JP2010125696A - 粗面化樹脂被覆線材及び金網 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗面化樹脂被覆線材において、金属素線に対する複合樹脂被覆層の剥離強度を低下させることなく、その表面を十分に粗面化する。
【解決手段】本発明の粗面化樹脂被覆線材1は、金属素線2と金属素線2を被覆するように金属素線2上に押出成形された複合樹脂被覆層4とを備え、複合樹脂被覆層4はポリオレフィン系樹脂の母材5とポリオレフィン系樹脂の母材5中に分散された粗面化粒子6とを備えており、粗面化粒子6は架橋済みポリオレフィン系樹脂を粉砕して平均粒径0.1〜10μmに粒度調整されていることを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、粗面化樹脂被覆線材及びこの粗面化樹脂被覆線材を用いて形成された金網に関するものである。
ポリエチレンを初めとするポリオレフィン系樹脂は酸素不透過性に優れ、金属材料に被覆すれば耐食性を向上できるため、多種に亘る金属製品の被覆媒体に用いられる。特に、屋外での使用を前提とした被覆線材には、ポリエチレンを被覆した鉄線、鋼線あるいはアルミ線が用いられることが多い。屋外での使用には、例えば護岸工事に岩石をまとめ上げる籠形網(蛇篭、ふとん篭等と呼ばれるもの)、公園の遊具、土地区画の境界線などに敷設されるフェンスネットが挙げられる。これらの用途に使用される被覆線材は、裸鉄線などの金属素線の表面にポリオレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂を被覆したものであり、金属素線を繰り出しながら素線上に熱可塑性樹脂を連続押出することで形成されている。
しかし、押出加工で形成される熱可塑性樹脂の樹脂層は平滑な加工面を備えており、籠形網や店舗入り口の足踏みマット用網材のように人間が踏む可能性がある用途にこの被覆線材を用いると人が滑って転倒する可能性がある。
例えば、被覆線材の滑り止めに、サンドブラストのような物理的粗面化を別途行ったり、炭酸カルシウムのような充てん材を添加したりすることもできる。しかし、前者は加工コストの高騰の原因となり、好ましいとはいえない。また、後者は、互いに相溶性を殆ど持たない樹脂と充てん材とを混ぜ合わせるため、被覆層の強度低下や耐食保護性の低下を招く恐れが高く、人間が踏む可能性がある用途には不向きである。
そこで、特許文献1では、ポリオレフィン系樹脂の母材中に、サーモトロピック液晶ポリマーがブロック状に晶出させて複合樹脂被覆層を形成し、この複合樹脂被覆層を金属素線上に押出加工して表面が粗面化された粗面化樹脂被覆線材を得ている。この方法であれば、複合樹脂被覆層を構成する母材と晶出粒子(粗面化粒子)とが押出温度では可塑状態となっており、互いに相溶状態となっているので容易に押出加工で被覆できる。さらに、ポリオレフィン系樹脂とサーモトロピック液晶ポリマーとは炭酸カルシウムのような充てん材に比べれば互いに馴染みやすいので、晶出粒子と母材との界面から発生する剥離を抑制することもできる。
特開2007−137020号公報
ところで、特許文献1の被覆線材では、押出後の冷却中にサーモトロピック液晶ポリマーが母材中で相変化(晶出)し、相変化によって体積が大きくなった晶出体が母材表面から凸状に隆起して滑り止め効果を発揮させている。
ところが、サーモトロピック液晶ポリマーの晶出を用いて粗面化を行う特許文献1の被覆線材では、例えば籠形網や店舗入り口の足踏みマット用網材のように人間が踏む可能性がある用途においては滑り止め効果が十分ではなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みて試されたものであって、その目的は、表面を十分に粗面化して高い滑り止め効果を発揮することが可能な粗面化樹脂被覆線材及びこの粗面化樹脂被覆線材を用いて形成された金網を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明の粗面化樹脂被覆線材は、金属素線と、当該金属素線を被覆するように金属素線上に押出成形された複合樹脂被覆層とを備えた粗面化樹脂被覆線材であって、
前記複合樹脂被覆層は、ポリオレフィン系樹脂の母材と、当該ポリオレフィン系樹脂の母材中に分散された粗面化粒子とを備えており、前記粗面化粒子は、架橋済みポリオレフィン系樹脂を粉砕して平均粒径0.1〜0.8mmに粒度調整されていることを特徴とするものである。
発明者は、母材のポリオレフィン系樹脂とうまく混じり合う樹脂、例えば母材と同じポリオレフィン系樹脂であって、押出前後で相変化を起こさないような樹脂を粗面化粒子に用いることはできないかと考えた。そして、粗面化粒子として架橋済みポリオレフィン系樹脂を用いれば、複合樹脂被覆層の表面を十分に粗面化できることを見出して、本発明を完成させたのである。
