JP2010125621A - 染料受容層用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性が良好で、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性、耐熱保存性、および走行性に優れた被熱転写シートの染料受容層を形成できる染料受容層用樹脂組成物の実現。
【解決手段】被熱転写シートの染料受容層用樹脂組成物であって、染料受容層用樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなり、上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体との混合物を共重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃の樹脂(A)と、シリコーン化合物を含み、下塗り層塗料は、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)(ただし、シリコーン化合物を含まない)を含むことを特徴とする染料受容層用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、染料受容層用樹脂組成物に関する。
ビデオ装置等に入力された画像情報などを印画紙等の被熱転写シート上に現像する方法としては、昇華性染料や熱溶融染料を用いる熱転写法が知られている。
熱転写法では、昇華性染料や熱溶融染料を有する染料層が形成された熱転写シート(インクリボンなど)と、染料を受容する染料受容層が形成された被熱転写シート(例えば印画紙など)とを、染料層と染料受容層とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等により画像信号に応じて点状に熱を印加することで、染料層の染料が昇華または溶融して被熱転写シートの染料受容層に移行し、該染料受容層に画像が形成される。
被熱転写シートは、基材と、該基材上に形成された染料受容層とを備える。染料受容層は、熱転写シートから移行する染料の画像を受容し、この受容により形成された画像を維持する層である。
染料受容層は、通常、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などから形成される。また、染料受容層に、形成された画像の耐熱保存性の向上を目的としてポリイソシアネートなどを添加したり、染料の転写感度や画像の耐光保存性の向上を目的として可塑剤を添加したり、熱転写シートの染料層に対する剥離性(走行性)の向上を目的としてシリコーンオイルなどを添加したりする場合もある。なお、耐熱保存性および耐光保存性とは、画像が転写された被熱転写シートに、熱が加わったり光が照射されたりしても画像が劣化しにくく、所定の画像濃度や色合等を維持できる性能のことである。
このように、被熱転写シートは耐熱保存性、耐光保存性、走行性の向上を求められる場合が多い。これらに加え、被熱転写シートには、高印画濃度が求められている。
しかし、高印画濃度や耐光保存性を向上させると、耐熱保存性や走行性が低下しやすく、これとは逆に耐熱保存性や走行性を向上させると、高印画濃度や耐光保存性が低下しやすく、全ての要求を満たすことが困難であった。
そこで、これらの要求を満たした被熱転写シートとして、例えば特許文献1には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、1種以上のポリエステルとのグラフト重合体を含有する染料受容層を備えた被熱転写シートが開示されている。
国際公開第2006/057192号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の被熱転写シートでは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとポリエステルとのグラフト重合体がゲル化しやすく、必ずしも染料受容層を形成する樹脂の生産性を満足するものではなかった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、生産性が良好で、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性、耐熱保存性、および走行性に優れた被熱転写シートの染料受容層を形成できる染料受容層用樹脂組成物の実現を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、染料受容層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)が低くなるほど、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性が向上する傾向にある一方、耐熱保存性や走行性が低下する傾向にあり、さらにこのような傾向はTgを高くするほど、逆転することを見出した。そこで、染料受容層用樹脂組成物をTgの高い樹脂を含む塗料と、Tgの低い樹脂を含む塗料とから構成することで、被熱転写シートに要求される性能、すなわち高印画濃度の維持、並びに耐光保存性、耐熱保存性、および走行性の向上を満足できる染料受容層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の染料受容層用樹脂組成物は、被熱転写シートの染料受容層用樹脂組成物であって、前記染料受容層用樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなり、前記上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体との混合物を共重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃の樹脂(A)と、シリコーン化合物を含み、前記下塗り層塗料は、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)(ただし、シリコーン化合物を含まない)を含むことを特徴とする。
