JP2010137959A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 用紙カセット内の用紙の有無を検知可能な画像形成装置において、従来は用紙が無くなったことを検知するために、専用の検知センサが設けられていた。これにより、画像形成装置が複雑且つ高価になっていた。
【解決手段】 専用の検知センサを設けることなく用紙カセット5内の用紙の有無を検知するため、インクリボン3aを挟んで用紙カセット5内の用紙と対向した位置に、検知センサ4を配置した。このとき検知センサ4は、用紙カセット5内の用紙の反射光を検知可能であり、更にインクリボン3a上に設けられた遮光マーカーを検知可能である。これにより検知センサ4は、用紙カセット5内の用紙の残りの検知と、インクリボン3aに塗布された各画面の先頭位置の検知とを兼用することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、用紙カセット内から一枚ずつ用紙を分離し給送する画像形成装置に関し、特に専用の検知手段を設けることなく、用紙カセット内に残る用紙の有無を検知する画像形成装置に関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する画像形成装置は、印画手段である印画ヘッドにより、画像に基づいた情報(文字や記号等を含む)を用紙に印画するように構成されている。用紙としては、紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなど、種々の材質のシート材が使用される。この画像形成装置の印画方式にはシリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、印画ヘッドを用紙に沿って移動させる主走査と用紙の搬送(副走査)とを交互に繰り返しながら画像を形成していく方式である。一方、ラインタイプは、用紙の幅方向に延びる長尺の印画ヘッドを用いることにより、一括して1ライン分を印画しながら用紙の搬送(副走査)のみで画像を形成していく方式である。
ここでラインタイプの画像形成装置は、印画方式により更に、熱転写式、感熱式、インクジェット式、レーザービーム式、ワイヤドット式などに分けることができる。その中で熱転写式の画像形成装置は、インクリボンを挟んで用紙と印画ヘッドとを圧接し、用紙の搬送と同期させてインクリボンを走行させ、用紙にインクを加熱転写することで画像を形成するものである。この熱転写式の画像形成装置には、昇華型及び溶融型がある。
以下、図面に従って、従来の熱転写式の画像形成装置における一連の動作を説明する。図14は従来例として一般的な熱転写式の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図であり、図15はその斜視図である。尚、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
図14及び図15において、印画ヘッド1は複数の発熱素子を有する加熱部を備えており、画像形成情報に応じて発熱素子を選択的に加熱し、インクリボン3a上に一様に塗布されたインクを用紙Pに加熱転写するものである。印画ヘッド1とプラテンローラ2とは、用紙Pの搬送経路を挟んで対向しており、インクリボン3aは、インクリボンカセット3の装填状態において、印画ヘッド1とプラテンローラ2との隙間及びマーカー検知センサ204aと反射板204bとの隙間に配置されている。また、用紙カセット105内には未使用の用紙が積載されており、給送ローラ106と加圧板107とは、この未使用の用紙を挟んで対向している。
ユーザーが不図示のボタンを押下するなどして印画開始を選択した場合、給送動作によって用紙カセット105内から用紙Pを一枚分離し、搬送動作によって用紙Pを印画開始位置まで搬送する。ここで、印画ヘッド1とプラテンローラ2とを押圧し、インクリボン3aと用紙Pとを適当な圧力で圧着させた後、印画動作を行う。ここでの印画動作とは、用紙Pを印画方向Xに印画開始位置から印画終了位置まで搬送する間に行う用紙Pへの加熱転写であり、こうした加熱転写によるカラー印画においては、用紙Pに複数の色を順次重ねることで所望の印画像を得るのが一般的である。図14及び図15の従来例においては、インクリボン3a上に各色毎に遮光マーカーが設けられており、マーカー検知センサ204aは、その遮光マーカーを反射板204bによる反射光を用いて検知可能な位置に設けられている。各色の加熱転写が終了すると、印画終了位置まで搬送された用紙Pを再び印画開始位置まで戻し、対応した遮光マーカーの位置までインクリボン3aを巻き上げることで、引き続き印画動作が可能な状態となる。最後に、印画動作を各色毎に繰り返し印画の完了した用紙Pは、ユーザーが拾い上げやすい位置まで搬送され、排出動作によって装置の外へ排出される。
