JP2010139930A - ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物 Download PDF

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莉 李
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聡 今橋
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Abstract

【課題】 微細パターンの加工ができ、得られた被膜の耐熱性と基材との線膨張係数が近接し、かつ高温でのイミド化を必要としない、アルカリ現像できるポジ型感光性ポリイミド組成物を提供する。
【解決手段】 (a)主鎖にベンゾオキサザールなどのベンゾアゾール骨格を有し、且つ主鎖及び側鎖の少なくとも何れかにフェノール性水酸基を含有する特定の骨格を有する有機溶剤可溶性のポリイミド樹脂と、(b)活性光線照射により酸を発生する化合物とを含有するポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子の信頼性向上のための半導体デバイス等の製造において電気、電子絶縁材料、特に半導体表面保護膜や層間絶縁膜として用いられるポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、バッファーコートには優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。しかし近年半導体素子の高集積化、大型化が進む中、封止樹脂パッケージの薄型化、小型化の要求がありLOC(リード・オン・チップ)や半田リフローによる表面実装などの方式が取られてきており、これまで以上に機械特性、耐熱性等に優れたポリイミド樹脂が必要とされるようになってきた。
さらに、近年電子機器で使用される回路基板や半導体実装部品では、軽量化と高集積・高密度化を両立させるために配線ピッチの超微細化が急速に進んでいる。この流れの中で、これまで重視されていなかった基板や部品材料間の線膨張係数の差が、製品の品質、信頼性に重大な影響を与えるようになりつつある。この問題を解決する寸法安定性が優れるポリイミドフィルムが強く求められている。
一方、ポリイミド樹脂自身に感光性特性を付与した感光性ポリイミドが用いられてきているが、これを用いるとパターン作製工程が簡略化でき、煩雑な製造工程の短縮が行えるという特徴を有する。ネガ型では、ポリイミド前駆体(アミック酸)にエステル結合またはイオン結合あるいはアミド結合、IPN型などを介してメタクリロイル基を導入する方法(例えば、特許文献1〜5参照)、光重合オレフィンを有する可溶性ポリイミド(例えば、特許文献6参照)、ベンゾフェノル骨格を有し、かつ窒素原子が結合する芳香環のオルト位にアルキル基を有する水素引抜反応を利用した自己増感型ポリイミド(例えば、特許文献7、8参照)、光酸化誘起重合反応を利用し、フラン構造を有する可溶性ポリイミド(例えば、特許文献9参照)などがある。
しかし、これらネガ型では、現像工程にて環境上好ましくないN−メチルピロリドンなどの有機溶剤を使用するので、現像工程での安全性に問題があり、近年、従来のネガ型に代わって、アルカリ水溶液で現像できるポジ型感光性ポリイミド樹脂が開発されている。露光した部分が現像により溶解するポジ型の耐熱性樹脂組成物としては、ポリアミド酸にナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば、特許文献10参照)、水酸基を有したポリアミド酸にナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば、特許文献11参照)、酸・塩基分解基を有するポリイミド前駆体に光酸発生剤(PAG)/光塩基発生剤(PBG)を添加したもの(例えば、特許文献12、13参照)、O−ニトロベンジル基をポリイミド前駆体に導入したもの(例えば、特許文献14参照)などがある。
ポリイミド前駆体を使う場合は、上記の何れの方法も、光加工後、加熱処理によりイミド閉環を行う必要があり、その際、イミド閉環に伴う脱水と架橋基成分の揮発による体積収縮によって、膜厚の損失及び寸法安定性の低下が起きるという欠点は避けられない。更に、閉環反応より高温での加熱処理工程は、他の電子部品或は有機材料の劣化を招く可能性もある。環化プロセスそのものを要しない有機溶剤可溶性のポリイミドそのものを感光化したものが提案されている(例えば、ポジ型に関しては特許文献15〜18参照)が、これらは感光特性、耐熱性、機械特性及び寸法安定性の何れかに劣る欠点がある。
従って、何れも未だ実用化レベルまでには至ってないのが実状である。
特開昭 54−145794号公報 特開昭 55−030207号公報 特開昭 61−118424号公報 特開昭 57−168942号公報 特開平 03−170547号公報 特開昭 59−108031号公報 特開昭 61−145794号公報 特開2003−076017号公報 特開2000−338668号公報 特開昭 52−013315号公報 特開平 04−204945号公報 特開平 04−120171号公報 特開平 10−186664号公報 特開昭 60−037550号公報 特開昭 63−013032号公報 特開平 04−046345号公報 特開2000−199957号公報 特開2001−249454号公報
本発明は、従来のポジ型感光性樹脂の熱膨張係数が大きいことに起因する、基材との密着性の低下や基材の反りなどの従来技術の課題の軽減と、イミド化における加熱に伴う高温とイミド化反応から発生する水によって、表面保護膜や層間絶縁膜の形成時に半導体デバイス等の製品に多大の影響をもたらす課題を、共に解決せんとするものである。熱膨張係数が小さく、このために、基材との密着性の低下や基材の反り等が軽減され、イミド化における加熱に伴う高温とイミド化反応から発生する水によって表面保護膜や層間絶縁膜の形成時に半導体デバイス等の製品に多大の影響をもたらし、電気特性、解像性などを劣化させることのない、耐熱性樹脂膜を与えることができるポジ型感光性ポリイミド組成物を提供することを目的としたものである。
