以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35及び可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33,34に遊技球が入ると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット36には、作動口33,34への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は、図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口33,34を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は、第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たり状態という)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口33,34への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート35への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口34に付随する電動役物34aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、遊技結果表示手段を構成する第1特定ランプ部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、可変表示ユニット36は、図柄表示装置41の表示画面に隣接させて、より詳細には図柄表示装置41の表示画面に対して横並びとなる位置に、演出用ユニット100を備えている。演出用ユニット100では、図柄表示装置41における図柄の変動表示に合わせて所定の演出が実行される。当該演出用ユニット100の詳細については、後に説明する。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。なお、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、遊技盤24に設けられた演出用ユニット100の構成について詳しく説明する。図5は演出用ユニット100の外観を示す側面図、図6は演出用ユニット100の分解斜視図、図7は一部破断部分を含む演出用ユニット100の斜視図、図8は演出用ユニット100の縦断面図である。なお、図6及び図7は、演出用ユニット100を裏側から見た状態を示している。
図5等に示すように、演出用ユニット100は、可動演出ブロック101と、当該可動演出ブロック101にて所定の動作を行わせるための駆動ブロック102と、を備えており、これら可動演出ブロック101及び駆動ブロック102は土台103上に固定されてユニット化されている。可動演出ブロック101及び駆動ブロック102は共に、土台103に対して着脱自在な状態で固定されており、さらにまた土台103が遊技盤24に固定されている。なお、図6及び図7では、土台103を省略している。
可動演出ブロック101は、図6に示すように、その外郭を形成するハウジング111を備えている。ハウジング111は、一方に開放された箱状をなす表ケース112及び裏ケース113を備えており、開放された側の各端面112a,113aの全体が相互に重なるようにして両ケース112,113が組み合わされ、各ケース112,113の4隅に形成された一対のボス112b,113bを通じて両ケース112,113がネジ止めされていることにより、ハウジング111は所定の内部空間を有している。
表ケース112及び裏ケース113はハウジング111の内部空間がハウジング111外部から視認可能となるように、ポリカーボネートといった無色透明の合成樹脂により形成されている。なお、ハウジング111の内部空間がハウジング111外部から視認可能であれば無色透明に限定されることはなく有色透明の材料により形成されていてもよい。
ちなみに、可動演出ブロック101は、表ケース112の表面板部114がパチンコ機10前方を向くようにして土台103に固定されており、当該表面板部114の一部が前扉枠14に設けられた窓パネル62と前後に対向していることにより、可動演出ブロック101がパチンコ機10前方から視認可能となっている。
裏ケース113の裏面板部115には、その上部にハウジング111の内外に貫通する注入口116が形成されており、図8に示すように、当該注入口116を通じてハウジング111内には液体が封入(収容)されている。なお、注入口116は、ハウジング111内に液体を注入した後にキャップ117により塞がれている。
液体としては、相対的に比重が重軽となるように、重側液体と、軽側液体とが封入されている。より具体的には、重側液体として水が封入されており、軽側液体として水よりも比重が軽い油が封入されている。このように重側液体と軽側液体とが封入されていることにより、ハウジング111の内部空間では、複数の液体の層が形成されている。つまり、重側液体による下側層118と、軽側液体による上側層119と、が形成されており、ハウジング111の高さ方向の中間付近にて、下側層118と上側層119との間の界面120が生じている。
なお、重側液体が水であり軽側液体が油である構成は必須ではなく、上記のように複数の液体の層が形成されるのであれば、食塩水と水とを用いてもよく、比重が相互に異なる油を用いてもよい。また、複数の液体の層は、2層に限定されることはなく、3層以上であってもよい。
各液体は、上側層119がハウジング111の内部空間の上端付近に達するようにハウジング111内に注入されているが、上側層119がハウジング111の内部空間の上端に達するように注入されていてもよい。また、上側層119を形成する軽側液体は無色透明であるのに対して、下側層118を形成する重側液体は有色透明となっている。この有色透明の度合いは、下側層118内のハウジング111外部からの視認性が上側層119内の視認性に比べて低くなるのであれば任意である。但し、かかる構成に限定されることはなく、下側層118内をハウジング111外部から視認不可となるように、不透明な液体により下側層118を形成してもよい。
ちなみに、ハウジング111は上記のとおり表ケース112と裏ケース113とを固定することにより形成されているが、両ケース112,113の相互に重なり合う各端面112a,113aは接着剤を用いて隙間なく接着されている。これにより、ハウジング111の液密性が高められ、液体のハウジング111外部への漏れが抑制されている。
ハウジング111の内部空間には、上記液体内において所定の動作を行うための可動手段である可動ユニットとして浮きユニット121が設けられている。
浮きユニット121は、図6に示すように、環状の駆動受け部材122と、当該駆動受け部材122に対して線状部材123を通じて連結された可動物である浮き部材124と、を備えている。なお、線状部材123としては釣り糸が用いられているが、その他の種類の糸や、ピアノ線などを用いてもよい。
駆動受け部材122は、図8に示すように、合成樹脂により形成されたケース部材131を有している。当該ケース部材131は2重環状をなしており、内側環部132と外側環部133とは各軸線が同一直線上となるように形成されているとともに、内側環部132を挟んで対向配置された一対の連結部134により、これら内側環部132と外側環部133とが連結されている。これら一対の連結部134が形成された位置を除いて、内側環部132と外側環部133とは放射方向に離間されており、両者の間には駆動受け部材122の厚み方向に貫通する隙間が形成されている。また、内側環部132には、駆動受け部材122の軸線上に延びる断面円形の内側貫通孔135が形成されている。
外側環部133の外周面には凹部136が形成されており、当該凹部136に一体形成された止め部137に対して線状部材123の一端が固定されている。また、当該線状部材123の他端は、浮き部材124に固定されている。これにより、駆動受け部材122が軸線を中心に回転した場合には、回転に伴って外周面に線状部材123を巻き取ることが可能であり、当該線状部材123が巻き取られることで、駆動受け部材122と浮き部材124との相対位置を近付けることが可能となる。この場合に、外側環部133の外周面には、駆動受け部材122の厚み方向の両端にそれぞれ環状のフランジ部138が形成されており、外側環部133の外周面に巻き取られた線状部材123が、当該外周面から駆動受け部材122の厚み方向に外れてしまわないように規制されている。
浮きユニット121は、ハウジング111の内部空間の下部に形成された隔壁部141に支持されている。隔壁部141について詳細には、図6に示すように、隔壁部141は、表ケース112の表面板部114からハウジング111の内部空間側に突出するように一体形成された表側筒部142と、裏ケース113の裏面板部115からハウジング111の内部空間側に突出するように一体形成された裏側筒部143と、を備えている。表ケース112及び裏ケース113が組み合わされていることにより、表側筒部142及び裏側筒部143はハウジング111の内部空間に突出した側の各端面の全体が相互に重なり合っており、さらに表側筒部142及び裏側筒部143の各筒孔は同一軸線上において連通している。
つまり、図7及び図8に示すように、隔壁部141は円筒状に形成されており、ハウジング111の表面側から裏面側に貫通する断面円形であって孔長方向の全体に亘って孔径が同一となった隔壁貫通孔144を備えている。そして、隔壁部141の外周面はハウジング111の内部空間を規定するとともに、隔壁部141の内周面はハウジング111の外周面を規定している。ちなみに、各筒部142,143の相互に重なり合う各端面は接着剤を用いて隙間なく接着されている。これにより、ハウジング111の液密性が高められ、液体のハウジング111外部への漏れが抑制されている。
隔壁部141の外径は、駆動受け部材122における内側貫通孔135の孔径よりも若干小さく設定されており、当該内側貫通孔135に対して隔壁部141が遊挿されている。これにより、駆動受け部材122は隔壁部141を中心に正逆両方向に回転可能となっている。なお、隔壁部141が形成された位置は、当該隔壁部141に支持されている駆動受け部材122がハウジング111の底部に接触しない位置となっている。
ここで、駆動受け部材122はその厚み寸法が、ハウジング111の内部空間の厚み寸法に比べ小さく設定されている。これに対して、隔壁部141はその長さ寸法が内部空間の厚み寸法と同一となっている。この場合に、隔壁部141の外周面には、一対の位置規制環部145が駆動受け部材122の厚み寸法分よりも若干離間させた状態で対向配置されている。これら位置規制環部145が形成されていることにより、駆動受け部材122が隔壁部141の長さ方向に移動しようとしたとしても、駆動受け部材122における内側環部132の端面が位置規制環部145に当接することで、それ以上の移動が規制される。これにより、図7に示すように、隔壁部141上における駆動受け部材122の位置が、隔壁部141の長さ方向の中間位置となるように規制される。
隔壁部141及び駆動受け部材122は、図8に示すように、その全体が、ハウジング111内の液体の上側層119及び下側層118のうち下側層118に含まれている。かかる位置に駆動受け部材122が配置された構成において、浮き部材124には下側層118の液体及び上側層119の液体から浮力を受けている。この場合に、浮き部材124はその重力が、下側層118の液体から受ける浮力及び上側層119の液体から受ける浮力のいずれよりも小さくなるように形成されている。したがって、浮き部材124には、駆動受け部材122とは反対側の方向、換言すれば、上側層119の上側の液面に向けて押し上げる方向に、常時付勢されている。
但し、既に説明したとおり、浮き部材124には線状部材123の一端が固定されている。また、当該線状部材123の長さ寸法は、隔壁部141に支持された状態の駆動受け部材122の上端位置から、下側層118と上側層119との界面120までの距離よりも短くなるように設定されているとともに、線状部材123が鉛直方向に張られた状態において、所定の長さ寸法を有する浮き部材124の途中位置が界面120上となるように設定されている。したがって、駆動受け部材122に対して重力や浮力を除いた外力が加えられていない状況では、界面120を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って浮き部材124が配置された状態となる。この状態が、演出用ユニット100の自然状態である。
浮き部材124の形状について詳細には、当該浮き部材124は、棒状の軸部151と、軸部151の中間位置に固定された浮力受け部152と、を備えており、軸部151は浮力受け部152を挟んだ両側に延びているとともに、軸部151の一端に線状部材123が固定されている。また、浮力受け部152はその外形が、線状部材123が固定された軸部151側に向けて先細りするように形成されており、より詳細には、線状部材123が固定された軸部151側に向けて先細りするテーパ面153が形成されている。自然状態では、当該テーパ面153が、界面120を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って配置されている。