ところで、印画の枚数を重ねるうち、用紙カセット105内の用紙の残りが無くなったにも関わらず、ユーザーがそのことに気付かずに印画開始を選択することがある。その場合、給送動作を一定時間続けたり、一定回数繰り返したりすると、エラーによる動作の停止までに時間を要すだけでなく、給送ローラ106と加圧板107とが必要以上に擦れることによって給送ローラ106が磨耗するなどの弊害を生じる。またユーザーに対して、用紙カセット105内の用紙の残りが無くなったことを事前に知らせる手段がないと、その都度ユーザー自身が用紙カセット105を開けるなどして確認する必要があり、その取り扱いが煩雑である。
こうした課題を解消するため、図14及び図15に示すような、用紙カセット105内の用紙の有無を検知する構成が提案されている。この構成においては、用紙カセット105内の用紙と近接した位置に、用紙の有無を検知する専用の検知センサ14を設けるのが一般的である。
用紙残り検知センサ14は投光部と受光部とで構成されており、投光部により発せられた光は用紙カセット105内の用紙の上面で反射し、受光部により検知可能なように配置されている。この構成において、用紙カセット105内に用紙が一枚でも存在すれば、用紙残り検知センサ14の受光部は反射光を検知する。これに対し、用紙カセット105内に用紙が存在しない場合、用紙残り検知センサ14の受光部は反射光を検知できない。つまり、この反射光の有無から、用紙カセット105内の用紙の有無を検知可能である。
この構成により、給送動作を一定時間続けたり、一定回数繰り返したりすることなく、用紙カセット105内の用紙の残りが無くなったことを検知できる。更に、ユーザーが印画開始を選択する前もしくは選択した直後にそのことを検知し知らせることができるため、取り扱いが容易である。
特開2002−160390号公報
しかしながら、図14及び図15に示す構成においては、用紙カセット105内の用紙の有無を検知する、専用の検知センサ14が必要であった。そのため、装置の構造が複雑になる上、装置が高価になっていた。
本発明は以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、専用の検知センサを必要としない、用紙カセット105内の用紙の有無を検知可能な画像形成装置を提供することである。
上述の目的を達成する本発明の画像形成装置は、用紙を収納する用紙カセットと、前記用紙カセットに近接し対向して配置され、前記用紙カセット内に収納された用紙の有無を検知する検知手段と、遮光マーカーが設けられたインクリボンとを備え、前記インクリボンが、前記用紙カセット内に収納された用紙と前記検知手段との隙間の少なくとも一部を通過し、前記検知手段が、前記インクリボンに設けられた遮光マーカーを検知することを特徴とする。
本発明によれば、用紙カセット内の用紙の有無の検知と、インクリボン上に設けられた遮光マーカーの検知とを、一つの検知センサによって兼用することができる。そのため、専用の検知センサを必要としない、用紙カセット内の用紙の有無を検知可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1〜図12は本発明を適用した画像形成装置の構成を示す図である。尚、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
図1〜図12において、図示の画像形成装置は、画像形成情報に基づいて印画手段である印画ヘッド1の発熱素子を駆動し、インクリボン3aに塗布されたインクを用紙Pに昇華または溶融転写することにより、画像を形成していくものである。インクリボン3aは、インクリボンカセット3の供給ロール格納部3b内の供給ボビン及び巻き取りロール格納部3c内の巻き取りボビンに巻き回されている。途中インクリボン3aは、巻き取り方向の上流側から順に、印画ヘッド1とプラテンローラ2との隙間と、用紙カセット5内の用紙と請求項でいうところの検知手段である兼用の検知センサ4との隙間を通過する配置となっている。
ここで図16を用いてインクリボン3aの遮光マーカー3dを説明する。インクリボン3aとして、用紙Pの印画領域を覆ってそのサイズよりもやや大きいサイズでイエロー3e(Y)、マゼンタ3f(M)、シアン3g(C)の各インク層とオーバーコート3h(OP)層とが各画面毎に並べて設けられているものが一般的である。更に、各面の先頭位置に帯状の遮光マーカー3dが塗布されている。遮光マーカー3dは黒色の線であり、光を遮蔽するものである。また、遮光マーカー3dの前後数mmにはインク層もオーバーコート層も形成されていない領域が設けられている。インクリボン3aの材質は透明な耐熱フィルムであり、遮光マーカー3dの前後は光を通過する透明な領域となっている。イエロー3e(Y)、マゼンタ3f(M)、シアン3g(C)の各インク層とオーバーコート3h(OP)層は半透明であり光を透過するものであるが、この透明な領域の存在によって、遮光マーカー3dの検知がより容易となっている。イエロー3eの先頭位置には遮光マーカー3dが2本塗布されており、他の色の先頭位置の遮光マーカー3dが1本であることと区別している。この区別は兼用の検知センサ4において識別され、最初に印画するイエロー3eの先頭位置を認識することができる。
