JP2010141711A - データ符号化装置及びデータ符号化方法 - Google Patents

データ符号化装置及びデータ符号化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】符号化を行うに際しての処理時間を落とすことなく、精度が良好となる量子化が実現できるデータ符号化装置を得る。
【解決手段】ブロックを構成する各データを量子化パラメータに対応する量子化ステップにより量子化するデータ符号化装置において、ブロックを構成する複数のデータについて共通する量子化パラメータに対応する量子化ステップで除して量子化データを得る量子化部13と、量子化部で得た各量子化データを復号して逆量子化データを算出する逆量子化部14と、各データとこれに対応する逆量子化データとの誤差を算出する誤差算出部と、各量子化データと各誤差とをパラメータとして各データに対する評価値を演算する評価値演算部151と、ブロックを構成する各データの評価値の総和が最小となる量子化パラメータを選択する量子化パラメータ選択部152とを具備することで、量子化手続きの繰り返しだけで最適な量子化パラメータを選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子化を伴う画像または音声情報の圧縮符号化システムにおけるデータ符号化装置及びデータ符号化方法に関し、特に、情報の量子化に際して、量子化パラメータを制御し、最適化することにより、高品質で効率的な圧縮を可能とするデータ符号化装置及びデータ符号化方法に関する。
データ符号化装置においては、DCT変換された情報から構成されるn×nのデータから成るブロック単位に分割し、各データを量子化パラメータに対応する量子化ステップによりスカラー量子化して符号化する処理が行われている。
例えば、データ符号化装置において画像情報を符号化する場合、図9に示すように、原画像1をn×nのデータから成るマクロブロックにブロック分割2し、DCT変換3を行った後、その結果を量子化パラメータ(QP)に対応する量子化ステップ(QS)で除して量子化4を行って圧縮データ5を得るのが一般的である。
復号化する場合は、圧縮データ5を逆量子化6し、DCT逆変換7を行った後、ブロック合成8して原画像9を得る。
また、音声情報を符号化する場合は、フレーム単位でMDCT変換を行った後、量子化を行うのが一般的である。
量子化を行うに際して使用する量子化ステップ(QS)は、量子化パラメータ(QP)から算出されるスカラー量である。QSの算出方法は符号化方法により異なるが、例えばMPEG1,2,4では、QPに2をかけたものがQSとなる。H.264/AVCでは、2の{(QP−4)/6}乗の近似値がQSとなる。このQSは整数ではないが整数演算可能である。
従来、データ符号化を行う方式としては、量子化ステップQでの除算をKビット固定小数点近似での逆数乗算とする際、量子化ステップQが偶数の場合はK+1ビット以下を切り捨てとする方式が特許文献1の「画像圧縮用量子化装置」として提案されている。
また、量子化ステップQによる量子化手段において、量子化演算で発生する小数点以下の端数3ビットを参照することで丸めの閾値を5Q/8とし、四捨五入による丸めの閾値Q/2よりも大きく設定することで、量子化演算結果が小さくなるように丸める方式が特許文献1の「従来の技術」において、圧縮効率を向上する量子化手段の例として記載されている。
更に、データ符号化を行うに際して、基準の量子化ステップ(QS)とその−1,+1のQSで量子化と逆量子化及び可変長符号化を実行し、量子化誤差と可変長符号化ビット量の積が最も小さいQSを選択する方式が特許文献2の「高能率符号化装置」として提案されている。
また、入力画像をDCT変換し、量子化、逆量子化、逆DCT及び可変長符号化を行い、元画像と出力画像との差分と出力ビット量からのコスト計算までをそれぞれの符号化モードと複数の量子化パラメータQPの全組み合わせで実行して、コストが最小となる符号化モードと量子化パラメータQPを決定する方式が特許文献3の「画像符号化装置、及び画像符号化方法」として提案されている。
特許第3044514号 特開平8−130479号 特開2006−121538号
しかしながら、特許文献1に記載された符号化方法では、符号化を行うに際して各データを一律な近似方法で量子化を行うため、量子化データに応じた変更ができないという問題点があった。
特許文献2に記載された符号化方法では、データと逆量子化データとの誤差を求め、誤差が最小になる量子化ステップ(QS)を選択しているが、誤差が小さい時でも量子化データ(入力データを量子化ステップで除した値)が大きくなる場合もあり、他の要因を排除した誤差のみの判断基準では最適なQSの選択精度に限度があった。
また、最適なQSを導き出すために可変長符号化も処理対象とする方法についても述べられているが、この場合は処理時間を必要とするという問題点があった。
特許文献3に記載された符号化方法では、特許文献2に記載の方法に加えて、DCTと逆DCTも処理対象とし、且つ符号化モードと量子化パラメータQPとの全組み合わせを実行するため、更なる処理時間を必要とする。また、処理の対象としている機能ブロックが量子化にとどまらず多岐にわたるため、既存の資産を利用した改造や再構築を行うのが困難であるという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて提案されたもので、符号化を行うに際しての処理時間を落とすことなく、精度が良好となる量子化が実現できるデータ符号化装置及びデータ符号化方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は、DCT変換された情報から構成されるn×nのデータから成るブロック単位に分割し、各データを量子化パラメータに対応する量子化ステップによりスカラー量子化して符号化するデータ符号化装置において、次の構成を含むことを特徴としている。
