JP2010142712A - 塗装方法およびそれにより得られる塗装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に形成された下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記下層を形成するための下層用塗料としてガラス転移温度が5℃以下の基体樹脂を含有する熱硬化型塗料を準備し、前記最上層を形成するための最上層用塗料としてその硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に加熱処理を施して前記下層用塗料および前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする塗装方法。
【選択図】なし
Description
前記下層を形成するための下層用塗料としてガラス転移温度が5℃以下の基体樹脂を含有する熱硬化型塗料を準備し、前記最上層を形成するための最上層用塗料としてその硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に加熱処理を施して前記下層用塗料および前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
前記下層を形成するための下層用塗料としてガラス転移温度が5℃以下の基体樹脂を含有する熱硬化型塗料を準備し、前記最上層を形成するための最上層用塗料としてその硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に加熱処理を施して前記下層用塗料および前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
1/Tg=w1/Tg1+・・・+wi/Tgi+・・・+wn/Tgn
(式中、wiはモノマーi(i=1〜nの整数)の質量分率を表し、Tgiはモノマーi(i=1〜nの整数)のホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。)
を用いて算出することができる。なお、ホモポリマーのTgとしてはJ.Jpn.Soc.Colour Mater.,64,p594-p595(1991)に記載された値を適用することができ、この文献に記載されていないホモポリマーのTgとしては“POLYMER HANDBOOK(FOURTH
EDITION)”、J.BRANDRUP,E.H.IMMERGUTおよびE.A.GRULKE編、JOHN WILEY & SONS,INC.に記載された値を適用することができる。また、モノマー組成を調整することによって所定のTgの基体樹脂を調製することができる。
式(1)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた塗膜の質量(単位:g)であり、Pはその塗膜100gに含まれる顔料の質量(単位:g)である。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値(カタログ値など)を採用できる。
Er’=A〔1−exp{k(t−td)}〕 (2)
(式(2)中、Aおよびkは定数であり、tは時間を示す。)
を当てはめ、非線形最小二乗法により時間軸切片tdを求める。このtdは、測定を開始してから最上層用塗料がゲル化を開始するまでの時間を表す。
E”(td)=Er”(td)×E”(T1)/Er”(t1) (3)
により前記時間tdにおける下層用塗料からなる塗膜の損失弾性率(E”(td))を求め、本発明においては、これを「最上層用塗料のゲル化開始時における下層用塗料の損失弾性率」とする。
下記のFox式:
1/Tg=w1/Tg1+・・・+wi/Tgi+・・・+wn/Tgn
(式中、wiはモノマーi(i=1〜nの整数)の質量分率を表し、Tgiはモノマーi(i=1〜nの整数)のホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。)
を用いて算出した。なお、実施例および比較例で使用したモノマーのホモポリマーのTgを以下に示す。
メチルメタクリレート 105℃
ブチルアクリレート −54℃
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 55℃
スチレン 100℃
アクリル酸 106℃
対象とする塗料を加熱処理後の膜厚が積層塗膜の目標膜厚となるようにアルミ箔上に塗装し、得られたアルミ箔試料を最上層用塗料の硬化温度よりも40℃低い温度および10−2Torr以下の真空条件で90分間乾燥した後、加熱脱着導入装置(例えば、GERSTEL社製Thermal Desorption System)付きガスクロマトグラフ/質量分析装置(例えば、Agilent社製6890GC/5975MSD)を用いて最上層用塗料の硬化温度で30分間加熱して揮発性生成物量(Rc(単位:g))と残存溶媒量を定量し、式(1)により重量減少率を算出した。この重量減少率は、塗膜中の全バインダー量に対する前記揮発性生成物量の割合である。
式(1)中、Wは前記真空乾燥工程で得られた塗膜の質量(単位:g)であり、Pはその塗膜100gに含まれる顔料の質量(単位:g)である。なお、顔料の質量は塗料の配合表の値を使用した。
下記モノマーを混合してモノマー混合液を調製した。
<モノマー混合組成>
メチルメタクリレート 10.7質量部
ブチルアクリレート 203.2質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 50.4質量部
スチレン 42.5質量部
アクリル酸 8.2質量部
このモノマー混合液315質量部、n−ドデシルメルカプタン4質量部、水105質量部およびアニオン界面活性剤(日本乳化剤(株)製「ニューコール707−SN」)14質量部を混合し、ミキサーを用いて攪拌して乳化させ、モノマープレエマルションを調製した。
下記モノマーを混合してモノマー混合液を調製した。
