JP2010139350A - 画像読み取り装置 - Google Patents

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浩司 鍵谷
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Abstract

【課題】S/Nに優れた蛍光信号を得るバイオチップの画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】レーザー光を発する励起光源1と、前記レーザー光が照射されるサンプルを載置するステージ6と、前記レーザー光が照射されることによって前記サンプルが発した蛍光を光電的に検出する光検出手段11と、前記励起光源から発せられたレーザー光を前記ステージに載置した前記サンプル上に集光し、かつ、前記サンプルから発せられた蛍光を集光して前記光検出手段に導く集光手段4と、前記励起光源から前記集光手段4へ向かうレーザー光の光路内で、かつ、前記集光手段4から前記光検出手段11へ向かう蛍光の光路内に配置された光学基板3とを備え、前記光学基板は、面方向に光学特性が変化し、光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離するものであることを特徴とする画像読み取り装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオチップの画像読み取り等に好適な装置に関するものである。
一般的にバイオチップの蛍光読み取り装置は、励起波長の光ビームまたはバイオチップを一次元的または2次元的に走査してチップ上の蛍光標識された検体からの蛍光を検出する。この蛍光は非常に微弱であることから効率よく検出すること、さらにはノイズ成分である励起光の波長成分を十分に除去することが必要である。
この蛍光と励起光とを分離する方法としては、例えば特許文献1に示すように、微小ミラーにより励起光のみを反射させる方法がある。この方法を、図5を用いて概説する。
励起光源1から発せられたレーザー光2はその微小ミラー20でバイオチップ5側へ反射され、集光レンズ4にてバイオチップ5上へ集光される。バイオチップ5上に集光されたレーザー光のほとんどは正反射され、元の光路を戻り、再度微小ミラー20で反射され、励起光源1側へ戻る。すなわち、実質的に光検出手段11へは向かわない。一方、バイオチップ5上で発せられた蛍光7は同じく集光レンズ4で集光される。このとき、蛍光は、レーザー光と異なりほぼ全方位に発光するため、集光レンズの開口数で決まる領域の光が集光され、レーザー光より大きい径で出光される。そして、集光レンズ4から出光された蛍光7は、微小ミラー20の面積分だけ励起光源1側へ反射されてロスとなるが、それ以外は微小ミラー20を越えて集光レンズ9に導かれ、光検出手段11で受光される。このように、微少ミラーを用いる方法によれば、蛍光7の波長に対して微小ミラー20以外にロスを生じる面がないため、効率よく蛍光7を検出部11へ導くことができるとされている。
しかしながら、微小ミラーを用いる場合、それを固定するための支持機構が蛍光成分をロスさせてしまう問題がある。すなわち、微少ミラーは、その目的からして蛍光7の光径よりも小さくする必要があるが、かかる微少ミラーを安定に保持するためにはある程度の太さを持った支持棒などを、光路を遮って設置する必要がある。さらにバイオチップ上に照射されたレーザー光は、そのほとんどが鏡面反射として正反射され励起光源側へ戻るが、一部が微弱ではあるもののチップ表面で散乱や拡散反射する。これらの光は蛍光と同様に集光された後、微小ミラーを越えて光検出手段へ到達し、ノイズ成分となってしまう問題がある。
また、光路内にダイクロイックミラーやマルチクロイックミラーを配置し、レーザー光の波長以下の光を反射させ、当該波長を超える光を透過させることで、蛍光とレーザー光とを分離する方法も知られている。しかしながら、ダイクロイックミラーやマルチクロイックミラーの場合、レーザー光の波長に対して高反射率であるものの若干は透過してしまうため、強度の強い正反射光がどうしても通り抜け大きなノイズ成分となる。
特表2002−543370号公報
