JP2010139597A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たに部品点数を追加することなく、どのような交流電源の環境条件においても、定着ヒータを適切に昇温することが可能な複合機を提供する。
【解決手段】ゼロクロス検出手段305と、定着ヒータ206の昇温開始を指示されると、所定の時間毎に定着ヒータ206に交流電源電圧を印加して、定着ヒータ206の温度を上昇させる温度制御手段302とを備えた複合機において、判定時間を算出する判定時間算出手段306と、上記判定時間と基準判定時間とを比較する判定時間比較手段307と、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも長い時間毎に、一方、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、当該所定の時間よりも短い時間毎に、定着ヒータ206に交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段302に送信する通電時間変更手段308とを備えることを特徴とする複合機100を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、新たに部品点数を追加することなく、どのような交流電源の環境条件においても、定着ヒータを適切に昇温することが可能な画像形成装置に関する。
近年、複合機、複写機、プリンタ等の画像形成装置では、様々な画像形成方式が採用されているが、その画像形成方式のうち、例えば、電子写真方式が一般に知られている。上記電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電を行い、その感光体ドラムに対して原稿の画像に対応する像露光とトナー現像を行い、感光体ドラム上のトナー像をシート(記録媒体)に転写して、転写されたトナー像に熱と圧力とを印加して可視像をシートに定着させる。当該方式により、画像形成装置は、可視像が定着されたシートを印刷物としてユーザに提供している。
シートに転写されたトナー像を適切に定着させるためには、トナー像に熱を与える定着ヒータが適切な温度まで昇温されている必要がある。そこで、従来より、定着ヒータには定着ヒータ制御回路が備えられ、その定着ヒータ制御回路では、定着ヒータの温度を検出する定着サーミスタからの信号によりヒータ温度を検出し、検出温度に応じて位相角制御回路または零ボルトスイッチ回路への制御信号を出力して、突入電流(画像形成装置に交流電源を投入したときに、一時的に流れる大電流)を抑制するように制御している。
しかしながら、上述した定着ヒータ制御回路では、定着ヒータのヒータ温度のみに基づいて、定着ヒータに流れる電流を通電制御しており、例えば、交流電源の環境条件が悪い場合や同一の交流電源に複数の電子写真方式の画像形成装置(負荷の大きい定着ヒータを有する画像形成装置)が接続されており、同一タイミングで定着ヒータがONした場合では、電流電圧が低下するため、室内電灯のちらつき(照明のちらつき、フリッカともいう)やPSU(Power Supply Unit:動力供給装置、例えば、DC電圧生成部、ゼロクロス検出回路、電圧ピーク検出回路、スイッチング素子等)の起動不良等の不具合が発生する欠点があった。
上記交流電源の環境条件が悪い場合とは、通常、交流電源系は地域の電力会社の自動電圧調整機(Auto Voltage Regulator、以下、AVRとする)により一定電圧に保たれるが、夏期のエアコン使用時や夕方の工場停止時等の負荷変動が大きい場合には、当該AVRが追従できずに交流電圧が急激に低下した場合に復帰時間が長くなったり、瞬断が発生する等の不具合が起こる場合のことである。また、上記PSUの起動不良とは、例えば入力交流電源電圧が入力仕様の下限の場合に、定着ヒータを通電させると電源電圧が入力仕様より低下してPSUの2次出力(+5V、+24V等)が出力されず、装置が動作中(コピー、送受信等)であればエラー発生となる現象をいう。
上記問題を解決するために、特開平9−101718号公報(特許文献1)には、感光体上に形成した静電潜像に現像ユニットによりトナーを付着させて現像し、該トナーを記録紙に転写して可視像を形成し、定着ヒータを用いてトナーを記録紙に定着させる画像形成装置において、定着ヒータに印加される交流電源周波数の変動を検知する交流電圧のゼロクロス検出手段、定着部温度を検出するための定着温度検出手段、交流電源の電圧変動を検知するための交流電圧のピーク検出手段、前記装置の操作/表示部にて選択された待機モードを管理するモード管理手段、該待機モードと定着部温度により定着ヒータの位相制御を行う定着制御手段、位相制御データを格納するメモリ手段、定着ヒータへの交流電圧の通電を制御するスイッチング手段を備え、選択された待機モード及び交流電源の環境条件に応じて定着ヒータの通電制御を行うように構成されたことを特徴とする定着ヒータ電流制御装置が開示されている。
上記構成により、装置の待機モード及び交流電源の環境条件に基づいて定着ヒータの通電制御を行うことができるとしている。
特開平9−101718号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、交流電源の環境条件に応じて、定着ヒータの通電制御を行うことが可能となるものの、交流電源の電圧変動を検知するための交流電圧のピーク検出手段(回路)を備える必要があり、部品点数の増加、製造コストの増加、回路の複雑化等を招くという問題がある。
また、近年では、画像形成装置に搭載されるメモリの容量が増大する傾向にあるとともに、出来るだけ部品点数を削減して、コストの低減、省スペース化、コンパクト化を達成する傾向にある。そのため、部品点数を増加させて問題を解決するよりも、予めユーザが作成したプログラムと所定のデータとを所定のメモリに記憶させて、既存の回路を適切に活用し、問題を解決する傾向がある。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、新たに部品点数を追加することなく、どのような交流電源の環境条件においても、定着ヒータを適切に昇温することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、所定の周波数を有する交流電源電圧の電圧値がゼロとなるゼロクロス時点を検出するゼロクロス検出手段と、定着ヒータの昇温開始の指示を受信すると、当該ゼロクロス時点からの交流電源電圧の半周期の位相角に応じて決定される所定の時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加して、定着ヒータの温度を上昇させる温度制御手段とを備えた画像形成装置を前提とする。