なお、前記母材が高密度ポリエチレンである場合は、前記粗面化粒子は架橋済みの低密度ポリエチレンを粉砕してなるものが好ましい。
また、前記複合樹脂被覆層には、前記粗面化粒子が前記母材100重量部に対して10.0〜30.0重量部含有されているのが好ましい。
さらに、前記金属素線が亜鉛めっき鉄線である場合は、前記複合樹脂被覆層には、前記金属素線への密着性を向上させる無水マレイン酸が前記母材100重量部に対して5.0〜15.0重量部含有されているのが好ましい。
なお、上述のような粗面化樹脂被覆線材を用いて形成された金網は、金属素線に対する複合樹脂被覆層の剥離強度を低下させることなく、複合樹脂被覆層の表面を十分に粗面化して高い滑り止め効果を発揮する
本発明により、複合樹脂被覆層の表面を十分に粗面化して高い滑り止め効果を発揮することが可能になる。
本発明の粗面化樹脂被覆線材1は、主に屋外で使用されるものであって滑り止めが望まれる線材あるいは線材より構成される金網(網材)の用途に使用され、これらの用途であれば特にその用途を限定されるものではないが、好ましくは護岸保護用籠、道路法面、落石防止用網、消波ブロック用敷網、防球ネット、店舗入り口等に設置されるマット(泥落とし網を備えたもの)、凍結路や雪道における滑り止めネット(例えばタイヤ用チェーンなど)、フェンス等の土木・建築構造物に編み加工されてなる籠材あるいは網材等として用いられるものである。特に、本発明の粗面化樹脂被覆線材1は、その粗面を活かした滑り止め効果により道路法面や護岸保護用籠(蛇篭、ふとん篭等)により好ましくは用いられる。
図1に示すように、粗面化樹脂被覆線材1は、金属素線2と、この金属素線2上に塗布等されるバインダ3と、このバインダ3を介して金属素線2上に形成される複合樹脂被覆層4とで構成されている。これらの金属素線2とバインダ3と複合樹脂被覆層4とは、粗面化樹脂被覆線材1の軸心を中心として内側から金属素線2、その外側にバインダ3、更に外側に複合樹脂被覆層4の順番に多層構造を構成している。
金属素線2は、鋼(鉄)、アルミ、ニッケル、クロム、亜鉛などの金属、またはこれらの金属の合金より線状、管状又は棒状に形成されており、特に鉄線、アルミ線や鋼線が好適に用いられる。また、これらの金属には金属素線2の耐食性や耐光性等を高めるために亜鉛、アルミ、ニッケル、クロム、マグネシウムのめっき又はこれらの合金のめっき等の湿式造膜処理、PVDや亜鉛溶射等の乾式造膜処理、アルマイトなどの陽極酸化、クロメートやリン酸処理などの化成処理等の既知の下地処理を適宜行っても良い。なお、金属素線2としては、亜鉛−アルミの合金めっき又は亜鉛めっきを施した鋼線または鉄線を用いるのが好ましい。本実施形態においては、金属素線2として亜鉛めっき鉄線(JIS G 3537に規定されるもの)を用いている。
金属素線2の線径は、金属素線2を構成する材料によって変化するが、亜鉛めっき鉄線の場合であれば線径2.6〜9.0mm、好ましくは線径3.2〜6.0mmのものを用いるのが良い。金属素線2を線径2.6〜9.0mm、好ましくは線径3.2〜6.0mmとすることで、金網などに加工した際にも十分な強度を発揮することができる。
バインダ3は、金属素線2に対する複合樹脂被覆層4の密着性を良くするために金属素線2上に塗布等されるものであって、金属素線2の種類や表面処理状態に影響を受けるため一概にその種類を定めることはできないが、金属素線2の種類や表面処理状態に合わせて公知の接着剤(疑似接着材、即ち粘着剤を含む広い意味で用いる。以下同じ。)から最適なものを選択するのが良い。例えば、本実施形態の場合は押出成形性に優れる点に鑑みて、バインダ3にオレフィン系接着剤、特にアイオノマ系接着剤が用いられる。
オレフィン系接着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等をベース樹脂として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等及びこれら酸の無水物の1種若しくは2種以上のカルボン酸を付加した変性ポリオレフィン系接着剤、より好ましくは金属素線2と複合樹脂被覆層4との接着強度を変性ポリオレフィン系接着剤の中でも最も強くできるエチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマ系接着剤を用いるのがよい。
図2に示すように、本発明の粗面化樹脂被覆線材1は、金属素線2の上に複合樹脂被覆層4が被覆されていることを特徴としており、この複合樹脂被覆層4はポリオレフィン系樹脂の母材5とポリオレフィン系樹脂の母材5中に分散された粗面化粒子6とを備えている。複合樹脂被覆層4は、ポリオレフィン系樹脂の母材5の中に、粗面化粒子6が互いに距離をあけて複数分散されたものであり、金属素線2への密着性を向上させる無水マレイン酸などの添加剤が添加されている。