<モノマー混合組成>
メチルメタクリレート 22.7質量部
ブチルアクリレート 178.6質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50.4質量部
スチレン 55.1質量部
アクリル酸 8.2質量部
合成例1に記載のモノマー混合液の代わりにこのモノマー混合液315質量部を用いた以外は合成例1と同様にして、不揮発分38.1質量%、Tg=−10℃のアクリルエマルションR−2を得た。
下記モノマーを混合してモノマー混合液を調製した。
<モノマー混合組成>
メチルメタクリレート 36.2質量部
ブチルアクリレート 155.6質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50.4質量部
スチレン 64.6質量部
アクリル酸 8.2質量部
合成例1に記載のモノマー混合液の代わりにこのモノマー混合液315質量部を用いた以外は合成例1と同様にして、不揮発分38.1質量%、Tg=0℃のアクリルエマルションR−3を得た。
下記モノマーを混合してモノマー混合液を調製した。
<モノマー混合組成>
メチルメタクリレート 48.8質量部
ブチルアクリレート 133.6質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50.4質量部
スチレン 74.0質量部
アクリル酸 8.2質量部
合成例1に記載のモノマー混合液の代わりにこのモノマー混合液315質量部を用いた以外は合成例1と同様にして、不揮発分38.1質量%、Tg=10℃のアクリルエマルションR−4を得た。
容器に、合成例1で得たTg=−20℃のアクリルエマルションR−1を183.7質量部仕込み、これに、攪拌しながらメチル化メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ(株)製「サイメル325」)40質量部、水150質量部およびブチルグリコール20質量部を加えて5分間攪拌した。さらに、アルカリ増粘剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「Viscalex HV30」)、ジメチルエタノールアミンおよび水を適量加えて、不揮発分23質量%、pH8.5の水性樹脂溶液を得た。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例2で得たTg=−10℃のアクリルエマルションR−2を183.7質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のメラミン硬化型水性ベース塗料B−2を得た。この水性ベース塗料B−2の140℃での重量減少率は3.7質量%(P=22.4として算出)であった。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例3で得たTg=0℃のアクリルエマルションR−3を183.7質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のメラミン硬化型水性ベース塗料B−3を得た。この水性ベース塗料B−3の140℃での重量減少率は3.8質量%(P=22.4として算出)であった。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例4で得たTg=10℃のアクリルエマルションR−4を183.7質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のメラミン硬化型水性ベース塗料B−4を得た。この水性ベース塗料B−4の140℃での重量減少率は3.8質量%(P=22.4として算出)であった。
Tg=−20℃のアクリルエマルションR−1の仕込み量を210質量部に変更し、メチル化メラミン樹脂の代わりに水分散性ポリイソシアネート(DIC(株)製「バーノックDNW5000」)25質量部を用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−5を得た。この水性ベース塗料B−5の140℃での重量減少率は0質量%(P=22.4として算出)であった。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例2で得たTg=−10℃のアクリルエマルションR−2を210質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−6を得た。この水性ベース塗料B−6の140℃での重量減少率は0質量%(P=22.4として算出)であった。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例3で得たTg=0℃のアクリルエマルションR−3を210質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−7を得た。この水性ベース塗料B−7の140℃での重量減少率は0質量%(P=22.4として算出)であった。
アクリルエマルションR−1の代わりに合成例4で得たTg=10℃のアクリルエマルションR−4を210質量部用いた以外は調製例1と同様にして、不揮発分24.7質量%、pH8.0のイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−8を得た。この水性ベース塗料B−8の140℃での重量減少率は0質量%(P=22.4として算出)であった。
表1に示す割合でポリオールおよび添加剤を混合して2液型の熱硬化型(イソシアネート硬化型)クリア塗料の主剤80.51質量部を調製した。また、前記熱硬化型クリア塗料の硬化剤として表1に示すイソシアネート硬化剤を使用した。以下の実施例および比較例ではこの主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合したもの(固形分濃度55質量%)を熱硬化型(イソシアネート硬化型)クリア塗料Cとして使用した。この熱硬化型クリア塗料Cの硬化温度は140℃であり、140℃での重量減少率は0質量%(P=0として算出)であった。また、ゲル化が開始するまでの時間tdは10.2分であった。
