JP2010122284A - 光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタ - Google Patents

光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるという問題を解決する光学ユニットを提供する。
【解決手段】間隙108aに入射された入射光111は、光循環セル151に入射される。反射板108は、各光循環セルから出射された入射光111をその光循環セルと異なる光循環セルに入射していくことで、入射光111を間隙108bまで導いて間隙108bから出射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタに関し、特には、レーザ光を走査してスクリーンに画像を投射するための光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタに関する。
赤色、青色および緑色などのレ−ザ光を用いてスクリ−ンに画像を投射するレ−ザディスプレイは、低消費電力で優れた演色性を有する次世代のディスプレイとして注目を集めている。
このようなディスプレイには、前面投射型と背面投射型とがある。背面投射型ディスプレイは、リアプロジェクションテレビまたはレーザテレビとも呼ばれ、家庭用の大型テレビやパソコン用のディスプレイなどに用いられる。背面投射型ディスプレイでは、レーザ光を小型の液晶パネルに均一に照射し、その照射されたレーザ光を光学レンズを用いてスクリ−ンに結像して、画像を表示する結像型ディスプレイが主流である。
一方、前面投射型ディスプレイは、レーザプロジェクタとも呼ばれ、会議、教育および営業のプレゼンテ−ションなどの用途に用いられる。このため、携帯性に優れた小型のものが期待されている。前面投射型ディスプレイでは、水平および垂直方向に振動する反射鏡(走査鏡)を用いてレ−ザ光をスクリ−ン上に高速で走査して、画像を表示する走査型プロジェクタが主流である。なお、走査型プロジェクタは、結像のための光学系が必要ないため、任意の位置の任意の形状の投射面に画像を投射することができる。
ディスプレイの出射光に要求される特性は、ディスプレイの種類に応じて異なる。例えば、結像型ディスプレイでは、1辺が10mm程度の液晶パネルを均一に照射するために、出射光には、幅の大きい拡散光が要求される。また、走査型ディスプレイでは、高い解像度の画像を得るために、出射光には、数mmまたは1mm以下の細い幅と、スクリーンまで伝播する際の幅の広がりが十分小さいことが要求される。なお、走査鏡のサイズが1mm以下の場合には、出射光の幅も1mm以下でなければならない。
レ−ザディスプレイでは、このように投射方式の違いによって出射光に要求される特性は異なるが、投射方式に関わらず、スクリ−ンに投影された出射光により、スクリーンにスペックルが発生し、投射された画像の画質が低下するという共通の問題がある。
スペックルによる画質の低下は、スペックルのコントラストで評価できる。スペックルのコントラストは、スペックルの明暗分布(出射光の光強度分布)の分散をその明暗分布の平均で除した値で定義され、その最大値は100%である。レーザディスプレイの実用化のためには、スペックルのコントラストを10%以下(望ましくは5%以下)にしなければならない。
スペックルを低減する方法には、互いに独立した複数の光源から出射された光を単一の光に合成する方法と、比較的スペクトル幅の広い光を用いる方法がある。しかしながら、一般に波長が近接した光を完全に合成することや、光のスペクトル幅を広げることは容易ではない。
また、互いに独立した複数の光源から出射した同一波長かつ同一強度の光を合成する場合、スペックルのコントラストは、光源の数の平方根に反比例して減少する。例えば、1個の光源を用いた場合のスペックルのコントラストが100%であるとすると、3個の光源を用いた場合のスペックルのコントラストは、約57%になる。また、スペックルのコントラストを5%にするためには、400個ほどの独立な光源が必要となる。したがって、スペックルを、レーザディスプレイの実用化できる程度に低減するには、非常に多くの光源が必要となり、現実的ではない。
したがって、これらの方法では、レーザディスプレイの実用化を図ることが困難である。
特許文献1には、これらの方法とは別の方法を用いてスペックルを低減することが可能な光源装置が記載されている。
この光源装置では、一つの光源から出射された光線を反射鏡と半透過鏡とを用いて多重反射させて複数の光線に分割し、その複数の光線を再び合成する多重反射法と、光ファイバーなどのライトパイプを用いたライトパイプ法とが併用されている。
多重反射法では、分割された複数の光線の光路差が光源から出射された光線のコヒーレンス長より長いと、その分割された複数の光線は、互いに独立した光線とみなせる。このため、その分割された複数の光線が合成されると、スペックルは低減する。
なお、分割された複数の光線の光路差が光源から出射された光線のコヒーレンス長より小さくても、スペックルは低減されるが、その低減率は小さい。また、合成される光線の光強度が互いに等しいほど、スペックルの低減率が大きい。
特許文献1に記載の光源装置では、図53で示すように、4つの直角プリズム1のそれぞれの斜辺を有する側面が、他の直角プリズムの斜辺を有する側面と接合される。また、直角プリズムのいずれかの斜辺でない辺を有する側面が半透過鏡2として利用され、残りの直角プリズムの斜辺でない辺を有する側面が反射面として利用される。なお、半透過鏡2の反射率は、約50%である。
また、レーザ光がその半透過鏡2に対して45度の角度で入射され、反射光と透過光に分岐される。透過光は、直角プリズム内部の反射面で多重反射されながら、直角プリズムの内部を循環して入射位置に戻る。透過光は、その入射位置で2つに分岐され、一方が反射光と重なり合って単一の光に合成され、他方が再び透過光として直角プリズム内部を循環する。このように循環した透過光、順次直角プリズムの内部から出力され反射光と合成されて出射される。
直角プリズム1内部の透過光の光路長が、レーザ光のコヒーレンス長より長ければ、スペックルを低減することができる。なお、レーザ光を反射光と透過光に分岐し、それらを再び重ね合わせるための光学系は、光循環セルと呼ばれる。
また、特許文献1に記載の光源装置では、直角プリズム1から出射された光がライトパイプ(光ファイバ)に入力される。光学装置は、このライトパイプから出射される拡散光を液晶セルに照射し、その照射されたレーザ光をスクリ−ンに結像する。これにより、スペックルをさらに低減することができる。なぜなら、ライトパイプに入力された光は、ライトパイプ内部で複雑な反射と拡散が行われるために、干渉性が失われるからである。
特開2008−112623号公報
ライトパイプから出射される光は、幅が10mm以上の太く均一な拡散光になるので、ライトパイプ法は、出射光に細い幅が要求される走査型レーザプロジェクタに用いることはできない。したがって、走査型レーザプロジェクタでは、ライトパイプを用いずにスペックルのコントラストを10%以下にしなければならない。
特許文献1に記載の光源装置からライトパイプを除くと、スペックルのコントラストは、最大で57%までしか低減することができない。なお、57%は、3個の独立した光を合成させた場合のスペックルの低減率に相当する。
スペックルのコントラストを最大で57%までしか低減できない理由は、ライトパイプを除いた光源装置から出射される出射光の光強度が急激に減衰するためである。例えば、
半透過鏡で反射する反射光の光強度は、入射光の光強度の50%であるが、直角プリズム内部を1回だけ循環して出射される光の光強度は、入射光の光強度の25%になる。その後、直角プリズム内部を循環する回数が増えるに従い、12.5%、6.5%…と急激に減衰する。
したがって、特許文献1に記載の光源装置には、ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるというという問題があった。
本発明の目的は、上記の課題である、ライトパイプを用いなければ、スペックルの低減率が低くなるという問題を解決する光学ユニット、レーザ出射装置およびレーザプロジェクタを提供することである。
本発明による光学ユニットは、光入射光が入射する入射面が半透過鏡とされ、該入射光を光路長がそれぞれ異なる複数の出射光に変換する光循環セルを複数備える光循環セル群と、前記光循環セル群を構成する複数の光循環セルへ光を入射するとともに前記光循環セル群からの出射光を出射する導光部材と、を有する。
また、本発明によるレーザ出射装置は、前記光学ユニットと、前記光学ユニットに光を出射する光源と、を有する。
また、本発明によるレーザプロジェクタは、前記レーザ出射装置と、前記光学ユニットから出射された出射光を走査してスクリーンに投射する走査鏡と、を有する。
本発明によれば、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を高くすることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第一の実施形態の光学ユニットを模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1で示した光学ユニットを模式的に示した上面図である。
図1および図2において、光学ユニットは、支持板100と、半透過板101と、セル底反射板102と、セル横反射板103および104と、セル分離板105〜107と、反射板108とを含む。
支持板100は、例えば、アルミニウムやガラスで形成される。
半透過板101は、入射された光を反射および透過するための半透過膜が側面に形成された板であり、支持板100上に設けられる。半透過膜は、例えば、誘電体膜が積層された誘電体多層膜で形成される。
セル底反射板102は、半透過板101と互いに平行になるように支持板100上に設けられる。セル底反射板102の半透過板101側の側面には、入射された光を全て反射するための全反射膜が形成されている。なお、反射膜は、例えば、銀で形成される。
セル横反射板103は、半透過板101およびセル底反射板102と垂直になるように支持板100上に設けられる。また、セル横反射板103は、半透過板101の第一の端部と、セル底反射板102の第一の端部とに接合される。セル横反射板104は、半透過板101およびセル底反射板102と垂直になるように支持板100上に設けられる。また、セル横反射板104は、半透過板101の第二の端部と、セル底反射板102の第二の端部とに接合される。
これにより、半透過板101、セル底反射板102、セル横反射板103および104で囲まれた直方体状の空間を有するセルが形成される。また、セル横反射板103および104のセルの内部側の側面には、全反射膜が形成されている。
セル分離板105〜107は、支持板100上のセルの内部に、セル横反射板103および104と平行になるように設けられる。また、各セル分離板の両面には、全反射膜が形成されている。
これにより、互いに並設された光循環セル151〜154を有する光循環セル群が形成される。
光循環セル151〜154のそれぞれは、全て同じ形状の多面体である。具体的には、光循環セル151〜154のそれぞれは、直方体状(底面が四角形の柱状多面体)である。なお、光循環セルの数は、本実施形態では、4であるが、実際には、複数であればよい。以下では、光循環セルの数をセル数と称する。
図3は、光循環セルを模式的に示した上面図である。図3において、光循環セル151〜153のそれぞれは、半透過板101と、セル底反射板102と、セル横板121および122とを有する。なお、光循環セルの内部は、空気123で満たされている。
半透過板101は、ガラス板101aと、半透過膜101bと、反射防止膜101cと有する。
ガラス板101aは、セル底反射板102と平行になるように設けられる。
半透過膜101bは、ガラス板101aの光循環セルの内部側の面に形成される。半透過膜101bは、光循環セルの外部から入射された入射光111を反射および透過して反射光112と透過光113に分岐する。また、半透過膜101bは、光循環セルの内部を循環する循環光114を反射および透過する。
反射防止膜101cは、ガラス板101aの光循環セルの外部側の面に形成される。反射防止膜101cは、入射光111および出射光133の反射を抑制する。なお、反射防止膜101cは、例えば、アルゴンで形成される。
セル底反射板102の光循環セルの内部側の面には、全反射膜102aが形成される。
セル横板121は、セル横反射板103およびセル分離板105〜107のいずれかである。また、セル横板121の光循環セルの内部側の面には、全反射膜121aが形成される。
セル横板122は、セル分離板105〜107およびセル横反射板104のいずれかである。また、セル横板122の光循環セルの内部側の側面は、全反射膜122aが形成される。
これにより、セル底反射板102、セル横板121および122のそれぞれの光循環セルの内部側の面が光循環セルの全反射鏡となる。また、半透過板101のうち、セル横板121および122の間にある半透過板101が光循環セルの半透過鏡になる。また、その半透過板101が、光循環セルの外から入射光111が入射される入射面となる。
したがって、光循環セルは、半透過鏡と、複数の全反射鏡により囲繞される。
半透過鏡は、光循環セルの外部から入射された入射光111を反射および透過して反射光112と透過光113に分岐する。反射光112は、出射光としてその光循環セルから出射される。
光循環セルは、入射光111のうちの半透過鏡で透過された透過光113を、循環光114として半透過鏡および反射鏡を用いて循環させ、循環光114のうちの入射面111で透過された光と、入射光111のうちの半透過鏡で反射された反射光112とを出射光とする。
具体的には、光循環セルの反射鏡は、入射光111から分岐された透過光113を循環光114として反射することで、光循環セルの内部を循環光路130で循環させて半透過鏡に入射する。
