JP2010139089A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】受液器の吸い上げ管の詰まりを防止しうる熱交換器を提供する
【解決手段】熱交換器の受液器7内における冷媒流入口32とその上方に位置する冷媒流出口33との間の高さ位置に第1仕切部材44を配置し、同じく冷媒流入口32よりも下方の高さ位置に第2仕切部材45を配置する。受液器7内に、第1仕切部材44と第2仕切部材45との間の冷媒流入口32が臨む第1空間46と、第2仕切部材45よりも下方の第2空間47と、第1仕切部材44よりも上方の冷媒流出口33が臨む第3空間48とを設ける。受液器7内に、下端が第2空間47に開口し、上端が第3空間48に開口する吸い上げ管49を配置する。第2仕切部材45に、第1空間46と第2空間47とを通じさせる連通穴54を形成する。受液器7内の第2空間47に、冷媒が吸い上げ管49内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタ52を配置する。
【選択図】図2
【解決手段】熱交換器の受液器7内における冷媒流入口32とその上方に位置する冷媒流出口33との間の高さ位置に第1仕切部材44を配置し、同じく冷媒流入口32よりも下方の高さ位置に第2仕切部材45を配置する。受液器7内に、第1仕切部材44と第2仕切部材45との間の冷媒流入口32が臨む第1空間46と、第2仕切部材45よりも下方の第2空間47と、第1仕切部材44よりも上方の冷媒流出口33が臨む第3空間48とを設ける。受液器7内に、下端が第2空間47に開口し、上端が第3空間48に開口する吸い上げ管49を配置する。第2仕切部材45に、第1空間46と第2空間47とを通じさせる連通穴54を形成する。受液器7内の第2空間47に、冷媒が吸い上げ管49内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタ52を配置する。
【選択図】図2
Description
この発明は、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルに用いられる熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、図1および図4の上下を上下というものとする。
近年、車体への組み付け性の向上や、設置スペースの節約を図ること、および冷凍サイクルの冷凍能力の向上を図ることを目的として、カーエアコンを構成する冷凍サイクルの熱交換器として、たとえば互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた上下方向にのびる筒状の受液器とを備えており、両タンクがそれぞれ同一高さ位置に設けられた仕切壁によりタンクの長さ方向に2つのヘッダに区画され、両仕切壁よりも下側の部分にコンデンサとしての機能を有する凝縮部が設けられるとともに、両仕切壁よりも上側の部分に過冷却器としての機能を有する過冷却部が設けられ、受液器に、タンクにおける凝縮部のヘッダから受液器内に冷媒を送り込む冷媒流入口および受液器からタンクにおける過冷却部のヘッダに冷媒を送り出す冷媒流出口が、前者が下方に位置するように上下方向に間隔をおいて形成され、受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に、受液器内を、冷媒流入口が臨む第1空間と冷媒流出口が臨む第2空間とに区画する仕切部材が配置されており、受液器内に、下端が第1空間の下端部に開口するとともに、他端が第2空間に開口する吸い上げ管が配置され、受液器内における第2空間に、吸い上げ管に繋がるようにフィルタが配置され、第1空間に乾燥剤が配置されている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1記載の熱交換器においては、凝縮部を通過した冷媒が冷媒流入口から受液器内の第1空間に流入した後、吸い上げ管を通って第2空間に流入し、ついでフィルタを通過した後に冷媒流出口から過冷却部に入るようになっている。
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器においては、受液器内に、下端が第1空間の下端部に開口するとともに、他端が第2空間に開口する吸い上げ管が配置され、受液器内における第2空間に、吸い上げ管に繋がるようにフィルタが配置されており、吸い上げ管を通った後にフィルタを通過するようになっているので、冷媒流入口から受液器内の第1空間に流入した冷媒中に異物が含まれている場合、吸い上げ管が異物により詰まるおそれがある。
特開2003−139438号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、受液器の吸い上げ管の詰まりを防止しうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、いずれか一方のタンクに取り付けられた上下方向にのびる筒状受液器とを備えており、受液器に、冷媒流入口および冷媒流出口が、前者が下方に位置するように上下方向に間隔をおいて形成された熱交換器において、
受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に受液器内を上下に区画する第1仕切部材が配置されるとともに、受液器内における冷媒流入口よりも下方の高さ位置に受液器内を上下に区画する第2仕切部材が配置され、受液器内に、第1仕切部材と第2仕切部材との間の冷媒流入口が臨む第1空間と、第2仕切部材よりも下方の第2空間と、第1仕切部材よりも上方の冷媒流出口が臨む第3空間とが設けられており、受液器内に、下端が第2空間に開口するとともに、上端が第3空間に開口する吸い上げ管が配置され、第2仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる連通穴が形成され、受液器内の第2空間に、冷媒が吸い上げ管内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタが配置されている熱交換器。
