JP2010139991A - 光スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入損失の少ない光スイッチを提供する。
【解決手段】光スイッチは、単一のポート12を有する光入力部と、複数のポート22A,22B,22Cを有する光出力部と、光入力部のポート12と光出力部のポート22A,22B,22Cとを光学的に結合するためのマイクロミラー30とを有している。マイクロミラー30は、その向きが変更可能な反射面32を有している。光スイッチはまた、マイクロミラー30を移動させてマイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート12,22A,22B,22Cを切り替える移動機構(移動体42とアクチュエーター44)と、光出力部から出力される光の強度を検出する複数の検出部50A,50B,50Cと、検出部50A,50B,50Cで得られる情報に基づいてマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する制御部70を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】光スイッチは、単一のポート12を有する光入力部と、複数のポート22A,22B,22Cを有する光出力部と、光入力部のポート12と光出力部のポート22A,22B,22Cとを光学的に結合するためのマイクロミラー30とを有している。マイクロミラー30は、その向きが変更可能な反射面32を有している。光スイッチはまた、マイクロミラー30を移動させてマイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート12,22A,22B,22Cを切り替える移動機構(移動体42とアクチュエーター44)と、光出力部から出力される光の強度を検出する複数の検出部50A,50B,50Cと、検出部50A,50B,50Cで得られる情報に基づいてマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する制御部70を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光スイッチに関する。
特開2000−94188号公報は、反射部材を移動させることにより入射側光ファイバーを複数の出射側光ファイバーのいずれかに結合させる光スイッチを開示している。
特開2000−94188号公報
前述の光スイッチにおいて、反射部材の移動方向の位置を高い精度に制御することは難しい。また、反射部材の移動範囲の全域にわたって反射部材の姿勢を一定に維持し続けることは難しく、一般に反射部材の倒れや捻れが生じる。ここで、倒れは、移動方向に対する傾斜の発生を意味し、捻れは、移動方向に平行な軸周りの回転の発生を意味する。反射部材の位置ずれおよび反射部材の倒れや捻れは、反射部材で反射された光ビームが出射側光ファイバーに適切な位置で入射することを阻害し、その結果、結合効率を低下させ、挿入損失を悪化させてしまう。
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、挿入損失の少ない光スイッチを提供することである。
本発明による光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部と、前記光入力部のポートと前記光出力部のポートとを光学的に結合するためのマイクロミラーとを有している。前記光入力部と光出力部の一方は単一のポートを有し、前記光入力部と光出力部の他方は複数のポートを有している。マイクロミラーは、その向きが変更可能な反射面を有している。光スイッチはさらに、前記マイクロミラーを移動させて前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポートを切り替える移動機構と、前記光出力部から出力される光の強度を検出する検出部と、前記移動機構を制御するとともに、前記検出部で得られる情報に基づいて前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する制御部とを有している。
また、本発明による別の光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部とを有している。前記光入力部と光出力部の一方は単一のポートユニットを有し、前記光入力部と光出力部の他方は複数のポートユニットを有している。各ポートユニットは複数のポートを有している。光スイッチはさらに、前記光入力部のポートと前記光出力部のポートとをそれぞれ光学的に結合するための複数のマイクロミラーを有している。各マイクロミラーは、その向きが変更可能な反射面を有している。さらに、光スイッチは、前記マイクロミラーをそれぞれ移動させて前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポートを切り替える複数の移動機構と、前記光出力部の前記ポートユニットから出力される光の強度を検出する複数の検出部と、前記移動機構を制御するとともに、前記検出部で得られる情報に基づいて前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する制御部とを有している。
本発明によれば、挿入損失の少ない光スイッチが提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態による光スイッチの概略的な構成を図1に示す。図1を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
本発明の第一実施形態による光スイッチの概略的な構成を図1に示す。図1を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部とを有している。光入力部と光出力部の一方は単一のポートを有し、光入力部と光出力部の他方は複数のポートを有している。本実施形態の光スイッチは1入力N出力の光スイッチであり、光入力部が単一のポート12を有し、光出力部が複数たとえば3つのポート22A,22B,22Cを有している。各ポート12,22A,22B,22Cは、たとえば、光ファイバーとコリメーターとで構成される。光出力部は、各光ファイバーの端面にコリメーターが設けられた光ファイバーアレイで構成されてよい。
また光スイッチは、光入力部のポート12と光出力部のポート22A,22B,22Cとを光学的に結合するためのマイクロミラー30を有している。マイクロミラー30は、光入力部の単一のポート12と、光出力部の複数のポート22A,22B,22Cのいずれか一つとを光学的に適宜結合する。マイクロミラー30は、その向きが変更可能な反射面32を有している。このようなマイクロミラー30は、たとえばMEMS技術などを用いて製作される。反射面32の向きは、静電力や電磁力や圧電素子などを利用して変更されてよい。
さらに光スイッチは、マイクロミラー30を移動させてマイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート12,22A,22B,22Cを切り替える移動機構を有している。移動機構は、マイクロミラー30が取り付けられた移動体42と、移動体42を移動させるアクチュエーター44とを有している。アクチュエーター44は直動アクチュエーターであり、移動機構は、マイクロミラー30を直線的に平行に移動させる。直動アクチュエーターは、これに限らないが、たとえば、リニアモーターやヘリコイド機構、ウォームギア機構、レールガイドとボイスコイルモーターからなる機構などで構成されてよい。
光スイッチはまた、光出力部から出力される光の強度を検出する複数の検出部50A,50B,50Cを有している。検出部50A,50B,50Cの個数は光出力部のポート22A,22B,22Cの数と同じであり、たとえば3つである。検出部50A,50B,50Cは、光出力部のポート22A,22B,22Cから出力される光の一部をそれぞれ取り出すタップ52A,52B,52Cと、タップ52A,52B,52Cを介して取り出された光の強度をそれぞれモニターするパワーモニター54A,54B,54Cとを有している。タップ52A,52B,52Cは、それぞれ、光出力部のポート22A,22B,22Cから延びている(またはポート22A,22B,22Cを構成している)光ファイバーに設けられており、タップ52A,52B,52Cとパワーモニター54A,54B,54Cは、それぞれ、別の光ファイバーを介して接続されている。
光スイッチはさらに、切替先ポートを指定するための切替先指定部60と、切替先ポートにしたがって移動機構を制御するとともに、検出部50A,50B,50Cで得られる情報に基づいてマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する制御部70を有している。制御部70は、アクチュエーター44を駆動するアクチュエーター駆動回路72と、マイクロミラー30を駆動するマイクロミラー駆動回路74と、アクチュエーター駆動回路72およびマイクロミラー駆動回路74を制御するCPU76とを有している。
次に、マイクロミラー30について、代表的に静電駆動型のマイクロミラーを例にあげて、さらに詳しく説明する。静電駆動型の二軸駆動型のマイクロミラーの概略的な構成を図2に示す。
図2に示すように、マイクロミラー30はミラー基板310と駆動基板330とスペーサー350を有している。ミラー基板310と駆動基板330はスペーサー350によって互いに連結されており、所定の間隔を置いて互いに平行に配置されている。
ミラー基板310は、反射面32を有する可動板312と、可動板312を取り囲んでいる可動枠316と、可動板312と可動枠316を連結している一対のトーションバー314と、可動枠316を取り囲んでいる固定枠320と、可動枠316と固定枠320を連結しているトーションバー318とを有している。トーションバー314は、可動枠316に対して可動板312を軸L1の周りに揺動可能に支持しており、トーションバー318は、固定枠320に対して可動枠316を軸L2の周りに揺動可能に支持している。固定枠320はスペーサー350を介して駆動基板330に固定されている。
駆動基板330は、ミラー基板310に対応する面に、一対の駆動電極332と一対の駆動電極334とを有している。駆動電極332は可動板312に対向しており、駆動電極334は可動枠316に対向している。一対の駆動電極332は軸L1に対して線対称に配置されており、また、一対の駆動電極334は軸L2に対して線対称に配置されている。