交流電源電圧は、商用交流電源(商用電源)から供給される電圧(例えば、100V等)であり、その周波数は所定の値(例えば、60Hz等)を有する。
ゼロクロス時点からの交流電源電圧の半周期の位相角に応じて決定される所定の時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加する方法は、例えば、以下の方法が採用される。ゼロクロス時点からの交流電源電圧の半周期の位相角を所定の段階数で区分した各位相角段階を有する位相制御パターンを所定のメモリに記憶しておき、温度制御手段が、定着ヒータに入力される交流電源電圧を調整するスイッチング手段を当該位相制御パターンの位相角に対応してオンオフし、当該位相角に対応する所定の時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加する。上記所定の時間は、定着ヒータに交流電源電圧を印加する時間である通電時間に相当する。
上記位相制御パターンとは、例えば、複数の位相角のうち、小さい位相角から大きい位相角まで順次並べた段階を有するパターンが該当する。具体的には、ゼロクロス時点からの交流電源電圧の半周期の位相角は180°であるから、30°、60°、90°、120°、、、180°等である。なお、位相角は定着ヒータに交流電源電圧を印加する時間に対応するため、当該位相角を定着ヒータの点灯率(%)に変換して、その点灯率の段階を有する位相制御パターンを採用しても構わない。具体的には、点灯率の範囲は、0%〜100%であるから、10%、20%、30%、40%、、、100%等である。
定着ヒータに入力される交流電源電圧を調整するスイッチング手段は、例えば、双方向サイリスタ、トライアックなどのスイッチング素子が該当する。
当該画像形成装置において、上記温度制御手段が定着ヒータの昇温を開始する際に、交流電源電圧のゼロクロス時点から、当該交流電源電圧が所定の基準値と交差する時点までの間の時間間隔である判定時間を算出する判定時間算出手段を備える。
交流電源電圧が所定の基準値と交差する時点は、例えば、ゼロクロス時点から単調増加する交流電源電圧の電圧値を監視し、その電圧が所定の基準値を超過する時点をその時点として採用することができる。
さらに、上記判定時間算出手段によって算出された判定時間と、定格電圧を有する交流電源電圧により算出された基準判定時間とを比較する判定時間比較手段を備える。上記定格電圧を有する交流電源電圧により算出された基準判定時間は、例えば、所定のメモリに記憶しておく。定格電圧は、画像形成装置に接続される外部電源(商用交流電源)の地域等に応じて変動するものの、例えば、100V等が該当する。
また、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信し、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信する通電時間変更手段を備える。
交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間とは、交流電源電圧が定格電圧を有する時に採用される位相制御パターンに基づいて決定される通電時間である。
また、上記所定の基準値が、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも低い値であるよう構成することができる。
交流電源電圧のピーク値は、例えば、交流正弦波の交流電源電圧のゼロから上限値までの値または下限値までの値に対応する。所定の基準値は、例えば、当該ピーク値に対して3分の1の値、2分の1の値、3分の2の値等であり、ユーザにより適宜設計変更される。
本発明の画像形成装置によれば、上記温度制御手段が定着ヒータの昇温を開始する際に、判定時間を算出する判定時間算出手段と、上記判定時間と基準判定時間とを比較する判定時間比較手段と、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信し、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信する通電時間変更手段とを備えるよう構成している。
これにより、定着ヒータに供給される交流電源電圧が定格電圧を有する交流電源電圧よりも低い場合、上記判定時間が基準判定時間よりも大きくなるため、所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させることとなる。そのため、定着ヒータに交流電源電圧を印加する時間である通電時間を、定格電圧時の通電時間よりも長くすることが可能となる。その結果、定格電圧を有する交流電源電圧よりも低い交流電源電圧であるにも関わらず、定着ヒータを昇温させるために要する時間を長期化することなく、効率よく定着ヒータの温度を上昇させることが可能となる。
一方、定着ヒータに供給される交流電源電圧が定格電圧を有する交流電源電圧よりも高い場合、上記判定時間が基準判定時間よりも小さくなるため、所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させることとなる。そのため、通電時間を、定格電圧時の通電時間よりも短くすることが可能となる。その結果、定着ヒータに過剰に交流電源電圧を印加することなく、効率よく定着ヒータの温度を上昇させることが可能となる。過剰な交流電源電圧の印加を防止することにより、例えば、画像形成装置以外の電気機器(例えば、蛍光灯等)が当該交流電源電圧に接続されていたとしても、電圧変動により生じるフリッカ(蛍光灯のちらつき)等も併せて防止することが可能となる。
従って、定着ヒータを昇温させる際に使用する交流電源に電圧変動が発生したとしても、その変動に対応して、定着ヒータの昇温条件を変更し、効率よくヒータ温度を上昇させることが可能となる。また、当該画像形成装置では、交流電源電圧のピーク値を検出するピーク検出手段(回路)を備える必要がないため、画像形成装置全体として、新たに部品点数を増加することなく、コストの低減、省スペース化、コンパクト化を達成することが可能となる。