符号部(量子化部)。この符号部は、前記ブロックを構成する複数のデータについて共通する量子化ステップで除して量子化データを得るものである。
復号部(逆量子化部)。この復号部は、前記符号部で得た各量子化データを復号して逆量子化データを算出するものである。
誤差算出部。この誤差算出部は、前記各データとこれに対応する逆量子化データとの誤差を算出するものである。
評価値演算部。この評価値演算部は、前記各量子化データと算出した各誤差とをパラメータとして各データに対する評価値を演算するものである。
量子化パラメータ選択部。この量子化ステップ選択部は、所定範囲(最適化の検索範囲)の複数の量子化パラメータについて算出されたブロックを構成する複数のデータの評価値の総和が最小となる量子化パラメータを前記所定範囲の量子化パラメータから選択するものである。
請求項2は、請求項1のデータ符号化装置において、評価値演算のために前記符号部において得られた複数の量子化データは、前記ブロック内において指定された範囲内の隣接する複数のデータを量子化パラメータに対応する量子化ステップで除したものであることを特徴としている。
請求項3は、請求項1のデータ符号化装置において、前記評価値演算部の評価値は、量子化データをL、データと逆量子化データとの誤差をD、α及びβを0以外の数とした時、
評価値=ΣL×ΣD+ΣL×α+ΣD×β
の式で演算することを特徴としている。
請求項4は、請求項3のデータ符号化装置において、前記αとβを異なる数値とし、前記評価値における量子化率又は誤差のいずれかに重みをおいたものであることを特徴としている。
請求項5の発明は、n×nのブロックデータ内のデータを量子化パラメータに対応する量子化ステップによりスカラー量子化して量子化データを得るに際して、前記量子化パラメータを最適化するデータ符号化方法であって、次の各ステップを含むことを特徴としている。
復号化ステップ。この復号化ステップにより、前記量子化された量子化データを復号して逆量子化データを得る。
誤差算出ステップ。この誤差算出ステップにより、前記量子化前のデータとこれに対応する逆量子化データとの誤差を算出する。
評価値演算ステップ。この評価値演算ステップにより、前記量子化データと算出した誤差とをパラメータとしてデータに対する評価値を演算する。
量子化パラメータ選択ステップ。この量子化パラメータ選択ステップにより、所定範囲の複数の量子化パラメータについて算出されたブロックを構成する複数のデータの前記評価値の総和が最小となる量子化パラメータを前記所定範囲の量子化パラメータから選択する。
請求項6は、請求項5のデータ符号化方法において、n×nのブロックデータ内において、指定した範囲内のデータについて量子化と逆量子化を繰り返し、最適な量子化パラメータを選択することを特徴としている。
請求項7は、請求項5のデータ符号化方法において、前記量子化パラメータ選択ステップは、基準量子化パラメータ及び比率パラメータを設定し、前記基準量子化パラメータ及び比率パラメータで算出した誤差又は量子化率の最大値をそれぞれ設定し、前記ブロックデータに対して算出された評価値の総和が最小となる量子化パラメータの誤差又は量子化率の総和が前記各最大値より大きい値となる場合は、該量子化パラメータを最適な量子化ステップとして選択対象にしない選択対象外ステップを含むことを特徴としている。
本発明のデータ符号化装置及びデータ符号化方法によれば、量子化データと、各データとこれに対応する逆量子化データとの誤差とをパラメータとしてデータに対する評価値を演算し、評価値の総和が最小となる量子化パラメータを選択することで、量子化手続きのみの繰り返しで最適な量子化パラメータを選択することができ、符号化を行うに際しての処理時間を落とすことなく、精度が良好となる量子化が実現できる。
また、評価値をΣL×ΣD+ΣL×α+ΣD×βの式で演算するに際して(L:量子化データ、D:データと逆量子化データとの誤差、α,β:0以外の数)、αとβを異なる数値とすることで、評価値における量子化率又は誤差のいずれかに重みをおくことができる。
また、基準量子化パラメータ及び比率パラメータを設定し、基準量子化パラメータ及び比率パラメータで算出した誤差又は量子化率の最大値をそれぞれ設定し、ブロックデータに対して算出された評価値の総和が最小となる量子化パラメータの誤差又は量子化率の総和が各最大値より大きい値となる場合は、当該量子化パラメータを最適な量子化パラメータとして選択対象にしないことで、誤差や量子化率のみが小さい量子化パラメータを選択から排除することができる。
以下、本発明のデータ符号化方法を実現するデータ符号化装置の実施の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のデータ符号化装置の構成を示すブロック図である。
本発明のデータ符号化装置10は、図9の量子化におけるデータ処理を行うための装置であり、DCT変換された後にn×nのデータから成るブロック単位に分割された入力データ(ブロックデータ)を入力し、各データを量子化パラメータに対応する量子化ステップによりスカラー量子化して符号化して出力データとして出力する。
データ符号化装置10は、n×nの一つのブロックデータを蓄える入力データバッファ11と、n×nの一つの量子化後のブロックデータを蓄える量子化データバッファ12と、データに対して入力された量子化パラメータ(QP)に従って量子化を行って量子化データを得る量子化部(符号部)13と、量子化部13で得られた量子化データの逆量子化を行って逆量子化データを得る逆量子化部(復号部)14と、量子化部13、逆量子化部14等の装置内の各部全体を制御するとともに、逆量子化部14からの逆量子化データと入力データバッファ11からのデータとから評価演算を行う制御・評価部15を有して構成されている。
