JP2010127393A - 減速機の出力軸の下部軸受部構造 - Google Patents

減速機の出力軸の下部軸受部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】漏洩の原因となる下部軸受の潤滑のために封入された潤滑剤のうち、余分な潤滑剤を軸受架台部から自動的に排出して潤滑剤による軸受架台部内の圧力上昇を防止すると共に、オイルシールの過度の変形等を防ぐ。
【解決手段】下方向に延在された出力軸130を支持する下部軸受128と、下部軸受128を支持する軸受架台部138と、出力軸130と軸受架台部138との間に設けられたオイルシール132と、を備える下部軸受部構造において、軸受架台部138の上面部140において出力軸130との間に隙間151を介してストッパリング148を設け、ストッパリング148は、出力軸130の停止時における潤滑剤の給脂の際には隙間151が上面部140から上方への潤滑剤の漏洩を遮断する大きさGoで、且つ出力軸130の回転の際には隙間151が上面部140から上方への潤滑剤の漏洩を可能とする大きさG1となる熱膨張係数を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば撹拌装置や凝集沈殿装置の減速機のように、回転する出力軸が下方向に延在された減速機の出力軸の下部軸受部構造に関する。
撹拌装置や凝集沈殿装置などに用いられる減速機では、その出力軸が下方向に向けられる。該出力軸には更に、延長シャフトと、該シャフトの先端部に連結されているロータとが装備される。
特許文献1に記載の発明は、図7に示す如く、鉛直方向の出力軸30を回転自在に支持する下部軸受28と下部軸受28を取り囲むと共に下部軸受28を潤滑するグリースが給脂される空間を形成する軸受架台部38を設けている。そして、軸受架台部38の空間内に、グリースの給脂配管及び排脂配管を接続孔55を介して臨ませている。更に軸受架台部38と出力軸30との間には隙間51が形成されており、軸受架台部38の上部38Aには、出力軸30側に、隙間51を最小とする耐熱性のブッシュ48が設けられている。これにより、使用グリースの低減とグリースの異常発熱を防止することを提案している。
特開2000−266065号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、供給過剰となったグリースをできるだけ上方に漏らさないように隙間51を最小としている。このため、減速機の停止時にグリースの量が適量であっても、減速機の運転時(出力軸30の回転時)には軸受架台部38の内部に高い動圧が生じるおそれがある。又、そのまま減速機の運転を継続すると下部軸受28周辺の温度が上昇して、封入グリース内の気泡を膨張させることにより、更に軸受架台部38の内部の圧力を上昇させるおそれもある。このような要因により軸受架台部38の内部の圧力が上昇し、出力軸30と減速機のケーシングの一部である軸受架台部38との間に設けたオイルシールを変形させ、グリースが漏洩するおそれがあるという問題点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、漏洩の原因となる下部軸受の潤滑のために封入された潤滑剤のうち、余分な潤滑剤を軸受架台部から自動的に排出して、潤滑剤による軸受架台部内の圧力上昇を防止すると共にオイルシールの過度の変形等を防ぐ減速機の出力軸の下部軸受部構造を提供することをその課題とする。
本発明は、下方向に延在された減速機の出力軸を回転自在に支持する下部軸受と、該下部軸受を支持して該下部軸受の上面、下面、及び側面を取り囲むと共に潤滑剤が給脂される空間を形成する軸受架台部と、該下部軸受の下方であって前記出力軸と該軸受架台部との間に設けられたオイルシールと、を備える減速機の出力軸の下部軸受部構造において、前記軸受架台部の上面部において前記出力軸との間に隙間を介してストッパリングを設け、該ストッパリングは、前記出力軸の停止時における前記潤滑剤の給脂の際には前記隙間が該軸受架台部の上面部から上方への該潤滑剤の漏洩を遮断する大きさで、且つ前記出力軸が回転した際には該隙間が該軸受架台部の上面部から上方への該潤滑剤の漏洩を可能とする大きさとなる熱膨張係数を有することにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、封入された潤滑剤による圧力の低減のために、静圧と動圧とにおける潤滑剤の特性変化と、温度変化に従う潤滑剤の漏洩制御のために用いる部材の熱膨張による大きさの変化と、を活用することに着目したものである。