JP2010128447A - 光学シート、光学シートの製造方法、照明装置、投影装置、看板および画像表示装置 - Google Patents

光学シート、光学シートの製造方法、照明装置、投影装置、看板および画像表示装置 Download PDF

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【課題】点光源または線光源による光を均一な面光源にするための拡散シートに関するもので、光源から発生した光を均一化する拡散パターン、および該拡散シートの光透過率を上げるための凹凸構造の技術を提供する。
【解決手段】本発明の光拡散シートは、透明基材の片面から入射する光を拡散して該透明基材の他方の面から射出する光学シートであって、前記透明基材に光拡散性を有するインクが所定のパターンで印刷されて光拡散部が形成され、かつ印刷面とは反対側の面には輝度向上機能を有する微細波状凹凸構造が一面に形成されることを特徴とする光学シートである。
【選択図】図1

Description

本発明は、点光源または線光源による光を均一な面光源にするための拡散シートに関するもので、光源から発生した光を均一化する拡散パターン、および該拡散シートの光透過率を上げるための凹凸構造の技術に関する。
液晶テレビ、液晶モニター、看板、標識・表示、照明器具などに使用されるバックライトユニットのうち、光源が直下型のものは、光源の真上が明るく光源の間は相対的に暗くなる傾向があり、そのままだと輝度の面内不均一が生じる。そのため、従来のバックライトユニットでは光源からの光を拡散して均一化する工夫が行われている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、無機顔料や有機粒子などの拡散子を樹脂板中に分散し、これによって樹脂板に入った光を拡散して均一化を図るという技術が紹介されている。しかし、このような拡散板を単独で用いると拡散効果は不十分で、光源の真上の輝度が高くなるのは避けられない。特に、近年の薄型液晶表示装置は、光源と拡散板の距離が近くなる傾向があり、相対的に光源の間隔が開いていることになるため、明らかに光の拡散効果が不十分となる。
一方、拡散子を印刷によって透明板上に付与し、かつ印刷する領域の密度や大きさ、あるいは濃度を変化させることによって、光源の真上は拡散効果が高くなり光源の間は徐々に拡散効果が低くなるようにパターニングされた拡散板が提案されている。例えば、特許文献3には、ドット印刷で拡散板上にグラデーションパターンを作製し、かつそのパターンは輝度分布反転像に基づいて設計されたグラデーションであるという技術が紹介されている。また、特許文献4には、インク塗布層が光源の位置に対応して厚みが変化するように形成される光拡散板が記載されている。
これらの方法は、必要なところに必要な量の拡散子を配置できるので、より効果的に光源からの光を均一化できるという利点がある。実際に、光源と拡散板の距離が極めて短い薄型液晶画像表示装置のバックライトユニットにおいても、このようなパターン印刷による光拡散手段を用いれば、効果的に光源の光を分散してほぼ均一化することが可能である。透明基材に対するパターン印刷による光拡散のもう一つのメリットは、使用する拡散子が少なくて済むので、拡散子を樹脂中に練りこんだ拡散板と比較して、熱拡散による光のロスが小さいということである。
また、液晶ディスプレイ用途のバックライトユニットでは、偏光板/液晶セル/偏光板を光が通過する際に大きなエネルギーロスがあるため、最終的に画面から取り出せる光量は元の光源から発生した光量のうち僅かな分量となる。したがって、このような用途の拡散板には、光源からの光を均一に拡散するという役割に加え、光量のロスを最小限にとどめるということも重要となってくる。

特開平6−111612号公報 特開2006−30839号公報 特開2004−170698号公報 特開2003−156602号公報
しかしながら、透明基材に対するパターンで印刷された光拡散部(以下パターン印刷ともいう。)を有する拡散板の場合でも、透明基材中に拡散子を使用する以上、インク濃度の高いところでは、ある程度の隠蔽性が発生して、バックライトユニット全体の明るさが低下するという問題は払拭できない。また、パターン印刷に使用するインクが灰色〜黒色である場合は、バックライトユニット全面の輝度低下が著しく、白インクを印刷したとしても、この問題は依然として残る。
本発明者らはかかる事情を鑑み、拡散板を通過する光量をできるだけ損なわないための手法として、パターン印刷面と反対側の表面の反射光を低減することで光の透過率を高めるという発明に到達した。
即ち、本発明によれば、以下の技術を包含する。
[1] 透明基材の片面から入射する光を拡散して該透明基材の他方の面から射出する光学シートであって、前記透明基材に光拡散性を有するインクが所定のパターンで印刷されて光拡散部が形成され、かつ印刷面とは反対側の面には輝度向上機能を有する微細波状凹凸構造が一面に形成されることを特徴とする光学シート。
[2] 微細波状凹凸構造のピッチが、波高1〜20μmであり、かつ波長1〜20μmである[1]に記載の光学シート。
[3] 透明基材に印刷される光拡散性インクの直線光透過率を0%から100%の範囲で任意に変えて階調を有する光拡散部を形成し、前記光拡散部の光拡散性が、前記透明基材内で部分的に任意に変化する[1]に記載の光学シート。