入力データバッファ11は、一つの入力データブロックを蓄えるものであり、ブロックデータ(n×nのデータから成るブロック単位の入力データ)を一時的に記憶し、制御・評価部15の要求により入力データを構成する複数のデータについて制御・評価部15へ出力する。
量子化データバッファ12は、量子化後のデータブロックを蓄えるものであり、最適な量子化パラメータ(QP)を選択するに際して、その過程において量子化が行われたn×nのブロックデータを一時的に記憶し、最適な量子化パラメータ(QP)が選択された場合、それにより量子化が行われたn×nのブロックデータについて出力するものである。
量子化部13は、制御・評価部15を介して入力されたデータに対して、制御・評価部15で指示された量子化パラメータ(QP)に従って量子化を行い、その結果を逆量子化部14、及び制御・評価部15へ出力するものである。
逆量子化部14は、量子化部13により量子化が行われたデータを入力し、制御・評価部15で指示された量子化パラメータ(QP)に従って逆量子化を行い、その結果を制御・評価部15へ出力するものである。
制御・評価部15には、逆量子化部14からの逆量子化データと入力データバッファ11からのデータが入力されるとともに、基準QP及び入力パラメータが入力され、評価演算が行われて最適な量子化パラメータ(QP)が選択される。
基準QPは、制御・評価部15の評価演算において、量子化パラメータ(QP)を選択する場合に使用されるもので、選択方法の詳細については後述する。入力パラメータは、評価値を求めるための数式におけるα、βの定数、量子化パラメータ(QP)の最適化の検索範囲となる−値及び+値(所定範囲)、最大誤差比率、最大量子化率比率であり、これらのパラメータの使用の仕方についても後述する。
最適な量子化パラメータ(QP)の選択過程において、各量子化パラメータに対応する量子化ステップにより量子化部13において量子化が行われたデータは制御・評価部15に戻され、量子化データバッファ12へ出力される。
次に、制御・評価部15において最適な量子化パラメータ(QP)を選択する場合の最適化理論について、図2を参照しながら説明する。図2は、量子化データの例を示すグラフ図である。
データについてスカラー量である量子化ステップ(QS)で除して量子化(符号化)を行う場合、QSが大きくなると符号化サイズは小さくなるが、その分、品質が悪くなるのが通常である。ところがQSを大きくしても必ずしも品質が悪くならないケースがある。
これは、量子化後の値は整数であるため、量子化の際の丸め誤差に起因するものである。そのため、量子化率が同じでも誤差の異なる場合がある。
図2のグラフは、データ「10」に対して量子化ステップ(QS)として1〜16を選択した場合の「量子化データ」「逆量子化データ」「誤差」「誤差(%)」「量子化率」をそれぞれ算出したものである。
「量子化データ」は、データ「10」を各量子化ステップ(QS)で除して小数点以下の切り捨てを行った数値(整数)である。
「逆量子化データ」は、各量子化データに各量子化ステップ(QS)を乗じた数値(整数)である。
「誤差」は、データ「10」から各逆量子化データを減じた数値(整数)である。
「誤差(%)」は、各誤差をデータ「10」で除した値(%)である。
「量子化率」は、各量子化データをデータ「10」で除した値(%)である。
図2のケースでは、データ「10」に対してQSが6から10の場合、量子化率は「10%」で同じであるが、誤差は「0〜40%」で異なる。量子化率が同じであれば、より誤差の少ないQSを選択した方が高品質な圧縮が可能である。
また、例えばQSの既定値を「4」とし、±1の範囲でQSの最適化を行うことを想定すると、QSが「5」と「3」の場合では、「5」の場合の方が誤差が少ない上に量子化率も良いことが分かる。この性質を利用すれば、各データの量子化に際して、データ毎にQSを選択することで、より高品質で効率的な量子化が可能となる。
一方、図2のケースにおいて、QSの既定値を「6」とし、±1の範囲でQSの最適化を行う場合、QSが「6」の時の誤差が40%、量子化率が10%、QSが「7」の時の誤差が30%、量子化率が10%に対して、QSが「5」の時は、誤差が0%、量子化率が20%となり、QS「6」「7」に比較して「5」の方が誤差は少ないが、量子化率は悪くなる現象が生じる。誤差は0%が一番良く小さい値が好ましいし、量子化率は0でない小さい値が好ましいが、データに対してQSを選択する場合、上述のように誤差が小さいが量子化率が大きくなる場合や、その逆の場合が生じることがある。
本発明では、量子化前の元データと量子化データ及び逆量子化後のデータを用いて評価値を求め、評価値が最少となるよう量子化パラメータ(QP)に対応する量子化ステップ(QS)を選択することで最適化を行う。評価値の計算式については種々のものが考えられるが、以下、評価値の第1例〜第5例の5種類について説明する。
評価値の第1例としては、量子化データの誤差(D:量子化前のデータと逆量子化後のデータとの差分絶対値)と量子化率(R:量子化データ/量子化前の元データ)を掛け合わせた値を評価値と定義する。実際には、評価値が「0」になることを避けるため、評価値には、誤差(D)、量子化率(R)にそれぞれ定数項α,βを加算した値の積( R+β)×(D+α)が設定される。また、定数項α,βは量子化率と誤差の重みを調整するための係数にもなる。
最適な量子化パラメータ(QP)に対応する量子化ステップ(QS)の判断する基準となる第1の評価値の例は、下記の式(1)又は(1)'で示される。n×nのブロックデータの集合体が画像である場合、n×nのブロック内(n=16)の256個のデータの評価値の総和(絶対値和または二乗和)が最終的な評価値(判断基準となる評価値)となる。