つまり、本発明は、グリースや粘度の高い潤滑油である潤滑剤が給脂時のような静圧時には流動性が低くてせん断力でしか移動せず運転時には温度上昇による低粘度化も加わって高い流動性を示す特性と、減速機の運転時(出力軸の回転時)の温度上昇によるストッパリング(潤滑剤の漏洩制御のために用いる部材)の熱膨張を利用したものである。
即ち、本発明においては、ストッパリングと出力軸との間で形成される隙間が、出力軸が停止しているときに潤滑剤が注入される際には潤滑剤の漏洩を遮断する大きさで、且つ出力軸が回転した際には潤滑剤の漏洩を可能とする大きさとなる熱膨張係数を有するストッパリングを採用している。即ち、潤滑剤が注入される場合には、減速機の温度が上昇していないことからストッパリングは熱膨張していないので、隙間は狭く、且つ静圧状態なので潤滑剤の流動性が低い。このため、潤滑剤を隙間から軸受架台部の上面部の上方へ漏洩させることなく、潤滑剤の給脂される空間を形成する軸受架台部に潤滑剤を充填させることができる。そして、封止された潤滑剤の圧力が増大する出力軸の回転の際には、減速機の温度が上昇してストッパリングが熱膨張することで、隙間が大きくなり、加えて潤滑剤の流動性も高くなる。このため、潤滑剤が隙間から漏洩して軸受架台部の内部の圧力を自動的に低減する。なお、その漏洩する潤滑剤を軸受架台部の上面部から上方へ逃すことから、減速機内の当該上方に所定の空間を設けておくことで減速機外部への漏洩を防ぐことができる。
本発明によれば、漏洩の原因となる下部軸受の潤滑のために封入された潤滑剤のうち、余分な潤滑剤を軸受架台部から自動的に排出して、潤滑剤による軸受架台部内の圧力上昇を防止すると共にオイルシールの過度の変形等を防ぐことができる。このため、特にオイルシールの長寿命化が可能となり、減速機のメンテナンス間隔をより長期化することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は本発明の本実施形態に係る減速機の外観を表した断面図、図2は同じく図1の下部軸受部構造の拡大図、図3は同じく下部軸受部構造に用いられるオイルシールの一例を示す図、図4は同じくストッパリング周辺の摸式図、図5はストッパリングの枚数とストッパリング内周と出力軸との直径クリアランスに係るグラフ、図6は減速機の運転時間に対する内圧の実測値を示すグラフ、である。なお、本実施形態では、下部軸受の潤滑剤としてグリースを用いるが、粘度の高い潤滑油を用いてもよい。
最初に、減速機の全体構成について説明する。
減速機100は、図1に示す如く、入力軸102、第1中間軸114、第2中間軸122、出力軸130で支えられる3つの平行軸ギヤセット116、124、132を備えている。各軸は、それぞれ軸受106、108、110、112、118、120、126、128を介してケーシング136に支持されている。ケーシング136には、減速機構収容部136Aと軸受架台部138とが形成されている。減速機構収容部136Aは、ケーシング136の上部に形成され、3つの平行軸ギヤセット116、124、132を収容している。一方、軸受架台部138は、下部軸受128付近のケーシング136の下部に形成され、下部軸受128付近の部分を指す。そして、減速機構収容部136Aと軸受架台部138との間のケーシング136の部分136Bの内側には、グリース回収室154が設けられている。グリース回収室154は、軸方向Oでオイルシール134と軸受架台部138の上面部140との間で、且つ出力軸130の外周に設けられた空間である。なお、符合104は、入力軸102に当接するオイルシールであり、減速機構収容部129に収容される潤滑油が外部に漏洩するのを防止している。又、符号134は、出力軸130に当接するオイルシールである。