JP2010127203A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR通路を通じた吸気の逆流による吹き抜けを適切に判定することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、ターボ過給機及びEGR装置を備えた内燃機関に好適に適用される。逆流判定手段は、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下で、且つEGR弁が開弁している際において、所定期間における吸気圧の脈動幅に基づいて、EGR通路を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。これにより、EGR通路におけるガスの逆流による、吸気側から排気側への吸気の吹き抜けを適切に判断することが可能となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ターボ過給機及びEGR装置を備えた内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1に提案されている。特許文献1には、EGRガスが吸気側から排気側へ逆流する逆流状態を判定する技術が提案されている。具体的には、吸気圧、排気圧、及びEGR流量に基づいて、EGRガスの順流状態と逆流状態とを判定すること、及び、その逆流によりEGR流量が少なくなる場合にEGR弁を閉じることが記載されている。
特開2008−101498号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、EGRガスの順流状態と逆流状態とを検出することができるが、EGRガスの逆流による、排気側への吸気の吹き抜けを適切に判断することは困難であった。そのため、エミッションの悪化などが発生してしまう可能性があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、EGR通路を通じた吸気の逆流による吹き抜けを適切に判定することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、ターボ過給機、及びEGR通路とEGR弁とを有するEGR装置を備えた内燃機関に適用される内燃機関の制御装置は、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下で、且つ前記EGR弁が開弁している際において、所定期間における前記吸気圧の脈動幅に基づいて、前記EGR通路を通じて吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う逆流判定手段を備える。
上記の内燃機関の制御装置は、ターボ過給機、及びEGR装置を備えた内燃機関に好適に適用される。逆流判定手段は、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下で、且つEGR弁が開弁している際において、所定期間における吸気圧の脈動幅(言い換えると振幅値)に基づいて、EGR通路を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。これにより、EGR通路におけるガスの逆流による、吸気側から排気側への吸気の吹き抜けを適切に判断することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の一態様は、前記逆流判定手段は、前記所定期間における前記吸気圧の平均値と当該吸気圧の標準偏差とによって規定された変動率を用いて、前記逆流が発生しているか否かの判定を行う。これにより、吸気側から排気側への吸気の逆流を、精度良く判定することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された場合に、燃料噴射量を補正することで、筒内の空燃比の補正を行う空燃比補正手段を更に備える。これにより、上記した逆流に起因するエミッション悪化を適切に抑制することができる。
好ましくは、前記空燃比補正手段は、前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された際に求められた前記変動率と、吸気が逆流していない際の吸気圧によって規定された基準変動率とを比較した結果に基づいて、前記空燃比に対する補正を行う。これにより、より精度良く空燃比を補正することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された場合に、前記EGR弁の開度を縮小する制御を行うEGR弁制御手段を更に備える。これによっても、上記した逆流に起因するエミッション悪化を適切に抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本発明の内燃機関の制御装置を適用した内燃機関の構成を示す構成図である。図1では、実線矢印がガス(吸気及び排気)の流れの一例を示し、破線矢印が信号の流れを示している。