兼用の検知センサ4は、インクリボン3aを挟んで、用紙カセット5内の用紙と対向している。兼用の検知センサ4は投光部と受光部とで構成されており、投光部により発せられた光は用紙カセット5内の用紙の下面で反射し、受光部により検知可能なように配置されている。この構成において、インクリボン3aの遮光マーカー3dが兼用の検知センサ4上にある場合、兼用の検知センサ4の受光部は反射光を検知できない。これに対し、インクリボン3aの遮光マーカー3dの前後に設けられた透明な領域が兼用の検知センサ4上にある場合、兼用の検知センサ4の受光部は反射光を検知できる。つまり、この反射光の受光レベルの違いにより、インクリボン3aの遮光マーカー3dを検知可能である。
ところで反射光の検知については、兼用の検知センサ4の受光部における受光レベルを電圧によって判断するのが一般的である。本発明は、用紙カセット5内の用紙の有無の検知とインクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dの検知を、一つの検知センサを兼用することによって実現することを特徴としている。図1〜図12に示すように、反射光を検知した場合、つまり兼用の検知センサ4の受光レベルが高い場合は、用紙カセット5内に用紙があり、且つインクリボン3a上の透明な領域もしくはインク層もしくはオーバーコート層が兼用の検知センサ4上にあると判断できる。逆に、反射光を検知できない場合、つまり受光レベルが低い場合は、用紙カセット5内に用紙が無いか、もしくはインクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dが兼用の検知センサ4上にあり、投光部による光が遮られているかのどちらかであると判断できる。
用紙Pは、用紙カセット5の用紙収納部の内部に複数枚積載された状態で収納されている。用紙Pにはカードサイズ、Lサイズ、ポストカードサイズ等、複数種のサイズが用意されており、それぞれ専用の用紙カセット5に収納されている。印画動作を行うときには、装置本体に任意のサイズに対応したインクリボンカセット3と用紙カセット5とを差し込んで準備を行う。このとき用紙カセット5は、用紙カセット5内から用紙Pを分離可能なように、差し込み部が装置本体内に露出した状態で、更に用紙カセット5内の用紙が給送ローラ6に近接した状態となるように構成されているのが一般的である。
図1は本発明による画像形成装置を用いるのに好適な第一の実施形態の概略構成を示す縦断面図であり、図2はその斜視図である。
用紙カセット5内に積載された用紙の積層方向を重力方向における上方の基準とした場合、インクリボンカセット3は、印画ヘッド1及び給送ローラ6及び兼用の検知センサ4とを介して、用紙カセット5の下方に配置されている。(図1に示される上下方向を基準とし、以下特に断りがない場合には図示された状態の上下が、図1の上下と一致しているとして説明する。)用紙カセット5下側の開口部に近接する位置には、用紙Pを一枚ずつ分離して送り出すための給送ローラ6が配置されている。一方、用紙カセット5上側の開口部に近接する位置には、回動中心を持ち、用紙カセット5内の用紙を押圧可能な加圧板7が配置されている。
加えて、印画方向Xの上流側から順に、スイッチバックローラ11と紙押さえローラ12とで構成されるローラ対と、用紙ガイド13と、プラテンローラ2と、キャプスタンローラ8とピンチローラ9とで構成されるローラ対と、用紙位置検出センサ10とが配置されている。スイッチバックローラ11とキャプスタンローラ8とは能動ローラであって、不図示の駆動モータの動力が不図示のギアによって伝達されることにより、正逆回転が可能となっている。
以下、図3〜図6の順番に従って、本実施例における用紙カセット5内の用紙の給送動作から印画動作までの一連の動作について説明する。
図3(a)及び図3(b)は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、給送動作を示す縦断面図である。給送ローラ6と加圧板7とは、用紙カセット5内の用紙を挟むように対向して配置されている。用紙カセット5及びインクリボンカセット3を装置本体に装着した状態で、ユーザーが不図示のボタンを押下するなどして印画開始を選択すると、まず最初に用紙残り検知動作を行う。用紙残り検知動作の詳細については後述するが、用紙残り検知動作とは、兼用の検知センサ4によって用紙カセット5内の用紙の有無を検知するものである。この用紙残り検知動作により、用紙カセット5内に用紙が残っていると判断した場合にのみ、給送ローラ6と加圧板7とが給送動作を開始する。