マイクロミラー30において、たとえば、一方の駆動電極332に電圧を印加すると、電圧が印加された駆動電極332とこの駆動電極332に対向する可動板312の部分との間に静電引力が発生し、電圧が印加された駆動電極332に対向する可動板312の部分が駆動基板330に引き付けられる。その結果、静電引力に応じた角度だけ可動板312が軸L1の周りに回転し、反射面32が傾斜する。他方の駆動電極332に電圧を印加すると、反射面32が逆方向に傾斜する。
また、たとえば、一方の駆動電極334に電圧を印加すると、電圧が印加された駆動電極334とこの駆動電極334に対向する可動枠316の部分との間に静電引力が発生する。その結果、静電引力に応じた角度だけ可動枠316が可動板312と共に軸L2の周りに回転し、反射面32が傾斜する。他方の駆動電極334に電圧を印加すると、反射面32が逆方向に傾斜する。
ここでは、マイクロミラー30として静電駆動型のマイクロミラーを例にあげたが、図1に示した光スイッチに使用するマイクロミラー30は、静電駆動型のものに限られるものではなく、静電駆動型や電磁駆動型や圧電駆動型など、ほかの駆動方式のものであってもよい。
続く説明を簡単にするために、図1に示すようにxyz直交座標系を設定する。移動体42はアクチュエーター44に直線的に平行に移動されうる。移動体42の移動方向に平行にx軸を設定する。
図3と図4に示すように、移動体42はx軸に対して45度傾いた傾斜面を有しており、この傾斜面にマイクロミラー30が取り付けられている。マイクロミラー30は、反射面32が傾いていないニュートラルな状態(非駆動状態)において、反射面32の法線がx軸に対して45度傾いている。
図1に示すように、光入力部のポート12は、x軸に平行に光ビームを射出するように配置されている。このため、マイクロミラー30は、非駆動状態において、ポート12から射出され反射面32に入射した光ビームを90度偏向して反射する。非駆動状態のマイクロミラー30の反射面32によって反射された光ビームの進行方向に平行にz軸を設定する。すなわち、マイクロミラー30は、非駆動状態において、反射面32の法線の向きが、zx平面内においてx軸とz軸とが成す角の等角二等分線に平行になるように配置されている。
光出力部のポート22A,22B,22Cはいずれも、マイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸に平行に配置されている。さらに、光出力部のポート22A,22B,22Cは、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向すなわちx軸に沿って並んでいる。
次に図1を参照しながら、本実施形態の光スイッチの動作について説明する。ここでは、入力部のポート12の結合先を光出力部のポート22Aからポート22Cに切り替える例について説明する。
切替先指定部60において切替先ポートが指定されると、CPU76は、切替先ポートに応じた制御信号をアクチュエーター駆動回路72に出力し、アクチュエーター駆動回路72はアクチュエーター44を駆動して移動体42を移動させて、切替先ポートであるポート22Cに対応した位置にマイクロミラー30を配置する。その結果、ポート12がマイクロミラー30を介してポート22Bと光学的に結合される。
さらにCPU76は、マイクロミラー駆動回路74を制御してマイクロミラー30の反射面32を揺動させながら、アクチュエーター駆動回路72を制御して移動体42をわずかずつ移動させ、切替先ポートであるポート22Cに接続されたパワーモニター54Cからの出力が最大になる位置で移動体42を停止させる。
その後、CPU76は、切替先ポートであるポート22Cに接続されたパワーモニター54Bから供給される情報にしたがってマイクロミラー駆動回路74を制御し、マイクロミラー駆動回路74はマイクロミラー30の反射面32の向きを調整する。これにより、制御部70は、マイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12とポート22Cとの間の結合効率を制御する。たとえば、制御部70は、パワーモニター54Cからの出力が最大になるように、すなわちポート12とポート22Cとの間の結合効率が最大になるように、マイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。
制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームが、少なくとも、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向すなわちx軸とマイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸との両方に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームがy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。この場合、マイクロミラー30は、反射面32が軸L2の周りだけに揺動する構成であればよい。すなわち、マイクロミラー30は、可動板312とトーションバー314と可動枠316とが一体化された構造であってよい。より好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームが、マイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームがx軸およびy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。
好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30が移動される間は、光入力部のポート12と光出力部のポート22A,22B,22Cとが結合されないようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。具体的には、制御部70は、切り替えのためにマイクロミラー30を移動させる前に、マイクロミラー30によって反射された光ビームが光出力部のポート22A,22B,22Cから外れるほどにy軸に沿って偏向されるように、マイクロミラー30の反射面32の向きを調整し、マイクロミラー30の移動が完了した後に、マイクロミラー30によって反射された光ビームが光出力部のポート22A,22B,22Cに入射するように、マイクロミラー30の反射面32の向きを調整する。これにより、マイクロミラー30が移動される間に、切替先ポートでないポート22A,22Cにポート12が不所望に結合されることが防止される。いわゆるヒットレスでの光スイッチの切り替えが達成される。
本実施形態の光スイッチでは、マイクロミラー30の反射面32を揺動させながらパワーモニター54A,54B,54Cの出力に基づいて移動体42の位置を決めるため、移動機構の位置精度が低くても、また温度による外乱が生じたときでも、マイクロミラー30を適切な位置に精度良く配置することができる。さらに、マイクロミラー30の反射面32の向きをパワーモニター54A,54B,54Cの出力が最大になるように制御することにより、光入力部のポート12を光出力部の所望のポート22A,22B,22Cに高い結合効率で結合させることができる。その結果、挿入損失が少ない光スイッチが得られる。
また、マイクロミラー30がアクチュエーター44によって直線的に平行に移動されるので、光出力部が非常に多くのポート、たとえば40や80のポートを有する構成に対しても良好に対応できる。
本実施形態では、光入力部のポート12から射出された光がマイクロミラー30に直接入射する構成を示したが、光入力部のポート12から射出された光がx軸に平行にマイクロミラー30に入射しさえすればよく、光入力部のポート12とマイクロミラー30との間にミラーやプリズムなどの反射光学素子を配置して光入力部のポート12からマイクロミラー30に至る光路を折り曲げた構成としてもよい。
また、マイクロミラー30によって反射された光ビームが光出力部のポート22A,22B,22Cに直接入射する構成を示したが、マイクロミラー30と光出力部のポート22A,22B,22Cとの間にミラーやプリズムなどの反射光学素子を配置してマイクロミラー30から光出力部のポート22A,22B,22Cに至る光路を折り曲げた構成としてもよい。
さらに、マイクロミラー30が光ビームを90度偏向する構成を示したが、マイクロミラー30が光ビームを偏向する角度は90度に限定されるものではなく適宜変更されてよい。言い替えれば、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向は、マイクロミラー30の移動方向すなわちx軸に非平行であってもよく、また、光出力部のポート22A,22B,22Cは、マイクロミラー30の移動方向すなわちx軸に非平行な直線に沿って並んでいてもよい。すなわち、光出力部のポート22A,22B,22Cはいずれも、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向とマイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向とに平行な平面すなわちzx平面に含まれる直線に平行に配置されていればよい。また、光出力部のポート22A,22B,22Cは、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向とマイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向とに平行な平面すなわちzx平面に含まれる直線に沿って並んでいればよい。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態による光スイッチの概略的な構成を図5に示す。図5において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。図5を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
