36がCMPのストッパとして機能する。
次に第一実施形態と同様にして低抵抗部131b、表面配線層50および梁Fを形成する。
次に図36に示すように厚いシリコン層11の表面をポリシングストッパ層36が露出してから一定時間経過するまで研削、研磨およびCMPによって順次後退させる。このとき、ポリシングストッパ層36をCMPの終点制御に用いることができる。すなわち、第一連結部301および第二連結部302の底面の表層を構成しているポリシングストッパ層36が厚いシリコン層11と異なる材質からなるため、ポリシングストッパ層36が厚いシリコン層11に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層11の厚さを調整することができる。
その後、第一実施形態と同様に犠牲層12を除去する工程などを実施すると図32に示すセンサダイ5Aが完成する。犠牲層12を除去する工程では、エッチングストッパ層35がエッチングストッパとして機能する。
6.第六実施形態
(構成)
図37に示すように第一連結部301および第二連結部302を4層構造にしてもよい。図37において、センサダイ6Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ6Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。センサダイ6Aにおいて第一連結部301および第二連結部302はそれぞれエッチングストッパ層38とサイドウォール31a、31bとシード層39とコア層37とで構成される。エッチングストッパ層38は錘部Mを貫通する有底筒形に形成されており第一連結部301および第二連結部302の外殻を構成している。エッチングストッパ層38の錘部Mの内側に露出している底面は錘部Mの底面から突出している。したがって第三実施形態と同様に錘部Mとパッケージのスティクションを防止することができる。また、エッチングストッパ層38の支持部Sの底面に露出している底面は支持部Sの底面において突出している。したがって第三実施形態と同様に接着層92の厚さを均一にすることができる。エッチングストッパ層38は梁Fの表層にも連続して形成されている。梁Fにおいてエッチングストッパ層38にはピエゾ抵抗素子131と表面配線層50とを接続するためのコンタクトホールが形成されている。エッチングストッパ層38は厚さ0.5μmの窒化チタン膜からなる。エッチングストッパ層35の材質としては犠牲層12のエッチングストッパとなるとともに錘部Mに対するCMPのストッパとなるものであればよく、窒化タンタル、酸化窒化チタンなどを用いても良い。サイドウォール31a、31bはエッチングストッパ層35の内面に結合している筒形である。サイドウォール31a、31bの上端面は外周面から内周面に向かってなだらかに落ち込む角のない形態を有している。サイドウォール31a、31bは厚さ0.5μmの多結晶シリコン膜からなる。サイドウォール31a、31bとしてアモルファスシリコン膜、アルミニウム膜などを用いても良い。第一連結部301においてシード層39はサイドウォール31aの内周面とエッチングストッパ層38とに結合している有底筒形に形成されている。シード層39の外側の輪郭は梁Fにおいて表面配線層50と同一のパターンに形成されている。梁Fにおいてシード層39にはピエゾ抵抗素子131と表面配線層50とを接続するためのコンタクトホールが形成されている。シード層39は厚さ0.5μmの窒化チタン膜からなる。シード層39の材質としては錘部Mの材質と異なるものであればよく、窒化タンタル、酸化窒化チタン(TiO)等を用いても良い。コア層37の構成は第五実施形態と同様である。
(製造方法)
第一実施形態において説明した図6に対応する工程までを実施した後に、孔H1、H2から露出した厚いシリコン層11と第一絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなる材料とサイドウォール31a、31bとなる材料とを順に堆積することにより、図38に示すエッチングストッパ層38とサイドウォール層31cとを形成する。例えばCVDによって酸化シリコン膜をエッチングストッパ層38として形成する。続いてCVDによって多結晶シリコン膜をサイドウォール層31cとして形成する。サイドウォール層31cとしてアモルファスシリコン膜、アルミニウム膜を形成しても良い。
次に図39に示すようにサイドウォール層31cの表面全体をエッチングストッパ層38が露出するまで異方的にエッチングする。その結果、孔H1、H2の内側にのみサイドウォール層31cが筒形に残る。孔H1、H2の内側に筒状に残ったサイドウォール層31cはそれぞれサイドウォール31a、サイドウォール31bとなる。サイドウォール層31cは例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングにより異方的にエッチングされる。
