JP2010144642A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄圧タンク内のガスを内燃機関に供給する場合に用いられる流量可変弁の異常を適切に判定することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、排気圧力エネルギーを蓄える蓄圧タンクと、蓄圧タンク内のガスをインテークマニホールドへ供給する場合に開弁され、インテークマニホールドへ供給するガスの流量を調整する流量可変弁と、内燃機関の始動時において、インテークマニホールド内の圧力が目標圧力となるように、流量可変弁に対する制御を行う流量可変弁制御手段と、流量可変弁制御手段が流量可変弁に対する制御を行った場合において、インテークマニホールド内の圧力が所定圧力以上にまで上昇しない場合に、流量可変弁の異常であると判定する異常判定手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の始動時に、予め蓄圧されたガスを内燃機関に供給する内燃機関の制御装置に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1及び2に提案されている。特許文献1には、排気ガス貯留容器に予め貯留されている排気ガスを吸気通路に供給し、燃焼室に導入される混合気に混入させ、小型圧縮機を駆動して排気ガスを排気通路から排気ガス貯留容器に導入することが提案されている。また、特許文献2には、シリンダに蓄圧ガスの流路を介して接続される蓄圧部を含み、且つ、エンジン始動時の膨張行程にて、蓄圧部がシリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に、当該蓄圧ガスの圧力によりピストンを駆動することが提案されている。
その他にも、本発明に関連する技術が特許文献3に提案されている。特許文献3には、内燃機関の温度に関連する値を検出する機関温度検出主手段を備え、始動時過給手段は、機関温度検出手段により検出される温度が低いほど過給圧を高くすることが提案されている。
特許2006−214330号公報 特開2007−187140号公報 特開2007−278189号公報
しかしながら、上記した特許文献1には、排気ガス貯留容器内のガスを内燃機関へ供給される場合に用いられる弁の異常を適切に判定する方法については記載されていない。特許文献2及び3にも、当該方法についての記載はない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、蓄圧タンク内のガスを内燃機関に供給する場合に用いられる流量可変弁の異常を適切に判定することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、排気圧力エネルギーを蓄える蓄圧タンクと、前記蓄圧タンク内のガスをインテークマニホールドへ供給する場合に開弁され、前記インテークマニホールドへ供給する前記ガスの流量を調整する流量可変弁と、内燃機関の始動時において、前記インテークマニホールド内の圧力が目標圧力となるように、前記流量可変弁に対する制御を行う流量可変弁制御手段と、前記流量可変弁制御手段が前記流量可変弁に対する制御を行った場合において、前記インテークマニホールド内の圧力が所定圧力以上にまで上昇しない場合に、前記流量可変弁の異常であると判定する異常判定手段と、を備える。
上記の内燃機関の制御装置は、蓄圧タンク内のガスをインテークマニホールドへ供給するための流量可変弁に対する制御を行った場合において、インテークマニホールド内の圧力が所定圧力以上にまで上昇しない場合に、流量可変弁の異常であると判定する。これにより、流量可変弁の異常を適切に判定することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の一態様では、前記流量可変弁制御手段が前記流量可変弁に対する制御を行った場合において、前記内燃機関において連爆が開始するまでの時間が所定時間以上である場合に、前記目標圧力を増加させる補正を行う目標圧力補正手段を更に備え、前記流量可変弁制御手段は、前記目標圧力補正手段によって補正された目標圧力に基づいて前記流量可変弁に対する制御を行う。
この態様によれば、始動時における目標圧力を適切に補正することができ、個体ばらつきを吸収して、環境条件によらずに安定した始動性を確保することが可能となる。また、目標圧力を上昇させる側に補正することで、着火する確率を向上させることができ、始動時間を効果的に短縮させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両100の構成を示す概略図である。なお、図1では、実線矢印がガスの流れを示し、破線矢印が信号の入出力を示している。
