JP2010145203A - リニアエンコーダ信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンコーダ調整時に内挿誤差算出部11によりポールピッチに関する内挿誤差補正用パラメータおよびシフト誤差算出部12によりシフト誤差補正用パラメータを算出し、記憶させておき、エンコーダ実動作時にこれらのパラメータを使用して内挿誤差補正部6にて内挿誤差およびシフト誤差補正部8にて起点ズレおよび内挿分割幅を補正し絶対位置を生成する。
【選択図】図1
Description
図9は特許文献1での内挿誤差とシフト誤差を補正する光学式リニアスケールの構成図である。図において、301は例えば固定体に取り付けられたリニアスケールであり、該スケール301には透過などの光学的作用を利用したスリット302が設けられている。測定ヘッド303は図示しない発光手段からの光を検出する光電変換手段が設けられ、スリット302に対向して且つリニアスケール301に沿って移動可能に設けられている。なお、発光手段はスリット302を挟んで測定ヘッド303の反対側に設けられる。測定アンプ304は測定ヘッド303の出力側に接続され、該測定ヘッド303からの測定信号である互いに90゜位相がずれた2つの正弦波信号を、分解能向上のために分割し、矩形波に整形する。 測定アンプ304の出力側はデータ収集用コンピュータ311のカウンタ305に接続され、該カウンタ305は測定アンプ304からの矩形波パルスをカウントする。 一方、前記リニアエンコーダの誤差検出用の基準測長装置として光学反射鏡306、リニアインターフェロメータ307、レーザヘッド308、及びレーザコントローラ309から成るレーザ測長装置が設けられる。リニアインターフェロメータ307は所定位置に固定され、測定ヘッド303に取り付けられた光学反射鏡306からの光の干渉信号を出力し、この出力に基づいてレシーバを内蔵したレーザヘッド308がインターフェロメータ307と光学反射鏡306との間の距離を測定する。測定信号はレーザコントローラ309を介してデータ収集用コンピュータ311のインターフェィス310に供給され、該コンピュータ311内に記憶される。
位置誤差データをスリット幅単位に相当する領域に分割し、このようにして分割された領域を各々所定数ごとに集めた複数のブロックに分けブロック内の内挿誤差の平均パターンを求め記憶手段に記憶する。これは近接する各領域において、略同じ誤差パターンを持っているので複数のパターンを所定数ずつまとめてもデータの精度には殆ど影響しないという考えに基づくものである。内挿誤差を補正するには、カウンタ305のカウント値が各ブロックの位置を示したとき、当該ブロックの平均内挿誤差パターンを前記記憶手段から読出し、測定アンプ304からの測定信号からその平均内挿誤差パターンを演算により除いてやることにより内挿誤差の補正された信号を得る。
シフト誤差は、領域毎に所定のスケール原点に対するシフト誤差の平均値を求める。この平均値の算出をスケール上の全領域において各々行い、スケール全体の各領域毎のシフト誤差平均値を求め記憶手段に記憶する。シフト誤差を補正するには、カウンタ305のカウント値が各領域の位置を示したとき、当該領域のシフト誤差平均値を前記記憶手段から読出し、測定アンプ304からの測定信号から演算により除くことにより、シフト誤差を補正した信号を得る。
しかしながら、シフト誤差には磁石幅のばらつきによる内挿1周期の幅しいては内挿分割幅のばらつきも含まれており上記のように単純に一定値で位置をオフセットさせただけでは誤差が補正値に近い部分では補正されるが内挿1周期の起点や終点では前後の内挿1周期の起点や終点とのつながりに段差ができ、スムーズにならない場合が生じる。光学式では、スリット幅が小さく各スリット幅のばらつきが小さいため内挿分割幅のばらつきも小さいため影響は小さいが、磁気式のように内挿1周期の幅が長い場合には平均化による精度向上の効果が見込めない。
また磁気式エンコーダの場合、センサ検出信号へ重畳する3次高調波等の高調波歪が大きく、内挿誤差が精度に大きく影響を与える。