上記自然状態において駆動受け部材122が隔壁部141を中心として時計周り又は反時計周りのいずれかに回転することにより、当該駆動受け部材122に線状部材123が巻き取られ浮き部材124が下方に移動する。かかる駆動受け部材122の回転は、駆動ブロック102が駆動状態となることで生じる。
駆動ブロック102は、図6に示すように、本体部161と、当該本体部161から突出した出力軸162と、を備えており、本体部161が駆動信号を受けて通電されることにより出力軸162が当該出力軸162の軸線周りに回転する回転モータである。この場合、当該駆動ブロック102は、正方向用の駆動信号を受けることにより、パチンコ機10正面から見て時計周りに回転する正方向に出力軸162が回転し、逆方向用の駆動信号を受けることにより、パチンコ機10正面から見て反時計周りに回転する逆方向に出力軸162が回転する。
出力軸162には、その軸線方向の途中位置に軸線側に向けて凹んだ収容凹部163が形成されており、当該収容凹部163には、磁力により磁性体を吸引及び吸着する磁気手段として、フェライト磁石などの永久磁石164が固定されている。収容凹部163は、出力軸162の軸線周りに180°間隔で2箇所に形成されており、各収容凹部163に対して1個の永久磁石164が設けられている。これら一対の永久磁石164は、出力軸162を挟んで対向配置されている。ちなみに、収容凹部163の深さ寸法及び永久磁石164の厚み寸法は、永久磁石164が出力軸162の外周面において収容凹部163が形成されていない箇所よりも外方に突出しないように設定されている。
一対の永久磁石164が外周面に設けられた出力軸162において収容凹部163が形成されていない箇所における外径は、隔壁部141の隔壁貫通孔144の孔径よりも若干小さく設定されており、当該隔壁貫通孔144に対して出力軸162が遊挿されている。この場合、隔壁貫通孔144内における一対の永久磁石164の位置は、隔壁部141の長さ方向において中間位置となっており、この位置は隔壁部141の長さ方向における駆動受け部材122の位置と対応している。
出力軸162に固定された一対の永久磁石164に対応させて、浮きユニット121の駆動受け部材122において内側環部132を挟んで対向配置された各連結部134には、永久磁石164の磁力により当該永久磁石164に向けて吸引及び吸着される磁性手段として、鉄片などの強磁性体166が設けられている。強磁性体166は各連結部134に対して1対1で対応させて内蔵されており、連結部134が180°間隔で2箇所に形成されていることに伴って、強磁性体166も180°間隔で2箇所に設けられている。
出力軸162がハウジング111の裏面側から隔壁貫通孔144内に遊挿されていることにより、永久磁石164の磁力によって、図8に示すように、一対の永久磁石164の一方が一対の強磁性体166の一方と対向するとともに、一対の永久磁石164の他方が一対の強磁性体166の他方と対向することとなる。この状態が永久磁石164に向けて強磁性体166が吸着した状態であり、図8では浮きユニット121の自然状態に対応した位置となるように出力軸162の回転位置が調整されている。
ここで、図5に示すように、出力軸162の回転位置を検知するための位置検知手段として、位置検知センサ171が設けられている。当該位置検知センサ171は、土台103において出力軸162と対向する位置に発光部172を備えているとともに、浮きユニット121が自然状態に対応した位置となる出力軸162の回転位置にて発光部172と対向する位置に受光部173を備えている。当該位置検知センサ171からの検知結果により、演出用ユニット100を駆動制御する制御装置では出力軸162の回転位置を把握することが可能となる。
なお、出力軸162の回転位置を検知することができるのであれば、位置検知手段の具体的な構成は光学式に限定されることはなく任意である。また、浮きユニット121が自然状態に対応した位置となる出力軸162の回転位置を検知する構成に限定されることはなく、例えば演出に際しての浮きユニット121の初期位置に対応した出力軸162の回転位置を検知する構成としてもよい。
次に、上記構成の演出用ユニット100の動作について、図9を用いて説明する。
図9(a)では、出力軸162の回転位置が、浮きユニット121の自然状態に対応した位置に調整されている。より具体的には、一対の永久磁石164及び一対の強磁性体166が横方向(水平方向)に並ぶ位置に調整されている。この場合、浮き部材124は最大上端位置に配置されているとともに、浮力受け部152は界面120を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って配置されている。
図9(b)では、浮き部材124が最大上端位置に配置されている状態から出力軸162が正方向に回転し、当該出力軸162の回転に伴う永久磁石164の変位に対して当該永久磁石164の磁力により強磁性体166が吸引され、駆動受け部材122が出力軸162に追従して回転する。これにより、線状部材123が下方に若干沈み、それに伴って浮き部材124が下方に若干沈んでいる。この場合に、浮力受け部152には線状部材123に向けて先細りするテーパ面153が形成されていることにより、下側層118を横方に押し退け易くなっている。かかる位置においても浮力受け部152は、界面120を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って配置されている。
ここで、下側層118を形成している液体の粘度及び上側層119を形成している液体の粘度は、駆動受け部材122の回転に対して浮き部材124が円滑に追従することが可能な粘度となっている。
また、図9(a)から図9(b)のように駆動受け部材122が回転した場合、浮き部材124は下方に沈むだけでなく横方にも移動することとなる。この場合に、ハウジング111の内部空間には浮き部材124の横方への移動を所定範囲に制限するための範囲制限手段として、棒状の制限部材175が設けられている。
制限部材175は、ハウジング111の表面板部114から裏面板部115に亘って設けられている。また、当該制限部材175は、浮き部材124が最大上端位置に配置されている状態から出力軸162が正方向に回転し、浮力受け部152が界面120を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って配置されている状況、より具体的には浮力受け部152のテーパ面153が界面を跨いで下側層118及び上側層119の両側に亘って配置されている状況において、線状部材123側の軸部151の先端側が横方から当接する位置に配置されている。浮き部材124の軸部151が当該制限部材175に横方から当接した後は、出力軸162の回転に伴って駆動受け部材122が正方向に回転したとしても、浮き部材124は横方への移動が制限され、縦方向の移動を主に行う。つまり、制限部材175により制限されることで、浮き部材124はその軸線が縦方向となった姿勢を維持しながら縦方向に移動する。
図9(c)では、浮き部材124における線状部材123側の軸部151の先端側が制限部材175に横方から当接している状態から出力軸162が正方向に回転し、当該出力軸162の回転に伴う永久磁石164の変位に対して当該永久磁石164の磁力により強磁性体166が吸引され、駆動受け部材122が出力軸162に追従して回転する。これにより、線状部材123がより下方に沈み、それに伴って浮き部材124がより下方に沈んでいる。この場合、浮き部材124の横方への移動が既に制限部材175により制限されているため、軸部151の向きが鉛直方向から若干傾いてはいるものの、浮き部材124は制限部材175に沿って下方に移動している。かかる位置においては、浮力受け部152はその全体が下側層118内に入っている。また、当該位置では、一対の永久磁石164及び一対の強磁性体166が縦方向(鉛直方向)に並んでいる。
また、既に説明したとおり、出力軸162は正逆両方向に回転可能な構成であるため、図9(c)→図9(b)→図9(a)といったように、浮き部材124を上方に移動させることもできる。この場合、浮き部材124には、下側層118の液体及び上側層119の液体からの浮力により上方に押し上げる方向に常に付勢力が作用しているため、線状部材123が伸張された状態を維持しながら浮き部材124は上方に移動することとなる。
ちなみに、浮き部材124の上下の動きを演出として用いる際には、浮き部材124の横方の位置が制限部材175により制限された範囲において出力軸162を正逆両方向に回転させる構成としてもよい。つまり、図9(b)に示す位置と図9(c)に示す位置との間で、出力軸162を正逆両方向に回転させることで、遊技者に対して、浮き部材124が縦方向にのみ浮き沈みしている様子を視認させることができる。
上記のように浮き部材124が、図9(a)→図9(b)→図9(c)といったように下方に沈み、また図9(c)→図9(b)→図9(a)といったように上方に浮くことで、浮き部材124の浮力受け部152において下側層118に入り込む範囲が変動し、その際に下側層118が上側層119との界面120においてテーパ面153よって横方に押されたり、元に戻ったりすることで、当該界面120が波立つこととなる。つまり、本演出用ユニット100では、浮き部材124の動きを遊技者に視認させることができるとともに、下側層118と上側層119との間の界面120の波立つ様子を遊技者に視認させることができる。
特に、単一の液体層の液面を波立たせるのではなく、複数の液体層の界面120を波立たせることにより、波立つ際の界面120の揺れがゆっくりしたものとなり、波立つ様子を遊技者に良好に視認させることができる。かかる構成において、下側層118が有色透明であるのに対して上側層119が無色透明であることにより、遊技者には液体の層が下側層118の一層のみであると認識される易くなり、上記のように波立つ際の界面120の揺れをゆっくりなものとしながら、一層の液体層の液面が波立っているように遊技者に認識させることが可能となる。この場合、あたかも川や海の液面に浮いている浮き部材124が、魚などに引っ張られて浮き沈みしているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
次に、駆動受け部材122の回転に伴い浮き部材124が移動する場合のより詳細な動きについて、図10(a)〜(d)を用いて説明する。図10(a)〜(d)は、隔壁部141を挟んで対向する永久磁石164と強磁性体166との位置関係を簡略に示しており、説明の便宜上、隔壁部141を実際の外径よりも大きい状態で示している。なお、出力軸162は一定の回転速度で回転するように駆動制御される。
既に説明したように、駆動受け部材122の内側貫通孔135に対して隔壁部141が遊挿されているとともに、隔壁部141に遊挿された出力軸162が回転した場合には当該出力軸162に設けられた永久磁石164の磁力により駆動受け部材122に設けられた強磁性体166が吸引されることにより当該駆動受け部材122が回転する。この場合に、駆動受け部材122における内側環部132の内周面は隔壁部141の外周面上を摺動するため、駆動受け部材122には摩擦力が掛ることとなる。
かかる構成において、図10(a)に示すように、永久磁石164が隔壁部141を挟んで強磁性体166の所定領域と対向する範囲に配置されている状態では、永久磁石164の吸引力の軸線周りの成分Kmが、隔壁部141と駆動受け部材122との間の摩擦力(具体的には、静止摩擦力)を含め駆動受け部材122が回転しようとする方向に対して反対側への対抗力Krよりも小さい。この状態では、出力軸162が回転したとしても駆動受け部材122は回転しない。
その後、図10(b)に示すように、出力軸162がさらに回転し、強磁性体166の回転位置に対する永久磁石164の回転位置が追従可能距離を超えるまで離間されることにより、永久磁石164の吸引力の軸線周りの成分Kmが上記対抗力Krよりも大きくなる。これにより、永久磁石164の回転位置に近付くように強磁性体166が吸引されることで、駆動受け部材122が隔壁部141上を摺動するようにして回転する。
この場合に、駆動受け部材122が回転を開始した際には、隔壁部141との間の摩擦力は静止摩擦力から動摩擦力に切り換わることで摩擦力自体は小さくなる一方、下側層118の液体の抵抗力が生じる。但し、当該摩擦力の減少分に比べ、液体の抵抗力の方が小さくなるように、駆動受け部材122が形成されている。
その後、図10(c)に示すように、強磁性体166の回転位置に対する永久磁石164の回転位置が追従可能距離未満となることにより、永久磁石164の吸引力の軸線周りの成分Kmが上記対抗力Krよりも小さくなり、駆動受け部材122の回転速度は減速される。この場合、出力軸162の回転速度によっては、駆動受け部材122は一端停止した状態となる。
ここで、図10(b)の位置から図10(c)の位置まで駆動受け部材122が回転した場合には、それに合わせて浮き部材124が沈むこととなるが、この場合に浮き部材124の下側層118への入り込み量が増大したとすると、上側層119に比べ下側層118の比重が大きいことに起因して、浮き部材124に掛る浮力が大きくなる。そうすると、浮き部材124を上方に引っ張る力が大きくなることに伴って駆動受け部材122を図10(a)の位置に戻そうとする力が大きくなる。この場合、永久磁石164の磁力と下側層118及び上側層119から受ける浮力とが平衡状態となる際の永久磁石164に対する強磁性体166の相対位置が変わり、図10(d)に示すように、駆動受け部材122は出力軸162の回転方向とは逆方向に若干回転する。