半透過鏡は、その入射された循環光114を反射および透過する。半透過鏡は、循環光114のうちの透過した光を、出射光として自セルから出射する。また、半透過鏡は、循環光114のうちの反射した光を、透過光113と合成して、循環光114として再び循環させる。
半透過鏡では、循環光114が入射されるたびに、この動作が繰り返される。これにより、光循環セルは、循環光114の入射面111で透過された光のそれぞれと、入射光111のうちの半透過鏡で反射された反射光112とを出射光として出射することになり、入射光111を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光とすることになる。
ここで、出射光のそれぞれは互いに合成される。それらの出射光が互いに独立した光とみなせると、入射光111によるスペックルの低減率が高くなる。したがって、循環光路130の長さは、入射光111のコヒーレンス長以上であることが望ましい。
また、反射防止膜101cがないと、反射光112がガラス板101aから出射される際に、反射光112の一部が反射されて光循環セルの内部に出射される。この光循環セルの内部に出射された光は、循環光路130と異なる光路を通過するため、半透過膜101bにおける入射光111の入射位置と異なる位置に入射される。したがって、その光は、反射光112と異なる光軸で合成される。このため、その光循環セルから出射される入射光111の幅が広がる。また、入射光111が多峰化することもある。なお、多峰化とは、単峰光が多峰光になる現象である。また、単峰光とは、光強度のピークが一つの光であり、多峰光とは、光強度のピークが複数ある光のことである。
図1に戻る。反射板108は、半透過板101と平行になり、かつ、半透過板101に対してセル底反射板102の逆側に位置するように支持板100上に設けられる。
反射板は、光循環セル群を構成する複数の光循環セルの半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル群を構成する複数の光循環セルへ光を入射するとともに、その光循環セル群からの出射光を出射光115として出射する。
反射板108とセル横反射板103との間には、入射光111を光循環セル151〜154のいずれかに入射するための間隙108aが設けられる。また、反射板108とセル横反射板104との間には、光循環セル群から出射された光を出射光115として出射するための間隙108bが設けられる。
反射板108の半透過板101側の側面である反射面109には、全反射膜が形成されている。反射面109は、一の光学セルから出射された出射光を他の光学セルに導く。具体的には、反射面109は、前段の光循環セルから出射された出射光を、後段の光循環セル光循環セルに入射する。最後段の光循環セル154からの出射光は、出射光115として間隙108bから出射される。
次に動作を説明する。
入射光111が、間隙108aを介して、光循環セル151の半透過鏡上の光透過点110に入射されると、半透過板101によって反射光112と透過光113に分岐される。反射光112は、出射光として光循環セル151から出射される。
透過光113は、循環光114として光循環セル151の内部を循環して光透過点110に入射される。循環光114のうちの半透過板101を透過した光は出射光として出射される。また、その循環光114のうちの半透過板101で反射された光は、透過光113と合成されて、循環光114として再び光循環セル151の内部を循環する。
光循環セル151から出射された出射光は、後段の光循環セル152の入射光として、反射板108の反射面109で反射され、光循環セル152の半透過鏡に入射される。
このような動作が光循環セル152〜154まで順番に繰り返される。そして、光循環セル154から出射された出射光が、間隙108bから出射光115として出射される。
次に、光学ユニットの形状について説明する。
各光循環セルの横幅をa、各光循環セルの縦幅をb、各光循環セル間の間隔(各セル分離板の厚さ)をc、反射面109と各光循環セルとの間の長さ(反射面109と半透過板101との間の長さ)をd、半透過板101の厚さをt、半透過板101(ガラス板101a)の屈折率をnとする。なお、光循環セルの横幅は、その光循環セルの半透過鏡(半透過板101)に沿った方向(横方向)の光循環セルの長さであり、光循環セルの縦幅は、その光循環セルの半透過鏡に垂直な方向(縦方向)の光循環セルの長さである。
光循環セル151〜154のそれぞれにおいて、入射光111の入射位置(光透過点110)と、循環光114の入射位置とが一致すれば、反射光112と循環光114とが同じ光軸上で合成される。このため、出射光115の幅が最も小さくなる。
したがって、光学ユニットは、光循環セル151〜154のそれぞれにおいて、入射光111の入射位置と循環光114の入射位置とが一致するように構成されることが望ましい。また、それらの入射位置が一致する光学ユニットの形状は、光循環セルの半透過面における入射光111の入射角度に応じて異なる。このため、この入射角度に応じて、光学ユニットの形状を定める必要がある。
入射光111の半透過鏡における入射角度をθとすると、入射光111の入射位置と循環光114の入射位置とが一致するためには、a/b=tanθを満たす必要がある。なお、光循環セル151〜154の半透過鏡と反射面109とが互いに平行なので、光循環セル151の半透過鏡における入射光111の入射角度がθであると、光循環セル152〜154のそれぞれの半透過鏡における入射光111の入射角度もθとなる。
また、光循環セル151〜154のそれぞれにおいて、入射光111の入射位置は、その光循環セルの透過鏡の中心であることが望ましい。これは、入射光111の入射角度θがa/b=tanθを満たす値からずれたことによる出射光115の幅の拡大を抑制するためである。なお、この入射角度θのずれによる出射光115の幅の拡大についての詳細は、後述する。
光循環セル151〜154のそれぞれにおいて、入射光111の入射位置がその光循環セルの透過鏡の中心であるためには、d=(a+c)/2・tanθ−n・tを満たす必要がある。
したがって、入射光111の入射角度θと、光学ユニットの形状とは、これらの関係式a/b=tanθ、および、d=(a+c)/2・tanθ−n・tを満たすように設定されることが望ましい。
次に、この光学ユニットの特性について説明する。
先ず、入射光111が光学ユニットに入射されてから出射光115として出射されるまでに、入射光111が循環光114として光循環セルを循環する回数(回転数n’)と、出射光115の光強度Pの関係について説明する。
図4は、セル数が1〜6の場合における回転数n’と出射光115の光強度Pとの関係を示したグラフである。図4において、横軸は回転数n’[回]を示し、縦軸は出射光115の光強度Pを示す。光強度の単位は、任意でよい。なお、入射光111の光強度を1としている。また、半透過板101の反射率は0.5としている。
セル数が1の場合、入射光111は、反射率が0.5の半透過板101に1回だけ入射されるので、回転数n’が0である出射光115の光強度Pは、入射光111の光強度の50%となる。また、回転数n’が多くなるに従い、出射光115の光強度Pは、入射光111の光強度の25%、12.5%、6.5%…と急激に減衰する。
図5は、入射光111が一つの光循環セルの内部を循環する単体回転数n’’と、その光循環セルに入射される入射光111に対するその光循環セルから出射される入射光111の相対強度f(n’’)との関係を示したグラフである。図5において、横軸は単体回転数n’’を示し、縦軸は入射光111の相対強度f(n’’)[%]を示す。なお、光循環セルの半透過板101の反射率は、√2−1≒0.4142としている。また、出射光の相対強度f(n’’)は、f(n)=100・(1−μ)2・μn''-1で表される
単体回転数n’’が大きくなるほど、急激に出射光の相対強度を小さくなっている。例えば、単体回転数n’’が10になると、出射光の相対強度f(n’’)は、単体回転数n’’が1の場合と比べて0.012%に低減される。
図4に戻る。セル数が2以上の場合、入射光111は、複数の光循環セルに入射される。したがって、入射光111は、半透過板101に複数回入射されるので、回転数n’が0である出射光115の光強度Pは、光循環セルが1つの場合と比べて小さくなる。例えば、セル数が4の場合、回転数n’が0である出射光115の光強度Pは、入射光111の光強度の2.8%になる。
また、回転数n’が多くなるに従い、出射光115の光強度Pは、一旦大きくなり、その後、セル数が1の場合と比べて緩やかに小さくなっていく。例えば、セル数が2〜6の場合、出射光115の光強度Pは、回転数n’が3〜6で最大となるが、その後、緩やかに小さくなっている。また、出射光115の光強度Pのピークは、最大でも0.2以下である。したがって、光循環セルが複数の場合には、出射光115の光強度Pが均一化されていることがわかる。
続いて、半透過板101の反射率について説明する。
セル数をm、半透過板101の反射率をμとしたときの、相対スペックルコントラストC(m,μ)は、数1で表される。なお、相対スペックルコントラストは、入射光111によるスペックルのコントラストC0に対する出射光115によるスペックルのコントラストCの割合C/C0を示す。
Figure 2010122284
数1において、Φ(n−k)は、オイラーのφ関数である。また、Nは、光循環セルの内部を循環光114として循環する入射光111が全てその光循環セルから出射されるとみなせる単体回転数n’’であり、例えば、100である。
図6は、セル数mが1〜30の場合における半透過板101の反射率μと相対スペックルコントラストC/C0の関係を示したグラフである。図6において、横軸は半透過板101の反射率μを示し、縦軸は、相対スペックルコントラストC/C0を示す。
図6で示されたように、相対スペックルコントラストC/C0は、反射率μに対して下に凸の関数となる。よって、反射率μが、相対スペックルコントラストC/C0の反射率に対する微分値が0になるときの値であると、相対スペックルコントラストC/C0が最も小さくなる。したがって、その値が反射率μとして最適である。
続いて、出射光115の光強度分布の、入射光111の入射角度θに対する依存性について説明する。なお、入射光111は、光循環セルの半透過鏡の中心に入射されるものとする。ここで、光循環セルの半透過鏡の中心とは、その光循環セルの横方向における半透過鏡の中心であればよい。
セル数をM、入射角度をθ、反射率をμ、位置をxとしたときの出射光115の光強度分布f(M,θ,μ,x)は、数2で表される。
Figure 2010122284
以下、入射角度が45°のときに、入射光111と循環光114が半透過板101の同じ位置に入射される場合を例にとって詳細に説明する。以下、このように入射光111と循環光114が半透過板101の同じ位置に入射されるときの入射角度を設定入射角度と称する。
図7〜10は、入射光111の入射角度と出射光115の光強度分布の関係を示した説明図である。図7〜図10において、横軸は位置X[mm]を示し、縦軸は出射光115の光強度Pを示す。位置Xは、入射角度が45°のときに出射光115の光強度Pがピークとなる位置を原点「0」としている。また、入射角度が45°のときの出射光115の幅を1mmであるとし、入射角度が45°のときの出射光115の光強度Pのピークを1としている。
なお、図7では、セル数が1であり半透過板101の反射率が0.41である。図8では、セル数が5であり半透過板101の反射率が0.6である。図9では、セル数が10であり半透過板101の反射率が0.7である。図10では、セル数が30であり半透過板101の反射率が0.8である。ここで、図7〜図10において、反射率は、セル数に応じたほぼ最適な値となっている。
図7および図8で示されたように、入射角度が1°ずれると、出射光115の光強度Pの分布に複数のピークが現れる。つまり、出射光115が多峰光になる。
また、図7〜図10で示されたように、入射角度が45°からずれるほど、出射光115の幅(出射光ビーム幅)が広くなる。例えば、図9の場合(セル数が10の場合)、入射角度が45°から0.5度ずれると、出射光ビーム幅が、入射角度が45°のときと比べて4倍になる。
図11aは、セル数mが1〜3の場合における入射角度θと出射光ビーム幅wとの関係を示したグラフである。図11aにおいて横軸は、入射角度θ[°]を示し、縦軸は、出射光ビーム幅w[mm]を1/e2で規格化した長さを示す。
図11aで示されたように、入射角度θの設定入射角度45°からのずれ幅が大きくなるほど、出射光ビーム幅wも大きくなる。
また、セル数mが多くなるほど、入射角度θのずれ幅が同じでも、出射光ビーム幅wは大きくなる。
これは、以下の理由による。つまり、セル数mが多くなるほど、最適な反射率も大きくなるので、循環光114が光循環セルから出射されにくくなる。この結果、回転数n’が増え、入射角度θのずれのために生じる循環光路130のずれが大きくなる。したがって、セル数mが多くなるほど、出射光ビーム幅wは大きくなる。
また、図7〜図10で示されたように、入射角度θが設定入射角度45°からずれると、出射光115の光強度Pのピークの位置(ビームピーク位置)が変化する。
図11bは、セル数mが1〜3の場合における入射角度θとビームピーク位置の変化ΔXとの関係を示したグラフである。図10bにおいて、横軸は、入射角度θ[°
]を示し、縦軸は、ビームピーク位置の変化ΔX[mm]を示す。
図11bで示されたように、入射角度θの設定入射角度45°からのずれ幅が大きくなるに従い、ビームピーク位置の変化ΔXも大きくなる。また、セル数mが多くな
るほど、入射角度θのずれ幅が同じでも、ビームピーク位置の変化ΔXは大きくなる
