JP2010141686A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿に対する加熱処理が開始可能となるまでの待機時間を有効に利用しつつ操作性を向上することができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】加熱されると無色化する塗料を用いて描画された原稿を加熱して描画部分を消去する消去モードが選択され(S101;Yes)、加熱器が加熱処理を実行できる所定温度でない場合には(S103;No)、加熱器の昇温を開始する(S104)。この加熱器が所定温度に達するまでの間に、読み取りジョブの割り込み指示を受け付けた場合には(S105;Yes)、加熱器の昇温を継続しつつその割り込みジョブを実行する(S106)。加熱器が所定温度に達した時点で割り込みジョブが実行中である場合は割り込みジョブを続行して完了させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、原稿を光学的に読み取る画像読取装置に係り、特に、加熱されると無色化する塗料で描画された原稿の読み取りに適した画像読取装置に関する。
描画された用紙の描画部分を消去して用紙の再利用を図るために、一定温度以上に加熱されると無色化するインクを用いて用紙に描画し、その描画済み用紙を一定温度以上に加熱することで描画部分を消去する技術は知られている。
たとえば、特許文献1には、インクジェットプリンタの用紙収納部(給紙機構)に収納された上記の描画済み用紙を、プリンタヘッドへの搬送経路の途中に設けた加熱器で加熱することにより用紙上の描画部分を消去し、その用紙上にプリンタヘッドで新たに描画することにより用紙を再利用する技術が開示されている。
特開2001−302954号公報
上記のような無色化可能なインクで描画された用紙を加熱して描画部分を消去する構成は、原稿を光学的に読み取る画像読取装置に適用することも可能であり、このような画像読取装置によって原稿用紙の再利用を図ることも可能である。
たとえば、画像読取装置に原稿を加熱するための加熱器を設け、セットされた原稿を読取部で読み取ってから加熱器で加熱し描画部分を消去するなどの構成が可能である。このような構成であれば、原稿用紙の再利用に加えて、画像読取装置に原稿を一度セットするだけで描画部分の読み取りおよび加熱消去が連続的に行えるようになり、利便性の向上や作業の効率化を図ることができる利点がある。さらに、原稿の読み取り後に加熱消去を行う動作と、原稿の読み取りおよび加熱消去を個別に行う(何れか一方のみを行う)動作とが切り替えられるように構成することも可能である。
また、上述した無色化可能なインクによる描画部分を無色化して消去するための加熱温度は60℃以上や100℃以上などと高温であるため、この加熱温度に加熱器を昇温するには時間を要する。この加熱器の昇温に掛かる待機時間に読み取りジョブの割り込みを受け付けるように構成すれば、待機時間を有効に利用できるようになって利便性の更なる向上が図られるようになる。
しかしながら、割り込みジョブの実行中に加熱器の昇温が完了した場合に、割り込みジョブを中断してユーザが先に指示した原稿の加熱処理(加熱消去処理)を開始すると、中断した割り込みジョブを再開するための操作が必要になって操作性が低下してしまう。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、原稿に対する加熱処理が開始可能となるまでの待機時間を有効に利用しつつ操作性を向上することができる画像読取装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]原稿を光学的に読み取って画像情報を取得するための読取部と、
加熱されると無色化する塗料を用いて描画された描画部分を無色化させる所定温度で前記原稿を加熱するための加熱器と、
操作部と、
前記加熱器が前記加熱を行う加熱処理の開始指示を前記操作部を通じて受け付け、前記加熱処理を実行するために前記加熱器を昇温して該加熱器が前記所定温度に達するまでの間に、前記読取部が前記読み取りを行う読み取りジョブの割り込み指示を前記操作部を通じて受け付けた場合に、前記加熱器の昇温を継続しつつ前記読み取りジョブの実行を開始し、前記加熱器が前記所定温度に達した時点で前記読み取りジョブが実行中である場合に該読み取りジョブを続行して完了させる制御部と、
を備える
ことを特徴とする画像読取装置。
上記発明では、画像読取装置は読取部により原稿を光学的に読み取ることができる。加熱されると無色化する塗料を用いて描画された原稿に対しては、加熱器により所定温度で原稿を加熱して描画部分を無色化(消去)したり、読取部で原稿を読み取ってから加熱器で描画部分を加熱消去したりすることができる。また、原稿を加熱器で加熱する加熱処理(加熱消去処理)の開始指示を受け付けてから加熱器が所定温度に昇温するまでの間に、読み取りジョブの割り込み指示を受け付けた場合には、加熱器の昇温を継続しつつその読み取りジョブの実行を開始する。
この画像読取装置では、加熱器を所定温度まで昇温して原稿に対する加熱処理が開始可能となるまでの間に、読み取りジョブを割り込ませて実行できるようになるため、その待機時間を有効に利用できるようになる。
また画像読取装置は、読み取りジョブの終了前に加熱器が所定温度に達した場合でも読み取りジョブを中断させずに続行して完了させるので、中断させたジョブを再開するための操作などが不要となり、操作性が向上する。
[2]前記制御部は、前記読み取りジョブを続行している間は前記加熱器を前記所定温度に維持する制御を行う
ことを特徴とする[1]に記載の画像読取装置。
上記発明では、加熱器は昇温されて所定温度に達した以降は、割り込みによる読み取りジョブが続行されている間も所定温度に維持される。これにより、読み取りジョブが完了した後に直ちに加熱器による加熱処理を開始できるようになる。
[3]報知部を備え、
前記制御部は、前記読み取りジョブを続行して完了すると前記報知部を通じて前記加熱処理の実行指示を要求する報知を行い、前記操作部を通じて前記加熱処理の実行指示を受け付けると前記加熱処理の実行を開始する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像読取装置。
上記発明では、画像読取装置は加熱器が所定温度に達した以降に続行している割り込みによる読み取りジョブが完了すると、報知部を通じて加熱処理の実行指示を要求する報知を行う。この報知部による報知は、たとえば、表示部による表示や音声出力部からの音声出力などによって行うことができる。ユーザは、画像読取装置から報知を受けて加熱処理が実行可能であることを把握し、操作部を通じて加熱処理の実行指示を行う。そして画像読取装置は、この実行指示を受け付けると加熱処理の実行を開始する。これにより、割り込みによる読み取りジョブの完了後に加熱処理を実行できるようになる。