給送動作として、始めに加圧板7を回動させ、用紙カセット5内の用紙を給送ローラ6に押圧する。このとき給送ローラ6を給送方向に回転駆動すると、給送ローラ6と用紙Pとの表面の摩擦力によって、積載された用紙の束から用紙Pを1枚のみ分離し、搬送経路に給送することが可能である。用紙カセット5内から分離された用紙Pは、給送ローラ6によって更に搬送された後、スイッチバックローラ11と紙押さえローラ12とで構成されるローラ対に挟まれる。更に給送ローラ6を所定量駆動し、図3(b)に示すように、スイッチバックローラ11と紙押さえローラ12とのローラ対が十分に用紙Pを挟持する位置まで用紙Pを搬送してから停止する。ここで加圧板7を退避させると、給送動作は完了である。
図4(a)及び図4(b)は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、スイッチバック動作を示す縦断面図である。用紙Pは、スイッチバックローラ11と紙押さえローラ12とのローラ対の回転動作によって、その後端が用紙カセット5から完全に引き抜かれるまで給送方向に搬送される。その後、用紙カセット5から引き抜かれた用紙Pを、図4(b)に示すように、その後端が用紙ガイド13に近づく方向に傾くように保持し停止させる。このときの停止位置、つまりスイッチバック開始位置において用紙Pが傾くように、ローラ対を用紙Pの重心位置よりも先端に配置すると、用紙Pの後端が重力方向に移動しやすいため好適である。またローラ対のニップ点を調整するなどして、より用紙Pが図4(b)に示すように傾きやすくすると更に好適である。
スイッチバックローラ11によって逆搬送(スイッチバック)された用紙Pは、印画ヘッド1とプラテンローラ2との隙間を通過した後、キャプスタンローラ8とピンチローラ9とで構成されたローラ対に狭持される。その後、スイッチバックローラ11及びキャプスタンローラ8によって搬送された用紙Pは、用紙位置検知センサ10によってその先端を検知可能な位置まで至る。
このとき、用紙位置検知センサ10が用紙Pの位置を正確に検知することで、その後は用紙Pの位置を検知することなく、用紙Pの搬送量を任意に設定することができる。これは、キャプスタンローラ8とピンチローラ9とで構成されたローラ対が、強いニップ圧によって用紙Pを安定的に搬送することが可能なためである。用紙位置検知センサ10による検知と同時に各ローラの駆動を停止し、更に任意の印画開始位置へ用紙Pを搬送した後、加圧板7を回動させ加圧した状態で、遮光マーカー3dを検知する動作を行う。
図5は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、マーカー検知動作を示す縦断面図である。用紙カセット5内に用紙が残っている図5に示す状態では、用紙カセット5内の用紙を反射板の代わりとして利用できる。兼用の検知センサ4の投光部により発せられた光が用紙の裏面で反射するため、受光部によりインクリボン3aの遮光マーカー3dを検知可能な状態となる。ここでインクリボン3aを巻き上げれば、インクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dを検知することができる。このようにして最初の画面の任意の位置、例えばイエロー3e(Y)の先頭位置までインクリボン3aを巻き上げて停止し、加圧板7を退避させればマーカー検知動作は完了である。
図6は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、印画動作を示す縦断面図である。加圧板7を退避させた後、印画ヘッド1を回動しプラテンローラ2に対して押圧させ、印画動作を行う。印画ヘッド1は不図示の弾性部材によってプラテンローラ2に弾性的に押圧されている。この状態において、キャプスタンローラ8を回転駆動するのと同期して印画ヘッド1の発熱素子を駆動することで、印画開始位置から印画終了位置まで搬送する間、用紙Pへの加熱転写を行う。このときインクリボン3aは、供給ロール格納部3b内の供給ボビンから巻き解かれ、形成されたインク層やオーバーコート層が用紙Pに昇華または溶融転写される。その後、任意のトルクで巻き取りロール格納部3c内の巻き取りボビンに整然と巻き取られる。
また上述のように、こうした加熱転写によるカラー印画においては、用紙Pに複数の色を順次重ねることで所望の印画像を得るのが一般的である。そのため、最初の印画動作が完了すると、印画終了位置まで搬送された用紙Pを再び印画開始位置まで戻し、更に次の画面に対しマーカー検知動作を行って、引き続き印画動作を行う。
次に、図7〜図10の順番に従って、本実施例における用紙カセット5内に残る最後の用紙の給送動作から印画動作までの一連の動作、つまり用紙カセット5内に用紙が無くなる過程の動作について説明する。
図7(a)及び図7(b)は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、給送動作を示す縦断面図である。動作は用紙カセット5内に用紙が残っている場合と同様で、まず最初に用紙残り検知動作を行い、用紙カセット5内に用紙が残っていると判断した場合にのみ、給送ローラ6と加圧板7とが給送動作を開始する。用紙カセット5内から分離された用紙Pは、スイッチバックローラ11と紙押さえローラ12とのローラ対によって十分に挟持される位置まで搬送される。ここで加圧板7を退避させると、給送動作は完了である。