[4] 光拡散部は、光源に正対する領域に形成されたドット集合体であり、光源から遠ざかるにしたがって徐々にドットの密度を低下あるいはドットの直径を減少することにより、一定面積あたりの印刷領域の面積を調整する[3]に記載の光学シート。
[5] 光拡散部は、光源に正対する領域に形成された濃度階調であり、光源から遠ざかるにしたがって徐々に印刷層の厚さを減少する[3]に記載の光学シート。
[6] 光拡散性を有するインクが、バインダー中に光拡散剤を分散したものである[3]に記載の光学シート。
[7] [1]〜[6]に記載の光学シートの製造方法。
[8] [1]〜[4]に記載の光学シートを一部に組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
本発明の光学シートは、一定面積あたりの印刷ドット面積あるいは濃度階調パターンによって光源からの光を均一化することができ、かつ印刷層の面と反対側に設けた微細波状凹凸構造によって、光学シートを透過する光量(輝度)の向上に優れる。
本発明の拡散板またはシートなどの透明基材の材料としては、例えば、ガラス基板、透明プラスチックシート等の可視光を透過する部材が用いられる。透明プラスチックシートを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセテートセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、透明基材には、可視光を透過する範囲で、着色剤が含まれていてもよいし、光拡散性粒子が均一に含まれていてもよい。
高分子樹脂で構成される拡散板またはシートの表面反射率は垂直入射光の場合おおよそ4〜5%程度である。拡散板のパターン印刷面と反対側の表面は通常平坦であり、4〜5%以上の光量が反射により光源側に方向を変えてしまい、有効利用されない。実際には、拡散板に入射する光は0°〜±90°の入射角があり、入射角が±90°に近いほど反射率は高くなるため、トータルでは失われる光量はより多くなり、約5〜7%となる。
本発明では、光学シートのパターン印刷面と反対側の表面に微細な波状の凹凸パターン構造を付与することによって、パターン印刷面と反対側から入射する光の取り込み効率を向上させ、光の透過率を4〜6%程度向上するというものである。
本発明でパターン印刷面と反対側の表面に付与する微細波状凹凸構造の作製方法は、本発明者らによる特願2006−131281などを参考にすることができる。すなわちこの方法によれば、樹脂製の加熱収縮性フィルムと、該フィルムの片面に設けられた樹脂製の表面平滑硬質層とを備え、該硬質層の表面に一方向に沿った凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートであって、硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgと、フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度Tgとの差(Tg−Tg)が10℃以上であり、凹凸パターンの最頻ピッチが1μmを超え20μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さが前記最頻ピッチを100%とした際の10%以上であることを特徴とする微細構造を作製することができる。
<波状凹凸構造の作製方法>
[第1の工程]
第1の工程にて、加熱収縮性フィルムの片面に表面平滑硬質層を設けて積層シートを形成する方法としては、例えば、加熱収縮性フィルムの片面に、第2の樹脂の溶液または分散液をスピンコーターやバーコーター等により塗工し、溶媒を乾燥させる方法、加熱収縮性フィルムの片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層を積層する方法などが挙げられる。
加熱収縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルムなどを用いることができる。 シュリンクフィルムの中でも、50〜70%収縮するものが好ましい。50〜70%収縮するシュリンクフィルムを用いれば、変形率を50%以上でき、凹凸パターンの最頻ピッチが1μmを超え20μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さが最頻ピッチを100%とした際の10%以上の凹凸パターン形成シートを容易に製造できる。さらには、凹凸パターンの底部の平均深さが最頻ピッチを100%とした際の100%以上の凹凸パターン形成シートも容易に製造できる。
ここで、変形率とは、(変形前の長さ−変形後の長さ)/(変形前の長さ)×100(%)のことである。あるいは、(変形した長さ)/(変形前の長さ)×100(%)のことである。また、以下の工程により凹凸パターンの平均深さを、最頻ピッチを100%とした際の300%にすることができる。加熱収縮性フィルムに加熱収縮性フィルムよりガラス転移温度が低いプライマー樹脂層を塗工し、該プライマー樹脂層の上に表面硬質平滑層を設けた積層シートを形成する。該積層シートを加熱収縮させることにより凹凸パターン形成シートを形成する。加熱収縮後の加熱収縮性フィルムを積層シートから剥離し、別の加熱収縮性フィルムを貼り合せ、積層シートを形成する。この積層シートを加熱収縮させることにより、熱収縮性フィルム1枚分を加熱収縮させた場合より、平均深さを大きくすることが可能である。この工程を複数回繰り返すことで、凹凸パターンの平均深さを、最頻ピッチを100%とした際の300%にすることができる。