したがって、セル数が大きくなるに従い、入射角度を精密に制御する必要がある。
続いて、半透過鏡における入射光111の入射位置と、循環光路130の長さ(循環光路長)について説明する。
図12aは、入射光111の入射位置と循環光路長との関係を説明するための説明図である。図12aでは、上面から見たときの光循環セルが示されている。なお、光循環セルの縦幅をb、光循環セルの横幅をb・tanθと、としている。
入射光111が光循環セルの半透過鏡140の中心に入射されたときの循環光路長をL0、入射光111が半透過鏡140の中心からずれ幅δだけずれた位置に入射されたときの循環光路長をL1とする。このとき、循環光路長L0に対する循環光路長をL1の変化率rは、r=100・(L1−L0)/L0で表される。この変化率rを入射位置のずれ幅δで表すと、数3となる。
Figure 2010122284
図12bは、入射角度θが42°〜45°の場合における入射位置のずれ幅δと循環光路長の変化率rとの関係を示したグラフである。図12bにおいて、横軸は、入射位置のずれ幅δ[mm]を示し、縦軸は、循環光路長の変化率r[%]を示す。なお、光循環セルの縦幅bを10mmとしている。
図12bで示されたように、入射角度θが設定入射角度45°の場合、入射位置がずれても循環光路長は変化ない。また、入射角度θが設定入射角度45°でない場合、入射位置が半透過鏡140の中心からずれるほど変化率rが大きくなる。また、入射角度θが45°から離れるほど、同じずれ幅δでも変化率rは大きくなる。
続いて、出射光115によるスペックルのコントラスト(以下、スペックルコントラストと称する)および出射光115の特性の入射角度依存性について説明する。
図13は、入射角度θが45.2°であり、セル数mが2である場合におけるスペックルコントラストの分布を示した説明図である。図13において、横軸は、位置X[mm]を示し、縦軸は、スペックルコントラストCを示す。なお、横軸で示された位置Xは、入射角度θが45°のときの出射光115のピークの位置を0としている。
入射角度θが45.2度のときの出射光115のピークの位置Xは、0.172となる。また、そのピークの位置Xにおけるスペックルコントラストは、0.419になる。
また、出射光115の強度分布で重み付けを行った、位置が−2から2までのスペックコントラストの平均値(平均スペックルコントラスト)は、数4で求めることができ、0.406となる。
Figure 2010122284
ここで、ff2(X、θ)は、出射光115の強度分布を示し、C2(X、θ)は、ピークの位置Xにおけるスペックルコントラストである。
図14は、入射角度θと、出射光115の強度分布で重み付けを行った平均スペックルコントラストと関係を示したグラフである。図14において、横軸は入射角度θ[°]を示し、縦軸は、出射光115の強度分布で重み付けを行った平均スペックルコントラストCAを示す。なお、セル数mは2である。
図14で示されたように、入射角度θが45°からずれるほど、平均スペックルコントラストCAは大きくなるので、スペックルコントラストの低減の観点からも、入射角度θは45°であることが望ましい。なお、入射角度θが46°付近で出射光115は多峰光になる。
続いて、セル数m、入射角度θおよび出射光ビーム幅wとの関係について説明する。
図15は、入射角度θが45.5〜45.30°の場合におけるセル数mと出射光ビーム幅wとの関係を示したグラフである。図15において、横軸は、セル数m[個]を示し、縦軸は、出射光ビーム幅w[mm]を1/e2で規格化した長さを示す。
図15で示されたように、セル数mが多くなるほど、出射光ビーム幅wが大きくなる。また、入射角度θが設定入射角度45°からずれるほど、同じセル数mでも出射光ビーム幅wが大きくなる。
続いて、出射光115の光強度分布の、セル数mに対する依存性について説明する。図16は、セル数mと出射光115の光強度分布の関係を示した説明図である。横軸は位置X[mm]を示し、縦軸は、出射光115の光強度Pを示す。なお、入射角度θは、45.3°としている。セル数mは、3〜21を2ごとに示している。
また、光強度Pは、入射角度θが45°のときの出射光115の光強度のピークを1としている。また、位置Xは、入射角度θが45°のときの出射光115の光強度のピークの位置を原点「0」としている。
図16で示されたように、セル数mが大きくなるほど、出射光115の光強度Pのピークの位置は、原点「0」からずれる。また、出射光ビーム幅wも大きくなっている。
次に効果を説明する。
本実施形態によれば、光循環セル群を構成する光循環セル151〜154のそれぞれは、半透過鏡である入射面に入射された入射光111を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光にする。反射板108は、光循環セル151〜154へ光を入射するとともにその光循環セル群からの出射光を出射光115として出射する。
この場合、入射光111が複数の光循環セルに入射されるので、光学ユニットから出射される出射光115の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、光循環セル151〜154は、同じ形状の多面体である。この場合、各光循環セルから出射される出射光の光路長の差を均一化することができるので、スペックルの低減率のばらつきを軽減することが可能になる。
また、本実施形態によれば、光循環セルの半透過鏡の反射率μは、相対スペックルコントラストC/C0の反射率μに対する微分値が0となるときの値である。
この場合、出射光115によるスペックルコントラストCの低減率をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、光循環セル151〜154のそれぞれは、並設される。反射板108の反射面109は、光循環セルの入射面と平行に設けられる。
この場合、特許文献1に記載の光源装置を単純に複数設置した場合に比べて以下の顕著な効果を有する。
例えば、図17で示したように複数の光源装置を並べた場合、その複数の光源装置と、光源装置から出射された光を別の光源装置に入射するための複数の鏡との位置のばらつきにより、各光源装置に入射される光の入射角にばらつきが生じる。このため、出射光の幅が広がったり、出射光が多峰化する。
本実施形態では、反射面109は半透過鏡と平行に設けられているので、各光循環セルに入射される光の入射角のばらつきを抑制することが可能になる。したがって、出射光115の幅の広がりや出射光の多峰化を抑制することが可能になる。
また、本実施形態によれば、光循環セル151〜154のそれぞれの間は、全反射膜が両面に形成されたセル分離板105〜107で区切られている。
例えば、図18で示したように、特許文献1に記載の光源装置を互いに接触して複数設置させた場合、光学装置の側面から隣接する光学装置に透過光が漏れ、その漏れた透過光が戻り光として入射光の光源に出射される。このため、スクリーンに表示される画像が劣化する。
本実施形態では、光循環セル151〜154の内部を循環する循環光114が別の光循環セル151〜154に漏れることを抑制することが可能になり、戻り光を抑制することが可能になる。
次に第二の実施形態について説明する。
図19は、本発明の第二の実施形態の光学ユニットを模式的に示した斜視図である。また、図20は、図19で示した光学ユニットを模式的に示した上面図である。
図19および20において、光学ユニットは、支持板200と、光循環セル201〜205と、導光板206と、直角プリズム207および208とを有する。
支持板100は、例えば、アルミニウムやガラスで形成される。
支持板200には、光循環セル201〜205のそれぞれを埋め込むための埋め込み溝209が一定の間隔ごとに光循環セルの数だけ形成されている。光循環セル間に間隙210を設けるためである。なお、図19では、全ての埋め込み溝209のうち光循環セル205を埋め込むための埋め込み溝209だけが示されている。
埋め込み溝209は、埋め込み溝209に埋め込まれた光循環セルのそれぞれが互いに平行になり、かつ、光循環セル201〜205のそれぞれのある面が一直線上に並ぶように形成される。
光循環セル201〜205のそれぞれは、ガラスで、底面が長方形の角柱(直方体)に状に形成される。光循環セル201〜205のそれぞれは、支持板100に形成された埋め込み溝209のそれぞれに埋め込まれている。埋め込み溝209間には間隔が設けられているので、光循環セルの201〜205はそれぞれの間には、間隙210が形成される。
なお、光循環セル201〜205のそれぞれの間に同一のスペーサを挟み、そのスペーサを挟んだ光循環セル201〜205を支持板に接着することで、間隙210を設けてもよい。この場合、埋め込み溝209は必要なくなる。
導光板206は、ガラスで直方体状に形成される。
導光板206は、光循環セル201〜205の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル201〜205へ光を入射するとともにその光循環セル群からの出射光を出射光224として出射する。
導光板206の下面が支持板200と接着され、導光板206の側面のいずれかが、光循環セル201〜205のそれぞれのある側面と接するように設けられる。導光板206の光循環セル201〜205と接する側面には、半透過膜211が形成されている。なお、半透過膜211は、光がガラスからガラスに入射されるときに、その光を透過および反射する対ガラス用の半透過膜である。以下、特に断りのない限り半透過膜は、対ガラス用の半透過膜であるとする。
これにより、光循環セル201〜205のそれぞれの導光板206に接する側面は、半透過鏡となり、入射光220が入射される入射面となる。また、光循環セル201〜205の半透過鏡と異なる3つの側面は、間隙210(空気)と光循環セル201〜205を形成するガラスとの屈折率の違いにより、反射部として機能する。このため、光循環セル201〜205は、第一の実施形態で説明した光循環セル151〜154と同等な機能を有する。なお、その3つの側面に全反射膜が形成されてもよい。
導光板206の半透過膜211が形成された側面に対向する側面である反射面212は、前段の光循環セルから出射された出射光を反射して、後段の光循環セルに入射する。なお、導光板206は直方体状であるので、反射面212と、各光循環セルの半透過鏡とは互いに平行になる。また、反射面212は、導光板206を形成するガラスと導光板206の外部(空気)との屈折率の違いにより、各光循環セルから出射された光を反射する。反射面212に全反射膜が形成されていてもよい。
なお、光循環セルの反射鏡や反射面212を屈折率の違いにより光を反射させる場合、その光が全反射するような入射角度でその反射鏡や反射面212に入射されるように、入射光220の入射角度を調整することが望ましい。
導光板206の反射面212と垂直な側面のそれぞれは、直角プリズム207および208のそれぞれの斜面と異なる面の一方と接続されている。なお、直角プリズムの斜面とは、直角プリズムの底面である直角三角形の斜辺を有する側面のことである。また、直角プリズム207および208のそれぞれの下面は支持板300に接着される。
直角プリズム207および208は、ガラスで形成される。
直角プリズム207の斜面は、入射光220を光循環セル201に入射するための入射部となる。入射部には、入射光220の反射を抑制するための反射防止膜213が形成されている。
直角プリズム208の斜面は、出射光224を出射するための出射部となる。出射部には、出射光224の反射を抑制するための反射防止膜214が形成されている。
次に動作を説明する。
入射光220が、直角プリズム207の入射部を介して、光循環セル201の半透過鏡に入射されると、その半透過鏡によって反射光221と透過光222とに分岐される。反射光221は、出射光として光循環セル201から出射する。
透過光222は、循環光223として光循環セル201の内部を循環して光循環セル201の半透過鏡に入射される。循環光223のうちの半透過鏡で透過された光は、反射光221と合成され出射光として出射される。また、その循環光223のうち半透過鏡で反射された光は、透過光222と合成されて、循環光223として再び光循環セル201の内部を循環する。
光循環セル201から出射された出射光は、後段の光循環セル202の入射光として、導光板206の反射面212で反射され、光循環セル202の半透過鏡に入射される。
このような動作が光循環セル202〜205まで順番に繰り返される。そして、最後段の光循環セル205から出射された出射光は、光循環セル群からの出射光224として、導光板206および直角プリズム208を介して、直角プリズム208の出射部から出射される。
次に光学ユニットの形状について説明する。
なお、第一の実施形態と同様に、各光循環セルの横幅をa、各光循環セルの縦幅をb、各光循環セル間の間隔をc、反射面109と各光循環セルとの間の長さをdとする。また、光循環セル201の半透過鏡における入射光220の入射角度がθとする。
光循環セル201〜215のそれぞれにおいて、その光循環セルの半透過鏡における入射光220の入射位置と循環光223の入射位置とが一致し、かつ、入射光220の入射位置がその光循環セルの半透過鏡の中心になるためには、a/b=tanθ、かつ、d=(a+c)/2・tanθを満たす必要がある。したがって、入射光220の入射角度θと、光学ユニットの形状とは、これらの関係式を満たすように設定されることが望ましい。
次に効果を説明する。
本実施形態によれば、光循環セル群を構成する光循環セル201〜205のそれぞれは、半透過鏡である入射面に入射された入射光220を、光路長がそれぞれ異なる複数の出射光に変換する。導光板206は、光循環セル201〜205へ光を入射するとともにその光循環セル群からの出射光を出射光224として出射する。