本発明の目的は、バイオチップの画像読み取り等において、検出信号のS/Nを向上させることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下のいずれかの構成を特徴とするものである。
(1)レーザー光を発する励起光源と、前記レーザー光が照射されるサンプルを載置するステージと、前記レーザー光が照射されることによって前記サンプルが発した蛍光を光電的に検出する光検出手段と、前記励起光源から発せられたレーザー光を前記ステージに載置した前記サンプル上に集光し、かつ、前記サンプルから発せられた蛍光を集光して前記光検出手段に導く集光手段と、前記励起光源から前記集光手段へ向かうレーザー光の光路内で、かつ、前記集光手段から前記光検出手段へ向かう蛍光の光路内に配置された光学基板とを備え、前記光学基板は、面方向に光学特性が変化し、光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離するものであることを特徴とする画像読み取り装置。
(2)前記光学基板は、中央部の領域(A)と該領域(A)の周囲の領域(B)とで光学特性が異なることを特徴とする、前記(1)に記載の画像読み取り装置。
(3)前記光学基板は、前記領域(A)が反射ミラー面であることを特徴とする、前記(2)に記載の画像読み取り装置。
(4)前記反射ミラー面が、前記レーザー光の波長及び前記蛍光の波長の光を80%以上反射する金属蒸着膜または誘電体多層膜であることを特徴とする、前記(3)に記載の画像読み取り装置。
(5)前記反射ミラー面の形および大きさが、前記レーザー光の前記光学基板上での形および大きさと実質的に同一であることを特徴とする、前記(3)または(4)に記載の画像読み取り装置。
(6)前記光学基板は、前記領域(B)が、前記レーザー光の波長の光を80%以上反射し、前記蛍光の波長の光を80%以上透過する特性を有するダイクロイックミラーまたはマルチクロイックミラーであることを特徴とする、前記(2)〜(5)のいずれかに記載に画像読み取り装置。
(7)前記光学基板が、前記集光手段から出光される前記蛍光の径と前記光学基板への入射光軸とのなす角によって決まる楕円形状の長軸以上の直径を有することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像読み取り装置。
(8)前記蛍光の光路に関し前記光学基板よりも下流側でかつ前記光検出手段よりも上流側に、前記レーザー光の波長以下の波長を有する光を遮蔽する励起光カットフィルターを備えていることを特徴とする、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像読み取り装置。
(9)前記蛍光の光路に関し前記励起光カットフィルターよりも下流側でかつ前記光検出手段よりも上流側に、前記励起光カットフィルターを透過した前記蛍光を集光するレンズと、前記レンズの焦点距離で決まる焦点位置にピンホールを有する板状部材とを有し、前記レンズが前記集光手段と共焦点系を構成することを特徴とする、前記(8)に記載の画像読み取り装置。
本発明の画像読み取り装置では、励起光源と該励起光源からサンプルへ向かうまでの間の集光手段との間のレーザー光の光路内で、かつ、該集光手段から光検出手段へ向かう蛍光の光路内に、面方向に光学特性が変化している光学基板が設けられ、かかる光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離することができるように構成される。そのため、蛍光光路の遮りを最小限にして多くの蛍光を光検出手段に到達させつつも、レーザー光の正反射成分が光検出手段に到達することを防ぐことができ、また、ノイズ分となるレーザー光の拡散・散乱成分が光検出手段に到達することを防ぐことができるので、検出信号のS/N比を高めることができ、優れた画像読み取りが可能となる。
