JP2010127387A - ウエアリング及びウエアリングの製造方法 - Google Patents

ウエアリング及びウエアリングの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐荷重性に優れ、かつアンダーカットを可及的に小さくすることのできるウエアリング及びウエアリングの製造方法を提供する。
【解決手段】射出成形により成形されるウエアリング100であって、周方向の1箇所にカット部110を有し、このカット部110は射出成形によって形成されるウエアリング100において、このカット部110は、外周面側及び内周面側から見て、ウエアリング100の中心軸の軸方向Cに対して傾斜する中央の第1カット部110aと、第1カット部110aの両側にそれぞれ設けられ、ウエアリング100の側面まで延びる第2カット部110b及び第3カット部110cとから構成されており、第2カット部110b及び第3カット部110cは、軸方向Cに対して傾いていないように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウエアリング及びウエアリングの製造方法に関するものである。
建設機械用などの各種油圧シリンダにおいて、ウエアリングが採用されたものが知られている。かかるウエアリングは、ピストンの軸受として使用され、ピストンとシリンダのかじりを防ぎ、偏心を小さくし、パッキンの耐久性を向上させる役割を担っている。
建設機械用の油圧シリンダのように、径方向にかかる荷重が大きな環境下で用いられるウエアリングとして、従来、布入りフェノール製のものが多用されていた。このウエアリングの場合、高剛性であるものの、脆さがあり長期間使用すると破損する問題があり、また、加工工程が多くコストが高いという欠点があった。
なお、加工工程は次の通りである。
まず、綿布にフェノールを含浸させる。そして、これを反物状に巻き取り円筒状にする。この円筒状にした素材を焼成し、フェノール部を固化させる。その後、切削加工によって、リング状に加工する。そして、リング状にしたものの周方向の一部を切断して、カット部を形成することによって、カット部を有するウエアリングが得られる。
近年、上記のような脆さの問題を解消し、かつコスト削減を図るために、ガラス繊維入りの熱可塑性樹脂(例えばナイロン)製のウエアリングが用いられるようになってきている。かかるウエアリングは、布入りフェノール製のものに比べて脆くなく、耐久性に優れている。また、射出成形によってウエアリングを成形できるので、加工コストが抑えられるという利点もある。
ここで、ウエアリングは、装着性の観点から、周方向の1箇所にカット部を形成するのが一般的である。このカット部は、リング状のものを射出成形によって成形した後に切削加工によって形成する場合と、カット部に対応する型を備えた金型を用いて射出成形によって形成する場合がある。加工コストを抑える観点からは、後者の方が優れている。
しかしながら、カット部を射出成形によって形成する場合、カット部の形状によってはアンダーカットの部分が生じてしまうため、アンダーカットをなくすようにカット部の両側を開いた形状のものを成形しなければならない。この場合、ピストンにウエアリングを装着した際に、カット部の辺りが外径側に飛び出した状態となるため、飛び出し部分が大きくなるほど装着時にシリンダに引っ掛かり易くなってしまう。そのため、装着作業性が悪くなってしまう問題がある。一方、カット部の形状は、耐荷重性に影響する。以下、これらについて、図8〜図16を参照して、より詳しく説明する。
図8は従来例1に係るウエアリングの一部破断側面図である。図8は、カット部がいわゆるストレートカットの場合を示している。このウエアリング500におけるカット部510は、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾いていないように構成されたものである。カット部510がストレートカットの場合には、アンダーカットの部分がないため、射出成形によって、カット部510の両側が殆ど開いていない形状のものを成形することができる。しかしながら、ストレートカットの場合には、耐荷重性が劣り、耐久性が低いという欠点がある。これについて、更に詳しく説明する。
図9はウエアリングとシリンダとの接触状態を断面的に見た模式図である。この図において、500Xはウエアリングの外周面の一部を示し、200Xはシリンダの内周面の一部を示している。ウエアリングは、シリンダの内周側に、内周面200Xに対して微小のクリアランスを有する状態で装着される。そのため、偏心が生じた場合には、ウエアリングの外周面500Xは、シリンダの内周面200Xに対して、略線接触の状態で接する。図9において、Pは接触部を示しており、断面で見ると点接触となる。
そのため、ウエアリングのシリンダに対する接触部分がカット部になった場合、このカット部がストレートカットであると、カット部の両側の外周端縁であるエッジの部分に応力が集中してしまう。そのため、この部分は、摩耗や破損が生じてしまい易くなってしまう。図10は従来例1に係るウエアリングのシリンダに対する接触領域を説明する説明図である。図10においては、図9に示した従来例1に係るウエアリング500において、カット部510がシリンダの内周面に接触した場合を示している。図中、Pで示す網掛け部分がシリンダの内周面に接触する接触領域を示している。