特許文献2ではシフト誤差に対する補正方法の記載はあるが、高調波歪に対する補正方法に関しては記載されておらず、このため絶対位置精度の向上は期待できない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、各ポールピッチ毎の高調波歪による内挿誤差補正とシフト誤差補正を少ない記憶メモリで同時に行うことが出来るリニアエンコーダ信号処理装置および信号処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のリニアエンコーダの信号処理装置は、リニアモータの駆動用として使用される直線方向に固定された複数の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して配置された複数の磁界検出素子からなり前記複数の永久磁石のうち連続して配置された2つの永久磁石(N−S・S−N)で構成される各ポールピッチ毎に1周期のCOS信号およびSIN信号を検出する位置検出センサ部と、前記位置検出センサ部から出力される検出信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して取り込むAD変換器と前記デジタル信号をもとに前記各ポールピッチ毎に1周期内の内挿位置を算出する内挿位置算出部と前記内挿位置のオーバーフローやアンダーフローによって上位カウンタを算出する上位カウンタ算出部とからなるリニアエンコーダ信号処理装置において、前記ポールピッチを周期として発生する内挿誤差を補正するための内挿誤差補正用パラメータを記憶する第1の記憶部と、前記内挿誤差補正パラメータを用い前記ポールピッチ毎の内挿位置の誤差を補正する内挿誤差補正部と前記内挿位置の信号がオーバーフローやアンダーフローする点を各ポールピッチの起点として、エンコーダ全長をポールピッチの数で割った平均ポールピッチごとの基準位置と前記起点位置とのズレを示すシフト誤差を補正するためのシフト誤差補正用パラメータを記憶する第2の記憶部とを有し、前記位置検出センサ部からの1周期のCOS信号とSIN信号を用い逆正接演算から内挿位置信号を演算し、この内挿位置信号を、前記内挿誤差補正用パラメータを用いて補正し、補正内挿位置信号を求め、前記補正内挿位置信号から前記シフト誤差補正用パラメータと前記上位カウンタの値を用いてシフト誤差を補正しリニアエンコーダの位置を算出するようにしたことを特徴としている。
請求項7に記載のリニアエンコーダの信号処理方法は、請求項3記載のリニアエンコーダ信号処理装置のリニアエンコーダの信号処理方法において、前記基準位置算出部にて基準位置データを算出し、前記位置データ取得部にて前記基準位置データと前記内挿位置および前記上位カウンタの値を取込み、前記内挿誤差算出部にて取込んだ前記内挿位置のオーバーフローやアンダーフローする起点から次のオーバーフローやアンダーフローする起点までの1周期について前記基準位置データとの差分を前記ポールピッチの内挿誤差としてポールピッチの数だけ算出し、前記第1の記憶部にその時の前記上位カウンタ値とともに内挿誤差補正用パラメータとして記憶し、前記シフト誤差算出部にて前記基準位置データがリニアエンコーダ全長をポールピッチの数で割った平均ポールピッチ進んだ時の基準位置データとその位置に一番近い前記起点とのズレを示すポールピッチのシフト誤差を算出し、前記第2の記憶部に算出された前記上位カウンタの値と前記シフト誤差を対応させて記憶することを特徴としている。
請求項8に記載のリニアエンコーダの信号処理方法は、請求項6または7記載のリニアエンコーダの信号処理方法において、前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数で平均し、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴としている。
請求項9に記載のリニアエンコーダの信号処理方法は、請求項6または7記載のリニアエンコーダの信号処理方法において、前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数分、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴としている。
請求項3および請求項7に記載の発明によると、誤差補正データ取得作業では、取得された補正用パラメータは記憶部に格納されるため、本作業はエンコーダ初期立ち上げ時に調整動作として1度だけ実行すればよいため、メンテナンス作業が容易になる。
請求項4、および請求項8に記載の発明によると、第1の記憶部は平均化した内挿誤差を内挿誤差補正用パラメータとして記憶するようにしているため、記憶領域の容量が少なくてすむ。
請求項5、および請求項9に記載の発明によると、ポールピッチ毎の内挿誤差を内挿誤差補正用パラメータとして記憶するようにしているため精度向上が期待できる。