具体的には、例えば光学基板の中央部の領域(A)と該領域(A)の周囲の領域(B)とで光学特性を異ならせ、領域(A)を反射ミラー面とし、領域(B)を、実質的にレーザー光の波長の光を反射(例えば80%以上を反射)し、蛍光の波長の光を透過(例えば80%以上を透過)する特性を有するダイクロイックミラーやマルチクロイックミラーにすると、励起光源からのレーザー光は領域(A)に照射することでバイオチップ側へ反射され、集光手段でチップ上へ照射される。照射されたレーザー光はチップ上で正反射や拡散・散乱され、集光手段に再度入射し、さらにレーザー光の励起によって生じた蛍光が、同じく集光手段に入射する。集光手段に入射した光のうち、レーザー光のチップからの正反射光は照射経路を逆に遡る形で光学基板の領域(A)で光源側へ反射されるため、光学基板をほとんど透過せず、光検出手段へ到達することはない。一方、バイオチップからの蛍光は、レーザー光と異なりほぼ全方位に発光するため、集光手段の開口数で決まる領域の光が集光され、レーザー光の正反射光より大きいサイズにコリメートされ、光学基板の領域(B)を透過し、光検出手段で受光される。また、チップ上で拡散・散乱されたレーザー光は、微弱ながら蛍光と同様に光学基板の領域(B)に入射するが、そのほとんどは励起光源側に反射され、実質的に光検出手段側へ透過することはない。
そして、光学基板の領域(A)は、領域(B)によって支持されるのであって、領域(A)を単独で支持する必要がないため、蛍光の光路が何らかの支持部材で遮られることはなく、光学基板の領域(B)に到達した蛍光をロスすることなく光検出手段に入射させることができる。したがって、検出信号のS/N比が高まり、優れた画像読み取りが可能となる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るバイオチップの画像読み取り装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、バイオチップ5の画像読み取り装置の概略構成を示す平面図である。この画像読み取り装置は、レーザー光2を発する励起光源1と、レーザー光2が照射されるバイオチップ5を載置するステージ6と、レーザー光2が照射されることによってバイオチップ5が発した蛍光を光電的に検出する光検出手段11と、励起光源1から発せられたレーザー光2をステージ6に載置したバイオチップ5上に集光し、かつ、該バイオチップ5から発せられた蛍光7を集光して光検出手段11に導く集光レンズ(集光手段)4と、励起光源1から集光レンズ4へ向かうレーザー光2の光路内で、かつ、集光レンズ4から光検出手段11へ向かう蛍光7の光路内に配置された光学基板3とを備えている。励起光源1とステージ6とは、光学基板3で反射したレーザー光がステージ6上のバイオチップに入射するような位置、すなわち、レーザー光の光路が直角に屈曲するように配置されており、光検出手段11は、ステージ6上のバイオチップから発せられた蛍光を受光できるよう、光学基板3とステージ6とを結ぶ直線の延長線上でかつ該ステージ6に対向するように配置されている。また、光学基板3と光検出手段11の間、すなわちバイオチップ5から発せられる蛍光の光路に関し光学基板3よりも下流側でかつ光検出手段11よりも上流側には、レーザー光の波長以下の波長を有する光を遮蔽する励起光カットフィルター8が設けられ、さらにこの励起光カットフィルター8よりも下流側でかつ光検出手段11よりも上流側には、励起光カットフィルター8を透過した蛍光を集光する集光レンズ9と、ピンホールを有する板状部材10とが設けられている。なお、ピンホールは、集光レンズ9の焦点位置に配置されている。
ここで、励起光源1には、バイオチップ5上に配置される検体に含有された蛍光色素を励起するレーザー光を発するものであればよく、用いられる前記蛍光色素によって、それに適した発振波長をもつ光源を選択することができる。
励起光源1としては波長選択性がよくかつ指向性に優れたレーザー光源が特に適しており、固体レーザーや半導体レーザー、ガスレーザー、レーザーダイオードなどを例示できるが、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、水銀ランプなど広帯域に発光波長をもつ光源から狭帯域フィルターを通して単一波長に近づけた光を用いても良いし、LEDを用いても良く、目的とする波長とパワーが得られれば限定されるものではない。またレーザー光のビームサイズは出来るだけ小さいものが良く、例えば1mmφ以下くらいが好ましい。これは後述の蛍光との面積比率が大きいほど良いとの理由による。
検体に含有される蛍光色素としてはCy3、Cy5が用いられることが多く、その場合には例えば発振波長が約532nm、約635nmの半導体レーザー励起固体レーザー光や半導体レーザー光が用いられることが多いが、吸収波長帯が広いため、その波長内であれば別の発振波長をもつ光源を使うこともできる。
