JP2010144811A - 揺動型歯車装置 - Google Patents

揺動型歯車装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010144811A
JP2010144811A JP2008321542A JP2008321542A JP2010144811A JP 2010144811 A JP2010144811 A JP 2010144811A JP 2008321542 A JP2008321542 A JP 2008321542A JP 2008321542 A JP2008321542 A JP 2008321542A JP 2010144811 A JP2010144811 A JP 2010144811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
bearing
rotating member
shaft
retainer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008321542A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Murao
悟 村尾
Atsushi Yao
敦 八尾
Yoichiro Sankai
陽一朗 山海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008321542A priority Critical patent/JP2010144811A/ja
Publication of JP2010144811A publication Critical patent/JP2010144811A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】従来と比して取り付け作業が容易でかつ部品点数の少ない保持器であって、上記従来に比して軽量な保持器を備えることにより、コストダウンされるとともに軽量化をはかった揺動型歯車装置を提供する。
【解決手段】回転軸の軸方向端部に設けられる軸歯車と、前記回転軸の軸心に対して偏芯して回転するとともに、回転中心軸が揺動する回転部材と、前記回転部材の軸方向の端部に設けられるとともに、前記軸歯車と噛合する回転部材歯車とを備える揺動型歯車装置において、前記回転部材は該回転部材を回転可能に取り付けるための、複数の転動体と該複数の転動体の位置を保持する保持器55を有する軸受を更に備え、前記保持器55が樹脂を主材料として形成されていることを特徴とする揺動型歯車装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、揺動型歯車装置に関し、特にコストダウンおよび軽量化を図った揺動型歯車装置に関する。
従来、小型で高い減速比が得られ、かつ伝導効率が高い変速機として揺動型歯車装置を用いた減速器が用いられている。例えば特許文献1に具体例が提示されている。図7および図8を用いて1例を説明する。
図7に示すように、略円柱形の第1の入力軸101は軸受111および軸受121を介して略円筒形のハウジング104に回転可能に支承されている。また、第1の入力軸101には傘歯車である第1歯車g101(軸歯車)が歯面を軸方向において出力側(以下、単に、「出力側」という。)に向けて固定されている。また、第1歯車g101の出力側には回転部材であるベアリングギア105が配設されているとともに、ベアリングギア105の内輪151の軸方向において入力側(以下、単に、「入力側」という。)には傘歯車である第2歯車g102(回転部材歯車)が形成されている。この第2歯車g102が第1歯車g101と噛合しているため、第1の入力軸101の回転状態においては、第1の入力軸101の回転はベアリングギア105に伝達される。なお、内輪151の円周部分を、径方向において外方(以下、単に、「外方」という。)から取り囲むように、外輪152が設けられ、かつ、この内輪151と外輪152との間に転動体153が介接されることにより、ベアリング一体型の歯車であるベアリングギア105が形成されている。この外輪152は一部図略の電動モータのロータ102に一体的に回転するよう取り付けられている。ロータ102は軸受122,123によりハウジング104に支持される。
また、ベアリングギア105の内輪151の出力側には傘歯車である第3歯車g103(回転部材歯車)が形成されている。この第3歯車g103の、更に出力側には、出力軸103が、軸受122および軸受123を介してハウジング104に回転可能に支承されている。また、出力軸103には傘歯車である第4歯車g104が歯面を入力側に向けて固定されている。この第4歯車g104には上述の第3歯車g103が噛合しているため、ベアリングギア105に伝達された回転は、出力軸103に伝達される。なお、上記第1の入力軸101および出力軸103は同一の回転軸106を有している。