また本発明は、前記組成物の使用により、アルカリ現像及び、低温熱処理により、耐熱性、機械特性及び熱寸法安定性に優れる良好な形状のパターンが得られるパターンの製造法を提供するものである。また、本発明は、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
本発明者らは、かかる状況に鑑み鋭意研究を続けた結果、次なる発明に到達した。
本発明は、主鎖にベンゾオキサザールなどのベンゾアゾール骨格を有し、且つ主鎖及び側鎖の少なくとも何れかにフェノール性水酸基を含有するポリイミドと、光酸発生剤とを必須成分を特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。すなわち本発明は以下の構成になるものである。
・ (a)下記の一般式(化1)で示される可溶性ポリイミドと(b)活性光線照射により酸を発生する化合物とを含有することを特徴とするポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
Figure 2010139930
(式中Rは4価の有機基、Rは一般式(化2)〜(化5)の構造を示し、Rは有機基、qは1以上の整数、m>0、n≧0)
Figure 2010139930
Figure 2010139930
Figure 2010139930
Figure 2010139930
((化2)〜(化5)の構造中、Xは酸素原子、硫黄原子またはNR(式中Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す)を示し、R,Rはそれぞれ独立し、フェノール性水酸基を有してもよい単環または複数の環から構成される芳香族環基または複素環基を示し、R,Rはそれぞれ独立し、フェノール性水酸基を有してもよい単環または複数の環から構成される芳香族環基または複素環基または脂肪族基を示す。)
2. (化2)から(化5)の構造がベンズオキサゾール構造を有する2価の有機基である1.のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
3. 活性光線照射により酸を発生する化合物がエステル化したキノンジアジド化合物である1.〜2.に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
4.1.〜3.に記載のポジ型感光性組成物を活性光線により、パターン露光した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などのアルカリ水で現像し、次いで250℃以下の温度で熱処理することを特徴とするポリイミドレリーフパターン。
本発明によれば、特定の構造を有するポリイミドを用いるため、高弾性率、優れた熱寸法安定性及び溶媒可溶性をバランスよく実現できる。本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物からのポリイミドは熱膨張係数が小さく、シリコンウエハなどの低熱膨張係数の基材上に塗布・乾燥のみで絶縁膜などの樹脂膜を形成することができ、イミド化プロセスを必要とせず、熱膨張係数の差が小さく、基材との密着性が良く、かつ反りなどを軽減できる。また、現像性、感光性などを良好に維持できるので、これらの結果として、良好なパターンが得られ、半導体デバイス等の製造における電気、電子絶縁材料として極めて有効である。
以下に、本発明の実施形態について説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
本発明における可溶性ポリイミドは有機溶剤(溶媒)可溶性である。有機溶剤に不溶であると、ポリイミドの前駆体を用いて脱水閉環反応を経てポリイミド層を形成する必要があり、この場合、350℃以上の高温プロセスを要するため、半導体装置の熱劣化を招く恐れがある。なお、ここで(有機溶剤)可溶性とは、少なくとも下記有機溶媒から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤にポリイミドが1質量%以上溶ける(30℃)ということを指している。
これらの有機溶媒の例として沸点が350℃以下のものが挙げられ、好ましい例として沸点300℃以下のものが挙げられ、さらに好ましい例として沸点250℃以下のものが挙げられる。具体例としては、p−クロロフェノールやm−クレゾールなどのフェノール系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、またはγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−プチロラクトン等の環状エステル溶媒などが挙げられる。
本発明における、可溶性ポリイミドは、少なくとも前記の一般式(化1)で表される繰り返し単位を含むものである。
前記式(化1)に表される可溶性ポリイミド樹脂構造中のR成分としては、ベンズアゾール構造を有する構造(化2)〜(化5)に示す2価の有機基であれば特に限定されるものではないが、ポリマーの吸水率をより低下させるためにはベンズオキサゾール構造を有する2価の有機基であることが好ましく、さらに、耐熱性をより向上させるため、あるいは線膨張係数をより低下させるためには、下記式(化6)〜(化19)で示される構造であることがより好ましい。
Figure 2010139930
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(上記化6〜化19において、x、y、y‘、zは正の整数であり、x+y+y’+z≧1を示す)
また、上記の可溶性ポリイミドを含有する有機溶液からなるワニスに、活性光線照射により酸を発生する化合物を溶解し、キャスト製膜して得られた感光性樹脂組成物は、優れた感光特性を示す。