また、検体には1種類の蛍光色素を用いる場合もあれば、複数の蛍光色素を用いる場合もあることから、用いる蛍光色素に応じて複数の光源を同時に用いることもできる。
光学基板3は、レーザー光2の波長を反射し、蛍光7の波長を透過させるものであって、面方向に光学特性が変化しており(すなわち図4に示すように同一平面内に光学特性が異なる部分が存在し)、その光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離する。
光学基板3は、少なくとも後述の集光レンズ4の有効口径以上であることが好ましい。光学基板3を集光レンズ4の有効口径以上とすることで、光路を遮ることなく光学基板3の周縁部を基板ホルダーなどで強固に把持することができるようになる。
また光学基板3は、集光レンズ4の光軸に対して、45°傾けて設置し、前記レーザー光2を集光レンズ4の光軸に対して90°方向から直角に導入することが好ましい。
そして光学基板3の中央部の領域(A)には、第一の光学特性面14としてレーザー光の波長を反射するミラーを形成することが好ましい。加えて光学基板3の前記領域(A)の周囲の領域(B)、すなわち光学基板3の前記第1の光学特性面14の反射ミラー部分を除く第2の光学特性面15は、反射ミラー加工などせず光学基板3の基材そのものがもつ光学鏡面そのままでも良いが、好ましくはレーザー光の波長の光を実質的に反射し(例えば80%以上を反射)、蛍光7の波長の光を実質的に透過(例えば80%以上を透過)する特性をもつダイクロイックミラーとするのが良い。
このようにすることで、前記第1の光学特性面14の反射ミラーの領域を越えて入射してくる拡散・散乱成分も、ダイクロイックミラーがもつ特性によってそのほとんどのエネルギーが励起光源1側へ反射させられ、前記レーザー光の光検出手段11側への透過を抑制することが可能となる。なおレーザー光に1波長だけでなく複数波長を用いる場合には、それぞれの励起光の波長の光を実質的に反射し、それぞれに対応する蛍光の波長の光を実質的に透過するマルチクロイックミラーとすることが好ましい。
光学基板3の中央部の領域(A)の反射ミラー部分は、例えば金属蒸着膜や誘電体多層膜で構成することができる。これら金属蒸着膜や誘電体多層膜で構成すれば、バイオチップからの励起光の正反射成分を効率よく、励起光源側へ反射することができるため、ノイズ成分となる該励起光の正反射成分の蛍光の光路への侵入を抑えることができる。
ところで、前記第1の光学特性面14の反射ミラー部分は、本来この光学基板3を透過すべき蛍光7をも励起光源1側へ反射しロスを増加させてしまう。そのため、該反射ミラーは、少なくともレーザー光の光学基板3上での大きさおよび形状にできる限り近づけ、領域(A)におけるバイオチップからの蛍光のロスを最低限に抑えることが好ましい。実質的に同一形状、同一寸法であることがより好ましい。つまりレーザー光のビームサイズが1mmφであり、光学基板3がレーザー光の光軸に対して45°傾いている場合、1mmφ×sin45°=約1.4mmφとなり、長軸1.4mm、短軸1.0mmの楕円形状のミラーとするのが良い。なお実質的に同一とは、前記ビームサイズに対して+5%以内のサイズをいう。
一方、光学基板3としては、集光レンズ4から出光される蛍光の径と該光学基板3への入射光軸とのなす角によって決まる楕円形状の長軸以上の直径を有していることが好ましい。そのような直径を有する光学基板とすることで、該光学基板の中央部の領域(A)以外での蛍光のロスを無くし、効率よく蛍光を光検出手段11へ透過させることができるとともに、該光学基板3の中央部の領域(A)を前記レーザー光と前記蛍光の光路の中央部分に安定に強固に固定することが可能となり、検出信号のS/N比が高まり、より優れた画像読み取りが可能となる。具体的には、前記光学基板の直径を前記蛍光と該光学基板への入射光軸とのなす角によって決まる楕円形状の直径以上とすることで、該直径を超える部分を機械的に例えばミラーホルダーなどによって強固に保持できることになる。
その結果、光学基板3は、蛍光と該光学基板3への入射光軸とのなす角によって決まる楕円形状の直径(以下、直径Aという)を超える部分で強固に支持され、また、該光学基板の中央部の領域(A)は該光学基板そのものによって支持されることになるため、領域(A)以外で支持体などによって機械的な要因で蛍光をロスすることがなくなり、検出信号のS/N比が高まり、優れた画像読み取りが可能となる。