受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に受液器内を上下に区画する第1仕切部材が配置されるとともに、受液器内における冷媒流入口よりも下方の高さ位置に受液器内を上下に区画する第2仕切部材が配置され、受液器内に、第1仕切部材と第2仕切部材との間の冷媒流入口が臨む第1空間と、第2仕切部材よりも下方の第2空間と、第1仕切部材よりも上方の冷媒流出口が臨む第3空間とが設けられており、受液器内に、下端が第2空間に開口するとともに、上端が第3空間に開口する吸い上げ管が配置され、第2仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる連通穴が形成され、受液器内の第2空間に、冷媒が吸い上げ管内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタが配置されている熱交換器。
2)フィルタが、第2仕切部材に設けられている上記1)記載の熱交換器。
3)第2仕切部材の下面における連通穴の周囲の部分に、フィルタ保持部材が固定状に設けられており、フィルタ保持部材にフィルタが保持されている上記2)記載の熱交換器。
4)受液器内の第1空間に乾燥剤が配置されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
5)受液器が取り付けられた第1のタンクが、第1の仕切壁により第1タンクの長さ方向に2つのヘッダに区画され、同じく他方の第2タンクが、第2の仕切壁により第2タンクの長さ方向に2つのヘッダに区画されており、両仕切壁が、両タンクの長さ方向に関して同一位置にあり、両仕切壁よりも下側の部分にコンデンサとしての機能を有する凝縮部が設けられ、同じく両仕切壁よりも上側の部分に過冷却器としての機能を有する過冷却部が設けられ、凝縮部の第1タンク側ヘッダから流出した冷媒が冷媒流入口を通って受液器内に入り、受液器の冷媒流出口から流出した冷媒が、過冷却部の第1タンク側のヘッダに流入するようになっている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
上記1)〜5)の熱交換器によれば、受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に受液器内を上下に区画する第1仕切部材が配置されるとともに、受液器内における冷媒流入口よりも下方の高さ位置に受液器内を上下に区画する第2仕切部材が配置され、受液器内に、第1仕切部材と第2仕切部材との間の冷媒流入口が臨む第1空間と、第2仕切部材よりも下方の第2空間と、第1仕切部材よりも上方の冷媒流出口が臨む第3空間とが設けられており、受液器内に、下端が第2空間に開口するとともに、上端が第3空間に開口する吸い上げ管が配置され、第2仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる連通穴が形成され、受液器内の第2空間に、冷媒が吸い上げ管内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタが配置されているので、冷媒は冷媒流入口から受液器内の第2空間に流入した後、第2仕切部材の連通穴を通って第2空間に流入し、ついでフィルタを通過した後に吸い上げ管を通って第3空間に流入し、冷媒流出口から流出する。したがって、冷媒流入口から受液器内の第2空間に流入した冷媒中に異物が含まれている場合であっても、冷媒が吸い上げ管内に流入する前に、フィルタにより異物が除去される。その結果、吸い上げ管の異物による詰まりを防止することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態は、この発明による熱交換器を、コンデンサの機能を有する凝縮部と、過冷却器の機能を有する過冷却部とが一体化された熱交換器に適用したものである。
以下の説明において、図1および図4の左右を左右というものとし、図1および図4の紙面表側を前、これと反対側を後というものとする。また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
図1は熱交換器の全体構成を示し、図2および図3はその要部の構成を示す。
図1において、熱交換器(1)は、互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる左右1対のアルミニウム製タンク(2)(3)と、両タンク(2)(3)間に幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置され、かつ左右両端部が両タンク(2)(3)にそれぞれ接続された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(4)と、隣り合う熱交換管(4)間および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側に配置されてコルゲートフィン(5)にろう付された上下1対のアルミニウム製サイドプレート(6)と、左タンク(2)の上部に固定された取付部材(8)に、上部が取り付けられた受液器(7)とを備えている。