図3に誤差補正動作のフローを示す。
本発明の誤差補正動作はリニアエンコーダ実駆動時に行われ大きく3つの動作に分けられる。
内挿位置および上位カウンタを算出する動作。(ステップ1)
各ポールピッチ毎の内挿誤差を補正する動作。(ステップ2)
各ポールピッチ毎のシフト誤差(起点ズレおよび内挿分割幅)を補正し絶対位置を算出する動作。(ステップ3)
以下これらの動作について順に説明する。
まず、内挿位置および上位カウンタを算出する動作について説明する。
直線上に2n個のリニアモータの駆動用として使用される永久磁石がN−S・S−N・N−S・S−N・・・の順に配置され、0〜n−1までn個のポールピッチがある場合について説明する。1つのポールピッチは2つの連続した永久磁石の組み合わせ(N−S・S−N)によって構成される。位置検出センサ部1から永久磁石に対して磁界検出素子が相対的に移動すると、各ポールピッチ毎に1周期のCOS信号およびSIN信号が出力される。出力されたCOS信号およびSIN信号はAD変換器2にてアナログ信号からデジタルデータへ変換される。デジタル化されたCOSデータおよびSINデータを用いて内挿位置算出部3でポールピッチ毎に1周期の位置データPosiを算出する。1ポールピッチ移動する毎に内挿位置はオーバーフロー(正方向移動時)あるいはアンダーフロー(逆方向移動時)するため、この時上位カウンタ算出部4にて上位カウンタの値iを移動方向によって1アップあるいはダウンさせる。この動作により0番目のポールピッチからn−1番目のポールピッチ、すなわち全長分移動する間に内挿位置Posiおよび0からn−1までの上位カウンタiを算出する。以下、0番目のポールピッチの内挿位置原点を全長分の原点とし説明する。
ここで出力される内挿位置Posiはセンサ信号の振幅やオフセットやその他の高調波歪みによる位置誤差(内挿誤差)を含んでいる。さらに永久磁石の寸法や配置のばらつきにより各ポールピッチの周期長が異なるため本来平均ポールピッチ幅(全長をポールピッチ数で割った長さ)毎にあるべき各ポールピッチの起点にズレが生じシフト誤差となる。 内挿位置Posiはリニアエンコーダ全長を通して図5に示すような誤差を含む位置波形となる。
次に、各ポールピッチ毎の内挿誤差を補正する動作について説明する。
第1の記憶部5に記憶された内挿誤差補正用パラメータを用いて内挿位置算出部3より算出された内挿位置Posiに対して補正を行う。補正の方法は第1の記憶部5に記憶させた内挿誤差補正用パラメータを用いて全てのポールピッチに対して内挿誤差補正を行う。
内挿誤差の形は、磁石特性やセンサとのギャップのばらつきなどで多少違いはあるが基本的には各ポールピッチ内で同じような形となる。
よって、内挿誤差補正用パラメータはn個のポールピッチにおける内挿誤差の平均値を用いる。ポールピッチ数が少ない場合や、記憶領域に余裕がある場合には各ポールピッチ毎に別々のパラメータを用いても良い。なお、内挿位置Posiの分割数に対して、内挿誤差補正用パラメータの数を少なくした場合には、前後のパラメータの直線補間値を用いて補正を行っても良い。
内挿誤差補正後の位置Poshi(はポールピッチ毎の誤差が無くなるため全長を通して図6に示すような位置波形となる。ここでは、まだ各ポールピッチの起点ズレおよび内挿分割幅のばらつきによるシフト誤差が残っている。
次に、各ポールピッチのシフト誤差の補正を行う。 本来シフト誤差がなければ全長分の原点から平均ポールピッチの長さ毎に各ポールピッチの起点があるはずである。しかしながらシフト誤差のために各ポールピッチの起点はあるべき位置からずれている。また各ポールピッチの内挿位置は各ポールピッチの起点から各ポールピッチ長を1周期とするように出力される。すなわち内挿1周期の位置データを0〜M−1(最大値)のデータに変換、分割すると、各ポールピッチ毎に内挿分割幅が異なる。これらを補正し全長分の絶対位置を算出する。
図7はシフト誤差の補正方法を説明する説明図である。本来内挿位置は0〜M−1までであるためグラフはのこぎり波状になるが、ここでは前後のポールピッチとの関係をわかりやすくするために縦軸は絶対位置で表現している。 なお、補正内挿位置Poshiおよび内挿分割幅補正後の位置Posriは内挿位置であり0〜M−1の値を示す。
まず、各ポールピッチの起点のズレの補正を行う。
各ポールピッチの起点Piをリニアスケール全長分の原点から見た絶対位置とし、各ポールピッチ長をPHi、平均ポールピッチ長をPichAve、各ポールピッチ起点Piと各平均ポールピッチ長の起点とのズレをZiとすれば、
