JP2010130722A - 電歪アクチュエータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電歪アクチュエータを用いて、柔軟な動きを達成することが可能な電歪アクチュエータシステムを提供する。
【解決手段】エラストマー11を挟むように配置された正極電極12および負極電極13に帯電している電荷に応じて、エラストマー11を伸縮変形させる電歪アクチュエータ10と、印加用スイッチSWi1と印加用抵抗Ri1を備え、電源40と正極電極12との間に直列接続される電圧印加回路50と、放電用スイッチSWo1と放電用抵抗Ro1を備え、両端を正極電極12および負極電極13のそれぞれに接続される放電回路60と、印加用抵抗Ri1の抵抗値に応じて印加用スイッチSWi1のON時間を制御し、且つ、放電用抵抗Ro1の抵抗値に応じて放電用スイッチSWo1のON時間を制御することにより、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷を制御する制御装置70を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、電歪アクチュエータ、すなわち、エラストマーと前記エラストマーの表裏両面を挟むようにそれぞれ配置された正極電極および負極電極とを備え、前記正極電極および前記負極電極に帯電している電荷に応じて前記エラストマーを伸縮変形させる電歪アクチュエータを備えるシステムに関するものである。
従来、電歪アクチュエータとして、例えば、特開2005-260236号公報(特許文献1)に記載されているものがある。ここで、電歪アクチュエータに対して高い駆動周波数の電圧を印加した場合に、電歪アクチュエータに残留した電荷によって、実際にアクチュエータに印加される駆動電圧が入力電圧より小さくなる問題が発生する。つまり、一定の周波数以上の駆動電圧において、電歪アクチュエータの変位が減少することになる。
この問題を解決するために、特許文献1には、電歪アクチュエータに残留した電荷を放電するための放電回路を設けることが記載されている。放電回路により、電歪アクチュエータに残留した電荷を放電することで、放電後に印加される入力電圧が実際の駆動電圧に相当することができるとされている。
特開2005-260236号公報(請求項7、[0025]、[0071]〜[0077])
ところで、特許文献1などに記載の電歪アクチュエータの駆動回路においては、入力電圧を制御することにより、電歪アクチュエータの変位量を制御していた。一般に、電歪アクチュエータにパルス波の電圧を印加することで、電歪アクチュエータの急峻な動きを達成していた。
また、電歪アクチュエータなどのいわゆる人工筋肉の制御対象は、近年、多種多様化しており、人工筋肉は、例えば、特に人間共存型ロボットのハンドなどのアクチュエータとして期待されている。人間共存型ロボットのハンドには、柔軟な動きを求められる。例えば、実際の人に触れる際に、ロボットハンドは人に衝撃を与えないように、ゆっくりとした動きをする必要がある。さらに、人に接触した時に、ロボットハンドが押し戻されるような柔軟性も必要となる。このような動きを達成するアクチュエータとして、人工筋肉が注目されている。
これまで、ロボットハンドは、一般に電気モータなどを用いて駆動している。しかし、モータにより駆動した場合には、上述したような柔軟性を達成することが容易ではない。さらに、特許文献1に記載した駆動回路においても、問題を生じる。確かに、電歪アクチュエータそのものの持つ柔軟性をある程度は発揮することができる。しかし、この電歪アクチュエータをゆっくりと動かそうとすることは容易ではない。電歪アクチュエータの動きは、電歪アクチュエータに印加される電圧に依存する。つまり、電歪アクチュエータに電圧を印加する場合に、駆動回路に供給する入力電圧を変化させることで、ゆっくりとした動きを達成できる。しかし、電歪アクチュエータに帯電した電荷を放電する際には、放電回路により瞬間的に放電することになるため、このときに電歪アクチュエータの動きは急峻な動きとなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電歪アクチュエータを用いて、柔軟な動きを達成することが可能な電歪アクチュエータシステムを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(手段1)手段1に係る電歪アクチュエータシステムは、
エラストマーと前記エラストマーの表裏両面を挟むようにそれぞれ配置された正極電極および負極電極とを備え、前記正極電極および前記負極電極に帯電している電荷に応じて前記エラストマーを伸縮変形させる電歪アクチュエータと、
印加用スイッチと該印加用スイッチに直列接続される印加用抵抗を備え、電源と前記正極電極との間に直列接続される電圧印加回路と、
放電用スイッチと該放電用スイッチに直列接続される放電用抵抗を備え、両端を前記正極電極および前記負極電極のそれぞれに接続される放電回路と、
前記印加用抵抗の抵抗値に応じて前記印加用スイッチのON時間を制御し、且つ、前記放電用抵抗の抵抗値に応じて前記放電用スイッチのON時間を制御することにより、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする。
これにより、正極電極および負極電極に帯電する電荷を自由に制御できる。具体的には、印加用スイッチをONさせ、且つ、放電用スイッチをOFFすることにより、一対の電極(正極電極および負極電極)に帯電する電荷を増加させることができる。増加する電荷は、印加用抵抗の抵抗値と印加用スイッチのON時間に応じたものとなる。一方、印加用スイッチをOFFさせ、且つ、放電用スイッチをONすることにより、一対の電極に帯電している電荷を減少させることができる。減少させる電荷は、放電用抵抗の抵抗値と放電用スイッチのON時間に応じたものとなる。このように、一対の電極に帯電する電荷を自由に制御できることにより、電歪アクチュエータにおけるエラストマーの伸縮変形量を自由に制御できる。
(手段2)手段1に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御することにより、前記エラストマーの伸縮量を制御するようにしてもよい。
これにより、エラストマーの伸縮量、すなわちエラストマーが変形している状態を制御することができる。