また、上記所定の基準値が、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも低い値であるよう構成することができる。
これにより、交流電源が大きく電圧変動したとしても、その交流電源電圧と所定の基準値とが交差する可能性を高めることが可能となる。そのため、どのような交流電源の電圧環境であっても、判定時間を算出することが可能となり、結果として、適切に定着ヒータのヒータ温度を上昇させることが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<画像形成装置>
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
なお、本発明の画像形成装置は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えばコピーサービスを利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
まず、複合機100は、既に交流電源(商用交流電源、商用電源)に電源コードを介して接続されており、一定の周波数を有する交流電源電圧が当該複合機100に入力されている。交流電源電圧は、所定の変換器(コンバータ等)によって、直流電圧等に変換される。
ユーザが複合機100を使用してコピー機能を実行する場合、原稿を複合機100の上面に備えられている原稿台に載置する。続いて、ユーザがコピー機能に関連する設定を上記操作部101(タッチパネルを含む)から入力し、当該操作部101に設けられたスタートキーを押下して、複合機100が印刷処理を開始する。
複合機100が印刷処理を開始すると、画像読取部102において、光源103から照射された光が、上記原稿台に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー104、105、106によって撮像素子107に導かれる。導かれた光は上記撮像素子107により光電変換されて、上記原稿に対応する画像データが生成される。なお、上記画像読取部102は、複合機100のスキャン機能を実行する際にも駆動される。
上記画像データは、複合機100の側壁に接続されたケーブル108を介して複合機100に送信される場合もある。この場合は、上記複合機100がファクシミリ送受信機能やプリント機能を実行する場合である。
さて、上記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。上記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。上記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
上記帯電器111は、上記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。上記露光ユニット112は、帯電された上記感光体ドラム110の表面に、上記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。上記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、上記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。上記クリーニングユニット115は、上記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、上記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
上記シートは、上記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、上記シートはピックアップローラ117により何れか1つの上記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。上記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、上記画像形成に関する設定に基づいてシートが給紙される。
搬送路に引き出された上記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、上記シートは上記転写器114により上記トナー像が転写され、定着装置121に搬送される。また、搬送ローラ118に搬送されるシートは、複合機100の側面に備えられた手差しトレイ120から搬送される場合もある。
上記トナー像が転写されたシートが上記定着装置121に備えられた加熱ローラ122と加圧ローラ123の間を通過すると、上記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。上記加熱ローラ122の熱量は定着ヒータ(図示せず)を介し、紙種に応じて最適に設定され、上記定着が適切に行われる。上記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、当該シートは印刷物として複合機100の側壁に設けられた排紙トレイ124に積載され、収容される。
上記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。また、複合機100が他の機能を提供する場合は、上記画像読取部102と上記画像形成部109とが駆動して提供する。以下、ユーザから所定の処理条件(コピー機能に関連する設定)を受け付けたり、ユーザによる操作部101(例えば、タッチパネル等)の接触により、スリープ状態(後述する)から画像形成可能な状態へ移行させたりする手段を条件受付手段(後述する)と称する。また、複数の機能を実現する手段を画像形成手段(後述する)と称する。
次に、図2を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図2は、複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、各駆動部に対応するドライバ205、定着ヒータ206のヒータ温度を検出するサーミスタ207の温度信号をアナログ電圧値からデジタルデータ信号へ変換するA/D変換器208、トライアック等からなるスイッチング素子209へ当該CPU201からの制御信号を送信するI/O部210、交流電源電圧のゼロクロス時点(後述する)を検出するゼロクロス検出回路211から当該ゼロクロス時点を示す情報を受信するI/O部212を内部バス213によって接続している。なお、サーミスタ207とA/D変換器208との間には、温度信号を調整するための所定の抵抗素子(図示せず)が設けられている。