次に図40に示すようにサイドウォール31a、31bとエッチングストッパ層38とを覆うシード層39を形成する。例えばCVDによって厚さ0.5μmの窒化チタン膜をシード層39として形成する。次にシード層39の表面に図40に示すようにコア層37を形成することによって孔H1、H2を完全に埋める。例えばコア層37として電界めっき法によって厚さ10μmの銅膜を形成する。
次にコア層37の表層を図41に示すようにシード層39が露出するまで例えばCMPによって除去する。このときシード層39がCMPのストッパとして機能する。
次に第一実施形態と同様にして低抵抗部131b、表面配線層50および梁Fを形成する。
次に図42に示すように厚いシリコン層11の表面をエッチングストッパ層38が露出してから一定時間経過するまで研削、研磨およびCMPによって順次後退させる。このとき、エッチングストッパ層38がCMPの終点制御に用いられる。すなわち、第一連結部301および第二連結部302の底面の表層を構成しているエッチングストッパ層38が厚いシリコン層11と異なる材質からなるため、エッチングストッパ層38が厚いシリコン層11に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層11の厚さを調整することができる。
その後、第一実施形態と同様に犠牲層12を除去する工程などを実施すると図37に示すセンサダイ6Aが完成する。犠牲層12を除去する工程では、エッチングストッパ層38がエッチングストッパとして機能する。
7.第七実施形態
本発明は角速度センサ等、加速度センサ以外のMEMSセンサにも適用することができる。図43A、図43Bおよび図44は本発明の第七実施形態としてのMEMSセンサである振動ジャイロスコープのパッケージに収容されるセンサダイ7Aを示している。図43Bはセンサダイ7Aの上面図である。図43Aは図43Bに示すAA線に対応する断面図である。図44はセンサダイ7Aの底面図である。図43Aにおいて、センサダイ7Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ7Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。
(構成)
本実施形態の振動ジャイロスコープは、図示しないパッケージに収容されたセンサダイ7Aを備え、互いに直交する3軸の角速度成分を検出する。
センサダイ7Aは厚層としての厚いシリコン層11と、薄層としての薄いシリコン層13と、絶縁層20と、エッチングストッパ層70と、コア層71と、電極層81、83と圧電層82とからなる積層構造体である。厚いシリコン層11と薄いシリコン層13はいずれも単結晶シリコン(Si)からなる。厚いシリコン層11の厚さは200μmである。薄いシリコン層13の厚さは10μmである。絶縁層20はシリコン酸化膜からなる。絶縁層20の厚さは0.5μmである。エッチングストッパ層70は厚いシリコン層11と薄いシリコン層13と絶縁層20とを貫通している。エッチングストッパ層70は連結材料としてのシリコン窒化膜(Si)からなる。エッチングストッパ層70の厚さは0.5μmである。コア層71はシリコン酸化膜からなる。電極層81、83は白金(Pt)からなる。電極層81、83の厚さは0.1μmである。圧電層82はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電層82の厚さは3μmである。
センサダイ7Aは、支持部Sと、支持部Sの内側に張り渡された可撓部としてのメンブレンFと、メンブレンFの中央端に結合している柱形の第一連結部301と、第一連結部301と結合している環形の錘部Mと、メンブレンFに設けられた検出手段としての検出用圧電素子80bと、メンブレンFに設けられた駆動手段としての駆動用圧電素子80aとを備える。錘部Mには複数の通孔H5が形成されている。4つの駆動用圧電素子80aに位相の異なる交流の励振電圧を印加することによって錘部Mが周回運動する。センサダイ7Aが回転すると、錘部Mに作用するコリオリ力に応じた交流の電圧信号が4つの検出用圧電素子80bから出力される。この電圧信号から励振成分を除去することによってセンサダイ7Aの角速度成分が得られる。
(製造方法)
はじめに図45に示すように、SOIウエハ10の薄いシリコン層13の表面に絶縁層20を形成する。絶縁層20として、例えば熱酸化またはCVDにより厚さ0.5μmの二酸化シリコンの膜を形成する。
次に図46に示すように絶縁層20、薄いシリコン層13および犠牲層12を貫通する孔H1、H2をフォトレジストからなる保護膜R8を用いたエッチングによって形成する。孔H1のパターンは第一連結部301に対応する。孔H2のパターンは第二連結部302に対応する。絶縁層20、薄いシリコン層13および犠牲層12は例えば反応性イオンエッチングによって異方的にエッチングする。