そして、ポリイミド重合体含有膜の微細パターンは、上記のポジ型感光性樹脂組成物を塗布してポジ型感光性樹脂組成物膜を形成する工程と、ポジ型感光性樹脂組成物膜をパターン露光する工程と、パターン露光されたポジ型感光性樹脂組成物膜をアルカリ現像する工程と、アルカリ現像されたポジ型感光性樹脂組成物を加熱処理して、ポリイミド膜を形成する工程と、を含む、製造方法により好適に得ることができる。
本発明における可溶性ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸無水物類(酸、酸無水物、ポリイミド結合性誘導体などをいう、以下同)と芳香族ジアミン類(ジアミン、ポリイミド結合性誘導体などをいう、以下同)とから反応させて得られることが好ましい。
化1に示したRを特徴とする芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、4価の有機基であれば特に限定されないが、ポリイミドに耐熱性を持たせるために、炭素数6〜30の芳香族環基又は芳香族複素環基を有する基であることが好ましい。好ましい芳香族テトラカルボン酸無水物の例としては、例えば、無水ピロメリット酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、低線膨張係数を維持するためには無水ピロメリット酸構造、ビフェニル−3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物あるいは下記式(化20)〜(化21)に示す構造の酸無水物の使用が好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
Figure 2010139930
(式中、Rはフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルのいずれかの基を示す。)
Figure 2010139930
(式中、R10はフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルのいずれかの基を示す。)
芳香族ジアミン類とてしては、フェノール水酸基を持つベンズアゾール類芳香族ジアミン類を使用することが好ましい。ベンズアゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、例えば、下記(2)〜(5)で表される構造を有するジアミンが挙げられる。これらの中でもベンズオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を使用することが好ましく、その中でも前記(化6)〜(化19)で表される骨格構造を有するフェノール基を持つジアミン類を使用することが特に好ましい。これらのベンズアゾール構造を有する芳香族ジアミン類およびまたはベンズオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の全ジアミンにおける使用量は50モル%以上が好ましく、75モル%以上がさらに好ましい。
本発明の実施形態に係る可溶性ポリイミドの重合反応性、ポリイミドの要求性能を損なわない範囲で、該ポリイミドを重合する際に、一般式(化1)で表される骨格中でのRを形成するジアミンとしては、特に限定されないが、下記のようなジアミンが挙げられる。
ベンズアゾール構造を有しないジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン。
3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン。
2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン。
1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル及び上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられるが、低線膨張係数を維持するためにはp−フェニレンジアミンの使用が好ましい。これらのジアミンは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
これらは、ベンズアゾール構造を有する芳香族ジアミン類およびまたはベンズオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と併用する際には、全ジアミンの50モル%未満が好ましく30モル%未満がより好ましい。
本発明の可溶性ポリイミドを合成する際のモノマー混合比(モル比)は、テトラカルボン酸(酸無水物)/ジアミンの表記方法で、好ましくは0.800〜1.200/1.200〜0.800、より好ましくは0.900〜1.100/1.100〜0.900、更に好ましくは0.950〜1.150/1.150〜0.950である。
また、本発明の分子末端封鎖のためにジカルボン酸無水物、トリカルボン酸無水物、アニリン誘導体などの末端封止剤を用いることが出来る。本発明で好ましく用いられるのは、無水フタル酸、無水マレイン酸、エチニルアニリンであり、無水マレイン酸の使用がより好ましい。末端封止剤の使用量は、モノマー成分1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
本発明の可溶性ポリイミドを合成する際に使用する有機溶剤としては、原料モノマー及び中間生成物であるポリアミド酸、生成物であるポリイミド樹脂のいずれも溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられ、これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。極性有機溶媒の使用量は、仕込みモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、通常は1〜50質量%であり好ましくは5〜30質量%の固形分を含むものであればよい。