上記図10(a)〜(d)に示す駆動受け部材122の動きに対応した浮き部材124の動きの様子を図11に示す。図11(a)は出力軸162の回転量を示し、図11(b)は浮き部材124の変位量を示す。なお、図11(a),(b)は出力軸162が正方向に回転し、浮き部材124が基本的に沈んでいく様子を示す。
出力軸162及び浮き部材124の両方が停止している状況においてt1のタイミングで、出力軸162が一定の回転速度で回転を開始する。この場合、図10(a)を用いて説明したように、出力軸162に設けられた永久磁石164による吸引力に比べ、出力軸162の回転方向とは逆方向への対抗力が大きいため、駆動受け部材122は停止している状態を維持し、浮き部材124はその場で待機する。
その後、t2のタイミングで、図10(b)を用いて説明したように、強磁性体166に対する永久磁石164の相対距離が追従可能距離に達することで対抗力に比べ吸引力が大きくなり、駆動受け部材122が出力軸162に追従して回転を開始し、それに伴って浮き部材124が下方に沈む。その後、図10(c)を用いて説明したように、駆動受け部材122の追従に伴って強磁性体166に対する永久磁石164の相対距離が縮まり吸引力に比べ対抗力が大きくなることで、駆動受け部材122が減速を開始する。
また、浮き部材124が下方へ沈み込むことに伴って浮力受け部152の下側層118に入り込んでいる領域が広くなる。これにより、図10(d)を用いて説明したように、浮き部材124にかかる浮力が大きくなり、永久磁石164の吸引力と液体からの浮力との平衡状態となる位置が変わる。よって、駆動受け部材122が逆方向に若干回転し、それに伴ってt3のタイミングからt4のタイミングで示すように、浮き部材124が浮力を受けている方向である上方に若干移動する。
また、駆動受け部材122が回転した場合には、駆動受け部材122や浮き部材124に対する慣性力により線状部材123が若干緩んだ状態となることが想定される。この場合、液体の浮力によって線状部材123が再度、伸張状態となる際に、浮き部材124が浮力を受けている方向である上方に若干移動するものと考えられる。この点からも、t3のタイミングからt4のタイミングで示すように、浮き部材124が浮力を受けている方向である上方に若干移動することが想定される。なお、当該動作を前提とすれば、浮力を受けている方向である上方に浮き部材124を若干移動させるためには、少なくとも一層の液体の層が形成されていればよい。
その後、強磁性体166に対する永久磁石164の相対距離が追従可能距離に達するまでの期間であるt4のタイミングからt5のタイミングまで駆動受け部材122が停止するとともに、浮き部材124はその場で待機する。ちなみに、永久磁石164による強磁性体166の吸着力は、浮き部材124の移動可能範囲においていずれの位置に浮き部材124が配置されたとしても浮き部材124が液体から受ける浮力よりも大きくなるように設定されている。したがって、浮き部材124が出力軸162の回転に全く追従しなくなるという現象が起こらないようになっている。
その後、t2のタイミング〜t5のタイミングの動作を繰り返すことで、出力軸162の回転量の増加に伴って、浮き部材124の下方への変位量が増加していく。
なお、浮き部材124が最大上端位置に配置されている状態から、出力軸162が逆方向に所定の回転速度で回転する場合も、浮き部材124は同様の動きをする。また、浮き部材124の全体が下側層118に入り込んでいる状態から出力軸162が浮き部材124を最大上端位置に向けて移動させる方向に所定の回転速度で回転した場合には、少なくとも浮き部材124の断続的な動きは発生する。
次に、遊技盤24に設置されている演出用ユニット100の遊技者にとって視認可能は範囲について、図4及び図5を用いて説明する。
図5に示すように、演出用ユニット100は、可動演出ブロック101及び駆動ブロック102のうち、可動演出ブロック101がパチンコ機10前側となるように設置され、その状態で土台103が遊技盤24の設置部181に固定されている。また、この設置箇所は、図4に示すように、可動演出ブロック101の表面板部114が図柄表示装置41の表示画面と隣接する位置となっている。
この場合に、図5に示すように、センターフレーム42には、可動演出ブロック101において注入口116及びキャップ117が設けられた領域を含む上部領域182に対してパチンコ機10前方にて対向し、当該上部領域182をパチンコ機10前方から隠す上側遮蔽部183が形成されている。これにより、遊技者にとって注入口116及びキャップ117やハウジング111の上縁を視認しづらくなる。
また、センターフレーム42には、可動演出ブロック101の隔壁部141及び駆動受け部材122と駆動ブロック102とを含めた駆動機構が設けられた領域を含む下部領域184に対してパチンコ機10にて対向し、当該下部領域184をパチンコ機10前方から隠す下側遮蔽部185が形成されている。これにより、遊技者にとっては駆動機構やハウジング111の下縁を視認しづらくなる。
特に、可動演出ブロック101において隔壁部141及び駆動受け部材122はその全体が、着色された液体が封入された下側層118の領域に対して設けられており、さらに駆動ブロック102は当該下側層118の後方に配置されている。したがって、遊技者が上側遮蔽部183と下側遮蔽部185との間の領域の延長線上から可動演出ブロック101を見下ろしたとしても、上記駆動機構は視認しづらいものとなる。
また、図示による説明は省略するが、センターフレーム42には、可動演出ブロック101のハウジング111の左右両縁を隠すための遮蔽部も形成されている。
その一方、浮き部材124の少なくとも演出時における移動範囲は、上側遮蔽部183及び下側遮蔽部185を含めた各遮蔽部と対向する領域に含まれていない。そして、可動演出ブロック101のハウジング111が、当該ハウジング111の外部から浮き部材124を視認可能となるように無色透明に形成されていることにより、遊技者は浮き部材124の動きを視認することができるとともに、下側層118と上側層119との間の界面120が波立つ様子を視認することができる。
次に、演出用ユニット100の組み立て工程について簡単に説明する。
先ず、表側筒部142又は裏側筒部143の先端を駆動受け部材122の内側貫通孔135に挿通した状態で、表ケース112と裏ケース113とを組み合わせ、両ケース112,113を固定する。この際、両ケース112,113の境界の接着も合わせて行う。この場合、駆動受け部材122は隔壁部141における一対の位置規制環部145間に配置される。
その後、注入口116から重側液体をハウジング111内に注入するとともに、軽側液体をハウジング111内に注入した後に、注入口116をキャップ117により塞ぐ。これにより、可動演出ブロック101の組み立てが完了する。この場合、ハウジング111内において下側層118と上側層119とからなる2重の液体の層が形成されるとともに、浮き部材124が浮力を受けることで、浮きユニット121は自然状態となる。そして、当該可動演出ブロック101を土台103に固定する。
その後、隔壁部141の隔壁貫通孔144内に出力軸162が遊挿されるように駆動ブロック102を土台103上に配置し、その状態で駆動ブロック102を土台103に固定する。これにより、演出用ユニット100の組み立てが完了する。なお、駆動ブロック102や可動演出ブロック101のメンテナンスに際しては、それぞれを土台103から取り外すことで当該メンテナンスを行うことができる。
その後、土台103を遊技盤24の設置部181に固定することで、演出用ユニット100の遊技盤24に対する設置が完了する。
ここで、パチンコ機10が製造場所から遊技ホールなどに搬送される場合には、演出用ユニット100が設置された状態で当該搬送が行われる。この場合に、可動演出ブロック101のハウジング111の内部空間にはその略全体に亘って液体が封入されている。したがって、搬送時にパチンコ機10が傾けられたりしたとしても、浮き部材124がハウジング111の内壁に勢いよく衝突してしまうことが抑えられ、搬送時における浮き部材124などの破損が抑制される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、スイッチ群の一部として、作動口33,34及び可変入賞装置32などといった入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において入球部への入球判定が行われる。また、MPU202では、入球部のうち作動口33,34への入球に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
ここで、MPU202にて大当たり発生抽選等を行う上での電気的な構成について図13を用いて説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、第1特定ランプ部43の発光色の設定や、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり状態や通常大当たり状態等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置41における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。
これらカウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM204には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口33,34への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU202)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいて大当たり状態の発生の有無を抽選する大当たり発生抽選手段を備えている。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態が終了した後に、確変状態(高確率状態)とするか通常状態(低確率状態)とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU202)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいて大当たり状態の種別を抽選する大当たり種別抽選手段を備えている。
ここで、確変状態とは、大当たり状態の終了後において予め定められた終了条件が成立するまで、大当たり状態の発生確率が通常状態よりも高くなる遊技状態のことをいう。具体的には、通常状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は2個で、その値は「337,673」であり、確変状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は10個で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
また、本パチンコ機10では、大当たり状態の終了後に通常状態となる通常大当たり状態(第1特別遊技状態)と、大当たり状態の終了後に確変状態となる確変大当たり状態(第2特別遊技状態)とで、図柄表示装置41の表示画面において変動表示後に停止表示される図柄の態様が異なっている。具体的には、通常大当たり状態が発生する場合には第1特別表示結果としての通常大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の偶数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示され、確変大当たり状態が発生する場合には第2特別表示結果としての確変大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の奇数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU202)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいてリーチ表示の発生の有無を抽選するリーチ発生抽選手段を備えている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替えを行う時間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置41の図柄の変動表示時間に相当する。変動種別カウンタCSは、所定の更新タイミングとなることにより更新され、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図12の説明に戻り、MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入球部への入球判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドは、保留球格納エリアに格納されている情報に基づいて第1特定ランプ部43における切換表示を開始する場合に、音声ランプ制御装置82に出力される。この場合、変動用コマンドには、図柄の変動表示時間、大当たり発生の有無の情報、リーチ表示の有無の情報などが含まれており、種別コマンドには、停止表示させる図柄の種類の情報が含まれている。