次に第一実施形態において説明した図6に対応する工程を実施することにより、厚いシリコン層11に凹部を形成することによって孔H1、H2を深さ方向に延ばす。
次に第三実施形態において説明した図28、図29、図30に対応する工程を実施することにより図47、図48に示すように第一連結部301および第二連結部302を形成する。
次に図49に示すように電極層81、圧電層82および電極層83を絶縁層20の表面にこの順で積層する。電極層81として例えばスパッタ法により厚さ0.1μmの白金の膜を形成する。圧電層82として例えばスパッタ法により厚さ3μmのPZTの膜を形成する。電極層83として例えばスパッタ法により厚さ0.1μmの白金の膜を形成する。
次に図示しない2種類の保護膜を用いたエッチングにより電極層81、83と圧電層82のパターンを図50および図43Bに示すように形成する。その結果、駆動用圧電素子80aおよび検出用圧電素子80bが形成される。
次に、上述の工程を実施することによって得られた積層構造体Wの電極層83が形成されている面を犠牲基板60に接着する。
次に、第三実施形態において説明した図31の工程と同様に、図51に示すように厚いシリコン層11の表面をエッチングストッパ層70が露出するまで研削、研磨およびCMPによって後退させる。このときエッチングストッパ層70がCMPのストッパとして機能する。
その後、第一実施形態において説明した図16の工程と同様に、厚いシリコン層11をエッチングすることによって錘部Mを形成する。このとき、図52に示すように錘部Mに通孔H5を形成すると、犠牲層12をエッチングによって除去する次工程のスループットが高まる。
さらに犠牲層12を除去し、ワークから接着層Bを除去し、ダイシング等の後工程を実施すると、図43、44に示すセンサダイ7Aが完成する。
8.第八実施形態
上述の各実施形態においてCMPのポリシングストッパとなる第一連結部301および第二連結部302が内部に形成される孔H1、H2の形態は1枚のウエハ内の厚層において均一でなくとも良く、例えば図53Aおよび図53Bに示すように孔H1、H2の形態を積極的に異ならせることによってCMPの終点をより正確に制御できる場合もある。図53AはSOIウエハ10の厚いシリコン層11と犠牲層12の界面を示す平面図である。図53Bは図53Aに示すBB線の断面図である。
図53Aおよび図53Bに示すように第一連結部301を形成するための孔H1、H1の幅W11、W12および第二連結部を形成するための孔H2、H2の幅W21、W22をSOIウエハ10の中心に近いほど広く、SOIウエハ10の外周に近いほど狭くしてもよ。すなわち相対的にSOIウエハ10の中心に近い孔H1の幅W12は相対的にSOIウエハ10の外周に近い孔H1の幅W11の幅より広くしてもよい。また相対的にSOIウエハ10の中心に近い孔H2の幅W22は相対的にSOIウエハ10の外周に近い孔H2の幅W21の幅より広くしてもよい。
このように孔H1、H2の平面パターンの幅や径などを1枚のウエハ内の厚層で異ならせることにより、各実施形態において孔H1、H2を深さ方向に延ばすとき、厚層と平行な面内においてエッチング速度差があったとしても、相対的に幅が広い孔H1、H2が深さ方向に伸びる速さと、相対的に幅が狭い孔H1、H2が深さ方向に伸びる速さとを一致させることができる。すなわち厚層としての厚いシリコン層11と平行な面内におけるエッチング速度差に応じて孔H1、H2の幅や径などの形態を異ならせることにより第一連結部301および第二連結部302の連結材料を厚いシリコン層11に埋め込む深さを1枚のウエハ上に形成される複数の積層構造体で均一にすることができる。その結果、厚いシリコン層11に埋め込まれる連結材料の深さが1枚のウエハ上に形成される複数の積層構造体で均一になる。したがって、厚いシリコン層11の表面をCMPによって後退させて複数の錘部Mの厚さを同時に調整するとき、CMPの終点を正確に制御することができる。すなわち錘部Mの厚さをさらに正確に調整することができる。
9.第九実施形態
厚層のCMPによって錘部の厚さを調整する第八実施形態の技術は、厚層と薄層を連結する連結部のないMEMSにも適用することができる。第八実施形態の技術を適用した製造方法によって製造される加速度センサのセンサダイ9Aを図54に示す。図54において、センサダイ9Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ9Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。
(構成)