[4]給紙部にセットされた原稿を前記読取部が前記読み取りを行う読取位置および前記加熱器が前記加熱を行う加熱位置を通る搬送経路を通じて搬送し排紙部へ排出する自動原稿搬送装置を備える
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の画像読取装置。
上記発明では、加熱処理対象の原稿や割り込みによる読み取りジョブの原稿は自動原稿搬送装置により、給紙部から搬送経路を通じて自動搬送され、加熱位置での加熱器による加熱や読取位置での読取部による読み取りが行われて排紙部へ排出される。これにより、処理時間を短縮できると共にユーザの作業負担を軽減することができる。
また、原稿を搬送しながら加熱することで、加熱器は原稿の搬送方向と直交する方向に沿った一次元などの小型の加熱器(ラインヒータなど)で構成することができる。さらに、原稿を搬送しながら読み取るための搬送系と、原稿を搬送しながら加熱するための搬送系とを共用できることにより、それらを個別に設ける場合に比べて装置全体を小型および簡素に構成することができる。
本発明の画像読取装置によれば、加熱器の昇温中に割り込みジョブを受け付けるので原稿に対する加熱処理が開始可能となるまでの待機時間を有効に利用することができる。また、割り込みジョブの終了前に加熱器が所定温度に達した場合でも割り込みジョブを続行させて完了させるので、割り込みジョブを中断させた場合は必要となる割り込みジョブの再開操作が不要となり操作性が向上する。したがって、利便性が向上する。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置としての機能を含む画像形成装置10の構成を示している。画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得し、その画像データを保存したり外部端末へ送信したりするスキャン機能、原稿を読み取り、かつその読み取りで得た画像データに基づいて原稿の複製画像を記録紙に印刷して出力するコピー機能、外部端末から受信した印刷データをラスタライズして得た画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能などを備えた、所謂、複合機として構成されている。
また、画像形成装置10は、加熱されると無色化する塗料で描画された原稿を加熱して描画部分を無色化し消去する機能や、この原稿を読み取る動作に連動させて読み取り後の原稿を加熱して描画部分を無色化し消去する機能を備えている。以下では、加熱されると無色化する塗料を「無色化塗料」と呼ぶ場合がある。
画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を統括制御する制御部11に、自動原稿搬送装置20(Auto Document Feeder;ADF)と、読取部12と、通信部13と、画像記憶部14と、操作表示部15と、プリンタ部16とを接続して構成される。制御部11は、図示省略のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発メモリなどを主要部として構成されている。ROMには各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPUが処理を実行することにより画像形成装置10としての各機能が実現される。RAMはCPUがプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。不揮発メモリには、電源がオフしても保存しておくべきユーザ情報や各種の設定情報が記憶される。
自動原稿搬送装置20は、原稿の給紙部となる原稿給紙トレイ21と、原稿が搬送される搬送経路22と、原稿を搬送経路22を通じて搬送する搬送機構23と、原稿を加熱する熱源25を有する加熱器24と、加熱器24を原稿との接離方向へ変位させる変位機構26と、原稿を表裏反転させるための反転経路27と、原稿を反転経路27へ案内する反転機構28と、原稿の排紙部となる原稿排紙トレイ29とを備えている(図2参照)。搬送機構23と、加熱器24と、変位機構26と、反転機構28とは制御部11に接続されており、制御部11によって動作が制御される。
自動原稿搬送装置20は、原稿給紙トレイ21にセットされた原稿(原稿束)を、搬送機構23が1枚ずつ送り出し、読取部12によって原稿の読み取りが行われる読取位置および加熱器24によって原稿の加熱が行われる加熱位置を経由する搬送経路22を通じて搬送機構23が原稿を搬送し、原稿排紙トレイ29へ排出する機能を果たす。また、原稿の両面読み取りを行う場合には、自動原稿搬送装置20は読取部12により表面の読み取りが済んだ原稿を反転機構28が反転経路27へ案内し、反転経路27を通じて原稿を表裏反転させて搬送経路22における読取部12(読取位置)の上流側に戻し、その原稿を搬送機構23が上記の読取位置および加熱位置を通過させて原稿排紙トレイ29へ排出する機能を果たす。自動原稿搬送装置20の詳細は後述する。
読取部12は、自動原稿搬送装置20によって搬送される原稿を読取位置で光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。読取部12は、原稿に光を照射し、その反射光を受光することで原稿をその搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に1ライン分読み取る密着型のラインイメージセンサを備えて構成されており、自動原稿搬送装置20によって原稿を搬送方向(副走査方向)に移動させながら主走査方向へのライン単位の読取動作を繰り返すことで原稿を2次元画像として読み取るようになっている。読取部12は、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換して出力するようになっている。
通信部13は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークと接続してネットワーク上の各種装置と通信する機能を果たす。たとえば、読取部12で読み取って得た画像データを外部端末へ送信する場合や外部端末から印刷データを受信する場合に使用される。
画像記憶部14は、読取部12で読み取って得た画像データの保存などに使用される不揮発の大容量記憶装置である。ここでは、画像記憶部14は、ハードディスク装置とそのコントローラで構成される。