(手段3)手段1または2に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御することにより、前記エラストマーの伸縮変形速度を制御するようにしてもよい。
これにより、エラストマーの伸縮変形速度、すなわちエラストマーが変形する速度を制御することができる。
(手段4)手段3に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記制御装置は、前記印加用スイッチがONしている時に前記正極電極および前記電源に電気的に接続される前記印加用抵抗の抵抗値を変化させるようにしてもよい。
これにより、一対の電極(正極電極と負極電極)に帯電する電荷を増加させる際に、エラストマーの変形速度を確実に且つ容易に制御できる。
(手段5)手段3または4に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記制御装置は、前記放電用スイッチがONしている時に前記正極電極および前記負極電極に電気的に接続される前記放電用抵抗の抵抗値を変化させるようにしてもよい。
これにより、一対の電極(正極電極と負極電極)に帯電する電荷を減少させる際に、エラストマーの変形速度を確実に且つ容易に制御できる。
(手段6)手段4に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記印加用スイッチおよび前記印加用抵抗は、並列接続された複数組からなり、
それぞれの前記印加用抵抗の抵抗値は、異なる抵抗値に設定されているようにしてもよい。
これにより、一対の電極(正極電極と負極電極)に帯電する電荷を増加させる際に、エラストマーの変形速度の制御を確実に且つ容易に実現できる。
(手段7)手段5に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記放電用スイッチおよび前記放電用抵抗は、並列接続された複数組からなり、
それぞれの前記放電用抵抗の抵抗値は、異なる抵抗値に設定されているようにしてもよい。
これにより、一対の電極(正極電極と負極電極)に帯電する電荷を減少させる際に、エラストマーの変形速度の制御を確実に且つ容易に実現できる。
(手段8)手段1〜7の何れかに記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、
前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に現在帯電している電荷と、指令値とに基づいて、前記印加用スイッチおよび前記放電用スイッチのON/OFFを制御するようにしてもよい。
これにより、確実に、一対の電極に帯電する電荷が指令値の電荷となるように、制御することができる。つまり、電歪アクチュエータを確実に制御できる。
(手段9)手段1〜8の何れか一項に記載の電歪アクチュエータシステムにおいて、前記電源により印加される電圧は、一定電圧としてもよい。
これにより、電源から印加される電圧を制御することなく、電歪アクチュエータの伸縮制御を行うことができる。
(他の手段)また、前記電歪アクチュエータは、前記エラストマーと前記正極電極および前記負極電極とからなる一組の電歪エラストマーを複数層積層して形成されるようにしてもよい。これにより、エラストマーの伸縮変形量を大きくすることができる。
また、前記電歪アクチュエータにおける前記エラストマーは、前記エラストマーの表裏面の電極に電荷が帯電することにより前記エラストマーの表面の接線方向に伸縮変形可能としている。これにより、エラストマーが延在する方向の長さが伸縮変形する。例えば、エラストマーの両端の位置を規制している場合には、平面状の状態と、中央部が凸状に撓み変形する状態と変化することができる。この電歪アクチュエータは、人型ロボットのハンドのアクチュエータに適用することができ、ダイヤフラムポンプのダイヤフラムアクチュエータに適用することができる。
以下、本発明の電歪アクチュエータシステムを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の電歪アクチュエータシステムについて以下に説明する。まず、電歪アクチュエータシステムを構成する電歪アクチュエータ10について、図1および図2を参照して説明する。図1は、電歪アクチュエータ10の斜視図であって、(a)は電極に電荷が帯電していない状態を示し、(b)は電極に電荷が帯電している状態を示す。図2は、電歪アクチュエータ10の模式断面図である。
電歪アクチュエータ10は、いわゆる人工筋肉(ソフトアクチュエータ)である。この電歪アクチュエータ10は、図1および図2に示すように、エラストマー11と、エラストマー11の表裏両面を挟むようにそれぞれ配置された正極電極12および負極電極13とを備える。そして、エラストマー11、正極電極12および負極電極13からなるひと組の電歪エラストマーが、複数層、本実施形態においては3層積層されている。つまり、図2に示すように、正極電極12、エラストマー11、負極電極13、エラストマー11、正極電極12、エラストマー11、負極電極13の順に積層されている。
ここで、エラストマー11は、ゴム状の誘電体であって、膜厚方向に圧縮されると、面方向に伸張変形する。このエラストマー11は、シリコーンゴム系、アクリル系、NBR系等の材料がよく用いられる。そして、正極電極12および負極電極13に挟まれる1層のエラストマー11の膜厚は、20μm〜100μmである。また、正極電極12および負極電極13の膜厚は、5μm〜20μmである。
そして、正極電極12と負極電極13との間に高電圧を印加すると、正極電極12および負極電極13に電荷が帯電する。そうすると、図1(b)に示すように、各電極12、13に帯電した電荷による引力により、エラストマー11が膜厚方向に圧縮され、その結果、エラストマー11は、面方向に伸張変形する。つまり、正極電極12および負極電極13に帯電している電荷に応じて、エラストマー11が伸縮変形する。
ここで、本実施形態に適用する電歪アクチュエータ10においては、エラストマー11による伸縮変形により生じる力を十分に発揮するために、エラストマー11の膜厚1μmに対して例えば60V程度の電圧を印加している。そして、例えば、エラストマー11の総膜厚(3層のエラストマー11の合計膜厚)が50μmとすると、電極12、13に印加すべき電圧は、3000Vとなる。このように、本実施形態の電歪アクチュエータ10に印加する電圧は非常に高電圧となる。