車両100は、主に、吸気通路3と、スロットル弁4と、エンジン(内燃機関)6と、点火プラグ9と、排気通路10と、EGR通路15と、EGR弁16と、蓄圧ガス通路21と、蓄圧タンク22と、排気側流量可変弁23と、吸気側流量可変弁24と、圧力センサ30、31と、ECU(Engine Control Unit)50と、を有する。を備える。なお、図1においては、説明の便宜上、1つの気筒6aのみを示している。また、本発明は、ガソリンエンジンへの適用に限定されず、ディーゼルエンジンにも適用することができる。
吸気通路3には外部から導入された吸気が通過し、スロットル弁4は吸気通路3を通過する吸気の流量を調整する。スロットル弁4は、図示しないアクチュエータを介して、ECU50から供給される制御信号S4によって制御される。なお、スロットル弁4の開度は、図示しない開度センサによって検出される。吸気通路3を通過した吸気は、インテークマニホールド3aを通過して、エンジン6における燃焼室6bに供給される。インテークマニホールド3aには、インテークマニホールド3a内の圧力(以下、単に「インマニ圧」とも呼ぶ。)を検出可能に構成された圧力センサ30が設けられている。圧力センサ30は、検出したインマニ圧に対応する検出信号S30をECU50に供給する。なお、インマニ圧を検出する圧力センサ30を用いることに限定はされず、圧力センサ30の代わりに、過給圧を検出可能に構成された過給圧センサを用いても良い。
また、燃焼室6bには、図示しない燃料噴射弁によって噴射された燃料が供給される。更に、エンジン6の燃焼室6bには、吸気弁7と排気弁8とが設けられている。吸気弁7は、開閉することによって、吸気通路3と燃焼室6bとの導通/遮断を制御する。排気弁8は、開閉することによって、排気通路10と燃焼室6bとの導通/遮断を制御する。
燃焼室6b内では、上記のように供給された吸気と燃料との混合気が、点火プラグ9によって点火されることで燃焼される。この場合、燃焼によってピストン6cが往復運動し、当該往復運動がコンロッド6dを介してクランク軸(不図示)に伝達され、クランク軸が回転する。エンジン6には排気通路10が接続されており、このような燃焼によって生じた排気は排気通路10から排出される。
EGR通路15は、一端が排気通路10に接続されており(不図示)、他端が吸気通路3に接続されており、排気ガス(EGRガス)を吸気側に還流可能に構成されている。EGR弁16は、EGR通路15上に設けられており、吸気側に還流させるEGRガス量を調整可能に構成されている。EGR弁16は、図示しないアクチュエータを介して、ECU50から供給される制御信号S16によって制御される。なお、EGR弁16の開度は、図示しない開度センサによって検出される。
蓄圧ガス通路21は、一端が排気通路10に接続されており、他端が吸気通路3(詳しくはEGR通路15が接続された箇所の下流側の吸気通路3(インテークマニホールド3a))に接続されている。蓄圧タンク22は、蓄圧ガス通路21上に設けられており、供給されるガスの圧力を蓄えることが可能に構成されている。具体的には、蓄圧タンク22には、排気圧力エネルギーが蓄えられる、つまり排気ガスの圧力が蓄圧される。排気側流量可変弁23及び吸気側流量可変弁24は、それぞれ、排気通路10側及び吸気通路3側の蓄圧ガス通路21上に設けられており、図示しないアクチュエータを介して、ECU50から供給される制御信号S23、S24によって開度などが制御される。また、蓄圧タンク22には、蓄圧タンク22内の圧力(以下、「蓄圧タンク内圧」と呼ぶ。)を検出可能に構成された圧力センサ31が設けられている。圧力センサ31は、検出した蓄圧タンク内圧に対応する検出信号S31をECU50に供給する。なお、圧力センサ31を用いて蓄圧タンク内圧を検出することに限定はされず、各構成要素における作動状況などから、蓄圧タンク内圧を推定しても良い。
ECU50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えて構成される。ECU50は、車両100内に設けられた各種センサから信号などを取得し、車両100内の構成要素に対して種々の制御を行う。詳細は後述するが、ECU50は、本発明における内燃機関の制御装置に相当し、流量可変弁制御手段、異常判定手段、及び目標圧力補正手段として機能する。