図8(a)及び図8(b)は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、スイッチバック動作を示す縦断面図である。用紙カセット5内に用紙が残っている場合と同様に、用紙Pはその後端が用紙カセット5から完全に引き抜かれるまで給送方向に搬送され、図8(b)に示すように保持され停止する。スイッチバックローラ11によって逆搬送(スイッチバック)された用紙Pは、用紙位置検知センサ10によってその先端を検知可能な位置まで至る。更に任意の印画開始位置へ用紙Pを搬送した後、加圧板7を回動させ加圧した状態で、遮光マーカー3dを検知する動作を行う。
図9は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、マーカー検知動作を示す縦断面図である。用紙カセット5内に用紙が無くなった図8に示す状態では、反射板の代わりとなる用紙カセット5内の用紙がないため、兼用の検知センサ4は反射光を検知することができない。
そこで本実施例では、用紙カセット5内に用紙が無くなった場合においても、通常どおりインクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dを検知するため、図9のように加圧板7を押圧する。加圧板7は押圧状態となることで、加圧板7の先端部の面が兼用の検知センサ4と近接して対向し、反射板の代用として機能する。兼用の検知センサ4の投光部により発せられた光は加圧板7の先端部の面で反射し、受光部によりインクリボン3aの遮光マーカー3dを検知可能な状態となる。ここでインクリボン3aを巻き上げれば、インクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dを検知することができる。このようにして最初の画面の任意の位置、例えばイエロー3e(Y)の先頭までインクリボン3aを巻き上げて停止し、加圧板7を退避させればマーカー検知動作は完了である。
図10は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、印画動作を示す縦断面図である。これ以降の動作は、用紙カセット5内に用紙が残っている場合と同様である。
ここで、用紙カセット5内に用紙が無くなった後、つまり図10に示す状態以降の用紙残り検知動作について詳細に説明する。図11は、本発明を用いるのに好適な第一の実施形態における、用紙残り検知動作を示す縦断面図である。図11に示す状態において、用紙カセット5内に一枚でも用紙が残っていれば、兼用の検知センサ4はその用紙の裏面による反射光を検知できる。一方、用紙カセット5内に用紙が残っていない場合、反射板の代わりとなるものが兼用の検知センサの光軸方向に無い上、加圧板7の面が傾き離れており兼用の検知センサ4に対向していないため、反射光を検知できない。
つまり上述のように、兼用の検知センサ4が反射光を検知した場合は、用紙カセット5内に用紙があり、且つインクリボン3a上の透明な領域もしくはインク層もしくはオーバーコート層が兼用の検知センサ4上にあると判断できる。逆に、反射光を検知できない場合は、用紙カセット5内に用紙が無いか、もしくはインクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dが兼用の検知センサ4上にあり、投光部による光が遮られているかのどちらかであると判断できる。
このとき注意を要するのは、用紙カセット5内に用紙が無いのか、インクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dが兼用の検知センサ4上にあり、投光部による光が遮られているか、そのどちらに該当するのかの判断である。本実施例では、用紙カセット5内に用紙が無いと判断するための手段として、インクリボン3aを一定時間巻き上げることによって、兼用の検知センサ4上にインクリボン3aの遮光マーカー3dがないことを確認する。仮に用紙カセット5内に用紙が残っていると、インクリボン3aを一定時間もしくは一定量巻き上げることで、少なくとも遮光マーカー3dの位置が移動し、兼用の検知センサ4の受光レベルは変動するはずである。それにも関わらず、兼用の検知センサ4が反射光を検知できない場合は、用紙カセット5内に用紙が無いと判断できる。これは、図11の状態では反射板の代わりとなる用紙カセット5内の用紙がないため、兼用の検知センサ4はインクリボン3aの遮光マーカー3dの位置に関わらず、反射光を検知することができないためである。