内燃機関(エンジン)は、自動車などの車両に走行用動力源として搭載され、主に、複数の気筒10と、各気筒10にそれぞれ接続される吸気通路3及び排気通路4と、吸気通路3及び排気通路4に設けられたターボ過給機5とを備えている。図1では、1つの気筒10のみを表示している。ターボ過給機5は、吸気通路3に設けられたコンプレッサ5aと、排気通路4に設けられたタービン5bと、を有し、これらが一体回転するように構成されている。
吸気通路(吸気管)3には、エアクリーナ9と、エアフローメータ(AFM)41と、エアバイパス弁31と、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、インタークーラ6と、スロットルバルブ32と、吸気を貯蔵可能なサージタンク7と、が設けられている。AFM41は、外部から吸入された吸気の量(吸気量)を検出して、検出された吸気量に対応する検出信号S41をECU50へ送信する。エアバイパス弁31は、吸気通路3におけるコンプレッサ5aの上流側と下流側とを結ぶバイパス通路3aに設けられている。エアバイパス弁31は、バイパス通路3aを通過する吸気量を調整するためのものでありECU50からの制御信号によって制御される。例えば、スロットルバルブ32が急に閉じられた場合には、吸気通路3における吸気の圧力が急激に上昇するのを防ぐため、ECU50は、エアバイパス弁31を開いて、コンプレッサ5aにより圧縮された吸気をバイパス通路3aより逃がす。スロットルバルブ32は、吸気通路3における吸気量を調整するためのものであり、ECU50からの制御信号によって制御される。
また、吸気通路3には、吸気温度センサ42と、吸気圧センサ43、44と、が設けられている。吸気温度センサ42は、吸気通路3における吸気の温度(吸気温度)を検出して、検出された吸気温度に対応する検出信号S42をECU50へ送信する。吸気圧センサ43、44は、吸気通路3における吸気圧(吸気管圧力を意味する。以下同じ。)を検出して、検出された吸気圧に対応する検出信号S43、S44をECU50へ送信する。
気筒10の燃焼室10aには、吸気通路3と排気通路4とが接続されているとともに、燃焼室10a内に燃料を噴射するための燃料噴射弁11と、燃焼室10a内において燃料に点火する点火プラグ12と、が設けられている。燃料噴射弁11と点火プラグ12とは、ECU50からの制御信号によって制御される。また、気筒10には、吸気弁13と排気弁14とが設けられている。吸気弁13は、開閉することによって、吸気通路3と燃焼室10aとの導通/遮断を制御する。排気弁14は、開閉することによって、排気通路4と燃焼室10aとの導通/遮断を制御する。吸気弁13が開くことにより、吸気通路3より燃焼室10a内へ吸気が導入される。燃焼室10a内へ導入された吸気は、燃料噴射弁11より噴射された燃料と混合した後、点火プラグ12が点火することにより燃焼される。燃焼により発生した排気は、排気弁14が開くことにより排気通路4へ排出される。燃焼室10a内で燃料と吸気とが燃焼されると、ピストン15が下死点まで押し下げられる力が発生する。ピストン15が下死点まで押し下げられる力が、コンロッド16を介してクランク軸17に伝達され、クランク軸17が回転する。ここで、クランク軸17近傍には、クランク角センサ45が設けられている。クランク角センサ45は、クランク軸17の回転角(クランク角)を検出して、検出されたクランク角に対応する検出信号S45をECU50へ送信する。また、気筒10の側面には、水温センサ48が取り付けられており、気筒10のウォータジャケット(不図示)における冷却水の水温を検出して、検出された水温に対応する検出信号S48をECU50へ送信する。
排気通路4には、ターボ過給機5のタービン5bと、ウエストゲートバルブ36と、触媒8と、が設けられている。ウエストゲートバルブ36は、排気通路4におけるタービン5bの上流側と下流側とを結ぶバイパス通路4aに設けられている。ウエストゲートバルブ36は、バイパス通路4aを通過する排気量を調整するためのものであり、ECU50からの制御信号によって制御される。触媒8は、例えば三元触媒であり、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、などを浄化する機能を有する。なお、触媒8の代わりに、排気ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと触媒とを組み合わせた排気浄化装置を用いるとしてもよい。