熱交換器(1)の両タンク(2)(3)内は、上部の同一高さ位置においてそれぞれ仕切壁(9)(11)により上下に区画されており、両仕切壁(9)(11)よりも下方の部分に、気相の冷媒を凝縮させて液相とするコンデンサの機能を有する凝縮部(12)が設けられ、両仕切壁(9)(11)よりも上方の部分に、凝縮部(12)で凝縮された液状冷媒を凝縮温度よりも5〜15℃程度低い温度まで過冷却する過冷却器の機能を有する過冷却部(13)が設けられている。
ここで、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも下方の部分が凝縮部(12)の左ヘッダ(14)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも下方の部分が凝縮部(12)の右ヘッダ(15)である。また、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも上方の部分が過冷却部(13)の左ヘッダ(16)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも上方の部分が過冷却部(13)の右ヘッダ(17)である。
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)は、上下方向の中程から若干下方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第1仕切板(18)により下ヘッダ部(15a)と上ヘッダ部(15b)とに区画されており、左ヘッダ(14)は第1仕切板(18)よりも上方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第2仕切板(19)により下ヘッダ部(14a)と上ヘッダ部(14b)とに区画されている。そして、凝縮部(12)に、第1仕切板(18)よりも下方の部分、両仕切板(18)(19)間の部分および第2仕切板(19)よりも上方の部分において、それぞれ上下に連続して並んだ熱交換管(4)からなる通路群(21)(22)(23)が設けられている。各通路群(21)(22)(23)を構成する熱交換管(4)の本数は、下から順次減少している。また、各通路群(21)(22)(23)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの通路群(21)(22)および(22)(23)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の下ヘッダ部(15a)の下端部に、図示しない冷媒入口に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(24)がろう付され、過冷却部(13)の右ヘッダ(17)に、図示しない冷媒出口に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(25)がろう付されている。
受液器(7)は、上下両端が開口した円筒状本体(26)と、円筒状本体(26)の下端部にろう付されて下端開口を閉鎖するアルミニウム製下キャップ(27)と、円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖する合成樹脂製の円柱状プラグ(28)とを備えている。
図2に示すように、円筒状本体(26)は、横断面円形のアルミニウム製パイプ(30)と、パイプ(30)の上端部にろう付され、かつ内周面が円筒面状となされたアルミニウム製段付き円筒状めねじ部品(31)とよりなる。円筒状本体(26)のパイプ(30)の周壁の上部には、冷媒流入口(32)および冷媒流出口(33)が、前者が下方に位置するように上下方向に間隔をおいて形成されている。冷媒流入口(32)は、取付部材(8)の下部に形成された冷媒流入路(34)を介して凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の上ヘッダ部(14b)に形成された冷媒出口(35)に通じさせられ、冷媒流出口(33)は、取付部材(8)の上部に形成された冷媒流出路(36)を介して過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に形成された冷媒入口(37)に通じさせられている。
プラグ(28)の外周面には、めねじ部品(31)の内周面のめねじ(41)にねじ合わされるおねじ(42)が形成されており、プラグ(28)がめねじ部品(31)内にねじ嵌められることにより、円筒状本体(26)の上端開口がプラグ(28)によって閉鎖されている。また、プラグ(28)の外周面におけるおねじ(42)よりも下方の部分と、めねじ部品(31)の内周面におけるめねじ(41)よりも下方の部分との間がOリング(43)によってシールされている。
受液器(7)内における冷媒流入口(32)と冷媒流出口(33)との間の高さ位置に、受液器(7)内を上下に区画する板状の第1仕切部材(44)が配置されるとともに、受液器(7)内における冷媒流入口(32)よりも下方の高さ位置に、受液器(7)内を上下に区画する板状の第2仕切部材(45)が配置されており、これにより受液器(7)内に、第1仕切部材(44)と第2仕切部材(45)との間の冷媒流入口(32)が臨む第1空間(46)と、第2仕切部材(45)よりも下方の第2空間(47)と、第1仕切部材(44)よりも上方の冷媒流出口(33)が臨む第3空間(48)とが設けられている。また、受液器(7)内に、下端が第2空間(47)の下端部に開口するとともに、上端が第3空間(48)に開口する複数の吸い上げ管(49)が配置されている。受液器(7)内の第1空間(46)に乾燥剤(図示略)が収容された袋状の乾燥剤容器(51)が配置されている。受液器(7)内の第2空間(47)に、冷媒が吸い上げ管(49)内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタ(52)が配置されている。