集光レンズ4は、励起光源1から光学基板3を介して伝搬してきたレーザー光をバイオチップ5上に集光し、バイオチップ5で正反射されたレーザー光を再度集光し、前記光学基板3へ出射するとともに、レーザー光の照射によってバイオチップ5上の検体に含有された蛍光色素が励起されることで発生した蛍光7を集光し、コリメートして前記光学基板3へ出射するものであって、光学系に応じて平凸レンズや両凸レンズなどの単レンズを用いても良いし、収差の少ない非球面レンズを用いても良い。また励起光に複数の波長の光を用いる場合には、色収差が補正されたアクロマティックレンズを用いることもできる。また顕微鏡の対物レンズを用いても良い。
励起光カットフィルター8は、前記光学基板3を透過してきた蛍光7を透過させつつ、前記光学基板3では除去されずに透過してきた微弱な励起光をカットするものであって、例えば、光学基板3をわずかに透過してきたレーザー光を光検出手段11での検出限界以下にまで除去し、検出信号のS/N比を高めるためのものである。かかるフィルターとしては、レーザー光の波長以下の波長を有する光を遮蔽するシャープカットフィルターや広帯域バンドパスフィルター、より好ましくは蛍光7の波長のみを選択的に透過させる干渉フィルターなどの狭帯域バンドパスフィルターを用いるのが良い。また複数の波長の励起光を用いる場合、それぞれの蛍光の波長に対応する狭帯域フィルターを準備し、使用する波長に応じて切り換えれば良い。勿論、検出する波長の数だけ光検出手段を用意し、ダイクロイックミラーなどでそれぞれ専用の光路を設けて、それぞれに対応する狭帯域フィルターを設置し、同時検出するような構成もできる。
集光レンズ9は、前記励起光カットフィルター8によって選択された蛍光を光検出手段に集光するものであって、一般的な平凸レンズ、両凸レンズ、または非球面レンズなどの単レンズや、複数の波長に対して色収差が補正されたアクロマティックレンズなどを用いることができる。
そして、集光レンズ9は、より効率的に蛍光を検出するために前記集光レンズ4と共焦点系を構成するのが好ましく、同じ焦点距離のものを用いるのが良いが、特に限定されるものではなく、要求性能を満たす焦点距離のものを選択できる。
ピンホールを有する板状部材10は、前記共焦点系において、集光レンズ4の焦点から外れた位置からの入射してくる外乱光を除去するものである。集光レンズ9の焦点距離や蛍光7の入射口径などによって決まる集光点でのスポットサイズと同程度の径のピンホールを有するものであれば特に限定されるものではなく、求める光学性能に応じて任意に選択できる。
ここで、サンプル5は、バイオチップであって、図6に示すように基板上に柱状の凹凸を複数有し、その凸部の上面に選択適合性物質が固定化されていることが多いが、このようなバイオチップを上記実施形態のような共焦点系で構成された光学系で処理すると、S/N比をより効果的に高めることができ、好適である。すなわち、蛍光の光路に関し励起光カットフィルターよりも下流側でかつ光検出手段よりも上流側に、励起光カットフィルターを透過した蛍光を集光する集光レンズ9と、ピンホールを有する板状部材10とを設け、さらに集光レンズ9と集光レンズ4とで共焦点系を構成すると、集光レンズ4の焦点位置以外からの光は集光レンズ9とピンホールを有する板状部材10によって除去される。言い換えればピントのあった場所の光しか光検出手段11に入射しない。一方、基板上に複数の凹凸を有している上記バイオチップは、その凹凸構造の凸部の上面に蛍光標識された検体が配置されており、集光レンズ4の焦点も前記凸部の上面に調整されることになる。そのため、バイオチップ5は前記移動手段により1次元的又は2次元的にスキャンされるが、凹部の底面に間違って配置された検体があっても、その部分にはピントが合っていないので、仮にレーザー光2によって励起されて蛍光を発したとしても、光検出手段に受光されることがない。同様に凹部で散乱や拡散反射されたレーザー光2についてもピントがあっていないため、前記光検出手段には集光されない。つまり凹凸構造が故に始めから凸部以外の情報が除去されるようになるのでS/N比のよい画像の読み取りが可能となる。