オイルシール134は、減速機構収容部129に収容される潤滑油が軸方向O下方に漏洩するのを防ぐ。同時に、オイルシール134は、グリース回収室154に導かれるグリースの、軸方向O上方への漏洩を防ぐために設けられている。符合158は、グリース排脂口であり、排脂配管156に接続されている。グリース排脂口158は、給脂配管146から供給されるグリースが軸受架台部138の内部(空隙150A、150B)に充填された際に、あふれ出る余分なグリースを減速機100から外部に排出するために設けている。グリース排脂口158は、グリースが、図示せぬグリース給脂口から給脂配管146を介して給脂される際(出力軸130が回転していない運転停止時)には開放され、グリース給脂口が閉じられる際(出力軸130が回転する装置運転時)には閉じられることとなる。なお、排脂配管156の内径は、給脂配管146の内径よりも太く、グリースの排出抵抗を極力小さくしている。
次に、図1の破線で囲まれる下部軸受部構造について、図1、図2を用いて説明する。
下部軸受部構造は、主に、下部軸受128と、ケーシング136のうちの軸受架台部138と、オイルシール132とを備える。
下部軸受128は、軸受126と共に、鉛直下方向に延在された減速機である減速機100の金属製の出力軸130を回転自在に支持する。なお、符合129は、軸受架台部138の側面部142に対して、下部軸受128を支持・固定するために設けられたリング状の部材である。
軸受架台部138は、下部軸受128を支持する。軸受架台部138は、下部軸受128の上面、下面、及び側面のそれぞれの面を取り囲む上面部140、下面部144、側面部142を備える。このため、軸受架台部138は、図1、図2に示す如く、空隙150A、150Bを出力軸130と下部軸受128との間に設けている。この空隙150A、150Bにグリースが給脂される。
給脂配管146は、軸受架台部138の下面部144に設けられると共に、空隙150Bに連通する接続孔145に接続される。グリースは給脂配管146を介して空隙150Bに給脂される。そして、給脂されたグリースのうち余分なグリースは、空隙150Aから接続孔155、排脂配管156を介してグリース排脂口158から排出される。接続孔155は、空隙150Aに連通すると共に、軸受架台部138の側面部142において接続孔145から遠い位置、即ち接続孔145とは出力軸130に対して反対側に形成されている。なお、接続孔155の内径は、排脂配管156における排出抵抗を損なわないように接続孔145の内径に比べても大きくしている。同時に、隙間151の断面積に比べても、接続孔155と排脂配管156の断面積が大きい。このため、給脂時においては、隙間151側に作用する圧力と排脂配管156側に作用する圧力との間に大きな抵抗差が生じ、グリースは抵抗の少ない排脂配管156側から排出される。
オイルシール132は、下部軸受128の下方であって、出力軸130とケーシング136の一部である軸受架台部138の下面部144との間に設けられている。オイルシール132としては、通常のものでもよいが、図3に示すような金属板Mを多用した高耐圧のものを使用することもできる。あるいは、オイルシールを軸方向に複数並べて設けてもよい。それらの構成を採用した場合には、グリースが漏洩するおそれを更に低減して、減速機の長寿命化を更に図ることができる。
ストッパリング148は、リング形状の部材であり、軸受架台部138の上面部140において出力軸130との間に直径クリアランス(大きさとも称する)Gの隙間151を介して設けられている。ストッパリング148は、上面部140に形成された凹部140Aに配置され、リング形状の押え板149によって上面部140に固定される。