上記CPU201は、例えば、RAM203を作業領域として利用し、上記ROM202、上記HDD204等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ205とデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、上記CPU201は、A/D変換器208からのデータを授受し、さらに、ゼロクロス時点を示す情報をI/O部212を介して授受する。また、上記CPU201は、所定の制御信号(例えば、オンに対応するHI信号、オフに対応するLOW信号)をI/O部210を介してスイッチング素子209に送信し、スイッチング素子209のオンオフ状態を制御する。上記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、上記CPU201がプログラムを実行するとともに、データや指示を授受することで当該各手段を実現する。上記ROM202や上記HDD204には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
また、複合機100の外部に設けられる商用電源の交流電源214は、交流電源電圧をスイッチング素子209を介して定着ヒータ206に入力するよう構成される。また、定着ヒータに入力される交流電源電圧を、ゼロクロス検出回路211にも同時に入力するよう構成される。なお、当該交流電源電圧のピーク値を検出する回路(手段)は設けられていないことに注意されたい。
<本発明の実施形態>
次に図3乃至図4を参照しながら、本発明の複合機が、新たに部品点数を追加することなく、どのような交流電源の環境条件においても、定着ヒータを適切に昇温する手順について説明する。図3は、本発明に係る複合機の機能ブロック図である。図4は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。なお、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100が待機時での消費電力を抑えた状態であるスリープ状態である場合に、ユーザが、複合機100に備えられた操作部101を触れると、条件受付手段301が当該接触を検知し、複合機100のスリープ状態を解除して、当該スリープ状態から画像形成可能な状態へ移行する。
上記スリープ状態では、複合機100の制御回路にのみ所定の電圧が印加されている状態であり、複合機100の加熱ローラ122に備えられた定着ヒータ206には、交流電源電圧が印加されていない状態であるとする。そのため、上記スリープ状態では、温度制御手段302が、定着ヒータ206に交流電源電圧を入力するスイッチング手段303をオフ状態に制御して、定着ヒータ206に交流電源電圧が印加されないように維持している。
また、上記画像形成可能な状態とは、画像読取部102で画像を読み取ると、その画像に基づいて形成した可視像を画像形成部109が即時にシートに定着することが可能な状態をいう。従って、画像形成可能な状態であれば、定着ヒータ206は、定着可能な温度を維持している状態となる。
そこで、条件受付手段301は、画像形成手段304に、画像形成可能な状態へ移行する旨の指示を送信する。画像形成手段304が当該指示を受信すると、温度制御手段302に、定着ヒータ206のヒータ温度を定着可能な温度まで上昇させる旨の指示(定着ヒータの昇温開始の指示)を送信する(図4:S101)。
温度制御手段302は、当該指示を受信すると、定着ヒータ206に備えられた、定着ヒータ206のヒータ温度を検出する検出手段であるサーミスタ307を介して、当該指示を受信した時点でのヒータ温度を検出する。上述したように、スリープ状態では、スイッチング手段303がオフ状態であるため、そのヒータ温度は、例えば、常温と検出される。
温度制御手段302がヒータ温度を常温と検出すると、所定のメモリに記憶された定着可能な温度まで、定着ヒータ206の昇温を開始する。定着ヒータ206の昇温の開始は、以下の手順にて進められる。
まず、温度制御手段302は、定着ヒータ206に入力される交流電源電圧と同一である交流電源電圧が入力されるゼロクロス検出手段305に、交流電源電圧のゼロクロス時点を検出させる(図4:S102)。上記ゼロクロス時点とは、ゼロクロス検出手段305に入力される交流電源電圧の電圧値がゼロとなる時点のことである。
ゼロクロス検出手段305が、入力される交流電源電圧の電圧値(加減される電圧値、または振幅)を参照し、その電圧値がゼロとなる時点をゼロクロス時点として検出すると、検出したゼロクロス時点を示す情報とともに、その交流電源電圧を判定時間算出手段306に入力する。なお、ゼロクロス時点を示す情報は、どのような情報でも構わないが、例えば、図5Bに示す、ゼロクロス時点をHI信号とし、その他の時点をLOW信号とする、交流電源電圧の時間軸を同等としたパルス信号が該当する。
判定時間算出手段306が、ゼロクロス時点を示す情報と交流電源電圧とを受信すると、ゼロクロス時点(A時点とする)を経過してからの経過時間の計測を開始する。また、判定時間算出手段306には、予めユーザにより設定された所定の基準値を記憶した所定のメモリが備えられている。そのため、当該判定時間算出手段306は、受信した交流電源電圧の電圧値を監視して、ゼロクロス時点から単調増加する交流電源電圧の電圧値が所定の基準値を超過する時点(ゼロクロス時点から単調増加する交流電源電圧が所定の基準値と交差する時点、B時点とする)を検出する。なお、B時点が常に検出されるために、所定の基準値には、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも低い値(例えば、ピーク値に対して3分の1の値、2分の1の値、3分の2の値等)が採用される。
判定時間算出手段306がB時点を検出すると、経過時間の計測を停止し、A時点からB時点までの間の時間間隔を判定時間として算出する(図4:S103)。
図5Aには、判定時間算出手段306が判定時間を算出する際の、交流電源の電圧波形と所定の基準値とを示す図である。なお、説明の都合上、交流電源の電圧値は絶対値(交流電源電圧に全波整流等の処理を施したもの)で示しているが、交流電源の電圧は交流正弦波である。