この場合、入射光220が複数の光循環セルに入射されるので、光学ユニットから出射される入射光220の光強度が均一化される。したがって、第一の実施形態と同様に、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
次に第三の実施形態について説明する。
第一および第二の実施形態では、光循環セルは、直方体状であった。しかしながら、光循環セルは、直方体状に限らない。
本実施形態では、光循環セルが、その光循環セルの入射面が側面をなし、底面が奇数角の角柱(柱状多面体)である場合について説明する。以下、このような光循環セルを奇数角形セルと称する。
図21aは、奇数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。図21aにおいて、奇数角形セルは、半透過鏡301と、反射鏡302および303を有する。半透過鏡301と反射鏡302および303は、底面が三角形の角柱(三角柱)の側面を形成するように配置される。なお、図21aでは、底面が正三角形になっている。
半透過鏡301は、入射光311を反射および透過して反射光312と透過光313とに分岐する。
反射光312は、出射光として出射される。
また、透過光313は、循環光314として反射鏡302および303の順番で反射され半透過鏡301に入射される。その入射された循環光314のうち半透過鏡301で透過された光は、反射光312に合成されて出射光として出射される。また、その入射された循環光314のうち半透過鏡301で反射された光は、透過光313に合成され、再び循環光314として奇数角セルの内部を循環する。
次に奇数角形セルの特性について説明する。
奇数角形セルでは、入射光311の半透過鏡301における入射位置が、半透過鏡301の中心であれば、入射光311の半透過鏡301における入射角度が、例えば、図21bのように変化しても、奇数角形セルから出射される出射光の幅は変化しない。つまり、奇数角形セルから出射される出射光の幅は、入射角度に依存しない。
また、入射光311の半透過鏡301における入射位置が半透過鏡301の中心からずれても、循環光314は、奇数角形セルの内部を2回循環すると再び入射光311の入射位置に入射される。このため、奇数角形セルでは、入射光311の入射位置の半透過鏡301の中心からのずれによる出射光の幅の拡大を抑制することが可能になる。
なお、奇数角形セルは、図21aで示した例に限らず、適宜変更可能である。例えば、奇数角形セルは、図21cで示したような底面が直角三角形の角柱でもよいし、図21dで示したような底面が五角形の角柱の側面を形成するように配置されたものでもよい。
次に奇数角セルを用いた光学ユニットについて説明する。
図22は、奇数角形セルを用いた光学ユニットを模式的に示した上面図である。なお、図22では、奇数角形セルとして底面が正五角形の角柱である五角形セルが用いられている。
図22において、光学ユニットは、支持板330と、五角形セル331〜334と、導光板335と、直角プリズム336および337と有する。
五角形セル331〜334は、光循環セル群を構成する。
五角形セル331〜334は、ガラスで形成された正五角柱のプリズム(ペンタプリズム)である。五角形セル331〜334のそれぞれは、五角形セル331〜334のそれぞれの半透過鏡になる側面が一直線上に並ぶように支持板330上に並設される。
導光板335、直角プリズム336および337は、五角形セル331〜334の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、五角形セル331〜334へ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光351として出射する。
導光板335は、直方体状のガラス板である。導光板335の側面のいずれかが、五角形セル331〜334のそれぞれのある側面と接するように支持板200上に設けられる。導光板335の五角形セル331〜334と接する側面には、半透過膜338が形成されている。
これにより、五角形セル331〜334のそれぞれの導光板335に接する側面が半透過鏡となる。また、五角形セル331〜334の半透過鏡と異なる4つの側面は、五角形セル331〜334の外部(空気)と五角形セル331〜334を形成するプリズムとの屈折率の違いにより、反射部として機能する。
導光板335の半透過膜338が形成された側面に対向する側面である反射面339は、前段の五角形セルから出射された光を反射して、後段の五角形セルに入射する。なお、導光板335は直方体状であるので、反射面339と、各五角形セルの半透過鏡とは互いに平行になる。また、反射面339は、導光板335を形成するガラスと導光板335の外部(空気)との屈折率の違いにより、各光循環セルから出射された光を反射する。なお、反射面339に全反射膜が形成されていてもよい。
導光板335の反射面339の両端部は、直角プリズム336および337のそれぞれの斜面と異なる面と接している。
直角プリズム336の斜面は、入射光350を五角形セル331に入射するための入射部となる。直角プリズム336の入射部には、入射光350の反射を抑制するための反射防止膜340が形成されている。
直角プリズム337の斜面は、光循環セル群からの出射光を出射光351として出射するための出射部となる。直角プリズム337の入射部には、出射光351の反射を抑制するための反射防止膜341が形成されている。
一般に、底面が正s角形の角柱の光循環セルの場合、その光循環セルの半透過鏡に入射される入射光の入射角は、180(s−2)/2s[°]であり、その入射光の入射位置がその光循環セルの半透過鏡の中心であれば、その入射光の半透過面における入射位置と、その光循環セル内の循環光の半透過面における入射位置とが一致する。このため、図22で示した光学ユニットでは、入射光350は、五角形セル331の半透過面に対して入射角度54°で入射されれば、入射光350の半透過面における入射位置と、光循環セル内の循環光352の半透過面における入射位置とが一致する。
次に動作を説明する。
入射光350が、直角プリズム336の入射部を介して、五角形セル331の半透過鏡に入射されると、その半透過鏡によって反射光と透過光とに分岐される。反射光は、五角形セル331から出射光として出射される。
透過光は、循環光352として五角形セル331の内部を循環して五角形セル331の半透過鏡に入射される。循環光352のうちその半透過鏡で透過された光は、その反射光と合成され出射光として出射される。また、その循環光352のうち半透過鏡で反射された光は、その透過光と合成されて、循環光352として再び五角形セル331の内部を循環する。
五角形セル331から出射された出射光は、後段の五角形セル332の入射光として、導光板335の反射面339で反射され、五角形セル332の半透過鏡に入射される。
このような動作が五角形セル332〜334まで順番に繰り返される。そして、光循環セル334から出射された出射光は、導光板335および直角プリズム337を介して、出射光351として直角プリズム337の出射部から出射される。
図23は、五角形セルを用いた光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図23において、光学ユニットは、支持板330と、五角形セル331〜334と、導光板360とを有する。
図23では、五角形セル331〜334は、間隙なく並設される。各五角形セルは、入射面以外の側面は、他の五角形セルと隣接する面には、全反射膜が設けられている。これにより、五角形セル内の循環光352が、他の五角形セルに透過されることを抑制することができる。
導光板360は、五角形セル331〜334の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、五角形セル331〜334のそれぞれへ光を入射するとともに、その光循環セル群からの出射光を出射光115として出射する。
導光板360は、ガラスで形成され、五角形セル331〜334のそれぞれの半透過鏡に接するように支持板330上に設けられる。
また、導光板360には、前段の五角形セルから出射された光を反射して、後段の五角形セルに入射することができるように、五角形セル331〜334の半透過鏡の逆側の面には反射面362が形成される。
また、導光板360の入射光350の入射面363には、入射光350が屈折しないように、つまり、入射光350が導光板360に対して垂直に入射されるように傾斜がつけられる。また、入射面363には、入射光350の反射を防止するための反射防止膜が形成されてもよい。
また、導光板360の出射光351が出射される出射面364には、出射光351が屈折しないように、つまり、出射光351が導光板360に対して垂直に出射されるように傾斜がつけられる。また、出射面364には、出射光351の反射を防止するための反射防止膜が形成されてもよい。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルは、前記入射面が側面をなし、底面が奇数角の柱状多面体の奇数角形セルである。
この場合、奇数角形セルから出射される入射光の幅は入射角度に依存しないので、入射角度のずれによる入射光の幅の拡大を抑制することが可能になる。
また、半透過鏡における入射光の入射位置がその半透過鏡の中心からずれても、循環光は、奇数角形セルの内部を2回循環すると再び入射光の入射位置に入射される。このため、入射位置のずれによる入射光の拡大を抑制することが可能になる。
次に第四の実施形態について説明する。
本実施形態では、光循環セルが、その光循環セルの入射面が側面をなし、底面が偶数角の角柱(柱状多面体)である場合について説明する。以下、このような光循環セルを偶数角形セルと称する。なお、第一および第二の実施形態で説明した光循環セルも偶数角形セルである。
図24は、偶数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。図24では、偶数角形セルとして、底面が六角形の角柱である六角形セルが示されている。
図24において、六角形セルは、半透過鏡401と、反射鏡402〜406とを有する。半透過鏡401と反射鏡402〜406は、底面が六角形の角柱の側面を形成するように配置される。なお、図24では、底面が正六角形になっている。
半透過鏡401は、入射光411を反射および透過して反射光412と透過光413に分岐する。
反射光412は、出射光として出射される。
また、透過光413は、循環光414として反射鏡402〜406の順番で反射され半透過鏡401に入射される。その入射された循環光414のうち半透過鏡404で透過された光は、反射光412に合成された出射光として出射される。また、その入射された循環光414のうち半透過鏡401で反射された光は、透過光313に合成され、再び循環光314として奇数角セルの内部を循環する。
次に偶数角形セルの特性について説明する。
偶数角形セルでは、入射光411の半透過鏡401における入射角度θが設定入射角度であれば、入射光411の半透過鏡401における入射位置が半透過鏡401の中心からずれても、偶数角形セルの出射光の幅は変化しない。つまり、入射角度θが設定入射角度であれば、偶数角形セルの出射光の幅は、入射位置に依存しない。
また、偶数角形セルの場合、入射角度θが設定入射角度からずれると、偶数角形セルの出射光の幅は、その偶数角形セル内の循環光の単体回転数n’’に比例して拡大する。
以下、出射光の幅と単体回転数との関係について説明する。
図25および図26は、出射光の幅と単体回転数n’’との関係を説明するための説明図である。図25および図26では、上面から見た、底面が正方形の正方形セルが示されている。なお、正方形セルの設定入射角は、45°である。
図25では、半透過鏡420における入射光421の入射角度θは44.45°である。また、循環光422は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光423は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光424は入射光421の半透過鏡420における反射光であり、循環透過光425は、循環光422の半透過鏡420における透過光であり、循環透過光426は、循環光423の半透過鏡420における透過光である。なお、反射光424、循環透過光425および426のそれぞれが、光循環セルからの出射光となる。
図25で示されたように、循環光422および423の半透過鏡420における入射位置は、入射光421の半透過鏡420における入射位置からずれる。以下、循環光の半透過鏡における入射位置を帰還位置と称し、入射光の半透過鏡における入射位置を初期入射位置と称する。
また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなるので、循環透過光の光軸の、反射光424の光軸からのずれも大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光424とが合成された光の幅が大きくなる。
図26では、半透過鏡430における入射光431の入射角度θは44.45°である。また、循環光432は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光433は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光434は入射光431の半透過鏡430における反射光であり、循環透過光435は、循環光432の半透過鏡430における透過光であり、循環透過光436は、循環光433の半透過鏡430における透過光である。なお、反射光434、循環透過光435および436のそれぞれが、光循環セルからの出射光となる。
図25の場合と同様に、帰還位置は初期入射位置からずれる。また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光434とが合成された出射光の幅が大きくなる。