また、排気通路4には、空燃比センサ(A/Fセンサ)46が設けられている。A/Fセンサ46は、排気通路4における排気の空燃比を検出して、検出された空燃比に対応する検出信号S46をECU50へ送信する。A/Fセンサ46は、具体的には、酸素濃度センサである。酸素濃度センサは、その出力電圧の温度依存性が大きいため、酸素濃度の検出精度を良好に維持するには素子温度を適温(活性温度)に保つ必要がある。そのため、酸素濃度センサにはヒータが取り付けられている。ECU50は、このヒータの発熱により素子温度を活性温度(例えば約700℃以上)に保つようにヒータへの通電を制御している。
本実施形態に係る内燃機関では、排気ガス(EGRガス)を吸気側に還流させるためのEGR装置20が設けられている。EGR装置20は、主に、EGRガスが通過するEGR通路21と、EGRガスを浄化可能に構成されたEGR触媒22と、EGRガスを冷却するEGRクーラ23と、吸気側へ還流させるEGRガス量を調整可能に構成されたEGR弁33とを備える。EGR通路21は、一端がタービン5bの上流側の排気通路4に接続され、他端がスロットルバルブ32の下流側の吸気通路3に接続されている。詳しくは、EGR通路21は2つの通路21a、21bを備えており、これらの通路21a、21bよりEGRガスが導入される。つまり、排気2系統からEGRガスを取り出している。なお、EGR弁33は、ECU50から供給される制御信号S33によって制御される。
ここで、図2を参照して、上記したEGR装置20の具体的な構成について説明する。図2は、EGR装置20の構成を示す概略図である。ここでは、一例として、4つの気筒10a、10b、10c、10dを具備する内燃機関の構成を示す。また、図2では、排気通路4a、4dの違いをハッチングにて表すと共に、通路の接続箇所を黒丸にて表している。なお、図1に示した構成要素と同一の構成要素に対しては同一の符号を付すものとする。
図示のように、気筒10a、10dには排気通路4aが接続されており、気筒10b、10cには排気通路4bが接続されている。そして、排気通路4aにEGR通路21における通路21aが接続され、排気通路4bにEGR通路21における通路21bが接続され、これらの通路21a、21bからEGRガスが導入される。なお、ターボ過給機5は、排気通路4a、4bよりタービン5bに排気ガスが供給されるように構成されている、つまりツインエントリターボ過給機として構成されている。
図1に戻って説明する。ECU(Electronic Control Unit)50は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイスなどを有し、各種センサからの検出信号S41〜S46に基づいて内燃機関の運転状態を検出し、検出された運転状態に基づいて内燃機関の制御を行う。本実施形態では、主に、ECU50は、吸気圧センサ44が検出した吸気圧に基づいて、EGR通路21を通じて吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。そして、ECU50は、その判定結果に基づいて、燃料噴射弁11やEGR弁33に対する制御を行う。このように、ECU50は、本発明における内燃機関の制御装置として機能し、逆流判定手段、空燃比補正手段、及びEGR弁制御手段として動作する。
[逆流判定方法]
次に、本実施形態において行われる、吸気側から排気側への吸気(新気)の逆流を判定する方法について説明する。本実施形態では、ECU50は、吸気圧センサ44が検出した吸気圧に基づいて、EGR通路21を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。つまり、EGR通路21におけるガスの逆流による、吸気側から排気側への吸気の吹き抜けを判定する。
ここで、このような判定を行う理由について説明する。EGR通路21を通じて吸気が排気側に逆流した場合、筒内空燃比(エアフローメータ41の検出値)のずれによるエミッション悪化が発生する場合がある。また、触媒8の溶損(酸素が触媒8上で反応すること)が発生する場合がある、言い換えると触媒8の床温が異常上昇する条件が成立する場合がある。一方で、ツインエントリターボ過給機のように低速側の過給圧が高い場合、平均背圧よりも平均吸気圧が高い条件が発生する傾向にある。この場合、低速側の点火時期がノックにより遅角側に推移するので、EGRガスを導入して点火時期を進角させることが望ましいと言える。EGRガスの導入可能域が明確に定まれば、予め適合したマップなどによりEGR弁33を適切に制御できるが、ウエストゲートバルブ36やノック強度による点火遅角などにより、このような導入可能域を一意に決めることは困難であると言える。