図示のように、ストレートカットの場合には、カット部510において、外周側の端縁510X(図示の例では、カット部510の図中右側の外周側の端縁)がシリンダの内周面に接触する。従って、カット部510以外の外周面の部分がシリンダの内周面に接触する場合に比べて、端縁510Xの部分に応力が集中してしまい、摩耗や破損が生じ易くなってしまう。
以上のように、ストレートカットの場合には耐荷重性に劣るため、建設機械用の油圧シリンダのように高負荷の環境下で用いられるものには適していない。
図11は従来例2に係るウエアリングの一部破断側面図である。図11は、カット部がいわゆるバイアスカットの場合を示している。このウエアリング520におけるカット部530は、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾くように構成されたものである。カット部530がバイアスカットの場合には、カット部530に応力があまり集中しないため、耐荷重性が優れている。図12は従来例2に係るウエアリングのシリンダに対する接触領域を説明する説明図である。図12においては、図11に示した従来例2に係るウエアリング520において、カット部530がシリンダの内周面に接触した場合を示している。図中、Pで示す網掛け部分がシリンダの内周面に接触する接触領域を示している。
図示のように、バイアスカットの場合には、カット部530がシリンダの内周面に接触した場合でも、カット部530の両側における外周側の端縁の部分が接触する領域は部分的であり、大部分はカット部530以外の外周面の部分が接触する。従って、応力集中を緩和することができるため、摩耗や破損が生じ難く、耐荷重性に優れている。
しかしながら、バイアスカットの場合には、アンダーカットの部分が大きくなり、射出成形によってカット部530を形成するためには、カット部530の両側が大きく開いた形状のものを成形せざるを得ない。これについて、更に詳しく説明する。
図11において、UCで示す領域がアンダーカットとなる部分である。なお、図11中上下方向が型開き方向である。このようなアンダーカットとなる部分があると、金型で成形することは、通常できない。そのため、アンダーカットをなくすようにカット部の両側を開いた形状のものを成形しなければならない。図13は従来例2に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。図14は従来例2に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す平面図である。
アンダーカットをなくすためには、カット部530の両側の端部が軸方向(C)に見て
重ならないようにしなければならない。そのため、カット部530の両側が大きく開いた形状のものを成形するようにしなければならない。なお、図13及び図14において、実線は成形後の状態を示しており、点線は使用状態(ウエアリング520がピストンに装着され、かつピストンがシリンダ内に装着された状態)を示している。
バイアスカットの場合、上記のように、アンダーカットの部分が大きいため、カット部530の両側が大きく開いたものが成形される。従って、ウエアリング520をピストンに装着した状態では、カット部530の辺りが外径側に大きく飛び出した状態となる。そのため、ピストンをシリンダ内に装着する際に、ウエアリング520がシリンダに引っ掛かり易く、装着作業性が悪いという問題がある。
以上のように、バイアスカットの場合には耐荷重性に優れるものの、カット部を射出成形によって形成する場合には、カット部の両側が大きく開いたものを成形しなければならず、装着作業性が悪いという問題がある。なお、バイアスカットの場合、カット部における側面側に尖った部分が存在するため、この部分が欠けてしまいやすいという問題もある。
図15は従来例3に係るウエアリングの一部破断側面図である。図15はカット部がいわゆるステップカットの場合を示している。このウエアリング540におけるカット部550は、ウエアリング540を外周面側及び内周面側から見て階段状となるように構成されたものである。
このようにカット部550をステップカットとした場合にも、アンダーカットの部分が存在する。図15において、UCで示す領域がアンダーカットとなる部分である。そのため、アンダーカットをなくすようにカット部の両側を開いた形状のものを成形しなければならない。図16は従来例3に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。なお、図16において、実線は成形後の状態を示しており、点線は使用状態(ウエアリング540がピストンに装着され、かつピストンがシリンダ内に装着された状態)を示している。
ステップカットの場合には、周方向に延びる切断面の長さ設定によってアンダーカットの領域を調整できるため、バイアスカットの場合に比べて、アンダーカットの部分を小さくすることができる。しかしながら、ステップカットの場合には、ストレートカットの場合と同様に、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾いていないように構成されたカット部分が存在する。この部分は、ストレートカットの場合に比べて半分の長さとなるが、ストレートカットの場合と同様に、カット部における両側の外周端縁であるエッジの部分に応力が集中する問題がある。