次に、ベアリングギア105の構造を図8を用いてより具体的に説明する。上述したように、第2歯車g102が形成されている内輪151の円周部分を、外方から取り囲むように、外輪152が設けられ、かつ、この内輪151と外輪152との間に転動体153が介接されている。更に保持する保持器155により、転動体153同士の位置関係が変化しないように保持されている。より具体的には保持器155は入力側保持器155iと出力側保持器155oとからなり、入力側保持器155iおよび出力側保持器155oが転動体153を挟み込む態様でリベット155rによって止められることにより、転動体153を保持している。
特開2006−46405号公報
しかし、転動体153を入力側保持器155iおよび出力側保持器155oで挟み込んだ上でリベット155rによって止める作業は煩雑であるため、製造コストが大きくなる。また、部品点数も多く管理上問題となる。更に、保持器155は金属製であるため重量が大きい。
本発明はかかる実情を鑑みてなされたもので、上記従来と比して取り付け作業が容易でかつ部品点数の少ない保持器であって、上記従来に比して軽量な保持器を備えることにより、コストダウンされるとともに軽量化をはかった揺動型歯車装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる揺動型歯車装置は、回転軸の軸方向端部に設けられる軸歯車と、前記回転軸の軸心に対して偏芯して回転するとともに、回転中心軸が揺動する回転部材と、前記回転部材の軸方向の端部に設けられるとともに、前記軸歯車と噛合する回転部材歯車とを備える揺動型歯車装置である。また、前記回転部材は該回転部材を回転可能に取り付けるための複数の転動体と、該複数の転動体の位置を保持する保持器を有する軸受とを更に備え、前記保持器が樹脂を主材料として形成されていることを特徴とする。
上記構成によると、保持器が樹脂を主材料として形成されているため、従来の金属製保持器と比して取り付け作業が容易でかつ部品点数の少ない保持器であって、軽量な保持器とすることができる。従って、上記従来と比してコストダウンされるとともに軽量化をはかった揺動型歯車装置を提供することができる。
本発明にかかる揺動型歯車装置は、前記保持器は、強化材を含有する樹脂を主材料として形成されていることが好ましい。
上記構成によると、保持器は、強化材を含有する樹脂を主材料として形成されているため、強度が高いとともに変形しにくい。従って、回転中心軸が揺動する回転部材が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体が保持器から外れることを抑制することができる。
本発明にかかる揺動型歯車装置は、前記強化材は、グラスファイバーであることを特徴とすることが好ましい。
上記構成によると、強化材は、グラスファイバーであるため、安価かつ汎用性の材料により強度が高いとともに変形しにくい保持器を作成できる。従って、回転中心軸が揺動する回転部材が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体が保持器から外れることを抑制することが、容易に可能となる。
本発明にかかる揺動型歯車装置は、保持器は前記複数の転動体の間に配設されるとともに前記複数の転動体の位置を保持する複数の保持部と、前記複数の保持部を互いに接続する接続部を備える。また、前記接続部の軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みは、転動体半径をdとすると、0.3dより大きく、0.7d以下であることが好ましい。
上記構成によると、接続部の軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みは、転動体半径をdとすると、0.3dより大きくため、同部分の厚みが0.3dである標準的な樹脂製の保持器に比して、強度が高いとともに変形しにくい。従って、回転中心軸が揺動する回転部材が有する軸受に使用された場合であっても、変形が一層抑制され、転動体が保持器から外れることを一層抑制することができる。また、接続部の軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みは、転動体半径をdとすると、0.7d以下であるため、0.7dを超える場合に比して、型を使って成型する場合において、型からの分離が容易で、型からの分離時に破損することが少ない。従って、歩留まりが低下することを抑制しうる。
本発明にかかる揺動型歯車装置は、保持器は、該揺動型歯車装置の運転時にかかりうる最大面圧がかかった場合においても転動体を保持しうる強度を有することが好ましい。
上記構成によると、保持器は、該揺動型歯車装置の運転時にかかりうる最大面圧がかかった場合においても転動体を保持しうる強度を有するため、回転中心軸が揺動する回転部材が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体が保持器から外れることを抑制することができる。