第1仕切部材(44)の上面には、上方に突出した摘み(53)が一体に設けられている。第2仕切部材(45)の中央部には、第1空間(46)と第2空間(47)とを通じさせる連通穴(54)が貫通状に形成されている。吸い上げ管(49)は、第1仕切部材(44)、および第2仕切部材(45)における連通穴(54)の周囲の部分に貫通状に固定されており、吸い上げ管(49)の下端部は受液器(7)の下端部近傍までのびている。第2仕切部材(45)の下面における連通穴(54)の周囲の部分に、下方に突出した円筒状のフィルタ保持部材(55)が一体に形成されており、フィルタ保持部材(55)に、上端が開口するとともに、下端が閉鎖された有底円筒状のフィルタ(52)が保持されている。また、フィルタ保持部材(55)には周方向に間隔をおいて下方に突出した複数の吊持部材(56)が一体に形成されるとともに、全吊持部材(56)の下端部にまたがって皿状のフィルタ受け部材(57)が一体に形成されており、フィルタ(52)の下端部はフィルタ受け部材(57)上に載っている。
熱交換器(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
上述した熱交換器(1)において、冷凍サイクルの運転時には、圧縮機により圧縮された高温高圧の気液混相の冷媒が入口部材(24)を通って図示しない冷媒入口から凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の下ヘッダ部(15a)内に流入する。右ヘッダ(15)の下ヘッダ部(15a)内に流入した気液混相の冷媒は、下端通路群(21)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14a)内に流入した後、中間通路群(22)の熱交換管(4)を通って右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15b)内に流入し、さらに上端通路群(23)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の上ヘッダ部(14b)内に流入する。
凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の上ヘッダ部(14b)内に流入した気液混相の冷媒は、冷媒出口(35)から送り出されて取付部材(8)の冷媒流入路(34)を通り、冷媒流入口(32)から受液器(7)内の第1空間(46)に流入する。気液混相の冷媒が受液器(7)内の第1空間(46)に流入すると、乾燥剤容器(51)内の乾燥剤により水分が除去される。水分が除去された気液混相の冷媒は連通穴(54)を通るとともに、フィルタ(52)を通過して第2空間(47)に流入する。冷媒がフィルタ(52)を通過する際に、冷媒中に含まれる異物が除去される。たとえば、乾燥剤容器(51)から乾燥剤の微粒が洩れた場合にも、当該乾燥剤の微粒はフィルタ(52)により除去される。
気液混相の冷媒が第2空間(47)内に流入すると、第2空間(47)内において重力により気液分離され、液相の冷媒が第2空間(47)の下端部に溜まり、気相の冷媒は第2空間(47)の上部に溜まる。したがって、液相の冷媒のみが、下端開口から吸い上げ管(49)内に流入し、吸い上げ管(49)を通って第3空間(48)内に流入する。第3空間(48)内に流入した液相の冷媒は、冷媒流出口(33)から取付部材(8)の冷媒流出路(36)を通るとともに、冷媒入口(37)から過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入する。過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入した冷媒は、熱交換管(4)を通って右ヘッダ(17)内に流入し、図示しない冷媒出口から冷媒出口部材(25)を通して膨張弁を経て蒸発器に送られる。
実施形態2
この実施形態は図4〜図6に示すものである。
この実施形態は図4〜図6に示すものである。
図4は熱交換器の全体構成を示し、図5および図6はその要部の構成を示す。
図4において、熱交換器(60)の凝縮部(12)の右ヘッダ(62)は、上下方向の中程から若干上方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第1仕切板(63)により上ヘッダ部(62a)と下ヘッダ部(62b)とに区画されており、左ヘッダ(61)は第1仕切板(63)よりも下方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第2仕切板(64)により上ヘッダ部(61a)と下ヘッダ部(61b)とに区画されている。そして、凝縮部(12)に、第1仕切板(63)よりも上方の部分、両仕切板(63)(64)間の部分および第2仕切板(64)よりも下方の部分において、それぞれ上下に連続して並んだ熱交換管(4)からなる通路群(65)(66)(67)が設けられている。各通路群(65)(66)(67)を構成する熱交換管(4)の本数は、上から順次減少している。また、各通路群(65)(66)(67)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの通路群(65)(66)および(66)(67)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