本発明の第二実施形態による光スイッチの概略的な構成を図5に示す。図5において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。図5を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部とを有している。光入力部と光出力部の一方は単一のポートを有し、光入力部と光出力部の他方は複数のポートを有している。本実施形態の光スイッチはN入力1出力の光スイッチであり、光入力部が複数たとえば3つのポート12A,12B,12Cを有し、光出力部が単一のポート22を有している。各ポート12A,12B,12C,22は、たとえば、光ファイバーとコリメーターとで構成される。光入力部は、各光ファイバーにコリメーターが設けられたファイバーアレイで構成されてよい。
また光スイッチは、光入力部のポート12A,12B,12Cと光出力部のポート22とを光学的に結合するためのマイクロミラー30を有している。マイクロミラー30は、光入力部の複数のポート12A,12B,12Cのいずれか一つと、光出力部の単一のポート22とを光学的に適宜結合する。マイクロミラー30の詳細は、第一実施形態で説明した通りである。
さらに光スイッチは、マイクロミラー30を移動させてマイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート12A,12B,12C,22を切り替える移動機構を有している。移動機構は、マイクロミラー30が取り付けられた移動体42と、移動体42を移動させるアクチュエーター44とを有している。移動機構の詳細は、第一実施形態で説明した通りである。
光スイッチはまた、光出力部から出力される光の強度を検出する検出部50を有している。検出部50は、光出力部のポート22から出力される光の一部をそれぞれ取り出すタップ52と、タップ52を介して取り出された光の強度をそれぞれモニターするパワーモニター54とを有している。
光スイッチはさらに、切替先ポートを指定するための切替先指定部60と、切替先ポートにしたがって移動機構を制御するとともに、検出部50で得られる情報に基づいてマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する制御部70を有している。制御部70の詳細は、第一実施形態で説明した通りである。
続く説明を簡単にするために、図5に示すようにxyz直交座標系を設定する。x軸は、移動体42の移動方向に平行であり、z軸は、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向に平行である。
光入力部のポート12A,12B,12Cは、z軸に平行に光ビームを射出するように配置されている。さらに、光入力部のポート12A,12B,12Cは、x軸に沿って並んでいる。
マイクロミラー30は、非駆動状態において、反射面32の法線の向きが、zx平面内においてx軸とz軸とが成す角の等角二等分線に平行になるように配置されている。
光出力部のポート22は、マイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちx軸に平行に配置されている。
次に図5を参照しながら、本実施形態の光スイッチの動作について説明する。ここでは、ポート12Aからポート12Cに切り替える例について説明する。
切替先指定部60において切替先ポートが指定されると、CPU76は、切替先ポートに応じた制御信号をアクチュエーター駆動回路72に出力し、アクチュエーター駆動回路72はアクチュエーター44を駆動して移動体42を移動させて、切替先ポートであるポート12Cに対応した位置にマイクロミラー30を配置する。その結果、ポート12Cがマイクロミラー30を介してポート22と光学的に結合される。
さらにCPU76は、マイクロミラー駆動回路74を制御してマイクロミラー30の反射面32を揺動させながら、アクチュエーター駆動回路72を制御して移動体42をわずかずつ移動させ、パワーモニター54からの出力が最大になる位置で移動体42を停止させる。
その後、CPU76は、ポート22に接続されたパワーモニター54から供給される情報にしたがってマイクロミラー駆動回路74を制御し、マイクロミラー駆動回路74はマイクロミラー30の反射面32の向きを調整する。これにより、制御部70は、マイクロミラー30を介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12Cとポート22との間の結合効率を制御する。たとえば、制御部70は、パワーモニター54からの出力が最大になるように、すなわちポート12Cとポート22との間の結合効率が最大になるように、マイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。
制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームが、少なくとも、マイクロミラー30に入射する光ビームの入射方向すなわちz軸とマイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちx軸との両方に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームがy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。より好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームが、マイクロミラー30によって反射される光ビームの反射方向すなわちx軸に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30によって反射された光ビームがy軸およびz軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。
好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30が移動される間は、光入力部のポート12A,12B,12Cと光出力部のポート22とが結合されないようにマイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。具体的には、制御部70は、マイクロミラー30が移動される間、マイクロミラー30によって反射された光ビームが光出力部のポート22から外れるほどにy軸に沿って偏向されるように、マイクロミラー30の反射面32の向きを制御する。これにより、マイクロミラー30が移動される間に、切替先ポートでないポート12Bがポート22に不所望に結合されることが防止される。いわゆるヒットレスでの光スイッチの切り替えが達成される。
本実施形態の光スイッチでは、マイクロミラー30の反射面32を揺動させながらパワーモニター54の出力に基づいて移動体42の位置を決めるため、マイクロミラー30を適切な位置に精度良く配置することができる。さらに、マイクロミラー30の反射面32の向きをパワーモニター54の出力が最大になるように制御することにより、光出力部のポート22に光入力部の所望のポート12A,12B,12Cを高い結合効率で結合させることができる。その結果、挿入損失が少ない光スイッチが得られる。
また、マイクロミラー30がアクチュエーター44によって直線的に平行に移動されるので、光出力部が非常に多くのポート、たとえば40や80のポートを有する構成に対しても良好に対応できる。
本実施形態においても、光入力部のポート12A,12B,12Cとマイクロミラー30との間にミラーやプリズムなどの反射光学素子を配置して光入力部のポート12A,12B,12Cからマイクロミラー30に至る光路を折り曲げた構成としてもよい。また、マイクロミラー30と光出力部のポート22との間にミラーやプリズムなどの反射光学素子を配置してマイクロミラー30から光出力部のポート22に至る光路を折り曲げた構成としてもよい。さらに、マイクロミラー30が光ビームを偏向する角度は90度に限定されるものではなく適宜変更されてよい。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態による光スイッチの概略的な構成を図6に示す。図6を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
本発明の第三実施形態による光スイッチの概略的な構成を図6に示す。図6を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部とを有している。光入力部と光出力部の一方が単一のポートユニットを有し、光入力部と光出力部の他方が複数のポートユニットを有している。本実施形態の光スイッチは多チャンネルの1入力N出力の光スイッチであり、光入力部が単一のポートユニット10を有し、光出力部が複数たとえば3つのポートユニット20A,20B,20Cを有している。ポートユニット10は複数たとえば3つのポート12α,12β,12γを有している。同様に、ポートユニット20Aは3つのポート22Aα,22Aβ,22Aγを有し、ポートユニット20Bは3つのポート22Bα,22Bβ,22Bγを有し、ポートユニット20Cは3つのポート22Cα,22Cβ,22Cγを有している。
光入力部および光出力部の各ポートユニット10,20A,20B,20C内の各ポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγは一つのチャンネルを構成している。光入力部および光出力部の各ポートユニット10,20A,20B,20C内の複数のポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγはいずれも同様に整列されている。たとえば、光入力部および光出力部の各ポートユニット10,20A,20B,20C内の複数のポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγはいずれも直線的に並んでおり、光入力部および光出力部の各ポートユニット10,20A,20B,20C内の複数のポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγの相互間の間隔はいずれも同じである。具体的には、ポートユニット10内のポート12αとポート12βとの間隔は、他のポートユニット20A,20B,20C内のポート22Aα,22Bα,22Cαとポート22Aβ,22Bβ,22Cβとの間隔と同じであり、ポートユニット10内のポート12βとポート12γとの間隔は、他のポートユニット20A,20B,20C内のポート22Aβ,22Bβ,22Cβとポート22Aγ,22Bγ,22Cγとの間隔と同じである。各ポートユニット10,20A,20B,20C内の複数のポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγの相互間の間隔はたとえば一定であるが、必ずしもそうである必要はない。