本発明によれば、噛合開始時および噛合終了時において、転動体や凹溝の端部に掛かる軸方向の力を緩和することにより、凹溝や転動体の長寿命化すること、および係る部位に置ける騒音の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明を具体化した揺動型歯車装置の一実施形態を、図1〜図6を用いて、以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる揺動型歯車装置は、略円筒形状ハウジング4と、ハウジングに挿入された略円柱状の第1の入力軸1、略円筒状の第2の入力軸であるロータ2、略円柱状の出力軸3、および、第1から第4の歯車を含み、それぞれ軸受を介して支承されている。即ち、2つの入力軸と、1つの出力軸を有する揺動型歯車装置である。この揺動型歯車装置は、例えば自動車のステアリング装置に介装され、ステアリングホイールの回転に対する車輪の切れ角を可変とする伝達比可変機構に適用される。
略円柱形の第1の入力軸1は軸受11および軸受12を介して略円筒形のハウジング4に回転可能に支承されている。また、第1の入力軸1には、傘歯車である第1歯車g1(軸歯車)が歯面を軸方向において出力側(以下、単に、「出力側」という。)に向けて固定されている。また、第1歯車g1の出力側には回転部材であるベアリングギア5が配設されているとともに、ベアリングギア5の内輪51の軸方向において入力側(以下、単に、「入力側」という。)には傘歯車である第2歯車g2(回転部材歯車)が形成されている。この第2歯車g2が第1歯車g1と噛合しているため、第1の入力軸1の回転状態においては、第1の入力軸1の回転はベアリングギア5に伝達される。なお、内輪51の円周部分を、径方向において外方(以下、単に、「外方」という。)から取り囲むように、外輪52が設けられ、かつ、この内輪51と外輪52との間に転動体53が介接されることにより、ベアリング一体型の歯車であるベアリングギア5が形成されている。この外輪52は一部図略の電動モータのロータ2に一体的に回転するよう取り付けられている。ロータ2は軸受22,23によりハウジング4に支持される。
また、ベアリングギア5の内輪51の出力側には傘歯車である第3歯車g3(回転部材歯車)が形成されている。この第3歯車g3の更に出力側には、軸受12および軸受24を介して、出力軸3がハウジング4に回転可能に支承されている。また、出力軸3には傘歯車である第4歯車g4(軸歯車)が歯面を入力側に向けて固定されている。この第4歯車g4には上述の第3歯車g3が噛合しているため、ベアリングギア5に伝達された回転は、出力軸3に伝達される。なお、上記第1の入力軸1および出力軸3は同一の回転軸6を有している。
上記第1歯車g1〜第4歯車g4を外方から取り囲むように、略円筒形の第2の入力軸であるロータ2が、軸受22および軸受23を介して、ハウジング4に支承されている。このロータ2の内周面21は、回転軸6に対して偏芯した円筒形をなしている。更に、この内周面21に上述のベアリングギア5の外輪52が内嵌されている。その結果、外輪52ひいてはベアリングギア5は回転軸6に対して偏芯した状態で備えられている。
まず、第1の入力軸1および第2の入力軸であるロータ2からの入力と出力軸3との関係について説明する。
最初に、図1の状態において、第2の入力軸であるロータ2を固定し、第1の入力軸1が回転状態にある場合について説明する。ロータ2が固定されているため、内嵌されたベアリングギア5の外輪52も固定されている。従って、ベアリングギア5はその回転軸が固定された状態に保たれる。この状態において第1の入力軸1の回転は、第1歯車g1および第2歯車g2を介して、ベアリングギア5の内輪51に伝達されるとともに、内輪51に伝達された回転は、第3歯車g3および第4歯車g4を介して、出力軸3に伝達されるため、第1の入力軸1の回転は、第1歯車g1〜第4歯車g4のギア比に応じて減速され出力軸3に伝達される。
次に、図1の状態において第1の入力軸1を固定し、第2の入力軸であるロータ2が回転状態にある場合について説明する。ロータ2が回転しているため、内嵌されたベアリングギア5の外輪52も回転する。ここで、ロータ2の内周面21は、回転軸6に対して偏芯した円筒形をなしているため、外輪52を介してベアリングギア5全体が偏芯軸を変化させながら回転する揺動運動を行うことになる。ここで第1の入力軸1は固定されているため、ロータ2の回転は外輪52を介して、ベアリングギア5に伝達されるとともに、ベアリングギア5に伝達された回転は、第3歯車g3および第4歯車g4を介して、出力軸3に伝達されるため、入力軸2の回転は、第1歯車g1〜第4歯車g4のギア比に応じて減速され出力軸3に伝達される。このように第1の入力軸1または第2の入力軸であるロータ2のいずれかが固定されている場合においては、固定されていない入力軸からの回転が第1歯車g1〜第4歯車g4のギア比に応じて減速され出力軸3に伝達される。
更に、図1の状態において第1の入力軸1および第2の入力軸であるロータ2が回転状態にある場合について説明する。この場合にはベアリングギア5全体が揺動運動することによって第2の入力軸であるロータ2の回転が出力軸3に伝達されるとともに、第1の入力軸1の回転も出力軸3に伝達される。従って、第1の入力軸1の回転と第2の入力軸であるロータ2の回転とを出力軸3に伝達することができる。このように第1の入力軸1または第2の入力軸であるロータ2のいずれもが固定されていない場合においては第1の入力軸1および第2の入力軸であるロータ2からの回転が、第1歯車g1〜第4歯車g4のギア比に応じて減速され出力軸3に伝達される。即ち、第2の入力軸であるロータ2の回転を制御することにより、第1の入力軸1から出力軸3への伝達比を自在に変化させることが可能である。