次に、電歪アクチュエータ10を人型ロボットハンド20のアクチュエータ装置30に適用した場合について、図3を参照して説明する。図3(a)は、人型ロボットハンド20、および、そのアクチュエータ装置20について示す図であり、(b)は人型ロボットハンド20を伸ばした状態(B)におけるアクチュエータ装置30を示し、(c)は人型ロボットハンド20を屈曲した状態(C)におけるアクチュエータ装置30を示す。
図3(a)に示すように、人型ロボットハンド20は、3つの関節21、22、23により連結される部材(図示せず)と、被覆部材24と、駆動力伝達部材25とを備えている。人型ロボットハンド20は、人間の手の指をなすように形成されている。3つの関節21、22、33は、所定軸周りに回転可能に二部材を連結している。さらに、3つの関節21〜23が回転する軸は、ほぼ平行となるように構成されている。被覆部材24は、関節21〜23および関節21〜23により連結される部材を被覆している。そして、被覆部材24は、人間の指の外形をなすように形成されている。駆動力伝達部材25は、伸張変形不能で、撓み変形可能な材料により、長尺薄膜状に形成されている。この駆動力伝達部材25の一端は、先端の第一関節21に固定され、他端は、後述するアクチュエータ装置30を構成する可動板32に固定されている。また、駆動力伝達部材25の中間部は、第二、第三関節22、23の屈曲外側に支持されている。
そして、駆動力伝達部材25の他端が図3(a)の下側に引っ張られると、図3(a)の二点鎖線で示す(B)のように移動する。二点鎖線(B)の状態は、実線(A)の状態に比べて、第一関節21から第二関節の屈曲外側を通って第三関節23の屈曲外側までの距離が短くなる。そのため、上述のように動作する。一方、駆動力伝達部材25の他端が図3(a)の上側に引っ張られると、図3(a)の二点鎖線で示す(C)のように移動する。二点鎖線(C)の状態は、実線(A)の状態に比べて、第一関節21から第二関節の屈曲外側を通って第三関節23の屈曲外側までの距離が長くなる。そのため、上述のように動作する。
アクチュエータ装置30は、基体31と、可動板32と、4つの電歪アクチュエータ33〜36とから構成されている。基体31は、固定された対向平板からなる。可動板32は、平板状からなり、基体31を構成する対向平板の中央に設けられている。さらに、可動板32は、基体31に対して可動板32の法線方向に相対的に移動可能に設けられている。また、可動板32の一方面には、駆動力伝達部材25の他端が固定されている。4つの電歪アクチュエータ33〜36のそれぞれは、図1および図2において説明した電歪アクチュエータ10である。また、4つの電歪アクチュエータ33〜36は、全て同一形状をなしている。
そして、第一の電歪アクチュエータ33は、一端(図1の右端に相当)を可動板32の左端に固定し、他端(図1の左端に相当)を基体31の左板上端側に固定している。第二の電歪アクチュエータ34は、一端(図1の右端に相当)を可動板32の左端に固定し、他端(図1の左端に相当)を基体31の左板下端側に固定している。第三の電歪アクチュエータ35は、一端(図1の左端に相当)を可動板32の右端に固定し、他端(図1の右端に相当)を基体31の右板上端側に固定している。第四の電歪アクチュエータ36は、一端(図1の左端に相当)を可動板32の右端に固定し、他端(図1の右端に相当)を基体31の右板下端側に固定している。
図3(a)に示す状態は、第一〜第四の電歪アクチュエータ33〜36の電極に同一の電荷が帯電している状態である。このときの各電極に帯電する電荷は、各電極に帯電可能な電荷の中間値としている。この状態において、第一の電歪アクチュエータ33、第二の電歪アクチュエータ34および基体31の左板により、ほぼ二等辺三角形を形成している。一方、第三の電歪アクチュエータ35、第四の電歪アクチュエータ36および基体31の右板により、ほぼ二等辺三角形を形成している。この状態が、可動範囲の中間となる。
図3(b)に示す状態は、第一、第三の電歪アクチュエータ33、35の各電極に最大の電荷が帯電している状態で、第二、第四の電歪アクチュエータ34、36の各電極に電荷が帯電していない状態である。そうすると、第一、第三の電歪アクチュエータ33、35は、最大の伸張変形量となり、第二、第四の電歪アクチュエータ34、36は、伸張変形していない初期状態となる。この変形動作に伴って、可動板32が図3(a)の状態に比べて図3(b)の下方へ移動する。
図3(c)に示す状態は、第一、第三の電歪アクチュエータ33、35の各電極に電荷が帯電していない状態で、第二、第四の電歪アクチュエータ34、36の各電極に最大の電荷が帯電している状態である。そうすると、第一、第三の電歪アクチュエータ33、35は、伸張変形していない初期状態となり、第二、第四の電歪アクチュエータ34、36は、最大の伸張変形量となり、この変形動作に伴って、可動板32が図3(a)の状態に比べて図3(c)の上方へ移動する。
次に、電歪アクチュエータシステムの全体構成について図4を参照して説明する。図4は、電歪アクチュエータシステムの全体構成を示す図である。図4に示すように、電歪アクチュエータ10と、電源40と、電圧印加回路50と、放電回路60と、制御装置70とから構成される。ここで、電歪アクチュエータ10は、上述において、図1および図2を用いて説明した構成からなる。
電源40は、一定の電圧を印加することができる電源である。例えば、電源40により印加される電圧は、数千Vとしている。
電圧印加回路50は、電源40と電歪アクチュエータ10の正極電極12との間に直列接続されている。つまり、この電圧印加回路50は、電源40による印加電圧を、電歪アクチュエータ10の正極電極12に印加する回路となる。電圧印加回路50は、直列接続された印加用スイッチと印加用抵抗からなる一組が、複数並列に接続されている。詳細には、電圧印加回路50は、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3と、第一〜第三の印加用抵抗Ri1、Ri2、Ri3とから構成される。第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3は、リレースイッチをなしている。つまり、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3は、それぞれ図示しないコイルを備えており、当該コイルに電流が供給された場合にコイルが発生する電磁力によりONする。