ちなみに、変動用コマンド及び種別コマンドは、保留球格納エリアに格納されている保留情報について大当たり抽選などを行った後に出力されるが、これに限定されることはなく、大当たり抽選などを行うのに先立ち変動用コマンドを出力するとともに、大当たり抽選などを行った後に種別コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、変動用コマンドを図柄の変動表示の開始契機を知らせるための情報として機能させるとともに、種別コマンドに、図柄の変動表示時間、大当たり発生の有無の情報、リーチ表示の有無の情報及び停止表示させる図柄の種類の情報などが含まれる構成とするとよい。
また、停止表示コマンドは、第1特定ランプ部43における切換表示を終了する場合に、音声ランプ制御装置82に出力される。また、大当たり開始コマンドは、大当たり状態に移行する場合に、音声ランプ制御装置82に出力される。また、大当たり終了コマンドは、大当たり状態が終了する場合に、音声ランプ制御装置82に出力される。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32に設けられた駆動部などが接続されており、大当たり状態においては当該駆動部の駆動制御が実行され、可変入賞装置32の開閉が実行される。このように大当たり状態において可変入賞装置32の開閉が実行されることにより多数の遊技球が遊技者に払い出されることとなる。つまり、特別遊技状態としての大当たり状態を、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態とすることができる。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置97は、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、上記賞球コマンドを入力した場合には、その賞球コマンドに対応した数の遊技球が払い出されるように払出装置96を駆動制御する。換言すれば、払出制御装置97は、賞球コマンドを入力した場合には、払出制御処理を実行して払出装置96を駆動制御することで、賞球コマンドに対応した数の遊技球を払い出す。つまり、本パチンコ機10は、遊技結果に基づいて遊技球の払出を実行する払出機能を有している。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御基板201から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたスピーカ部や発光部を駆動制御するとともに、表示制御装置210を制御するものである。表示制御装置210を制御する上では、音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した変動用コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドなどの各種コマンドを、その情報形態を維持した状態で表示制御装置210に出力する。
表示制御装置210に設けられた表示制御基板211には、MPU212が搭載されている。MPU212には、当該MPU212により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM213と、そのROM213内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM214と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU212には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU212の入力側には、音声ランプ制御装置82が接続されているとともに、演出用ユニット100に設けられた位置検知センサ171が接続されている。また、MPU212の出力側には、図柄表示装置41が接続されているとともに、演出用ユニット100に設けられた駆動回路216が接続されている。なお、駆動回路216は演出用ユニット100において土台103上に設けられており、当該駆動回路216は駆動ブロック102の本体部161と接続されている。
MPU212では、主制御装置81から出力され音声ランプ制御装置82を経由して出力されてくる演出用コマンド(変動用コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンド等)を入力するとともに、入力コマンドを解析し又は入力コマンドに基づき所定の演算処理を行って図柄表示装置41の表示制御を実行する。
具体的には、変動用コマンド及び種別コマンドを入力した場合に、該当する遊技回における図柄の変動表示パターンや図柄の停止結果を決定して図柄表示装置41における図柄の変動表示を開始させるとともに、その変動表示パターンが実行された後に図柄の停止結果を表示した状態で図柄の変動表示を終了させる。停止結果を表示する場合には、上記通常大当たり状態が発生することとなる遊技回においては通常大当たり図柄の組み合わせを表示させ、上記確変大当たり状態が発生することとなる遊技回においては確変大当たり図柄の組み合わせを表示させる。また、変動表示パターンは複数種類設定されており、それらの中には例えば上述したリーチ表示やリーチ演出が含まれる変動表示パターンが設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、図柄表示装置41における図柄の変動表示に合わせて演出用ユニット100において浮き部材124が浮き沈みする演出が実行されることがある。当該演出の実行タイミングとしては、例えばリーチ表示が行われることを示唆するためのリーチ示唆演出が設定されており、またリーチ表示中に行われるリーチ対応演出が設定されている。また、図柄の変動表示の終了に際して通常大当たり図柄の組み合わせを表示させた後に確変大当たり図柄の組み合わせに切り換える昇格演出が図柄表示装置41にて行われることに前後して又はその最中に行われる昇格対応演出が設定されている。さらには、図柄の変動表示の終了に際して通常大当たり図柄の組み合わせを表示させた後に、大当たり状態中に確変大当たりであることを示す大当たり中演出が図柄表示装置41にて行われることに前後して又はその最中に行われる大当たり中対応演出が設定されている。つまり、表示制御装置210のMPU212は、図柄表示装置41における表示状況に対応させて、演出用ユニット100を動作させる演出制御手段を備えている。
かかる演出制御に際しては、表示制御装置210のMPU212は、位置検知センサ171にて出力軸162の回転位置を把握する。また、本体部161に向けて正方向用の駆動信号を出力することで出力軸162を正方向に回転させる。この場合、出力軸162が一定の回転速度で正方向に回転するように、正方向用の駆動信号を出力する。但し、出力軸162が一定の回転速度で正方向に回転することは必須ではなく、回転速度を変動させながら正方向に回転する構成としてもよい。また、本体部161に向けて逆方向用の駆動信号を出力することで出力軸162を逆方向に回転させる。この場合、出力軸162が一定の回転速度で逆方向に回転するように、逆方向用の駆動信号を出力する。但し、出力軸162が一定の回転速度で逆方向に回転することは必須ではなく、回転速度を変動させながら逆方向に回転する構成としてもよい。
なお、上記各演出は全て実行されることは必須ではなく、上記各演出の一部のみが実行される構成としてもよい。また、浮き部材124の動作継続時間や動作速度が、上記各演出に応じて異なるように設定されていてもよい。この場合、各演出に応じた動作継続時間情報や動作速度情報が、演出情報記憶手段としての機能を有するROM213に予め記憶させておく必要がある。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
演出用ユニット100において、駆動受け部材122の内側貫通孔135に対して隔壁部141が遊挿されているとともに、隔壁部141に遊挿された出力軸162が回転した場合には当該出力軸162に設けられた永久磁石164の磁力により駆動受け部材122に設けられた強磁性体166が吸引されることにより当該駆動受け部材122が回転する構成とした。かかる構成では、永久磁石164の吸引力における駆動受け部材122の回転方向の成分が、永久磁石164に対する強磁性体166の相対距離に応じて、隔壁部141と駆動受け部材122との間の摩擦力を含め駆動受け部材122が回転しようとする方向に対して反対側への対抗力に対して大小する。よって、出力軸162の回転に対して駆動受け部材122が追従して回転する場合に当該駆動受け部材122が回転速度を変動させながら回転する。これにより、駆動受け部材122に線状部材123を介して連結された浮き部材124の動きが不規則なものとなり、演出用ユニット100の動作が斬新なものとなる。
また、永久磁石164による吸引力と、隔壁部141及び駆動受け部材122間の摩擦力との設定により、駆動受け部材122が回転速度を変動させながら回転する構成であるため、出力軸162において回転速度を変動させる必要がない。よって、回転速度を変更可能な駆動ブロック102を用いることなく又は出力軸162の回転速度を変動させるための駆動制御を行わなくても上記効果を奏することができる。つまり、汎用的な駆動手段を用いながら又は駆動制御に際しての処理負荷の軽減を図りながら、上記効果を奏することができる。
上記吸引力を永久磁石164と強磁性体166との組み合わせにより生じさせるようにしたことにより、構成の簡素化を図りつつ上記のような優れた効果を奏することができる。また、本構成によれば、隔壁部141の隔壁貫通孔144内に出力軸162を挿入した場合には磁気的な吸引力により出力軸162に駆動受け部材122が引き寄せられるため、隔壁貫通孔144内に出力軸162を挿入することで出力軸162に対して駆動受け部材122が自ずと追従可能な状態となる。
浮き部材124は液体が封入されたハウジング111内に収容されており、浮き部材124の移動範囲には、下側層118と上側層119との界面120を跨ぐように配置された位置から下側層118内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれている。これにより、浮き部材124はハウジング111内に封入された液体から受ける浮力により駆動受け部材122側とは反対側に付勢されることとなり、駆動受け部材122が初期位置に復帰した場合に、当該動作に浮き部材124が追従し易くなる。
また、上記のように浮き部材124の移動範囲が設定されていることにより、出力軸162の回転に駆動受け部材122が追従した場合には浮き部材124の動きを遊技者に視認させることができるだけでなく、界面120が波立つ様子を遊技者に視認させることができる。つまり、本構成によれば、浮き部材124に付勢力を付与する付勢手段として液体を用いたことにより、出力軸162を出力状態とすることで浮き部材124が動作するとともに界面120が波立つこととなり、1種類の出力により複数の視的効果を遊技者に提供することができる。
また、上記のとおり駆動受け部材122は回転速度を変動させながら出力軸162に追従して回転し、それに伴って浮き部材124は不規則な動きをすることとなるため、界面120が波立ち易くなる。
また、上記のように浮き部材124が移動する場合には、浮き部材124が沈むほど浮力が増加することとなる。この場合、浮き部材124は駆動受け部材122の回転に対して単に引っ張られて動くだけでなく、それとは反対側に戻る動きも行うこととなる。これにより、浮き部材124の動きを不規則なものとすることが可能となる。
隔壁部141は、ハウジング111において当該ハウジング111の内部空間(すなわち、液室)に対して隔壁貫通孔144を区画するように形成されており、さらに駆動受け部材122はハウジング111の内部空間内に設けられているとともに隔壁部141において隔壁貫通孔144を区画する壁部を隔壁貫通孔144の軸線周りに囲む環状に形成されている。これにより、浮き部材124を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、隔壁部141や駆動受け部材122をハウジング111の外部に設ける構成に比べ好ましい構成となる。つまり、隔壁部141や駆動受け部材122がハウジング111の外部に設けられた構成においては、例えば線状部材123をハウジング111の内外に貫通させる必要が生じる。そうすると、ハウジング111におけるその貫通箇所から液体が漏れないようにするための構成を別途設ける必要が生じる。これに対して、本パチンコ機10の構成によれば上記のような貫通箇所を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、演出用ユニット100の設置箇所における構成が上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態における設置箇所に係る構成について、図14を用いて説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、その説明を基本的に省略する。