母材5は複合樹脂被覆層4を主に構成する樹脂であり、ポリオレフィン系樹脂で構成されている。ポリオレフィン系樹脂には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、又はリサイクルポリエチレン等が含まれる。この中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、又は直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、特に好ましくは高密度ポリエチレンを母材5に用いるのが好ましい。
母材5をこれらのポリオレフィン系樹脂で構成することで、架橋済みのポリオレフィン系樹脂を粉砕してなる粗面化粒子6と母材5との分子構造が近くなり、粗面化粒子6と母材5との界面から剥離が発生しにくくなる。その結果、粗面化粒子6と母材5との界面が起点となって発生する複合樹脂被覆層4の剥離を抑制することが可能となり、金属素線2に対する複合樹脂被覆層4の剥離強度の低下を防止することができる。
なお、粗面化粒子6として、架橋済みの低密度ポリエチレンを粉砕したものを用いる場合には、母材5を粗面化粒子6と同じ種類のポリエチレン系樹脂、特に好ましくは高密度ポリエチレンとするのが良い。このようにすれば、耐食性や耐候性に優れた粗面化樹脂被覆線材1を得ることができるからである。
粗面化粒子6は、架橋済みポリオレフィン系樹脂、本実施形態の場合には架橋済みの低密度ポリエチレン樹脂を粉砕したものである。架橋済みのポリエチレン樹脂は、電線やケーブルの被覆材として用いられており、一般的なポリエチレン樹脂が可塑化によりリサイクル可能であるのに対して可塑化が困難であるため、大半が産業廃棄物として埋め立て処理されている。そこで、本発明の粗面化樹脂被覆線材1では、架橋済みのポリエチレン樹脂を粗面化粒子6に用いて、リサイクルが困難とされてきた架橋済みのポリエチレン樹脂の有効な利用を図っている。
粗面化粒子6に用いられる架橋済みのポリエチレン樹脂の架橋方法には、パーオキサイドなどの架橋剤を用いる過酸化物架橋方法、ビニルシランなどの架橋剤を用いるシラン架橋方法、電子線を用いて架橋を行う電子線架橋方法などが知られているが、本発明の架橋済みポリオレフィン系樹脂にはこれらのいずれの架橋方法によるポリエチレン樹脂を用いても良い。
粗面化粒子6は、平均粒径が0.1〜0.8mmに、例えば16メッシュ(メッシュ開口が1.3mm)、26メッシュ(メッシュ開口が0.77〜0.80mm)、36メッシュ(メッシュ開口が0.48〜0.50mm)、50メッシュ(メッシュ開口が0.29mm)のいずれかに全体の70重量%以上の粒子がトラップされる粒径に粒度調整されており、このように粒度調整された粒子が母材100重量部に対して10.0〜30.0重量部、好ましくは15.0〜20.0重量部で含有されている。粗面化粒子6の平均粒径を上述のように粒度調整することで粗面化樹脂被覆線材1の表面粗さを十分な滑り止め効果を発揮できる粗さにすることができる。また、粗面化粒子6の平均粒径を上述のように粒度調整することで複合樹脂被覆層4から粗面化粒子6が剥離し難くなり、剥離強度の低下を抑制して粗面化樹脂被覆線材1の耐食性や耐候性が低下することを防ぐことができる。
なお、粗面化粒子6の粒径が大きすぎたり、配合量が大きすぎると、金属素線2に対する密着性が十分に得られない場合がある。この場合は、密着性向上剤を複合樹脂組成物に添加するのが好ましい。
密着性向上剤は、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、オキサゾリン系化合物、エポキシ誘導体などが挙げられるが、これらの中でも複合樹脂組成物と金属素線2との密着性向上効果の高い無水マレイン酸を用いるのがよい。また、密着性向上剤は用いるものによって添加量が異なるが、無水マレイン酸の場合においては母材100重量部に対して、5.0〜15.0重量部添加されるのが良い。無水マレイン酸の添加量を、5.0重量部以上とすることで、複合樹脂被覆層4と金属素線2との密着性をさらに向上させることができ、人間に踏まれても剥離しない密着性を得ることができる。また、15.0重量部以下とすることで、複合樹脂被覆層4の機械的強度を低下させないように、密着性の向上効果を発揮させることができるようになる。
複合樹脂被覆層4には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体等)、染料および顔料を含む着色剤、難燃剤、強化剤等の通常用いられる添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加してそれぞれの特性を付与することができる。