Pi = PichAve × i − Zi
で表される。
内挿分割幅(長さ)は正確には平均ポールピッチ長PichAveを内挿1周期分割最大値(以下分割数と呼ぶ)Mで割った幅(長さ)であるが、補正内挿位置Poshiはそれぞれ長さに差がある各ポールピッチ毎に各ポールピッチ長PHiを分割数Mで割った幅(長さ)となっており異なる。
このため分割数を以下の式で平均ポールピッチ長を分割数Mで割った幅(長さ)に変換すれば、変換後の内挿位置Posriは、
Posri = Poshi × PHi / PichAve
ここで、PHiは、
PHi = PichAve + Zi - Zi+1 (i=0 〜 n−1)
nはポールピッチ数
で表される。
実際の演算は内挿1周期を分割数Mに分割したレベルで行う。Zi、PichAveおよびPiをM分割のレベルで表したものをそれぞれZmi、MおよびPmiとすると上式は
(起点位置)Pmi = M × i − Zmi
(各ポールピッチ長)PHmi = M + Zmi − Zmi+1
Posri = Poshi × (M + Zmi − Zmi+1) / M
(i=0 〜 n−1) nはポールピッチ数
最終的に補正された絶対位置PosOutは、
PosOut = Pmi + Posri
= M × i − Zmi
+ Poshi × (M + Zmi − Zmi+1) / M
(i=0 〜 n−1) nはポールピッチ数
となる。
すなわち、シフト誤差が補正された絶対位置は上位カウンタの値で示されるポールピッチ起点Pmiと内挿分割補正を行ったPosriの和で表される。
ポールピッチ起点Pmiは上位カウンタの値iとそのカウンタ値でのズレの値Zmiからもとめられ、内挿分割幅補正は内挿補正の値Poshiにずれ量Zmiと分割数Mから求められる。
なお、0番目とn−1番目のポールピッチは端に位置するため、
Zm0 = 0 および Zmn = 0
となる。
以上説明したように、各ポールピッチ内の内挿誤差を補正するとともに、各起点のズレ分の補正および内挿分割幅の補正を行うことにより、出力される絶対位置PosOutは精度良い位置データとなる。
図4に誤差補正データ取得動作のフローを示す。
本発明の誤差補正データ取得動作は調整時に行われ、大きく3つの動作に分けられる。
補正用パラメータを作成するために位置データを取り込む動作。(ステップ4)
各ポールピッチ毎の内挿誤差補正用パラメータを算出する動作。(ステップ5)
各ポールピッチ毎のシフト誤差補正用パラメータを算出する動作。(ステップ6)
以下これらの動作について順に説明する。
まず、補正用パラメータを作成するために位置データを取り込む動作について説明する。
内挿位置および上位カウンタの値を算出するまでの動作は、前述の誤差補正動作(ステップ1)で説明した内容と同じであるのでここでは省略する。外部に取り付けられた基準位置を算出する基準位置検出装置の基準位置算出部9から出力された基準位置データおよびエンコーダの上位カウンタの値と内挿位置を合わせた位置データを位置データ取得部10にてエンコーダ全長にわたって取り込む。ここで取り込んだ全長分のデータを用いて後述する(ステップ5)および(ステップ6)にて各補正用パラメータを算出する。
なお、前記基準位置算出部としては、分解能の高いリニアスケールやレーザ干渉計等を用いると良い。
次に、各ポールピッチ毎の内挿誤差補正用パラメータを算出する動作について説明する。
ステップ4で取り込んだ基準位置データPoskおよびエンコーダの上位カウンタの値iと内挿位置Posiを合わせた位置データを使い内挿誤差算出部11にて各ポールピッチ毎の内挿位置誤差を算出する。上位カウンタの値iの時の内挿位置のオーバーフローやアンダーフロー位置から次のオーバーフローやアンダーフロー位置までの位置データPosiを内挿位置1周期として、これらに対応する基準位置Poskiと合わせて取り込む。 各ポールピッチ長PHiは平均ポールピッチ長PichAveと異なるため、たとえばあるポールピッチ長が平均ポールピッチ長より短い場合、このポールピッチの内挿位置がオーバーフローやアンダーフロー位置から次のオーバーフローやアンダーフロー位置までポールピッチ長(1周期)移動したとき基準位置データの移動量は平均ポールピッチ長より小さくなる。 内挿1周期は各ポールピッチ長PHiであるため基準位置データPoskiを
Poski = Posk × PHi / PichAve
とする。
