JP2010125383A - 浄水器および浄水器用カートリッジ - Google Patents

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Masayuki Yamada
誠之 山田
Taku Isobe
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Abstract

【課題】
本発明の目的は、一定以上のろ過流量を維持しながら、安価に製造可能な高性能カートリッジを有する浄水器および浄水器用カートリッジを提供することにある。
【解決手段】
浄水を貯水する外ケースと、前記外ケースに取り付けられ、原水を一時的に保持する内ケースと、前記内ケースに着脱可能なカートリッジから成り、前記カートリッジは、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器
ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器用カートリッジ
【選択図】図2

Description

本発明は浄水器および浄水器用カートリッジに関する。
従来、蛇口と接続しないポット型浄水器用カートリッジとして、ろ材充填部を原水が軸方向にのみ導かれる図4に示す特許文献1のようなものが一般的に知られている。図4のカートリッジは、原水流入口である原水側メッシュフィルタ51と、浄水流出口である浄水側メッシュフィルタ52を配し、その間のろ材充填部53に吸着材や中空糸膜などのろ材を配置する製造上簡便な構造である。
しかし、上記形状のカートリッジを使用した場合、以下の問題が発生する場合がある。
ろ材充填部への通水により、一般的に活性炭の微細孔内に存在する気泡が押し出され、カートリッジ浄水流出口へと気泡が導かれる。下部メッシュフィルタ52面上に気泡が滞留して、通水方向に対し大きな抵抗となり、流速の低下を招く可能性があり、短時間で浄水を得ることは難しい場合がある。
また、ろ過能力を維持するために、ある高さ以上の吸着材層が必要になる。しかし、長い吸着材層とすると、ろ過する時の圧力損失が大きくなる。また、ろ材充填部にてエアが生じた際にさらに大きな圧力損失を生じ、流速の低下を招く可能性がある。
また、ろ過流量が維持できるよう吸着材充填密度を低く保つ目的で、粒径の粗い吸着材を用いる必要がある。粒径の粗い吸着材を充填する場合は細かい吸着材と比較して、吸着材の表面積が小さくなり、長寿命を維持することは難しい。
これらの問題を解決する方法として、ろ材充填部を原水が径方向に導かれる構造のカートリッジが特許文献2に開示されている。図3は特許文献2のカートリッジの構造である。周方向の側面に流出口を設けることで、浄水出口面積を広くとることが可能となる。活性炭部分で生じたエアは側面に押し出すことができ、上記のように浄水流出口でエアが溜まることは少ない。また、細かい粒径の高性能ろ材を用いても、短いろ過長なので大きな圧力損失が生じることがなく、高性能を満たすことが可能となる。すなわち、高流量かつ高除去性能カートリッジが製造可能である。
しかし、この構造においても、カートリッジ底部の水の流れが滞留する滞留部38があることから、以下の問題が発生する。
すなわち、外ケースの滞水上面がカートリッジ底面より低い位置の場合、ろ材が乾燥し、使用時にろ材充填部33に空気が混入して、流速が低下してしまう場合がある。流速低下が生じた場合、カートリッジを水の中で振るなどの作業をすることで回復できるが、この作業は手間がかかる。ろ材充填部を水で満たして、気泡の混入を防ぐことが有効であるが、ろ材充填部底部において、水との接触が遮断されており、ろ材充填部全体を水で浸すには充分でない。
また、カートリッジ底部に水の流れが滞留する滞留部38があるため、ろ材充填部下部37周辺に浄水の滞留が起こる可能性があり、多くの浄水がろ材充填部上部36を通過し浄水貯水層に導かれる場合がある。この結果、上部36に充填されたろ材から破過する恐れがあり、必ずしもろ材の有効的な利用とならない場合がある。
特開平1−310784号公報 特開2007−313501号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決し、一定以上のろ過流量を維持しながら、安価に製造可能な高性能カートリッジを有する浄水器および浄水器用カートリッジを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、浄水を貯水する外ケースと、前記外ケースに取り付けられ、原水を一時的に保持する内ケースと、前記内ケースに着脱可能なカートリッジから成り、前記カートリッジは、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられている浄水器が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmである浄水器が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられている浄水器用カートリッジが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmである浄水器用カートリッジが提供される。