上述のような粗面化樹脂被覆線材1を65〜150網目の菱形、亀甲形、平編み形などに編み込むことで、籠形網や店舗入り口の足踏みマット用網材のように人間が踏んでも滑って転倒する可能性がない金網を得ることができる。
次に、本発明の粗面化樹脂被覆線材1の製造方法を説明する。
まず、複合樹脂被覆層4に配合される粗面化粒子6は、電線やケーブルに用いられていた架橋済みの低密度ポリエチレンを皮剥加工やナゲット処理した廃材から得られる。これらの廃材は、例えばナゲット処理したもののように金属を含む場合は、ポリエチレンの廃材だけが必要に応じて選別される。その後、低密度ポリエチレンの廃材は、洗浄により異物を除去して、ボールミルなどの粉砕手段により粉砕加工が行われる。粉砕加工後の架橋済みの低密度ポリエチレンに対しては、メッシュなどを用いたふるい分け(分級工程)が行われ粒度調整された粗面化粒子6が得られる。
このようにして得られた粗面化粒子6を、母材5である高密度ポリエチレン樹脂のペレットに混合し、さらに上述した密着性向上剤、染料および顔料などを添加したものを押出機のフィーダー部に原料として供給する。そして、バレル温度200〜270℃程度に加熱された押出機内で原料を溶融混練する。
次に、バインダ3がフィーダー部に原料として供給された別の押出機を用いて、まず金属素線2上にバインダ3を押出加工により被覆する。そして、溶融混練された上述の原料をバインダ3が塗布された金属素線2上に押出加工する。このように金属素線2上にバインダ3と複合樹脂被覆層4とを共押出することで、金属素線2上にバインダ3を介して複合樹脂被覆層4が被覆された粗面化樹脂被覆線材1が製造される。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例は、金属素線2として線径の異なる素線A(直径3.2mm、亜鉛めっき鉄線)及び素線B(直径4.0mm、亜鉛めっき鉄線)上に複合樹脂被覆層4を被覆したものである。これらの素線A及び素線Bには、バインダ3としてアイオノマ系接着剤が被覆厚さ15μmtで押出加工により予め被覆されている。
これらの素線A及び素線Bの上に、同方向完全噛合い型の二軸反応押出機を用いて、素線Aについては被覆厚さ0.4mmt、また素線Bについては被覆厚さ0.5mmtとなるように複合樹脂被覆層4を押出加工した。
また、複合樹脂被覆層4は、高密度ポリエチレンを母材5として、この母材100重量部に対して粗面化粒子6を10重量部、密着性向上剤として無水マレイン酸を10重量部、顔料を5重量部を配合したものである。なお、素線Aについては16メッシュ、26メッシュ、36メッシュ、50メッシュのいずれかに全体の90重量%程度の粒子がトラップされる粒径(平均粒径0.8mm)に粒度調整された粗面化粒子6を、また素線Bについては16メッシュ、26メッシュ、36メッシュ、50メッシュのいずれかに全体の70重量%程度の粒子がトラップされる粒径(平均粒径0.1mm)に粒度調整された粗面化粒子6を用いている。このようにして配合された原料を押出機のフィーダー部に供給し、バレル内で温度200〜270℃、スクリュ回転数60rpm、混練時間5分間に亘って溶融混練し、素線A及び素線Bの上に押出加工する。
次に、上述のようにして得られた粗面化樹脂被覆線材1を用いて金網を作成する。金網は上述のように65〜150網目の菱形金網、亀甲金網、または平編み金網にするのが好ましいが、本実施例では65mm目の金網(菱形金網)を作成している。素線Aの粗面化樹脂被覆線材1から得られた金網を試料A(JIS G3543に規定される40−32番のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線で形成された菱形金網に相当する)とし、また素線Bの粗面化樹脂被覆線材1から得られた金網を試料B(JIS G3543に規定される50−40番のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線で形成された菱形金網に相当する)とする。
次に、試料A及び試料Bを面的摩擦試験方法(財団法人土木研究センターの「鉄線籠型護岸蓋網部の線材に関する面的摩擦試験」に規定される試験方法)に従って品質評価した。比較例1として40−32番の従来のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線で形成された菱形金網(試料A)、及び比較例2として50−40番の従来のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線で形成された菱形金網(試料B)も、同様な評価方法で品質評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010125696