次に減速比について、場合を分けて説明する。まず、第2の入力軸であるロータ2を固定し、第1の入力軸1が回転状態にある場合について説明する。第1歯車g1の歯数n1と第2歯車g2の歯数n2の比、つまりn1/n2に対応して、第1の入力軸1の回転がベアリングギア5に伝達される。例えば、第1歯車g1の歯数n1が100であり、第2歯車g2の歯数n2が102であれば、第1の入力軸1が1回転することにより第1歯車g1が1回転すると第2歯車g2が100/102回転し、第1の入力軸1の回転がベアリングギア5に伝達される。即ち、この場合100/102の第1段の減速が行われることとなる。
同様に、第3歯車g3の歯数n3と第4歯車g4の歯数n4の比、つまりn3/n4に対応して、第1の入力軸1の回転がベアリングギア5に伝達される。例えば、第3歯車g3の歯数n3が110であり、第4歯車g4の歯数n4が112であれば、ベアリングギア5の内輪51が1回転することにより第3歯車g3が1回転すると第4歯車g4が110/112回転し、第1の入力軸1の回転がベアリングギア5に伝達される。即ち、この場合110/112の第2段の減速が行われることとなる。従って、第1段および第2段の減速により、第1の入力軸1の回転は、n3/n4×n1/n2=(n1・n3)/(n2・n4)の減速比で減速されることとなる。上記例であれば110/112×100/102=(100・110)/(102・112)≒0.963、即ち約96.3%の減速比が得られる。
次に、第1の入力軸1を固定し、第2の入力軸であるロータ2が回転状態にある場合について説明する。第1歯車g1の歯数n1と第2歯車g2の歯数n2の差、つまりn2−n1に対応して、ロータ2の回転がベアリングギア5の内輪51に伝達される。例えば、第1歯車g1の歯数n1が100であり、第2歯車g2の歯数n2が102であれば、ロータ2が1回転することにより外輪52が1回転すると第2歯車g2が102−100即ち2歯分の回転として、ロータ2の回転が内輪51に伝達される。従って減速比は(n2−n1)/n2となる。即ち、この場合(102−100)/102の第1段の減速が行われることとなる。
第2の入力軸であるロータ2が回転状態にある場合、一方において、第4歯車g4の歯数n4と第3歯車g3の歯数n3の差、つまりn4−n3に対応して、ロータ2の回転がベアリングギア5を介して出力軸3に伝達される。例えば、第3歯車g3の歯数n3が110であり、第4歯車g4の歯数n4が112であれば、ベアリングギア5の内輪51が1回転することにより第3歯車g3が1回転すると第4歯車g4が、112−110即ち2歯分の回転として、ロータ2の回転が出力軸3に伝達される。従って減速比は(n4−n3)/n4となる。ここで、第1段の減速によって第1歯車g1の歯数n1と第2歯車g2との比だけ第3歯車g3の回転数が減ぜられるため、(n4−n3)/n4×n1/n2、即ち、この場合(112−110)/112×100/102の第2段の減速が行われることとなる。従って、第1段の減速と第2段の減速をあわせて、
(n2−n1)/n2+(n4−n3)/n4×n1/n2
即ち、(102−100)/102+(112−110)/112×100/102
≒0.0196+0.0175
=0.0371
即ち約3.71%の減速比が得られる。
このように第1歯車g1〜第4歯車g4の歯数n1〜n4を変えることにより減速比を自在に変えることが可能であり、特に第2の入力軸であるロータ2からの入力に対しては、大きな減速比を容易に得ることが可能である。
第1歯車g1と第2歯車g2との噛合部分を模式図的に表現した図2(a)および、第1歯車g1と第2歯車g2の噛合部分を拡大表示した図2(b)に示すように、第1歯車g1には半円柱状の凹溝g11が形成されているとともに、この凹溝g11には円柱形の転動体g12が転動可能に支持されている。なお、半円柱状の凹溝g11に円柱形の転動体g12が支持されているため、転動体g12の外周面の略半分が第2歯車g2側に突出しており、この突出部分が第1歯車g1の凸歯として機能する。一方、第1歯車g1に形成された凹溝g11と同様の凹溝g21が、第2歯車g2に形成されている。この凹溝g21が第2歯車g2の凹歯として機能する。即ち、転動体g12の第2歯車g2側に突出した部分が第2歯車g2の凹溝g21と噛合する。従って、転動体g12と凹溝g21の噛合時に生ずる摺動は、図2(b)に矢印a1で示した、転動体g12の転動によって吸収される。よって、バックラッシュを設ける必要がないため、かみ合わせ調整を精密に行うことが可能となり、振動や騒音を低減することができる。また、各歯車間に予圧を与えることができるため、噛み合わせ調整を一層精密に行うことが可能となり、振動や騒音を低減することができる。