操作表示部15は、各種の操作画面や設定画面、選択画面、案内画面などを表示する機能、およびユーザから各種の操作を受ける機能を果たす。ここでは、表示機能を担う液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)と、該液晶ディスプレイの表面に形成され、押下された座標位置を検出するタッチパネルや、テンキー、スタートボタン、各種操作スイッチなどで構成される。
プリンタ部16は、入力される画像データに応じた画像を記録紙に印刷して出力する機能を果たす。プリンタ部16は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。他の画像形成方式のプリンタであっても構わない。
図2は、自動原稿搬送装置20および読取部12を示している。
自動原稿搬送装置20は、複数枚の原稿Mが載置可能な原稿給紙トレイ21を備え、原稿給紙トレイ21の下方に原稿排紙トレイ29が設けられている。読取部12は、自動原稿搬送装置20の底板20aに近接して原稿給紙トレイ21および原稿排紙トレイ29とは反対側の端部寄り(図2では左側端部寄り)に配置されている。
自動原稿搬送装置20における原稿Mの搬送経路22は、原稿排紙トレイ29から読取部12側へ延出され、読取部12の上方で原稿排紙トレイ29側へUターンするように屈曲されて読取部12上を近接通過し原稿排紙トレイ29へと繋がる横向きU字形状の経路とされている。この搬送経路22における原稿給紙トレイ21から原稿排紙トレイ29までの経路部分は、図示しない通路部材によって形成されている。
原稿Mは、表面(片面原稿の場合は描画面)を上に向けて原稿給紙トレイ21に載置され、原稿給紙トレイ21から原稿排紙トレイ29へ搬送される際に、搬送経路22における屈曲部から先の経路部分では表面が下向き(裏面が上向き)にされて搬送される。
搬送機構23は、原稿Mを搬送するための複数のローラと、各ローラを回転駆動する複数のモータ(図示省略)などで構成されている。ローラの詳細は、原稿給紙トレイ21に載置された原稿Mの表面先端部に接触回転して最上の原稿Mから1枚ずつ分離して送り出す送り出しローラ31と、搬送経路22に沿って所定の間隔で配設され、送り出しローラ31によって送り出された原稿Mを回転挟持して搬送経路22の下流側(原稿排紙トレイ29側)へ搬送する複数対の搬送ローラ32と、搬送経路22の下流側に配設され、搬送ローラ32によって搬送経路22の下流側まで搬送された原稿Mを回転挟持して原稿排紙トレイ29へ排出する、または、逆転して反転経路27側へ送り込む1対の排出ローラ33と、読取部12に対応して配設され、原稿Mの裏面(背面)に接触回転しつつ原稿Mを読取部12側へ押圧する読取ローラ34などである。
自動原稿搬送装置20の底板20aには、読取部12と対応する箇所に、搬送経路22における原稿Mの搬送方向と直交する方向(図2では紙面の表裏方向)に沿った細長い開口形状のスリット30が形成されている。読取部12は、内蔵のラインイメージセンサ12aがスリット30側(上側)へ向けられてスリット30と平行になるように配置されている。読取ローラ34は、スリット30を通過する原稿Mに対し、原稿Mの裏面に接触回転しつつ原稿Mを読取部12側へ押圧して、原稿Mの表面を読取部12のラインイメージセンサ12aに密着させるようになっている。
この読取部12と読取ローラ34の間に形成されているスリット30による開口部は、読取部12がラインイメージセンサ12aで原稿Mを読み取る読取位置Sとなっている。
搬送経路22における読取位置Sの下流側(読取位置Sと原稿排紙トレイ29の間)には、原稿Mに対して加熱消去処理を行うための加熱器24と、加熱器24を原稿Mとの接離方向へ変位可能に支持すると共にその接離方向へ変位させる変位機構26とが配置されている。加熱器24は、通電により内蔵の熱源25が発熱する電気式のラインヒータで構成されている。
この加熱器24は、自動原稿搬送装置20の底板20a上に取り付けられた変位機構26に支持されて搬送経路22の下側に配置されると共に、熱源25を搬送経路22側(上側)へ向けて原稿Mの搬送方向と直交する方向(図2では紙面の表裏方向)に沿った向きに配置されている。
変位機構26は、加熱器24を原稿Mに接触させる接触位置(上昇位置)および原稿Mから離間させる離間位置(退避位置/下降位置)の間で変位可能に支持する支持部材(ベース)と、加熱器24を接触位置側へ付勢するバネなどの付勢部材(図示省略)と、付勢部材の付勢力に抗して加熱器24を離間位置側へ変位させるソレノイドなどの駆動源(図示省略)とを備えている。
制御部11は、上記の駆動源への通電制御を行うことで加熱器24を変位するようになっている。詳細には、制御部11による駆動源への非通電時には駆動源が駆動停止し、加熱器24は付勢部材により上方へ付勢されて接触位置に保持される。制御部11による駆動源への通電時には駆動源が駆動し、加熱器24は駆動源により下方へ変位されて離間位置に保持されるようになっている。
また制御部11は、後述する加熱器管理部(図9参照)を通じて加熱器24の状態確認や通電制御を行うようになっている。加熱器24は、通電されると熱源25が昇温して所定温度まで上昇するようになっている。所定温度は、加熱されると無色化する塗料で描画された原稿が加熱器24の熱源25上を通過する際に、熱源25がその原稿を加熱して描画部分を無色化し消去することができる温度(加熱温度)である。
自動原稿搬送装置20においては、搬送経路22における読取位置Sの下流側に配置された加熱器24の上面部が、加熱器24が熱源25で原稿Mを加熱する加熱位置Hとなっている。
反転経路27は、搬送経路22における排出ローラ33の上流近傍位置から分岐して読取部12側へ延出され、読取部12の上方で搬送経路22における屈曲部の上流位置に繋がれている。この反転経路27も搬送経路22と同様に、図示しない通路部材によって形成されている。
反転機構28は、原稿Mを搬送経路22から反転経路27へ案内するためにそれらの経路の分岐位置近傍に設けられた可動式の経路切り替え部材28a(原稿案内板)を備えている。経路切り替え部材28aは、図2では左側となる基端部が軸支されて傾動すると共に上記の分岐位置に配置された先端部が上下に変位し、図2の実線で示す上昇姿勢では搬送経路22を開放して反転経路27を閉塞し、図2の破線で示す下降姿勢では搬送経路22を閉塞して反転経路27を開放するようになっている。
また反転機構28は、経路切り替え部材28aを上昇姿勢側へ付勢するバネなどの付勢部材(図示省略)と、付勢部材の付勢力に抗して経路切り替え部材28aを下降姿勢側へ変位させるソレノイドなどの駆動源(図示省略)を備えている。