凝縮部(12)の右ヘッダ(62)の上ヘッダ部(62a)の上端部に、図示しない冷媒入口に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(24)がろう付され、過冷却部(13)の右ヘッダ(17)に、図示しない冷媒出口に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(25)がろう付されている。
熱交換器(60)の受液器(7)は、左タンク(2)の上部および下部に固定された取付部材(68)(69)に、上部および下部が取り付けられている。図5および図6に示すように、受液器(7)の円筒状本体(26)におけるパイプ(30)の周壁の下部には冷媒流入口(71)が形成され、同じく上部には冷媒流出口(72)が形成されている。冷媒流入口(71)は、下側の取付部材(69)に形成された冷媒流入路(73)を介して凝縮部(12)の左ヘッダ(61)の下ヘッダ部(61b)に形成された冷媒出口(74)に通じさせられ、冷媒流出口(72)は、上側の取付部材(68)に形成された冷媒流出路(75)を介して過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に形成された冷媒入口(76)に通じさせられている。
受液器(7)内における冷媒流入口(71)と冷媒流出口(72)との間の高さ位置に、受液器(7)内を上下に区画する板状の第1仕切部材(44)が配置されるとともに、受液器(7)内における冷媒流入口(71)よりも下方の高さ位置に、受液器(7)内を上下に区画する板状の第2仕切部材(45)が配置されており、これにより受液器(7)内に、第1仕切部材(44)と第2仕切部材(45)との間の冷媒流入口(71)が臨む第1空間(46)と、第2仕切部材(45)よりも下方の第2空間(47)と、第1仕切部材(44)よりも上方の冷媒流出口(72)が臨む第3空間(48)とが設けられている。
第2仕切部材(45)の上面における連通穴(54)の周囲の部分に、上方に突出した円筒状の冷媒通過部材(77)が一体に形成されている。冷媒通過部材(77)の上端部には外向きフランジ(78)が固定状に設けられており、吸い上げ管(49)は外向きフランジ(78)を貫通している。
その他の構成は、上述した実施形態1の熱交換器(1)と同様ある。
熱交換器(60)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
上述した熱交換器(60)において、冷凍サイクルの運転時には、圧縮機により圧縮された高温高圧の気液混相の冷媒が入口部材(24)を通って図示しない冷媒入口から凝縮部(12)の右ヘッダ(62)の上ヘッダ部(62a)内に流入する。右ヘッダ(62)の上ヘッダ部(62a)内に流入した気液混相の冷媒は、上端通路群(65)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(61)の上ヘッダ部(61a)内に流入した後、中間通路群(66)の熱交換管(4)を通って右ヘッダ(62)の下ヘッダ部(62b)内に流入し、さらに下端通路群(67)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(61)の下ヘッダ部(61b)内に流入する。
凝縮部(12)の左ヘッダ(61)の下ヘッダ部(61b)内に流入した気液混相の冷媒は、冷媒出口(74)から送り出されて下側取付部材(69)の冷媒流入路(73)を通り、冷媒流入口(71)から受液器(7)内の第1空間(46)に流入する。気液混相の冷媒が受液器(7)内の第1空間(46)に流入すると、乾燥剤容器(51)内の乾燥剤により水分が除去される。水分が除去された気液混相の冷媒は、冷媒通過部材(77)および連通穴(54)を通るとともに、フィルタ(52)を通過して第2空間(47)に流入する。冷媒がフィルタ(52)を通過する際に、冷媒中に含まれる異物が除去される。たとえば、乾燥剤容器(51)から乾燥剤の微粒が洩れた場合にも、当該乾燥剤の微粒はフィルタ(52)により除去される。
気液混相の冷媒が第2空間(47)内に流入すると、第2空間(47)内において重力により気液分離され、液相の冷媒が第2空間(47)の下端部に溜まり、気相の冷媒は第2空間(47)の上部に溜まる。したがって、液相の冷媒のみが、下端開口から吸い上げ管(49)内に流入し、吸い上げ管(49)を通って第3空間(48)内に流入する。第3空間(48)内に流入した液相の冷媒は、冷媒流出口(72)から上側取付部材(68)の冷媒流出路(75)を通るとともに、冷媒入口(76)から過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入する。過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入した冷媒は、熱交換管(4)を通って右ヘッダ(17)内に流入し、図示しない冷媒出口から冷媒出口部材(25)を通して膨張弁を経て蒸発器に送られる。
(1)(60):熱交換器
(2)(3):タンク
(4):熱交換管
(7):受液器
(9):仕切壁
(11):仕切壁
(12):凝縮部
(13):過冷却部
(14)(61):凝縮部左ヘッダ
(15)(62):凝縮部右ヘッダ
(16):過冷却部左ヘッダ
(17):過冷却部右ヘッダ
(32)(71):冷媒流入口
(33)(72):冷媒流出口
(44):第1仕切部材
(45):第2仕切部材
(46):第1空間
(47):第2空間
(48):第3空間
(49):吸い上げ管
(51):乾燥剤容器
(52):フィルタ
(54):連通穴