第一の印加用スイッチSWi1と第一の印加用抵抗Ri1は直列接続されている。つまり、第一の印加用スイッチSWi1の一端は、第一の印加用抵抗Ri1に接続され、他端は、電源40に接続されている。第一の印加用抵抗Ri1の一端は、第一の印加用スイッチSWi1に接続され、他端は、正極電極12に接続されている。この第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値は、10MΩのものを用いている。
第二の印加用スイッチSWi2と第二の印加用抵抗Ri2は直列接続されている。さらに、直列接続される第二の印加用スイッチSWi2と第二の印加用抵抗Ri2は、直列接続される第一の印加用スイッチSWi1と第一の印加用抵抗Ri1に対して、並列接続されている。つまり、第二の印加用スイッチSWi2の一端は、第二の印加用抵抗Ri2に接続され、他端は、電源40に接続されている。第二の印加用抵抗Ri2の一端は、第二の印加用スイッチSWi2に接続され、他端は、正極電極12に接続されている。この第二の印加用抵抗Ri2の抵抗値は、100MΩのものを用いている。
第三の印加用スイッチSWi3と第三の印加用抵抗Ri3は直列接続されている。さらに、直列接続される第三の印加用スイッチSWi3と第三の印加用抵抗Ri3は、直列接続される第一の印加用スイッチSWi1と第一の印加用抵抗Ri1に対して、並列接続されている。つまり、第三の印加用スイッチSWi3の一端は、第三の印加用抵抗Ri3に接続され、他端は、電源40に接続されている。第三の印加用抵抗Ri3の一端は、第三の印加用スイッチSWi3に接続され、他端は、正極電極12に接続されている。この第三の印加用抵抗Ri3の抵抗値は、1GΩのものを用いている。
そして、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3は、選択的にONされる。さらに、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3は、後述する第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3に対しても、選択的にONされる。
第一の印加用スイッチSWi1がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12に対して、10MΩの第一の印加用抵抗Ri1が介在した状態で、電源40の電圧を印加することになる。また、第二の印加用スイッチSWi2がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12に対して、100MΩの第二の印加用抵抗Ri2が介在した状態で、電源40の電圧を印加することになる。第三の印加用スイッチSWi3がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12に対して、1GΩの第三の印加用抵抗Ri3が介在した状態で、電源40の電圧を印加することになる。
放電回路60は、電歪アクチュエータ10の正極電極12および負極電極13に接続されている。つまり、放電回路60は、電歪アクチュエータ20に並列接続されている。また、放電回路60のうち正極電極12に接続される側は、電圧印加回路50と正極電極12との間に接続されている。
この放電60は、電歪アクチュエータ10の正極電極12および負極電極13に帯電している電荷を放電する回路となる。放電回路60は、第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3と、第一〜第三の放電用抵抗Ro1、Ro2、Ro3とから構成される。第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3は、リレースイッチをなしている。つまり、第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3は、それぞれ図示しないコイルを備えており、当該コイルに電流が供給された場合にコイルが発生する電磁力によりONする。
第一の放電用スイッチSWo1と第一の放電用抵抗Ro1は直列接続されている。つまり、第一の放電用スイッチSWo1の一端は、第一の放電用抵抗Ro1に接続され、他端は、正極電極12および電圧印加回路50に接続されている。第一の放電用抵抗Ro1の一端は、第一の放電用スイッチSWo1に接続され、他端は、負極電極13に接続されている。この第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値は、10MΩのものを用いている。
第二の放電用スイッチSWo2と第二の放電用抵抗Ro2は直列接続されている。さらに、直列接続される第二の放電用スイッチSWo2と第二の放電用抵抗Ro2は、直列接続される第一の放電用スイッチSWo1と第一の放電用抵抗Ro1に対して、並列接続されている。つまり、第二の放電用スイッチSWo2の一端は、第二の放電用抵抗Ro2に接続され、他端は、正極電極12および電圧印加回路50に接続されている。第二の放電用抵抗Ro2の一端は、第二の放電用スイッチSWo2に接続され、他端は、負極電極13に接続されている。この第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値は、100MΩのものを用いている。
第三の放電用スイッチSWo3と第三の放電用抵抗Ro3は直列接続されている。さらに、直列接続される第三の放電用スイッチSWo3と第三の放電用抵抗Ro3は、直列接続される第一の放電用スイッチSWo1と第一の放電用抵抗Ro1に対して、並列接続されている。つまり、第三の放電用スイッチSWo3の一端は、第三の放電用抵抗Ro3に接続され、他端は、正極電極12および電圧印加回路50に接続されている。第三の放電用抵抗Ro3の一端は、第三の放電用スイッチSWo3に接続され、他端は、負極電極13に接続されている。この第三の放電用抵抗Ro3の抵抗値は、1GΩのものを用いている。
そして、第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3は、選択的にONされる。さらに、第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3は、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3に対しても、選択的にONされる。