図14に示すように、木製の遊技盤221の裏面側には合成樹脂製の裏側集合板222が設けられている。当該裏側集合板222において遊技盤221側とは反対側に主制御装置81が搭載されている。また、裏側集合板222には、図示は省略するが、作動口33,34等に入賞した遊技球をパチンコ機10の外部に排出するための排出通路などが設けられている。裏側集合板222には、パチンコ機10後方に突出するようにして設置部223が設けられており、当該設置部223上に演出用ユニット100が設置されている。
設置部223には、上下方向に貫通する設置側貫通孔224が複数形成されているとともに、演出用ユニット100の土台225には上下方向に貫通する土台側貫通孔226が各設置側貫通孔224に対して1対1で連通するように複数形成されている。また、設置部223の下方には、設置側貫通孔224及び土台側貫通孔226の各組み合わせの全てと連通する液体通路部227が形成されている。この場合に、設置部223の下方には主制御装置81を含めパチンコ機10の他の構成部品が設けられているが、液体通路部227はこれら他の構成部品との干渉を避けるように形成されている。液体通路部227は、パチンコ機10の下部に設けられた図示しない液体排出部に通じている。なお、当該液体排出部はパチンコ機10に設けられている必要はなく、例えば遊技ホールの島設備に設けられている構成としてもよい。
上記構成であることにより、演出用ユニット100の老朽化や破損により、ハウジング111内に封入された液体が漏れ出たとしても、当該液体は、液体通路部227を通じて液体排出部に排出される。よって、漏れ出た液体が主制御装置81などの電気部品にかかり、当該電気部品が破損してしまうことが抑制される。また、設置部223は木製の遊技盤221ではなく、合成樹脂製の裏側集合板222に設けられているため、漏れ出た液体が遊技盤221に染み込みづらくなる。
ちなみに、液体通路部227と主制御装置81との間には、演出用ユニット100の設置箇所を主制御装置81の設置箇所に対して隔離するための仕切板228が設けられている。これにより、上記漏れ出た液体が液体通路部227にて回収されなかったとしても、当該漏れ出た液体が主制御装置81にかかりづらくなる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、演出用ユニットの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態における演出用ユニット230の構成について、図15を用いて説明する。図15(a)は演出用ユニット230の構成を説明するための正面図、図15(b)は図15(a)のA―A線断面図である。
図15(a)に示すように、演出用ユニット230は、合成樹脂製のベース板231を備えているとともに、当該ベース板231の表面に設けられた可動ユニット232と、ベース板231の裏面に設けられた駆動ユニット233と、を備えている。
可動ユニット232は、ベース板231上において所定の一辺に沿うようにして設けられた表面側レール241に沿ってベース板231上を摺動可能に設けられた駆動受け部材242と、当該駆動受け部材242に対して線状部材243を介して連結された演出可動物244と、当該演出可動物244を駆動受け部材242側とは反対側に向けて付勢する付勢部材245と、を備えている。付勢部材245は途中位置につるまきバネが設けられてなり、演出可動物244に固定された側の端部とは反対側の端部が、ベース板231において表面側レール241が設けられた側とは反対側の一辺に偏倚させた位置に固定されている。図15(a)において実線にて示す位置から二点鎖線にて示す位置に駆動受け部材242が表面側レール241に沿って摺動した場合には、付勢部材245が初期位置の状態よりも伸張することで演出可動物244が駆動受け部材242に追従して移動する。
駆動ユニット233は、図15(b)に示すように、ベース板231の裏面において当該ベース板231を挟んで表面側レール241と対向するように設けられた裏面側レール251と、当該裏面側レール251に沿ってスライド移動する駆動部252と、を備えている。裏面側レール251の長さ方向の両端の一方には図示しない駆動ローラが設けられているとともに他方には図示しない従動ローラが設けられており、これら駆動ローラと従動ローラとを掛け渡すように図示しない駆動ベルトが設けられている。駆動ローラが回転することで駆動ベルトが移動し、それに伴って裏面側レール251上を駆動部252がスライド移動することとなる。
駆動部252は、合成樹脂製の駆動ケースに対して永久磁石253が内蔵されて構成されている。また、当該永久磁石253に対応させて駆動受け部材242における合成樹脂製の駆動受けケースに対して鉄片254が内蔵されている。これにより、駆動部252が裏面側レール251に沿って移動した場合には、永久磁石253の磁力による吸着力及び吸引力により、表面側レール241に沿って駆動受け部材242がベース板231上を摺動する。そして、駆動受け部材242の移動に伴って演出可動物244が移動する。
上記構成では、駆動受け部材242はベース板231を挟んで駆動部252に対して対向配置されているとともに、駆動部252に設けられた永久磁石253の磁力により駆動受け部材242が吸引されることで駆動部252の移動に追従して駆動受け部材242が移動することとなる。また、この駆動受け部材242の移動に際しては当該駆動受け部材242とベース板231との間に摩擦力が生じる。さらには、図15(a)にて実線で示す初期位置から駆動受け部材242が移動し、それに伴って演出可動物244が移動した場合には、付勢部材245が初期位置の状態よりも引っ張られた状態となるため、演出可動物244及び駆動受け部材242に対する駆動部252に吸引される方向とは逆方向への付勢力が大きくなる。したがって、本実施の形態に係る構成であっても、演出可動物244に対して断続的な動作を行わせることが可能となる。
なお、上記演出用ユニット230は、演出可動物244の位置が駆動受け部材242に対して上方の位置となるようにベース板231を鉛直方向に起立させて配置されるが、これに限定されることはなく、ベース板231において可動ユニット232が設けられた側である表面が上方又は斜め上方を向くように配置してもよい。
また、液体の液面が波立つ様子を遊技者に視認させることによって斬新な演出を提供することができるという点に着目すれば、演出用ユニット230を液体が封入された容器内に設置するとともに、演出可動物244が所定の基準位置に配置されている状態において当該演出可動物244が液層の液面を跨ぐようにし、さらに演出可動物244が上記基準位置から液層内に沈む方向に移動可能とするとよい。
また、付勢部材245としてゴム紐を用いてもよい。さらには当該付勢部材245に代えて送風機を設け、当該送風機からの風により演出可動物244に付勢力を付与する構成としてもよい。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成は、上記各実施の形態のうち適用対象として例示した実施の形態とは異なる実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1の実施の形態において、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら出力軸162に追従することで浮き部材124の動作を斬新なものとすることができるという点に着目すれば、ハウジング111内に液体を封入する構成に代えて、上記第3の実施の形態のように付勢部材を設けることにより、浮き部材124に対して駆動受け部材242側とは反対側への付勢力を付与する構成としてもよい。なお、付勢部材としては、コイルバネや板バネを用いてもよく、ゴム紐を用いてもよい。
(2)上記第1の実施の形態において、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら出力軸162に追従することで浮き部材124の動作を斬新なものとすることができるという点に着目すれば、出力軸162に駆動受け部材242を追従させるための吸引力を発生させる吸引手段は、永久磁石164と強磁性体166との組み合わせに限定されない。例えば、上記(1)のように液体の代わりにバネなどの付勢部材を設けた構成においては、空圧により駆動受け部材242を吸引する構成を出力軸162に設け、当該空圧による吸引力が隔壁部141と駆動受け部材242との間の摩擦力に対して大小することで、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら追従する構成としてもよい。
(3)上記第1の実施の形態において、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら出力軸162に追従することで浮き部材124の動作を斬新なものとすることができるという点に着目すれば、出力軸162に駆動受け部材242が追従する方向の力に対して対抗する力は、隔壁部141と駆動受け部材242との間の摩擦力に限定されない。例えば、上記(2)のように空圧により駆動受け部材242を吸引する構成においては、駆動受け部材242と出力軸162とを直接接触させるとともに、駆動受け部材242が追従する方向に対して反対方向に向けて駆動受け部材242を引っ張るようにバネなどの付勢部材を設け、上記空圧による吸引力が付勢部材の付勢力に対して大小することで、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら追従する構成としてもよい。
(4)隔壁部141、駆動受け部材242及び駆動ブロック102を、液体が封入されたハウジング111に対して別に設け、駆動受け部材242の動きが当該駆動受け部材242とハウジング111との当接箇所を通じて当該ハウジング111に伝達される構成としてもよい。当該構成であっても、液体の液面が波立つ態様を不規則なものとすることができる。
(5)上記第1の実施の形態において、強磁性体166に代えて、他の磁性体を用いてもよい。また、強磁性体166に代えて、永久磁石を用いてもよい。また、出力軸162に強磁性体166などの磁性体を設けるとともに駆動受け部材242に磁石を設け、駆動受け部材242側から磁力を発生させることで、出力軸162の動作に駆動受け部材242が追従する構成としてもよい。
また、永久磁石に代えて、電磁石を用いてもよい。但し、本構成においては電磁石を通電させるための構成が必要となるため、構成の簡素化を図る上では、永久磁石を用いることが好ましい。また、永久磁石164と強磁性体166との組み合わせの数は、2組に限定されることはなく、1組であってもよく、3組以上であってもよい。
(6)上記第1の実施の形態において、隔壁部141と駆動受け部材242との合わせ面に対して、両者の摩擦力を向上させるための摩擦力向上手段を付与してもよい。例えば、合わせ面を構成する少なくとも一方の面をゴムなどの摩擦係数の大きい材料により形成してもよく、合わせ面を構成する少なくとも一方の面に凹凸を設けてもよい。
(7)上記第1の実施の形態において、ハウジング111内に複数の液層が形成されているのではなく、単一の液層のみが形成されている構成としてもよい。この場合であっても、浮き部材124の移動範囲に、単一の液層の液面を跨ぐように配置されている位置から、液層に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることにより、液面が波立つ様子を遊技者に視認させることができる。なお、本構成においては、単一の液層を形成する液体として、無色の液体を用いてもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、上側層119を形成する液体として、有色の液体を用いてもよい。また、下側層118を形成する液体として、不透明の液体を用いてもよい。
(9)上記第1の実施の形態において、浮き部材124やその周辺を照らす照明手段を設けてもよい。この場合、当該照明手段の光を当てる方向を、出力軸162の軸線方向に対して直交する方向とすることで、駆動受け部材242の回転に伴って浮き部材124の位置がずれたとしても、当該浮き部材124に照明手段からの光を当て易くなる。また、浮き部材124自身に発光手段を設けてもよい。また、下側層118と上側層119との界面120を照らす照明手段を設けてもよい。
(10)上記第1の実施の形態において、ハウジング111や駆動受け部材242の形状は任意である。例えば、駆動受け部材242が単一の環状となるように形成された構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態において、液体の液面が波立つ様子を遊技者に視認させることによって斬新な演出を提供することができるという点に着目すれば、駆動受け部材242が追従速度を変動させながら追従する構成は必須ではない。例えば、回転モータの出力軸に撹拌部材を設け、当該撹拌部材により液面を波立たせる構成や、ハウジング111に対して外部から一定の振動を与える構成としてもよい。
(12)上記実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置210が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置210が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置210とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,210が一の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、主制御装置81から音声ランプ制御装置82に出力されるコマンドの構成も任意である。