制御部11は、上記の駆動源への通電制御と搬送ローラ32の回転制御を行うことで、搬送経路22において搬送ローラ32まで搬送された原稿Mを搬送経路22から反転経路27へ案内するようになっている。
詳細には、制御部11は通常時には排出ローラ33を原稿の排出方向である正転方向へ回転させると共に、駆動源への通電を停止して駆動源を駆動停止させている。経路切り替え部材28aは、駆動源が駆動停止されていることで付勢部材により上方へ付勢され、上昇姿勢に保持されている。
原稿Mの両面読み取りを行う場合には、原稿Mが読取位置Sを通過して片面(表面)の読み取りが済み、原稿Mの後端部が経路切り替え部材28aを通過して搬送ローラ32に差し掛かると、制御部11は駆動源に通電して駆動源を駆動させ、経路切り替え部材28aを下降姿勢に変位させて反転経路27への案内状態を構成し、搬送ローラ32を逆転させる。
経路切り替え部材28aを通過した原稿Mは、搬送ローラ32によって逆方向へ搬送され、経路切り替え部材28aによって反転経路27へ案内される。この原稿Mは、反転経路27を通じて読取部12側へ搬送され、表裏が反転されて搬送経路22における屈曲部の上流位置へ進入する。
原稿Mが反転経路27へ送り込まれて経路切り替え部材28aを通過すると、制御部11は駆動源への通電を停止して駆動源を駆動停止させ、経路切り替え部材28aを元の上昇姿勢に変位させ、搬送ローラ32を正転させる。
表裏が反転されて搬送経路22に進入した原稿Mは、裏面を下向きにし読取部12側へ向けて読取位置Sを通過する。そして、経路切り替え部材28aが上昇姿勢へ変位することで開放された搬送経路22の下流側をそのまま搬送経路22に沿って搬送され、正転する搬送ローラ32によって原稿排紙トレイ29に排出される。
また図示は省略するが、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21には、原稿の有無、および載置されている原稿のサイズを検出するための複数の原稿センサが設けられている。搬送経路22および反転経路27には、各経路を搬送される原稿を検出するための複数の検出センサが所定の間隔で設けられている。原稿センサおよび検出センサが出力する信号(オン/オフ信号)は、制御部11に入力される。
制御部11は、原稿センサからの信号に基づいて、原稿給紙トレイ21上の原稿の有無、および原稿のサイズを認識し、検出センサからの信号に基づいて、搬送経路22および反転経路27における原稿の搬送位置や詰まり(ジャム)を認識し、これらの認識結果に応じて自動原稿搬送装置20による原稿の搬送動作や表裏反転動作、読取部12による原稿の読み取り動作などを制御する。
次に、画像形成装置10による原稿の加熱消去処理の動作および加熱消去処理に対する読み取りジョブの割り込み動作を説明する。
図3〜図6は、上記の動作に係る画像形成装置10の操作表示部15に表示される画面を示している。操作表示部15への表示内容は制御部11によって制御される。
図3は、割り込みではなく通常のジョブにおける読取設定画面40の一例を示している。読取設定画面40には、スキャン設定41、読込設定42、拡大縮小43、紙サイズ44に分類されてそれらの詳細な項目を選択・設定するための操作ボタンが表示される。
スキャン設定41には、原稿の読み取りを片面(表面)のみまたは両面(表裏面)とし、その読み取った原稿における複製画像の記録紙への印刷を片面(表面)のみまたは両面(表裏面)とする4通りの組み合わせ、すなわち、片面読み取り片面印刷、片面読み取り両面印刷、両面読み取り片面印刷、両面読み取り両面印刷、を選択するための4つの操作ボタンが表示される。
読込設定42には、加熱消去処理を行わずに原稿を読み取る通常読み取りモードを選択するための通常読込ボタン45と、原稿を読み取らずに加熱消去処理を行う消去モードを選択するための消去ボタン46と、原稿を読み取りかつ読み取り後の原稿に加熱消去処理を行う読み取り消去モードを選択するための読込消去ボタン47とが表示される。
このほか、読込設定42には、読み取った原稿に対する拡大縮小に関する設定を行うための操作ボタンが表示され、紙サイズ44には、読み取った原稿をコピー機能によって印刷出力する際の記録紙のサイズを選択するための操作ボタンが表示される。
ユーザは、この読取設定画面40を通じて読み取りジョブ(コピージョブ)の各種設定を行う。また、原稿(無色化塗料で描画された原稿を含む)の読み取りを行う場合には、通常読込ボタン45を押下して通常読み取りモードを選択する。無色化塗料で描画された原稿に対し、読み取りを行わずに加熱消去処理を行う場合には、消去ボタン46を押下して消去モードを選択する。無色化塗料で描画された原稿に対し、読み取りを行ってから加熱消去処理を行う場合には、読込消去ボタン47を押下して読み取り消去モードを選択する。
消去モードまたは読み取り消去モードが選択されて操作表示部15に設けられたスタートボタンが操作されたときに、加熱器24が所定温度でない場合には、加熱器24は通電されて昇温が開始される。
図4は、図3の読取設定画面40で消去モードまたは読み取り消去モードが選択され、加熱器24が所定温度に昇温されていないために加熱消去処理が準備中(待機中)となる場合に操作表示部15に表示される準備画面50の一例を示している。
準備画面50には、加熱器24を昇温して加熱消去処理を実行できるように準備している旨、および、この準備中(待機時間)に読み取りジョブの割り込みが可能である旨を示すメッセージ51と、読み取りジョブの割り込みを実行する操作を受け付ける割り込みジョブ実行ボタン52とが表示される。加熱器24は、準備画面50が表示されている間にも、所定温度に達するように通電および昇温が継続される。
ユーザは、読み取りジョブの割り込みを行う場合には、準備画面50の割り込みジョブ実行ボタン52を押下する。
図5は、図4の準備画面50で割り込みジョブ実行ボタン52が押下された場合に操作表示部15に表示される割り込みジョブ用の読取設定画面60の一例を示している。
割り込みジョブ用の読取設定画面60には、図3に示した通常ジョブ用の読取設定画面40と同様に、スキャン設定41、読込設定42、拡大縮小43、紙サイズ44の詳細な項目を選択・設定するための操作ボタンが表示される。ただし、読込設定42には、図3に示した消去ボタン46および読込消去ボタン47が表示されずに通常読込ボタン45のみが表示される。この読取設定画面60では、図3の読取設定画面40で説明した消去モードと読み取り消去モードが選択できない状態となる。
また読取設定画面60には、割り込みジョブのキャンセルを行うための割り込みジョブキャンセルボタン61が表示される。加熱器24は、読取設定画面60が表示されている間にも、所定温度に達するように通電および昇温が継続される。