第一の印加用スイッチSWi1がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12と負極電極13とに10MΩの第一の放電用抵抗Ro1が接続されることになる。また、第二の放電用スイッチSWo2がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12と負極電極13とに100MΩの第二の放電用抵抗Ro2が接続されることになる。第三の放電用スイッチSWo3がONされ、他の全てのスイッチがOFFの時には、正極電極12と負極電極13とに1GΩの第三の放電用抵抗Ro3が接続されることになる。
制御装置70は、正極電極12および負極電極13に現在帯電している電荷と、指令値とに基づいて、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3および第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3のON/OFFを制御する。具体的には、制御装置70は、各スイッチのコイルに供給する電流を制御している。そして、制御装置70は、上記スイッチのON/OFF制御を行うことにより、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷を制御している。具体的には、制御装置70は、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷が指令値に一致するように、各スイッチをON/OFFさせる。ここで、制御装置70は、上記スイッチのうち何れかを選択してONし、他の全てのスイッチをOFFとする。
より詳細には、制御装置70は、それぞれの印加用抵抗Ri1、Ri2、Ri3の抵抗値に応じて何れか印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3のON時間を制御し、且つ、それぞれの放電用抵抗Ro1、Ro2、Ro3の抵抗値に応じて何れかの放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3のON時間を制御することにより、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷を制御する。
ここで、上述したように、電歪アクチュエータ10は、正極電極12および負極電極13に帯電している電荷に応じてエラストマー11を伸縮変形させる。つまり、制御装置70は、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷を制御することにより、エラストマー11の伸縮量を制御し、且つ、エラストマー11の伸縮変形速度を制御する。
次に、電歪アクチュエータシステムの動作について、図5を参照して説明する。図5(a)〜図5(c)は、それぞれ、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3および第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3の何れかをONさせた時の、時間に対するエラストマー11の伸張変形量を示す図である。ここで、図5(a)〜図5(c)の何れも、初期状態において、正極電極12および負極電極13に電荷が帯電していない状態とする。つまり、初期状態において、エラストマー11の伸張変形量は、ゼロとしている。
図5(a)は、エラストマー11の伸張変形量を階段状に増減させた場合の例を示している。時刻T1〜T2間において、第一の印加用スイッチSWi1のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13には、第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値10MΩに応じた速度で、電荷が帯電していく。そして、時刻T2において、正極電極12および負極電極13には、時刻T1〜T2間と第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値10MΩに応じた電荷が帯電することになる。つまり、時刻T1〜T2間、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P2に達する。続いて、時刻T2〜T3間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T2〜T3間は、エラストマー11を、伸張変形量P2の状態に維持することができる。
続いて、時刻T3〜T4間において、第一の印加用スイッチSWi1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P4に達する。続いて、時刻T4〜T5間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T4〜T5間は、エラストマー11を、伸張変形量P4の状態に維持することができる。
続いて、時刻T5〜T6間において、第一の印加用スイッチSWi1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P6に達する。続いて、時刻T6〜T7間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T6〜T7間は、エラストマー11を、伸張変形量P6の状態に維持することができる。
続いて、時刻T7〜T8間において、第一の放電用スイッチSWo1のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13に帯電していた電荷は、第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値10MΩに応じた速度で減少(放電)していく。そして、時刻T8において、正極電極12および負極電極13には、時刻T7〜T8間と第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値10MΩに応じた電荷が減少(放電)することになる。つまり、時刻T7〜T8間、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量P5に達する。続いて、時刻T8〜T9間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T8〜T9間は、エラストマー11を、伸張変形量P5の状態に維持することができる。