また、音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からコマンドを入力した場合に、当該コマンドをそのまま表示制御装置210に出力するのではなく、音声ランプ制御装置82において図柄の変動表示のパターンなどを特定するとともに、その特定結果を含めた情報を表示制御装置210に出力する構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.駆動手段(駆動ブロック102)が駆動状態となることで動作する可動手段(浮きユニット121)を備えている遊技機において、
前記駆動手段及び前記可動手段の少なくとも一方に設けられ、前記可動手段を前記駆動手段の動きに追従させる追従力付与手段(永久磁石164)と、
前記駆動手段の動きに追従して前記可動手段が移動する場合に、当該可動手段に対してその移動方向とは反対側に向けた成分を含む対抗力を付与する対抗力付与手段(隔壁部141)と、
を備え、
前記追従力付与手段による追従力及び前記対抗力付与手段による対抗力は、前記駆動手段の動きに前記可動手段が追従する場合に当該可動手段が追従速度を変動させながら追従するように設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、駆動手段が駆動状態となり可動手段が追従する場合、追従力付与手段による追従力及び対抗力付与手段による対抗力により、当該可動手段は追従速度を変動させながら追従することとなる。そして、可動手段が追従速度を変動させながら追従することで、可動手段は動作速度を変動させながら動作することとなる。これにより、可動手段の動作を斬新なものとすることが可能となる。
特に、追従力付与手段の追従力及び対抗力付与手段の対抗力の設定により、可動手段が追従速度を変動させながら追従する構成であるため、駆動手段においては動作速度を変動させる必要がない。よって、動作速度を変更可能な駆動手段を用いることなく又は動作速度を変動させるための駆動制御を行わなくても上記効果を奏することができる。
以上より、可動手段を用いた遊技の興趣の向上を好適に図ることが可能となる。
特徴A2.駆動手段(駆動ブロック102)が駆動状態となることで動作する可動手段(浮きユニット121)を備えている遊技機において、
前記駆動手段及び前記可動手段の間を隔てる隔壁部(隔壁部141)と、
前記駆動手段及び前記可動手段の少なくとも一方に設けられ、磁力により他方を吸引することが可能であるとともに、その吸引力により前記可動手段を前記隔壁部上において摺動させながら前記駆動手段の動きに追従させる磁気手段(永久磁石164)と、
を備え、
前記磁気手段による吸引力と、前記可動手段が前記隔壁部上を摺動することにより生じる摩擦力とは、前記駆動手段の動きに前記可動手段が追従する場合に当該可動手段が追従速度を変動させながら追従するように設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、駆動手段の動きに可動手段が追従する場合、磁気手段による吸引力と、可動手段が隔壁部上を摺動することにより生じる摩擦力とにより、当該可動手段は追従速度を変動させながら追従することとなる。そして、可動手段が追従速度を変動させながら追従することで、可動手段は動作速度を変動させながら動作することとなる。これにより、可動手段の動作を斬新なものとすることが可能となる。
特に、磁気手段による吸引力と、隔壁部及び可動手段の摩擦力との設定により、可動手段が追従速度を変動させながら追従する構成であるため、駆動手段においては動作速度を変動させる必要がない。よって、動作速度を変更可能な駆動手段を用いることなく又は駆動手段の動作速度を変動させるための駆動制御を行わなくても上記効果を奏することができる。つまり、汎用的な駆動手段を用いながら又は駆動制御に際しての処理負荷の軽減を図りながら、上記効果を奏することができる。
以上より、可動手段を用いた遊技の興趣の向上を良好に図ることが可能となる。
特徴A3.前記磁気手段は、前記駆動手段又は前記可動手段の一方が有する磁石(永久磁石164)と、他方が有するとともに前記磁石の磁力により吸引される磁性体(強磁性体166)と、を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、磁気手段は、永久磁石と磁性体とにより構成されているため、構成の簡素化を図りつつ上記特徴A2の優れた効果を奏することができる。
なお、「磁性体」には「磁石」が含まれる。また、「磁石」には「永久磁石」と「電磁石」とが含まれるが、さらなる構成の簡素化を図る上では「永久磁石」を用いることが好ましい。
特徴A4.前記駆動手段は、所定方向に延びるとともに当該駆動手段が駆動状態となることで軸線周りに回転する出力部(出力軸162)を有しており、
前記隔壁部は、前記出力部を挿入可能な挿入孔(隔壁貫通孔144)を有しており、
前記可動手段は、前記隔壁部において前記挿入孔を区画する壁部を前記挿入孔の軸線周りに囲む環状の受け部(駆動受け部材122)を有しており、
前記出力部が前記挿入孔内において回転した場合には前記磁気手段の吸引力により前記出力部に追従して前記受け部が前記挿入孔の軸線周りに回転するとともに、その回転に際して前記区画する壁部の壁面と前記受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成であることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、可動手段を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、上記特徴A2の優れた効果を奏することができる。
特徴A5.前記磁気手段は、前記出力部又は前記受け部の一方が有する磁石(永久磁石164)と、他方が有するとともに前記磁石の磁力により吸引される磁性体(強磁性体166)と、を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、磁気手段は、磁石と磁性体とにより構成されているため、構成の簡素化を図りつつ上記特徴A2の優れた効果を奏することができる。また、隔壁部の挿入孔内に出力部を挿入した場合には磁気的な吸引力により出力部に受け部が引き寄せられるため、挿入孔内に出力部を挿入することで出力部に対して受け部が自ずと追従可能な状態となる。
なお、「磁性体」には「磁石」が含まれる。また、「磁石」には「永久磁石」と「電磁石」とが含まれるが、さらなる構成の簡素化を図る上では「永久磁石」を用いることが好ましい。
特徴A6.前記磁石及び前記磁性体のうち一方は前記出力部においてその軸線周りの一部に設けられているとともに、他方は前記受け部においてその軸線周りの一部に設けられていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、出力部の回転に対して受け部が追従して回転するとともに、その回転に際して隔壁部の壁面と受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成において、磁石と磁性体との相対距離が出力部の軸線周りに所定の距離以上離間され、受け部にかかる吸引力のうち軸線周りに回転する方向の成分が上記摩擦力を超えることで受け部が回転し、その回転に伴って磁石と磁性体との相対距離が所定の距離未満となると、吸引力のうち軸線周りに回転する方向の成分が上記摩擦力を下回ることで受け部が減速する。そして、再度、上記相対距離が所定の距離以上となることで、受け部が加速する。これにより、受け部は追従速度を変動させながら追従することとなり、可動手段の動作を斬新なものとすることが可能となる。
特徴A7.前記可動手段は、
前記駆動手段との間に前記隔壁部を挟むようにして設けられ、前記駆動手段が動作した場合に前記磁気手段の吸引力により当該駆動手段の動きに追従して移動するとともにその移動に際して前記隔壁部上を摺動する受け部(駆動受け部材122)と、
線状部材(線状部材123)を介して前記受け部に連結された可動物(浮き部材124)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、受け部の動きは線状部材を介して可動物に伝わるため、当該動きの伝わりに際して線状部材が揺らぐことにより可動物の動きが不規則なものとなる。
特に、上記特徴A2の構成を備え、受け部は追従速度を変動させながら駆動手段の動きに追従するため、線状部材が揺らぎ易くなり、それに伴って可動物の動きがより不規則なものとなる。
特徴A8.前記可動物を前記受け部側とは反対側に付勢する付勢手段(下側層118、上側層119)を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、可動物が受け部側とは反対側に付勢されていることにより、受け部が初期位置から移動した後において当該受け部が初期位置に復帰した場合に、当該動作に可動物が追従し易くなる。
特徴A9.前記付勢手段は、前記可動物の少なくとも一部の移動範囲において、前記受け部側に向けて前記可動物が向かうほど前記受け部側とは反対側に向けた付勢力を増加させるものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、受け部側に向かうほど付勢力が増加することとなる移動範囲を可動物が移動する場合には、当該可動物は受け部の移動に対して単に引っ張られて動くだけでなく、それとは反対側に戻る動きを行うことが可能となる。これにより、可動物の動きを不規則なものとすることが可能となる。
特徴A10.前記駆動手段は、所定方向に延びるとともに当該駆動手段が駆動状態となることで軸線周りに回転する出力部(出力軸162)を有しており、
前記隔壁部は、前記出力部を挿入可能な挿入孔(隔壁貫通孔144)を有しており、
前記受け部は、前記隔壁部において前記挿入孔を区画する壁部を前記挿入孔の軸線周りに囲むように形成されており、
前記出力部が前記挿入孔内において回転することにより、それに追従して前記受け部が前記挿入孔の軸線周りに回転するとともに、その回転に際して前記区画する壁部の壁面と前記受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成であることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、可動手段を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A11.前記出力部の回転に追従して前記受け部が回転することで前記可動物が移動する場合に、当該可動物の移動範囲を所定方向に制限する制限部材(制限部材175)が設けられていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、可動物の移動範囲が制限部材により所定方向に制限されるため、遊技者が可動物の動きを確認する場合に視認する範囲が制限され、それに伴って遊技者にとって視認すべき範囲が明確化される。
特徴A12.前記付勢手段は、内部空間を有する容器内に封入された液体であり、
前記可動物は、前記容器内に配置されているとともに、前記受け部の追従に伴って前記液体内を移動するように配置されており、
さらに、前記可動物の移動範囲には、前記液体の液面(界面120)を跨ぐように前記可動物が配置された基準位置から当該液体内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることを特徴とする特徴A8乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、容器内に封入された液体から受ける浮力により可動物が受け部側とは反対側に付勢されることとなる。
この場合に、可動物の移動範囲に、液面を跨ぐように可動物が配置された位置から当該液体内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることにより、駆動手段の動きに受け部が追従した場合には可動物の動きを遊技者に視認させることができるだけでなく、液面が波立つ様子を遊技者に視認させることができる。つまり、本構成によれば、可動物に付勢力を付与する付勢手段として液体を用いたことにより、駆動手段を駆動状態とすることで可動物が動作するとともに液面が波立つこととなり、1種類の出力により複数の視的効果を遊技者に提供することができる。
特に、上記特徴A2の構成を備え、受け部は追従速度を変動させながら駆動手段の動きに追従し、それに伴って可動物は不規則な動きをすることとなるため、液面が波立ち易くなる。
また、上記のように可動物が移動する場合には、可動物が沈むほど浮力が増加することとなる。この場合、可動物は受け部の移動に対して単に引っ張られて動くだけでなく、それとは反対側に戻る動きを行うことが可能となる。これにより、可動物の動きを不規則なものとすることが可能となる。
特徴A13.前記駆動手段は、所定方向に延びるとともに当該駆動手段が駆動状態となることで軸線周りに回転する出力部(出力軸162)を有しており、
前記隔壁部は、前記容器において当該容器の所定の壁面から当該容器の内側に向けて延びる挿入孔(隔壁貫通孔144)を前記容器の内部空間に対して区画するように形成されており、