重合反応は、有機溶媒中で撹拌及び/又は混合しながら、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して進めた後、さらに100〜300℃の温度範囲で10分から30時間連続して進められるが、必要により重合反応を分割し、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。
本発明では閉環触媒を用いても良い。本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、安息香酸、o−安息香酸、m−安息香酸、p−安息香酸などの芳香族カルボン酸、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用することが好ましい。閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/前駆体であるポリアミド酸中の含有量(モル)が0.01〜10.00となる範囲が好ましい。
本発明では脱水剤を用いても良い。例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、及び無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、効率よく脱水できるものであれば、特にこれらに限定されない。脱水剤の含有量は、脱水剤の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.01〜10.00となる範囲が好ましい。
本発明では、水を共沸させるために共溶媒を用いても良い。例えば、トルエン、キシレン等が挙げられるが、効率よく水を共沸させることができるものであればこれらに限定されない。
本発明では更に、可溶性ポリイミドの性能向上を目的として、添加物を加えても良い。これら、添加物は、その目的によって様々であり、特に限定されるものではない。
また、添加方法、添加時期においても特に限定されるものではない。添加物の例としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、等の金属酸化物、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸塩など、有機、無機の公知のフィラーが挙げられる。
本発明では、反応によって得られた可溶性ポリイミドを適当な貧溶媒を用いて反応溶液から再沈殿させても良い。貧溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、水などが挙げられるが、効率よく再沈殿させることができるものであれば、特にこれらに限定されない。また、再沈殿した後の残存反応溶媒を除去する溶媒についても特に限定されないが、再沈殿させた際に用いた溶媒を使用することが好ましい。
本発明では、反応溶液をそのままポリイミド樹脂溶液として利用しても良いし、反応溶液から上記手法で再沈殿させた可溶性ポリイミドを再び溶媒に溶解させてポリイミド樹脂溶液を得てもよい。後者の場合、可溶性ポリイミドを効率よく溶解させるものであれば、特に限定されるものではないが、例として、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等の有機溶剤が挙げられる。
本発明では、可溶性ポリイミドと有機溶媒を混合させる手段として、特に限定はしないが、例えば、通常の攪拌翼、高粘度用の攪拌翼を用いて混合攪拌する方法、多軸の押し出し機、あるいはスタティックミキサーなどを用いる方法、更には、ロールミルなどの高粘度用混合分散機を用いる方法を用いて混合攪拌することが挙げられる。
本発明で得られるポリイミド樹脂溶液中の可溶性ポリイミドの組成としては、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%を含有することが挙げられる。この場合。その粘度はブルックフィールド粘度計による測定で0.1〜2000Pa・S、好ましくは1〜1000Pa・Sのものが、安定した送液が可能であることから好ましい。
本発明に使用される(b)成分である光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部の現像液への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、ジアゾナフトキノン化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限がないが、ジアゾナフトキノン系化合物は感度が高くので、好ましいものとして挙げられる。
ジアゾナフトキノン系感光剤の具体例としては、1,2−ナフトキノンー2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸の低分子ヒドドロキシベンゼン、2−及び4−メチルーフェノール、4,4‘−ヒドロキシープロパンのエステル等を挙げられる。
ジアゾナフトキノン系感光剤の具体例としては、他にも、フェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上組合せて用いても良い。
また、(b)成分の添加量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(a)成分100質量部に対して好ましくは1から50質量部である。1重量部未満の場合には良好なパターンを得にくく、50重量部を超えると感度が大幅に低下しやすい。