ここで、蓄圧タンク22へのガスの蓄圧及び蓄圧タンク22に蓄圧されたガスの供給について、簡単に説明する。蓄圧タンク22へのガスの蓄圧は、車両100の減速時などにおいて行われる。具体的には、ECU50は、減速時などにおいて、吸気側流量可変弁24を閉弁した状態で排気側流量可変弁23を開弁することで、蓄圧タンク22に排気圧力エネルギーを蓄える。一方、蓄圧タンク22に蓄圧されたガス(以下、「蓄圧ガス」とも呼ぶ。)のエンジン6への供給は、エンジン6の始動時などにおいて行われる。具体的には、ECU50は、始動時などにおいて吸気側流量可変弁24を開弁することで、蓄圧ガスをインテークマニホールド3aに噴出させる。これにより、減速時のエネルギーを再利用して、エンジン6の始動がアシストされることとなる。
図2を参照して、上記した蓄圧ガスを供給する際に行われる処理の具体例について説明する。図2に示す処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU50は、エンジン6の始動要求があるか否かを判定する。始動要求がある場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、始動要求がない場合(ステップS101;No)、処理は終了する。
ステップS102では、ECU50は、蓄圧タンク内圧が所定圧力よりも高いか否かを判定する。具体的には、ECU50は、蓄圧タンク内圧が大気圧よりも高いか否かを判定する。当該判定を行っているのは、蓄圧タンク内圧が大気圧以下である場合には、蓄圧ガスをエンジン6へ適切に供給することができないからである。蓄圧タンク内圧が所定圧力よりも高い場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進み、蓄圧タンク内圧が所定圧力以下である場合(ステップS102;No)、処理は終了する。
ステップS103では、ECU50は、インテークマニホールド3a内の目標圧力を算出する。具体的には、ECU50は、エンジン6を始動させるのに必要十分なインマニ圧を、当該目標圧力として算出する。そして、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ECU50は、スロットル弁4及びEGR弁16を閉じる。こうするのは、蓄圧タンク22から噴出された蓄圧ガスの、吸気通路3若しくはEGR通路15への逆流を防止するためである。そして、処理はステップS105に進む。
ステップS105では、ECU50は、吸気側流量可変弁24を開き制御する。つまり、蓄圧タンク22内の蓄圧ガスをインテークマニホールド3aへ噴出させる。具体的には、ECU50は、インマニ圧がステップS103で算出された目標圧力となるように、吸気側流量可変弁24に対して、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を行う。そして、処理はステップS106に進む。ステップS106では、ECU50は、エンジン6における始動クランキングを実施する。そして、処理はステップS107に進む。
ステップS107では、ECU50は、エンジン6の始動が完了したか否かを判定する。始動が完了した場合(ステップS107;Yes)、処理はステップS108に進む。ステップS108では、ECU50は、通常運転に戻るために、スロットル弁4及びEGR弁16を開き、且つ、吸気側流量可変弁24を閉じる。そして、処理は終了する。これに対して、始動が完了していない場合(ステップS107;No)、処理はステップS105に戻る。この場合には、ECU50は、始動が完了するまで、吸気側流量可変弁24の開き制御を継続する。
以上説明した処理によれば、減速時のエネルギーを再利用して、エンジン6の始動を適切にアシストすることができる。したがって、燃費悪化なく始動時に必要となる燃料を削減することが可能となる。また、例えば冷間始動時においても、エンジン6の始動時間を適切に短縮することができる。更に、蓄圧ガスを供給するため高過給状態で始動することができるので、燃焼着火遅れを短縮して着火騒音を低減することが可能となる。加えて、エンジン6の停止・再始動を頻繁に実施するエンジンスタート・ストップシステムにおいて、再始動性を向上させることができる。
[制御方法]
以下で、上記したECU50が行う制御の実施例について、具体的に説明する。
(第1実施例)
第1実施例における制御方法について説明する。第1実施例では、ECU50は、吸気側流量可変弁24に対する異常判定(故障診断)を行う。具体的には、ECU50は、上記のようにインマニ圧が目標圧力となるように吸気側流量可変弁24を開き制御した場合において、インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇しない場合に吸気側流量可変弁24が異常であると判定する。