ストッパリング148は、図4に示す如く、径方向の内側がフッ素系樹脂(例えば、PTFEなど)でできたリング部材148B、径方向の外側が金属材料(たとえば、鉄系など)であるスペーサ部材148Aから形成されている。リング部材148Bは、樹脂であり、金属に比べて軟らかいので、リング部材148Bの内周に出力軸130が接触してもキズや変形を防止できる。又、リング部材148Bは、スペーサ部材148Aに比べて、熱膨張率が数倍以上大きい(ストッパリング148の径方向の内側は径方向の外側よりも熱膨張係数が大きい)。このため、リング部材148Bは周囲の温度変化によって、金属製の出力軸130との間の直径クリアランスGの隙間151の大きさを変化させることができる。更に、リング部材148Bはフッ素系樹脂からできているので、例えば、耐熱性を施したゴムなどに比べてもより耐熱性が高く、長い寿命を有する。同時に、低摩擦なので、出力軸130が接触しても動力伝達ロスを最小限にすることができる。なお、スペーサ部材148Aは、熱膨張係数がケーシング136や出力軸130と同等であるが、隙間151がリング部材148Bの熱膨張により大きくなりすぎることをリング部材148Bの外側で規制すること、リング部材148Bの端面位置を合せること、及びリング部材148Bの上面部140への組み込みやすさを確保することのために用いている。このため、リング部材148Bとスペーサ部材148Aとを組み合わせたストッパリング148は、出力軸130の停止時における潤滑剤の給脂の際には隙間151が大きさGo(Go;軸受架台部138の上面部140から上方への漏洩を遮断する大きさ)となり、且つ出力軸130が回転した際には隙間151が大きさG1(G1;軸受架台部138の上面部140から上方への漏洩を可能とする大きさ)となる熱膨張係数を有するものである(なお、出力軸130の回転の際には隙間151が大きさG1となるであることは、後述する図5において検証する)。
リング部材148Bは、厚みが1mm程度の環状の部材であるリング板148Cを軸方向Oへ複数枚積層することで構成される。リング板148Cは市販品を採用することが可能であり、種類が豊富で、安価に入手することができる。このため、出力軸130との直径クリアランスGとリング板148Cの枚数は自在に決定することができる。
ここで、本実施形態に好ましい、直径クリアランスGとリング板148Cの枚数の範囲を以下の判定実験で求める。判定基準としては、実際に図1で示す減速機100を前提として(a)出力軸130を回転させた運転状態でオイルシール132からのグリースの漏洩が確認されず、且つ隙間151からグリースが漏洩し、軸受架台部138内部の圧力が上昇しないこと(G=G1となること)、(b)運転を休止して、グリースの給脂を行い、その際にオイルシール132及びストッパリング148からグリースの漏洩が確認されないこと(G=Goとなること)、の2条件を満足させることとした。求めた結果は、図5に示す如く、リング板148Cが8枚で直径クリアランス0.012mm、0.13mm、リング板148Cが16枚で直径クリアランス0.15mm、0.26mmで良好な結果が得られた(G=Goのとき)。このため、本実施形態では、リング板148Cを8枚から16枚重ねて、直径クリアランスG(=Goのとき)として0.012mm〜0.26mmまでを合格として用いる。なお、ここでの「合格」は、あくまでも本実施形態に係る図1に示す減速機100に対してのものである。即ち、大きさや形が異なる他の減速機に対しては、本実施形態で示す判定実験等で適宜定めることができる。
次に、本実施形態に係る作用について図4(A)、図4(B)を用いて説明する。
先ず、図4(A)に示す如く、出力軸130の停止時においてグリースが軸受架台部138に給脂されるが、その際には、軸受架台部138も低温の状態(室温レベル)であり、ストッパリング148は熱膨張せずに、出力軸130とストッパリング148との隙間151の大きさGoは変化しない。このとき、大きさGoの隙間151が保たれ、静圧状態でグリースがせん断でお互いに滑るまで保持性を保つのでグリースの流動性も低い。加えて、給脂の際には内径の広い接続部分155、排脂配管156、排脂口158が開放されていることから、直径クリアランスGoの隙間151は軸受架台部138の上面部140から上方(グリース回収室154)への漏洩を矢印A1の如く遮断して、軸受架台部138にグリースを充填させる。