また、図25および図26を比較することにより、同じ単体回転数n’’でも、入射角度θが設定入射角度からずれるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって入射角θが設定入射角度からのずれるほど、循環透過光と反射光434とが合成された光の幅が大きくなる。
図27は、単体回転数n’’が1〜5の場合における入射角度と帰還位置の初期入射位置からのずれとの関係を示したグラフである。図27において、横軸は、入射角度θ[°]を示し、縦軸は、正方形セルの横幅を100%としたときの帰還位置の初期入射位置からのずれ量Z[%]を示す。なお、図27において、設定入射角度は45°である。
図27で示されたように、入射角θが設定入射角度45°からずれるほど、ずれ量Zは大きくなる。また、同じ入射角θでも、単体回転数n’’が大きくなるほど、ずれ量Zは大きくなる。
このずれ量Zを解析すると、Z=2(tanθ−tan45°)×100[%]であることがわかる。
このような特性は、設定入射角度が45°の場合に限らず、設定入射角度が任意の角度でも生じる。
図28は、設定入射角度が42度の場合における出射光の幅と回転数との関係を説明するための説明図である。図28では、底面が長方形の長方形セルが示されている。長方形セルの横幅と縦幅の比率は、tan42(≒0.900):1となる。
図28では、半透過鏡440における入射光441の入射角度θは42.4°である。また、循環光442は、単体回転数n’’が1の循環光であり、循環光443は、単体回転数n’’が2の循環光である。また、反射光444は入射光441の半透過鏡440における反射光であり、循環透過光445は、循環光442の半透過鏡440における透過光であり、循環透過光446は、循環光443の半透過鏡440における透過光である。
図25の場合と同様に、帰還位置は初期入射位置からずれる。また、単体回転数n’’が大きくなるほど、帰還位置の初期入射位置からのずれが大きくなる。したがって、単体回転数n’’が大きくなるほど、循環透過光と反射光444とが合成された出射光の幅が大きくなる。
図29は、設定入射角度が42°の場合における入射角度と帰還位置の初期入射位置からのずれとの関係を示したグラフである。図29において、横軸は、入射角度θ[°]を示し、縦軸は、ずれ量Z[%]を示す。
図29で示されたように、入射角θが設定入射角度42°からずれるほど、ずれ量Zは大きくなる。また、同じ入射角θでも、単体回転数n’’が大きくなるほど、ずれ量Zは大きくなる。
このずれ量Zを解析すると、Z=2(tanθ−tan42°)×100[%]であることがわかる。また、設定入射角度をγとすると、ずれ量は、Z=2(tanθ−tanγ)×100[%]で表される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルは、前記入射面が側面をなし、底面が偶数角の柱状多面体の偶数角形セルである。
この場合、入射角度θが設定入射角度であれば、偶数角形セルから出射される入射光の幅は、入射位置に依存しなので、入射位置のずれによる入射光の幅の拡大を抑制することができる。
次に第五の実施形態について説明する。
本実施形態では、簡便に作製可能な光学ユニットについて説明する。
図30は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図30において、光学ユニットは、支持板500と、光循環セル501〜503を備える光循環セル群と、導光板504とを有する。
支持板500は、例えば、アルミで板状に形成される。光循環セル501〜503は、間隙なく並設される。また、導光板504は、光循環セル501〜503の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル501〜503へ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光506として出射する。
光循環セル501〜503と導光板504は、支持板500上に設けられた17個の直角プリズムで形成される。直角プリズムには、4種類あり、全て同じ大きさである。
図31は、4種類の直角プリズムのそれぞれを示した説明図である。図31では、直角プリズムS〜Vが示されている。直角プリズムSは、斜面に半透過膜S1が形成されている。直角プリズムTは、斜面に全反射膜T1が形成されている。直角プリズムUは、斜面と異なる面の一方に反射防止膜U1が形成されている。直角プリズムVは、半透過膜、全反射膜および反射防止膜が形成されていない通常の直角プリズムである。
図30に戻る。光循環セル501〜503と導光板504は、3個の直角プリズムSと、2個の直角プリズムTと、2個の直角プリズムUと、10個の直角プリズムVとで形成される。
光循環セル501は、入射光505が最初に入射される最前段の光循環セルであり、光循環セル503は、入射光505が最後に入射される最後段の光循環セルである。光循環セル501および503のそれぞれは、1個の直角プリズムSと、3個の直角プリズムVとを有する。
光循環セル501および503のそれぞれでは、直角プリズムSおよびVのそれぞれが、その直角プリズムSおよびVとのそれぞれの斜面が側面となる、底面が正方形の角柱を形成するように配置される。
光循環セル502は、1個の直角プリズムSと、2個の直角プリズムTと、1個の直角プリズムVを有する。
光循環セル502では、直角プリズムS、TおよびVのそれぞれが、その直角プリズムS、TおよびVのそれぞれの斜面が側面となる、底面が正方形の角柱を形成するように配置される。また、直角プリズムSの斜面で形成された側面に対向する側面は、直角プリズムVの斜面で形成される。
また、光循環セル501〜503のそれぞれの直角プリズムSの斜面が一直線上に並び、かつ、光循環セル502の直角プリズムT形成された側面のそれぞれには、光循環セル501および503のそれぞれの直角プリズムVで形成された側面が接するように、光循環セル501〜503のそれぞれが配置される。
これにより、光循環セル501〜503のそれぞれでは、直角プリズムSの斜面で形成された側面が半透過鏡となり、その側面以外の側面が反射鏡となる。
導光板504は、2個の直角プリズムUと、3個の直角プリズムVとを有する。導光板504では、直角プリズムUおよびVは、底面が台形の角柱を形成するように配置される。このとき、2個の直角プリズムVのそれぞれの斜面が上底面であり、残りの直角プリズムVと2個の直角プリズムUとの斜面が下底面となるように配置される。また、角柱の上底面および下底面と異なる2つの面は、2個の直角プリズムUの反射防止膜U1が形成された面となる。なお、上底面とは、底面の台形の上底を有する側面であり、下底面とは、底面の台形の下底を有する側面である。
導光板504の下底面は、光循環セル501〜503のそれぞれの直角プリズムSの斜面と接する。
導光板504の一方の直角プリズムUの反射防止膜U1が形成された面が、入射光505が入射されるための入射部507となり、他方の直角プリズムUの反射防止膜U1が形成された面が、入射光505を出射光506として出射する出射部508となる。
また、導光板504の下底面は、光循環セル501〜503のそれぞれの直角プリズムSの斜面と接する。これにより、導光板504の上底面が、各光循環セルから出射された入射光505を反射して、その光循環セルと異なる光循環セルに入射する反射面509となる。
図32は、本実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図32において、光学ユニットは、支持板500と、光循環セル511〜513を備える光循環セル群と、導光板514とを有する。
光循環セル511〜513のそれぞれの間には、間隙が設けられる。また、導光板514は、光循環セル511〜513の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル511〜513へ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光506として出射する。
光循環セル511〜513と導光板514は、支持板500上に設けられた、3個のガラスキューブAと、2個の直角プリズムUと、3個の直角プリズムVと、1個の半透過板Bとで形成される。半透過板Bはガラス板であり、半透過板Bの側面のいずれかには、半透過膜B1が形成される。
光循環セル511〜513のそれぞれは、ガラスキューブAで形成される。ガラスキューブAの全ての面は研磨されている。
光循環セル511〜513のそれぞれは、ある面が一直線上に並ぶように、互いに平行に設けられる。また、光循環セル511〜513のそれぞれの間には、間隙が設けられる。
導光板514は、2個の直角プリズムUと、3個の直角プリズムVと、半透過板Bとで形成される。2個の直角プリズムUと、3個の直角プリズムVとは、図30で示した導光板504と同じ底面が台形の角柱を形成するように配置される。また、その角柱の下底面は、半透過板Bの半透過膜B1が形成された側面と対向する側面と接する。
導光板514の半透過板Bの半透過膜B1が形成された側面は、光循環セル511および513のそれぞれのある側面と接続される。これにより、光循環セル511および513のそれぞれの半透過板Bと接続された側面が半透過鏡となり、その側面以外の側面が反射鏡となる。
なお、図30で示した導光板504と同様に、導光板514を形成する一方の直角プリズムUの斜面が入射部507となり、他方の直角プリズムVの斜面が出射部508となる。また、導光板504の上底面が反射面509となる。
図33は、本実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図33において、光学ユニットは、支持板500と、光循環セル511〜513を備える光循環セル群と、導光板521とを有する。
光循環セル511〜513のそれぞれの間には、間隙が設けられる。また、導光板521は、光循環セル511〜513の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル511〜513へ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光506として出射する。
導光板521は、半透過板B’で形成される。半透過板B’の一つの側面には、半透過膜522が形成さる。
導光板521の半透過膜が形成された面は、光循環セル511および513のそれぞれの一つの面と接する。これにより、光循環セル511および513のそれぞれの導光板521と接触された面がその光循環セルの半透過鏡となる。
また、導光板521の半透過膜522が形成された面に対向する側面が反射面509となる。
また、反射面の両端部それぞれには、反射防止膜523および524が形成される。この反射防止膜523および524が形成された箇所のそれぞれが、入射部507および出射部508となる。
図34は、本実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図34において、光学ユニットは、支持板500と、光循環セル511〜513を備える光循環セルと、導光板531と、2個の直角プリズムC’を有する。
光循環セル511〜513のそれぞれの間には、間隙が設けられる。また、導光板531および2個の直角プリズムC’は、光循環セル511〜513の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル511〜513へ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光506として出射する。
導光板531は、半透過板B’’で形成される。半透過板B’’は、図33で示した半透過板B’の反射面509から反射防止膜523および524を除いたものと同じである。
また、導光板531の反射面509の両端部のそれぞれは、直角プリズムC’のそれぞれの斜面と接続される。一方の直角プリズムC’の斜面と異なる面が入射部507となり、他方の直角プリズムC’の斜面と異なる面が出射部508となる。なお、入射部507および出射部508には、反射防止膜が形成される。
また、導光板531の半透過膜が形成された側面と、光循環セル511および513のそれぞれの一つの面とが接触される。これにより、光循環セル511および513のそれぞれの導光板531と接触された面がその光循環セルの半透過鏡となる。
図32〜図34で示した光学ユニットでは、光循環セル511〜513のそれぞれは、底面が正方形の角柱なので、設定入射角度45°である。したがって、光循環セル511〜513の一辺の長さをa、光循環セル511〜513のそれぞれの間隔をcとすると、反射面509と光循環セル511〜513の透過鏡との間の長さdは、d=(a+c)/2であることが望ましい。
また、図30で示した光学ユニットでは、光循環セル511〜513のそれぞれは互いに接しているので、d=a/2であることが望ましい。
なお、図30、図32〜図34において、各直角プリズム、ガラスキューブおよびガラス板の接続面には光の反射および屈折が発生しないように屈折率マッチングジェルが塗られている。
次に第六の実施形態について説明する。
図35は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図35において、光学ユニットは、支持板600と、導光板601と、光循環セル602〜608を備える光循環セル群と、直角プリズム609および610とを有する。
支持板600は、例えば、アルミで形成される。
導光板601、直角プリズム609および610は、光循環セル602〜608の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル602〜608へ光を入射するとともに、その光循環セル群からの出射光を出射光621として出射する。