そのため、ステップカットの場合にも、耐荷重性に劣るため、建設機械用の油圧シリンダのように高負荷の環境下で用いられるものには適していない。
実開昭60−149504号公報
本発明の目的は、耐荷重性に優れ、かつアンダーカットを可及的に小さくすることのできるウエアリング及びウエアリングの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、周方向の1箇所にカット部を有するウエアリングにおいて、
前記カット部は、
外周面側及び内周面側から見て、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜する中央の第1カット部と、該第1カット部の両側にそれぞれ設けられ、ウエアリングの側面まで延びる第2カット部及び第3カット部とから構成されており、
第2カット部及び第3カット部は、前記軸方向に対して傾いていないか、該軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜が緩く構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、カット部において、中央の第1カット部はウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜するように構成されているため、カット部の両側の端縁に応力が集中してしまうことを抑制できる。そして、第1カット部の両側にそれぞれ設けられた第2カット部と第3カット部は、軸方向に対して傾いていないか、軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜が緩く構成されている。従って、カット部の側面側が鋭く尖らないように構成されるため、この部分が欠けてしまうことを抑制できる。
また、ウエアリングが射出成形により成形され、かつ前記カット部が該射出成形により形成される場合であっても、第1カット部と、第2カット部及び第3カット部との関係を上記のように構成したことにより、周方向におけるカット部全体の長さを、バイアスカットの場合に比べて短くすることができ、アンダーカットを小さくすることができる。
また、第1カット部と第2カット部、及び第1カット部と第3カット部は、曲線状に繋がっているとよい。
このようにすることで、第1カット部と第2カット部との繋ぎ目付近、及び第1カット部と第3カット部との繋ぎ目付近の応力集中を緩和することができる。
また、本発明のウエアリングの製造方法にあっては、周方向の1箇所にカット部を有するウエアリングを射出成形によって成形するウエアリングの製造方法において、
前記カット部を、
外周面側及び内周面側から見て、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜する中央の第1カット部と、該第1カット部の両側にそれぞれ設けられ、ウエアリングの側面まで延びる第2カット部及び第3カット部とから構成し、かつ第2カット部及び第3カット部を、前記軸方向に対して傾いていないか、該軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜が緩く構成すると共に、
型開き方向を前記軸方向となるようにし、かつ前記カット部の両側をアンダーカットがなくなるまで開いた状態のものを成形することを特徴とする。
本発明によれば、中央の第1カット部を、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜するように構成したことで、カット部の両側の端縁に応力が集中してしまうことを抑制できるウエアリングを製造できる。また、本発明によれば、第1カット部の両側にそれぞれ設けられた第2カット部と第3カット部を、軸方向に対して傾いていないか、軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜を緩く構成している。従って、カット部の側面側が鋭く尖らないように構成されるため、この部分が欠けてしまうことを抑制できる。また、アンダーカットを小さくできるので、アンダーカットがなくなるまで開いた状態のものを成形しても、カット部の両側の開き量を小さくすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、耐荷重性に優れ、かつアンダーカットを可及的に小さくすることができる。また、第1カット部と第2カット部、及び第1カット部と第3カット部は、曲線状に繋がるように構成することで、第1カット部と第2カット部との