グリースの給脂が終了して、排脂口158及び給脂口が閉じられ、図4(B)に示す如く、装置運転がなされると、出力軸130が矢印A2のように回転して、グリースを含めて軸受架台部138の温度が上昇する。グリースを含めて軸受架台部138の温度が上昇することで、それらに囲まれたストッパリング148も温度上昇する。このとき、リング部材148Bは熱膨張係数が大きいので、隙間151を過剰に大きくしようとする。しかし、リング部材148Bの外周のスペーサ部材148Aの熱膨張係数はケーシング136や出力軸130と同等なので、リング部材148Bの熱膨張をある程度抑制することとなる。結果的には、ストッパリング148全体としては、その熱膨張係数により、出力軸130とリング部材148Bとの間の隙間151の直径クリアランスGを矢印A3のようにある程度大きくする(G=G1)。このとき、グリースの流動性は高くなると共に、グリースの動圧と温度上昇による気泡の膨張により圧力が高まるので、直径クリアランスG1の隙間151からグリースが、矢印A4から矢印A5の如く、軸受架台部138の上面部140から上方へ自動的に漏洩して、軸受架台部138の内部の圧力は自動的に低減する。軸受架台部138の上面部140の上部にはグリース回収室154が設けられており、グリースがオイルシール132から外部に漏れることを防いでいる。なお、このグリース回収室154は減速機100のメンテンナンス間隔に合わせて漏洩してきたグリースを溜めるための容積を定めることができる。このようにグリースが軸受架台部138からグリース回収室に漏洩させる(逃す)ことで、オイルシール132に過大な圧力をかけないので、オイルシール132からのグリースの漏洩を長期に亘って防止することができる。
実際に、運転時間に対する軸受架台部138内部の圧力を実測した結果を図6に示す。グラフAは本実施形態に関わる下部軸受部構造を採用したもので、グラフBは、その比較例としてストッパリング148の代わりに、グリースを軸受架台部138に封止するためのオイルシールを用いたものである。比較例のほうは、運転時間が増えると、圧力が増えてほぼ一定の圧力が運転時に絶えずオイルシール132にかかることとなるので、この圧力に耐えきれなくなった時点でオイルシール132が変形しグリースの漏洩のおそれがでてくる。これに対して、本実施形態に係る下部軸受部構造では、運転時間が増えるにつれて、圧力が減少している。これは、運転時の温度上昇によりストッパリング148が熱膨張して、隙間151の直径クリアランスが大きくなり(G=G1)、そこから余分なグリースがグリース回収室154に漏洩した結果と考えられる。このため、運転時間が増えても、オイルシール132にかかる圧力は増えないので、圧力による変形を防止することができる。
このようにして用いられるストッパリング148を構成するリング板148Cは市販品を用いることもでき、安定したサイズを安く入手できる。そして、リング板148Cは複数でリング部材148Bを構成していることから、設計変更が容易であり、且つそのうちの一枚が例えば変形した際には容易に取り替えることもできる。
また、リング部材148Bはフッ素系樹脂でできているので、耐熱性、耐油性に優れ、低摩擦であり、出力軸130が接触しても大きな伝達ロスを生じない。
即ち、本発明によれば、漏洩の原因となる下部軸受に潤滑のために封入された潤滑剤のうち、余分な潤滑剤を自動的に排出して、潤滑剤による軸受架台部138内の圧力上昇を防止すると共に、オイルシール132の過度の変形を防ぐことができる。このため、特にオイルシール132の長寿命化が可能となり、減速機100のメンテナンス間隔をより長期化することができる。
本発明について本実施形態を挙げて説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
又、本実施形態では、リング板148Cを軸方向Oに複数重ねてリング部材148Bを構成して、そのリング部材148Bの外側に1つのスペーサ部材148Aを配置させることでストッパリング148を構成していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リング部材を一体的に成形した場合には出力軸の外周に面するリング部材の内周をより平滑に成形できることから、より動力伝達ロスを低減できる。同時に、一括してリング部材を交換でき、スペーサ部材の配置も容易となるので、メンテナンス性を向上させることができる。