光入力部に入力される光は複数の波長成分の光を含んでいる。つまり光入力部に入力される光は波長多重光である。これに応じて、光入力部のポートユニット10はさらに、波長多重光を導光する波長多重入力ポート16と、波長多重入力ポート16を介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット10内の複数のポート12α,12β,12γに分配する分波器14とを有している。また、光出力部のポートユニット20Aは、そのポートユニット20A内の複数のポート22Aα,22Aβ,22Aγから出力される光を合波する合波器24Aと、合波器24Aから出力される光を導光する波長多重出力ポート26Aとを有し、ポートユニット20Bは、そのポートユニット20B内の複数のポート22Bα,22Bβ,22Bγから出力される光を合波する合波器24Bと、合波器24Bから出力される光を導光する波長多重出力ポート26Bとを有し、ポートユニット20Cは、そのポートユニット20C内の複数のポート22Cα,22Cβ,22Cγから出力される光を合波する合波器24Cと、合波器24Cから出力される光を導光する波長多重出力ポート26Cとを有している。
また光スイッチは、光入力部のポートと光出力部のポートとをそれぞれ光学的に結合するための複数のマイクロミラー30α,30β,30γを有している。マイクロミラー30α,30β,30γの個数は各ポートユニット10,20A,20B,20Cのチャンネルの数と同じであり、たとえば3つである。各マイクロミラー30α,30β,30γは、それぞれ、その向きが変更可能な反射面32α,32β,32γを有している。各マイクロミラー30α,30β,30γの詳細は、第一実施形態で説明したマイクロミラー30と同じである。
各マイクロミラー30α,30β,30γは、光入力部の単一のポートユニット10内の各チャンネルのポート12α,12β,12γと、光出力部の複数のポートユニット20A,20B,20Cのいずれか一つ内の同じチャンネルのポート22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγとを光学的に適宜結合する。図6に示した例では、マイクロミラー30αがポートユニット10内のポート12αをポートユニット20Cのポート22Cαに結合し、マイクロミラー30βがポートユニット10内のポート12βをポートユニット20Aのポート22Aβに結合し、マイクロミラー30γがポートユニット10内のポート12γをポートユニット20Bのポート22Bγに結合している。
さらに光スイッチは、マイクロミラー30α,30β,30γをそれぞれ移動させてマイクロミラー30α,30β,30γを介して互いに光学的に結合されるポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγを切り替える複数の移動機構を有している。移動機構の個数はマイクロミラー30α,30β,30γの数と同じであり、たとえば3つである。これらの移動機構は、それぞれ、マイクロミラー30α,30β,30γを直線的に平行に移動させる。移動機構は、マイクロミラー30α,30β,30γが取り付けられた移動体42α,42β,42γと、移動体42α,42β,42γを移動させるアクチュエーター44α,44β,44γとを有している。各移動体42α,42β,42γと各アクチュエーター44α,44β,44γの詳細は、第一実施形態で説明した移動体42とアクチュエーター44と同じである。
光スイッチはまた、光出力部のポートユニット20A,20B,20Cから出力される光の強度を検出する複数の検出部50A,50B,50Cを有している。検出部50A,50B,50Cの個数は光出力部のポートユニット20A,20B,20Cの数と同じであり、たとえば3つである。検出部50A,50B,50Cは、光出力部の波長多重出力ポート26A,26B,26Cから出力される光の一部をそれぞれ取り出すタップ52A,52B,52Cと、タップ52A,52B,52Cを介して取り出された光の強度をそれぞれモニターするパワーモニター54A,54B,54Cとを有している。
光スイッチはさらに、切替先ポートを指定するための切替先指定部60と、切替先ポートにしたがって移動機構を制御するとともに、検出部50A,50B,50Cで得られる情報に基づいてマイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きを制御する制御部70とを有している。制御部70は、アクチュエーター44α,44β,44γをそれぞれ駆動するアクチュエーター駆動回路72α,72β,72γと、マイクロミラー30α,30β,30γをそれぞれ駆動するマイクロミラー駆動回路74α,74β,74γと、アクチュエーター駆動回路72α,72β,72γおよびマイクロミラー駆動回路74α,74β,74γを制御するCPU76とを有している。
続く説明を簡単にするために、図6に示すようにxyz直交座標系を設定する。x軸は、移動体42α,42β,42γの移動方向に平行であり、z軸は、マイクロミラー30α,30β,30γによって反射される光ビームの反射方向に平行である。
光入力部のポートユニット10のポート12α,12β,12γは、x軸に平行に光ビームを射出するように配置されている。さらに、ポート12α,12β,12γはy軸に沿って並んでいる。
マイクロミラー30α,30β,30γは、非駆動状態において、反射面32α,32β,32γの法線の向きが、zx平面内においてx軸とz軸とが成す角の等角二等分線に平行になるように配置されている。
光出力部のポートユニット20A,20B,20Cは、x軸に沿って並んでいる。光出力部のポートユニット20A,20B,20Cのポート22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγは、z軸に平行に配置されている。さらに、ポートユニット20Aのポート22Aα,22Aβ,22Aγとポートユニット20Bのポート22Bα,22Bβ,22Bγとポートユニット20Cのポート22Cα,22Cβ,22Cγはいずれもy軸に沿って並んでいる。
次に図6を参照しながら、本実施形態の光スイッチの動作について説明する。ここでは、入力部のポート12βの結合先を光出力部のポート22Aβからポート22Cβに切り替える例について説明する。
切替先指定部60において切替先ポートが指定されると、CPU76は、切替先ポートに応じた制御信号をアクチュエーター駆動回路72βに出力し、アクチュエーター駆動回路72βはアクチュエーター44βを駆動して移動体42βを移動させて、切替先ポートであるポート22Cβに対応した位置にマイクロミラー30βを配置する。その結果、ポート12βがマイクロミラー30βを介してポート22Cβと光学的に結合される。
さらにCPU76は、マイクロミラー駆動回路74βを制御してマイクロミラー30βの反射面32βを揺動させながら、アクチュエーター駆動回路72βを制御して移動体42βをわずかずつ移動させ、切替先ポートであるポート22Cβに接続されたパワーモニター54Cからの出力が最大になる位置で移動体42βを停止させる。
その後、CPU76は、切替先ポートであるポート22Cβに接続されたパワーモニター54Cから供給される情報にしたがってマイクロミラー駆動回路74βを制御し、マイクロミラー駆動回路74βはマイクロミラー30βの反射面32βの向きを調整する。これにより、制御部70は、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12βとポート22Cβとの間の結合効率を制御する。たとえば、制御部70は、パワーモニター54Cからの出力が最大または所望値になるように、つまり、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12βとポート22Cβとの間の結合効率が最大または所望値になるように、マイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。
制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、少なくとも、マイクロミラー30βに入射する光ビームの入射方向すなわちx軸とマイクロミラー30βによって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸との両方に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームがy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。より好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、マイクロミラー30βによって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームがx軸およびy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。
好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30βが移動される間は、光入力部のポート12βと光出力部のポート22Aα,22Bα,22Cα,22Aβ,22Bβ,22Cβ,22Aγ,22Bγ,22Cγとが結合されないようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。たとえば、制御部70は、マイクロミラー30βが移動される間、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、光出力部のポート22Aβ,22Bβ,22Cβから外れるが、光出力部のほかのチャンネルのポート22Aα,22Bα,22Cα,22Aγ,22Bγ,22Cγには入射しない程度に、y軸に沿って偏向されるように、マイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。これにより、マイクロミラー30βが移動される間に、切替先ポートでないポート22Bβにポート12βが不所望に結合されることが防止される。つまり、光出力部のポート22Bα,22Bβ,22Bγの切り替えがいわゆるヒットレスで行なえる。