本発明では、表面平滑硬質層の厚さを、0.05μmを超え5.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μmとする。表面平滑硬質層の厚さを前記範囲にすることにより、凹凸パターンの最頻ピッチを、確実に1μmを超え20μm以下にできる。しかし、表面平滑硬質層の厚さが0.05μm以下であると最頻ピッチが1μm以下になることがあり、5.0μmを超えると、最頻ピッチが20μmを超えることがある。
また、本発明では、表面平滑硬質層を、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂(第1の樹脂)よりガラス転移温度が10℃以上高い樹脂(第2の樹脂)で構成する。第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度が前記関係にあることにより、凹凸パターンの最頻ピッチを、確実に1μmを超え20μm以下にできる。表面平滑硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、圧縮後に形成される凹凸パターンのピッチおよび深さが連続的に変化するようになる。
この製造方法では、より容易に凹凸パターンを形成できることから、表面平滑硬質層のヤング率を0.01〜300GPaにすることが好ましく、0.1〜10GPaにすることがより好ましい。
[第2の工程]
第2の工程にて、加熱収縮性フィルムを熱収縮させることにより、表面平滑硬質層に、収縮方向に対して垂直方向に波状の凹凸パターンを形成させる。加熱収縮性フィルムを加熱収縮させる際の加熱方法としては、熱風、蒸気または熱水中に通す方法等が挙げられる。
加熱収縮性フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、使用する加熱収縮性フィルムの種類および目的とする凹凸パターンのピッチならびに底部の深さに応じて適宜選択することが好ましい。
この製造方法では、表面平滑硬質層の厚さが薄いほど、表面平滑硬質層のヤング率が低いほど、凹凸パターンの最頻ピッチが小さくなり、基材の変形率が高いほど、平均深さが深くなる。したがって、凹凸パターンを所定の最頻ピッチ、平均深さにするためには、前記条件を適宜選択する必要がある。
以上説明した凹凸パターン形成シートの製造方法では、表面平滑硬質層を構成する第2の樹脂が加熱収縮性フィルムを構成する第1の樹脂よりガラス転移温度が10℃以上高いため、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度では、表面平滑硬質層のヤング率が加熱収縮性フィルムより高くなる。その上、表面平滑硬質層の厚さを0.05μmを超え5.0μm以下としているため、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度で加工した際には、表面平滑硬質層は厚みを増すよりも、折り畳まれるようになる。さらに、表面平滑硬質層は加熱収縮性フィルムに積層されているため、加熱収縮性フィルムの収縮による応力が全体に均一にかかる。したがって、本発明によれば、表面平滑硬質層を折り畳むように変形させて、光拡散体として性能に優れた凹凸パターン形成シートを簡便に、かつ、大面積で製造できる。しかも、この製造方法によれば、容易に、凹凸パターンの最頻ピッチを、1μmを超え20μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さを、最頻ピッチを100%とした際の10%以上にできる。
また、凹凸パターン形成シートの製造方法としては、下記(1)〜(4)の方法を適用できる。
(1)基材の片面の全部に、表面平滑硬質層を設けて積層シートを形成し、積層シート全体を表面に沿った一方向に圧縮する方法。
基材のガラス転移温度が室温未満の場合、積層シートの圧縮は室温で行い、基材のガラス転移温度が室温以上の場合、積層シートの圧縮は、基材のガラス転移温度以上、平面平滑硬質層のガラス転移温度未満で行う。
(2)基材の片面の全部に、表面平滑硬質層を設けて積層シートを形成し、積層シートを一方向に延伸し、延伸方向に対する直交方向を収縮させて、表面平滑硬質層を表面に沿った一方向に圧縮する方法。
基材のガラス転移温度が室温未満の場合、積層シートの延伸は室温で行い、基材のガラス転移温度が室温以上の場合、積層シートの延伸は、基材のガラス転移温度以上、平面平滑硬質層のガラス転移温度未満で行う。
(3)未硬化の電離放射線硬化性樹脂により形成された基材に、表面平滑硬質層を積層して積層シートを形成し、電離放射線を照射して基材を硬化させることにより収縮させて、基材に積層された表面平滑硬質層を表面に沿った少なくとも一方向に圧縮する方法。
(4)溶媒を膨潤させて膨張させた基材に、表面平滑硬質層を積層して積層シートを形成し、基材中の溶媒を乾燥し、除去することにより収縮させて、基材に積層された表面平滑硬質層を表面に沿った少なくとも一方向に圧縮する方法。
の方法において、積層シートを形成する方法としては、例えば、基材の片面に、
樹脂の溶液または分散液をスピンコーターやバーコーター等により塗工し、溶媒を乾燥させる方法、基材の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層を積層する方法などが挙げられる。