導光板601は、ガラスで板状に形成され、支持板600上に設けられる。導光板601の1組の互いに対向する側面のそれぞれには、半透過膜611および612のそれぞれが形成される。
また、導光板601の半透過膜611が形成された側面に垂直な側面の一方には、直角プリズム609の斜面が接続されている。直角プリズム609の斜面と異なる面の一方が、入射光620が入射されるための入射部609aとなる。
また、導光板601の直角プリズム609が接続された側面に対向する側面側の、導光板601の半透過膜612が形成された面の端部には、直角プリズム610の斜面が接続されている。直角プリズム610の斜面と異なる面の一方が、入射光620を出射光621として出射するための出射部610aとなる。また、導光板601と直角プリズム610の接続部には、半透過膜612は形成されていない。
光循環セル602〜608は、底面が正方形の角柱である正方形セルである。なお、底面である正方形の辺の長さは、aとする。
導光板601の半透過膜611が形成された側面には、光循環セル602〜605のそれぞれのある側面が接続されている。これにより、光循環セル602〜605は、導光板601と接続する面を半透過鏡として有することになる。この半透過鏡である面は、入射光620が入射される入射面となる。
導光板601の半透過膜612が形成された側面には、光循環セル606〜608のそれぞれのある側面が接続されている。これにより、光循環セル602〜605は、導光板601の面を半透過鏡として有することになる。この半透過鏡である面は、入射光620が入射される入射面となる。なお、半透過膜612は、光循環セル605〜608が接する箇所に形成される。
これにより、光循環セル602〜608は、光循環セル602〜605と、光循環セル606〜608との2列に設けられる。また、各列の光循環セルは、導光板601を挟んで設けられる。さらに、各列の光循環セルの入射面は、他の列の光循環セルの入射面に対向する反射面と兼用される。
光循環セル602〜608は、底面の一辺の長さがaの正方形となる角柱である正方形セルであるので、入射光620の設定入射角は45°となる。
光学ユニットの形状は、入射光620の入射角度θが設定入射角は45°であるときに、光循環セル602〜605のそれぞれにおける入射光620の入射位置がその光循環セルの透過鏡の中心となるように、d=(a+c)/2を満たすものとする。なお、光循環セル602〜608の半透過鏡と、その半透過鏡に対向する反射面との間の長さである。
また、光循環セル606〜608は、入射光620の入射角度θが設定入射角は45°であるときに、その光循環セルにおける入射光620の入射位置がその光循環セルの透過鏡の中心となるように配置される。
次に動作を説明する。
入射部609aに入射された入射光620は、半透過膜612が形成された面で反射して光循環セル602の半透過鏡に入射される。なお、入射光620が反射される箇所には、半透過膜612が形成されていない。
入射光620は、その半透過鏡によって反射光および透過光に分岐される。反射光は、出射光として光循環セル602から出射される。
透過光は、循環光として光循環セル602の内部を循環して光循環セル602の半透過鏡に入射される。循環光のうちの半透過鏡で透過された光は、反射光と合成され出射光として出射される。また、その循環光のうち半透過鏡で反射された光は、透過光と合成されて、循環光として再び光循環セル602の内部を循環する。
光循環セル602から出射された出射光は、循環セル606の入射光として、反射面613を半透過鏡として有する光循環セル606に入射される。光循環セル606からの出射光は、光循環セル603の入射光として、光循環セル603に入射される。
以下、このような動作が、光循環セル603、607、604、608および605の順番で繰り返される。そして、光循環セル605から出射された出射光は、導光板601および直角プリズム610を介して、直角プリズム610の出射部610aから出射光621として出射される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セル606〜608のそれぞれは、2列に並設される。また、各列の光循環セルの入射面は、他の列の光循環セルの入射面に対向する反射面と兼用される。
この場合、光循環セルを2列に並設することが可能になるので、光学ユニットの装置規模(長さ)の増加を抑制することが可能になる。
次に第七の実施形態について説明する。
図36は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図36において、光学ユニットは、図35で示した光学ユニットから直角プリズム610を除いた構成を有する。
直角プリズム610が除かれたことで、導光板601の直角プリズム609が接続された側面と対向する側面側に、光循環セル群の所定の位置からの出射光を反射して、再び光循環セル群に入射する反射部614が形成される。本実施形態では、所定の位置は、光循環セル605の出射光の出射位置である。また、反射部614は、光循環セル群の出射光である、光循環セル605からの出射光を、光循環セル605に入射する。
また、直角プリズム609の斜面と異なる側面のうち、入射部609aと異なる側面が、入射光620を出射光621として出射するための出射部609bとなる。
次に動作を説明する。
入射部609aに入射された入射光620は、導光板601の半透過膜612が形成された面で反射されて、光循環セル602の半透過鏡に入射される。光循環セル602からの出射光は、光循環セル606の入射光として光循環セル606に入射される。
以下、このような動作が、光循環セル606、603、607、604、608および605の順番で繰り返される。そして、光循環セル605からの出射光は、反射部614で復路光622として反射して、再び光循環セル605に入射する。なお、復路光622が、光循環セル605の半透過鏡に対して設定入射角で入射され、かつ、入射光620の入射位置と異なる位置に入射されるように、反射部614が形成されることが望ましい。
ここで、光循環セル605の半透過鏡は、復路光622が入射されると、その復路光622を反射および透過して復路反射光623および復路透過光624と分岐する。
復路反射光623は、光循環セルの出射光として出射される。
また、復路透過光624は、光循環セル605の内部を循環して半透過鏡に入射する。復路透過光624のうちの半透過鏡で透過された光は、反射光と合成され出射光として出射される。また、復路透過光624のうち半透過鏡で反射された光は、復路透過光と合成されて、再び光循環セル602の内部を循環する。
以下、このような動作が、光循環セル608、604、607、603、606および603の順番で繰り返される。そして、光循環セル603から出射された出射光は、導光板601および直角プリズム609を介して、直角プリズムの出射部609bから出射光621として出射される。
図36で示した光学ユニットは、入射部609aと出射部609bとが同じ直角プリズム609に形成されていたが、入射部609aと出射部609bとが異なる直角プリズムで形成されていてもよい。
図37は、入射部と出射部とが異なる直角プリズム610に形成された光学ユニットを模式的に示した上面図である。図37において、光学ユニットは、支持板600と、導光板601と、光循環セル602〜608と、直角プリズム630および631とを有する。
導光板601の半透過膜612が形成された側面の、反射部614が形成された側面側と対向する側面側の端部には、直角プリズム630の斜面が接続される。この直角プリズム630の斜面と異なる面の一方が入射部609aとなる。
また、導光板601の半透過膜612が形成された側面に対向する側面の、反射部614が形成された側面側と対向する側面側の端部には、直角プリズム631の斜面が接続される。この直角プリズム631の斜面と異なる面の一方が出射部609bとなる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、導光板601の反射部615は、光循環セル群の所定の位置からの出射光を、再び光循環セル群へ入射する。
この場合、同じ光循環セルの数で、入射光をより多くの光循環セルに入射することが可能になる。したがって、装置規模を抑制しながら、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
次に第八の実施形態について説明する。
図38は、本実施形態の光循環セルを模式的に示した上面図である。
図38において、光循環セルは、半透過鏡701と、反射鏡702〜704とを有する。
光循環セルは、底面が長方形の四角柱である。具体的には、半透過鏡701と反射鏡702〜704は、底面が長方形の四角柱の側面を形成する。反射鏡702および704は、半透過鏡701と垂直な側面を形成し、反射鏡703は、半透過鏡701と平行な側面を形成する。
半透過鏡701は、入射光711を反射および透過して反射光712および透過光713に分岐する。
反射鏡702および704は、透過光713を循環光714として交互に反射して反射鏡703に入射する。反射鏡703は、その入射された循環光714を反射する。反射鏡702および704は、反射鏡703で反射された循環光714を交互に反射して半透過鏡701に入射する。
半透過鏡701は、その入射された循環光714を反射および透過する。半透過鏡701は、循環光714のうちの透過した光を反射光712と合成して出射する。また、半透過鏡701は、循環光714のうち反射した光を透過光713に合成して再びその光循環セル内を循環させる。
なお、反射鏡702および704のそれぞれは、図38では、循環光714を反射鏡703に入射するまでに、1回ずつ循環光714を反射していたが、実際には、複数回ずつ循環光714を反射してもよい。
また、循環光714の循環光路では、半透過鏡701から反射鏡703までの光路と、反射鏡703から半透過鏡701までの光路とが交差する。このため、循環光路の形状は、複数のループが繋がったように見える。このループの数は、半透過鏡701から反射鏡703までの循環光路において、循環光が反射鏡702および704で反射される数と同じになる。以下、このループの数をループ数と称する。また、図38で示したような光循環セルをロッドセルと称し、第一の実施形態などで説明した四角形セルと区別する。
ここで、入射光711の半透過鏡701における入射角度をθとし、ループ数をAとした場合、ロッドセルの横幅と縦幅の比率は、1:A/tanθを満たすことが望ましい。この場合、入射光711の半透過鏡701における入射位置と、循環光714の半透過鏡701における入射位置とが一致する。なお、Aは、2以上の整数であるとする。
また、入射角度θは、45°であることが望ましい。これは、入射光711の半透過鏡701における入射位置が半透過鏡701の中心からずれても、出射光の幅は変化しないので、入射位置のずれによる出射光の幅の増加を抑制することができるからである。このため、ロッドセルの横幅と縦幅の比率は、1:Aを満たすことが望ましい。
次にロッドセルの特性を説明する。
図39は、ロッドセルの特性を説明するための説明図である。なお、入射角度θを45°としている。
図39で示されるように、循環光路長Lを確保するのに必要な正方形セルの面積がS1であったとする。この場合、循環光路長Lを確保するのに必要なループ数2のロッドセルの面積は、S1/2になる。また、ループ数が4のロッドセルの面積は、S1/4になる。
また、循環光路長2Lを確保するのに必要な四角形セルの面積がS2であったとする。この場合、循環光路長Lを確保するのに必要な、ループ数が8のロッドセルの面積は、S2/8になる。
したがって、入射角度θを45°の場合、ある循環光路長を確保するのに必要なロッドセルの底面の大きさは、ループ数に半比例することが分かる。
次にロッドセルを用いた光学ユニットについて説明する。
図40は、ロッドセルを用いた光学ユニットを模式的に示した三面図である。なお、図40中の正面図は、上面図のAB断面図に相当する。
図40において、光学ユニットは、支持板720と、導光板721と、ロッドセル722〜725を備える光循環セル群と、直角プリズム726および727とを有する。導光板721と、ロッドセル722〜725と、直角プリズム726および727とは、支持板720上に設けられる。
導光板721、直角プリズム726および727は、ロッドセル722〜725の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、ロッドセル722〜725のそれぞれへ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光731として出射する。
導光板721は、ガラスで板上に形成される。
導光板721の側面のいずれかには、半透過膜728が形成されている。
導光板721の半透過膜728が形成された側面は、ロッドセル722〜725のそれぞれのある側面と接続される。これにより、導光板721の半透過膜728が形成された側面と接続されたロッドセル722〜725のそれぞれの側面がそのロッドセルの半透過鏡となる。また、導光板721の半透過膜728が形成された側面に対向する側面は、前段のロッドセルから出射された出射光を、後段のロッドセルに入射する反射面729となる。
また、ロッドセル722〜725のそれぞれは、互いに並設される。さらに、ロッドセル722〜725のそれぞれの間には、間隙が設けられている。
なお、支持板200には、ロッドセル722〜725のそれぞれを埋め込むための埋め込み溝が形成されており、ロッドセル722〜725のそれぞれは、その埋め込み溝のそれぞれに埋め込まれる。
ロッドセル722〜725のそれぞれは、ガラスで底面が長方形の角柱状に形成される。また、ロッドセル722〜725のそれぞれの横幅と縦幅の比率は、1:4である。