前記受け部は、前記容器内に設けられているとともに、前記隔壁部において前記挿入孔を区画する壁部を前記挿入孔の軸線周りに囲むように形成されており、
前記出力部が前記挿入孔内において回転することにより、それに追従して前記受け部が前記挿入孔の軸線周りに回転するとともに、その回転に際して前記区画する壁部の壁面と前記受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成であることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、可動手段を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、隔壁部が液体を封入する容器に設けられているとともに当該容器内に受け部が設けられているため、これら隔壁部や受け部を容器の外部に設ける構成に比べ好ましい構成となる。つまり、隔壁部や受け部が容器の外部に設けられた構成においては、例えば線状部材を容器の内外に貫通させる必要が生じる。そうすると、容器におけるその貫通箇所から液体が漏れないようにするための構成を別途設ける必要が生じる。これに対して、本特徴の構成によれば上記のような貫通箇所を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴A14.前記液面を生じさせる液体は有色であり、
前記受け部及び前記隔壁部を含めた前記駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に前記液体が含まれる位置となるように設定されていることを特徴とする特徴A12又はA13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、液面を生じさせる液体が有色であることにより、可動物の動きに応じて液面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。その一方、受け部及び隔壁部を含めた駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に液体が含まれる位置となるように設定されているため、遊技者にとって上記駆動箇所が視界に入りづらくなる。つまり、本構成によれば、有色の液体を用いるという簡易な構成を通じて、液面が波立つ様子の視認性の向上が図られているとともに、駆動箇所の視認性を低下させるという両方の効果を奏することができる。
なお、上記特徴A13を備えた構成においては、「前記隔壁部は前記容器の内部空間のうち前記着色された液体により液層が形成されている領域に対して前記挿入孔を区画するように形成されているとともに、前記受け部は前記液層にその全体が含まれている」構成とすることで、上記特徴A13の作用効果と上記特徴A14の作用効果とを良好に奏することができる。
特徴A15.前記可動物は、前記受け部が初期位置に配置されている状態において前記液体内にその全体が入り込んでいることを特徴とする特徴A12乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、可動物は受け部が初期位置に配置されている状態においてその全体が液体内に入り込んでいるため、搬送時などに遊技機に振動が加えられたとしても、容器の内壁面に可動物が勢いよく衝突してしまうことが抑えられる。よって、遊技機の搬送時などに可動物が破損してしまう可能性が低減される。
特徴A16.前記容器内には、それぞれ比重が異なる複数種類の液体が封入されていることにより、複数の液体層が形成されており、
前記受け部は、前記複数の液体層における第1層(下側層118)と当該第1層に対してその上方にて重なる第2層(上側層119)との間の界面(界面120)よりも低い位置に配置されており、
前記可動物の移動範囲には、前記界面を跨いで前記第1層及び前記第2層に亘って配置されている基準位置と、その跨いだ状態を維持しながら当該基準位置よりも第1層側に沈んだ位置とが含まれていることを特徴とする特徴A12乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、可動物が基準位置に配置されている状態であっても当該可動物には受け部側とは反対側に向けて第1層の液体及び第2層の液体から浮力を受けることとなる。これにより、基準位置から第1層側に沈ませた後に可動物を基準位置に復帰させる場合に、その復帰を速やかに行わせることが可能となる。
また、可動物が基準位置から第1層側に沈んだ場合には、可動物において第2層内に入り込んだ領域が減少するのに対して第1層内に入り込んだ領域が増加するため、受け部側に向けて可動物が向かうほど受け部側とは反対側に向けた付勢力を増加させることが可能となる。これにより、かかる移動範囲を可動物が移動する場合には、当該可動物は受け部の移動に対して単に引っ張られて動くだけでなく、それとは反対側に戻る動きを行わせることが可能となる。よって、可動物の動きを不規則なものとすることが可能となる。
特徴A17.前記可動物は、前記基準位置に配置されている状態において前記第1層及び前記第2層にその全体が入り込んでいることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、可動物は基準位置に配置されている状態においてその全体が液体内に入り込んでいるため、搬送時などに遊技機に振動が加えられたとしても、容器の内壁面に可動物が勢いよく衝突してしまうことが抑えられる。よって、遊技機の搬送時などに可動物が破損してしまう可能性が低減される。
特徴A18.前記第1層は有色の液体により形成されており、
前記受け部及び前記隔壁部を含めた前記駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に前記第1層が含まれる位置となるように設定されていることを特徴とする特徴A16又はA17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1層が有色の液体により形成されていることにより、可動物の動きに応じて界面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。その一方、受け部及び隔壁部を含めた駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に第1層が含まれる位置となるように設定されているため、遊技者にとって上記駆動箇所が視界に入りづらくなる。つまり、本構成によれば、第1層を有色の液体により形成するという簡易な構成を通じて、界面が波立つ様子の視認性の向上が図られているとともに、駆動箇所の視認性を低下させるという両方の効果を奏することができる。
なお、上記特徴A13を備えた構成においては、「前記隔壁部は前記容器の内部空間のうち前記第1層が形成されている領域に対して前記挿入孔を区画するように形成されているとともに、前記受け部は前記第1層にその全体が含まれている」構成とすることで、上記特徴A13の作用効果と上記特徴A18の作用効果とを良好に奏することができる。
特徴A19.前記第1層は有色の液体により形成されているとともに、前記第2層は無色透明の液体により形成されていることを特徴とする特徴A16乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、第1層が有色の液体により形成されているとともに第2層が無色透明の液体により形成されていることにより、可動物の動きに応じて界面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。
特に、第2層が無色透明の液体により形成されていることにより、可動物が第1層と第2層との界面を跨ぐように配置されている状態であっても、遊技者に対しては単一の液層の液面に可動物が浮いているかのように視認させることができる。これにより、かかる視的効果を奏しながら、上記特徴A16において説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A20.演出実行手段にて遊技状況に応じた演出を実行させる演出実行制御手段(表示制御装置210のMPU212において各遊技回の図柄の変動表示を制御する機能)と、
前記演出実行手段にて所定の演出が実行されている状況で前記駆動手段が駆動状態となるように当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(表示制御装置210のMPU212において演出用ユニット100を駆動制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、演出実行手段における演出に対応させて可動手段を動作させることができる。
特徴B1.液体を収容する液室が形成されているとともに、当該液室内に収容されている液体により形成されている液層(下側層118)の液面(界面120)が遊技機前方から視認可能なように設けられた容器(ハウジング111)と、
前記液面を揺らす可動手段(浮きユニット121)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可動手段により液層の液面が揺らされることにより、遊技者は液面が波立っている様子を演出として視認することができる。特に、液面が波立つ場合には、その波立つ態様は不規則なものとなる。これにより、可動手段を用いた遊技の興趣の向上を好適に図ることが可能となる。
特徴B2.前記可動手段は、前記液室内に配置された可動物(浮き部材124)を備えており、
当該可動物の移動範囲には、前記液面を跨ぐように前記可動物が配置された基準位置から前記液層内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、可動物の移動範囲に、液面を跨ぐように可動物が配置された位置から液層内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることにより、可動物の動きを遊技者に視認させながら、液面が波立つ様子を遊技者に視認させることができる。つまり、本構成によれば、可動物を動作させるという1種類の出力により、複数の視的効果を遊技者に提供することができる。
特徴B3.前記可動物を、前記液体の浮力に抗して前記液層内に沈む方向に移動させる駆動手段(駆動ブロック102)を備え、
前記液層を形成する液体は有色であり、
前記駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に前記液層が含まれる位置となるように設定されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、液層を形成する液体が有色であることにより、可動物の動きに応じて液面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。その一方、駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に液体が含まれる位置となるように設定されているため、遊技者にとって上記駆動箇所が視界に入りづらくなる。つまり、本構成によれば、有色の液体を用いるという簡易な構成を通じて、液面が波立つ様子の視認性の向上が図られているとともに、駆動箇所の視認性を低下させるという両方の効果を奏することができる。
特徴B4.前記可動物を前記液層内に沈む方向に移動させる駆動力が付与されていない前記可動物の初期位置では、当該可動物は前記液層内にその全体が入り込んでいることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、可動物は初期位置に配置されている状態においてその全体が液層内に入り込んでいるため、搬送時などに遊技機に振動が加えられたとしても、容器の内壁面に可動物が勢いよく衝突してしまうことが抑えられる。よって、遊技機の搬送時などに可動物が破損してしまう可能性が低減される。
特徴B5.前記液室内には、それぞれ比重が異なる複数種類の液体が封入されていることにより、複数の液体層が形成されており、
前記基準位置は、前記複数の液体層における第1層(下側層118)と当該第1層に対してその上方にて重なる第2層(上側層119)との間の界面(界面120)を跨いでそれら第1層及び第2層に亘って可動物が配置されている位置であり、
前記可動物の移動範囲には、前記基準位置と、前記界面を跨いだ状態を維持しながら当該基準位置よりも前記第1層側に沈んだ位置とが含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、可動物が基準位置に配置されている状態であっても当該可動物には受け部側とは反対側に向けて第1層の液体及び第2層の液体から浮力を受けることとなる。これにより、基準位置から第1層側に沈ませた後に可動物を基準位置に復帰させる場合に、その復帰を速やかに行わせることが可能となる。
特徴B6.前記可動物は、前記基準位置に配置されている状態において前記第1層及び前記第2層にその全体が入り込んでいることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、可動物は基準位置に配置されている状態においてその全体が液体内に入り込んでいるため、搬送時などに遊技機に振動が加えられたとしても、容器の内壁面に可動物が勢いよく衝突してしまうことが抑えられる。よって、遊技機の搬送時などに可動物が破損してしまう可能性が低減される。