したがって、本実施形態では、EGR通路21を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。具体的には、ECU50は、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下(例えば高負荷域である場合)で、且つEGR弁33が開弁している際において、所定期間における吸気圧の脈動幅に基づいて、EGR通路21を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。言い換えると、ECU50は、所定期間における吸気圧の振幅値の大小に基づいて、当該逆流が発生しているか否かの判定を行う。
図3は、本実施形態における逆流判定方法の基本概念を説明するための図である。図3は、横軸にクランク角を示し、縦軸に吸気圧(吸気管圧力)を示している。実線A1は、通常時(つまり逆流が発生していない場合)の吸気圧の変化を示しており、破線A2は、逆流が発生している場合の吸気圧の変化を示している。なお、実線A1で示す吸気圧と破線A2で示す吸気圧は、等流量に設定して得られたものである。
図3より、逆流が発生している場合には、通常時と比較して、吸気圧の脈動幅が小さいことがわかる。このようになるのは、逆流発生時には排気圧の影響が小さくなるためと考えられる。詳しくは、吸気圧が排気圧よりも高い状態のときに逆流が発生する傾向にあると考えられる。この場合、ウエストゲートバルブ36が小開きするなどして、吸気圧を維持したまま、排気脈動の振幅値(≒標準偏差)が低下すれば、EGRガス導入時における吸気圧の脈度幅は低下する傾向にあると言える。逆に、排気圧の振幅を維持したまま、吸気圧が増加した場合には、同様の現象が発生する傾向にあると言える。
以上のことから、本実施形態では、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下で、且つEGR弁33が開弁している際において、所定期間における吸気圧の脈動幅に基づいて、EGR通路21を通じて、吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う。例えば、ECU50は、吸気圧の脈動幅が所定以下であるような場合に、当該逆流が発生していると判断する。一例としては、ECU50は、所定期間における吸気圧の平均値と当該吸気圧の最大値との差分値に基づいて、吸気圧の脈動幅を計測する。なお、吸気圧の最小値は最小箇所の特性が困難であるため、平均値を用いる。
ここで、上記したような吸気圧の脈動幅を直接計測して逆流を判定した場合、例えばノイズによる標準偏差増加などによって、誤判定が生じる可能性があると言える。したがって、本実施形態では、ECU50は、吸気圧の脈動幅を直接計測せずに、所定期間における吸気圧の平均値と吸気圧の標準偏差とによって規定された変動率を利用することで、吸気圧の脈動幅に対する判定を間接的に行うことによって、EGR通路21を通じて排気側に吸気が逆流しているか否かの判定を行う。具体的には、所定期間における吸気圧の平均値を「Ave.P」とし、所定期間における吸気圧の標準偏差を「Std.P」とすると、変動率ΔPは以下の式(1)で表される。
ΔP=Std.P/Ave.P 式(1)
式(1)における変動率ΔPは、所定期間における吸気圧力の相対標準偏差(変動係数)に相当する値である。なお、吸気圧の平均値及び標準偏差は、所定のクランク角若しくは所定の時間に計測された吸気圧より求められる。例えば、所定のクランク角として720(CA)を用いることができ、所定の時間として10(sec)を用いることができる。
更に、本実施形態では、ECU50は、式(1)より求められた変動率と、吸気が逆流していない際の吸気圧によって規定された変動率(予め適合によって求められた変動率であり、以下「基準変動率」と呼ぶ。)とを用いて、吸気の逆流の度合いを乖離率(%)によって定義する。この乖離率は、式(2)で表される。
乖離率=(基準変動率−現在の変動率)/基準変動率×100 式(2)