ここでは、入力部のポート12βの結合先を光出力部のポート22Aβからポート22Cβに切り替える例について説明したが、ほかのポート間での切り替えについても同様である。また、ほかのチャンネルにおける結合先の切り替えについても同様である。
本実施形態の光スイッチでは、それぞれのチャンネルで伝送される光の波長は互いに相違しているため、チャンネル間で光の強度にばらつきがある。チャンネル間における光の強度のばらつきを揃えるため、たとえば、制御部70は、マイクロミラー30αを介して互いに光学的に結合されるポート12αとポート22Aα,22Bα,22Cαとの間の結合効率と、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート12βとポート22Aβ,22Bβ,22Cβとの間の結合効率と、マイクロミラー30γを介して互いに光学的に結合されるポート12γとポート22Aγ,22Bγ,22Cγとの間の結合効率とがそれぞれ所望値となるように、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きを制御する。
本実施形態の光スイッチでは、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γを揺動させながらパワーモニター54A,54B,54Cの出力に基づいて移動体42α,42β,42γの位置を決めるため、マイクロミラー30α,30β,30γを適切な位置に精度良く配置することができる。さらに、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きをパワーモニター54A,54B,54Cの出力が最大または所望値になるように制御することにより、光入力部のポート12α,12β,12γを光出力部の所望のポート22Aα,22Bα,22Cα,22Aβ,22Bβ,22Cβ,22Aγ,22Bγ,22Cγに高い結合効率または所望の結合効率で結合させることができる。その結果、挿入損失が少ない光スイッチが得られる。
また、マイクロミラー30α,30β,30γがアクチュエーター44α,44β,44γによって直線的に平行に移動されるので、光出力部が非常に多くのポート、たとえば40や80のポートを有する構成に対しても良好に対応できる。
本実施形態においても、光入力部のポート12α,12β,12γからマイクロミラー30α,30β,30γに至る光路を反射光学素子により折り曲げた構成としてもよい。また、マイクロミラー30α,30β,30γから光出力部のポートユニット20A,20B,20Cのポート22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγに至る光路を反射光学素子により折り曲げた構成としてもよい。さらに、マイクロミラー30α,30β,30γが光ビームを偏向する角度は90度に限定されるものではなく適宜変更されてよい。
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態による光スイッチの概略的な構成を図7に示す。図7において、図6に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。図7を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
本発明の第四実施形態による光スイッチの概略的な構成を図7に示す。図7において、図6に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。図7を参照しながら本実施形態の光スイッチについて説明する。
光スイッチは、光が入力される光入力部と、光が出力される光出力部とを有している。光入力部と光出力部の一方が単一のポートユニットを有し、光入力部と光出力部の他方が複数のポートユニットを有している。本実施形態の光スイッチは多チャンネルのN入力1出力の光スイッチであり、光入力部が複数たとえば3つのポートユニット10A,10B,10Cを有し、光出力部が単一のポートユニット20を有している。ポートユニット10Aは複数たとえば3つのポート12Aα,12Aβ,12Aγを有し、ポートユニット10Bは3つのポート12Bα,12Bβ,12Bγを有し、ポートユニット10Cは3つのポート12Cα,12Cβ,12Cγを有している。同様に、ポートユニット20は3つのポート22α,22β,22γを有している。
光入力部および光出力部の各ポートユニット10A,10B,10C,20内の各ポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγ,22α,22β,22γは一つのチャンネルを構成している。光入力部および光出力部の各ポートユニット10A,10B,10C,20内の複数のポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγ,22α,22β,22γはいずれも同様に整列されている。
光入力部に入力される光は複数の波長成分の光を含んでいる。つまり光入力部に入力される光は波長多重光である。これに応じて、光入力部のポートユニット10Aはさらに、波長多重光を導光する波長多重入力ポート16Aと、波長多重入力ポート16Aを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット10A内の複数のポート12Aα,12Aβ,12Aγに分配する分波器14Aとを有し、光入力部のポートユニット10Bはさらに、波長多重光を導光する波長多重入力ポート16Bと、波長多重入力ポート16Bを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット10B内の複数のポート12Bα,12Bβ,12Bγに分配する分波器14Bとを有し、光入力部のポートユニット10Cはさらに、波長多重光を導光する波長多重入力ポート16Cと、波長多重入力ポート16Cを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット10C内の複数のポート12Cα,12Cβ,12Cγに分配する分波器14Cとを有している。また、光出力部のポートユニット20は、そのポートユニット20内の複数のポート22α,22β,22γから出力される光を合波する合波器24と、合波器24から出力される光を導光する波長多重出力ポート26とを有している。
また光スイッチは、光入力部のポートと光出力部のポートとをそれぞれ光学的に結合するための複数のマイクロミラー30α,30β,30γを有している。マイクロミラー30α,30β,30γの個数は各ポートユニット10A,10B,10C,20のチャンネルの数と同じであり、たとえば3つである。各マイクロミラー30α,30β,30γは、それぞれ、その向きが変更可能な反射面32α,32β,32γを有している。各マイクロミラー30α,30β,30γの詳細は、第一実施形態で説明したマイクロミラー30と同じである。
各マイクロミラー30α,30β,30γは、光入力部の複数のポートユニット10A,10B,10Cのいずれか一つ内の各チャンネルのポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγと、光出力部の単一のポートユニット20内の同じチャンネルのポート22α,22β,22γとを光学的に適宜結合する。図6に示した例では、マイクロミラー30αがポートユニット10C内のポート12Cαをポートユニット20のポート22αに結合し、マイクロミラー30βがポートユニット10A内のポート12Aβをポートユニット20のポート22βに結合し、マイクロミラー30γがポートユニット10B内のポート12Bγをポートユニット20のポート22γに結合している。
さらに光スイッチは、マイクロミラー30α,30β,30γをそれぞれ移動させてマイクロミラー30α,30β,30γを介して互いに光学的に結合されるポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγ,22α,22β,22γを切り替える複数の移動機構を有している。移動機構の個数はマイクロミラー30α,30β,30γの数と同じであり、たとえば3つである。これらの移動機構は、それぞれ、マイクロミラー30α,30β,30γを直線的に平行に移動させる。移動機構の詳細は、第三実施形態で説明した通りである。
光スイッチはまた、光出力部のポートユニット20から出力される光の強度を検出する検出部50を有している。検出部50は、光出力部の波長多重出力ポート26から出力される光の一部をそれぞれ取り出すタップ52と、タップ52を介して取り出された光の強度をそれぞれモニターするパワーモニター54とを有している。
光スイッチはさらに、切替先ポートを指定するための切替先指定部60と、切替先ポートにしたがって移動機構を制御するとともに、検出部50で得られる情報に基づいてマイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きを制御する制御部70とを有している。制御部70の構成は、第三実施形態と同じである。
続く説明を簡単にするために、図7に示すようにxyz直交座標系を設定する。x軸は、移動体42α,42β,42γの移動方向に平行であり、z軸は、マイクロミラー30α,30β,30γに入射する光ビームの入射方向に平行である。
光入力部のポートユニット10A,10B,10Cは、x軸に沿って並んでいる。光入力部のポートユニット10A,10B,10Cのポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγは、z軸に平行に光ビームを射出するように配置されている。さらに、ポートユニット10Aのポート12Aα,12Aβ,12Aγとポートユニット10Bのポート12Bα,12Bβ,12Bγとポートユニット10Cのポート12Cα,12Cβ,12Cγはいずれもy軸に沿って並んでいる。
光出力部のポートユニット20のポート22α,22β,22γは、マイクロミラー30α,30β,30γによって反射される光ビームの反射方向すなわちx軸に平行に配置されている。さらに、ポート22α,22β,22γはy軸に沿って並んでいる。
次に図7を参照しながら、本実施形態の光スイッチの動作について説明する。ここでは、光出力部のポート22βの結合先を入力部のポート12Aβからポート12Cβに切り替える例について説明する。