評価値(1)=Σ{( R+β)×(D+α)−α×β}
=Σ(R×D +R×α + D×β) 式(1)
また、評価値(1)に対して固定値αβを加算することで、乗算回数を削減して算出できる下記の評価値(1)'を使用してもよい。
評価値(1)'=Σ{( R+β)(D+α)}
=Σ(R×D +R×α + D×β+α×β) 式(1)'
なお、これらの式において、
R= 量子化率(量子化データ/量子化前の元データ)
D= 誤差(量子化前のデータと逆量子化後のデータとの差分絶対値)
である。
定数項α、βには、0以外の任意の正の値が設定できる。その場合、量子化率(R)を優先させたい場合はβを、精度(D)を優先させたい場合はαを小さくすることにより、重み付けを調整することができる。
また、実数演算を避ける為に量子化前の元データには任意の整数値を乗じてもよい。
図2の表の例では、α、βをそれぞれ0.5とし、n×nのブロックデータを構成する各データについて( R+β)(D+α)で評価値を算出し、その評価値総和である評価値(1)'が小さいものが量子化ステップ(QS)として適していると判断する。
また、評価値の第2例として、量子化データをLと定義し、ブロック内の量子化データ(L)の絶対値和又は二乗和と、誤差(D)の絶対値和又は二乗和から評価値を下記の式(2)又は(2)'から求めても良い。
評価値(2)=(ΣL+β)×(ΣD +α)−α×β
=ΣL×ΣDβ + ΣL×α + ΣD×β 式(2)
評価値(2)に対して固定値αβを加算することで、乗算回数を削減して算出できる下記の評価値(2)'を使用してもよい。
評価値(2)' =(ΣL+β)×(ΣD +α) 式(2)'
なお、これらの式において、
ΣL= ブロック内の量子化データ(L)の絶対値和、又は二乗和
ΣD= ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和
である。
定数項α、βには、0以外の任意の正の値が設定できる。その場合、量子化データ(L)を優先させたい場合はβを、精度(誤差D)を優先させたい場合はαを小さくすることにより、重み付けを調整することができる。
評価値の第3例として、前記した評価値(2)を基本として算出する下記の評価値(3)で評価しても良い。
評価値(3)=α×ΣL×ΣΣD+β×ΣD×ΣΣL 式(3)
ここで、
ΣL=ブロック内の量子化データ(L)の絶対値和、又は二乗和
ΣD=ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和
ΣΣL=比較対象とする全QPで求めたΣLの総和
ΣΣD=比較対象とする全QPで求めたΣDの総和
である。
定数項α、βには、0以外の任意の正の値が設定できる。
量子化率(L)を優先させたい場合はβを、精度(誤差D)を優先させたい場合はαを小さくすることにより、重み付けを調整することができる。
また、評価値の第4例として、ブロック内の量子化データから生成ビット量を予測しその値をBLと定義し、可変長符号化を実施することなく生成ビット量を予測し、その予測ビット量(BL)又はその二乗と誤差(D)の絶対値和又は二乗和から評価値を下記の式(4)又は(4)'から求めてもよい。
予測ビット量(BL)の計算方法については後述する。
評価値(4)=BL×ΣD+BL×α+ΣD×β 式(4)
又は
評価値(4) '=(BL+β)×(ΣD+α) 式(4)'
ここで、
BL=ブロック内の量子化データから予測計算した予測ビット量、又はその二乗
ΣD=ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和
定数項α、βには、0以外の任意の正の値が設定できる。
予測ビット量(BL)を優先させたい場合はβを、精度(誤差D)を優先させたい場合はαを小さくすることにより、重み付けを調整することができる。
評価値の第5例として、前記した評価値(4)を基本として算出する下記の評価値(5)で評価しても良い。
評価値(5)=α×BL×ΣΣD+β×ΣD×ΣBL 式(5)
ここで、
BL=ブロック内の量子化データから予測計算した予測ビット量、又はその二乗
ΣD=ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は自二乗和
ΣBL=比較対象とする全QPで求めたBLの総和
ΣΣD=比較対象とする全QPで求めたΣDの総和
定数値α、βには、0以外の任意の正の値が設定できる。
予測ビット量(BL)を優先させたい場合はβを、精度(誤差D)を優先させたい場合はαを小さくすることにより、重み付けを調整することができる。
次に、予測ビット量(BL)を計算する方法について説明する。
予測ビット量を求める対象ブロックは、複数のDCTブロックから構成されている。
以下の式の内、RおよびTについてはDCTブロック毎に求めた値の総和である。
BL=L+N+C+T+QD 式(6)
ここで、
L=量子化データの絶対値和
N=非ゼロの量子化データの総数
C=各DCTブロックでジグザグスキャン順に量子化データを追った場合、ゼロ
係数の次に非ゼロ係数が出現した回数
T=DCTブロック毎でジグザグスキャン順に量子化データを追った場合の最後
に出現した非ゼロ係数の位置。
最後の非ゼロ係数が先頭に位置したなら1とし、終端の場合は該当DCTブ
ロックの係数の個数とする。全てゼロの場合は0とする。
Qd=一つ前のブロックに適用されたQP値と現ブロック評価中のQP値との
差分絶対値
である。
L,N,C,T,Qd各項には、可変長符号化処理や対象のコーデック仕様に併せて定数項を定義し、乗じることで調整を行ってもよい。
以下、上記した各評価値別の処理について説明する。