実際の演算は、内挿1周期をM分割したレベルで行う。PHiおよびPichAveをM分割のレベルで表したものをそれぞれPHmiおよびMとすると上式は
Poski = Posk × PHmi / M
PHmiは後述する(ステップ6)で得られるM分割レベルで表される起点ズレZmiを用いて、
PHmi = M + Zmi − Zmi+1
で表される。
各ポールピッチ長に合わせたうえで内挿誤差Gosaiを
Gosai = Posi − Poski
のように算出する。
なお、各内挿位置の最初のオーバーフローやアンダーフロー位置の誤差を0となるように基準位置データにオフセットを加え調整する。
また。1周期分のパラメータの数は、第1の記憶部の記憶領域の大きさに合わせて間隔を間引いて格納すればよい。この場合、誤差補正動作の(ステップ2)で説明したように補正動作時には、前後のパラメータより直線補間によってパラメータを作成すればよい。
次に、各ポールピッチのシフト誤差補正用パラメータを算出する動作について説明する。
ステップ4で取り込んだ位置データPosiに対してポールピッチのシフト誤差算出部12にて平均ポールピッチPichAveに対する各ポールピッチ起点ズレを算出する。
起点ズレについて説明する。
リニアエンコーダ全長分をポールピッチ数nで平均化した平均ポールピッチ長をPichAveとする。基準位置データPoskiが平均ポールピッチ長で数i進んだ位置PichAve × iと上位カウンタiがカウントアップする時点の起点Piとの差を各ポールピッチの起点ズレZiとする。各ポールピッチの起点Piと起点のズレZiの関係式は
Zi = PichAve × i - Pi (i = 0 〜 n−1 )
で表される。
実際の演算は、内挿1周期をM分割したレベルで行う。Zi、PichAveおよびPiをM分割のレベルで表したものをそれぞれZmi、MおよびPmiとすると上式は
Zmi = M × i − Pmi
となる。
算出された各ポールピッチ起点のズレZmiをそのときの上位カウンタiと対応させてシフト誤差補正用パラメータとして第2の記憶部へ格納する。また、Zmiの代わりにPmiをシフト誤差補正用パラメータとして第2の記憶部へ格納しても良い。
2 ・・・・AD変換器
3 ・・・・内挿位置算出部
4 ・・・・上位カウンタ算出部
5 ・・・・第1の記憶部
6 ・・・・内挿誤差補正部
7 ・・・・第2の記憶部
8 ・・・・シフト誤差補正部
9 ・・・・基準位置算出部
10・・・・位置データ取得部
11・・・・内挿誤差算出部
12・・・・シフト誤差(起点ズレ)算出部
Claims (9)
- リニアモータの駆動用として使用される直線方向に固定された複数の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して配置された複数の磁界検出素子からなり前記複数の永久磁石のうち連続して配置された2つの永久磁石(N−S・S−N)で構成される各ポールピッチ毎に1周期のCOS信号およびSIN信号を検出する位置検出センサ部と、前記位置検出センサ部から出力される検出信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して取り込むAD変換器と前記デジタル信号をもとに前記各ポールピッチ毎に1周期内の内挿位置を算出する内挿位置算出部と前記内挿位置のオーバーフローやアンダーフローによって上位カウンタを算出する上位カウンタ算出部とからなるリニアエンコーダ信号処理装置において、
前記ポールピッチを周期として発生する内挿誤差を補正するための内挿誤差補正用パラメータを記憶する第1の記憶部と、
前記内挿誤差補正パラメータを用い前記ポールピッチ毎の内挿位置の誤差を補正する内挿誤差補正部と
前記内挿位置の信号がオーバーフローやアンダーフローする点を各ポールピッチの起点として、エンコーダ全長をポールピッチの数で割った平均ポールピッチごとの基準位置と前記起点位置とのズレを示すシフト誤差を補正するためのシフト誤差補正用パラメータを記憶する第2の記憶部とを有し、
前記位置検出センサ部からの1周期のCOS信号とSIN信号を用い逆正接演算から内挿位置信号を演算し、
この内挿位置信号を、前記内挿誤差補正用パラメータを用いて補正し、補正内挿位置信号を求め、
前記補正内挿位置信号から前記シフト誤差補正用パラメータと前記上位カウンタの値を用いてシフト誤差を補正しリニアエンコーダの位置を算出することを特徴とするリニアエンコーダの信号処理装置。 - 前記シフト誤差の補正を前記永久磁石の配置のズレによる各ポールピッチの前記起点のズレを補正した後、ポールピッチの長さのばらつきに起因する内挿分割幅の補正をすることを特徴とする請求項1記載のリニアエンコーダの信号処理装置。