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、さらに他の添加剤、例えば、架橋剤、可塑剤、表面活性剤、増感剤、接着促進剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を使用してのパターン形成方法は、本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ技術により該組成物のポリイミドからなるポリイミド膜を形成するものである。本発明のパターンの形成方法では、まず、支持基板など表面に本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を用いた被膜が形成される。
なお、本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を使用してのパターン形成方法では、ポリイミド被膜と支持基板との接着性を向上させるため、あらかじめ支持基板表面を接着助剤で処理しておいてもよい。ポリイミドからなる被膜は、例えばポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物(以下ワニスという)の膜を形成した後、これを乾燥させることにより形成される。本発明のポリイミド被膜の厚さは特に限定されるものではないが、2μm〜50μm程度の被膜形成に好適であり、さらには3μm以上、特には25μmの膜厚への適用に好適である。
ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を使用してのポリイミド被膜の形成は、ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物の粘度などに応じて、スピナを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、スクリーン印刷などの手段から適宜選択された手段により行う。なお、被膜の膜厚は塗布条件、本組成物の固形分濃度等により調節できる。また、あらかじめ支持基板上に形成した被膜を支持体上から剥離してポリイミドからなるシートを上記支持基板の表面に貼り付けることにより、上述の被膜を形成してもよい。
つぎに、この形成された被膜に、所定のパターンのフォトマスクを介して光(紫外線などの活性光線)を照射した後、塩基性水溶液により露光部を溶解除去して、所望のレリーフパターンを得る。この際、現像後の残膜率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがことさらに好ましい。また、感度としては、600mJ/cm以下であることが好ましく、500mJ/cm以下であることがより好ましく、450mJ/cm以下であることがことさらに好ましい。ここで感度とは、10μm以下の高い解像度でパターンを得るために最低限必要な露光量のことである。
前記塩基性水溶液は、通常、塩基性化合物を水に溶解した溶液である。塩基性化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムイオンの水酸化物又は炭酸塩や、アミン化合物などが挙げられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニルムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩アルカリ類の水溶液及びこれにメタノール、エタノールのようなアルコール類などの水溶液有機溶液や界面活性剤を適量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。多くの電子機器では残留金属が電気特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、有機アルカリが好適に用いられ、半導体プロセスでよく使用されているテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好適に用いられる。
この際テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは2.38重量%水溶液を用いて室温で10秒〜10分間現像し、更に純水でリンスすることにより鮮明なポジ型パターンを得ることができる。
上記現像の後に、必要に応じて、水又は貧溶媒で洗浄し、ついで約100℃前後で乾燥し、パターンを安定化することが望ましい。パターンを形成させた膜を加熱して、優れた耐熱性、機械特性、電気特性を有する膜を得ることができる。
従来のポリイミド前駆体を使用した場合、このパターンの加熱温度は300〜500℃であり、この加熱温度が、300℃未満であると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向にあり、400℃を超える場合はポリイミド膜の機械特性及び熱特性に劣る傾向があるが、本発明においてはこの高温加熱を必要とせず高々250℃程度の温度での乾燥や低沸点物などの除去が行われることで、耐熱性で低線膨張係数のポリイミドパターンなどのポリイミド被膜を形成することができる。
このように本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、半導体装置等の電子部品用の表面保護膜、多層配線板の層間絶縁膜等に使用することができる。本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を用いた表面保護膜(バッファーコート膜)は、接着性に優れかつ低線膨張係数であるために、基材の反りや基材からの剥離がなく、本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物から得られた層間絶縁膜や表面保護膜を用いた半導体素子は、極めて信頼性に優れるものとなる。このような信頼性の高い半導体素子を得るための膜の具体的な線膨張係数(50〜200℃の温度範囲での平均線膨張係数)としては、好ましくは0〜40ppm/℃であり、より好ましくは0.1〜30ppm/℃である。