ユーザは、この読取設定画面60を通じて割り込みによる読み取りジョブの各種設定を行う。また、割り込みジョブをキャンセルする場合には割り込みジョブキャンセルボタン61を押下する。この操作によって割り込みジョブがキャンセルされ、操作表示部15の表示内容は図4に示す準備画面50に戻る。ここでユーザが準備画面50の割り込みジョブ実行ボタン52を押下すると、操作表示部15には再び割り込みジョブ用の読取設定画面60が表示される。
ユーザは、割り込みジョブの原稿を自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21にセットし、読取設定画面60を通じて割り込みジョブの設定を行い、操作表示部15に設けられたスタートボタンを押下する。これにより、自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送と読取部12による読み取りが開始される(割り込みジョブ実行)。加熱器24は、割り込みジョブが実行されている間にも、所定温度に達するように通電および昇温が継続される。また、割り込みジョブの実行中に加熱器24が所定温度に達した場合には、加熱器24が保温された状態で割り込みジョブは続行され完了される。
図6は、上記の動作で割り込みジョブが続行されて完了した場合に操作表示部15に表示される案内画面70(原稿再セット画面)の一例を示している。
案内画面70には、割り込みジョブが終了した旨、および、加熱器24の熱源25が所定温度に達して加熱消去処理の準備が完了したので自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21に加熱消去処理を行う原稿を再度セットすることを要求する旨を示すメッセージ71と、その原稿をセットする様子を模式的に示したイメージ図72と、加熱消去処理を実行するための消去ボタン73とが表示される。
ユーザは、案内画面70による案内に従い、加熱消去処理を行う原稿を自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21にセットし、消去ボタン73を押下する。消去モードが選択されている場合には、自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送と加熱器24による加熱消去処理が開始される(消去ジョブ実行)。読み取り消去モードが選択されている場合には、自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送と、読取部12による読み取りおよび加熱器24による加熱消去処理が開始される(読み取り消去ジョブ実行)。
図7および図8は、画像形成装置10が行う原稿の加熱消去処理およびジョブ割り込みの動作の流れを示している。詳細には、図7がメインルーチンの動作の流れを示しており、図8がメインルーチンにおける割り込みジョブ実行処理のサブルーチンの動作の流れを示している。
ユーザが読取設定画面40(図3参照)にて通常読み取りモードまたは消去モードまたは読み取り消去モードの選択操作を行うと共に、通常読み取りモードおよび読み取り消去モードにおいては読み取りに関する各種設定操作を行い、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21に原稿をセットして操作表示部15のスタートボタンを操作すると、制御部11は本動作を開始する(Start)。
制御部11は、消去モードまたは読み取り消去モードが選択されているか否かを調べ(ステップS101)、これらのモードが選択されておらずに通常読み取りモードが選択されている場合には(ステップS101;No)、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21にセットされている原稿の読み取りを行う(ステップS102)。
詳細には、自動原稿搬送装置20が原稿給紙トレイ21に載置されている1または複数枚の原稿のうちの最上の1枚を送り出し、搬送経路22を通じて原稿排紙トレイ29へ排出すると共に、その原稿が読取位置Sを通過する際に読取部12がライン単位の読み取りを繰り返し行って2次元画像の画像データを取得し、その画像データを制御部11が画像記憶部14に保存する。また、両面読み取りが設定されている場合には、片面(表面)の読み取りが済んだ原稿を、自動原稿搬送装置20が反転経路27を通じて表裏反転させて搬送経路22における読取位置Sの上流位置に戻し、その原稿が読取位置Sを通過する際に読取部12が原稿裏面のライン単位の読み取りを繰り返し行って2次元画像の画像データを取得し、その画像データを制御部11が画像記憶部14に保存する。
原稿給紙トレイ21にセットされている全ての原稿の読み取りを完了すると、制御部11は本動作を終了する(End)。
消去モードまたは読み取り消去モードが選択されている場合には(ステップS101;Yes)、制御部11は加熱器管理部を通じて加熱器24が所定温度であるか否かを確認する(ステップS103)。所定温度は、前述したように、無色化塗料で描画された原稿が加熱器24による加熱位置H(熱源25上)を通過する際に、加熱器24がその原稿を加熱して描画部分を無色化し消去することができる温度である。
加熱器24が所定温度でない場合には(ステップS103;No)、制御部11は加熱器管理部を通じて加熱器24に通電を行い、加熱器24の熱源25を昇温する(ステップS104)。また制御部11は、操作表示部15に準備画面50(図4参照)を表示して画像形成装置10を割り込みジョブの受付可能状態とし、割り込みジョブの受け付けを監視する(ステップS105;No→ステップS103;No→ステップS104→ステップS105;Noのループ)。
割り込みジョブを受け付けずに加熱器24が所定温度に達した場合には(ステップS103;Yes)、ステップS107へ移行する。加熱器24が所定温度に達する前に、準備画面50の割り込みジョブ実行ボタン52がユーザにより押下操作されて割り込みジョブを受け付けた場合には(ステップS105;Yes)、制御部11は操作表示部15に読取設定画面60(図5参照)を表示する。読取設定画面60の割り込みジョブキャンセルボタン61がユーザにより押下操作されて割り込みジョブのキャンセルを受け付けた場合には(ステップS105;No)、ステップS103へ戻り、以下同様の動作を行う。
ユーザが読取設定画面60にて通常読み取りモードの選択操作および読み取りに関する各種設定操作を行い、原稿給紙トレイ21にセットされている加熱消去処理対象の原稿を取り除いて読み取り対象の原稿をセットし、操作表示部15のスタートボタンを操作すると、制御部11は割り込みジョブ実行処理を図8に示すサブルーチンにて行う(ステップS106)。