切替先指定部60において切替先ポートが指定されると、CPU76は、切替先ポートに応じた制御信号をアクチュエーター駆動回路72βに出力し、アクチュエーター駆動回路72βはアクチュエーター44βを駆動して移動体42βを移動させて、切替先ポートであるポート12Cβに対応した位置にマイクロミラー30βを配置する。その結果、ポート12Cβがマイクロミラー30βを介してポート22βと光学的に結合される。
さらにCPU76は、マイクロミラー駆動回路74βを制御してマイクロミラー30βの反射面32βを揺動させながら、アクチュエーター駆動回路72βを制御して移動体42βをわずかずつ移動させ、パワーモニター54からの出力が最大になる位置で移動体42βを停止させる。
その後、CPU76は、ポート22βに接続されたパワーモニター54から供給される情報にしたがってマイクロミラー駆動回路74βを制御し、マイクロミラー駆動回路74βはマイクロミラー30βの反射面32βの向きを調整する。これにより、制御部70は、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12Cβとポート22βとの間の結合効率を制御する。たとえば、制御部70は、パワーモニター54からの出力が最大または所望値になるように、つまり、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率すなわちポート12Cβとポート22βとの間の結合効率が最大または所望値になるように、マイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。
制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、少なくとも、マイクロミラー30βに入射する光ビームの入射方向すなわちx軸とマイクロミラー30βによって反射される光ビームの反射方向すなわちz軸との両方に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームがy軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。より好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、マイクロミラー30βによって反射される光ビームの反射方向すなわちx軸に垂直な方向に偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。すなわち、制御部70は、マイクロミラー30βによって反射された光ビームがy軸およびz軸に沿って偏向されるようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。
好ましくは、制御部70は、マイクロミラー30βが移動される間は、光入力部のポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγと光出力部のポート22βとが結合されないようにマイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。具体的には、制御部70は、マイクロミラー30βが移動される間、マイクロミラー30βによって反射された光ビームが、光出力部のポート22βから外れるが、光出力部のほかのチャンネルのポート22α,22γには入射しない程度に、y軸に沿って偏向されるように、マイクロミラー30βの反射面32βの向きを制御する。これにより、マイクロミラー30βが移動される間に、切替先ポートでないポート12Bβがポート22βに不所望に結合されることが防止される。つまり、光入力部のポート12Bα,12Bβ,12Bγの切り替えがいわゆるヒットレスで行なえる。
ほかのポート間での切り替えも同様である。また、ほかのチャンネルにおける結合先の切り替えについても同様である。
チャンネル間における光の強度のばらつきを揃えるため、たとえば、制御部70は、マイクロミラー30αを介して互いに光学的に結合されるポート22αとポート12Aα,12Bα,12Cαとの間の結合効率と、マイクロミラー30βを介して互いに光学的に結合されるポート22βとポート12Aβ,12Bβ,12Cβとの間の結合効率と、マイクロミラー30γを介して互いに光学的に結合されるポート22γとポート12Aγ,12Bγ,12Cγとの間の結合効率とがそれぞれ所望値となるように、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きを制御する。
本実施形態の光スイッチでは、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γを揺動させながらパワーモニター54の出力に基づいて移動体42α,42β,42γの位置を決めるため、マイクロミラー30α,30β,30γを適切な位置に精度良く配置することができる。さらに、マイクロミラー30α,30β,30γの反射面32α,32β,32γの向きをパワーモニター54の出力が最大または所望値になるように制御することにより、光入力部の所望のポート12Aα,12Bα,12Cα,12Aβ,12Bβ,12Cβ,12Aγ,12Bγ,12Cγを光出力部のポート22α,22β,22γに高い結合効率または所望の結合効率で結合させることができる。その結果、挿入損失が少ない光スイッチが得られる。
また、マイクロミラー30α,30β,30γがアクチュエーター44α,44β,44γによって直線的に平行に移動されるので、光出力部が非常に多くのポート、たとえば40や80のポートを有する構成に対しても良好に対応できる。
本実施形態においても、光入力部のポートユニット10A,10B,10Cのポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγからマイクロミラー30α,30β,30γに至る光路を反射光学素子により折り曲げた構成としてもよい。また、マイクロミラー30α,30β,30γから光出力部のポートユニット20のポート22α,22β,22γに至る光路を反射光学素子により折り曲げた構成としてもよい。さらに、マイクロミラー30α,30β,30γが光ビームを偏向する角度は90度に限定されるものではなく適宜変更されてよい。
<第五実施形態>
本実施形態の光スイッチは、機能的には、図6を参照しながら説明した第三実施形態の光スイッチと実質的に同じである。本発明の第五実施形態による光スイッチの概略的な構成を図8に示す。図8において、図6に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。以下、第三実施形態の光スイッチとの相違部分について図8を参照しながら説明する。
本実施形態の光スイッチは、機能的には、図6を参照しながら説明した第三実施形態の光スイッチと実質的に同じである。本発明の第五実施形態による光スイッチの概略的な構成を図8に示す。図8において、図6に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。以下、第三実施形態の光スイッチとの相違部分について図8を参照しながら説明する。
本実施形態の光スイッチでは、光入力部および光出力部の各ポートユニット10,20A,20B,20Cが、それぞれ、AWG(Arrayed Waveguide Grating)18,28A,28B,28Cを有している。
光入力部のポートユニット10は、波長多重入力ポート16とAWG18とを有している。AWG18は、波長多重入力ポート16を介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離する分波器14と、分波器14によって波長分離された光をそれぞれ導光する複数のポート12α,12β,12γとを有している。言い替えれば、ポート12α,12β,12γと分波器14とがAWG18で構成されている。
また、光出力部のポートユニット20A,20B,20Cは、それぞれ、波長多重出力ポート26A,26B,26CとAWG28A,28B,28Cとを有している。AWG28Aは、入力部のポート12α,12β,12γと適宜結合される複数のポート22Aα,22Aβ,22Aγと、ポート22Aα,22Aβ,22Aγから出力される光を合波する合波器24Aとを有し、AWG28Bは、入力部のポート12α,12β,12γと適宜結合される複数のポート22Bα,22Bβ,22Bγと、ポート22Bα,22Bβ,22Bγから出力される光を合波する合波器24Bとを有し、AWG28Cは、入力部のポート12α,12β,12γと適宜結合される複数のポート22Cα,22Cβ,22Cγと、ポート22Cα,22Cβ,22Cγから出力される光を合波する合波器24Cとを有している。言い替えれば、ポート22Aα,22Aβ,22Aγと合波器24AとがAWG28Aで構成され、ポート22Bα,22Bβ,22Bγと合波器24BとがAWG28Bで構成され、ポート22Cα,22Cβ,22Cγと合波器24CとがAWG28Cで構成されている。
本実施形態では、各ポート12α,12β,12γ,22Aα,22Aβ,22Aγ,22Bα,22Bβ,22Bγ,22Cα,22Cβ,22Cγは、導波路と、導波路の端面に配置されたコリメーターとで構成されている。
本実施形態の光スイッチの動作は第三実施形態の光スイッチの動作と同様である。
本実施形態の光スイッチでは、分波器14がAWG18で構成され、また合波器24A,24B,24CがAWG28A,28B,28Cで構成されているので、チャンネルの間隔が極めて精度よく製造される。
また、AWGは特に薄い板状に構成できるので、多数たとえば40や80のポートユニットを含む光出力部を構成した場合でも、AWGをスタック(積み重ね)することにより光出力部をコンパクトに構成できる。つまり波長多重出力ポートの数を極めて多くしながら結合性能が良くコンパクトな波長選択スイッチを得ることができる。
さらに、AWGでは、チャンネルの間隔は設計自由度の範囲で任意に広げることが可能であるため、チャンネルの間隔を広げてマイクロミラーのサイズに余裕を持たせることにより、パスバンド特性に優れた挿入損失がさらに少ない光スイッチとすることも可能である。通常のチャンネルの間隔は50〜100μm程度である。これに対して、チャンネルの間隔を200μm以上にすると、パスバンド特性の改善が見込める。さらに、チャンネルの間隔を1mm以上たとえば3mmとすると、移動体や駆動機構の設計が極めて容易になる。
<第六実施形態>