図3は、第1実施例における制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS201、S202の処理は、前述したステップS101、S102の処理(図2参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS203では、ECU50は、圧力センサ30、スロットル弁4の開度センサ、及びEGR弁16の開度センサに異常がないか否かを判定する。こうしているのは、各センサの検出値を信用できるか否かを判断するためである。センサに異常がない場合(ステップS203;Yes)、処理はステップS204に進み、センサに異常がある場合(ステップS203;No)、処理は終了する。
ステップS204〜S206の処理は、前述したステップS103〜S105の処理(図2参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS207では、ECU50は、インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇したか否かを判定する。ここでは、ECU50は、吸気側流量可変弁24の開き制御を実行したことで、インマニ圧がある程度以上の圧力にまで上昇したか否かを判定することで、吸気側流量可変弁24の正常/異常を判定している。なお、当該判定に用いる所定圧力は、例えば、インマニ圧における目標圧力よりも低い圧力に設定される。
インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇しなかった場合(ステップS207;No)、処理はステップS208に進む。この場合には、ECU50は、吸気側流量可変弁24が異常であると判定する、つまり故障していると判定する。具体的には、ECU50は、吸気側流量可変弁24の異常フラグを立てる(ステップS208)。こうしているのは、インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇しなかったということは、吸気側流量可変弁24が正常に開かずに、インテークマニホールド3aに蓄圧ガスが適切に供給されなかったことを意味しているからである。更に、ステップS208では、ECU50は、上記のような異常フラグを立てると同時に、スロットル弁4及びEGR弁16を開いて、通常始動モードへ切り替える。こうしているのは、吸気側流量可変弁24が異常である場合には、蓄圧ガスを利用した始動を適切に行うことができないからである。以上のステップS208が終了すると、処理は終了する。
これに対して、インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇した場合(ステップS207;Yes)、処理は終了する。この場合には、吸気側流量可変弁24が異常であると判定されない、つまり正常であると判定される。これは、インマニ圧が所定圧力以上にまで上昇したということは、吸気側流量可変弁24が正常に開くことによって、インテークマニホールド3aに蓄圧ガスが適切に供給されたことを意味しているからである。なお、この後、ECU50は、前述したステップS105〜S108の処理(図2参照)を実行することで、エンジン6を始動させる。
以上説明した処理によれば、吸気側流量可変弁24の異常を適切に判定することが可能となる。
なお、上記では圧力センサ30が検出した圧力(インマニ圧)に基づいて吸気側流量可変弁24の異常判定を行う例を示したが、圧力センサ30の代わりに過給圧センサを用いて、吸気側流量可変弁24の異常判定を行っても良い。具体的には、車両にターボ過給機が適用されており、過給圧センサが設けられている場合には、圧力センサ30を別途設けずに、当該過給圧センサが検出した圧力(過給圧)に基づいて吸気側流量可変弁24の異常判定を行うことができる。この場合には、既存のセンサを利用して、吸気側流量可変弁24の異常判定を実現することができる。
なお、以下で説明する実施例においても、上記したように、圧力センサ30の代わりに過給圧センサを用いて処理を行うことができる。
(第2実施例)
次に、第2実施例における制御方法について説明する。第2実施例では、ECU50は、環境条件によらずに安定した始動性を確保すべく、始動時において吸気側流量可変弁24を開き制御する場合に用いる目標圧力に対する補正を行う。具体的には、ECU50は、上記のようにインマニ圧が目標圧力となるように吸気側流量可変弁24を開き制御した場合において、エンジン6において連爆が開始するまでの時間が所定時間以上である場合に、始動時における目標圧力を増加させる補正を行う。つまり、学習させる。そして、ECU50は、このような補正を行った後の次回の始動時に、補正された目標圧力に基づいて吸気側流量可変弁24の開き制御を行う。