表1における実施例1の引張強度の結果を見ると、同じ試料Aを用いた比較例1では滑り片を引張強度158〜163Nで引っ張れば滑り片が動くのに対して実施例1では滑り片を引張強度200〜223Nと比較例1より大きな引っ張り力で引っ張らなければ滑り片は動かない。このことから、複合樹脂被覆層4を被覆した粗面化樹脂被覆線材1の方が従来のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線より滑り片が滑りにくいことがわかる。
また、同実施例1の摩擦係数を見ると、比較例1では摩擦係数が0.54〜0.55であるのに対して摩擦係数が0.67〜0.74と大きくなっており、複合樹脂被覆層4を被覆した粗面化樹脂被覆線材1の方が従来のポリエチレン被覆亜鉛めっき鉄線より滑りにくくなっていることがわかる。
さらに、これらの傾向は、素線の線径及び複合樹脂被覆層4の被覆厚さが実施例1より大きくなるように形成された実施例2でも成り立っている。即ち、比較例2では引張強度が153〜171Nであるのに対して実施例2の引張強度は198〜214Nと大きく、比較例2では摩擦係数が0.52〜0.58であるのに対して実施例2の摩擦係数は0.67〜0.72と大きくなっている。
これらのことから、本発明の粗面化樹脂被覆線材1では、複合樹脂被覆層4の表面が十分に粗面化されていると判断される。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記実施形態では、ポリオレフィン系樹脂の母材として高密度ポリエチレンを用い、粗面化粒子に架橋済みの低密度ポリエチレンを用いたものを例示した。しかし、母材と粗面化粒子とは双方ともポリオレフィン系樹脂であればポリエチレン以外のものを用いても良い。例えば母材にポリプロピレン樹脂やアイオノマ樹脂を用いたり、粗面化粒子に架橋済みのポリプロピレン樹脂やアイオノマ樹脂を用いることもできる。また、母材または粗面化粒子のいずれかにポリプロピレン樹脂やアイオノマ樹脂(粗面化粒子の場合は架橋済みでなくてはならないが)を用いても良い。
上記実施形態では、金属素線2上に共押出によりバインダ3と複合樹脂被覆層4とを被覆したものを例示した。しかし、バインダ3や複合樹脂被覆層4の被覆手段は共押出加工のみに限定されない。例えば、バインダ3又は複合樹脂被覆層4の少なくともいずれか一方をコータやスプレーを用いて被覆することもできる。
上記実施形態では、金属素線2に亜鉛めっき鉄線を用いたものを例示した。しかし、金属素線2には、例えばアルミ線、鋼線、又はステンレス線を用いることもできる。また、金属素線2には、めっき層を純粋に亜鉛のみで形成した亜鉛めっきだけでなく、亜鉛−アルミニウム合金のように亜鉛の合金めっき、ニッケルやクロムのような亜鉛以外の金属を用いためっき、あるいはクロメートのようなめっき以外の表面処理が行われたものを用いても良い。
粗面化樹脂被覆線材1の外観を示す斜視図である。 図1のA部の断面構造を示す断面図である。
符号の説明
1 粗面化樹脂被覆線材
2 金属素線
3 バインダ
4 複合樹脂被覆層
5 母材
6 粗面化粒子

Claims (5)

  1. 金属素線と、当該金属素線を被覆するように金属素線上に押出成形された複合樹脂被覆層とを備えた粗面化樹脂被覆線材であって、
    前記複合樹脂被覆層は、ポリオレフィン系樹脂の母材と、当該ポリオレフィン系樹脂の母材中に分散された粗面化粒子とを備えており、
    前記粗面化粒子は、架橋済みポリオレフィン系樹脂を粉砕して平均粒径0.1〜0.8mmに粒度調整されていることを特徴とする粗面化樹脂被覆線材。
  2. 前記母材は高密度ポリエチレンであり、
    前記粗面化粒子は、架橋済みの低密度ポリエチレンを粉砕してなることを特徴とする請求項1に記載の粗面化樹脂被覆線材。
  3. 前記複合樹脂被覆層には、前記粗面化粒子が母材100重量部に対して10.0〜30.0重量部含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粗面化樹脂被覆線材。
  4. 前記金属素線は、亜鉛めっき鉄線であり、
    前記複合樹脂被覆層には、前記金属素線への密着性を向上させる無水マレイン酸が前記母材100重量部に対して5.0〜15.0重量部含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粗面化樹脂被覆線材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の粗面化樹脂被覆線材を用いて形成された金網。
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