繋ぎ目付近、及び第1カット部と第3カット部との繋ぎ目付近の応力集中を緩和することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図5を参照して、本発明の実施例1に係るウエアリングについて説明する。図1は本発明の実施例1に係るウエアリングの平面図である。図2は本発明の実施例1に係るウエアリングの一部破断側面図である。図3は本発明の実施例1に係るウエアリングの装着状態(使用状態)を示す模式的断面図である。図4は本発明の実施例1に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す平面図である。図5は本発明の実施例1に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。
<ウエアリングの全体構成>
特に、図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係るウエアリングの全体構成について説明する。
本実施例に係るウエアリング100は、建設機械用などの各種油圧シリンダに用いられる。図3に示すように、ウエアリング100は、ピストン300の外周に設けられた環状溝301に装着される。そして、環状溝301にウエアリング100が装着された状態で、ピストン300がシリンダ200内に装着される。これにより、ウエアリング100は、ピストン300の軸受として機能し、ピストン300とシリンダ200のかじりを防ぎ、偏心を小さくし、不図示のパッキンの耐久性を向上させる役割を担っている。
そして、本実施例に係るウエアリング100は、熱可塑性樹脂(例えばガラス繊維入りナイロン)から構成され、射出成形によって成形されるものである。このウエアリング100は、周方向の1箇所にカット部110を有している。そして、このカット部110は、射出成形によって形成されるように構成されている。そのため、切削加工を必要としない。
カット部110は、中央の第1カット部110aと、第1カット部110aの両側にそれぞれ設けられ、ウエアリング100の側面まで延びる第2カット部110b及び第3カット部110cとから構成されている。そして、第1カット部110aは、外周面側及び内周面側から見て、ウエアリング100の中心軸の軸方向Cに対して傾斜するように構成されている。また、第2カット部110b及び第3カット部110cは、軸方向Cに対して傾いていないように構成されている。
<射出成形によるカット部形成>
特に、図4及び図5を参照して、射出成形によるカット部の形成について、詳しく説明する。
図2において、UCで示す領域がアンダーカットとなる部分である。なお、図2中上下方向(すなわち、ウエアリング100の中心軸の軸方向C)が型開き方向である。このようなアンダーカットとなる部分があると、金型で成形することは、通常できない。そのため、アンダーカットをなくすようにカット部の両側を開いた形状のものを成形しなければ
ならない。
アンダーカットをなくすためには、カット部110の両側の端部が軸方向(C)に見て重ならないようにしなければならないため、カット部110の両側が開いた形状のものを成形するようにしなければならない。なお、図4及び図5において、実線は成形後の状態を示しており、点線は使用状態(図1〜図3に示す状態)を示している。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係るウエアリング100によれば、カット部110において、中央の第1カット部110aは、ウエアリング100の中心軸の軸方向Cに対して傾斜するように構成されている。そのため、バイアスカットの場合と同様に、カット部110の両側の端縁に応力が集中してしまうことを抑制できる。なお、本実施例の場合には、カット部110において、軸方向Cに対して傾いていない部分(第2カット部110b及び第3カット部110c)が存在する。しかし、この部分は、例えば、ステップカットを採用した場合に比べても小さくすることができ、応力集中を抑制することができる。
このように、本実施例に係るウエアリング100によれば、カット部110に対する応力集中を緩和することができるため、摩耗や破損が生じ難く、耐荷重性に優れている。従って、建設機械用の油圧シリンダのように高負荷の環境下で用いられるものでも、好適に適用することができる。また、カット部110における側面側が、バイアスカットの場合に比べて尖っておらず、この部分が欠け難いという利点もある。
また、本実施例に係るウエアリング100によれば、第1カット部110aの両側にそれぞれ設けられた第2カット部110bと第3カット部110cは、軸方向Cに対して傾いていないように構成されている。そのため、周方向におけるカット部110全体の長さを、バイアスカットの場合に比べて短くすることができ、アンダーカットUCを小さくすることができる。
このように、本実施例に係るウエアリング100によれば、アンダーカットUCを小さくすることができる。そのため、カット部110の両側をアンダーカットUCがなくなるまで開いた状態のものを、射出成形によって成形した場合でも、カット部110の両側の開き量を小さくすることができる。従って、ピストン300にウエアリング100を装着した際に、カット部110の付近の外径側への飛び出し量を小さくすることができ、装着作業性の低下を抑制することができる。
(実施例2)