浄水を貯水する外ケースと、前記外ケースに取り付けられ、原水を一時的に保持する内ケースと、前記内ケースに着脱可能なカートリッジから成り、前記カートリッジは、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器とするものである。ここで、前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmであることが好ましい。
また、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器用カートリッジとするものであり。ここで、前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmであることが好ましい。
本発明によれば、浄水器用カートリッジ内ろ材を均一に使用することができ、より少ないろ材量においても高除去性能を維持することが可能となり、しかも製造コスト低減が可能になる。
本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態であるポット型浄水器の略視図を示したものであり、注ぎ口5と取っ手7を有する外ケース2と、外ケース2に取り付けられ、原水を一時的に保持する内ケース4と、内ケース4に着脱可能な浄水器用カートリッジ3と、外ケース2と内ケース4に嵌合するフタ6から構成される。
図2は浄水器用カートリッジ3の構造を示したものである。筒状の外メッシュフィルタ31と内メッシュフィルタ32を有し、内メッシュフィルタ32の内部空間が原水の集水部となり、外メッシュフィルタ31と内メッシュフィルタ32の間がろ材充填部33となる。ろ材充填部33に充填されるろ材は、原水である水道水中に含まれる重金属や有機物を吸着し、且つ残留塩素を分解除去する機能をもつ吸着材が充填されている。
図1、図2を参照にして、本浄水器の使用形態詳細を説明する。
内ケース4に一時的に貯水した原水が、ろ材を充填した浄水器用カートリッジ3に流入する。浄水器用カートリッジ3に流入した原水は充填したろ材中を通過し、外ケース2の貯水部1に貯水される。貯水された状態で外ケース2にフタ6を取り付け、取っ手7を持ち、傾けることにより注ぎ口5から貯水部1に貯水された浄水を得ることが可能となる。
内ケース4に貯水された原水が上部開口部である開口部メッシュフィルタ34と集水部である内メッシュフィルタ32から、ろ材充填部33に導かれる。ろ材充填部33中のろ材により浄化された浄水が、外メッシュフィルタ31および下部メッシュフィルタ35を介して、浄水貯水部に貯水される。
ろ材充填部33の下部にも下部メッシュフィルタ35を配設することで、原水の流入および浄水の流出とも、径方向だけでなく軸方向に対しても可能になる。この構造により、水の流れに偏りがなくなり、ろ材充填部33のろ材が全体的に無駄なく利用され、従来技術と比較し、よりろ材を有効的に利用することが可能となる。つまりは安定的にろ過性能を維持することが可能で、より少ないろ材量で高性能なカートリッジを製造することが可能となり、製造コストの低減につながる。
内メッシュフィルタ32、外メッシュフィルタ31、下部メッシュフィルタ35に関しては、ろ材の粒径よりも細かいメッシュサイズのものを用いているため、ろ材充填部33への異物の流入、またろ材充填部33からのろ材の流出を防止することができる。流量維持と衛生面から、メッシュフィルタの材質はポリプロピレン、ポリエステルなどを原料とした撥水性の合成繊維からなる素材であることが好ましい。
下部メッシュフィルタ35を配する開口の形状は種々形態をとることができる。図5は円形の小穴72を多数設けたものであり、図6は円形の大穴73を多数設けたものである。また、図7は開口率を70%以上にとったものである。メッシュフィルタ71、メッシュフィルタ74、メッシュフィルタ75のいずれの形態をとることも可能である。図7のように開口率を70%以上にとることが好ましい。
外メッシュフィルタ31、および内メッシュフィルタ32の樹脂部分にも種々の材質を用いることが可能である。好ましくは、ポリプロピレンなど細菌の付着しにくい撥水性の材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは、抗菌剤を練りこんだ樹脂を用いると、樹脂への細菌付着が起こりにくくなり、細菌繁殖の可能性を低減できる効果が期待できてよい。