本実施形態の光スイッチは、機能的には、図7を参照しながら説明した第四実施形態の光スイッチと実質的に同じである。本発明の第六実施形態による光スイッチの概略的な構成を図9に示す。図9において、図7に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。以下、第四実施形態の光スイッチとの相違部分について図9を参照しながら説明する。
本実施形態の光スイッチは、機能的には、図7を参照しながら説明した第四実施形態の光スイッチと実質的に同じである。本発明の第六実施形態による光スイッチの概略的な構成を図9に示す。図9において、図7に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。以下、第四実施形態の光スイッチとの相違部分について図9を参照しながら説明する。
本実施形態の光スイッチでは、光入力部および光出力部の各ポートユニット10A,10B,10C,20が、それぞれ、AWG18A,18B,18C,28を有している。
光入力部のポートユニット10A,10B,10Cは、それぞれ、波長多重入力ポート16A,16B,16CとAWG18A,18B,18Cとを有している。AWG18Aは、波長多重入力ポート16Aを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離する分波器14Aと、分波器14Aによって波長分離された光をそれぞれ導光する複数のポート12Aα,12Aβ,12Aγとを有し、AWG18Bは、波長多重入力ポート16Bを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離する分波器14Bと、分波器14Bによって波長分離された光をそれぞれ導光する複数のポート12Bα,12Bβ,12Bγとを有し、AWG18Cは、波長多重入力ポート16Cを介して入力される波長多重光を波長成分ごとに分離する分波器14Cと、分波器14Cによって波長分離された光をそれぞれ導光する複数のポート12Cα,12Cβ,12Cγとを有している。言い替えれば、ポート12Aα,12Aβ,12Aγと分波器14AとがAWG18Aで構成され、ポート12Bα,12Bβ,12Bγと分波器14BとがAWG18Bで構成され、ポート12Cα,12Cβ,12Cγと分波器14CとがAWG18Cで構成されている。
また、光出力部のポートユニット20は、波長多重出力ポート26とAWG28とを有している。AWG28は、入力部のポート12Aα,12Bα,12Cαのいずれかと適宜結合されるポート22αと、入力部のポート12Aβ,12Bβ,12Cβのいずれかと適宜結合されるポート22βと、入力部のポート12Aγ,12Bγ,12Cγのいずれかと適宜結合されるポート22γと、ポート22α,22β,22γから出力される光を合波する合波器24とを有している。言い替えれば、ポート22α,22β,22γと合波器24とがAWG28で構成されている。
本実施形態では、各ポート12Aα,12Aβ,12Aγ,12Bα,12Bβ,12Bγ,12Cα,12Cβ,12Cγ,22α,22β,22γは、導波路と、導波路の端面に配置されたコリメーターとで構成されている。
本実施形態の光スイッチの動作は第四実施形態の光スイッチの動作と同様である。
本実施形態の光スイッチでは、分波器14A,14B,14CがAWG18A,18B,18Cで構成され、また合波器24がAWG28で構成されているので、チャンネルの間隔が極めて精度よく製造される。
また、AWGは特に薄い板状に構成できるので、多数たとえば40や80のポートユニットを含む光入力部を構成した場合でも、AWGをスタック(積み重ね)することにより光入力部をコンパクトに構成できる。つまり波長多重出力ポートの数を極めて多くしながら結合性能が良くコンパクトな波長選択スイッチを得ることができる。
さらに、AWGでは、チャンネルの間隔は設計自由度の範囲で任意に広げることが可能であるため、チャンネルの間隔を広げてマイクロミラーのサイズに余裕を持たせることにより、パスバンド特性に優れた挿入損失がさらに少ない光スイッチとすることも可能である。
<第七実施形態>
本実施形態は、上述した実施形態のマイクロミラーおよび移動体の代替構成に関している。図1に示した第一実施形態の光スイッチに対して、本実施形態によるマイクロミラーおよび移動体の代替構成を適用した光スイッチの主要部を図10に示す。図10において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
本実施形態は、上述した実施形態のマイクロミラーおよび移動体の代替構成に関している。図1に示した第一実施形態の光スイッチに対して、本実施形態によるマイクロミラーおよび移動体の代替構成を適用した光スイッチの主要部を図10に示す。図10において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の光スイッチは、第一実施形態の移動体42とマイクロミラー30に代えて、三角ブロック46と、複数のマイクロミラー30A,30B,30Cとを有している。
マイクロミラー30A,30B,30Cの個数は、光出力部のポート22A,22B,22Cの数と同じであり、たとえば3つである。各マイクロミラー30A,30B,30Cの詳細は、第一実施形態で説明したマイクロミラー30と同じである。
三角ブロック46は、図示しない直動アクチュエーター(たとえば図1に示したアクチュエーター44)によって直線的に平行に移動されうる。
入力部のポート12と光出力部のポート22A,22B,22Cは互いに平行に整列して、三角ブロック46の移動方向に並んでいる。三角ブロック46は、直角プリズムから構成され、斜面46aがポート12,22A,22B,22Cに対向するように配置されている。三角ブロック46の面46bには反射コート48Aが施されており、面46cには反射防止コート48Bが施され、マイクロミラー30A,30B,30Cが取り付けられている。
光入力部のポート12は、三角ブロック46の面46bとマイクロミラー30A,30B,30Cとを介して、光出力部のポート22A,22B,22Cのいずれか一つと光学的に結合されうる。光出力部のポート22A,22B,22Cの切り替えは、三角ブロック46を移動させることによって行なわれる。
ポート12がポート22Aと結合されている状態では、ポート12から射出された光ビームは三角ブロック46の面46bで反射され、次いでマイクロミラー30Aによって反射され、ポート22Aに入射する。ポート12がポート22Bと結合されている状態では、ポート12から射出された光ビームは三角ブロック46の面46bで反射され、次いでマイクロミラー30Bによって反射され、ポート22Bに入射する。ポート12がポート22Cと結合されている状態では、ポート12から射出された光ビームは三角ブロック46の面46bで反射され、次いでマイクロミラー30Cによって反射され、ポート22Bに入射する。
本実施形態では、光入力部のポート12が光出力部のポート22A,22B,22Cに実質的に平行に配置されるので、光スイッチの全体構成をコンパクトにすることが可能である。
また、光入力部のポート12が光出力部のどのポート22A,22B,22Cに結合された場合でも光の光路長が実質的に変わらないので、ポート12に結合するポート22A,22B,22Cの切り替えの相互間において光学特性の差が少ない。
本実施形態は、三角ブロック46の内部で光路を180度折り曲げる構成であるが、三角ブロック46を使用する代わりに、V字溝状の凹部を有するVブロックを使用し、凹部内において光路を180度折り曲げる構成として、同様の機構を実現することも可能である。
<変形例>
以下、上述した実施形態に適用可能ないくつかの変形例について述べる。
以下、上述した実施形態に適用可能ないくつかの変形例について述べる。
(第一変形例)
本変形例は、ポート12,22A,22B,22Cのレイアウトに関している。図1に示した第一実施形態の光スイッチに対して、本変形例を適用した光スイッチの主要部を図11に示す。図11において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
本変形例は、ポート12,22A,22B,22Cのレイアウトに関している。図1に示した第一実施形態の光スイッチに対して、本変形例を適用した光スイッチの主要部を図11に示す。図11において、図1に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
本変形例では、ポート12からマイクロミラー30に至る光路上にミラー82が設けられている。ミラー82は、ポート12からマイクロミラー30に至る光路を90度折り曲げる働きをし、ポート12は、ポート22A,22B,22Cと平行に配置されている。
本変形例によれば、ポート12がポート22A,22B,22Cに平行に配置されるため、光スイッチが薄く構成される。
本変形例では、光ビームを偏向するマイクロミラー30の機能の一部をミラー82にもたせることも可能である。具体的には、ミラー82に光ビームをz軸に沿って偏向する機能をもたせ、マイクロミラー30は光ビームをy軸に沿って偏向する機能だけをもつ構成としてもよい。
(第二変形例)
本変形例は、駆動機構の代替構成に関している。図11に示した第一変形例の光スイッチに対して、本変形例による駆動機構を適用した光スイッチの主要部を図12に示す。図11において、図12に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
本変形例は、駆動機構の代替構成に関している。図11に示した第一変形例の光スイッチに対して、本変形例による駆動機構を適用した光スイッチの主要部を図12に示す。図11において、図12に示した部材と同様の機能を果たす部材は同一の参照符号で示してあり、その詳しい説明は省略する。
本変形例では、マイクロミラー30を保持している移動体42がスイングアーム84に保持されている。スイングアーム84が軸84aの中心にして回転されることにより、ポート12が結合されるポート22A,22B,22Cが切り替えられる。
本変形例によれば、駆動機構がスイングアーム84で構成されているので、駆動機構の設計が容易である。スイングアーム方式は構成が容易であるが、移動体42の姿勢が場所により変化してしまうといった特性をもつ。しかし、本変形例ではマイクロミラー30によって場所による移動体42の姿勢の変化をも補正できる。その結果、駆動機構を極めて容易に構成できる。
(第三変形例)
本変形例は、移動体の位置決め機構に関している。本変形例による光スイッチの主要部を図13に示す。図13において、マイクロミラーと移動体は代表的にそれぞれ参照符号30と42で示してある。