- 外部に取り付けられ基準位置データを出力する基準位置算出部と、
前記基準位置算出部から出力される基準位置データと前記内挿位置算出部から出力される内挿位置信号および前記上位カウンタ算出部の出力を取り込み基準位置データと内挿位置信号を出力する位置データ取得部と、
前記位置データ取得部で取り込まれた基準位置データと内挿位置信号がオーバーフローやアンダーフローする起点から次にオーバーフローやアンダーフローする起点までの1周期の内挿位置信号との差分を前記ポールピッチの内挿誤差としてポールピッチの数だけ算出する内挿誤差算出部と、
前記基準位置がエンコーダ全長をポールピッチの数で割った平均ポールピッチ長進んだ時の基準位置データとその位置に一番近い前記起点とのズレを示すポールピッチのシフト誤差を算出するシフト誤差算出部と、を備えることを特徴とする請求項1記載のリニアエンコーダの信号処理装置。 - 前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数で平均し、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴とする請求項1または3記載のリニアエンコーダ信号処理装置。
- 前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数だけ、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴とする請求項1または3記載のリニアエンコーダ信号処理装置。
- 請求項1記載のリニアエンコーダ信号処理装置のリニアエンコーダの信号処理方法において、
前記内挿位置算出部にて前記位置検出センサ部からのCOS信号およびSIN信号から前記各ポールピッチ毎に1周期の内挿位置を算出し、
前記内挿位置演算部での前記内挿位置信号のオーバーフローやアンダーフローによって上位カウンタ算出部にて前記上位カウンタの値を算出し、
前記第1の記憶部から前記ポールピッチの内挿位置での前記内挿誤差補正用パラメータを読み出し、
読み出した前記内挿誤差補正用パラメータを用いて、前記内挿誤差補正部にて前記内挿位置の内挿誤差を補正し前記補正内挿位置を算出し、
前記第2の記憶部から前記ポールピッチの前記シフト誤差補正用パラメータを読み出し、
読み出したシフト誤差補正用パラメータを用いて、前記シフト誤差補正部にて前記内挿誤差補正部より出力される補正内挿位置と前記上位カウンタをもとに前記ポールピッチのシフト誤差を補正しリニアエンコーダの位置を算出することを特徴とするリニアエンコーダの信号処理方法。 - 請求項3記載のリニアエンコーダの信号処理装置のリニアエンコーダの信号処理方法において、
前記基準位置算出部にて基準位置データを算出し、
前記位置データ取得部にて前記基準位置データと前記内挿位置および前記上位カウンタの値を取込み、
前記内挿誤差算出部にて取込んだ前記内挿位置のオーバーフローやアンダーフローする起点から次のオーバーフローやアンダーフローする起点までの1周期について前記基準位置データとの差分を前記ポールピッチの内挿誤差としてポールピッチの数だけ算出し、前記第1の記憶部にその時の前記上位カウンタ値とともに内挿誤差補正用パラメータとして記憶し、
前記シフト誤差算出部にて前記基準位置データがリニアエンコーダ全長をポールピッチの数で割った平均ポールピッチ進んだ時の基準位置データとその位置に一番近い前記起点とのズレを示すポールピッチのシフト誤差を算出し、
前記第2の記憶部に算出された前記上位カウンタの値と前記シフト誤差を対応させて記憶することを特徴とするリニアエンコーダの信号処理方法。 - 前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数で平均し、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴とする請求項6または7記載のリニアエンコーダの信号処理方法。
- 前記第1の記憶部は前記ポールピッチ毎の内挿誤差をポールピッチの数分、内挿誤差補正用パラメータとして記憶することを特徴とする請求項6または7記載のリニアエンコーダ信号処理方法。
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