前記した評価値(1)を使用して制御・評価部15における量子化パラメータ(QP)を最適化する具体的な方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は制御・評価部15の機能を詳細に説明したブロック図であり、図4は最適化の手順を示したフローチャートである。
図3の量子化パラメータ最適化処理ブロックは、入力された量子化パラメータQPに従って量子化を行う量子化部13と、逆量子化を行う逆量子化部14と、量子化部13と逆量子化部14を制御し、その結果と入力データとから評価演算を行う制御・評価部15と、一つの入力データブロックを蓄える入力データバッファ11と、一つの量子化後のデータブロックを蓄える量子化データバッファ12とから構成される。
入力された基準QPとパラメータは制御・評価部15に渡され、入力データは入力データバッファ11に保存される。
制御・評価部15におけるQPの最適化は、量子化前のデータと逆量子化部14で逆量子化された値から誤差を求め、誤差と量子化率をパラメータとして上述した式(1)で算出した評価値(1)の総和が最少となるQPを選択することで行われる。
すなわち、制御・評価部15は、各量子化データと算出した各誤差(各データとこれに対応する逆量子化データとの誤差)とをパラメータとして各データに対する評価値を演算する評価値演算部151と、任意の複数の量子化パラメータについて算出されたブロックを構成するデータ毎の評価値の総和が最小となる量子化パラメータを任意の量子化パラメータから選択する量子化パラメータ選択部152を有して構成されている。
評価値演算部151には、エンコーダによって設定される基準QP、及び、入力パラメータが入力される(ステップ101)。入力パラメータには、評価値(1)を求めるための定数値であるα及びβ、ユーザが定めた最適化の検索範囲(所定範囲)であるQPの範囲(±値)と、最大誤差比率、最大量子化率比率が含まれている。
制御・評価部15において最適化を行うのは、エンコーダによって設定される基準QPの前後でかつユーザが定めた範囲内とする。例えばエンコーダで設定された基準QPが「10」、ユーザが定めた最適化の範囲を−1から+2とすると、先ず基準QPを入力して評価値が算出され、その後に−1(9),+1(11),+2(12)のQPが入力されることで、QP=9,10,11,12の場合の評価値をそれぞれ測定し、評価値が最少となるQPを最終的な最適な量子化パラメータ(QP)として選択する。
また、評価値演算部151には、入力データバッファ11に保存されたn×nの入力データを構成する一つのデータが入力される(ステップ102)。
評価値演算部151は、基準QPを量子化部13と逆量子化部14に出力し、入力データバッファから送られたデータ(n×nブロック内の一つのデータ)を量子化部13に出力する。量子化部13では、基準QPとデータから量子化データを算出し(ステップ103)、評価値演算部151に出力する。
逆量子化部14では、量子化データを逆量子化した逆量子化データを算出し、評価値演算部151に出力する。
評価値演算部151では、データと量子化データLから量子化率Rを算出し(ステップ104)、データと逆量子化データとの差分から評価値演算部151内の誤差算出部で誤差Dを算出し(ステップ105)、それぞれの値から評価値(1)としての{( R+β)×(D+α)−α×β}を算出して(ステップ106)一時的に記憶する。
入力データバッファ11に記憶されたn×nブロックデータを構成する各データ(256個)について、上述の演算が繰り返して行われ(ステップ107)、全てのデータに対する量子化率及び誤差が算出された後に、量子化率の絶対値(又は二乗)総和と誤差値の絶対値(又は二乗)総和を演算する(ステップ108)。
演算された量子化率の総和、入力パラメータとして入力された最大誤差比率、最大量子化率比率により算出された最大誤差値、最大量子化値をそれぞれ記憶し、前記した式(1)の評価値の総和を算出して、これを評価値の初期値(基準QPに対する評価値)として評価値演算部151に記憶する。
最大誤差値は、下記の式(7)に示すように、エンコーダで設定された基準QPの場合の誤差の総和に対して、ユーザが定めた最大誤差比率パラメータを乗じた値としている。
同様に、最大量子化値は、下記の式(8)に示すように、エンコーダで設定された基準QPの場合の量子化率の総和に対して、ユーザが定めた最大量子化率比率パラメータを乗じた値としている。
最大誤差値=基準QPの場合の誤差総和 × 最大誤差比率パラメータ 式(7)
最大量子化率値=
基準QPの場合の量子化率総和 × 最大量子化率比率パラメータ 式(8)
基準QPは、量子化ステップ選択部152においてQPの最適化を行う場合に、比較される初期QPとして評価値総和とともに記憶される(ステップ110)。量子化パラメータ選択部152においては、評価値が小さいQPに順次更新することが行われ、量子化部13で算出された各データに対する各量子化データについては、評価値演算部151を介してQPが更新される場合に量子化データバッファ12に出力され、n×nのブロックデータとして記憶される。
次に、最適化の検索範囲であるQPの範囲(±値)内において、基準QPを除く各QPに対して量子化部13及び逆量子化部14に出力し、上記同様の演算を行った結果から誤差及び量子化率を求め、式(7)(8)で求めた最大誤差値、最大量子化値と比較し(ステップ109)、これを超える(大きな値)だった場合、該当QPは選択の対象外とする。
この作業を行うことで、誤差は小さいが量子化率が大きいQPや、逆に量子化率は小さいが誤差が大きい値となるQPを最適な量子化パラメータ(QP)候補から排除することができる。