また、本発明の染料受容層用樹脂組成物は、被熱転写シートの染料受容層用樹脂組成物であって、前記染料受容層用樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなり、前記上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、反応性シリコーンとの混合物を共重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃の樹脂(C)を含み、前記下塗り層塗料は、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)(ただし、シリコーン化合物を含まない)を含むことを特徴とする。
さらに、前記上塗り層塗料は、前記芳香族環を有する単量体と、前記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、前記シリコーン化合物の合計100質量%中、芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることが好ましい。
また、前記上塗り層塗料は、前記芳香族環を有する単量体と、前記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、前記シリコーン化合物の合計100質量%中、シリコーン化合物を0.1〜5質量%用いてなることが好ましい。
さらに、前記上塗り層塗料は、前記混合物100質量%中、前記芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることが好ましい。
また、前記上塗り層塗料は、前記前記混合物100質量%中、前記反応性シリコーンを0.1〜5質量%用いてなることが好ましい。
さらに、前記芳香族環を有する単量体が、スチレン単量体であることが好ましい。
本発明によれば、生産性が良好で、高印画濃度を維持でき、かつ、耐光保存性、耐熱保存性、および走行性に優れた被熱転写シートの染料受容層を形成できる染料受容層用樹脂組成物が得られる。
[第一の実施形態]
本発明の染料受容層用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合がある。)の第一の実施形態について説明する。
本発明の樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなる。
なお、染料受容層は、インクリボンなどの熱転写シートに形成された染料層が選択的に転写され、転写された染料の画像を受容し、この受容により形成された画像を維持する層である。上塗り層塗料より得られる上塗り層は、その表面に前記画像が形成される層である。一方、下塗り層塗料より得られる下塗り層は、上塗り層の画像が形成される面とは反対側の面に設けられる層である。
<上塗り層塗料>
上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体との混合物を共重合してなる樹脂(A)と、シリコーン化合物を含む。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの両方を示すものとする。
芳香族環を有する単量体としては、スチレン単量体、ビニルトルエン単量体、p−tert−ブチルスチレン単量体、ビニル安息香酸単量体、α−メチルスチレン単量体、p−クロロスチレン単量体、ビニルナフタレン単量体、ベンジル(メタ)アクリレート単量体、フェノキシエチル(メタ)アクリレート単量体などが挙げられる。中でも、安価であり、製造コストを軽減できる観点からスチレン単量体が好ましい。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。
このようなアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート単量体、エチル(メタ)アクリレート単量体、ブチル(メタ)アクリレート単量体、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート単量体、ラウリル(メタ)アクリレート単量体、ステアリル(メタ)アクリレート単量体などが挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば末端がアルキル基または水酸基であるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単量体、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単量体、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単量体、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単量体、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート単量体、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート単量体、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート単量体、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート単量体などが挙げられる。中でも、末端がアルキル基または水酸基であるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、具体的にはメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート等が挙げられる。