特徴B7.前記可動物を、前記第1層を形成している液体の浮力に抗して前記第1層内に沈む方向に移動させる駆動手段(駆動ブロック102)を備え、
前記第1層は有色の液体により形成されており、
前記駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に前記第1層が含まれる位置となるように設定されていることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第1層が有色の液体により形成されていることにより、可動物の動きに応じて界面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。その一方、駆動手段による駆動箇所は、遊技機前方から当該駆動箇所を視認しようとしても、その遊技機前方から当該駆動箇所に至るまでの視線の経路上に第1層が含まれる位置となるように設定されているため、遊技者にとって上記駆動箇所が視界に入りづらくなる。つまり、本構成によれば、第1層を有色の液体により形成するという簡易な構成を通じて、界面が波立つ様子の視認性の向上が図られているとともに、駆動箇所の視認性を低下させるという両方の効果を奏することができる。
特徴B8.前記第1層は有色の液体により形成されているとともに、前記第2層は無色透明の液体により形成されていることを特徴とする特徴B5乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1層が有色の液体により形成されているとともに第2層が無色透明の液体により形成されていることにより、可動物の動きに応じて界面が波立つ様子を遊技者が視認し易くなる。
特に、第2層が無色透明の液体により形成されていることにより、可動物が第1層と第2層との界面を跨ぐように配置されている状態であっても、遊技者に対しては単一の液層の液面に可動物が浮いているかのように視認させることができる。これにより、かかる視的効果を奏しながら、上記特徴B5において説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B9.前記可動手段を動作させる駆動手段(駆動ブロック102)と、
前記駆動手段及び前記可動手段の少なくとも一方に設けられ、前記可動手段を前記駆動手段の動きに追従させる追従力付与手段(永久磁石164)と、
前記駆動手段の動きに追従して前記可動手段が移動する場合に、当該可動手段に対してその移動方向とは反対側に向けた成分を含む対抗力を付与する対抗力付与手段(隔壁部141)と、
を備え、
前記追従力付与手段による追従力及び前記対抗力付与手段による対抗力は、前記駆動手段の動きに前記可動手段が追従する場合に当該可動手段が追従速度を変動させながら追従するように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、駆動手段が駆動状態となり可動手段が追従する場合、追従力付与手段による追従力及び対抗力付与手段による対抗力により、当該可動手段は追従速度を変動させながら追従することとなる。そして、可動手段が追従速度を変動させながら追従することで、可動手段は動作速度を変動させながら動作することとなる。このように複雑な動作で液面を揺らすことにより、液面が波立ち易くなる。
特に、追従力付与手段の追従力及び対抗力付与手段の対抗力の設定により、可動手段が追従速度を変動させながら追従する構成であるため、駆動手段においては動作速度を変動させる必要がない。よって、動作速度を変更可能な駆動手段を用いることなく又は動作速度を変動させるための駆動制御を行わなくても上記効果を奏することができる。
特徴B10.前記可動手段を動作させる駆動手段(駆動ブロック102)と、
前記駆動手段及び前記可動手段の間を隔てる隔壁部(隔壁部141)と、
前記駆動手段及び前記可動手段の少なくとも一方に設けられ、磁力により他方を吸引することが可能であるとともに、その吸引力により前記可動手段を前記隔壁部上において摺動させながら前記駆動手段の動きに追従させる磁気手段(永久磁石164)と、
を備え、
前記磁気手段による吸引力と、前記可動手段が前記隔壁部上を摺動することにより生じる摩擦力とは、前記駆動手段の動きに前記可動手段が追従する場合に当該可動手段が追従速度を変動させながら追従するように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、駆動手段の動きに可動手段が追従する場合、磁気手段による吸引力と、可動手段が隔壁部上を摺動することにより生じる摩擦力とにより、当該可動手段は追従速度を変動させながら追従することとなる。そして、可動手段が追従速度を変動させながら追従することで、可動手段は動作速度を変動させながら動作することとなる。このように複雑な動作で液面を揺らすことにより、液面が波立ち易くなる。
特に、磁気手段による吸引力と、隔壁部及び可動手段の摩擦力との設定により、可動手段が追従速度を変動させながら追従する構成であるため、駆動手段においては動作速度を変動させる必要がない。よって、動作速度を変更可能な駆動手段を用いることなく又は駆動手段の動作速度を変動させるための駆動制御を行わなくても上記効果を奏することができる。つまり、汎用的な駆動手段を用いながら又は駆動制御に際しての処理負荷の軽減を図りながら、上記効果を奏することができる。
特徴B11.前記磁気手段は、前記駆動手段又は前記可動手段の一方が有する磁石(永久磁石164)と、他方が有するとともに前記磁石の磁力により吸引される磁性体(強磁性体166)と、を備えていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、磁気手段は、永久磁石と磁性体とにより構成されているため、構成の簡素化を図りつつ上記特徴B10の優れた効果を奏することができる。
なお、「磁性体」には「磁石」が含まれる。また、「磁石」には「永久磁石」と「電磁石」とが含まれるが、さらなる構成の簡素化を図る上では「永久磁石」を用いることが好ましい。
特徴B12.前記駆動手段は、所定方向に延びるとともに当該駆動手段が駆動状態となることで軸線周りに回転する出力部(出力軸162)を有しており、
前記隔壁部は、前記出力部を挿入可能な挿入孔(隔壁貫通孔144)を有しており、
前記可動手段は、前記隔壁部において前記挿入孔を区画する壁部を前記挿入孔の軸線周りに囲む環状の受け部(駆動受け部材122)を有しており、
前記出力部が前記挿入孔内において回転することにより、それに追従して前記受け部が前記挿入孔の軸線周りに回転するとともに、その回転に際して前記区画する壁部の壁面と前記受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成であることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
特徴B12によれば、可動手段を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、上記特徴B11の優れた効果を奏することができる。
特徴B13.前記磁気手段は、前記出力部又は前記受け部の一方が有する磁石(永久磁石164)と、他方が有するとともに前記磁石の磁力により吸引される磁性体(強磁性体166)と、を備えていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、磁気手段は、磁石と磁性体とにより構成されているため、構成の簡素化を図りつつ上記特徴B11の優れた効果を奏することができる。また、隔壁部の挿入孔内に出力部を挿入した場合には磁気的な吸引力により出力部に受け部が引き寄せられるため、挿入孔内に出力部を挿入することで出力部に対して受け部が自ずと追従可能な状態となる。
なお、「磁性体」には「磁石」が含まれる。また、「磁石」には「永久磁石」と「電磁石」とが含まれるが、さらなる構成の簡素化を図る上では「永久磁石」を用いることが好ましい。
特徴B14.前記磁石及び前記磁性体のうち一方は前記出力部においてその軸線周りの一部に設けられているとともに、他方は前記受け部においてその軸線周りの一部に設けられていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、出力部の回転に対して受け部が追従して回転するとともに、その回転に際して隔壁部の壁面と囲み部の壁面との間に摩擦力が生じる構成において、磁石と磁性体との相対距離が出力部の軸線周りに所定の距離以上離間され、受け部にかかる吸引力のうち軸線周りに回転する方向の成分が上記摩擦力を超えることで受け部が回転し、その回転に伴って磁石と磁性体との相対距離が所定の距離未満となると、吸引力のうち軸線周りに回転する方向の成分が上記摩擦力を下回ることで受け部が減速する。そして、再度、上記相対距離が所定の距離以上となることで、受け部が加速する。これにより、受け部は追従速度を変動させながら追従することとなる。
特徴B15.前記可動手段は、
前記駆動手段との間に前記隔壁部を挟むようにして設けられ、前記駆動手段が動作した場合に前記磁気手段の吸引力により当該駆動手段の動きに追従して移動するとともにその移動に際して前記隔壁部上を摺動する受け部(駆動受け部材122)と、
線状部材(線状部材123)を介して前記受け部に連結された可動物(浮き部材124)と、
を備えており、
当該可動物の移動範囲には、前記液面を跨ぐように前記可動物が配置された基準位置から前記液層内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることを特徴とする特徴B10乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、可動物の移動範囲に、液面を跨ぐように可動物が配置された位置から液層内に沈む方向に移動する移動範囲が含まれていることにより、可動物の動きを遊技者に視認させながら、液面が波立つ様子を遊技者に視認させることができる。つまり、本構成によれば、可動物を動作させるという1種類の出力により、複数の視的効果を遊技者に提供することができる。
また、受け部の動きは線状部材を介して可動物に伝わるため、当該動きの伝わりに際して線状部材が揺らぐことにより可動物の動きが不規則なものとなる。
特に、上記特徴B10の構成を備え、受け部は追従速度を変動させながら駆動手段の動きに追従するため、線状部材が揺らぎ易くなり、それに伴って可動物の動きがより不規則なものとなる。
特徴B16.前記駆動手段は、所定方向に延びるとともに当該駆動手段が駆動状態となることで軸線周りに回転する出力部(出力軸162)を有しており、
前記隔壁部は、前記容器において当該容器の所定の壁面から当該容器の内側に向けて延びる挿入孔(隔壁貫通孔144)を前記容器の液室に対して区画するように形成されており、
前記受け部は、前記容器内に設けられているとともに、前記隔壁部において前記挿入孔を区画する壁部を前記挿入孔の軸線周りに囲むように形成されており、
前記出力部が前記挿入孔内において回転することにより、それに追従して前記受け部が前記挿入孔の軸線周りに回転するとともに、その回転に際して前記区画する壁部の壁面と前記受け部の壁面との間に摩擦力が生じる構成であることを特徴とする特徴B15に記載の遊技機。
特徴B16によれば、可動手段を動作させる構成のコンパクト化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、隔壁部が液体を封入する容器に設けられているとともに当該容器内に受け部が設けられているため、これら隔壁部や受け部を容器の外部に設ける構成に比べ好ましい構成となる。つまり、隔壁部や受け部が容器の外部に設けられた構成においては、例えば線状部材を容器の内外に貫通させる必要が生じる。そうすると、容器におけるその貫通箇所から液体が漏れないようにするための構成を別途設ける必要が生じる。これに対して、本特徴の構成によれば上記のような貫通箇所を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、上記特徴B3を備えた構成においては、「前記隔壁部は前記容器の内部空間のうち前記着色された液体により液層が形成されている領域に対して前記挿入孔を区画するように形成されているとともに、前記受け部は前記液層にその全体が含まれている」構成とすることで、上記特徴B3の作用効果と上記特徴B16の作用効果とを良好に奏することができる。
また、上記特徴B7を備えた構成においては、「前記隔壁部は前記容器の内部空間のうち前記第1層が形成されている領域に対して前記挿入孔を区画するように形成されているとともに、前記受け部は前記第1層にその全体が含まれている」構成とすることで、上記特徴B7の作用効果と上記特徴B16の作用効果とを良好に奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、102…駆動手段としての駆動ブロック、111…容器としてのハウジング、118…第1層としての下側層、119…第2層としての上側層、120…界面、121…可動手段としての浮きユニット、122…受け部としての駆動受け部材、123…線状部材、124…可動物としての浮き部材、141…対抗力付与手段を構成する隔壁部、144…挿入孔としての隔壁貫通孔、162…出力部としての出力軸、164…追従力付与手段又は磁気手段を構成する永久磁石、166…磁気手段を構成する強磁性体、175…制限部材、210…表示制御装置、212…駆動制御手段としての機能を有するMPU。