図4は、第2実施例における制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS301、S302の処理は、前述したステップS201、S202の処理(図3参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS303では、ECU50は、車両100に設けられたセンサに異常がないか否かを判定する。具体的には、ECU50は、圧力センサ30、スロットル弁4の開度センサ、及びEGR弁16の開度センサに異常がないか否かを判定すると共に、水温センサ、大気圧センサ、及び吸気温センサに異常がないか否かを判定する。こうしているのは、各センサの検出値を信用できるか否かを判断するためである。詳しくは、水温センサ、大気圧センサ、及び吸気温センサの検出値(冷却水の水温、大気圧、及び外気温)を利用して、後述する目標圧力の補正を行うからである。センサに異常がない場合(ステップS303;Yes)、処理はステップS304に進み、センサに異常がある場合(ステップS303;No)、処理は終了する。
ステップS304〜S306の処理は、前述したステップS204〜S206の処理(図3参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS307では、ECU50は、エンジン始動時、クランキングから筒内燃焼が安定して連爆するまでの時間(計測により得られる)が、所定時間以上であるか否かを判定する。この判定に用いられる所定時間は、水温や大気圧などの環境条件に応じて設定され、連爆開始までの目標時間に相当する。したがって、ステップS307では、このような目標時間が経過しているのに連爆が開始しなかったか否かの判定を行っている。
連爆までの時間が所定時間以上である場合(ステップS307;Yes)、処理はステップS308に進む。この場合には、連爆開始までの目標時間が経過しているのに連爆が開始しなかったため、ECU50は、水温や大気圧などの環境条件に応じて、始動時において吸気側流量可変弁24を制御する際に用いる目標圧力を増加させる補正を行う(ステップS308)。具体的には、ECU50は、目標圧力を一定値だけ上昇させる補正を行う。例えば、ECU50は、水温や大気圧などの環境条件に応じて目標圧力を規定したマップにおいて、現状の環境条件に対応する目標圧力を一定量だけ高める側に補正する。そして、処理は終了する。なお、ECU50は、上記したような補正結果を不揮発性メモリに格納して、次回の始動時に当該補正結果を参照して利用する。
連爆までの時間が所定時間未満である場合(ステップS307;No)、処理は終了する。この場合には、連爆開始までの目標時間が経過するまでに連爆が開始したため、ECU50は、目標圧力に対する補正を行わない。なお、この後、ECU50は、前述したステップS105〜S108の処理(図2参照)を実行することで、エンジン6を始動させる。
以上説明した処理によれば、始動時における目標圧力を適切に補正することができ、個体ばらつきを吸収して、環境条件によらずに安定した始動性を確保することが可能となる。また、目標圧力を上昇させる側に補正することで、着火する確率を向上させることができ、始動時間を更に短縮させることが可能となる。
(第3実施例)
次に、第3実施例における制御方法について説明する。第3実施例では、ECU50は、環境条件によらずに安定した始動性を更に確保すべく、始動時において吸気側流量可変弁24を制御する際に用いる目標圧力を、環境条件に応じて補正する。具体的には、第3実施例は、吸気側流量可変弁24を開き制御する前において、水温や大気圧などの環境条件に応じて目標圧力の補正を行う点で、第2実施例と異なる。
図5は、第3実施例における制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS401〜S405の処理及びステップS407〜S409の処理は、それぞれ、前述したステップS301〜S305の処理及びステップS306〜S308の処理(図4参照)と同様であるため、その説明を省略する。ここでは、ステップS406の処理のみ説明を行う。
ステップS406では、ECU50は、吸気側流量可変弁24を制御する際に用いる目標圧力を環境補正するための補正値(以下、「目標圧力補正値」と呼ぶ。)を算出する。具体的には、ECU50は、水温、大気圧、及び外気温に基づいて、目標圧力補正値を算出する。例えば、ECU50は、水温、大気圧、及び外気温に基づいて目標圧力補正値が規定されたマップなどを参照することで、目標圧力補正値を求める。そして、処理はステップS407に進む。なお、ステップS407では、ECU50は、ステップS406で算出された目標圧力補正値によって補正した目標圧力に基づいて、吸気側流量可変弁24の開き制御を行う。