積層シート全体を表面に沿った一方向に圧縮する方法としては、例えば、積層シートの一端部とその反対側の端部とを、万力等により挟んで圧縮する方法などが挙げられる。
(2)の方法において、積層シートを一方向に延伸する方法としては、例えば、積層シートの一端部とその反対側の端部とを、引っ張って延伸する方法などが挙げられる。
(3)の方法において、電離放射線硬化性樹脂としては紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などが挙げられる。
(4)の方法において、溶媒は第1の樹脂の種類に応じて適宜選択される。溶媒の乾燥温度は溶媒の種類に応じて適宜選択される。(2)〜(4)の方法における表面平滑硬質層においても、(1)の方法で用いるものと同様の成分を用いることができ、同様の厚さとすることができる。また、積層シートの形成方法は、(1)の方法と同様に、基材の片面に樹脂の溶液または分散液を塗工し、溶媒を乾燥させる方法、基材の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層を積層する方法を適用できる。
以上述べた第1の工程および第2の工程の概念図を図1に示す。また、第1の工程および第2の工程を行うことによって作製された微細波状凹凸構造の原子間力顕微鏡像(日本ビーコ社製ナノスコープIIIで測定)を図2に示す。
本発明に必要な微細波状凹凸構造の作製方法は、上記のものに特に限定されず、どのような方法によって作製されても良い。即ち、突起体の高さが1〜20μm、突起体の頂点の間隔が1〜20μmの間に収まるように作製された波形構造体であれば、本発明の用途に合致する。例えば、特開平10−123307には、異方性拡散パターンを形成する方法として、感光性樹脂のフィルムにレーザー光を照射して露光し、現像して、片面に凹凸が形成されたマスターホログラムを形成し、そのマスターホログラムを金型に転写し、その金型を用いて樹脂を成形する方法が開示されている。具体的には、凹凸パターンが形成された光拡散体として、光透過性基材の少なくとも片面に突起体が複数形成され、突起体の高さが2〜20μm、突起体の頂点の間隔が1〜10μm、突起体のアスペクト比が1以上というものである。また、特開2005-117023には、突起体を形成する方法として、光透過性基材の表面を、KrFエキシマレーザー等のエネルギービームの照射により加工する方法が開示されている。特開2006−261064には、波状の凹凸からなる異方性拡散パターンが片面に形成された光拡散体が開示されている。
このような微細波状凹凸構造で印刷パターン層と反対側の面を被覆すると、光源からの光が印刷パターン層と反対側の面に入射する際に、光の取り込み効率を向上することができる。即ち、液晶テレビ、液晶モニター、看板、標識・表示、照明器具などに使用されるバックライトユニットの光源の光は全ての方向に発するのであるが、光学シートに入射する際に、空気−樹脂(光学シートの光源側を構成する樹脂)界面が平坦であると、一部の光は界面反射によって光学シート内に進入できない。入射角が大きくなればなるほど、界面反射率は高くなる傾向があり、光のロスが大きくなる。
本発明では、光の進入界面に微細波状凹凸構造を形成することによって、光学シートに対する光の見かけ入射角が大きくなったとしても、光学シート中に光が進入することを可能にする。つまり、実際の入射角は見かけの入射角よりもはるかに小さくなるので、光学シートへの入射界面において反射する光量が著しく減少し、光学シートが取り込める光量が増加する。
次に、微細構造体を原盤として微細構造体のモールドを作製し、このモールドを用いて、ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法等の手法で微細波状凹凸構造を備えた樹脂板または樹脂シートを製造する。微細構造のモールドを製造するには、例えば、微細波状凹凸構造が形成されたマスターの表面に金属層を形成した後、この金属層を剥離することにより、微細構造体の微細波状凹凸構造を金属層に転写する。その結果、表面に微細波状凹凸構造を備えた金属層が得られ、これをナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法等に用いられるモールドとして使用することができる。
微細構造体の微細波状凹凸構造が形成された面に金属層を形成する方法としては、めっき法が好ましく、具体的には、まず、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・りん合金などから選ばれる1種以上の金属により無電解めっきまたは蒸着を行い、ついで、これらの金属から選ばれる1種以上の金属により電解めっきを行って、10〜3000μmの厚さに金属層を増加させる方法が好ましい。
無電解めっきまたは蒸着により形成する金属層の厚みは、10nm以上が好ましく、より好ましくは100nm以上である。ただし、導電層には、一般的には50nmの厚さが必要とされる。膜厚をこのようにすると、次に行われる電解めっきの工程で、被めっき面内電流密度の偏りを抑制でき、均一な厚さのナノインプリントまたは射出成型用モールドが得られやすくなる。
次に行う電解めっきでは、金属層の厚さを最終的にまで厚くし、その後、金属層を原版から剥がし取ることが好ましい。電解めっきにおける電流密度には特に制限はないが、ブリッジを抑制して均一な金属層を形成でき、かつ、このような金属層を比較的短時間で形成できることから、0.03〜10A/mが好ましい。