また、このようなポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、市販のものを用いてもよく、例えば日本油脂社製の「PME−100」、「PME−200」、「PE−350」、「PME−400」、「PME−550」、「PLE−200」、「PSE−200」、「PSE−400」、「ALE−200」、「AME−400」、「AEE−100」、「PP−500」、「PP−800」、「AP−150」、「AP−400」などが挙げられる。
樹脂(A)は、上述した単量体の混合物を共重合することで得られる。共重合の方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などが挙げられる。
このようにして得られる樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃である。Tgが0℃以上であれば、得られる染料受容層を備えた被熱転写シートを熱転写シートに重ねて画像を転写する際に、熱転写シートが融着するのを抑制できる。一方、Tgが50℃以下であれば、高印画濃度および耐光保存性を維持できる。樹脂(A)のTgは、20〜40℃が好ましい。
上述したように、本発明者らは、染料受容層を構成する樹脂のTgが低くなるほど、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性が向上する傾向にあることを見出した。これは、Tgが低くなると、樹脂の運動性が高まり、染料の拡散が容易となるので印画濃度が高くなるものと考えられる。
本発明の樹脂組成物は、Tgが0〜50℃の樹脂(A)を含む上塗り層塗料を有するので、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性に優れた染料受容層を形成できる。
シリコーン化合物は、得られる染料受容層に剥離性を付与する目的で上塗り層塗料に含有される。
シリコーン化合物は、反応性シリコーンと、非反応性シリコーンに大別できる。なお、「反応性シリコーン」とは、「分子内に二重結合やメルカプト基を有し、ラジカル反応が可能なシリコーン」、または「水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基等の官能基を有し、例えばイソシアネート基含有(メタ)アクリレート単量体、若しくは共重合体との付加反応が可能なシリコーン」のことである。
反応性シリコーンとしては、例えばメルカプト変性ポリオルガノシロキサン、メタクリロイル変性ポリオルガノシロキサン、アミノ変性ポリオルガノシロキサン、エポキシ変性ポリオルガノシロキサン、アルコール変性ポリオルガノシロキサン、カルボキシ変性オルガノシロキサンなどが挙げられる。
また、このような反応性シリコーンとしては、市販のものを用いてもよく、例えば信越シリコーン社製の「X22−167B」、「X22−164」、「X22−162C」、「KF−868」、「KF−105」、「KF−2004」、「KF−6001」;チッソ社製の「FM0725」、「FM−0425」、「FM−7725」、「FM−3325」などが挙げられる。
非反応性シリコーンとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、このような非反応性シリコーンとしては、市販のものを用いてもよく、例えば信越シリコーン社製の「KF−96−100CS」、「KF−965」、「KF−54」;東レ・ダウコーニング社製の「SH−200」、「SH−203」、「FZ−7001」、「FS−1265−300CS」などが挙げられる。
従来、染料受容層の剥離性が悪いと、熱転写シートから被熱転写シートが円滑に剥がれにくく(すなわち、走行性に劣る。)、剥がれる際に印画音と呼ばれる音がして、不愉快に感じる場合があった。なお、印画音の有無は走行性の指標となる。
しかし、本発明の樹脂組成物であれば、シリコーン化合物を構成成分として用いるので、剥離性が付与される。従って、画像の転写の際に印画音が聞こえにくい。
上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、シリコーン化合物の合計100質量%中、芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、50〜80質量%である。また、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を10〜69.9質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、19〜49.9質量%である。また、シリコーン化合物を0.1〜5質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、0.1〜1質量%である。
芳香族環を有する単量体の含有量が30質量%以上であれば、印画濃度を高めることができる。ただし、含有量が必要以上に多くなると、耐光保存性を維持しにくくなる。従って、含有量の上限は85質量%以下が好ましい。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量が10質量%以上であれば、耐光保存性を維持できる。一方、含有量が69.9質量%以下であれば、高印画濃度を維持できる。
シリコーン化合物の含有量が0.1質量%以上であれば、得られる染料受容層に剥離性を付与できる。従って、熱転写シートの染料層と被熱転写シートの染料受容層とが対向するように重ねて画像を転写した後、被熱転写シートが熱転写シートから円滑に剥がれるので、被熱転写シートの走行性を維持できる。含有量が5質量%以下であれば、はじきが抑制され、染料を転写して画像を形成した後に、画像の保護を目的として必要に応じて染料受容層上にオーバーコート層などの保護層を設ける場合、該保護層の付着性を維持できる。
上塗り層塗料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては、例えばレベリング剤、消泡剤、可塑剤などが挙げられる。