図6には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、第2カット部と第3カット部が、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾いていないように構成された場合を示した。本実施例においては、これら第2カット部と第3カット部が、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜するように構成される場合を示す。カット部以外の構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は省略する。
図6は本発明の実施例2に係るウエアリングの一部破断側面図である。本実施例に係るウエアリング120も、上記実施例1の場合と同様に、熱可塑性樹脂(例えばガラス繊維入りナイロン)から構成され、射出成形によって成形されるものである。また、このウエアリング120も、周方向の1箇所にカット部130を有している。そして、このカット部130は、射出成形によって形成されるように構成されている。そのため、切削加工を必要としない。
また、本実施例においても、カット部130は、中央の第1カット部130aと、第1
カット部130aの両側にそれぞれ設けられ、ウエアリング120の側面まで延びる第2カット部130b及び第3カット部130cとから構成されている。そして、第1カット部130aは、外周面側及び内周面側から見て、ウエアリング120の中心軸の軸方向Cに対して傾斜するように構成されている。
そして、本実施例の場合には、第2カット部130b及び第3カット部130cは、軸方向Cに対して傾斜するように構成されている。ただし、これら第2カット部130b及び第3カット部130cは、軸方向Cに対して第1カット部130aの傾きよりも傾斜が緩くなるように構成されている。
本実施例に係るウエアリング120においても、カット部130において、中央の第1カット部130aは、ウエアリング120の中心軸の軸方向Cに対して傾斜するように構成されている。そのため、バイアスカットの場合と同様に、カット部130の端縁に応力が集中してしまうことを抑制できる。また、本実施例の場合には、第2カット部130b及び第3カット部130cも傾斜しているため、実施例1の場合に比べて、より一層応力集中を抑制することができる。
また、本実施例に係るウエアリング120によれば、第1カット部130aの両側にそれぞれ設けられた第2カット部130bと第3カット部130cは、軸方向Cに対して傾斜している。しかしながら、これら第2カット部130b及び第3カット部130cの傾斜は第1カット部130aの傾きよりも傾斜が緩くなるように構成されている。そのため、周方向におけるカット部130全体の長さを、バイアスカットの場合に比べて短くすることができ、アンダーカットUCを小さくすることができる。
(実施例3)
図7には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、上記実施例1の構成において、第1カット部と第2カット部、及び第1カット部と第3カット部が、曲線状に繋がっている場合の構成を示す。カット部以外の構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は省略する。
図7は本発明の実施例3に係るウエアリングの一部破断側面図である。本実施例に係るウエアリング140も、上記実施例1の場合と同様に、熱可塑性樹脂(例えばガラス繊維入りナイロン)から構成され、射出成形によって成形されるものである。また、このウエアリング140も、周方向の1箇所にカット部150を有している。そして、このカット部150は、射出成形によって形成されるように構成されている。そのため、切削加工を必要としない。
また、本実施例においても、カット部150は、中央の第1カット部150aと、第1カット部150aの両側にそれぞれ設けられ、ウエアリング140の側面まで延びる第2カット部150b及び第3カット部150cとから構成されている。そして、第1カット部150aは、外周面側及び内周面側から見て、ウエアリング140の中心軸の軸方向に対して傾斜するように構成されている。また、本実施例の場合には、第2カット部150b及び第3カット部150cは、ウエアリング140の側面付近では、軸方向Cに対して傾いていないように構成されている。
そして、本実施例の場合には、第1カット部150aと第2カット部150b、及び第1カット部150aと第3カット部150cが、曲線状に繋がるように構成されている。
本実施例に係るウエアリング140においても、カット部150において、中央の第1カット部150aは、ウエアリング140の中心軸の軸方向Cに対して傾斜するように構
成されている。そのため、バイアスカットの場合と同様に、カット部150の端縁に応力が集中してしまうことを抑制できる。
また、本実施例に係るウエアリング140によれば、第1カット部150aの両側にそれぞれ設けられた第2カット部150bと第3カット部150cは、側面付近において、軸方向Cに対して傾いていないように構成されている。そのため、周方向におけるカット部150全体の長さを、バイアスカットの場合に比べて短くすることができ、アンダーカットUCを小さくすることができる。
そして、本実施例の場合には、第1カット部150aと第2カット部150b、及び第1カット部150aと第3カット部150cが、曲線状に繋がるように構成されている。そのため、第1カット部150aと第2カット部150bとの繋ぎ目付近、及び第1カット部150aと第3カット部150cとの繋ぎ目付近における応力集中を緩和することができる。