制御部11は、割り込みジョブ実行処理を開始し(図8参照)、読取設定画面60による設定内容(割り込みジョブの読み取りに対して設定された内容)で自動原稿搬送装置20および読取部12が読み取り動作を行うように設定する(ステップS121)。続いて制御部11は、加熱器管理部を通じて加熱器24が所定温度に達したか否かを確認する(ステップS122)。
加熱器24が所定温度に達していない場合には(ステップS122;No)、制御部11は自動原稿搬送装置20を制御して原稿給紙トレイ21にセットされている原稿を1枚送り出し、読取部12を制御してその1枚の原稿の読み取りを行う(ステップS123)。さらに制御部11は、読取部12により取得された原稿の画像データを画像記憶部14に保存する。
なお、この割り込みジョブの原稿を読み取る際には、昇温中の加熱器24が加熱位置Hを通過する原稿Mに接触して熱を奪われないようにするために、加熱器24を離間位置へ退避させるようにしてもよい。
続いて制御部11は、最終の原稿の読み取りを完了したか否かを判断する(ステップS124)。原稿給紙トレイ21に原稿が残っていない場合には、制御部11は最終の原稿の読み取りを完了したと判断し(ステップS124;Yes)、ステップS126へ移行する。
原稿給紙トレイ21に原稿が残っている場合には、制御部11は最終の原稿の読み取りを完了していないと判断し(ステップS124;No)、ステップS122へ戻り、以下同様の動作を行う。
加熱器24が所定温度に達した場合には(ステップS122;Yes)、制御部11は加熱器管理部を通じて加熱器24を所定温度に維持する保温制御を行い(ステップS125)、ステップS123へ移行する。この保温制御では、加熱器24への通電/非通電(オン/オフ)を繰り返す制御を行う。通電/非通電の切り替えタイミングは、たとえば、加熱器24の熱源25の温度を検出してその検出温度に基づいて決定する、あるいは、時間に基づいて決定するなどが可能である。
ステップS125以降は、加熱器24が所定温度に維持された状態で、割り込みジョブの原稿の読み取りが続行される(ステップS123〜)。
最終の原稿の読み取りが完了すると(ステップS124;Yes)、割り込みジョブは終了となる(実行完了)。ここで制御部11は、加熱器管理部を通じて加熱器24が所定温度であるか否かを確認する(ステップS126)。
たとえば、加熱器24が所定温度まで昇温される前に割り込みジョブが終了した場合には、加熱器24は所定温度に達していないことになる(ステップS126;No)。この場合は、本サブルーチンを終了して図7に示すメインルーチンに戻る(Return)。
また、割り込みジョブにおける最終の原稿の読み取りが完了する前(割り込みジョブの実行中)に加熱器24が所定温度まで昇温されると、ステップS125による保温制御で加熱器24は所定温度に維持されている(ステップS126;Yes)。この場合は、加熱消去処理の準備が完了している状態であり、制御部11は操作表示部15に原稿再セット画面となる案内画面70(図6参照)を表示し(ステップS127)、本サブルーチンを終了して図7に示すメインルーチンに戻る(Return)。
図7におけるメインルーチンでは、上述の割り込みジョブ実行処理(ステップS106)から戻ると、ステップS103へ移行する。
たとえば、加熱器24が所定温度に達する前に割り込みジョブが完了した場合は(図8のステップS122;No→ステップS123→ステップS124;Yes→ステップS126;No→図7のステップS103)、加熱器24が所定温度でないため(ステップS103;No)、制御部11は加熱器管理部を通じた加熱器24への通電を継続して加熱器24の昇温を継続する(ステップS104)。さらに、操作表示部15に準備画面50(図4参照)を表示して再び画像形成装置10を割り込みジョブの受付可能状態とし、割り込みジョブの受け付けを監視する(ステップS105;No→ステップS103;No→ステップS104→ステップS105;Noのループ)。
ここで再び割り込みジョブを受け付けた場合には(ステップS105;Yes)、制御部11は操作表示部15に読取設定画面60(図5参照)を表示し、以降は上述した動作を同様に行う。2回目以降の割り込みジョブを受け付けることなく加熱器24が所定温度に達すると(ステップS105;No→ステップS103;Yes)、加熱消去処理の準備は完了した状態となり、制御部11は当初に選択・設定された消去モードまたは読み取り消去モードによる加熱消去処理を行う。
ただし、少なくとも1回は割り込みジョブを行っているため、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21には加熱消去処理を行う原稿がセットされていない可能性がある。ここで制御部11は、原稿給紙トレイ21上の原稿の有無を検出する。原稿を検出した場合は、加熱消去処理を開始する。原稿を検出しない場合は、加熱消去処理の対象となる原稿の再セットを促す画面を操作表示部15に表示する。その後、原稿給紙トレイ21上の原稿を検出し、加熱消去処理の実行操作を受け付けると加熱消去処理を開始する。
また、割り込みジョブの実行中に加熱器24が所定温度に達しつつも割り込みジョブを続行して完了させた場合は(図8のステップS122;Yes→ステップS125→・・・→ステップS124;Yes→ステップS126;Yes→ステップS127→図7のステップS103)、加熱器24は所定温度に維持されており(ステップS103;Yes)、制御部11は当初に選択・設定された消去モードまたは読み取り消去モードによる加熱消去処理を行う。
この場合は、操作表示部15に案内画面70(図6参照)が表示されており(図8のステップS127)、ユーザは自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21に加熱消去処理の対象となる原稿を再度セットする。ユーザが案内画面70の消去ボタン73を押下すると、制御部11は消去モードまたは読み取り消去モードによる加熱消去処理を開始する。
また、ジョブの割り込みが行われずに加熱器24が所定温度に達した場合は、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21には当初にセットされた加熱消去処理対象の原稿がセットされたままであり、この原稿に対して消去モードまたは読み取り消去モードによる加熱消去処理が開始される。