添加剤を含有させる場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
上塗り層塗料は、上述した樹脂(A)およびシリコーン化合物と、必要に応じて各添加剤を溶媒に溶解することで調製できる。
溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、水などが挙げられる。
上塗り層塗料より形成される上塗り層の厚さは、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。厚さが0.5μm以上であれば、高印画濃度および耐光保存性を維持できる。一方、厚さが10μm以下であれば、走行性および耐熱保存性の低下を抑制できる。
なお、上塗り層塗料の塗布方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバース法などが挙げられる。
ところで、染料受容層は、構成する樹脂のTgが低くなるほど、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性を向上できるが、その一方で耐熱保存性や走行性が低下する傾向にある。これはTgが低くなると、耐熱性が低下し、熱転写シートとの熱融着が起こりやすくなることによるものと考えられる。このような傾向は樹脂のTgが高くなるほど逆転する。
なお、走行性は、上述したように、上塗り層塗料にシリコーン化合物を含有させることで、ある程度向上できる。
従って、上塗り層塗料は高印画濃度を維持し、かつ耐光保存性および走行性を向上させる効果を発揮できるものの、特に耐熱保存性を低下させる傾向にある。
そこで、本発明者らは、以下に示す下塗り層塗料を樹脂組成物の構成成分にすることで、耐熱保存性を補いつつ、走行性をより向上させることを見出した。
(下塗り層塗料)
下塗り層塗料は、Tgが60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)を含む。Tgが60℃以上であれば、上述した上塗り層塗料より形成される上塗り層の表面に転写される染料が、下塗り層塗料より形成される下塗り層まで拡散し、その拡散された染料が熱的環境で上塗り層へ再拡散して、画像がにじむのを抑制できるため、耐熱保存性を向上できる。一方、Tgが120℃以下であれば、下塗り層が過剰に硬くなるのを抑制できるので、クラックの発生等を防止でき、外観を良好に維持できる。熱可塑性樹脂(B)のTgは、65〜100℃が好ましい。
本発明においては、熱可塑性樹脂(B)として、シリコーン化合物を用いないことを特徴とする。下塗り層塗料にシリコーンが含まれると、下塗り層を形成する際には特に問題はないが、下塗り層上に上塗り層塗料を塗布する際に、上塗り層塗料を弾きやすく、均一な上塗り層を形成することが困難となり、外観不良を引き起こす。
このような熱可塑性樹脂(B)としては、Tgが上記範囲内であり、シリコーン化合物を含まず、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、水等の溶媒に溶解するものであれば特に制限されないが、例えばアクリル樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独または共重合したものが例示できる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。また、これらのアクリルモノマーと共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。共重合可能なモノマーとしては、スチレン、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
単独または共重合の方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などが挙げられる。
また、上述した樹脂以外にも、熱可塑性樹脂(B)として、例えばポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。
上述したように、本発明者らは、染料受容層を構成する樹脂のTgが高くなるほど、耐熱保存性および走行性が向上する傾向にあることを見出した。これは、染料の熱拡散および熱転写シートの熱融着が抑制されることによるものと考えられる。
本発明の樹脂組成物は、Tgが60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)を含む下塗り層塗料を構成成分とするので、耐光熱存性および走行性に優れる。なお、走行性は、上塗り層塗料にシリコーン化合物を含有させることである程度向上できるので、上述した下塗り層塗料を構成成分とすることで走行性がより向上する。
下塗り層塗料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては、例えばレベリング剤、消泡剤、可塑剤などが挙げられる。
添加剤を含有させる場合、その含有量は、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
下塗り層塗料は、上述した熱可塑性樹脂(B)と、必要に応じて各添加剤を溶媒に溶解することで調製できる。
溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、水などが挙げられる。
下塗り層塗料より形成される下塗り層の厚さは、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。厚さが0.5μm以上であれば、耐熱保存性および走行性を維持できる。一方、厚さが10μm以下であれば、塗膜のクラックの発生を抑制できる。
なお、下塗り層塗料の塗布方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバース法などが挙げられる。