また、モールドとしての耐摩耗性、剥離・貼合時のリワーク性などの観点からは、金属層の材質はニッケルが好ましく、最初に行う無電解めっきまたは蒸着、その後に行う電解めっきの両方について、ニッケルを採用することが好ましい。
こうして製造されたモールドを具備するナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法の装置によれば、高精度に微細波状凹凸構造が形成され、反射防止体に好適な微細構造体を再現性よく安定に大量生産することができる。ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法の装置の方式には特に制限はない。
ナノインプリント法の場合、熱可塑性樹脂製の基材に対してナノインプリント用モールドを押圧しながら加熱することで、軟化した樹脂をモールドの微細形状に押入し、その後、基材を冷却してからナノインプリン用モールドを基材から離すことによって、ナノインプリント用モールドに形成されている微細波状凹凸構造を基材に転写する熱インプリント方式、未硬化の光硬化性樹脂の基材に対してナノインプリント用モールドを押圧し、その後、紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化してからナノインプリン用モールドを基材から離すことによって、ナノインプリント用モールドに形成されている微細波状凹凸構造を基材に転写する光(UV)インプリント方式が可能である。
熱プレス法の場合、熱可塑性樹脂製の基材に対して熱プレス用モールドを押圧し加熱して樹脂を軟化しモールドの微細形状に樹脂を押入し、その後熱板ごと基材を冷却してから熱プレス用モールドを基材から離型することによって、微細波状凹凸構造を基材表面に転写した成型品を作製することが可能である。
射出成型法の場合、高温で溶融した樹脂をモールドを備えた射出成型用金型に高圧で射出流入し、その後金型の温度により冷却する工程を経て金型を離型し、モールドに形成されている微細パターンを成型物表面に転写することで成型品を作製できる。
UVエンボス法の場合、微細パターンを表面に持つエンボスロール(モールドを巻きつけるなどで作製)を用意し、UV硬化樹脂を樹脂フィルム基材上に塗工しながら送り、塗工面をエンボスロールに抱かせながらロールを回転しつつUV照射を行うことでUV硬化樹脂を硬化し、硬化後にエンボスロールから樹脂フィルム基材ごとUV硬化樹脂層も離型することによって微細波状凹凸構造の形状を表面に賦形したフィルムを作製することが可能である。
特に、微細波状凹凸構造の作製時に選択するシュリンクフィルムが、光学用途に使用可能のものである場合は、シュリンクにより作製した微細波状凹凸構造をそのまま用いて後述する印刷工程に進んでも良い。すなわち、この場合は微細波状凹凸構造の原盤のモールドを作製する工程や形状転写する工程がないため、簡便に本発明の光学シートを作製することが可能となる。
以上のようにして、微細波状凹凸構造となる微細波状凹凸構造を表面の一方に備えた樹脂板もしくは樹脂フィルム基材を作製したのち、微細構造とは半対側の面に印刷法によりインクを印刷し、光の拡散機能を持たせる。
印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、昇華転写等が挙げられる。
上記印刷に用いるインクの色としては、白色インク、黒色インク、灰色インク等が可能であるが、特に白色インクは光のロスが少なく、本発明の主旨である拡散光の輝度向上に適しているためこれを用いることが好ましい。
白色顔料インク組成物には、溶剤、白色顔料、分散剤、及び対象物表面への固着剤としての樹脂が基本成分として含まれる。インク組成物における白色顔料としては、酸化チタン(TiO、チタンホワイト) 、シリカ(SiO)、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ケイ酸アルミニウム、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH) 、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、ジンクホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、チタンストロンチウムホワイト)、硫酸バリウムなどが単独または混合系で使用できる。
特に酸化チタンは、他の無機白色顔料と比べると比重が小さいため分散安定性があり、屈折率が大きく光学拡散性に優れ、化学的、物理的にも安定である。このため、顔料としての隠蔽力や光学拡散性が大きいので、本発明に使用される無機白色顔料としては酸化チタンを主成分として用いるのが好ましい。拡散光の色目を調整する目的で、上記白色顔料を混合することも可能である。
白色顔料の混合率は、インク組成物全体の30〜60質量%とするのが好ましい。酸化チタン以外の白色顔料は、必要により分散補助等の目的で顔料全体の3割程度までの量で使用するのが一般的である。
インク組成物における樹脂としてはケトン樹脂、スルホアミド樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキド樹脂、ロジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂などが使用できるが、中でもアクリル系樹脂が好適に使用できる。