図5Aに示すように、交流電源電圧のゼロクロス時点(A時点)をスタート時点とし、そのA時点から単調増加する交流電源電圧が所定の基準値Cと交差する時点(B時点)をエンド時点として、スタート時点とエンド時点との間の時間間隔を判定時間D0とする。当該判定時間D0は、所定の基準値Cが変動することがない限り、単調増加する交流電源電圧のピーク値(交流正弦波の上限値)に応じて増減する。例えば、上述した交流電源電圧のピーク値をP0とし、そのP0よりも小さいピーク値P1を有する交流電源の電圧波形S1から算出される判定時間D1と、P0を有する交流電源の電圧波形S0から算出される判定時間D0とを比較すると、D0がD1よりも小さい値となる。これは、ピーク値が大きくなるほど、単位時間当たりに増加する電圧値の割合(傾き)が大きくなるため、交流電源の電圧値が所定の基準値に到達し易くなり、結果として、判定時間を小さくすることになる。また、図示しないが、単調減少する交流電源電圧のピーク値(交流正弦波の下限値)でも、同様であり、ピーク値が小さくなるほど(負の数値が大きくなるほど)、単位時間当たりに減少する電圧値の割合(傾き)が大きくなるため、判定時間を小さくすることになる。
従って、上記判定時間は、交流電源電圧のピーク値を反映していることとなり、当該判定時間を算出することにより、交流電源電圧のピーク値を検出する手段を新たに備えることなく、交流電源の電圧変動を検出することが可能となる。
なお、図5Aに示すように、例えば、ゼロクロス時点(a時点)の前後の、交流電源電圧S0と所定の基準値Cとの交差する時点(ゼロクロス時点(a時点)より前の時点をb1時点、ゼロクロス時点(a時点)より後の時点をb2時点とする)を検出し、上述したA時点からB時点までの間の時間間隔D0の代わりに、b1時点からb2時点までの間の時間間隔を当該判定時間D2として採用しても構わない。b1時点はa時点に向かって単調減少する交流電源電圧が所定の基準値Cと交差する時点であり、b2時点はa時点から単調増加する交流電源電圧が所定の基準値Cと交差する時点である。当該構成とすると、交流電源電圧のピーク値の変動に対して、当該判定時間D2の変動の値がD0の変動の値の2倍(程度)となり、交流電源電圧のピーク値の変動に応じて当該判定時間D2の変動も顕著となり、精度高く交流電源の電圧変動を検出することが可能となる。
さて、判定時間検出手段306が判定時間を算出すると、その算出結果を判定時間比較手段307に送信する。判定時間比較手段307には、予めユーザにより設定された基準判定時間を記憶した所定のメモリが備えられており、当該判定時間比較手段307は、受信した判定時間と基準判定時間とを比較し、当該判定時間と基準判定時間との大小関係を判定する(図4:S104)。上記基準判定時間は、定格電圧(例えば、100V)を有する交流電源を用いて判定時間算出手段306が算出した判定時間に相当する。
当該構成により、判定時間と基準判定時間との大小関係から、交流電源の環境条件を判定することが可能となる。すなわち、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合は、交流電源電圧のピーク値が定格電圧時と比較すると低い場合に対応するため、例えば、同一の交流電源に複数の電気製品が接続され、交流電源の環境条件が悪い場合と判定される。一方、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合は、交流電源電圧のピーク値が定格電圧時と比較すると高い場合に対応するため、例えば、何らかの原因により、過剰な交流電源となっており、交流電源の環境条件が過剰な場合と判定される。また、判定時間が基準判定時間と同等である場合は、通常通りの交流電源であり、交流電源の環境条件が良好である場合と判定される。
さて、判定時間比較手段307が比較した結果を通電時間変更手段308に送信する。
判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、通電時間変更手段308は、交流電源電圧が定格電圧を有する際に採用される上記所定の時間(基準通電時間)よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示(指示A)を温度制御手段に送信する(図4:S104YES→S105)。
温度制御手段302は、当該指示Aを受信すると、基準通電時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加するよう制御する。
具体的には、温度制御手段302は、位相制御パターン記憶手段309に記憶された位相制御パターンテーブル600を参照し、位相制御パターンAに対応する各位相角段階を参照する(図4:S106)。
位相制御パターンとは、複数の位相角のうち、小さい位相角から大きい位相角まで順次並べた段階を有するパターンが該当する。なお、定格電圧を有する交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までの位相角を所定の段階数で区分した各位相角段階を有する位相制御パターンを基準位相制御パターンとする。当該基準位相制御パターンの各位相角に対応する時間が基準通電時間となる。
所定の段階数とは、ユーザにより予め設定された段階数であり、当該段階数が少ない場合は、位相制御パターンの有する位相角の数が少なくなるため、各位相角の前後間隔が広くなる位相制御パターンとなり、結果として、通電時間が長くなる位相制御パターンに対応する。一方、段階数が多い場合は、位相制御パターンの有する位相角の数が多くなるため、各位相角の前後間隔が狭くなる位相制御パターンとなり、通電時間が短くなる位相制御パターンに対応する。
位相制御パターンテーブル600には、図6Aに示すように、位相制御パターンの種類を示すパターン項目601と、そのパターン項目601に対応する各位相角段階602(位相角のパターン、複数の位相角の列)とが関連付けて記憶される。参考に、図6Aには、各パターン項目601に対応して所定の段階数を表示している。