なお、本発明で用いる樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)のTgは、JIS K7121に準拠して測定される。具体的には、まず測定する試料を、示差走査熱量計(島津製作所社製、「DSC−60A」)を用い、予測される試料のTg(予測温度)より約50℃高い温度で10分加熱した後、予測温度より50℃低い温度まで冷却して前処理する。その後、窒素雰囲気下において、昇温速度10℃/分にて昇温して吸熱開始温度を測定し、これをTgとする。
以上説明した、本発明の樹脂組成物は、特定の樹脂(A)およびシリコーン化合物を含む上塗り層塗料と、特定の熱可塑性樹脂(B)を含む下塗り層塗料からなる。染料受容層を構成する樹脂のTgが低くなるほど、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性が向上する傾向にある一方、耐熱保存性や走行性が低下する傾向にあり、さらにこのような傾向はTgを高くするほど逆転する。
本発明の樹脂組成物より得られる染料受容層は、Tgの低い樹脂(A)およびシリコーン化合物を含む上塗り層塗料から形成される上塗り層と、Tgの高い熱可塑性樹脂(B)を含む下塗り層塗料から形成される下塗り層との多層構造となる。これにより、上塗り層は下塗り層の短所(すなわち、印画濃度や耐光保存性の低下)を補い、下塗り層は上塗り層の短所(すなわち、耐熱保存性や走行性の低下)を補いつつ、上述したそれぞれの長所を発現できる。また、上塗り層はシリコーン化合物を含むので染料受容層に剥離性を付与でき、下塗り層の効果と相乗して走行性がより向上する。従って、本発明によれば、被熱転写シートに要求される性能、すなわち高印画濃度の維持、および耐光保存性、耐熱保存性、および走行性の向上を満足できる染料受容層を形成できる。
また、上塗り層塗料および下塗り層塗料に含まれる樹脂は、特許文献1に記載のようなグラフト重合法を用いることなく、懸濁重合などの公知の重合法で得られる。従って、本発明であれば、樹脂の重合が容易であるので、生産性を良好に維持しつつ、樹脂組成物を製造できる。
[第二の実施形態]
本発明の樹脂組成物の第二の実施形態について説明する。
本実施形態が上述した第一の実施形態と異なる点は、上塗り層塗料が、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、反応性シリコーンとの混合物を共重合してなる樹脂(C)を含む点である。
以下では、異なる点のみを説明する。
上塗り層塗料は、上述した樹脂(C)を含有する。樹脂(C)を構成する芳香族環を有する単量体、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、ポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、反応性シリコーンとしては、第一の実施形態の説明で例示した各単量体および反応性シリコーンが挙げられる。
また、上塗り層塗料は、前記混合物100質量%中、芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、50〜80質量%である。また、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を10〜69.9質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、19〜49.9質量%である。また、反応性シリコーンを0.1〜5質量%用いてなることが好ましく、より好ましくは、0.1〜1質量%である。
樹脂(C)は、各単量体の混合物を共重合することで得られる。共重合の方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などが挙げられる。
このようにして得られる樹脂(C)は、Tgが0〜50℃である。Tgが0℃以上であれば、得られる染料受容層を備えた被熱転写シートを熱転写シートに重ねて画像を転写する際に、熱転写シートが融着するのを抑制できる。一方、Tgが50℃以下であれば、高印画濃度および耐光保存性を維持できる。樹脂(C)のTgは、20〜40℃が好ましい。
なお、樹脂(C)のTgは、樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)のTgの測定方法と同様にして、測定される。
樹脂(C)は、反応性シリコーンを、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と共に共重合して得られる樹脂である。反応性シリコーンは剥離性を付与する目的で用いられるが、該反応性シリコーンを共重合させることで、未反応の反応性シリコーンがブリードするのを抑制でき、染料のブリードが起こりにくくなる。従って、上塗り層塗料が樹脂(C)を含有することで、画像の退色を抑制しつつ、走行性を向上できる。
本発明の樹脂組成物は、特定の樹脂(C)を含む上塗り層塗料と、特定の熱可塑性樹脂(B)を含む下塗り層塗料からなる。
本発明の樹脂組成物より得られる染料受容層は、Tgの低い樹脂(C)を含む上塗り層塗料から形成される上塗り層と、Tgの高い熱可塑性樹脂(B)を含む下塗り層塗料から形成される下塗り層との多層構造となる。これにより、上塗り層は下塗り層の短所(すなわち、印画濃度や耐光保存性の低下)を補い、下塗り層は上塗り層の短所(すなわち、耐熱保存性や走行性の低下)を補いつつ、上述したそれぞれの長所を発現できる。また、上塗り層は、反応性シリコーンを共重合させた樹脂を含むので、画像の退色を抑制すると共に、染料受容層に剥離性を付与できるので下塗り層の効果と相乗して走行性がより向上する。従って、本発明によれば、被熱転写シートに要求される性能、すなわち高印画濃度の維持、および耐光保存性、耐熱保存性、および走行性の向上を満足できる染料受容層を形成できる。
<樹脂の調製>
(樹脂R1)