インク組成物における有機溶剤は樹脂の溶解、粘度の調整などを目的として使用するものでありトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどのシクロパラフィン系溶剤などが単独又は混合物の形で使用できる。有機溶剤の使用量は、インク組成物全体の30〜60wt%程度である。
その他黒インクや灰色インクで印刷することも可能である。黒インクや灰色インクの場合、ある程度光のロスが生じるため、透過率は多少減少する傾向になるが、光の廻り込みが少ないため、後述する輝度均整化のための印刷によるパターニングは容易になるという利点もある。例えば、黒インクとしてカーボンブラックを含むインクセット、灰色インクとして上記白インクと金属粒子の混合物等が使用可能である。
本発明の光拡散部を形成する印刷部(印刷層ともいう。)は、図3に示されるように、上記インクを印刷したものである。印刷層上面の形状は特に制限されない。例えば、上面が円形状、三角形状、四角形状、楕円形状等のドットや、帯状、ベタ塗り等などが挙げられる。輝度調整手段として、ドットの密度や直径の調整、およびベタ塗りの印刷層の厚さを調整することによる濃度階調が可能である。ドットを印刷する場合、レイアウトが容易であるという観点から、ドット形状は円形を選択することが好ましい。
印刷層の形状が円形状のドットである場合、その直径は5〜100μmであることが好ましい。印刷層の直径が5μm以上であれば、光拡散性をより高くでき、100μm以下であれば、ドットが充分に小さいため、ドットとして視認されず、粒状感のないパターンを形成できる。
印刷層の厚みは0.5〜100μmであることが好ましい。印刷層の厚みが0.5μm以上であれば、光拡散性をより高くでき、100μm以下であれば、印刷層の基材からの剥離を抑制できる。
印刷層のドットは、所定のパターンで設けられている。例えば、印刷層上面の形状が円形状のドットを用いる場合、所定のパターンは光学フィルムに求められる光拡散性に応じて適宜設定される。即ち、光拡散性が強く求められる程、単位面積あたりのドットの面積比率が高くなるように設定される。
所定のパターンで印刷された印刷層は、光源からの光を拡散し、輝度の均整度を効率的に向上する。その結果、光学シートを通過した光の強度分布を測定すると、輝度の均一性が図られる結果となる。例えば、液晶表示装置のバックライトユニットに使用された場合、光源直上の単位面積あたりのドットの面積比率が高くなるようにし、光源から遠ざかるにしたがって徐々にドットの密度を低下あるいはドットの直径を減少するように調整する。特に、ドットの直径を調整する方法を用いる場合は、ハーフトーン若しくはグレイスケールの考え方に基づき、いわゆる網点の要領を用いることができるので、簡便である。
また、光学フィルム内で求められる光拡散性が一様でない場合には、求められる光拡散性に合わせて、単位面積あたりのドットの面積比率も一様でないものとする。
例えば、ドットパターンは、基材の一方の面の一部の領域にドットが均一に配置され、残りの領域にドットが設けられていないパターンとすることができる。
また、基材の一方の面に、1個あたりの面積が略均一なドット印刷が、単位面積あたりのドット数が多い高光拡散性領域と、該高光拡散性領域より単位面積あたりのドット数が少ない低光拡散性領域とを有するように設けられているパターンであってもよい。
また、基材の一方の面に、単位面積あたりの個数が同一であるドット状のパターン発泡層で、1個あたりのドットの面積が大きい高光拡散性領域と、該高光拡散性領域より1個あたりのドットの面積が小さい低光拡散性領域とを有するパターンであってもよい。
また、ドットパターンは、単位面積あたりのドットの面積比率が、基材の一方向に沿って漸次増加するパターンや、基材の一方向に沿ってドットの面積比率が周期的に変化するパターンであってもよい。
また、ドットが基材の一方の面の全面に均一に分散して設けられたパターンであっても差し支えない。
もうひとつの均斉度調整方法として、ベタ塗りの印刷層を設け、この印刷層の厚さを調整する濃度階調がある。即ち、光源に正対する領域に形成された濃度階調であり、光源直上の印刷層厚さが大きくなるようにし、光源から遠ざかるにしたがって徐々に印刷層の厚さを減少することで、光学シートを通過した光の均整化を図ることも可能である。
また、光学フィルム内で求められる光拡散性が一様でない場合には、求められる光拡散性に合わせて、ベタ塗り印刷層の厚さも一様でないものとする。
例えば、ベタ塗り印刷層は、基材の一方の面の一部の領域に一定の厚さに印刷され、残りの領域に印刷層が設けられていないパターンとすることができる。
また、基材の一方の面に、ベタ塗り印刷層の厚さが大きい高光拡散性領域と、該高光拡散性領域よりベタ塗り印刷層の厚さが小さい低光拡散性領域とを有するように設けられているパターンであってもよい。
また、ベタ塗り印刷層の厚さが基材の一方向に沿って漸次増加するパターンや、基材の一方向に沿ってベタ塗り印刷層の厚さが周期的に変化するパターンであってもよい。
また、ベタ塗り印刷層が基材の一方の面の全面に一定の厚さで設けられたものであっても差し支えない。
本発明では、光拡散性インクの直線光透過率を0%から100%の範囲で任意に変えて階調を調整する。直線光透過率は、どの様な光学機器によって測定してもよいが、簡便に測定するにはJIS-K7105に準拠したヘーズメーターで行うのが好ましい。