したがって、本発明の装置によれば、表面に柱上の凹凸を複数有するバイオチップが好ましく処理される。かかるバイオチップの凸部の数は任意で選ぶことが出来るが、最も高い凸部の高さと最も低い凸部の高さの差が50μm以下であることが好ましい。また前記バイオチップの材質は選択適合性物質の固定化が行えるものであれば特に限定されるものではなく、熱可塑性共重合体で構成されたものであっても良いし、ガラスでも良いが、カーボンブラックが混入されているのが好ましい。
光検出手段11は、集光された蛍光を検出し、光電変換するものであればよい。好ましくは増幅率が高く高感度な光電子増倍管を用いるのがよいが、信号強度に応じてフォトダイオードやアバランシェフォトダホトダイオードを用いても良いし、2次元光検出手段としてCCDカメラを用いても良いし、より高い増幅率を得るためにマルチチャンネルプレートを併せて用いても良い。
光検出手段11にはデータ処理部12が接続されているが、かかるデータ処理部12は、光検出手段11で得られた蛍光の信号を元に画像化を行うものであって、パソコンなどの演算装置と処理を行うソフトウェアから構成される。また、光検出手段11で得られた電気信号をフィルタリングや増幅して画像化に適した信号に加工する信号処理回路を含んでも良い。
上記装置によるバイオチップの画像読み取り方法を以下に説明するが、光学基板3が、中央部の領域(A)と該領域(A)の周囲の領域(B)とで光学特性が異なり、かつ、領域(A)が反射ミラー面であり、領域(B)が、実質的にレーザー光の波長の光を反射(例えば80%以上を反射)し、蛍光の波長の光を透過(例えば80%以上を透過)する特性を有するダイクロイックミラーやマルチクロイックミラーであるとして説明する。
励起光源1から出射したレーザー光2は、一旦光学基板3に照射されるが、このとき、光学基板3の領域(A)に照射することで反射され、集光レンズ4に入射し、バイオチップ(サンプル)5上に集光される。前記バイオチップ5上に集光されたレーザー光は、その殆どが図2に示すようにバイオチップ表面で正反射され、入射してきた経路を戻り励起光源側へ戻るが、レーザー光の一部はバイオチップ上に配置された検体に含有される蛍光色素に吸収され、蛍光7が発生する。一般的に蛍光は図中の破線16、17で示すように全方向に均一に拡がり、集光レンズ4で決まる立体角内の蛍光7が集光され、コリメートされる。また、わずかであるがレーザー光のさらに一部がバイオチップ表面の持つ凹凸等によって拡散や散乱され、図3に示すようにある指向性を持って、例えば破線18,19のように拡がり、蛍光7と同様に集光レンズ4で集光されコリメートされる。このように、コリメートされた蛍光7とわずかであるがレーザー光の拡散・散乱成分は集光レンズ4で決まるビーム径で、またレーザー光の正反射成分はその中心部分を伝搬する形で光学基板3に向かう。そして、光学基板3では、中央部の領域(A)がミラー面であり、その周囲の領域(B)が、レーザー光の波長の光を実質的に反射し、蛍光の波長の光を実質的に透過する特性を有しているので、中央部の領域(A)に到達したレーザー光の正反射成分および領域(B)に到達したレーザー光の拡散・散乱成分は励起光源側へ反射され、光学基板3の領域(B)に到達した蛍光7は該光学基板を透過する。光学基板3を透過した蛍光7は励起光カットフィルター8を通り、蛍光7の波長成分のみが選択され、集光レンズ9、ピンホールを有する板状部材10を介して光検出手段11に集光され、光電変換された後、信号処理をされてデータ処理部12で画像として形成される。
このように本発明の装置おいては、面方向に光学特性が変化し、光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離する光学基板を、励起光源と該励起光源からサンプルへ向かうまでの間の集光手段との間のレーザー光の光路内で、かつ、該集光手段から光検出手段へ向かう蛍光の光路内に設けるため、ノイズ分となる励起光成分が光検出手段に到達することを防ぐことができるとともに、蛍光のロスを最小限に抑えながら光学基板を励起光/蛍光の伝搬光路中に安定に把持することが出来るため、励起光と蛍光をより高い分離性能で分離でき、検出信号のS/N比に優れた画像読み取りを行うことができる。
なお、本発明においては、上記実施形態における光検出手段11と励起光源1との位置を反対にしてもよく、光学基板3を経た後の蛍光をさらに反射、屈曲させてから光検出手段に導いてもよい。