導光板721の半透過膜728が形成された側面に対向する反射面729の両端部は、直角プリズム726および727のそれぞれの斜面と異なる面の一方と接続される。
直角プリズム726の斜面は、入射光730が入射されるための入射部726aとなり、直角プリズム727の斜面は、入射光730を出射光731として出射するための出射部727aとなる。
次に動作を説明する。
直角プリズム726の入射部726aに入射された入射光730は、ロッドセル722の半透過鏡に入射される。なお、半透過鏡における入射光730の入射角度は、45°であるとしている。
入射光730は、その半透過鏡によって反射光と透過光とに分岐される。その透過光は、循環光733としてロッドセル722の半透過鏡と垂直な反射鏡で交互に2回ずつ反射されて、その半透過鏡と平行な反射鏡に入射される。そして、その半透過鏡と平行な反射鏡で反射された循環光733は、の半透過鏡と垂直な反射鏡で交互に反射され、その半透過鏡に入射される。
その半透過鏡に入射された循環光733の一部は、その半透過鏡を透過して反射光に合成されて入射光730として出射される。その入射光は、導光板721の反射面729で反射されロッドセル723に入射される。
以下、このような動作がロッドセル723〜725まで順番に繰り返される。そしてロッドセル725から出射された光は、出射光731として直角プリズム727の出射部727aから出射される。
図41は、ロッドセルを用いた光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図41は、入射光が導光板を往復する光学ユニットにロッドセルを用いた例を示している。
図41において、光学ユニットは、支持板740と、導光板741と、ロッドセル742〜745を備える複数の光循環セル群と、直角プリズム746とを有する。導光板741と、ロッドセル742〜745と、直角プリズム746とは、支持板740上に設けられる。
導光板741および直角プリズム746は、ロッドセル742〜745の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、ロッドセル742〜745のそれぞれへ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光741として出射する。
導光板741は、ガラスで板上に形成される。
導光板741の側面のいずれかには、半透過膜747が形成されている。
導光板741の半透過膜747が形成された側面は、ロッドセル742〜745のそれぞれのある側面と接続される。これにより、導光板741の半透過膜747が形成された側面と接続されたロッドセル742〜745の側面がそのロッドセルの半透過鏡となる。
また、ロッドセル742〜745のそれぞれは、互いに並設される。さらに、ロッドセル742〜745のそれぞれの間には、間隙が設けられている。
また、導光板741の半透過膜747が形成された側面に対向する側面は、前段のロッドセルから出射された出射光を、後段のロッドセルに入射する反射面748となる。
ロッドセル742〜745のそれぞれは、ガラスで、底面が長方形の角柱状に形成される。また、ロッドセル742〜745のそれぞれの横幅と縦幅の比率は、1:4である。
導光板741の半透過膜747が形成された側面に垂直な側面のうち、ロッドセル742に近い方の側面に、直角プリズム746の斜面が接続される。
直角プリズム746の斜面と異なる側面の一方が、入射光750が入射されるための入射部746aとなり、直角プリズム746の斜面と異なる側面の他方は、入射光750を出射光751として出射するための出射部746bとなる。なお、入射部764aおよび出射部764には、反射防止膜が形成されていてもよい。
また、導光板741の直角プリズムが接続された側面に対向する側面側に、光循環セル群の所定の位置からの出射光を反射して、光循環セル群に入射する反射部767が形成される。本実施形態では、所定の位置は、ロッドセル744の出射位置である。また、反射部767は、光循環セル群の出射光である、ロッドセル744からの出射光を、ロッドセル745に入射する。
次に動作を説明する。
直角プリズム746の入射部746aに入射された入射光750は、ロッドセル742の半透過鏡に入射される。なお、半透過鏡における入射光730の入射角度は、45°であるとしている。
入射光750は、その半透過鏡によって反射光と透過光とに分岐される。その反射光は、出射光としてロッドセルから出射される。
また、透過光は、循環光753としてロッドセル742の半透過鏡と垂直な反射鏡で交互に反射されて、その半透過鏡と平行な反射鏡に入射される。そして、その半透過鏡と平行な反射鏡で反射された循環光753は、の半透過鏡と垂直な反射鏡で交互に反射され、半透過鏡に入射される。
半透過鏡に入射された循環光753のうち、その半透過鏡で透過された光は、その反射光に合成されて出射光として出射される。半透過鏡に入射された循環光753のうち、その半透過鏡で反射された光は、透過光に合成されて再びロッドセル742の内部を循環する。
ロッドセル742から出射された出射光は、ロッドセル744の入射光として、導光板741の反射面748で反射され、ロッドセル744に入射される。
その後、ロッドセル744から出射された出射光は、反射部749で反射され、ロッドセル745に入射される。そして、ロッドセル745から出射された出射光は、反射面748で反射されロッドセル743に入射される。ロッドセル743から出射された出射光は、反射面748で反射され、直角プリズム746の出射部746bから出射光752として出射される。
図42は、ロッドセルを用いた光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図42において、光学ユニットは、支持板760と、導光板761と、ロッドセル762a〜762kを備える光循環セル群と、ランダム位相板763と、直角プリズム764とを有する。導光板761、ロッドセル762a〜762k、ランダム位相板763および直角プリズム764は、支持板760上に設けられる。
導光板761および直角プリズム764は、ロッドセル762a〜762kの半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、ロッドセル762a〜762kのそれぞれへ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光772として出射する。
導光板761は、ガラスで板上に形成される。
導光板761の側面のいずれかには、半透過膜765が形成されている。
導光板761の半透過膜765が形成された側面には、ロッドセル762a〜762kのそれぞれのある側面が接続される。これにより、導光板761の半透過膜765が形成された側面と接続された、ロッドセル762a〜762kのそれぞれの側面が半透過鏡となる。
また、導光板761の半透過膜765が形成された側面に対向する側面は、前段のロッドセルから出射された出射光を、後段のロッドセルに入射する反射面766となる。
導光板761の半透過膜765が形成された側面に垂直な側面の一方の側面は、直角プリズム764の斜面が接続されている。直角プリズム764の斜面と異なる側面の一方が、入射光770が入射されるための入射部764aとなり、直角プリズム764の斜面と異なる側面の他方は、入射光770を出射光771として出射するための出射部764bとなる。なお、入射部764aおよび出射部764には、反射防止膜が形成されていてもよい。
また、導光板741の直角プリズムが接続された側面に対向する側面側に、光循環セル群の所定の位置からの出射光を反射して、光循環セル群に入射する反射部767が形成される。本実施形態では、所定の位置は、ロッドセル762jの出射位置である。また、反射部614は、光循環セル群の出射光である、ロッドセル762jからの出射光を、ロッドセル762kに入射する。
ロッドセル742〜745のそれぞれは、ガラスで、底面が長方形の角柱状に形成される。また、ロッドセル762a〜762kのそれぞれでは、横幅と縦幅との比率が1:8となっている。
ロッドセル762a〜762kは、互いに間隙なく並設されている。なお、ロッドセル762a〜762kのそれぞれでは、他のロッドセルと隣接する側面には、反射膜768が形成される。
ロッドセル762a〜762kの、導光板761の半透過膜765が形成された側面と対向する側面は、入射された光の位相をランダムにシフトしてその光を反射するランダム位相板763が接続される。なお、ランダム位相板は、本実施形態のロッドセルに限らず、光循環セルの各反射鏡の少なくとも一つに接続されていればよい。
図43aは、ランダム位相板763を模式的に示した表面図である。また、図43bは、ランダム位相板763の763a部分の拡大図である。
ランダム位相板763は、その表面に、複数の微細なセルが2次元配列された構造を有する。セルは、例えば、一辺が約100μm程度の正方形状をしている。
セルには、高低(凹凸)がつけられており、互いに隣接するセルの高低はランダムになっている。また、その高低差は、入射光770の波長の半分程度である。図43aでは、ランダム位相板763の高いセル763cが、その低いセルが、白い領域で示されている。なお、セルの高さは多段になっていてもよい。
また、ランダム位相板763は、例えば、以下のように製造する。先ず、チタンなどの金属膜が100μm程度のセル状にランダムに蒸着されたプリズムやガラス板を用意する。なお、その金属膜は、レジスト露光が用いられて蒸着される。続いて、その用意されたプリズムまたはガラス板の表面に、バッファードフッ酸などでエッチングをすることで高低差を付ける。その後、その蒸着された金属膜を硫酸などで除去する。これにより、ランダム位相板763が製造される。
典型的な直径1mm程度の光がランダム位相板763に入射された場合、その光が入射された範囲には、80個程度のセルが含まれる。このため、その入射された光の位相がランダムにシフトされて反射される。この反射光の波面は、細かくランダムに乱されている。
また、ロッドセル762a〜762kのそれぞれのランダム位相板763の高低パターンは互いに異なるので、それらのランダム位相板763で反射される光のそれぞれの波面形状には、相関がなくなる。このため、それらの光が合成されて出射される出射光772のスペックルが低減される。
次に動作を説明する。
直角プリズム764の入射部764aに入射された入射光770は、ロッドセル762bの半透過鏡に入射され、反射光および透過光に分岐される。なお、その半透過鏡における入射光770の入射角度は、45°であるとする。
反射光は、出射光としてロッドセル762bから出射される。
また、透過光は、循環光773としてそのロッドセル762bの半透過鏡に垂直な反射鏡で交互に反射されてランダム位相板763が接続された面に入射される。循環光773は、そのランダム位相板763によって位相がシフトされて、反射される。ランダム位相板763で反射された循環光773は、そのロッドセル762bの半透過鏡に垂直な反射鏡で交互に反射されて、ロッドセル762bの半透過鏡に入射される。なお、循環光773のループ数は、8である。
半透過鏡に入射された循環光773のうち、その半透過鏡で透過された光は、その反射光に合成されて出射光として出射される。その出射光は、導光板741の反射面766で反射されて、後段のロッドセル762dに入射される。なお、前段のロッドセルと後段のロッドセルとの間には、復路光774を循環させるためのロッドセルが挟まれている。
その後、このような動作が、ロッドセル762d、762f、762hおよび762jで繰り返される。そして、ロッドセル762jから出射された入射光770は、反射部767で復路光774として反射されロッドセル762kの半透過鏡に入射される。
そのロッドセル762kの半透過鏡に入射された復路光774は、復路反射光および復路透過光に分岐される。復路透過光は、復路循環光775としてそのロッドセル762kの半透過鏡に垂直な反射鏡で交互に反射されてランダム位相板763が接続された面に入射される。ランダム位相板763で反射された復路循環光775は、そのロッドセル762kの半透過鏡に垂直な反射鏡で交互に反射されて、ロッドセル762kの半透過鏡に入射される。
半透過鏡に入射された復路循環光775のうち、その半透過鏡で透過された光は、その反射光に合成されて出射光として出射される。その出射光は、導光板741の反射面766で反射されて、後段のロッドセル762iに入射される。
その後、このような動作が、ロッドセル762i、762g、762e、762cおよび762aで繰り返される。そして、ロッドセル762aから出射された復路光774は、直角プリズム764の出射部764bから出射光772として出射される。
また、入射光770によるスペックルを効率よく軽減するためには、ロッドセル762a〜762kのそれぞれを循環する循環光773の循環光路長が、少なくとも入射光770のコヒーレンス長と等しい必要がある。
以下、循環光773の循環光路長が入射光770のコヒーレンス長と等しい場合における光学ユニットの大きさを評価する。なお、入射光770のコヒーレンス長Lcを2[cm]、ロッドセル762a〜762kのそれぞれの横幅をa[cm]とする。また、ロッドセル762bの半透過鏡における入射光770の入射角度は、45°であるとする。さらに、ロッドセル762bの半透過鏡における入射光770の入射位置は、その半透過鏡の中心であるとする。
このとき、循環光773の循環光路長lは、16a√2で表される。したがって、循環光路長lがコヒーレンス長Lcと等しくなるためには、a=2/(16√2)[m]となる。
光学ユニットの横幅は、ロッドセルが11個並んでいるので、11a≒0.972[cm]となる。また、光学ユニットの縦幅は、ロッドセルの横幅と縦幅との比率が1:8なので、8a≒0.707[cm]となる。したがって、入射光770のコヒーレンス長Lcを2[cm]の場合、光学ユニットは、略1cm角のサイズで実現できる。