例えば、パターン項目「基準位相制御パターン」603には、定格電圧を有する交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までの位相角(180°)を「13」の段階数で区分した各位相角段階(例えば、各位相角の前後間隔を15°として、0°、15°、30°、、、165°、180°)が記憶される。なお、位相角の前後間隔は例示であり、例えば、複数の位相角のうち、一部が重複しても構わない。例えば、0°、30°、30°、60°、60°、、、等である。各位相角の段階は、定着ヒータの昇温に対応するため、位相角が0°から180°まで順次増加するよう構成される。温度制御手段302が基準位相制御パターンに基づいて定着ヒータ206の交流電源電圧の印加を制御することは、定格電圧を有する交流電源電圧を基準通電時間で印加することに対応する。
また、パターン項目「位相制御パターンA」604には、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも小さいピーク値を有する交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までの位相角を「7」の段階数で区分した各位相角段階(例えば、各位相角の前後間隔を30°として、0°、30°、60°、、、150°、180°)が記憶される。
また、パターン項目「位相制御パターンB」605には、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも大きいピーク値を有する交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までの位相角を「20」の段階数で区分した各位相角段階(例えば、各位相角の前後間隔を7.5°として、0°、7.5°、15°、、、172.5°、180°)が記憶される。
なお、位相制御パターンテーブル600は、パターン項目601と、そのパターン項目601に対応する各位相角段階602とを関連付けて記憶するよう構成しているが、他の態様であっても構わない。例えば、各位相角段階602は、交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までに定着ヒータが点灯する割合(点灯率とする)に換算されるため、当該各位相角段階602に代えて、各位相角段階602に対応する各点灯率段階(%)をパターン項目601に対応するよう関連付けて記憶しても構わない(図6B)。ここで、位相角の範囲0°から100°までは、点灯率の範囲0%から100%までに対応する。
例えば、パターン項目「基準位相制御パターン」には、点灯率100%を「11」の段階数で区分した各点灯率段階(例えば、各点灯率の前後間隔を10%として、0%、10%、20%、、、90%、100%)が記憶される。パターン項目「位相制御パターンA」には、点灯率100%を「6」の段階数で区分した各点灯率段階(例えば、各点灯率の前後間隔を20%として、0%、20%、40%、、、80%、100%)が記憶される。パターン項目「位相制御パターンB」には、点灯率100%を「21」の段階数で区分した各点灯率段階(例えば、各点灯率の前後間隔を5%として、0%、5%、10%、、、90%、95%、100%)が記憶される。
さて、温度制御手段302は、位相制御パターンAに基づいて、スイッチング手段303を制御し、定着ヒータ206に交流電源電圧を印加する。すなわち、温度制御手段302が、ゼロクロス検出手段305が検出するゼロクロス時点を確認しながら、位相制御パターンAの位相角毎に、言い換えると、基準通電時間よりも長い時間毎に、スイッチング手段303のオンオフを実行する(図4:S107)。
図7Aには、定着ヒータへ入力される交流電源の電圧波形と、位相制御パターンAの各位相角段階とを対応付けた図である。なお、説明の都合上、交流電源の電圧値は絶対値で示している。
図7Aに示すように、温度制御手段302が、位相制御パターンAの各位相角段階に対応するように、交流電源電圧のゼロクロス時点(位相角が0°)で、スイッチング手段303をオンし(オン状態)、当該交流電源電圧の半周期の位相角が位相制御パターンAの所定の位相角を満たした時点で、スイッチング手段303をオフする(オフ状態)。そうすると、一位相角に対応するスイッチング手段303のオンオフの時間間隔が定着ヒータ206に交流電源電圧を印加する時間(通電時間)となる。さらに、交流電源電圧と通電時間とを掛け合わせた面積が、定着ヒータに供給された電力に対応する。
図7A、図7Cに示すように、定格電圧を有する交流電源電圧(図7C)のピーク値PCよりも小さいピーク値PAを有する交流電源電圧(図7A)が定着ヒータ206に印加される場合、定着ヒータ206には、基準通電時間よりも長い時間毎に、当該交流電源電圧が入力される。そのため、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値PCよりも小さいピーク値PAを有する交流電源電圧であっても、通電時間が長い分、定着ヒータ206が通常の通電制御と同等またはそれに近い昇温効率で加熱することとなる。その結果、単位時間当たりの定着ヒータ206の発熱量を低下させることなく、効率よく定着ヒータ206のヒータ温度を定着可能な温度に上昇させることが可能となる。
温度制御手段302は、スイッチング手段303を介して、位相制御パターンAの各位相角の段階のうち、最後の位相角(例えば、180°)に対応して定着ヒータ206に交流電源電圧を印加しながら、サーミスタ207を介して所定の温度を検出する。温度制御手段302が、定着ヒータ206のヒータ温度が所定の温度まで上昇したことを検出すると、定着ヒータ206の定常駆動(例えば、所定の位相角でスイッチング手段303のオンオフを制御する駆動)に切り換えて、定着ヒータ206の交流電源電圧の印加を制御する。言い換えると、温度制御手段302が、定着ヒータ206の昇温条件から定着ヒータ206の定常条件へ切り換える(図4:S108)。
定着ヒータ206の定常駆動への切り換えが完了すると、温度制御手段302は、定着ヒータ206の昇温を完了した旨の指示を画像形成手段304に送信する。画像形成手段304は、当該指示に基づいて定着ヒータ206の昇温完了を確認する。また、画像形成手段304は、他の状態(条件)、例えば、感光体ドラム110が画像形成可能な回転速度に到達した状態等を確認して、画像形成可能な状態への移行を完了する。
例えば、次に、ユーザが、原稿台に原稿を載置して、操作部101のスタートボタンを押下すると、即時に画像読取部102が原稿の画像を読み取り、画像形成部109がその画像に基づいて形成した可視像をシートに定着し、印刷物を出力することになる。