(55):フィルタ保持部材
(2)(3):タンク
(4):熱交換管
(7):受液器
(9):仕切壁
(11):仕切壁
(12):凝縮部
(13):過冷却部
(14)(61):凝縮部左ヘッダ
(15)(62):凝縮部右ヘッダ
(16):過冷却部左ヘッダ
(17):過冷却部右ヘッダ
(32)(71):冷媒流入口
(33)(72):冷媒流出口
(44):第1仕切部材
(45):第2仕切部材
(46):第1空間
(47):第2空間
(48):第3空間
(49):吸い上げ管
(51):乾燥剤容器
(52):フィルタ
(54):連通穴
(55):フィルタ保持部材
Claims (5)
- 互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、いずれか一方のタンクに取り付けられた上下方向にのびる筒状受液器とを備えており、受液器に、冷媒流入口および冷媒流出口が、前者が下方に位置するように上下方向に間隔をおいて形成された熱交換器において、
受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に受液器内を上下に区画する第1仕切部材が配置されるとともに、受液器内における冷媒流入口よりも下方の高さ位置に受液器内を上下に区画する第2仕切部材が配置され、受液器内に、第1仕切部材と第2仕切部材との間の冷媒流入口が臨む第1空間と、第2仕切部材よりも下方の第2空間と、第1仕切部材よりも上方の冷媒流出口が臨む第3空間とが設けられており、受液器内に、下端が第2空間に開口するとともに、上端が第3空間に開口する吸い上げ管が配置され、第2仕切部材に、第1空間と第2空間とを通じさせる連通穴が形成され、受液器内の第2空間に、冷媒が吸い上げ管内に流入する前に当該冷媒から異物を除去するフィルタが配置されている熱交換器。 - フィルタが、第2仕切部材に設けられている請求項1記載の熱交換器。
- 第2仕切部材の下面における連通穴の周囲の部分に、フィルタ保持部材が固定状に設けられており、フィルタ保持部材にフィルタが保持されている請求項2記載の熱交換器。
- 受液器内の第1空間に乾燥剤が配置されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- 受液器が取り付けられた第1のタンクが、第1の仕切壁により第1タンクの長さ方向に2つのヘッダに区画され、同じく他方の第2タンクが、第2の仕切壁により第2タンクの長さ方向に2つのヘッダに区画されており、両仕切壁が、両タンクの長さ方向に関して同一位置にあり、両仕切壁よりも下側の部分にコンデンサとしての機能を有する凝縮部が設けられ、同じく両仕切壁よりも上側の部分に過冷却器としての機能を有する過冷却部が設けられ、凝縮部の第1タンク側ヘッダから流出した冷媒が冷媒流入口を通って受液器内に入り、受液器の冷媒流出口から流出した冷媒が、過冷却部の第1タンク側のヘッダに流入するようになっている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008312905A JP2010139089A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008312905A JP2010139089A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | 熱交換器 |
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JP2010139089A true JP2010139089A (ja) | 2010-06-24 |
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JP2008312905A Withdrawn JP2010139089A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | 熱交換器 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013536780A (ja) * | 2010-08-31 | 2013-09-26 | ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー | 冷媒凝縮器アセンブリ |
KR101771152B1 (ko) * | 2011-06-23 | 2017-08-24 | 한온시스템 주식회사 | 응축기 |
JP2017161153A (ja) * | 2016-03-09 | 2017-09-14 | 株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー | コンデンサ |
JPWO2016190025A1 (ja) * | 2015-05-26 | 2017-09-21 | 株式会社デンソー | 凝縮器 |
-
2008
- 2008-12-09 JP JP2008312905A patent/JP2010139089A/ja not_active Withdrawn
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KR101771152B1 (ko) * | 2011-06-23 | 2017-08-24 | 한온시스템 주식회사 | 응축기 |
JPWO2016190025A1 (ja) * | 2015-05-26 | 2017-09-21 | 株式会社デンソー | 凝縮器 |
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