センサダイ9Aは厚層としての厚いシリコン層14と、薄層としての薄いシリコン層16と絶縁層20と配線層50と表面絶縁層51とからなる積層構造体であって、加速度センサの図示しないパッケージに収容される。厚いシリコン層14はn型の単結晶シリコンからなる。厚いシリコン層14の厚さは200μmである。薄いシリコン層16はn型のエピタキシャル結晶シリコンからなる。薄いシリコン層16の厚さは10μmである。絶縁層20はシリコン酸化膜からなる。絶縁層20の厚さは0.5μmである。配線層50はアルミニウムからなる。配線層50の厚さは0.3μmである。表面絶縁層51は厚いシリコン層14に対するCMPのポリシングストッパとなる材料である窒化シリコンからなる。表面絶縁層51の厚さは0.5μmである。
加速度センサのセンサダイ9Aは、枠の形態を有する支持部Sと、支持部Sの内側に張り渡された可撓部としてメンブレンFと、メンブレンFに設けられた検出手段としてのピエゾ抵抗素子131とを備える。
支持部Sは、外周が矩形であって内周が円形である矩形枠の形態を有する。支持部Sは厚いシリコン層14、薄いシリコン層16、絶縁層20および表面絶縁層51を含む。支持部Sは厚いシリコン層14を含み、パッケージに固定されるため実質的に剛体として振る舞う。
メンブレンFは円環形の膜の形態を有する。メンブレンFの外周は支持部Sの内周に結合している。メンブレンFの内周は連結部Cに結合している。メンブレンFは薄いシリコン層16と絶縁層20と表面絶縁層51を含む。メンブレンFは厚いシリコン層14を含まないため、可撓性を有する膜として振る舞う。
連結部CはメンブレンFと同一の層構造を有し、メンブレンFの中央部と錘部Mの中央に結合している。すなわち連結部CはメンブレンFの中央部と錘部Mの中央部とを連結している。
錘部Mは連結部Cの下端面に結合している。錘部MはメンブレンFの厚さ方向から見て円形である円板の形態を有する。錘部Mは厚いシリコン層14からなるため、実質的に剛体として振る舞う。錘部MとメンブレンFとの間には高さ1μmの空隙Gが形成されている。錘部Mは可撓性を有するメンブレンFの中央部に結合している連結部Cに結合して図示しないパッケージから浮いているため、センサダイ9Aに加速度が生ずると錘部Mは支持部Sに対して相対的に運動する。したがってセンサダイ9Aに加速度が生ずると錘部Mが支持部Sに対して相対的に運動し、連結部Cによって錘部Mに連結しているメンブレンFが変形する。
ピエゾ抵抗素子131は錘部Mの運動に伴うメンブレンFの変形を検出するための検出手段である。ピエゾ抵抗素子131は薄いシリコン層16の表層において互いに直交する2軸の一方に沿って4個、その2軸の他方にそって8個が設けられている。ピエゾ抵抗素子131は直線的に並ぶ4つを1組とする合計3組のホイーストンブリッジを構成するように結線される。互いに直交する3軸の加速度成分のそれぞれに対応する信号を各ホイーストンブリッジから得ることができる。
(製造方法)
はじめに図55に示すように厚いシリコン層14の表面に犠牲層15を形成する。例えば犠牲層15として、厚さ1μmのp型のシリコン膜をエピタキシャル成長させる。
次に図56に示すように図示しない保護膜を用いたエッチングにより犠牲層15をパターニングする。犠牲層15のパターンはメンブレンFのパターンに一致させる。
次に図57に示すように厚いシリコン層14と犠牲層15の表面に薄いシリコン層16を形成する。薄いシリコン層16として、例えば厚さ10μmのn型のシリコン膜をエピタキシャル成長させる。なお、厚いシリコン層14と薄いシリコン層16とをp型とし、犠牲層15をn型にしてもよい。
次に第一実施形態において説明した図3および図4に対応する工程を実施することによって、図58に示すように薄いシリコン層16に高抵抗部131aを形成する。
次に第一実施形態において説明した図4、図10、図11、図12に対応する工程を実施することにより絶縁層20を形成し、絶縁層20にコンタクトホールを形成し、薄いシリコン層16に低抵抗部131bを形成し、配線層50をパターニングすることによって図59に示す積層構造体Wを得る。
次にフォトレジストからなる保護膜R9を用いて第一実施形態において説明した図5および図6に対応する工程を実施することにより、絶縁層20および薄いシリコン層16を貫通し、厚いシリコン層14の所定の深さに達する孔H6を形成する。このとき厚いシリコン層14に形成される凹部の深さは錘部Mの厚さを基準にして設定される。孔H6は1枚のウエハ上に形成される隣り合うセンサダイ9Aを区画する格子のパターンを有する。そして、第八実施形態において説明したように、格子パターンを有する孔H6の幅はウエハの中央に近いほど広く、ウエハの周辺に近いほど狭く設定する。その結果、1枚のウエハ上において孔H6の深さは均一になる。