QPが最大誤差値及び最大量子化値に関して選択対象内である場合は、式(1)により評価値の総和であるΣ{( R+β)×(D+α)−α×β}を求め、その時点で最小の評価値総和よりも小さい場合は、評価値演算部151に記憶している評価値総和と量子化パラメータ選択部152に記憶しているQPをそれぞれ更新し(ステップ110)、量子化データバッファ12のn×nのブロックデータについても書き換えて更新する。
最適化の検索範囲である対象範囲内に属する全てのQP(基準QP±)について量子化、逆量子化と最大誤差判定、最大量子化率判定、評価値総和の判定が完了した場合(ステップ111)に、最終的に量子化パラメータ選択部152に記憶されているQPを最適な量子化パラメータとして選択し(ステップ112)、このQPで量子化が行われて記憶されている量子化データバッファ12内のn×nのブロックデータを出力データとして外部へ出力する。
上記例では、n×nブロックを構成する256個の各データをデータ範囲とし、これらの各データについて量子化データ及び逆量子化データを得て評価値総和を算出するようにしたが、n×nブロック内において指定された範囲内の隣接する複数のデータをデータ範囲とし、これらのデータについて量子化データ及び逆量子化データを得て評価値総和を算出してもよい。
これにより、より簡便な処理で最適な量子化パラメータQPを選択できるので、更なる処理速度の向上を図ることができる。
上記例では、評価値演算部151において評価値(1)を演算するに際して、量子化率をR、データと逆量子化データとの誤差をD、α及びβを0以外の数とした時、評価値(1)=(D+α)(R+β)−α×βとして定数項のみの乗算値α×βを評価値に含ませないようにしたが、上述した評価値(1)'=(D+α)(R+β)の式(1)'で演算するようにしてもよい。
次に、評価値(2)又は評価値(2) 'を用いる場合について、評価値(1)又は(1)'を使用する場合と異なる処理を中心に、図5を参照して説明する。
評価値演算部151には、エンコーダによって設定される基準QP、及び、入力パラメータが入力される(ステップ201)。入力パラメータには、評価値(1)の場合と同様に、評価値(2)を求めるための定数値であるα及びβ、ユーザが定めた最適化の検索範囲(所定範囲)であるQPの範囲(±値)と、最大誤差比率、最大量子化値比率が含まれている。
また、評価値演算部151には、入力データバッファ11に保存されたn×nの入力データ(ブロックデータ)が入力される(ステップ202)。
制御・評価部15は、基準QPと入力データバッファ11のデータを量子化部13と逆量子化部14に渡し、量子化の結果から量子化値の絶対値(又は二乗)の総和(ΣL= ブロック内の量子化データ(L)の絶対値和、又は二乗和)を求め(ステップ203)、逆量子化の結果と入力データとの差分から誤差の総和(ΣD= ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和)を求める(ステップ204)。
それらの総和と最大誤差比率、最大量子化変換値比率により最大誤差値、最大量子化変換値を求め記憶し、式(2)又は式(2)'から評価値(2)の(ΣL+β)×(ΣD +α)−α×β又は評価値(2)'の(ΣL+β)×(ΣD +α)を求めて評価値の初期値とし記憶する。量子化後のデータは量子化データバッファ12に記憶する。基準QPは初期QPとする。
次に与えられたパラメータ範囲内の基準QPを除く各QPを量子化部13と逆量子化部14に渡し、結果から誤差、量子化値を求め、先に求めた最大誤差値、最大量子化変換値と比較し、より大きな値だった場合、該当QPは選択の対象外とする(ステップ205)。
対象内の場合は、式(2)又は式(2)'から評価値(2)=(ΣL+β)×(ΣD +α)−α×β、又は、評価値(2)'=(ΣL+β)×(ΣD +α)を求め、その時点で最小の評価値よりも小さい場合は記憶している評価値とQPを更新し、量子化データバッファ12も更新する(ステップ206)。
対象範囲内の全QPについて量子化、逆量子化と最大誤差判定、最大量子化変換値判定、評価値の判定が完了したら(ステップ207)、最終的に記憶されているQPと量子化データバッファ12内のデータを出力する(ステップ208)。
次に、評価値(3)を用いる場合について、図6を参照して説明する。
評価値(3)には、評価対象となる与えられたパラメータ範囲内の全てのQPを用いることによって求められるパラメータ(ΣΣL、ΣΣD)を含むため、前段(ステップ301〜306)では評価対象となる全てのQPを用いてこれらのパラメータ(ΣΣL、ΣΣD)を求めておき、後段(ステップ307〜311)では個々のQPについて前段で求めたパラメータ(ΣΣL、ΣΣD)を使用した評価値(3)による評価演算を行う。
評価値演算部151には、エンコーダによって設定される基準QP、及び、入力パラメータが入力される(ステップ301)。入力パラメータには、評価値を求めるための定数値であるα及びβ、ユーザが定めた最適化の検索範囲(所定範囲)であるQPの範囲(±値)と、最大誤差比率、最大量子化値比率が含まれている。
また、評価値演算部151には、入力データバッファ11に保存されたn×nの入力データ(ブロックデータ)が入力される(ステップ302)。
制御・評価部15は、基準QPと入力データバッファ11のデータを量子化部13と逆量子化部14に渡し、量子化の結果から、量子化値の絶対値(又は二乗)の総和(ΣL=ブロック内の量子化データ(L)の絶対値和、又は二乗和)を求めて記憶し(ステップ303)、逆量子化の結果と入力データとの差分から誤差の総和(ΣD=ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和)を求めて記憶される(ステップ304)。量子化後のデータは量子化データバッファ12に記憶する。