式(2)で示すように、乖離率が大きくなるほど、EGR通路21を通じて排気側に逆流する吸気の量が多くなる傾向ある、つまり排気側へ吹き抜ける吸気の量が多くなる傾向ある。ECU50は、このような乖離率に基づいて、空燃比を補正する制御(空燃比補正制御)及びEGR弁33に対する制御を行う。具体的には、乖離率に応じて燃料噴射量を減量する(例えば乖離率が大きくなるほど燃料噴射量を減量する)制御を行うことで、筒内の空燃比を目標空燃比に収束させる。こうするのは、排気側へ吸気が吹き抜けることで、エアフローメータ41で検出された吸気量に相当する吸気が全て筒内に流入しないことに起因する、エミッション悪化を抑制するためである。
更に、ECU50は、乖離率が所定値以上である場合に、EGR弁33の開度を縮小する制御を行う。例えば、ECU50は、乖離率が所定値未満となるように(若しくは変動率が所定値未満となるように)、EGR弁33の開度を縮小する制御を行う。こうするのは、EGR通路21を通じて排気側に逆流する吸気量を減少させることで、触媒8の溶損などによるエミッション悪化を抑制するためである。なお、EGR弁33の開度を縮小するか否かを決定するために乖離率に対して用いる所定値は、乖離率の誤差(ノイズ)を考慮して設定され、例えば、EGR弁33の開度を縮小する必要があるような乖離率に設定される。
ここで、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る制御方法について具体的に説明する。
図4は、本実施形態に係る制御を行った場合のタイムチャートの一例を示している。図4は、上から順に、制御実行フラグのオン/オフ、乖離率、EGR弁33の開度を示している。制御実行フラグは、吸気の逆流が発生するような条件が成立したか否かを示すフラグであり、吸気圧と排気圧との差圧が所定以下、且つEGR弁33が開弁しているといった条件が成立した際にオンとなる。例えば、制御実行フラグは、スロットルバルブ32の上流圧が所定値以上で、且つEGR制御実行中である場合に、オンになる。
この場合、時刻t1で制御実行フラグがオフからオンになる。その後、時刻t2で、乖離率が所定値B1以上となる。この際に、ECU50は、EGR弁33の開度を縮小する制御を行う。これにより、時刻t3において、乖離率が所定値B1未満となる。そのため、時刻t3で、ECU50は、EGR弁33の開度を縮小する制御を終了する。
図5は、乖離率に応じて燃料噴射量を減量する方法の一例を説明するための図である。図5は、横軸に乖離率(%)を示し、縦軸に燃料噴射量の増量係数を示している。なお、増量係数として「1」以下の値が用いられた場合には、燃料噴射量が減量されることとなる。
図5に示すように、「25(%)」未満の乖離率では当該乖離率に応じて増量係数が減少され、「25(%)」以上の乖離率では当該乖離率によらず増量係数は一定値(0.8)となる。ECU50は、このような乖離率と燃料噴射量の増量係数との関係に基づいて、式(1)及び式(2)より得られた乖離率に対応する増量係数を得る。そして、ECU50は、得られた増量係数に応じて燃料噴射量を補正(減量)する。例えば、増量係数を元の燃料噴射量に対して乗算して得た量を、補正後の燃料噴射量とする。
[制御処理]
次に、図6を参照して、本実施形態に係る制御処理について説明する。図6は、本実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU50によって、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU50は、スロットルバルブ32の上流圧(スロットル上流圧)が所定値以上であるか否かを判定する。ECU50は、吸気圧センサ43から得られた圧力に基づいて判定を行う。スロットルバルブ32の上流圧が所定値以上である場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、スロットルバルブ32の上流圧が所定値未満である場合(ステップS101;No)、処理は終了する。
ステップS102では、ECU50は、EGR制御実行中であるか否かを判定する。言い換えると、EGR弁33が開弁しているか否かを判定する。なお、ステップS101、S102の判定を行うことで、吸気の逆流が発生するような条件が成立しているか否かを判定している。EGR制御実行中である場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進み、EGR制御実行中でない場合(ステップS102;No)、処理は終了する。
ステップS103では、ECU50は、所定のクランク角間における吸気圧を取得する。具体的には、720(CA)間の吸気圧を計測する。ECU50は、吸気圧センサ44から吸気圧を取得する。そして、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ECU50は、ステップS103で取得された吸気圧から変動率を算出する。具体的には、720(CA)間における吸気圧の平均値(Ave.P)と当該吸気圧の標準偏差(Std.P)とを式(1)に代入することで、変動率を算出する。そして、処理はステップS105に進む。