又、例えば、スペーサ部材148Aが複数のリング形状の部材から構成されていてもよい。この場合には、スペーサ部材の厚みの変更が自在で、且つ、一部の部材の交換が可能となるので、設計変更への容易な対応と交換部材の少量化を実現することができる。なお、スペーサ部材148Aとリング部材148Bとが一体となっていてもよいし、互いに脱着可能な状態であってもよい。
又、本実施形態では、スペーサ部材148Aが金属で、リング部材148Bがフッ素系樹脂としていたが、本発明はこれに限定されない。即ち、グリースの給脂の際には隙間が軸受架台部の上面部から上方への漏洩を遮断する大きさで、且つ出力軸が回転した際には該隙間が該軸受架台部の上面部から上方への漏洩を可能とする大きさとなる熱膨張係数を有するストッパリングであればどのような材質でも使用することができる。
本発明の本実施形態に係る減速機の全体を表した断面図 同じく図1の下部軸受部構造の拡大図 同じく下部軸受部構造に用いられるオイルシールの一例を示した図 同じくストッパリング周辺の摸式図 ストッパリングの枚数とストッパリング内周と出力軸との直径クリアランスに係るグラフ 減速機の運転時間に対する内圧の実測値を示すグラフ 従来技術に係る下部軸受部構造の拡大図
符号の説明
28、106、108、110、112、118、120、126、128…軸受
30、130…出力軸
38、138…軸受架台部
38A、140…上面部
48…ブッシュ
50A、150A、150B…空隙
51、151…隙間
55、145、155…接続孔
100…減速機
102…入力軸
104、132、134…オイルシール
114…第1中間軸
116、124、132…平行軸ギヤセット
122…第2中間軸
136…ケーシング
136A…減速機構収容部
136B…部分
140…上面部
140A…凹部
142…側面部
144…下面部
146…給脂配管
148…ストッパリング
148A…スペーサ部材
148B…リング部材
148C…リング板
149…押え板
154…グリース回収室
156…排脂配管
158…グリース排脂口

Claims (5)

  1. 下方向に延在された減速機の出力軸を回転自在に支持する下部軸受と、該下部軸受を支持して該下部軸受の上面、下面、及び側面を取り囲むと共に潤滑剤が給脂される空間を形成する軸受架台部と、該下部軸受の下方であって前記出力軸と該軸受架台部との間に設けられたオイルシールと、を備える減速機の出力軸の下部軸受部構造において、
    前記軸受架台部の上面部において前記出力軸との間に隙間を介してストッパリングを設け、
    該ストッパリングは、前記出力軸の停止時における前記潤滑剤の給脂の際には前記隙間が該軸受架台部の上面部から上方への該潤滑剤の漏洩を遮断する大きさで、且つ前記出力軸が回転した際には該隙間が該軸受架台部の上面部から上方への該潤滑剤の漏洩を可能とする大きさとなる熱膨張係数を有する
    ことを特徴とする減速機の出力軸の下部軸受部構造。
  2. 請求項1において、
    前記ストッパリングは、前記出力軸に比べて軟らかい材質からなる
    ことを特徴とする減速機の出力軸の下部軸受部構造。
  3. 請求項2において、
    前記ストッパリングの径方向の内側が径方向の外側よりも熱膨張係数が大きい
    ことを特徴とする減速機の出力軸の下部軸受部構造。
  4. 請求項3において、
    前記ストッパリングは、径方向の内側がフッ素系樹脂、径方向の外側が金属から形成されている
    ことを特徴とする減速機の出力軸の下部軸受部構造。
  5. 請求項2乃至4のいずれかにおいて、
    前記ストッパリングの少なくとも一部は、複数の環状部材が軸方向へ積層されて構成されている
    ことを特徴とする減速機の出力軸の下部軸受部構造。
JP2008303093A 2008-11-27 2008-11-27 減速機の出力軸の下部軸受部構造 Active JP5127682B2 (ja)

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