制御部11は、先ず原稿の読み取りを行うか否かを確認する(ステップS107)。読み取り消去モードが選択されている場合は原稿の読み取りを行うことになり(ステップS107;Yes)、制御部11はステップS102で説明した自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送と読取部12による原稿の読み取り(画像データの取得および画像記憶部14への保存)を行い、読み取りが済んだ原稿に対して加熱器24が加熱消去処理を行う(ステップS108)。この動作では、自動原稿搬送装置20に搬送され読取位置Sで読取部12に読み取られた原稿は、加熱位置Hを通過する際に加熱器24の熱源25により加熱され、無色化塗料で描画された描画部分が消去されて原稿排紙トレイ29に排出される。
また、両面読み取りが設定されている場合には、加熱器24を離間位置へ退避させた状態で原稿の表面の読み取りを行う。表面の読み取りが済んだ原稿は、反転経路27を通じて表裏反転させて搬送経路22に戻し、再び読取位置Sを通過させて読取部12による裏面の読み取りを行う。また、原稿を反転経路27に送り込んだ後は加熱器24を接触位置へ変位させ、裏面の読み取りが済んだ原稿が加熱位置Hを通過する際に加熱器24に接触されるようにする。これにより、原稿は表面と裏面の読み取りが済んでから加熱位置Hを通過する際に加熱器24の熱源25により加熱され、無色化塗料で描画された描画部分が消去されて原稿排紙トレイ29に排出される。
消去モードが選択されている場合は原稿の読み取りを行わないことになり(ステップS107;No)、制御部11は自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送のみを行い、この原稿に対して加熱器24が加熱消去処理を行う(ステップS109)。この動作では、自動原稿搬送装置20に搬送される原稿は、読取位置Sで読取部12に読み取られることなく、加熱位置Hを通過する際に加熱器24の熱源25により加熱され、無色化塗料で描画された描画部分が消去されて原稿排紙トレイ29に排出される。
原稿給紙トレイ21にセットされた全ての原稿に対する加熱消去処理が完了すると、制御部11は本動作を終了する(End)。
図9は、図7および図8で説明した画像形成装置10による原稿の加熱消去処理およびジョブ割り込みを動作シーケンスで示している。詳細には、ユーザによって操作や表示画面の確認が行われる操作表示部15、加熱器24を管理する加熱器管理部17、自動原稿搬送装置20(ADF)および読取部12、これらの各部を制御する制御部11による動作シーケンスを示している。なお、ここでは、消去モードおよび読み取り消去モードにて加熱消去処理を行うジョブを「消去ジョブ」と略称し、加熱消去処理対象の原稿を「消去原稿」と略称して説明する。
画像形成装置10の操作表示部15で消去ジョブの開始操作が行われると(P1)、制御部11は加熱器管理部17に加熱器24の状態確認を行う(P2)。加熱器管理部17は加熱器24の温度を検出し、その検出温度を加熱器24の状態として制御部11に応答する(P3)。
加熱器管理部17からの応答で加熱器24の検出温度が所定温度でない場合には、制御部11は加熱器管理部17に加熱器24の昇温を指示すると共に(P4)、加熱器24の準備中で割り込みジョブが受付可能であることを示す準備画面50(図4参照)を操作表示部15に表示する(P5)。加熱器管理部17は、制御部11や各部が他の動作を行っている間も、加熱器24が所定温度に達するまで加熱器24の昇温を継続する。
自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21に割り込みジョブの原稿がセットされ、操作表示部15で割り込みジョブの各種設定後に開始操作が行われると(P6)、制御部11は自動原稿搬送装置20および読取部12を制御し、原稿給紙トレイ21にセットされた割り込みジョブの原稿に対する自動原稿搬送装置20による自動搬送と読取部12による読み取りを開始する(P7)。
割り込みジョブの実行中に加熱器24が所定温度に達すると、加熱器管理部17は加熱器24の準備が完了したことを制御部11に通知する(P8)。制御部11は、この通知を受けると加熱器管理部17に加熱器24の保温を要求する(P9)。加熱器管理部17は、制御部11からこの要求を受けると、図8のステップS125で説明した保温制御を行い、加熱器24を所定温度に維持する。この保温制御は、制御部11や各部が他の動作を行っている間も継続される。
割り込みジョブにおける最終の原稿が自動原稿搬送装置20により搬送されて読取部12により読み取られると、割り込みジョブが完了し(P10)、制御部11は、割り込みジョブの完了を通知すると共に消去原稿のセットを要求することを示す案内画面70(図6参照)を操作表示部15に表示する(P11)。
自動原稿搬送装置20による原稿の自動搬送と読取部12による原稿の読み取り動作の停止が完了し(P11)、自動原稿搬送装置20の原稿給紙トレイ21に消去原稿がセットされて消去ジョブの実行操作が行われると(P12)、制御部11は原稿給紙トレイ21にセットされた消去ジョブの原稿に対する自動原稿搬送装置20による自動搬送と加熱消去処理を開始する。また、読み取り消去モードが選択されている場合は、搬送される原稿の読取部12による読み取りを併せて行う(P13)。
原稿給紙トレイ21にセットされた全ての消去原稿に対する処理が完了すると(P14(消去ジョブ実行完了))、制御部11は消去原稿に対する処理が完了したことを示す画面を操作表示部15に表示する(P15)。
このように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、原稿を加熱器24で加熱する加熱処理(加熱消去処理)の開始指示を受け付け、加熱処理を実行するために加熱器24を昇温して加熱器24が所定温度に達するまでの間に、操作表示部15に表示した準備画面50(図4参照)を通じて読み取りジョブの割り込み指示を受け付けた場合には、加熱器24の昇温を継続しつつその割り込み指示を受け付けた読み取りジョブを実行することができる。したがって、加熱器24が所定温度まで昇温して加熱処理が開始可能となるまでの間に、読み取りジョブを割り込ませてその待機時間を有効に利用できるようになる。また、加熱器24が所定温度に達した時点で読み取りジョブが実行中である場合には読み取りジョブを続行して完了させる。このように、割り込みによる読み取りジョブを中断しないことで、中断した場合に必要となるジョブを再開するための操作などが不要となり、操作性が向上する。
また加熱器24は、昇温されて所定温度に達した以降は、割り込みによる読み取りジョブが続行されている間も所定温度に維持される。これにより、読み取りジョブが完了した後に直ちに加熱器24による加熱処理を開始できるようになる。