図1は本発明の実施例1に係るウエアリングの平面図である。 図2は本発明の実施例1に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図3は本発明の実施例1に係るウエアリングの装着状態(使用状態)を示す模式的断面図である。 図4は本発明の実施例1に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す平面図である。 図5は本発明の実施例1に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。 図6は本発明の実施例2に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図7は本発明の実施例3に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図8は従来例1に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図9はウエアリングとシリンダとの接触状態を断面から見た模式図である。 図10は従来例1に係るウエアリングのシリンダに対する接触領域を説明する説明図である。 図11は従来例2に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図12は従来例2に係るウエアリングのシリンダに対する接触領域を説明する説明図である。 図13は従来例2に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。 図14は従来例2に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す平面図である。 図15は従来例3に係るウエアリングの一部破断側面図である。 図16は従来例3に係るウエアリングにおける射出成形後の状態(使用前の状態)を示す一部破断側面図である。
符号の説明
100 ウエアリング
110 カット部
110a 第1カット部
110b 第2カット部
110c 第3カット部
120 ウエアリング
130 カット部
130a 第1カット部
130b 第2カット部
130c 第3カット部
140 ウエアリング
150 カット部
150a 第1カット部
150b 第2カット部
150c 第3カット部
200 シリンダ
300 ピストン
301 環状溝
UC アンダーカット

Claims (4)

  1. 周方向の1箇所にカット部を有するウエアリングにおいて、
    前記カット部は、
    外周面側及び内周面側から見て、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜する中央の第1カット部と、該第1カット部の両側にそれぞれ設けられ、ウエアリングの側面まで延びる第2カット部及び第3カット部とから構成されており、
    第2カット部及び第3カット部は、前記軸方向に対して傾いていないか、該軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜が緩く構成されていることを特徴とするウエアリング。
  2. 射出成形により成形されるウエアリングであって、
    周方向の1箇所にカット部を有し、該カット部は射出成形によって形成されるウエアリングにおいて、
    前記カット部は、
    外周面側及び内周面側から見て、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜する中央の第1カット部と、該第1カット部の両側にそれぞれ設けられ、ウエアリングの側面まで延びる第2カット部及び第3カット部とから構成されており、
    第2カット部及び第3カット部は、前記軸方向に対して傾いていないか、該軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜が緩く構成されていることを特徴とするウエアリング。
  3. 第1カット部と第2カット部、及び第1カット部と第3カット部は、曲線状に繋がっていることを特徴とする請求項1または2に記載のウエアリング。
  4. 周方向の1箇所にカット部を有するウエアリングを射出成形によって成形するウエアリングの製造方法において、
    前記カット部を、
    外周面側及び内周面側から見て、ウエアリングの中心軸の軸方向に対して傾斜する中央の第1カット部と、該第1カット部の両側にそれぞれ設けられ、ウエアリングの側面まで延びる第2カット部及び第3カット部とから構成し、かつ第2カット部及び第3カット部を、前記軸方向に対して傾いていないか、該軸方向に対して第1カット部の傾きよりも傾斜を緩く構成すると共に、
    型開き方向を前記軸方向となるようにし、かつ前記カット部の両側をアンダーカットがなくなるまで開いた状態のものを成形することを特徴とするウエアリングの製造方法。
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