全ての対象となる個々のQPについて量子化データの絶対値(又は二乗)和、及び誤差絶対値(又は二乗)和が算出され、それらを記憶した後(ステップ305)に、量子化データの絶対値(又は二乗)和の全QPについての総和(ΣΣL)と誤差絶対値(又は二乗)和の全QPについての総和(ΣΣD)を演算する(ステップ306)。
ステップ306で算出した量子化値の総和(ΣΣL)及び誤差値の総和(ΣΣD)と最大誤差比率、最大量子化変換値比率により最大誤差値、最大量子化変換値を求め記憶し、評価値を求めて評価値の初期値とし記憶する。基準QPは初期QPとする。
与えられたパラメータ範囲内のQPを順次入力し(ステップ307)、各QPに該当するステップ304、ステップ305で算出した誤差(ΣD)、量子化値(ΣL)を先に求めた最大誤差値、最大量子化変換値と比較し、より大きな値だった場合、該当QPは選択の対象外とする(ステップ308)。
対象内の場合は、式(3)から評価値(3)としてα×ΣL×ΣΣD+β×ΣD×ΣΣLを求め、その時点で最小の評価値よりも小さい場合は記憶している評価値とQPを更新し、量子化データバッファ12も更新する(ステップ309)。
対象範囲内の全QPについて量子化、逆量子化と最大誤差判定、最大量子化変換値判定、評価値の判定が完了したら(ステップ310)、最終的に記憶されているQPと量子化データバッファ12内のデータを出力する(ステップ311)。
次に、評価値(4) 又は評価値(4) ' を用いる場合について、図7を参照して説明する。
評価値演算部151には、エンコーダによって設定される基準QP、及び、入力パラメータが入力される(ステップ401)。入力パラメータには、評価値(1)の場合と同様に、評価値(4)又は評価値(4) 'を求めるための定数値であるα及びβ、ユーザが定めた最適化の検索範囲(所定範囲)であるQPの範囲(±値)と、最大誤差比率、最大予測ビット量比率が含まれている。
また、評価値演算部151には、入力データバッファ11に保存されたn×nの入力データ(ブロックデータ)が入力される(ステップ402)。
制御・評価部15は、基準QPと入力データバッファ11のデータを量子化部13と逆量子化部14に渡し、量子化データを求め(ステップ403)、更に式(6)より予測ビット量BLを算出し(ステップ404)、逆量子化の結果と入力データとの差分から誤差の総和(ΣD= ブロック内の誤差(D)の絶対値和、又は二乗和)を求める(ステップ405)。
それらの総和と最大誤差比率、最大予測ビット量比率により最大誤差値、最大予測ビット量を求め記憶し、式(4)又は式(4) 'から評価値(4)=BL×ΣD+BL×α+ΣD×β、又は、評価値(4) '=(BL+β)×(ΣD+α)を求めて評価値の初期値とし記憶する。量子化後のデータは量子化データバッファ12に記憶する。基準QPは初期QPとする。
次に与えられたパラメータ範囲内の基準QPを除く各QPを量子化部13と逆量子化部14に渡し、結果から誤差、予測ビット量を求め、先に求めた最大誤差値、最大予測ビット量と比較し、より大きな値だった場合、該当QPは選択の対象外とする(ステップ406)。
対象内の場合は、式(4)から評価値(4)=BL×ΣD+BL×α+ΣD×β、又は、式(4) 'から評価値(4) '=(BL+β)×(ΣD+α)を求め、その時点で最小の評価値よりも小さい場合は記憶している評価値とQPを更新し、量子化データバッファ12も更新する(ステップ407)。
対象範囲内の全QPについて量子化、逆量子化と最大誤差判定、最大予測ビット量判定、評価値の判定が完了したら(ステップ408)、最終的に記憶されているQPと量子化データバッファ12内のデータを出力する(ステップ409)。
次に、評価値(5)を用いる場合について、図8を参照して説明する。
評価値(5)には、評価対象となる与えられたパラメータ範囲内の全てのQPを用いることによって求められるパラメータ(ΣBL、ΣΣD)を含むため、前段(ステップ501〜507)では評価対象となる全てのQPを用いてこれらのパラメータ(ΣBL、ΣΣD)を求めておき、後段(ステップ508〜511)では個々のQPについて前段で求めたパラメータ(ΣBL、ΣΣD)を使用した評価値(5)による評価演算を行う。
評価値演算部151には、エンコーダによって設定される基準QP、及び、入力パラメータが入力される(ステップ501)。入力パラメータには、評価値(1)の場合と同様に、評価値(5)を求めるための定数値であるα及びβ、ユーザが定めた最適化の検索範囲(所定範囲)であるQPの範囲(±値)と、最大誤差比率、最大予測ビット量比率が含まれている。
また、評価値演算部151には、入力データバッファ11に保存されたn×nの入力データ(ブロックデータ)が入力される(ステップ502)。
制御・評価部15は、基準QPと入力データバッファ11のデータを量子化部13と逆量子化部14に渡し、量子化データを求め(ステップ503)、更に式(6)より予測ビット量BLを算出して記憶し(ステップ504)、逆量子化の結果と入力データとの差分から誤差の総和(ΣD=ブロック内の誤差の絶対値和、又は二乗和)求めて記憶する(ステップ505)。量子化後のデータは量子化データバッファ12に記憶する。
全ての対象となる個々のQPに対する予測ビット量及び誤差が算出された後(ステップ506)に、予測ビット量の全QPについての総和(ΣBL)と誤差値の絶対値(又は二乗)和の全QPについての総和(ΣΣD)を演算し記憶する(ステップ507)。
ステップ507で算出した予測ビット量の総和及び誤差値の総和と最大誤差比率、最大予測ビット量率により最大誤差値、最大予測ビット量を求め記憶する。
与えられたパラメータ範囲内のQPを順次入力し(ステップ508)、各QPに該当するステップ504、ステップ505で算出した誤差(ΣD)、予測ビット量(BL)を先に求めた最大誤差値、最大予測ビット量と比較し、より大きな値だった場合、該当QPは選択の対象外とする(ステップ509)。