本発明のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物は、層間絶縁層や表面保護膜層ばかりではなく、その優れた特性のため、カバーコート層、コア、カラー、アンダーフィルなどの材料として使用されてもよいものである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例中の各特性は前記した方法以外は以下の方法で測定した。
1.ポリイミドの線熱膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドについてウェハを破壊して剥離し、下記条件にて伸縮率を測定し、50℃〜65℃、65℃〜80℃…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を200℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
機器名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 250℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン

2.残膜率の算出
プリベーク処理後の膜厚と現像後の膜厚を測定し、以下の計算方法により残膜率を算出した。
残膜率(%)={(現像後の膜厚)/(プリベーク処理後の膜厚)}×100
3.感度の評価
解像度10μmのパターンを鮮明に形成させるために最低限必要な露光量を感度とした。解像度10μmのパターンが鮮明に形成されているかどうかは、露光・現像後のレリーフパターンをマイクロスコープにて観察することにより判断した。露光量は、紫外線照度計・光量系(UV−M03:オーク製作所製)を用いて測定した。
4.膜の外観評価
現像後ならびに熱処理後の外観を目視ならびにマイクロスコープにて観察した。現像後の外観評価に関しては、未露光部の現像残りがなく、パターンのエッジが平滑であれば、「良好」と評価した。また、熱処理後の外観評価に関しては、膜の割れや膨れ、ボイド、剥がれ、ウェハの割れや反りなどがなければ、「良好」と評価した。
(合成例1)窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール10.71g、2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物19.82g、イソキノリン0.50gを仕込んだ。続いて、m−クレゾール250gを加えて完全に溶解させた後,25℃の反応温度で20時間攪拌すると、淡黄色のポリアミド酸溶液が得られた。その後、装置にディーンタークトラップを設置し、N気流下、200℃の温度で6時間撹拌した。空冷後、はじめにアセトン2000mlで再沈殿を行った。得られた固形物をミキサーにて粉砕し、アセトン1000ml中25℃で撹拌洗浄を2回、アセトン1000ml中還流下で攪拌洗浄を6時間行った。乾燥を減圧下70℃で12時間行い、収量36.9gで淡黄色のポリイミド樹脂を得た。次いで、得られたポリイミド樹脂10gとN−メチル−2−ピロリドン80gを混合し、80℃の温度で1時間攪拌することにより、ポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−1とする。
(合成例2)酸無水物として2,2’−ジフェノキシ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−2とする。
(合成例3)ジアミンとして5−アミノ−6−ヒドロキシー2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−3とする。
(合成例4)酸無水物として2,2’−ビス(1−ナフトキシ)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−4とする。
(合成例5)酸無水物として2,2’−ビス(2−ナフトキシ)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−5とする。
(合成例6)ジアミンとして5−アミノ−6−ヒドロキシー2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールを用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−6とする。
(合成例7)ジアミンとして5−アミノ−2−(p−アミノーm−ヒドロキシフェニル)ベンズイミダゾールを用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−7とする。
(合成例8)ジアミンとして5−アミノ−2−(p−アミノm−ヒドロキシフェニル)ベンズチアゾールを用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−8とする。
(合成例9)酸無水物として、2,2’−ジフェニル−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−9とする。
(合成例10)酸無水物として2,2’−ビス(4−ビフェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−10とする。
(合成例11)ジアミンとしては5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールと3、4‘−ジアミノジフェニルエーテル(モル比8:2)を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−11とする。
(比較例1用合成例)ジアミンとして5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールの代わりに、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、得られたポリイミドがアルカリ現像液に溶けないため、評価不可。