一方、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、通電時間変更手段308は、基準通電時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示(指示B)を温度制御手段に送信する(図4:S104NO→S109YES→S110)。
温度制御手段302は、当該指示Bを受信すると、基準通電時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加するよう制御する。すなわち、温度制御手段302は、位相制御パターンテーブル600を参照し、位相制御パターンBに対応する各位相角段階を参照する(図4:S111)。さらに、温度制御手段302は、位相制御パターンBの各位相角段階に基づいて、スイッチング手段303を制御し、定着ヒータ206に交流電源電圧を印加する(図4:S112)。
図7Bには、定着ヒータ206へ入力される交流電源の電圧波形と、位相制御パターンBの各位相角段階とを対応付けた図である。なお、説明の都合上、交流電源の電圧値は絶対値で示している。
図7B、図7Cに示すように、定格電圧を有する交流電源電圧(図7C)のピーク値PCよりも大きいピーク値PBを有する交流電源電圧(図7B)が定着ヒータ206に印加される場合、定着ヒータ206には、基準通電時間よりも短い時間毎に、当該交流電源電圧が入力される。そのため、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値PCよりも大きいピーク値PBを有する交流電源電圧であっても、通電時間が短い分、定着ヒータに過剰な交流電源電圧が印加されることを防止し、定着ヒータ206が通常の通電制御と同等またはそれに近い昇温効率で加熱することとなる。その結果、単位時間当たりの定着ヒータの発熱量を低下させることなく、効率よく定着ヒータ206のヒータ温度を定着可能な温度に上昇させることが可能となる。また、過剰に交流電源電圧が印加されない分、複合機以外に交流電源から電力を供給されている電気機器にフリッカ(照明のちらつき)等が発生するのを防止することが可能となる。
温度制御手段302は、スイッチング手段303を介して、位相制御パターンBの各位相角の段階のうち、最後の位相角(例えば、180°)に対応して定着ヒータ206に交流電源電圧を印加しながら、サーミスタ207を介して所定の温度を検出する。温度制御手段302が、定着ヒータ206のヒータ温度が所定の温度まで上昇したことを検出すると、定着ヒータ206の定常駆動に切り換えて、定着ヒータ206の交流電源電圧の印加を制御する(図4:S108)。
定着ヒータ206の定常駆動への切り換えが完了すると、温度制御手段302は、定着ヒータ206の昇温を完了した旨の指示を画像形成手段304に送信する。画像形成手段304は、当該指示に基づいて定着ヒータ206の昇温完了を確認する。また、画像形成手段304は、他の状態(条件)を確認して、画像形成可能な状態への移行を完了する。
このように、上記温度制御手段302が定着ヒータの昇温を開始する際に、判定時間を算出する判定時間算出手段306と、上記判定時間と基準判定時間とを比較する判定時間比較手段307と、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段302に送信し、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段302に送信する通電時間変更手段308とを備えるよう構成している。
これにより、定着ヒータに供給される交流電源電圧が定格電圧を有する交流電源電圧よりも低い場合、上記判定時間が基準判定時間よりも大きくなるため、所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させることとなる。そのため、定着ヒータに交流電源電圧を印加する時間である通電時間を、定格電圧時の通電時間よりも長くすることが可能となる。その結果、定格電圧を有する交流電源電圧よりも低い交流電源電圧であるにも関わらず、定着ヒータを昇温させるために要する時間を長期化することなく、効率よく定着ヒータの温度を上昇させることが可能となる。
一方、定着ヒータに供給される交流電源電圧が定格電圧を有する交流電源電圧よりも高い場合、上記判定時間が基準判定時間よりも小さくなるため、所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させることとなる。そのため、通電時間を、定格電圧時の通電時間よりも短くすることが可能となる。その結果、定着ヒータに過剰に交流電源電圧を印加することなく、効率よく定着ヒータの温度を上昇させることが可能となる。過剰な交流電源電圧の印加を防止することにより、例えば、複合機以外の電気機器(例えば、蛍光灯等)が当該交流電源電圧に接続されていたとしても、電圧変動により生じるフリッカ(蛍光灯のちらつき)等も併せて防止することが可能となる。
従って、定着ヒータを昇温させる際に使用する交流電源に電圧変動が発生したとしても、その変動に対応して、定着ヒータの昇温条件を変更し、効率よくヒータ温度を上昇させることが可能となる。また、当該複合機では、交流電源電圧のピーク値を検出するピーク検出手段(回路)を備える必要がないため、複合機全体として、新たに部品点数を増加することなく、コストの低減、省スペース化、コンパクト化を達成することが可能となる。
また、上記所定の基準値が、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも低い値であるよう構成することができる。
これにより、交流電源が大きく電圧変動したとしても、その交流電源電圧と所定の基準値とが交差する可能性を高めることが可能となる。そのため、どのような交流電源の電圧環境であっても、判定時間を算出することが可能となり、結果として、適切に定着ヒータのヒータ温度を上昇させることが可能となる。
なお、上述で説明しなかったが、判定時間が基準判定時間と同等である場合、言い換えると、交流電源電圧が定格電圧を有する交流電源電圧である場合は、従来と同様の温度制御となる。以下で簡単に説明する。
判定時間が基準判定時間と同等である場合、通電時間変更手段308は、基準通電時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示(指示C)を温度制御手段に送信する(図4:S104NO→S109NO→S113)。