次に第一実施形態において説明した図7に対応する工程を実施することにより、図61に示すように表面絶縁層51を絶縁層20および配線層50の表面に形成することにより孔H6を埋める。表面絶縁層51としては、例えばCVDによって厚さ15μmの窒化シリコンの膜を形成する。表面絶縁層51は、厚層としての厚いシリコン層14に対するCMPのポリシングストッパとして機能する材質であればよい。例えば表面絶縁層51として、窒化アルミニウム(Al)、窒化チタン(Ti)などの窒化物の膜を形成してもよいし、酸化シリコン(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタン(TiO)などの酸化物の膜を形成してもよいし、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)等のシリサイド化合物の膜を形成してもよい。
次にフォトレジストからなる図示しない保護膜を用いたエッチングによって表面絶縁層51に図62に示すようにコンタクトホールH7を形成する。表面絶縁層51は例えばCHFを用いた反応性イオンエッチングや、燐酸フッ酸あるいは緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングによってエッチングする。
次に第一実施形態において説明した図16に対応する工程を実施することにより、図63に示すようにスリットH4を形成し、メンブレンFの厚さ方向から見た錘部Mのパターンを形成する。
次に第一実施形態において説明した図15の工程と同様に、厚いシリコン層14の表面を研削、研磨およびCMPによって順次後退させることによって図64に示すように厚いシリコン層14の厚さを調整する。このとき、厚いシリコン層14とは異なる材質の表面絶縁層51をCMPの終点制御に用いることができる。具体的には厚いシリコン層14から異質の表面絶縁層51の底面が露出したことを検出したときにCMPを停止することによって厚いシリコン層14の厚さを調整することができるため、表面絶縁層51が厚いシリコン層14に埋め込まれている深さを基準にして正確に厚いシリコン層14の厚さを調整することができる。本実施形態では、厚いシリコン層14の厚さは、図60に示す工程において厚いシリコン層14に形成された凹部の深さに調整される。そして本工程において調整された厚いシリコン層14の厚さが錘部Mの厚さになる。
次に環状のスリットH4から露出している犠牲層15を等方性エッチングによって除去すると図65に示すように錘部Mと梁Fとの間の空隙Gが形成される。
次に、表面絶縁層51の孔H6内に形成された部分を図66、図67に示すようにフォトレジストからなる保護膜R10を用いた異方性エッチングによって除去することによって積層構造体Wを分断し、図53に示すセンサダイ9Aを得る。このとき、ダイサーやレーザによって積層構造体Wをセンサダイ9A毎に分断しても良い。
その後、ワークから接着層Bを除去し、パッケージング等の後工程を実施すると加速度センサが完成する。
10.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。また例えば、上述した製造工程において、膜の組成、成膜方法、膜の輪郭形成方法、工程順序などは、膜材料の組み合わせや、膜厚や、要求される輪郭形状精度などに応じて適宜選択されるものであって、特に限定されない。
図1Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図1Bは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図5Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図5Bは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図13Aおよび図13Bは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図13Cは本発明の第一実施形態にかかる平面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第二実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第三実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第四実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第五実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 本発明の第六実施形態にかかる断面図。 図43Aは本発明の第七実施形態にかかる断面図。図43Bは本発明の第七実施形態にかかる上面図。 本発明の第七実施形態にかかる底面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 本発明の第七実施形態にかかる断面図。 図53Aは本発明の第八実施形態にかかる平面図。図53Bは本発明の第八実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。 本発明の第九実施形態にかかる断面図。