また画像形成装置10は、加熱器24が所定温度に達した以降に続行している割り込みによる読み取りジョブを完了すると、操作表示部15に案内画面70(図6参照)を表示して加熱処理の実行指示を要求する通知(報知)を行う。ユーザは、この通知を受けて加熱処理が実行可能であることを把握し、操作表示部15を通じて加熱処理の実行指示を行う(消去ボタン73の押下操作)。そして画像形成装置10は、この実行指示を受け付けると加熱処理の実行を開始する。これにより、割り込みによる読み取りジョブの完了後に加熱処理を実行できるようになる。
また、画像形成装置10は自動原稿搬送装置20を備えており、原稿を自動搬送して読み取りや加熱処理を行うことができる。これにより、処理時間を短縮できると共にユーザの作業負担を軽減することができる。
また自動原稿搬送装置20内に加熱器24を設けて原稿を搬送しながら加熱できることにより、加熱器24は原稿の搬送方向と直交する方向に沿った一次元の小型のラインヒータなどで構成できるようになる。さらに、原稿を搬送しながら読み取るための搬送系と、原稿を搬送しながら加熱するための搬送系とを、上述した共用の搬送経路22や搬送機構23として構成できることにより、それらを個別に設ける場合に比べて装置全体を小型および簡素に構成することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、上述した実施の形態では自動原稿搬送装置20を両面読み取りに対応した構成としているが、片面読み取りのみに対応した構成としてもよい。その場合は反転経路27や反転機構28は不要となる。
また、加熱器24は変位機構26によって変位する構成としているが、搬送経路22を搬送される原稿に熱源25(加熱面)が接触するように固定的に設けるようにしてもよい。
また、加熱器24の昇温時に所定温度に達するまでの時間を予測し、その予測時間を実施の形態で説明した準備画面50(図4参照)に表示するように構成してもよい。たとえば、「ヒータ熱源の準備完了まであとXX秒」などの表示を行うようにしてもよい。
また実施の形態では、自動原稿搬送装置20を備えた画像形成装置10を例に説明したが、本発明は自動原稿搬送装置を備えていない画像読取装置やその画像読取装置を備えた画像形成装置に適用することもできる。
たとえば、画像読取装置のプラテンガラス(原稿台)に載置された原稿を押さえ付ける開閉型(可動型)の原稿押さえ板の内面(原稿押さえ面)に、原稿と同じ面積以上の加熱面を有する加熱器を設けるなどの構成が可能である。このような構成であれば、加熱器が所定温度に昇温した後に、プラテンガラスに載置された無色化塗料で描画された原稿を原稿押さえ板で押さえ付けることにより、原稿押さえ板に設けられた加熱器で原稿を加熱し描画部分を消去することができる。
また実施の形態では、プリンタ部16を備えた画像形成装置10を例に説明したが、本発明はプリンタ部(プリンタ機能)を備えていない画像形成装置に適用することもできる。すなわち、本発明は、原稿の読み取りと加熱処理(加熱消去処理)が実行可能な画像読取装置や、この画像読取装置としての機能を含む画像形成装置などに適用することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る自動原稿搬送装置の概略構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る読取設定画面を示す図である。 本発明の実施の形態に係る準備画面を示す図である。 本発明の実施の形態に係る割り込みジョブの読取設定画面を示す図である。 本発明の実施の形態に係る案内画面を示す図である。 本発明の実施の形態に係る原稿の加熱消去処理およびジョブ割り込みの動作のメインルーチンを示す流れ図である。 図7のメインルーチンにおける割り込みジョブ実行処理のサブルーチンを示す流れ図である。 本発明の実施の形態に係る原稿の加熱消去処理およびジョブ割り込みの動作シーケンスを示すシーケンス図である。
符号の説明
10…画像形成装置
11…制御部
12…読取部
12a…ラインイメージセンサ
13…通信部
14…画像記憶部
15…操作表示部
16…プリンタ部
17…加熱器管理部
20…自動原稿搬送装置
20a…底板
21…原稿給紙トレイ
22…搬送経路
23…搬送機構
24…加熱器
25…熱源
26…変位機構
27…反転経路
28…反転機構
28a…経路切り替え部材
29…原稿排紙トレイ
30…スリット
31…送り出しローラ
32…搬送ローラ
33…排出ローラ
34…読取ローラ
40…読取設定画面
41…スキャン設定
42…読込設定
43…拡大縮小
44…紙サイズ
45…通常読込ボタン
46…消去ボタン
47…読込消去ボタン
50…準備画面
51…メッセージ
52…割り込みジョブ実行ボタン
60…読取設定画面
61…割り込みジョブキャンセルボタン
70…案内画面
71…メッセージ
72…イメージ図
73…消去ボタン
H…加熱位置
M…原稿
S…読取位置

Claims (4)

  1. 原稿を光学的に読み取って画像情報を取得するための読取部と、
    加熱されると無色化する塗料を用いて描画された描画部分を無色化させる所定温度で前記原稿を加熱するための加熱器と、
    操作部と、
    前記加熱器が前記加熱を行う加熱処理の開始指示を前記操作部を通じて受け付け、前記加熱処理を実行するために前記加熱器を昇温して該加熱器が前記所定温度に達するまでの間に、前記読取部が前記読み取りを行う読み取りジョブの割り込み指示を前記操作部を通じて受け付けた場合に、前記加熱器の昇温を継続しつつ前記読み取りジョブの実行を開始し、前記加熱器が前記所定温度に達した時点で前記読み取りジョブが実行中である場合に該読み取りジョブを続行して完了させる制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記制御部は、前記読み取りジョブを続行している間は前記加熱器を前記所定温度に維持する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 報知部を備え、
    前記制御部は、前記読み取りジョブを続行して完了すると前記報知部を通じて前記加熱処理の実行指示を要求する報知を行い、前記操作部を通じて前記加熱処理の実行指示を受け付けると前記加熱処理の実行を開始する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 給紙部にセットされた原稿を前記読取部が前記読み取りを行う読取位置および前記加熱器が前記加熱を行う加熱位置を通る搬送経路を通じて搬送し排紙部へ排出する自動原稿搬送装置を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像読取装置。
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