以上説明した処理によれば、始動時における目標圧力を環境条件に応じて適切に補正することができ、環境条件によらずに、より安定した始動性を確保することが可能となる。また、目標圧力を上昇させる側に補正することで、着火する確率をより向上させることができ、始動時間を効果的に短縮させることが可能となる。
(第4実施例)
次に、第4実施例における制御方法について説明する。第4実施例では、ECU50は、デポジットの堆積を防止すべく、定期的に吸気側流量可変弁24を開いて蓄圧タンク22から蓄圧ガスを噴出させる。具体的には、ECU50は、吸気側流量可変弁24を通過して噴出するガスが燃焼室6bへ導入されるまでの通路に、デポジットが堆積して閉塞してしまうことを防止すべく、定期的に蓄圧ガスを噴出させてパージする。
図6は、第4実施例における制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。なお、当該処理は、例えばエンジン6の始動時において実行される。
まず、ステップS501では、ECU50は、蓄圧ガスを噴出させてパージする要求(パージ要求)があるか否かを判定する。具体的には、ECU50は、前回の吸気側流量可変弁24の駆動時からの走行距離や運転時間やインテークマニホールド3a内におけるデポジットの堆積量の推定値などに基づいて、パージの実施要否を判定する。パージ要求がある場合(ステップS501;Yes)、処理はステップS502に進み、パージ要求がない場合(ステップS501;No)、処理は終了する。
ステップS502〜S505の処理は、前述したステップS402〜S405の処理(図5参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS506では、ECU50は、吸気側流量可変弁24を制御する際に用いる目標圧力を、通常用いる圧力(具体的にはパージ要求がない場合に用いる目標圧力)よりも一定値だけ高く設定する。つまり、ECU50は、通常よりも蓄圧タンク22内からの蓄圧ガスを噴出させる単位時間当たりのエネルギーが上昇するように、始動時に用いる目標圧力を上昇させる。そして、処理はステップS507に進む。
ステップS507〜S509の処理は、前述したステップS407〜S409の処理(図5参照)と同様であるため、その説明を省略する。なお、ステップS507では、ECU50は、ステップS506で設定された目標圧力に基づいて、吸気側流量可変弁24の開き制御を行う。
以上説明した処理によれば、デポジットの堆積を適切に防止することができ、システムの経時劣化・機能故障などを未然に防止することが可能となる。また、吸気側流量可変弁24からの蓄圧ガスが長時間噴出されない場合にも、堆積するデポジットが大きく成長する前に蓄圧ガスでパージすることによって、堆積したデポジットが少ないうちに吹き飛ばすことができる。
(第5実施例)
次に、第5実施例における制御方法について説明する。第5実施例では、前述した第4実施例と異なり、ECU50は、通常運転における全開加速時のようなEGR弁16が全閉となるような運転状態において、吸気側流量可変弁24を開いて蓄圧タンク22から蓄圧ガスを噴出させる、つまり蓄圧ガスを噴出させてパージする。
図7は、第5実施例における制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS601〜S603の処理は、前述したステップS501〜S503の処理(図6参照)と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS604では、ECU50は、運転者によるアクセル開度などに基づいて、EGRカットの全開加速状態であるか否かを判定する。つまり、運転状態が、通常運転における全開加速時のようなEGR弁16が全閉となるような運転状態であるか否かの判定を行っている。EGRカットの全開加速状態である場合(ステップS604;Yes)、処理はステップS605に進み、EGRカットの全開加速状態でない場合(ステップS604;No)、処理は終了する。
ステップS605では、ECU50は、蓄圧タンク内圧がインマニ圧よりも高いか否かを判定する。このような判定を行っているのは、蓄圧タンク内圧がインマニ圧(過給圧)以下である場合には、吸気側流量可変弁24を開いても、蓄圧ガスを適切に噴出させることができないからである。蓄圧タンク内圧がインマニ圧よりも高い場合(ステップS605;Yes)、処理はステップS606に進み、蓄圧タンク内圧がインマニ圧以下である場合(ステップS605;No)、処理は終了する。ステップS606では、ECU50は、目標圧力となるように吸気側流量可変弁24を開き制御する。つまり、蓄圧ガスを噴出させてパージする。そして、処理は終了する。