水道水中に含まれる有害な有機物には、カビ臭の原因物質である2−MIB(メチルイソボルネオール)やトリハロメタンなどがあり、重金属には水道用鉛配管から溶出する鉛などがある。また、残留塩素は殺菌用に原水に含まれる遊離残留塩素や結合残留塩素などを指す。これら有機物、重金属、残留塩素を除去する目的でろ材充填部33に充填する吸着材としては、活性炭、ゼオライトなどの金属ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム、酸化チタン、イオン交換樹脂を含むイオン交換体、キレート樹脂などのいずれかまたはそれらの組合せが使用される。残留塩素の除去性能が高いことから活性炭が好ましく用いられるが、塩素除去された浄水を長期間保管しておくと細菌の繁殖する恐れがあるため、抗菌剤である銀イオンを担持した銀添着活性炭、および/または銀イオンを担持するイオン交換体を含み、通水時に銀イオンを溶出させることがより好ましい。ここで用いる銀添着活性炭の形状は、球状、粉末状、繊維状、顆粒状、破砕状等のいずれでも良いが、中でも粉末状または粒状が単位体積あたりの吸着面積が大きいため好ましい。繊維状活性炭は通水抵抗が少なく、単位体積あたりの吸着面積はより大きいが、コスト面が課題となる可能性がある。ろ材の充填量は、外メッシュフィルタ31、内メッシュフィルタ32、および開口部メッシュフィルタ34の間に充填できる量であればよいが、ろ材が充分な密度で充填されない場合は原水がろに接触せずに通過する恐れがあるため、ろ材を充填する際は振動を与えながら細密に充填する。本発明の実施形態においてはろ材のろ過長を短く維持しているため、ろ材を細密に充填した場合でも通水抵抗にはなりにくい。また、数種のろ材を複数充填する場合は、それぞれが分級し、性能が安定しない恐れがあるため、一方のろ材の粒度と同じ粒度の他ろ材がその80%以上のものを混合することが好ましい。
さらに、充填するろ材の90%以上が粒径100〜300μmであることが好ましい。300μm以下のろ材を使用し、水に少量浸漬させることにより、毛細管現象でろ材充填部全体を水で満たすことが可能になる。すなわち、外ケース内に浄水がわずかしか残っていなくても、ろ材充填部を湿潤状態に保つことができる。ポット型浄水器はカートリッジ未使用時に空気に触れておくと、次回使用時に必要以上にカートリッジ内に空気が入り、ろ過流速が低下する可能性があるため、細かい粒径のろ材を使用し、毛細管現象を利用することで、湿潤状態を保つことが好ましい。また100μm以上の粒径のろ材を使用することで、製造中および運搬中に生じるろ材の微粉量増加を抑制することが可能となる。微粉量増加を抑制することで、浄水への微粉混入を防止することが可能となる。上記ろ材粒度の規定により、安定した流量を維持しつつ、飲料用途として安心な浄水を得ることが可能となる。
またカートリッジ底面と外ケース底面の間隔をできるだけ狭く配置することにより、少量の水を滞水させるだけで、カートリッジ底面フィルタ充填部のろ材から毛細管現象を利用し、ろ材充填部全体を水分で浸すことが可能となり、ろ材充填部への気泡の混入を防止できる。より安定した流量維持が可能となり、使用時にカートリッジを水中に漬けて、振るなどの面倒な操作を必要としなくなる。
本発明は、静置型のポット型浄水器に適用することが可能である。
本発明の一部使用形態に係るポット型浄水器の概略図である。 本発明の一部使用形態に係るポット型浄水器用カートリッジ構造詳細図面である。 従来の浄水器用カートリッジの構造詳細図面である。(径方向) 従来の浄水器用カートリッジの構造詳細図面である。(軸方向) 本発明の一部使用形態に係るポット型浄水器用カートリッジ底面図 本発明の一部使用形態に係るポット型浄水器用カートリッジ底面図 本発明の一部使用形態に係るポット型浄水器用カートリッジ底面図
符号の説明
1 貯水部
2 外ケース
3 カートリッジ
4 内ケース
5 注ぎ口
6 フタ
7 取っ手
31 外メッシュフィルタ
32 内メッシュフィルタ
33 ろ材充填部
34 開口部メッシュフィルタ
35 下部メッシュフィルタ
36 ろ材充填部上部
37 ろ材充填部下部
38 底面滞水部
51 原水側メッシュフィルタ
52 浄水側メッシュフィルタ
53 ろ材充填部
71 下部メッシュフィルタ(その1)
72 下部メッシュ形状(その1)
73 下部メッシュフィルタ(その2)
74 下部メッシュ形状(その2)
75 下部メッシュフィルタ(その3)
76 下部メッシュ形状(その3)

Claims (4)

  1. 浄水を貯水する外ケースと、前記外ケースに取り付けられ、原水を一時的に保持する内ケースと、前記内ケースに着脱可能なカートリッジから成り、前記カートリッジは、ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器。
  2. 前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmであることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
  3. ろ材を筒状に保持するろ材充填部を有し、前記ろ材充填部の内周面と外周面の一方に原水流入口、他方に浄水流出口が設けられ、底面にも浄水流出口が設けられていることを特徴とする浄水器用カートリッジ。
  4. 前記ろ材充填部に充填するろ材の90%以上が粒径100μm〜300μmであることを特徴とする請求項3に記載の浄水器用カートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102892712A (zh) * 2010-07-02 2013-01-23 藤田吉美 净水器用滤芯和净水器
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