図12は、本発明による画像形成装置を用いるのに好適な第二の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。兼用の検知センサが、投光部104aと受光部104bとで構成されており、その光軸は用紙カセット5内の用紙に対して角度を持っている。この場合、第一の実施形態における兼用の検知センサ4よりも焦点距離の長いセンサが選択される。このように本発明に用いる兼用の検知センサは、光学式の検知センサであり投光部と受光部とを一対として備えていれば、その種類を限定されるものではない。第二の実施例は、構成部品の配置を若干変更することで、例えばより安価な検知センサを選択できるという可能性を示すものである。
図13は、本発明を用いるのに好適な第一及び第二の実施形態における、一連の処理動作を示すフローチャートである。既に説明した動作も含め、印画開始から正常終了もしくは各エラー処理完了までの一連の処理動作について順に説明する。
ユーザーが不図示のボタンを押下するなどして印画開始を選択すると、まず最初にステップS1の用紙残り検知動作を行う。このとき兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルV以下である場合、処理の回数Nをカウントする。この処理の回数Nが2以上である場合、つまり2回以上ステップS1の用紙残り検知動作を繰り返している場合は、用紙カセット5内に用紙が残っていないと判断し、不図示の手段によってユーザーに知らせると同時にここまでの動作を一時中断する。一方、処理の回数Nが2よりも少ない場合、上述のようにインクリボン3a上に設けられた遮光マーカー3dが兼用の検知センサ4上にあり、投光部もしくは用紙の反射による光が遮られている可能性がある。そこで、インクリボン3aを一定時間Tだけ巻き上げ、少なくとも遮光マーカー3dの位置が移動した上でもう一度ステップS1の用紙残り検知動作を行う。
ステップS1の用紙残り検知において、兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルVよりも大きい場合は、ステップS2の分離動作を行い、続いてスイッチバック動作を行う。更に加圧板7を押圧し、ステップS3のマーカー検知動作を行う。ここで、兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルV以上である場合は、インクリボン3aに設けられた遮光マーカー3dを検知できないことになる。その原因として、インクリボン3aが最後まで巻き取られ、それ以上移動できないことが予想される。そこで、インクリボンのエラーであると判断し、不図示の手段によってユーザーに知らせると同時にここまでの動作を一時中断する。また、兼用の検知センサ4の受光レベルは任意のレベルVよりも小さいが、イエロー3e(Y)の遮光マーカー3dでないと判断した場合は、イエロー3e(Y)の遮光マーカー3dを検知するまでステップS3のマーカー検知動作を繰り返す。
ステップS3のマーカー検知動作において、兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルVよりも小さく、イエロー3e(Y)の遮光マーカー3dであると判断した場合は、加圧板7を退避させ、ステップS4のイエロー3e(Y)の印画動作を行う。更に、印画終了位置まで搬送された用紙Pを再び印画開始位置まで逆搬送し、再度加圧板7を押圧してステップS5の次の画面のマーカー検知動作を行う。ここでもイエロー3e(Y)の処理動作の場合と同様に、兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルV以上である場合は、インクリボンのエラーであると判断し、不図示の手段によってユーザーに知らせると同時にここまでの動作を一時中断する。
ステップS5のマーカー検知動作において、兼用の検知センサ4の受光レベルが任意のレベルVよりも小さい場合は、加圧板7を退避させてステップS6の残りの各色の印画動作を行う。ここで完了した印画動作が最後の画面、つまりオーバーコート3h(OP)でない場合は、加圧板7の押圧とステップS5のマーカー検知動作に戻りステップS6の印画動作を繰り返す。
最後の画面、つまりオーバーコート3h(OP)の印画動作が完了すると、用紙Pをユーザーが拾い上げやすい位置まで搬送し、ステップS7の排出動作によって装置の外へ排出する。
尚、以上の各実施形態では、本発明を熱転写式の画像形成装置に適用する場合を例示したが、画像形成装置を備えるその他の印画方式の画像形成装置に対しても、本発明は同様に適用可能である。