以上説明した処理によっても、デポジットの堆積を適切に防止することができ、システムの経時劣化・機能故障などを未然に防止することが可能となる。また、吸気側流量可変弁24からの蓄圧ガスが長時間噴出されない場合にも、堆積するデポジットが大きく成長する前に蓄圧ガスでパージすることによって、堆積したデポジットが少ないうちに吹き飛ばすことができる。
[変形例]
次に、図8及び図9を参照して、本発明における変形例について説明する。
図8は、第1変形例におけるシステム構成を示す図である。具体的には、図8は、第1変形例における車両100aの概略構成図を示している。なお、図1に示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図8では、説明の便宜上、ECU50の図示を省略している。
図8に示すように、第1変形例では、蓄圧ガス通路21aの一端21aaがEGR通路15の途中に接続されている。このような構成を用いた場合にも、前述したような制御などを行うことができ、同様の作用・効果を得ることができる。
図9は、第2変形例におけるシステム構成を示す図である。具体的には、図9は、第2変形例における車両100bの概略構成図を示している。なお、図1に示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図9では、説明の便宜上、ECU50の図示を省略している。
図9に示すように、第2変形例では、スロットル弁4が設けられた箇所とEGR通路15が接続された箇所との間における吸気通路3上に、蓄圧ガス通路21bの一端21baが接続されている。このような構成を用いた場合にも、前述したような制御などを行うことができ、同様の作用・効果を得ることができる。なお、当該構成を用いた場合には、EGR通路15を通過してくるデポジットが堆積する確率を低減することが可能となる。
本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両の概略構成図を示す。 蓄圧ガスを供給する際に行われる処理を示すフローチャートである。 第1実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。 第2実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。 第3実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。 第4実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。 第5実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。 第1変形例におけるシステム構成を示す概略図である。 第2変形例におけるシステム構成を示す概略図である。
符号の説明
3 吸気通路
3a インテークマニホールド
4 スロットル弁
6 エンジン(内燃機関)
10 排気通路
15 EGR通路
16 EGR弁
21 蓄圧ガス通路
22 蓄圧タンク
23 排気側流量可変弁
24 吸気側流量可変弁
30、31 圧力センサ
50 ECU

Claims (2)

  1. 排気圧力エネルギーを蓄える蓄圧タンクと、
    前記蓄圧タンク内のガスをインテークマニホールドへ供給する場合に開弁され、前記インテークマニホールドへ供給する前記ガスの流量を調整する流量可変弁と、
    内燃機関の始動時において、前記インテークマニホールド内の圧力が目標圧力となるように、前記流量可変弁に対する制御を行う流量可変弁制御手段と、
    前記流量可変弁制御手段が前記流量可変弁に対する制御を行った場合において、前記インテークマニホールド内の圧力が所定圧力以上にまで上昇しない場合に、前記流量可変弁の異常であると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記流量可変弁制御手段が前記流量可変弁に対する制御を行った場合において、前記内燃機関において連爆が開始するまでの時間が所定時間以上である場合に、前記目標圧力を増加させる補正を行う目標圧力補正手段を更に備え、
    前記流量可変弁制御手段は、前記目標圧力補正手段によって補正された目標圧力に基づいて前記流量可変弁に対する制御を行う請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118149277A (zh) * 2024-05-13 2024-06-07 常州市潞城燃气设备股份有限公司 一种燃气调压计量装置

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