以上のようにして基材の一方の面に微細波状凹凸構造である微細突起を持ち、基材のもう一方の面に光を拡散する印刷層を持つ光学シートが完成する。このような構成の光学シートは、印刷層の設計通りに光を拡散することができ、かつ微細波状凹凸構造によって光の透過率を約4〜6%程度向上することができる。該光学シートと光源の位置関係は、光源が微細波状凹凸構造の面側に来るように配置される。
<実施例1>
実施例1は、図4(a)に示す光学フィルムを作製し、その光学フィルムを用いて直下型バックライトユニットを得る例である。
(モールドの作製)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレート製加熱収縮性フィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−60S、ガラス転移温度70℃)の片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(ポリマーソース株式会社製P4831−MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さが200nmになるようにバーコーターにより塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。次いで、その積層シートを80℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(すなわち、変形率60%で変形させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って周期的を有する微細波状凹凸構造形成シートを得た。微細波状凹凸構造を原子間力顕微鏡(日本ビーコ社製ナノスコープIII)により分析すると、ピッチ約2.2μm、アスペクト比約1.0の凹凸パターンであることが分った。
作製した微細波状凹凸構造上でNi電鋳法を行うことにより、厚さ150μmのNiモールドを作製した。
(UVエンボス工程)
このNiモールドをロール上に巻きつけてロール金型を作製した。続いて、UV硬化型アクリル系モノマーを主成分とする樹脂を塗布した透明ポリエチレンテレフタレートシート(東レ(株)製ルミラーU36)、厚さ188μmを塗工面がロール金型側になるようにしながらロール金型にシート抱かせながら送り、ロールとUV硬化樹脂が接している間1.5J/cm2の紫外線照射によってモノマーを重合・硬化させた後、シートをロール金型から剥離した。得られたシートには、ピッチ約2.2nm、アスペクト比1.0の微細波状凹凸構造が形成されていることを原子間力顕微鏡にて確認した。また、UV硬化樹脂の塗工層厚さは、約15μmであった。
(ドット印刷工程)
ポリエチレンテレフタレートシートの微細波状凹凸構造を形成した面と逆の面に対し、UV硬化白インク(東洋インキ製FDOニュー青口T白HF1ロ)を用いて、図4(a)のような所定のパターンドットをオフセット印刷装置(ミヤコシ MVF-18B)で印刷した。オフセット印刷機にあらかじめ備え付けられた紫外線照射装置を用い、200mJ/cmの紫外線を、透明ポリエチレンテレフタレートシートに印刷したパターンドット層に対し、基材の微細波状凹凸構造の面側から照射して、UV硬化インキを硬化させた。
以上の操作により、微細波状凹凸構造が基材の一方の面に設けられ、パターン印刷層が基材のもう一方の面に設けられた光学フィルムを得た。得られたパターン印刷層のうち、最もインク階調の濃い部分の直線光透過率は49.0%、最もインク階調の薄い部分の直線光透過率は88.6%であった(スガ試験機(株)製SM-4カラーコンピューターのヘーズメーター(HGM-2K)にて測定)。
(輝度測定)
得られた光学フィルムを、図4(b)のように光拡散性領域が冷陰極管からなる光源の直上に位置するように取り付けて、直下型バックライトユニットを作製した。
この直下型バックライトユニットの光源を発光させて、輝度およびその分布をトプコン製輝度色度ユニフォミティ測定装置UA−1000により測定した結果、均一な面発光が得られ、充分な輝度を有していることを確認できた。平均輝度のデータを表1に示す。
<実施例2>
実施例2は、図5(a)に示す光学フィルムを作製し、その光学フィルムを用いて直下型バックライトユニットを得る例である。
(モールドの作製およびUVエンボス工程)
実施例1と全く同様に作製したNiモールドを用い、実施例1と全く同様にUVエンボス装置による構造転写を行い、実施例1と全く同様のピッチ約2.2μm、アスペクト比約1.0の微細波状凹凸構造を作製した。
(濃度階調印刷工程)
微細波状凹凸構造を片面に作製したポリエチレンテレフタレートシートを枚葉に断裁したのち、微細波状凹凸構造を形成した面と逆の面に対し、UV硬化白インク(東洋インキ製FDOニュー青口T白HF1ロ)を用いて、図5(a)のような所定の濃度階調のベタ塗り印刷層をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業LS-56TVA)で印刷した。印刷後、露光機を用いて220〜280mJ/cmの紫外線を、印刷した濃度階調のインク層に対し、基材の微細波状凹凸構造の面側から照射して、UV硬化インキを硬化させた。
以上の操作により、微細波状凹凸構造が基材の一方の面に設けられ、濃度階調印刷層が基材のもう一方の面に設けられた光学フィルムを得た。得られたパターン印刷層のうち、最もインク階調の濃い部分の直線光透過率は42.8%、最もインク階調の薄い部分の直線光透過率は85.2%であった(スガ試験機(株)製SM-4カラーコンピューターのヘーズメーター(HGM-2K)にて測定)。