同様に、第4歯車g4には半円柱状の凹溝g41が形成されているとともに、この凹溝g41には円柱形の転動体g42が転動可能に支持されている。なお、半円柱状の凹溝g41に円柱形の転動体g42が支持されているため、転動体g42の外周面の略半分が第3歯車g3側に突出しており、この突出部分が第4歯車g4の凸歯として機能する。一方、第4歯車g4に形成された凹溝g41と同様の凹溝g31が、第3歯車g3に形成されている。この凹溝g31が第3歯車g3の凹歯として機能する。即ち、転動体g42の第3歯車g3側に突出した部分が第3歯車g3の凹溝g31と噛合する。従って、転動体g42と凹溝g31の噛合時に生ずる摺動は、転動体g42の転動によって吸収される。よって、バックラッシュを設ける必要がないため、かみ合わせ調整を精密に行うことが可能となり、振動や騒音を低減することができる。また、各歯車間に予圧を与えることができるため、噛み合わせ調整を一層精密に行うことが可能となり、振動や騒音を低減することができる。
係る揺動型歯車装置において、ベアリングギア5が備える保持器が、樹脂を主材料として形成されていることを特徴とする。以下図3を用いて詳細に説明する。
上述したように、第2歯車g2が形成されている内輪51の円周部分を、外方から取り囲むように、外輪52が設けられ、かつ、この内輪51と外輪52との間に転動体53が介接されている。更に転動体53同士の位置関係が変化しないように、保持器55により転動体53が保持されている。
この保持器55は図4に示すように、転動体53の間に配設され、転動体53の位置を保持する複数の保持部55hと、保持部55hを互いに接続する接続部55bを備えている。また、保持部55hの先端部は、転動体53が保持器55から抜けることを防止するためのリップ部55Lを形成している。
この保持器55は樹脂を主材料としグラスファイバーを補強材として用いた複合材料で形成されている。接続部55bの軸方向において最も薄い部分の厚みIは保持される転動体53の半径をdとすると、0.3dより大きいことが好ましい。保持器55の強度が不足し、保持器55が変形することにより転動体53が保持器55から抜けることを防止するためである。また、0.7d以下であることが好ましい。保持器55を型を用いて製造した場合に、あまり強度をあげると型離れが悪くなり、型から外す際に破損するおそれが生ずるからである。
図5に矢印で示すように、偏芯して回転するロータ2はベアリングギア5の外輪52を軸方向に押し付ける力をかけるため、ベアリングギア5はその内輪51、ひいては第2歯車g2が第1歯車g1に押し付けられる。そのため第2歯車g2ひいては内輪51が反力を受ける。かかる力が転動体53にも掛かるため、転動体53を保持する保持器55にはよじれる方向に力が掛かる。
保持器55が変形することにより転動体53が保持器55から抜ける理由を以下に説明する。図6(a)中に矢印で示したような回転方向の力が掛かった場合には、転動体53には、軸方向の力が係ることはないため、転動体53が保持器55から抜ける可能性は低い。
ところが本実施形態のように、保持器55によじれる方向に力が掛かると、図6(b)に示すように、保持器55が変形し、部分的に軸方向に引かれる。例えば、保持器55の接続部55bがF1の力で軸方向において入力側に引かれ、転動体53がF2の力で、軸方向において出力側に引かれた場合、保持器55から転動体53が容易に抜ける結果となる。
本実施形態においては、保持器55は樹脂を主材料としグラスファイバーを補強材として用いた複合材料で形成することにより、保持器55の変形を抑制し、係る転動体53の抜けを抑制している。また、接続部55bの軸方向において最も薄い部分の厚みIを通常の樹脂製の保持器で用いられる0.3dより大きくすることにより、保持器55の変形を一層抑制し、係る転動体53の抜けを一層抑制している。
上記実施形態の揺動型歯車装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の揺動型歯車装置によると、保持器55が樹脂を主材料として形成されているため、従来の金属製保持器と比して取り付け作業が容易でかつ部品点数の少ない保持器であって、軽量な保持器とすることができる。従って、上記従来と比してコストダウンされるとともに軽量化をはかった揺動型歯車装置を提供することができる。
(2)上記実施形態の揺動型歯車装置によると、保持器55は、強化材を含有する樹脂を主材料として形成されているため、強度が高いとともに変形しにくい。従って、回転中心軸が揺動する回転部材であるベアリングギア5が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体53が保持器55から外れることを抑制することができる。
(3)上記実施形態の揺動型歯車装置によると、強化材は、グラスファイバーであるため、安価かつ汎用性の材料により強度が高いとともに変形しにくい保持器55を作成できる。従って、回転中心軸が揺動する回転部材であるベアリングギア5が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体が保持器から外れることを抑制することが、容易に可能となる。
(4)上記実施形態の揺動型歯車装置によると、接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みIは、転動体53の半径をdとすると、0.3dより大きいため、同部分の厚みが0.3dである標準的な樹脂製の保持器に比して、強度が高いとともに変形しにくい。従って、回転中心軸が揺動する回転部材であるベアリングギア5が有する軸受に使用された場合にも、変形が一層抑制され、転動体53が保持器55から外れることを一層抑制することができる。また、接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みは、転動体半径をdとすると、0.7d以下であるため、0.7dを超える場合に比して、型を使って成型する場合において、型からの分離が容易で、型からの分離時に破損することが少ない。従って、歩留まりが低下することを抑制しうる。