対象内の場合は、式(5)から評価値(5)=α×BL×ΣΣD+β×ΣD×ΣBLを求め、その時点で最小の評価値よりも小さい場合は記憶している評価値とQPを更新し、量子化データバッファ12も更新する(ステップ510)。
対象範囲内の全QPについて量子化、逆量子化と最大誤差判定、最大予測ビット量判定、評価値の判定が完了したら(ステップ511)、最終的に記憶されているQPと量子化データバッファ12内のデータを出力する(ステップ512)。
上述したデータ符号化装置及びデータ符号化方法によれば、量子化部13及び逆量子化部14における量子化手続きのみの繰り返しで最適な量子化パラメータQPを選択できるので、処理速度を殆ど落とすことなく、より精度のよい量子化が実行可能となる。
本発明は、符号化を行うに際しての処理時間を落とすことなく、精度が良好となる量子化が実現できるので、量子化を伴う画像または音声情報の圧縮符号化システムにおけるデータ符号化装置及びデータ符号化方法において有用な技術となる。
本発明の一実施形態に係るデータ符号化装置の構成を示すブロック図である。 本発明のデータ符号化装置に入力されたデータ「10」に対して量子化ステップ(QS)として1〜16を選択した場合の「量子化データ」「逆量子化データ」「誤差」「誤差(%)」「量子化率」を示すグラフ図である。 本発明のデータ符号化装置の制御・評価部の構成を説明するためのブロック図である。 本発明において評価値(1)又は(1)'を使用したデータ符号化の手順を説明するためのフローチャート図である。 本発明において評価値(2)又は(2)'を使用したデータ符号化の手順を説明するためのフローチャート図である。 本発明において評価値(3)を使用したデータ符号化の手順を説明するためのフローチャート図である。 本発明において評価値(4)又は(4)'を使用したデータ符号化の手順を説明するためのフローチャート図である。 本発明において評価値(5)を使用したデータ符号化の手順を説明するためのフローチャート図である。 画像符号化及び復号化のステップを説明するためのブロック図である。
符号の説明
10…データ符号化装置、 11…入力データバッファ、 12…量子化データバッファ、 13…量子化部(符号部)、 14…逆量子化部(復号部)、 15…制御・評価部、 151…評価値演算部、 152…量子化パラメータ選択部。

Claims (7)

  1. DCT変換された情報で構成されたn×nのデータから成るブロック単位に分割し、各データを量子化パラメータに対応した量子化ステップによりスカラー量子化して符号化するデータ符号化装置において、
    前記ブロックを構成する複数のデータについて共通の量子化パラメータに対応する量子化ステップで除して量子化データを得る符号部と、
    前記符号部で得た各量子化データを復号して逆量子化データを算出する復号部と、
    前記各データとこれに対応する逆量子化データとの誤差を算出する誤差算出部と、
    前記各量子化データと算出した各誤差とをパラメータとして各データに対する評価値を演算する評価値演算部と、
    所定範囲の複数の量子化パラメータについて算出されたブロックを構成する複数のデータの評価値の総和が最小となる量子化パラメータを前記所定範囲の量子化パラメータから選択する量子化パラメータ選択部と
    を具備することを特徴とするデータ符号化装置。
  2. 前記評価値演算のために前記符号部において得られた複数の量子化データは、前記ブロック内において指定された範囲内の隣接する複数のデータを量子化パラメータに対応する量子化ステップで除したものである請求項1に記載のデータ符号化装置。
  3. 前記評価値演算部の評価値は、前記量子化データをL、前記誤差をD、α及びβを0以外の数とした時、下記の式で演算される請求項1に記載のデータ符号化装置。
    評価値=ΣL×ΣD+ΣL×α+ΣD×β
  4. 前記αとβを異なる数値とし、前記評価値における量子化率又は誤差のいずれかに重みをおいた請求項3に記載のデータ符号化装置。
  5. n×nのブロックデータ内の各データを量子化パラメータに対応する量子化ステップによりスカラー量子化して量子化データを得るに際して、前記量子化パラメータを最適化するデータ符号化方法であって、
    前記量子化された量子化データを復号して逆量子化データを得る復号化ステップと、
    前記量子化前のデータとこれに対応する逆量子化データとの誤差を算出する誤差算出ステップと、
    前記量子化データと算出した誤差とをパラメータとしてデータに対する評価値を演算する評価値演算ステップと、
    所定範囲の複数の量子化パラメータについて算出されたブロックを構成する各データの前記評価値の総和が最小となる量子化パラメータを前記所定範囲の量子化パラメータから選択する量子化ステップ選択ステップと
    を具備することを特徴とするデータ符号化方法。
  6. n×nのブロックデータ内において、指定した範囲内のデータについて量子化と逆量子化を繰り返し、最適な量子化パラメータを選択する請求項5に記載のデータ符号化方法。
  7. 前記量子化パラメータ選択ステップは、基準量子化パラメータ及び比率パラメータを設定し、前記基準量子化パラメータ及び比率パラメータで算出した誤差又は量子化率の最大値をそれぞれ設定し、前記ブロックデータに対して算出された評価値の総和が最小となる量子化ステップの誤差又は量子化率の総和が前記各最大値より大きい値となる場合は、当該量子化ステップを最適な量子化パラメータとして選択対象にしない選択対象外ステップを含む請求項5に記載のデータ符号化方法。
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