本発明は、バイオチップの画像読み取り装置に限らず、マイクロプレートの測定装置などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明の実施の形態を示す概略構成図である。 励起光の正反射成分と蛍光の拡がりの関係を説明する拡大図である。 励起光の散乱・拡散反射成分の拡がりを説明する拡大図である。 光学基板の特性面を説明する概略構成図である。 従来技術の実施の形態を示す概略構成図である。 バイオチップの形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 励起光源
2 励起光(レーザー光)
3 光学基板
4 集光レンズ
5 バイオチップ
6 ステージ
7 蛍光
8 励起光カットフィルター
9 集光レンズ
10 ピンホール
11 光検出手段
12 データ処理部

Claims (9)

  1. レーザー光を発する励起光源と、前記レーザー光が照射されるサンプルを載置するステージと、前記レーザー光が照射されることによって前記サンプルが発した蛍光を光電的に検出する光検出手段と、前記励起光源から発せられたレーザー光を前記ステージに載置した前記サンプル上に集光し、かつ、前記サンプルから発せられた蛍光を集光して前記光検出手段に導く集光手段と、前記励起光源から前記集光手段へ向かうレーザー光の光路内で、かつ、前記集光手段から前記光検出手段へ向かう蛍光の光路内に配置された光学基板とを備え、前記光学基板は、面方向に光学特性が変化し、光学特性の違いを利用してレーザー光と蛍光とを互いに異なる方向へ分離するものであることを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 前記光学基板は、中央部の領域(A)と該領域(A)の周囲の領域(B)とで光学特性が異なることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 前記光学基板は、前記領域(A)が反射ミラー面であることを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り装置。
  4. 前記反射ミラー面が、前記レーザー光の波長及び前記蛍光の波長の光を80%以上反射する金属蒸着膜または誘電体多層膜であることを特徴とする請求項3に記載の画像読み取り装置。
  5. 前記反射ミラー面の形および大きさが、前記レーザー光の前記光学基板上での形および大きさと実質的に同一であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像読み取り装置。
  6. 前記光学基板は、前記領域(B)が、前記レーザー光の波長の光を80%以上反射し、前記蛍光の波長の光を80%以上透過する特性を有するダイクロイックミラーまたはマルチクロイックミラーであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載に画像読み取り装置。
  7. 前記光学基板が、前記集光手段から出光される前記蛍光の径と前記光学基板への入射光軸とのなす角によって決まる楕円形状の長軸以上の直径を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  8. 前記蛍光の光路に関し前記光学基板よりも下流側でかつ前記光検出手段よりも上流側に、前記レーザー光の波長以下の波長を有する光を遮蔽する励起光カットフィルターを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  9. 前記蛍光の光路に関し前記励起光カットフィルターよりも下流側でかつ前記光検出手段よりも上流側に、前記励起光カットフィルターを透過した前記蛍光を集光するレンズと、前記レンズの焦点距離で決まる焦点位置にピンホールを有する板状部材とを有し、前記レンズが前記集光手段と共焦点系を構成することを特徴とする請求項8に記載の画像読み取り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112326610A (zh) * 2020-10-28 2021-02-05 瑞莱生物科技江苏有限公司 一种定量荧光检测光学装置

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