(5)上記実施形態の揺動型歯車装置によると、保持器55は、揺動型歯車装置の運転時にかかりうる最大面圧がかかった場合においても転動体53を保持しうる強度を有するため、回転中心軸が揺動する回転部材であるベアリングギア5が有する軸受に使用された場合であっても、変形が抑制され、転動体53が保持器55から外れることを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、強化材として、グラスファイバーを用いているが、他の構成であっても良い。例えば、保持器55の構造のみで転動体53が抜けない強度が得られるのであれば、補強材を用いなくても良い。補強材を用いなければ、コストダウンを図り得る。
・上記実施形態においては、接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みIは、転動体53の半径をdとすると、0.3dより大きいが、他の構成であっても良い。例えば、上記補強剤のみで転動体53が抜けない強度が得られるのであれば、0.3d以下であっても良い。接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みIを小さくすることにより、コストダウンを図り得る。
・上記実施形態においては、接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みIは、転動体53の半径をdとすると、0.7d以下であるが、他の構成であっても良い。例えば、保持器55を他の製造方法で作成する場合など、型からの分離時に破損することが問題とならないのであれば、0.7dを超えても良い。接続部55bの軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みIを大きくすることにより、保持器55の強度を容易に大きくすることができる。
本発明は、製造容易な揺動型歯車装置に関するものであるため、小型で高減速比を要する機器に広く利用可能である。
本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、軸方向断面図である。 本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、(a)は第1歯車〜第4歯車の噛合部分についての部分拡大模式図であり、(b)は第1歯車と第2歯車の噛合部分についての拡大図である。 本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、ベアリングギア(回転部材)の平面図である。 本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、保持器の斜視図である。 本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、第1歯車〜第4歯車の噛合部分についての部分拡大模式図であるとともに駆動状態における圧力のかかり方を説明する図である。 本発明にかかる揺動型歯車装置の一実施形態について説明する図面であって、(a)は回転方向に力が掛かったときの保持器の状態の模式図であり、(b)は歪みを生ずる方向に力が掛かったときの保持器の状態の模式図である。 従来の揺動型歯車装置について説明する図面であって、軸方向断面図である。 従来の揺動型歯車装置について説明する図面であって、ベアリングギア(回転部材)の平面図である。
符号の説明
1…第1の入力軸、2…ロータ(第2の入力軸)、3…出力軸、4…ハウジング、5…ベアリングギア(回転部材)、6…回転軸、11…軸受、12…軸受、21…内周面、22…軸受、23…軸受、51…内輪、52…外輪、53…転動体、55…保持器、55L…リップ部、55b…接続部、55h…保持部、g1…第1歯車(軸歯車)、g2…第2歯車(回転部材歯車)、g3…第3歯車(回転部材歯車)、g4…第4歯車(軸歯車)、g11…凹溝、g12…転動体、g21…凹溝、g31…凹溝、g41…凹溝、g42…転動体、101…第1の入力軸、102…ロータ(第2の入力軸)、103…出力軸、104…ハウジング、105…ベアリングギア、106…回転軸、111…軸受、121…軸受、122…軸受、123…軸受。151…内輪、152…外輪、153…転動体、155…保持器、155i…入力側保持器、155o…出力側保持器、155r…リベット、g101…第1歯車(軸歯車)、g102…第2歯車(回転部材歯車)、g103…第3歯車(回転部材歯車)、g104…第4歯車(軸歯車)。

Claims (5)

  1. 回転軸の軸方向端部に設けられる軸歯車と、
    前記回転軸の軸心に対して偏芯して回転するとともに、回転中心軸が揺動する回転部材と、
    前記回転部材の軸方向の端部に設けられるとともに、前記軸歯車と噛合する回転部材歯車とを備える揺動型歯車装置において、