撹拌機、コンデンサー、温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、0.7質量%ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成社製、「T−50」)の水溶液505gを仕込み、撹拌しながらスチレン(St)79gと、n−ブチルアクリレート(BA)120gと、反応性シリコーン(信越シリコーン社製、「X22−167B」)1gの混合物、および重合開始剤(日本油脂社製、「ナイパーBW」)1.05gを加え、75℃×12時間の条件、さらに90℃×2時間の条件で懸濁重合を行った。重合が完了した後、冷却、洗浄、脱水、乾燥の各工程を経て、Tg=5℃、質量平均分子量30万の樹脂R1を得た。
なお、樹脂R1のTgは、JIS K7121に準拠して測定した値である。具体的には、まず樹脂R1を、示差走査熱量計(島津製作所社製、「DSC−60A」)を用い、予測される試料のTg(予測温度)より約50℃高い温度で10分加熱した後、予測温度より50℃低い温度まで冷却して前処理した。その後、窒素雰囲気下において、昇温速度10℃/分にて昇温して吸熱開始温度を測定し、これをTgとした。
(樹脂R2〜R17)
混合物中の各単量体の種類およびその含有量(質量部)が、表1に示す値になるように変更した以外は、樹脂R1と同様にして樹脂R2〜R17を調製した。各樹脂のTgを表1に示す。
Figure 2010125621
表1中の略号は、下記化合物を示す。
「St」:スチレン、
「BzA」:ベンジルアクリレート、
「BzMA」:ベンジルメタクリレート、
「BA」:n−ブチルアクリレート、
「MMA」:メチルメタクリレート、
「SMA」:ステアリルメタクリレート、
「PE−350」:ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレングリコール単位が8個、末端が水酸基)、日本油脂社製、
「VYHH」:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ダウケミカル社製、
「X22−167B」:両末端型メルカプト変性ポリオルガノシロキサン、信越シリコーン社製、
「FM0725」:片末端メタクリロイル変性ポリオルガノシロキサン、チッソ社製。
[実施例1]
<被熱転写シートの製造>
基材として合成紙(東レ社製、「ルミラーE22」、厚さ:188μm)を用いた。
樹脂R1(50g)をトルエン(200g)に溶解して、上塗り層塗料を調製した。また、樹脂R10(50g)をトルエン(200g)に溶解して、下塗り層塗料を調製し、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなる染料受容層用樹脂組成物を得た。
基材上に、乾燥後の下塗り層の厚さが3.75μmになるように、下塗り層塗料をバーコーダーで塗布し、120℃で5分間乾燥して、下塗り層を形成した。
ついで、下塗り層上に、乾燥後の上塗り層の厚さが1.25μmになるように、上塗り層塗料をバーコーダーで塗布し、120℃で5分間乾燥して、上塗り層を形成し、被熱転写シートを得た。
<評価>
(印画濃度の測定)
得られた被熱転写シートに対し、熱転写プリンタ(ソニー社製、「デジタルフォトプリンター DPP−EP30」)を使用し、付属のインキリボンを用いて16階調のグレースケールを印刷し、最高濃度をマクベス濃度計(GretagMacbeth社製、「SpectroEye UV」)にて測定し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:最高濃度が2.00以上。
△:最高濃度が1.80以上、2.00未満。
×:最高濃度が1.80未満。
(耐光保存性の評価)
16階調のグレースケールを印刷し、キセノンランプ(スガ試験機社製、「テーブルサン XT750L」)を用いて、照度20000lx、照射時間72時間の条件で耐候試験を行った。照射前後の色差をマクベス濃度計(GretagMacbeth社製、「SpectroEye UV」)にて測定し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:ΔE≦1.00。
△:1.00<ΔE≦2.00。
×:2.00<ΔE。
(耐熱保存性の評価)
得られた被熱転写シートに対し、熱転写プリンタ(ソニー社製、「デジタルフォトプリンター DPP−EP30」)を使用し、付属のインキリボンを用いて16階調のグレースケールを印刷し、40℃、または60℃の暗室に24時間静置した。静置前後の色差をマクベス濃度計(GretagMacbeth社製、「SpectroEye UV」)にて測定し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:40℃および60℃のいずれの場合も、ΔE≦1.20。
△:40℃の場合のみΔE≦1.20。
×:40℃および60℃のいずれの場合も、1.20<ΔE。
(走行性の評価)
得られた被熱転写シートに対し、熱転写プリンタ(ソニー社製、「デジタルフォトプリンター DPP−EP30」)を使用し、付属のインキリボンを用いて、はがきサイズの黒ベタを印刷した。その際に発せられる印画音について、5人のモニター(被験者)による官能試験を行い、下記の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:5人中4人以上が、印画音が気にならない。
△:5人中2〜3人が、印画音が気にならない。
×:5人中4人以上が、印画音が気になる。
(室温退色性の評価)
得られた被熱転写シートに対し、熱転写プリンタ(ソニー社製、「デジタルフォトプリンター DPP−EP30」)を使用し、付属のインキリボンを用いて16階調のグレースケールを印刷し(ただし、ラミネートフィルムは転写せずに印画を停止した。)、室温(23℃)で1週間放置した。放置後の画像の退色具合について、5人のモニター(被験者)の目視による官能試験を行い、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:5人中4人以上が、退色が気にならない。