続いて、時刻T9〜T10間において、第一の放電用スイッチSWo1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量P4に達する。続いて、時刻T10〜T11間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T10〜T11間は、エラストマー11を、初期状態からの伸張変形量P4の状態に維持することができる。
続いて、時刻T11〜T12間において、第一の放電用スイッチSWo1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量P3に達する。続いて、時刻T12〜T13間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T12〜T13間は、エラストマー11を、初期状態からの伸張変形量P3の状態に維持することができる。
続いて、時刻T13〜T14間において、第一の放電用スイッチSWo1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量P2に達する。続いて、時刻T14〜T15間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T14〜T15間は、エラストマー11を、初期状態からの伸張変形量P2の状態に維持することができる。
続いて、時刻T15〜T16間において、第一の放電用スイッチSWo1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量P1に達する。続いて、時刻T16〜T17間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T16〜T18間は、エラストマー11を、初期状態からの伸張変形量P1の状態に維持することができる。続いて、時刻T17〜T18間において、第一の放電用スイッチSWo1のみを再びONさせる。そうすると、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量ゼロに達する。
次に、図5(b)は、エラストマー11の伸張変形量を徐々に増加させ、その後徐々に減少させた場合の例を示している。時刻T1〜T2間において、第三の印加用スイッチSWi3のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13には、第三の印加用抵抗Ri3の抵抗値1GΩに応じた速度で、電荷が帯電していく。そして、時刻T2において、正極電極12および負極電極13には、時刻T1〜T2間と第三の印加用抵抗Ri1の抵抗値1GΩに応じた電荷が帯電することになる。つまり、時刻T1〜T2間、エラストマー11は、抵抗値1GΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P2に達する。
続いて、時刻T2〜T3間において、第二の印加用スイッチSWi2のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13には、第二の印加用抵抗Ri2の抵抗値100MΩに応じた速度で、電荷が帯電していく。このときの帯電する電荷の増加速度は、時刻T1〜T2における電荷の増加速度に比べて早くなる。これは、時刻T2〜T3における第二の印加用抵抗Ri2の抵抗値が、時刻T1〜T2における第三の印加用抵抗Ri3の抵抗値より小さいためである。そして、時刻T3において、正極電極12および負極電極13には、時刻T2〜T3間と第二の印加用抵抗Ri2の抵抗値100MΩに応じた電荷が帯電することになる。つまり、時刻T2〜T3間、エラストマー11は、抵抗値100MΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P4に達する。
続いて、時刻T3〜T4間において、第一の印加用スイッチSWi1のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13には、第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値10MΩに応じた速度で、電荷が帯電していく。このときの帯電する電荷の増加速度は、時刻T2〜T3における電荷の増加速度に比べて早くなる。これは、時刻T3〜T4における第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値が、時刻T2〜T3における第二の印加用抵抗Ri2の抵抗値より小さいためである。そして、時刻T4において、正極電極12および負極電極13には、時刻T3〜T4間と第一の印加用抵抗Ri1の抵抗値10MΩに応じた電荷が帯電することになる。つまり、時刻T3〜T4間、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で伸張変形して、伸張変形量P6に達する。
続いて、時刻T4〜T5間において、全てのスイッチをOFFさせる。そうすると、時刻T4〜T5間は、エラストマー11を、初期状態からの伸張変形量P6の状態に維持することができる。
続いて、時刻T5〜T6間において、第一の放電用スイッチSWo1のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13に帯電していた電荷は、第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値10MΩに応じた速度で減少していく。そして、時刻T6において、正極電極12および負極電極13には、時刻T5〜T6間と第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値10MΩに応じた電荷が減少(放電)することになる。つまり、時刻T5〜T6間、エラストマー11は、抵抗値10MΩに応じた速度で収縮変形して、伸張変形量P4に達する。