    前記回転部材は該回転部材を回転可能に取り付けるための、複数の転動体と該複数の転動体の位置を保持する保持器を有する軸受を更に備え、
    前記保持器が樹脂を主材料として形成されていることを特徴とする揺動型歯車装置。
  2. 前記保持器は、強化材を含有する樹脂を主材料として形成されている特徴とする請求項1に記載の揺動型歯車装置。
  3. 前記強化材は、グラスファイバーであることを特徴とする請求項2に記載の揺動型歯車装置。
  4. 前記保持器は前記複数の転動体の間に配設されるとともに前記複数の転動体の位置を保持する複数の保持部と、前記複数の保持部を互いに接続する接続部を備え、
    前記接続部の軸方向における厚みであってもっとも小さい部分の厚みは、前記複数の転動体の半径をdとすると、0.3dより大きく、0.7d以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の揺動型歯車装置。
  5. 前記保持器は、該揺動型歯車装置の運転時にかかりうる最大面圧がかかった場合においても前記複数の転動体を保持しうる強度を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の揺動型歯車装置。
JP2008321542A 2008-12-17 2008-12-17 揺動型歯車装置 Pending JP2010144811A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008321542A JP2010144811A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 揺動型歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008321542A JP2010144811A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 揺動型歯車装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010144811A true JP2010144811A (ja) 2010-07-01

Family

ID=42565449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008321542A Pending JP2010144811A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 揺動型歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010144811A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5816584B2 (ja) 動力伝達装置
TWI550211B (zh) An internal gear unit with a compound rolling bearing and a harmonic gear device
KR20150138185A (ko) 파동 기어 장치
WO2011001801A1 (ja) 遊星歯車機構
JP2007205450A (ja) 減速機の構造
JP6027481B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
KR101007069B1 (ko) 2단 유성기어시스템을 구비한 기어박스
JP2005180636A (ja) 遊星歯車用軸受
KR20190106742A (ko) 기어 유닛
KR20200121227A (ko) 감속기
JP7068102B2 (ja) ハイポサイクロイド減速機
JP2010144811A (ja) 揺動型歯車装置
JP2014081001A (ja) 減速機
KR102336717B1 (ko) 이중 편심 구조의 감속기
JP2005321071A (ja) 内接噛合式遊星歯車機構
JP2009222116A (ja) 遊星歯車装置及びこれを組み込んだアクチュエータ及びロボット装置
JPH10299841A (ja) 内接噛合遊星歯車構造
JP4368301B2 (ja) 動力伝達装置
JP5233826B2 (ja) 揺動型歯車装置の製造方法
JP4277732B2 (ja) 歯車の軸線位置を自動補正する歯車装置
JP2010116983A (ja) 揺動型歯車装置
KR102098051B1 (ko) 전동식 동력 보조 조향장치의 감속기
WO2020170297A1 (ja) 遊星歯車装置
JP2010096219A (ja) 揺動型歯車装置
JP2009228783A (ja) 転動体保持器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110928

A072 Dismissal of procedure

Effective date: 20130205

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073