中塗り塗装および電着塗装を施した鋼板(日本ルートサービス(株)製)の表面に、調製例1で得たメラミン硬化型水性ベース塗料B−1(基体樹脂のTg=−20℃)を、焼き付け後の膜厚が15μmになるように塗装し、80℃で3分間加熱して水および有機溶剤などを揮発させた。次いで、この水性ベース塗料B−1の層の上に調製例9で得た熱硬化型クリア塗料Cを、焼き付け後の膜厚が35μmになるように塗装し、メラミン硬化型水性ベース塗料B−1と熱硬化型クリア塗料Cとをウェットオンウェットで積層した未硬化積層塗膜を得た。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−1の損失弾性率は0.20MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例2で得たメラミン硬化型水性ベース塗料B−2(基体樹脂のTg=−10℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−2の損失弾性率は0.45MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例3で得たメラミン硬化型水性ベース塗料B−3(基体樹脂のTg=0℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−3の損失弾性率は0.72MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例5で得たイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−5(基体樹脂のTg=−20℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−5の損失弾性率は0.22MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例6で得たイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−6(基体樹脂のTg=−10℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−6の損失弾性率は0.48MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例7で得たイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−7(基体樹脂のTg=0℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−7の損失弾性率は0.78MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例4で得たメラミン硬化型水性ベース塗料B−4(基体樹脂のTg=10℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−4の損失弾性率は1.12MPaであった。
メラミン硬化型水性ベース塗料B−1の代わりに調製例8で得たイソシアネート硬化型水性ベース塗料B−8(基体樹脂のTg=10℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層塗膜を得た。得られた積層塗膜について、実施例1と同様にしてWa〜Wdを測定した。その結果を表2に示す。なお、前記熱硬化型クリア塗料Cのゲル化開始時における前記水性ベース塗料B−8の損失弾性率は1.15MPaであった。
Claims (5)
- 基材上に形成された下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を形成する塗装方法であって、
前記下層を形成するための下層用塗料としてガラス転移温度が5℃以下の基体樹脂を含有する熱硬化型塗料を準備し、前記最上層を形成するための最上層用塗料としてその硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の熱硬化型塗料を準備する工程と、
前記基材上に前記下層用塗料および前記最上層用塗料をウェットオンウェットで積層して未硬化積層塗膜を形成する工程と、
前記未硬化積層塗膜に加熱処理を施して前記下層用塗料および前記最上層用塗料を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする塗装方法。 - 前記下層用塗料は、前記最上層用塗料の硬化温度における重量減少率が0.5質量%以下の塗料であることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
- 前記下層用塗料は、前記最上層用塗料のゲル化開始時における損失弾性率が1MPa以下である塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装方法。
- 前記未硬化積層塗膜に[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]未満の温度で加熱処理を施し、次いで[前記最上層用塗料の硬化温度−20℃]以上の温度で加熱処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の塗装方法。
- 基材上に形成された下層と前記下層上に形成された最上層とを備える積層塗膜を有する塗装体であって、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の塗装方法により得られたものであることを特徴とする塗装体。
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