続いて、時刻T6〜T7間において、第二の放電用スイッチSWo2のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13に帯電していた電荷は、第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値100MΩに応じた速度で減少していく。このときの放電する電荷の減少速度は、時刻T5〜T6における電荷の減少速度に比べて遅くなる。これは、時刻T6〜T7における第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値が、時刻T5〜T6における第一の放電用抵抗Ro1の抵抗値より小さいためである。そして、時刻T7において、正極電極12および負極電極13には、時刻T6〜T7間と第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値100MΩに応じた電荷が減少(放電)することになる。つまり、時刻T6〜T7間、エラストマー11は、抵抗値100MΩに応じた速度で収縮変形して、伸張変形量P2に達する。
続いて、時刻T7〜T8間において、第三の放電用スイッチSWo3のみをONさせる。そうすると、正極電極12および負極電極13に帯電していた電荷は、第三の放電用抵抗Ro3の抵抗値1GΩに応じた速度で減少していく。このときの放電する電荷の減少速度は、時刻T6〜T7における電荷の減少速度に比べて遅くなる。これは、時刻T7〜T8における第三の放電用抵抗Ro3の抵抗値が、時刻T6〜T7における第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値より小さいためである。そして、時刻T8において、正極電極12および負極電極13には、時刻T6〜T7間と第二の放電用抵抗Ro2の抵抗値100MΩに応じた電荷が減少(放電)することになる。そうすると、時刻T7において、エラストマー11は、抵抗値100MΩに応じた速度で収縮変形して、初期状態からの伸張変形量ゼロに達する。
次に、図5(c)は、上記図5(a)(b)とは異なり、変則的に、エラストマー11の伸張変形量を増加させ、その後減少させた場合の例を示している。時刻T1〜T2間において、第一の印加用スイッチSWi1のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がP2に達する。時刻T2〜T3間において、第二の印加用スイッチSWi2のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がP4に達する。時刻T3〜T4間において、第三の印加用スイッチSWi3のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がP6に達する。続いて、時刻T4〜T5間において、全てのスイッチをOFFさせて、エラストマー11の伸張変形量をP6の状態を維持している。
続いて、時刻T5〜T6間において、第三の放電用スイッチSWo3のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がP4に達すると、時刻T7まで全てのスイッチをOFFさせて維持する。時刻T7〜T8間において、第一の放電用スイッチSWo1のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がP2に達すると、時刻T9まで全てのスイッチをOFFさせて維持する。時刻T9〜T10間において、第二の放電用スイッチSWo2のみをONさせて、エラストマー11の伸張変形量がゼロとなる。
以上説明した電歪アクチュエータシステムによれば、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷を自由に制御できる。具体的には、印加用抵抗の抵抗値に応じた印加用スイッチのON時間を制御することで、電極に帯電する電荷を自由に増加させることができる。逆に、放電用抵抗の抵抗値に応じた放電用スイッチのON時間を制御することで、電極に帯電している電荷を自由に減少(放電)させることができる。その結果、エラストマー11の伸縮量、すなわちエラストマーが変形している状態を制御することができる。
さらに、電極に帯電する電荷を増加させる際に、第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3の何れかを選択することで、電源40と正極電極12とに電気的に接続される印加用抵抗の抵抗値を変化させることができる。これにより、電極に帯電する電荷の増加速度を変化させることができる。その結果、エラストマー11の伸張変形速度を自由に変化させることができる。
また、電極に帯電している電荷を減少(放電)させる際に、第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3の何れかを選択することで、正極電極12と負極電極13に並列に電気的に接続される放電用抵抗の抵抗値を変化させることができる。これにより、電極に帯電していた電荷の減少速度(放電速度)を変化させることができる。その結果、エラストマー11の収縮変形速度を自由に変化させることができる。
また、印加用スイッチと印加用抵抗を複数組並列に接続し、各印加用抵抗の抵抗値を異なる値としたことで、容易に印加用抵抗を変化させることができる。もちろん、可変抵抗を適用することもできるが、本構成の方がより容易な構成となる。また、放電用スイッチと放電用抵抗を複数組並列に接続し、各放電用抵抗の抵抗値を異なる値としたことで、容易に放電用抵抗を変化させることができる。もちろん、可変抵抗を適用することもできるが、本構成の方がより容易な構成となる。
また、正極電極12および負極電極13に現在帯電している電荷と、指令値とに基づいて、印加用スイッチおよび放電用スイッチのON/OFFを制御している。これにより、確実に、一対の電極12、13に帯電する電荷が指令値の電荷となるように、制御することができる。つまり、電歪アクチュエータ10を確実に制御できる。
さらに、電源40により印加される電圧は、一定電圧としている。このように、電源40から印加される電圧を制御しないとしても、本実施形態によれば、電歪アクチュエータ10の伸縮制御を行うことができる。
<第二実施形態>
上記第一実施形態においては、電歪アクチュエータシステムの対象として、人型ロボットハンド20とした。この他に、第二実施形態として、電歪アクチュエータシステムの電歪アクチュエータ10をダイヤフラムポンプに適用した場合について説明する。
第二実施形態のダイヤフラムポンプ100について、図6および図7を参照して説明する。図6は、ダイヤフラムポンプ100の軸方向断面図である。図7は、電歪アクチュエータからなるダイヤフラム120の斜視図である。