(比較例2用合成例)ジアミンとして2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン並びに酸無水物として4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物を用いたこと以外は合成例1と同様の操作により、対応するポリイミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂溶液をワニス−12とする。
(実施例1)
90gのワニス−1に、エステル化したキノンジアジド化合物からなる感光剤NT−200(東洋合成工業(株))2.00gを添加し、ろ過後、ポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を作成した。このポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物をスピンコーターでシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃で10分間乾燥を行い、10μmの塗膜を得た。この塗膜をマスク(1〜50μの残しパターンおよび抜きパターン)を通して、超高圧水銀灯を用いてパターンマスクを通して紫外線を照射した。その後、現像を行った。現像は2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて行った。次に、蒸留水でリンスし、乾燥した。その結果、露光量300mJ/cmの照射で良好なパターンが形成され、残膜率は90%であった。また、露光後の外観も良好であった。さらに、窒素雰囲気下で、120℃/15分、250℃/60分の熱処理を行い、反り、割れ、剥がれの無いポリイミド被膜付シリコンウエハを得た。また、前述の方法によりポリイミド皮膜の線膨張係数を測定したところ、12ppm/℃であった。
(実施例2〜11)
実施例1において用いたワニス−1の代わりにワニス−2〜11を用いた以外は、実施例1と同様に操作してポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を調整し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1〜2)
実施例1において用いたワニス−1の代わりに比較例1用合成例のポリイミドとワニス−12を用いた以外は、実施例1と同様に操作してポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物を調整し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2010139930
本発明のポジ型感光性ポリイミド組成物は、半導体デバイスなどの製造での電気、電子絶縁材料として、詳しくは、ICやLSIなどの半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜などに用いられ、微細パターンの加工が必要とされるものなどに利用でき、イミド化に伴う水の発生もなくしかも高温に曝されることがなく、しかも線膨張係数が低く基材である半導体ウェハなどとの線膨張係数が近接しており、その乖離による基材の反りや基材とのこれら被膜のはがれのないものとなり、これらの用途に極めて有意義である。

Claims (4)

  1. (a)下記の一般式(化1)で示される可溶性ポリイミドと(b)活性光線照射により酸を発生する化合物とを含有することを特徴とするポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
    Figure 2010139930
    (式中Rは4価の有機基、Rは一般式(化2)〜(化5)の構造を示し、Rは有機基、qは1以上の整数、m>0、n≧0)
    Figure 2010139930
    Figure 2010139930
    Figure 2010139930
    Figure 2010139930
    ((化2)〜(化5)の構造中、Xは酸素原子、硫黄原子またはNR(式中Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す)を示し、R,Rはそれぞれ独立し、フェノール性水酸基を有してもよい単環または複数の環から構成される芳香族環基または複素環基を示し、R,Rはそれぞれ独立し、フェノール性水酸基を有してもよい単環または複数の環から構成される芳香族環基または複素環基または脂肪族基を示す。)
  2. (化2)から(化5)の構造がベンズオキサゾール構造を有する2価の有機基である請求項1記載のポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  3. 活性光線照射により酸を発生する化合物がエステル化したキノンジアジド化合物である請求項1〜2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3に記載のポジ型感光性組成物を活性光線により、パターン露光した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などのアルカリ水で現像し、次いで250℃以下の温度で熱処理することを特徴とするポリイミドレリーフパターン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017084419A1 (zh) * 2015-11-17 2017-05-26 中国科学院长春应用化学研究所 聚酰亚胺纤维及其制备方法

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WO2017084419A1 (zh) * 2015-11-17 2017-05-26 中国科学院长春应用化学研究所 聚酰亚胺纤维及其制备方法

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