本変形例は、移動体の位置決め機構に関している。本変形例による光スイッチの主要部を図13に示す。図13において、マイクロミラーと移動体は代表的にそれぞれ参照符号30と42で示してある。
本変形例では、移動体42の位置決め機構が設けられている。位置決め機構はたとえばラッチ86で構成される。ラッチ86は、移動体42に設けられた弾性部材86aと、弾性部材86aがちょうどはまる複数の凹部86bとから構成される。凹部86bは、移動体42の移動と関係なく不動に保持された固定部材88に設けられている。各凹部86bは、弾性部材86aがちょうどはまったときに、マイクロミラー30が適切な位置に配置されるように設けられている。
本変形例によれば、位置決め制御が不要であり、制御が容易になる。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
10,10A,10B,10C…ポートユニット、12,12A,12Aα,12Aβ,12Aγ,12B,12Bα,12Bβ,12Bγ,12C,12Cα,12Cβ,12α,12β,12γ…ポート、14,14A,14B,14C…分波器、16,16A,16B,16C…波長多重入力ポート、20,20A,20B,20C…ポートユニット、22,22A,22Aα,22Aβ,22Aγ,22B,22Bα,22Bβ,22Bγ,22C,22Cα,22Cβ,22α,22β,22γ…ポート、24,24A,24B,24C…合波器、26,26A,26B,26C…波長多重出力ポート、30,30α,30β,30γ,30A,30B,30C…マイクロミラー、32,32α,32β,32γ…反射面、42,42α,42β,42γ…移動体、44,44α,44β,44γ…アクチュエーター、46…三角ブロック、46a…斜面、46b…面、46c…面、48A…反射コート、48B…反射防止コート、50,50A,50B,50C…検出部、52,52A,52B,52C…タップ、54,54A,54B,54C…パワーモニター、60…切替先指定部、70…制御部、72,72α,72β,72γ…アクチュエーター駆動回路、74,74α,74β,74γ…マイクロミラー駆動回路、76…CPU、82…ミラー、84…スイングアーム、84a…軸、86…ラッチ、86a…弾性部材、86b…凹部、88…固定部材、310…ミラー基板、312…可動板、314…トーションバー、316…可動枠、318…トーションバー、320…固定枠、330…駆動基板、332…駆動電極、334…駆動電極、350…スペーサー、L1…軸、L2…軸。
Claims (21)
- 光が入力される光入力部と、
光が出力される光出力部とを有し、
前記光入力部と光出力部の一方は単一のポートを有し、前記光入力部と光出力部の他方は複数のポートを有しており、さらに、
前記光入力部のポートと前記光出力部のポートとを光学的に結合するためのマイクロミラーであり、その向きが変更可能な反射面を有しているマイクロミラーと、
前記マイクロミラーを移動させて前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポートを切り替える移動機構と、
前記光出力部から出力される光の強度を検出する検出部と、
前記移動機構を制御するとともに、前記検出部で得られる情報に基づいて前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する制御部とを備えている、光スイッチ。 - 前記移動機構は、前記マイクロミラーを直線的に平行に移動させる、請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率を制御する、請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、前記マイクロミラーが移動される間は、前記光入力部のポートと前記光出力部のポートとが結合されないように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項3に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、前記マイクロミラーによって反射された光ビームが、前記マイクロミラーに入射する光ビームの入射方向と前記マイクロミラーによって反射される光ビームの反射方向との両方に垂直な方向に偏向されるように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、前記マイクロミラーによって反射された光ビームが、前記マイクロミラーによって反射される光ビームの反射方向に垂直な方向に偏向されるように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記光入力部が単一のポートを有し、前記光出力部が複数のポートを有しており、
前記マイクロミラーは、前記光入力部の前記単一のポートと、前記光出力部の前記複数のポートのいずれか一つとを光学的に適宜結合する、請求項1に記載の光スイッチ。 - 前記光入力部が複数のポートを有し、前記光出力部が単一のポートを有しており、
前記マイクロミラーは、前記光入力部の前記複数のポートのいずれか一つと、前記光出力部の前記ポートとを光学的に適宜結合する、請求項1に記載の光スイッチ。 - 光が入力される光入力部と、
光が出力される光出力部とを有し、
前記光入力部と光出力部の一方は単一のポートユニットを有し、前記光入力部と光出力部の他方は複数のポートユニットを有しており、各ポートユニットは複数のポートを有しており、
前記光入力部のポートと前記光出力部のポートとをそれぞれ光学的に結合するための複数のマイクロミラーをさらに有し、各マイクロミラーは、その向きが変更可能な反射面を有しており、さらに、
前記マイクロミラーをそれぞれ移動させて前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポートを切り替える複数の移動機構と、
前記光出力部の前記ポートユニットから出力される光の強度を検出する複数の検出部と、
前記移動機構を制御するとともに、前記検出部で得られる情報に基づいて前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する制御部とを備えている、光スイッチ。 - 前記移動機構は、それぞれ、前記マイクロミラーを直線的に平行に移動させる、請求項9に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、それぞれ、前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率を制御する、請求項9に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、それぞれ、前記マイクロミラーが移動される間は、前記光入力部のポートが前記光出力部のいずれのポートとも結合されないように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項11に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、それぞれ、前記マイクロミラーを介して互いに光学的に結合されるポート間の結合効率が所望値となるように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項11に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、それぞれ、前記マイクロミラーによって反射された光ビームが、前記マイクロミラーに入射する光ビームの入射方向と前記マイクロミラーによって反射される光ビームの反射方向との両方に垂直な方向に偏向されるように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項9に記載の光スイッチ。
- 前記制御部は、それぞれ、前記マイクロミラーによって反射された光ビームが、前記マイクロミラーによって反射される光ビームの反射方向に垂直な方向に偏向されるように前記マイクロミラーの前記反射面の向きを制御する、請求項9に記載の光スイッチ。
- 前記光入力部が単一のポートユニットを有し、前記光出力部が複数のポートユニットを有しており、
前記光入力部および光出力部の各ポートユニット内の各ポートは一つのチャンネルを構成しており、前記光入力部および光出力部の各ポートユニット内の複数のポートはいずれも同様に整列されており、
各マイクロミラーは、前記光入力部の前記単一のポートユニット内の各チャンネルのポートと、前記光出力部の前記複数のポートユニットのいずれか一つ内の同じチャンネルのポートとを光学的に適宜結合する、請求項9に記載の光スイッチ。 - 前記光入力部に入力される光は複数の波長成分の光を含んでおり、前記光入力部の前記単一のポートユニットは、入力される光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット内の複数のポートに分配する分波器を有し、前記光出力部の各ポートユニットは、そのポートユニット内の複数のポートから出力される光を合波する合波器を有している、請求項16に記載の光スイッチ。
- 前記光入力部および光出力部の各ポートユニットがAWGを有している、請求項17に記載の光スイッチ。
- 前記光入力部が複数のポートユニットを有し、前記光出力部が単一のポートユニットを有しており、
前記光入力部および光出力部の各ポートユニット内の各ポートは一つのチャンネルを構成しており、前記光入力部および光出力部の各ポートユニット内の複数のポートはいずれも同様に整列されており、
各マイクロミラーは、前記光入力部の前記複数のポートユニットのいずれか一つポートユニット内の各チャンネルのポートと、前記光出力部の前記単一のポートユニット内の同じチャンネルのポートとを光学的に適宜結合する、請求項9に記載の光スイッチ。 - 前記光入力部に入力される光は複数の波長成分の光を含んでおり、前記光入力部の各ポートユニットは、入力される光を波長成分ごとに分離して、そのポートユニット内の複数のポートに分配する分波器を有し、前記光出力部の前記単一のポートユニットは、そのポートユニット内の複数のポートから出力される光を合波する合波器を有している、請求項19に記載の光スイッチ。
- 前記光入力部および光出力部の各ポートユニットがAWGを有している、請求項20に記載の光スイッチ。
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