(輝度測定)
得られた光学フィルムを、図5(b)のように光拡散性領域が冷陰極管からなる光源の直上に位置するように取り付けて、直下型バックライトユニットを作製した。
この直下型バックライトユニットの光源を発光させて、輝度およびその分布をトプコン製輝度色度ユニフォミティ測定装置UA−1000により測定した結果、均一な面発光が得られ、充分な輝度を有していることを確認できた。平均輝度のデータを表1に示す。
<比較例1>
微細波状凹凸構造をフィルムに設けないことを除いて、比較例1は実施例1と全く同じである。
(ドット印刷工程)
ポリエチレンテレフタレートシートの片面に対し、UV硬化白インク(東洋インキ製FDOニュー青口T白HF1ロ)を用いて、図4(a)のような所定のパターンドットをオフセット印刷装置(ミヤコシ MVF-18B)で印刷した。オフセット印刷機にあらかじめ備え付けられた紫外線照射装置を用い、200mJ/cmの紫外線を、透明ポリエチレンテレフタレートシートに印刷したパターンドット層に対し照射して、UV硬化インキを硬化させた。
以上の操作により、パターン印刷層が基材の片面に設けられた光学フィルムを得た。
(輝度測定)
得られた光学フィルムを、光拡散性領域が冷陰極管からなる光源の直上に位置するように取り付けて、直下型バックライトユニットを作製した。
この直下型バックライトユニットの光源を発光させて、輝度およびその分布をトプコン製輝度色度ユニフォミティ測定装置UA−1000により測定した結果、均一な面発光が得られたが、実施例1と比較して輝度が5.1%低下することを確認した。平均輝度のデータを表1に示す。
<比較例2>
微細波状凹凸構造をフィルムに設けないことを除いて、比較例2は実施例2と全く同じである。
(濃度階調印刷工程)
実施例2と同様にポリエチレンテレフタレートシートを枚葉に断裁したのち、UV硬化白インク(東洋インキ製FDOニュー青口T白HF1ロ)を用いて、図5(a)のような所定の濃度階調のベタ塗り印刷層をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業LS-56TVA)で片面に印刷した。印刷後、露光機を用いて220〜280mJ/cmの紫外線を、印刷した濃度階調のインク層に対し照射して、UV硬化インキを硬化させた。
以上の操作により、濃度階調印刷層が基材の片方の面に設けられた光学フィルムを得た。
(輝度測定)
得られた光学フィルムを、光拡散性領域が冷陰極管からなる光源の直上に位置するように取り付けて、直下型バックライトユニットを作製した。
この直下型バックライトユニットの光源を発光させて、輝度およびその分布をトプコン製輝度色度ユニフォミティ測定装置UA−1000により測定した結果、均一な面発光が得られたが、実施例1と比較して輝度が4.6%低下することを確認した。平均輝度のデータを表1に示す。
Figure 2010128447
以上のことから、本発明の光学シートは、一定面積あたりの印刷ドット面積あるいは濃度階調パターンによって光源からの光を均一化することができ、かつ印刷層の面と反対側に設けた微細波状凹凸構造によって、光学シートを透過する光量(輝度)を4〜6%程度向上することが示された。
シュリンクフィルムの片面に硬質層を設けて収縮させて微細波状凹凸構造を作製する概念を表す模式図である。 シュリンクフィルムの片面に硬質層を設けて収縮させて作製する微細波状凹凸構造の原子間力顕微鏡像である。 微細波状凹凸構造と印刷層の形成面を表す模式図である。 ドットの密度で輝度を均整化する場合の印刷パターンの模式図である。 実施例1の光学シートをバックライトユニットに組み込んだ模式図である。 インク層の厚さで輝度を均整化する場合の濃度階調の模式図である。 実施例2の光学シートをバックライトユニットに組み込んだ模式図である。

Claims (8)

  1. 透明基材の片面から入射する光を拡散して該透明基材の他方の面から射出する光学シートであって、前記透明基材に光拡散性を有するインクが所定のパターンで印刷されて光拡散部が形成され、かつ印刷面とは反対側の面には輝度向上機能を有する微細波状凹凸構造が一面に形成されることを特徴とする光学シート。
  2. 微細波状凹凸構造のピッチが、波高1〜20μmであり、かつ波長1〜20μmである請求項1に記載の光学シート。
  3. 透明基材に印刷される光拡散性インクの直線光透過率を0%から100%の範囲で任意に変えて階調を有する光拡散部を形成し、前記光拡散部の光拡散性が、前記透明基材内で部分的に任意に変化する請求項1に記載の光学シート。
  4. 光拡散部は、光源に正対する領域に形成されたドット集合体であり、光源から遠ざかるにしたがって徐々にドットの密度を低下あるいはドットの直径を減少することにより、一定面積あたりの印刷領域の面積を調整する請求項3に記載の光学シート。
  5. 光拡散部は、光源に正対する領域に形成された濃度階調であり、光源から遠ざかるにしたがって徐々に印刷層の厚さを減少する請求項3に記載の光学シート。
  6. 光拡散性を有するインクが、バインダー中に光拡散剤を分散したものである請求項3に記載の光学シート。
  7. 請求項1〜請求項6に記載の光学シートの製造方法。
  8. 請求項1〜請求項4に記載の光学シートを一部に組み込んだ照明装置、投影装置、看板および画像表示装置。
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