図6に示すように、ダイヤフラムポンプ100は、一方に開口する有底筒状の筐体110と、ダイヤフラム120と、バネ130とから構成される。筐体110の底面には、図示しない弁を有する吸入ポート111および排出ポート112が形成されている。この筐体110の内部には、流体が充填されており、吸入ポート111から流体が供給され、排出ポート112から流体が排出される。
ダイヤフラム120は、筐体110の開口側を覆蓋している。このダイヤフラム120は、図7に示すように、円盤状のエラストマー11と、エラストマー11の表裏両面にそれぞれ配置された正極電極12および負極電極13とを備えており、複数層積層されてなる。このダイヤフラム120は、第一実施形態において説明した電歪アクチュエータ10であり、正極電極12および負極電極13に帯電する電荷に応じて、面方向に伸張変形する。
ただし、このダイヤフラム120は、筐体110の開口側に覆蓋するように固定されているため、外周面が規制されている。従って、ダイヤフラム120の電極12、13に電荷が帯電すると、図6に示すように、ダイヤフラム120の中央部が筐体110の開口方向へ凸状に撓み変形する。つまり、ダイヤフラム120を構成する電極12、13に帯電する電荷を制御することにより、筐体110およびダイヤフラム120により形成される空間体積を変化させることができる。
バネ130は、両端それぞれをダイヤフラム120と筐体110の底面とに結合されている。そして、ダイヤフラム120が筐体110の底面に最も近づく状態を、バネ130の自由長となるように設定されている。つまり、バネ130の弾性力により、ダイヤフラム120が筐体110の底面に最も近づく状態である初期状態に戻ることを確実にしている。
このように構成されるダイヤフラムポンプに、本発明の電歪アクチュエータシステムを適用した場合にも、第一実施形態における人型ロボットハンド20による効果と同一の効果を奏する。
電歪アクチュエータ10の斜視図であって、(a)は電極に電荷が帯電していない状態を示し、(b)は電極に電荷が帯電している状態を示す。 電歪アクチュエータ10の模式断面図である。 (a)は人型ロボットハンド20、および、そのアクチュエータ装置20について示す図であり、(b)は人型ロボットハンド20を伸ばした状態(B)におけるアクチュエータ装置30を示す図であり、(c)は人型ロボットハンド20を屈曲した状態(C)におけるアクチュエータ装置30を示す図である。 電歪アクチュエータシステムの全体構成を示す図である。 第一〜第三の印加用スイッチSWi1、SWi2、SWi3および第一〜第三の放電用スイッチSWo1、SWo2、SWo3の何れかをONさせた時の、時間に対するエラストマー11の伸張変形量を示す図である。 ダイヤフラムポンプ100の軸方向断面図である。 電歪アクチュエータからなるダイヤフラム120の斜視図である。
符号の説明
10:電歪アクチュエータ
11:エラストマー、 12:正極電極、 13:負極電極
20:人型ロボットハンド
21、22、23:関節、 24:被覆部材、 25:駆動力伝達部材
30:アクチュエータ装置
31:基体、 32:可動板、 33〜36:電歪アクチュエータ
40:電源、 50:電圧印加回路、 60:放電回路、 70:制御装置
SWi1、SWi2、SWi3:第一〜第三の印加用スイッチ
Ri1、Ri2、Ri3:第一〜第三の印加用抵抗
SWo1、SWo2、SWo3:第一〜第三の放電用スイッチ
Ro1、Ro2、Ro3:第一〜第三の放電用抵抗
100:ダイヤフラムポンプ
110:筐体、 111:吸入ポート、 112:排出ポート
120:ダイヤフラム、 130:バネ

Claims (9)

  1. エラストマーと前記エラストマーの表裏両面を挟むようにそれぞれ配置された正極電極および負極電極とを備え、前記正極電極および前記負極電極に帯電している電荷に応じて前記エラストマーを伸縮変形させる電歪アクチュエータと、
    印加用スイッチと該印加用スイッチに直列接続される印加用抵抗を備え、電源と前記正極電極との間に直列接続される電圧印加回路と、
    放電用スイッチと該放電用スイッチに直列接続される放電用抵抗を備え、両端を前記正極電極および前記負極電極のそれぞれに接続される放電回路と、
    前記印加用抵抗の抵抗値に応じて前記印加用スイッチのON時間を制御し、且つ、前記放電用抵抗の抵抗値に応じて前記放電用スイッチのON時間を制御することにより、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする電歪アクチュエータシステム。
  2. 前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御することにより、前記エラストマーの伸縮量を制御する請求項1に記載の電歪アクチュエータシステム。
  3. 前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に帯電する電荷を制御することにより、前記エラストマーの伸縮変形速度を制御する請求項1または2に記載の電歪アクチュエータシステム。
  4. 前記制御装置は、前記印加用スイッチがONしている時に前記正極電極および前記電源に電気的に接続される前記印加用抵抗の抵抗値を変化させる請求項3に記載の電歪アクチュエータシステム。
  5. 前記制御装置は、前記放電用スイッチがONしている時に前記正極電極および前記負極電極に電気的に接続される前記放電用抵抗の抵抗値を変化させる請求項3または4に記載の電歪アクチュエータシステム。
  6. 前記印加用スイッチおよび前記印加用抵抗は、並列接続された複数組からなり、
    それぞれの前記印加用抵抗の抵抗値は、異なる抵抗値に設定されている請求項4に記載の電歪アクチュエータシステム。
  7. 前記放電用スイッチおよび前記放電用抵抗は、並列接続された複数組からなり、
    それぞれの前記放電用抵抗の抵抗値は、異なる抵抗値に設定されている請求項5に記載の電歪アクチュエータシステム。
  8. 前記制御装置は、前記正極電極および前記負極電極に現在帯電している電荷と、指令値とに基づいて、前記印加用スイッチおよび前記放電用スイッチのON/OFFを制御する請求項1〜7の何れか一項に記載の電歪アクチュエータシステム。
  9. 前記電源により印加される電圧は、一定電圧である請求項1〜8の何れか一項に記載の電歪アクチュエータシステム。
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