ステップS105では、ECU50は、ステップS104で算出された変動率に基づいて、空燃比補正制御を実行する。具体的には、ECU50は、得られた変動率を式(2)に代入することで乖離率を算出し、当該乖離率に基づいて燃料噴射量を減量する制御を行う。例えば、ECU50は、図5に示したような予め定めた乖離率と増量係数との関係に従って、ステップS104で算出された変動率に対応する増量係数を得て、当該増量係数に基づいて燃料噴射量を減量する。これによって、筒内の空燃比を目標空燃比に収束させる。以上の処理が終了すると、処理はステップS106に進む。
ステップS106では、ECU50は、乖離率が所定値以上であるか否かを判定する。ここでは、EGR弁33の開度を縮小する必要があるか否かを判定している。なお、判定に用いる所定値は、乖離率の誤差(ノイズ)などを考慮して設定され、例えばEGR弁33の開度を縮小する必要があるような乖離率に設定される。一例としては、当該所定値は「20(%)」に設定される。
乖離率が所定値以上である場合(ステップS106;Yes)、処理はステップS107に進む。この場合、ECU50は、EGR弁33の開度を縮小する制御を行う(ステップS107)。例えば、ECU50は、乖離率が所定値未満となるように(若しくは変動率が所定値未満となるように)、EGR弁33の開度を設定して制御を行う。そして、処理は終了する。これに対して、乖離率が所定値未満である場合(ステップS106;No)、処理は終了する。
以上説明した制御処理によれば、吸気圧における変動率を用いることで、EGR通路21を通じた排気側への吸気の逆流による吹き抜けを適切に判断することができる。また、変動率(詳しくは乖離率)に基づいて空燃比補正を行うことで、当該逆流に起因するエミッション悪化を適切に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の構成を示す構成図である。 EGR装置の構成を示す概略図である。 本実施形態における逆流判定方法の基本概念を説明するための図である。 本実施形態に係る制御を行った場合のタイムチャートの一例を示す。 乖離率に応じて燃料噴射量を補正する方法の一例を説明するための図である。 本実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3 吸気通路
4 排気通路
5 ターボ過給機
8 触媒
10 気筒
20 EGR装置
21 EGR通路
32 スロットルバルブ
33 EGR弁
41 エアフローメータ
43、44 吸気圧センサ
50 ECU

Claims (5)

  1. ターボ過給機、及びEGR通路とEGR弁とを有するEGR装置を備えた内燃機関に適用される内燃機関の制御装置であって、
    吸気圧と排気圧との差圧が所定以下で、且つ前記EGR弁が開弁している際において、所定期間における前記吸気圧の脈動幅に基づいて、前記EGR通路を通じて吸気側から排気側への吸気の逆流が発生しているか否かの判定を行う逆流判定手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記逆流判定手段は、前記所定期間における前記吸気圧の平均値と当該吸気圧の標準偏差とによって規定された変動率を用いて、前記逆流が発生しているか否かの判定を行う請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された場合に、燃料噴射量を補正することで、筒内の空燃比の補正を行う空燃比補正手段を更に備える請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記空燃比補正手段は、前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された際に求められた前記変動率と、吸気が逆流していない際の吸気圧によって規定された基準変動率とを比較した結果に基づいて、前記空燃比に対する補正を行う請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記逆流判定手段によって前記逆流が発生していると判定された場合に、前記EGR弁の開度を縮小する制御を行うEGR弁制御手段を更に備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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