本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の概略構成を示す斜視図である。 (a)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の給送動作を示す縦断面図である。 (b)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の給送動作を示す縦断面図である。 (a)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のスイッチバック動作を示す縦断面図である。 (b)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のスイッチバック動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のマーカー検知動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の印画動作を示す縦断面図である。 (a)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の給送動作を示す縦断面図である。 (b)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の給送動作を示す縦断面図である。 (a)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のスイッチバック動作を示す縦断面図である。 (b)本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のスイッチバック動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態のマーカー検知動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の印画動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一の実施形態の用紙残り検知動作を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第二の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。 本発明を用いるのに好適な第一及び第二の実施形態の一連の処理動作を示すフローチャートである。 従来例として一般的な熱転写式の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。 従来例として一般的な熱転写式の画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。 インクリボンの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 印画ヘッド
2 プラテンローラ
3 インクリボンカセット
3a インクリボン
3b 供給ロール収納部
3c 巻き取りロール収納部
3d 遮光マーカー
3e イエロー(Y)
3f マゼンタ(M)
3g シアン(C)
3h オーバーコート(OP)
4 マーカー検知及び用紙残り検知兼用の検知センサ
104a マーカー検知及び用紙残り検知兼用の検知センサの投光部
104b マーカー検知及び用紙残り検知兼用の検知センサ受光部
204a 専用のマーカー検知センサ
204b 反射板
5、105 用紙カセット
6、106 給送ローラ
7、107 加圧板
8 キャプスタンローラ
9 ピンチローラ
10 用紙位置検知センサ
11 スイッチバックローラ
12、112 紙押さえローラ
13 用紙ガイド
14 専用の用紙残り検知センサ
P 用紙
X 印画方向

Claims (4)

  1. 用紙を収納する用紙カセットと、
    前記用紙カセットに近接し対向して配置され、前記用紙カセット内に収納された用紙の有無を検知する検知手段と、
    遮光マーカーが設けられたインクリボンとを備え、
    前記インクリボンが、前記用紙カセット内に収納された用紙と前記検知手段との隙間の少なくとも一部を通過し、
    前記検知手段が、前記インクリボンに設けられた遮光マーカーを検知することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記用紙カセット内に収納された用紙を押圧する加圧板を備え、
    前記用紙カセット内に用紙が無い場合、
    前記加圧板が押圧状態において、前記検知手段に近接し対向した配置となることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記加圧板を、前記用紙カセット内に収納された用紙の有無の検知時において退避させ、
    前記インクリボンに設けられた遮光マーカーの検知時において押圧することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記用紙カセット内に収納された用紙の有無の検知時において、
    前記検知手段により用紙を検知できない場合、
    前記インクリボンを一定時間もしくは一定量巻き上げることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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