温度制御手段302は、当該指示Cを受信すると、位相制御パターンテーブル600を参照し、基準位相制御パターンに対応する各位相角段階を参照する(図4:S114)。さらに、温度制御手段302は、基準位相制御パターンの各位相角段階に基づいて、スイッチング手段303を制御し、定着ヒータ206に交流電源電圧を印加する(図4:S115)。
基準位相制御パターンは、定格電圧を有する交流電源電圧のゼロクロス時点から半周期までの位相角を所定の段階数で区分した各位相角段階を有する位相制御パターンであるから、従来通りに、基準通電時間毎に定着ヒータ206に交流電源電圧が印加され、ヒータ温度が定着可能な温度まで上昇する。
温度制御手段302は、スイッチング手段303を介して、基準位相制御パターンの各位相角の段階のうち、最後の位相角(例えば、180°)に対応して定着ヒータに交流電源電圧を印加しながら、サーミスタ207を介して所定の温度を検出する。温度制御手段302が、定着ヒータ206のヒータ温度が所定の温度まで上昇したことを検出すると、定着ヒータ206の定常駆動に切り換えて、定着ヒータ206の交流電源電圧の印加を制御する(図4:S108)。
このようにして、温度制御手段302は、定着ヒータのヒータ温度を上昇させる。
なお、本発明の実施形態では、判定時間比較手段が、判定時間算出手段から受信した判定時間と基準判定時間とを比較し、当該判定時間と基準判定時間との大小関係を判定するよう構成したが、他の構成であっても構わない。例えば、判定時間を基準判定時間で除算した値である変化率を判定の基準として採用しても構わない。当該変化率を採用すると、変化率が1より大きい場合は、判定時間が基準判定時間よりも大きい場合に対応し、変化率が1より小さい場合は、判定時間が基準判定時間よりも小さい場合に対応する。また、変化率が1または1に近い値の場合は、判定時間が基準判定時間と同等の場合に対応する。1に近い値はユーザ等により適宜設計変更される。
また、本発明の実施形態では、スリープ状態において温度制御手段がスイッチング手段を介して交流電源電圧を印加しないよう構成しているが、他の構成を採用しても構わない。例えば、画像形成装置の種類に応じて、スリープ状態であっても、定着可能な温度と常温との間の所定の温度に維持するよう、所定の電圧を定着ヒータに印加する場合もある。これは、スリープ状態から画像形成可能な状態へ迅速に復帰可能とするためである。その場合は、予めユーザ等により設定された当該所定の温度を維持するように、温度制御手段がスイッチング手段を制御することとなる。なお、その場合であっても、所定の温度から定着可能な温度まで上昇させる条件は、スリープ状態に交流電源電圧が定着ヒータに印加されていない場合と同様であるから、判定時間算出手段と、パターン変更手段とを採用し、本発明の作用効果を得ることは可能である。
また、本発明の実施形態では、複合機が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを複合機に読み出させ、その複合機が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明にかかる画像形成装置は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、新たに部品点数を追加することなく、どのような交流電源の環境条件においても、定着ヒータを適切に昇温することが可能な画像形成装置として有効である。
本発明の実施形態に係る複合機内部の全体構成を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る発明の制御系ハードウェア等の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。 本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る交流電源の電圧波形と所定の基準値とを示す図である。 本発明の実施形態に係る位相制御パターンテーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る定着ヒータへ入力される交流電源の電圧波形とそれぞれ位相制御パターンの各位相角段階とを対応付けた図である。
符号の説明
100 複合機
206 定着ヒータ
207 サーミスタ
214 交流電源
301 条件受付手段
302 温度制御手段
303 スイッチング手段
304 画像形成手段
305 ゼロクロス検出手段
306 判定時間算出手段
307 判定時間比較手段
308 通電時間変更手段
309 位相制御パターン記憶手段

Claims (2)

  1. 所定の周波数を有する交流電源電圧の電圧値がゼロとなるゼロクロス時点を検出するゼロクロス検出手段と、定着ヒータの昇温開始の指示を受信すると、当該ゼロクロス時点からの交流電源電圧の半周期の位相角に応じて決定される所定の時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加して、定着ヒータの温度を上昇させる温度制御手段とを備えた画像形成装置において、
    上記温度制御手段が定着ヒータの昇温を開始する際に、交流電源電圧のゼロクロス時点から、当該交流電源電圧が所定の基準値と交差する時点までの間の時間間隔である判定時間を算出する判定時間算出手段と、
    上記判定時間算出手段によって算出された判定時間と、定格電圧を有する交流電源電圧により算出された基準判定時間とを比較する判定時間比較手段と、
    判定時間が基準判定時間よりも大きい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも長い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信し、
    判定時間が基準判定時間よりも小さい場合、交流電源電圧が定格電圧を有する時の上記所定の時間よりも短い時間毎に定着ヒータに交流電源電圧を印加させる指示を温度制御手段に送信する通電時間変更手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記所定の基準値が、定格電圧を有する交流電源電圧のピーク値よりも低い値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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