符号の説明
1:加速度センサ、1A:センサダイ、1B:パッケージ、2A:センサダイ、3:加速度センサ、3A:センサダイ、3B:パッケージ、4A:センサダイ、5A:センサダイ、6A:センサダイ、7A:センサダイ、9A:センサダイ、10:SOIウエハ、11:厚いシリコン層、12:犠牲層、13:薄いシリコン層、14:厚いシリコン層、15:犠牲層、16:薄いシリコン層、20:第一絶縁層、30:連結層、31:エッチングストッパ層、31a:サイドウォール、31b:サイドウォール、31c:サイドウォール層、32:コア層、33:エッチングストッパ層、34:コア層、35:エッチングストッパ層、36:ポリシングストッパ層、37:コア層、38:エッチングストッパ層、39:シード層、40:第二絶縁層、50:配線層、51:表面絶縁層、60:犠牲基板、70:エッチングストッパ層、71:コア層、80a:駆動用圧電素子、80b:検出用圧電素子、81:電極層、82:圧電層、83:電極層、90:ベース、90a:底面、91:貫通電極、92:接着層、93:接着層、94:カバー、95:ワイヤ、131:ピエゾ抵抗素子、131a:高抵抗部、131b:低抵抗部、301:第一連結部、302:第二連結部、B:接着層、C:連結部、F:メンブレン、F:梁、G:空隙、H1:孔、H1:孔、H1:孔、H2:孔、H2:孔、H2:孔、H3:コンタクトホール、H4:スリット、H5:通孔、H6:孔、H7:コンタクトホール、M:錘部、R1:保護膜、R2:保護膜、R3:被膜、R4:保護膜、R5:保護膜、R6:保護膜、R7:保護膜、R8:保護膜、R9:保護膜、R10:保護膜、S:支持部、W:積層構造体

Claims (8)

  1. 支持部と、
    環状の錘部と、
    前記錘部の内周面に結合し前記錘部を貫通し上端部が前記錘部の上面から突出している連結部と、
    前記連結部の上端部に一端が結合し、前記支持部に他端が結合し、空隙を挟んで底面が前記錘部の上面と対向し、前記錘部の運動に伴って変形する可撓部と、
    前記錘部の運動に伴う前記可撓部の変形を検出する検出手段と、
    を備え、
    前記錘部の底面の内側に露出している前記連結部の底面の表層と前記錘部の前記底面の表層とは互いに異なる材料からなる、
    MEMSセンサ。
  2. 前記支持部の底面が接着されるパッケージをさらに備え、
    前記支持部は、前記錘部を構成している厚層と、前記可撓部を構成している前記厚層より薄い薄層と、前記厚層の内面に結合し前記厚層を貫通し上端部が前記薄層に結合し前記連結部と同一の層構成を有する第二連結部を備え、
    前記第二連結部の底面は前記支持部の底面から突出している、
    請求項1に記載のMEMSセンサ。
  3. 前記連結部の底面は前記錘部の前記底面から突出している、
    請求項1または2に記載のMEMSセンサ。
  4. 前記連結部の他端面と前記錘部の前記底面とは平坦に連続している、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
  5. 前記連結部は、2層以上に積層された互いに異なる複数材料からなる、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
  6. 前記第二連結部は、2層以上に積層された互いに異なる複数材料からなる、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
  7. 請求項1に記載のMEMSセンサを製造する方法であって、
    前記錘部および前記支持部となる厚層と、前記厚層より薄く前記支持部および前記可撓部となる薄層と、前記厚層と前記薄層との間に位置する犠牲層とを含む積層構造体を形成し、
    前記薄層と前記犠牲層とを貫通する孔をエッチングによって形成し、
    前記孔から露出している前記厚層の領域に予め決められた深さの凹部をエッチングによって形成し、
    前記犠牲層のエッチングにおいて前記連結部として残存し前記厚層とは異なる連結材料を前記通孔と前記凹部とに堆積し、
    前記凹部の裏に相当する前記厚層の面を少なくとも前記連結材料が露出するまでCMPによって後退させることによって前記錘部の厚さを調整し、
    前記犠牲層をエッチングすることによって前記錘部と前記可撓部との間の前記空隙を形成する、
    ことを含むMEMSセンサの製造方法。
  8. 第一の前記連結材料からなるサイドウォールを前記通孔の内側に形成し、
    前記サイドウォールの内側を第二の前記連結材料によって埋める、
    ことを含む請求項7に記載のMEMSセンサの製造方法。
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