△:5人中2〜3人が、退色が気にならない。
×:5人中4人以上が、退色が気になる。
[実施例2〜15、比較例1〜7]
上塗り層塗料および下塗り層塗料に用いる樹脂として表2に示す樹脂を用い、上塗り層および下塗り層の厚さを表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして被熱転写シートを製造し、各評価を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例15では、樹脂R17と反応性シリコーンを混合した後、トルエンに溶解したものを上塗り層塗料として用いた。反応性シリコーンの添加量は、樹脂100質量部に対して0.5質量部とした。
Figure 2010125621
表2から明らかなように、各実施例で得られた被熱転写シートは、高印画濃度を維持でき、かつ耐光保存性、耐熱保存性、および走行性に優れていた。特に、上塗り層塗料の樹脂として、反応性シリコーンを他の単量体と共重合して得られた樹脂を用いた実施例1〜14は、室温退色性の評価も良好であった。
一方、比較例1、2で得られた被熱転写シートは、下塗り層塗料を含まない染料受容層用樹脂組成物を用いたので、耐熱保存性が各実施例に比べて劣っていた。
ただし、比較例1の場合は、上塗り層塗料を構成する樹脂として、反応性シリコーンをスチレンおよびn−ブチルアクリレートと共重合させた樹脂(樹脂R3)を用いたため、剥離性が付与され、実施例1と同程度の走行性を維持できた。また、比較例2の場合は、上塗り層塗料を構成する樹脂(樹脂R15)のTgが29℃であり、比較例1で用いた樹脂のTg(17℃)よりも高かったため、比較例1に比べて走行性が向上した。
比較例3で得られた被熱転写シートは、上塗り層塗料を含まない染料受容層用樹脂組成物を用いたので、印画濃度が低下し、耐光保存性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例4で得られた被熱転写シートは、下塗り層塗料に含まれる樹脂のTgが51℃と低かったため、耐熱保存性が低下した。
比較例5で得られた被熱転写シートは、上塗り層塗料に含まれる樹脂のTgが65℃と高かったため、耐光保存性が低下した。また、印画濃度は実施例13と同程度であった。
比較例6で得られた被熱転写シートは、芳香族環を有する単量体を用いずに共重合した樹脂(樹脂R5)を上塗り層塗料に用いたため、印画濃度が低下した。
比較例7で得られた被熱転写シートは、上塗り層塗料に反応性シリコーンを用いなかったため、剥離性が低下し、走行性が低下した。

Claims (7)

  1. 被熱転写シートの染料受容層用樹脂組成物であって、
    前記染料受容層用樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなり、
    前記上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体との混合物を共重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃の樹脂(A)と、シリコーン化合物を含み、
    前記下塗り層塗料は、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)(ただし、シリコーン化合物を含まない)を含むことを特徴とする染料受容層用樹脂組成物。
  2. 被熱転写シートの染料受容層用樹脂組成物であって、
    前記染料受容層用樹脂組成物は、上塗り層塗料と下塗り層塗料からなり、
    前記上塗り層塗料は、芳香族環を有する単量体と、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、反応性シリコーンとの混合物を共重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が0〜50℃の樹脂(C)を含み、
    前記下塗り層塗料は、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃の熱可塑性樹脂(B)(ただし、シリコーン化合物を含まない)を含むことを特徴とする染料受容層用樹脂組成物。
  3. 前記上塗り層塗料は、前記芳香族環を有する単量体と、前記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、前記シリコーン化合物の合計100質量%中、芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることを特徴とする請求項1に記載の染料受容層用樹脂組成物。
  4. 前記上塗り層塗料は、前記芳香族環を有する単量体と、前記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および/またはポリアルキレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、前記シリコーン化合物の合計100質量%中、シリコーン化合物を0.1〜5質量%用いてなることを特徴とする請求項1または3に記載の染料受容層用樹脂組成物。
  5. 前記上塗り層塗料は、前記混合物100質量%中、前記芳香族環を有する単量体を30〜85質量%用いてなることを特徴とする請求項2に記載の染料受容層用樹脂組成物。
  6. 前記上塗り層塗料は、前記前記混合物100質量%中、前記反応性シリコーンを0.1〜5質量%用いてなることを特徴とする請求項2または5に記載の染料受容層用樹脂組成物。
  7. 前記芳香族環を有する単量体が、スチレン単量体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の染料受容層用樹脂組成物。
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