また、ロッドセル762a〜762kのそれぞれの透過鏡の反射率を0.7とすると、入射光770によるスペックルを約1/5に低減することができる。
図44は、ロッドセルを用いた光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図44において、光学ユニットは、図42で示した構成に加えて、ランダム位相板781を有する。また、光循環セル群は、ロッドセル780a〜780kをさらに有する。さらに、反射面766には、半透過膜782が形成される。
ロッドセル780a〜780kのそれぞれは、支持板760上に設けられる。また、ロッドセル780a〜780kのそれぞれは、ロッドセル762a〜762kと同じ形状を有する。また、ロッドセル780a〜780kは、間隙なく並設される。
導光板761の半透過膜765の反射面766には、ロッドセル780a〜780kのそれぞれの側面の一つが接続される。反射面766には、半透過膜782が形成されているので、導光板761の反射面766と接続された、ロッドセル780a〜780kのそれぞれの側面が半透過鏡となる。この半透過鏡である面は、入射光770が入射される入射面となる。
これにより、ロッドセル762a〜762k、780a〜780kは、ロッドセル762a〜762kと、ロッドセル780a〜780kとの2列に並設される。また、各列のロッドセルは、導光板761を挟んで設けられる。さらに、各列のロッドセルの入射面は、他の列のロッドセル入射面に対向する反射面と兼用される。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルは、底面が長方形の四角柱である。
この場合、光学ユニットに入射される入射光の光循環セルの半透過鏡における入射角度が適宜調整されれば、光循環セルの循環光路長を保ったまま、横幅を低減することが可能になる。したがって、循環光路長を保ったまま光循環セルの面積を低減することが可能になる。
また、本実施形態では、各光循環セルの入射面と異なる面の少なくとも一つは、循環光の位相をランダムにシフトして反射するランダム位相板である。
この場合、各光循環セルから出射される出射光のそれぞれの波面形状に相関がなくなるため、それらの出射光が合成された出射光772のスペックルを低減させることが可能になる。したがって、スペックルをより低減させることが可能になる。
次に第九の実施形態について説明する。
図45は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図45において、光学ユニットは、支持板800と、導光板801と、光循環セル802〜809を備える光循環セル群と、直角プリズム810および811とを有する。導光板801、光循環セル802〜809および直角プリズム810は、支持板800上に設けられる。
導光板801、直角プリズム810および811は、光循環セル802〜809の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、光循環セル802〜809のそれぞれへ光を入射するとともに、光循環セル群からの出射光を出射光831として出射する。
導光板801は、ガラスで板状に形成される。導光板801の一組の互いに対向する側面の一方は、光循環セル802〜805のそれぞれのある側面と接続され、その側面の他方は、光循環セル806〜809のそれぞれのある側面と接続される。
半透過鏡821の導光板801に沿った方向の中点の異なる4等分点のどちらか一方を有する箇所には、反射膜821aが形成され、その箇所と異なる箇所には、半透過膜821bが形成される。本実施形態では、反射膜821aは、半透過鏡821の導光板801に沿った方向の中点から、半透過鏡821の導光板801に沿った方向どちらか一方の端点まで形成されている。
光循環セル802〜809のそれぞれは、底面が正方形の角柱状にガラスで形成される。光循環セル802〜809のそれぞれの導光板801と接続される側面は、半透過鏡821aが半透過鏡821となり、入射光830が入射される入射面となる。また、光循環セル802〜809のそれぞれの半透過鏡821と異なる側面が反射鏡822〜824となる。
半透過鏡821の導光板801に沿った方向の中点の異なる4等分点のどちらか一方を有する箇所には、反射膜821aが形成され、その箇所と異なる箇所には、半透過膜821bが形成される。本実施形態では、反射膜821aは、半透過鏡821の導光板801に沿った方向の中点から、半透過鏡821の導光板801に沿った方向どちらか一方の端点まで形成されている。
光循環セル802〜809のそれぞれは、その底面に沿った方向に断面において、その底面である正方形のいずれか1辺の中心から、対辺に向かって延伸し、1/4辺ないし3/4辺の長さの反射板825を有する。本実施形態では、反射板825は、全反射板である。また、反射板825は、1/2辺の長さを有する。
また、導光板801の光循環セルと接続される面に垂直な側面のそれぞれには、直角プリズム810および811のそれぞれの斜面が接続される。
直角プリズム810の斜面と異なる側面の一方が、入射光830が入射されるための入射部810aである。入射部810aには、反射防止膜が形成されていてもよい。
直角プリズム811の斜面と異なる側面の一方が、入射光830を出射光831として出射するための出射部811aである。出射部811aには、反射防止膜が形成されていてもよい。
次に動作を説明する。
直角プリズム810の入射部810aに入射された入射光830は、直角プリズム810および導光板811を介して、光循環セル802の半透過鏡821の半透過膜821aが形成された箇所に入射される。入射光830は、半透過膜821aによって反射光および透過光に分岐される。
反射光は、出射光として光循環セル802から出射される。
また、透過光は、循環光832として光循環セル802の内部を循環して光循環セル802の半透過鏡821の半透過膜821aが形成された箇所に入射される。
具体的には、先ず、循環光832は、反射鏡822および823で反射され反射板825に入射される。その後、循環光832は、反射板825および反射鏡822で反射され、半透過鏡821の反射膜821bが形成された箇所に入射される。
続いて、循環光832は、反射膜821b、反射鏡824および823で反射され、反射板825に入射される。その後、循環光832は、反射板825および反射鏡824で反射され、光循環セル802の半透過鏡821の半透過膜821aが形成された箇所に入射される。
循環光832のうち半透過膜821aで透過された光は、反射光と合成されて出射光として出射される。また、循環光832のうち半透過膜821aで反射された光は、再び循環光832として光循環セル802の内部を循環する。
光循環セル802から出射された出射光は、光循環セル806の入射光として、光循環セル806の半透過鏡に入射される。
その後、光循環セル806、803、807、804、808、805および809の順で同様な動作が行われる。光循環セル809から出射された入射光830は、導光板801および直角プリズム811を介して、直角プリズム811の出射部811aから出射光831として出射される。
図46は、本実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。図46で示した光学ユニットでは、図45で示した光学ユニットから直角プリズム811が除かれている。また、光循環セル802〜809のそれぞれから反射膜821bが除かれ、半透過鏡821の全てに、半透過膜821aが形成される。
直角プリズム811が除かれたことで、導光板801の直角プリズム810が接続された側面と対向する側面側に、光循環セル群の所定の位置からの出射光を反射して、光循環セル群に入射する反射部815が形成される。本実施形態では、所定の位置は、光循環セル809の出射光の出射位置である。また、反射部815は、光循環セル群の出射光である、光循環セル809からの出射光を、光循環セル605に入射する。
また、直角プリズム810の斜面の異なる側面のうち、入射部810aと異なる側面は、入射光830を出射光831として出射するための出射部810bとなる。
また、光循環セル802〜809のそれぞれの反射板825は、半透過板である。
次に動作を説明する。
直角プリズム810の入射部810aに入射された入射光830は、直角プリズム810および導光板811を介して、光循環セル802の半透過鏡821の半透過膜821aが形成された箇所に入射される。入射光830は、半透過膜821aによって反射光および透過光に分岐される。透過光は、循環光832として光循環セル802の内部を循環して光循環セル802の半透過鏡821に入射される。
光循環セル802から出射された入射光830は、反射面813に入射される。反射面813を半透過鏡821として有する光循環セル806から出射された入射光830は、光循環セル803に入射される。
以下、光循環セル803、807、804、808、805および809の順で同様な動作が行われる。そして、光循環セル809から出射された出射光は、反射部815で復路光833として反射され、光循環セル805に入射される。光循環セル805から出射された出射光は、反射面813に入射される。反射面813を半透過鏡821として有する光循環セル809から出射された出射光は、光循環セル804の半透過鏡821に入射される。
以下、光循環セル804、808、803、807、802および806の順で同様な動作が行われる。そして、光循環セル806から出射された出射光は、直角プリズム810の出射部810bから出射光831として出射される。
次に、各光循環セルの内部における動作を説明する。
各光循環セルの半透過鏡821には、入射光830と復路光833とが入射される。
入射光830は、半透過鏡821によって反射光および透過光に分岐される。透過光は、循環光832として反射鏡822および823の順番で反射され反射板825に入射される。
一方、復路光833は、半透過鏡821によって復路反射光および復路透過光に分岐される。復路透過光は、復路循環光834として反射鏡824および823の順番で反射され反射板825に入射される。
循環光832のうちの反射板825で透過された光は、復路循環光834のうちの反射板825で反射された光と合成され、循環光832として出射される。その後、循環光832は、反射鏡824で反射され半透過鏡821に入射される。循環光832のうち半透過鏡821で透過された光は、反射光と合成されて出射光して出射される。一方、循環光832のうち半透過鏡821で反射された光は、循環光832として再び光循環セルの内部を循環する。
また、復路循環光834のうちの反射板825で透過された光は、循環光832のうちの反射板825で反射された光と合成され、復路循環光834として出射される。その後、復路循環光834は、反射鏡822で反射され半透過鏡821に入射される。復路循環光834のうち半透過鏡821で透過された光は、復路反射光と合成されて出射光として出射される。一方、復路循環光834のうち半透過鏡821で反射された光は、復路循環光834として再び光循環セルの内部を循環する。
次に効果を説明する。
光循環セル802〜809のそれぞれは、その底面に沿った方向に断面において、その底面である正方形のいずれか1辺の中心から、対辺に向かって延伸し、1/4辺ないし3/4辺の長さの反射板825を有する。
この場合、図47で示したように、同じ循環光路長を確保するのには、正方形セルの面積S3の1/4にすることが可能になる。したがって、循環光路長を保ったまま光循環セルの面積を低減することが可能になる。
次に第十の実施形態について説明する。
図48は、本実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。図48において、光学ユニットは、支持板900と、導光板901と、三角形セル902〜915を備える光循環セル群とを有する。導光板901および三角形セル902〜915は、支持板900上に設けられる。
導光板901は、三角形セル902〜909の半透過鏡のそれぞれを光学的に連結する導光部材であり、三角形セル902〜909のそれぞれに光を入射するとともに、その三角形セル群からの出射光を出射光931として出射する。
導光板901は、底面が平行四辺形の角柱にガラスにて形成される。
導光板901の互いに対向する1組の側面の一方が、入射光930が入射されるための入射部921となり、その1組の側面の他方が、入射光930を出射光931として出射する出射部922となる。なお、入射部921および出射部922には反射防止膜が形成されている。
導光板901の入射部および出射部と異なる互いに対向する1組の側面のそれぞれには、半透過膜916および917のそれぞれが形成される。
導光板901の半透過膜916が形成された側面には、三角形セル902〜905のそれぞれのある側面が接続されている。これにより、三角形セル902〜905は、導光板901と接続されている面を半透過鏡923として有することになる。この半透過鏡923である面は、入射光930が入射される入射面となる。
また、導光板901の半透過膜917が形成された側面には、三角形セル906〜909のそれぞれのある側面が接続されている。これにより、三角形セル906〜909は、導光板901と接続されている面を半透過鏡923として有することになる。この半透過鏡923である面は、入射光930が入射される入射面となる。
これにより、三角形セル902〜909は、三角形セル902〜905と、三角形セル906〜609との2列に並設される
また、各列の三角形セルが間隙なく並設されるように、三角形セル902〜905の間隙に910〜912が設けられ、三角形セル906〜909の間隙に三角形セル913〜915が設けられる。
また、三角形セル902〜915のそれぞれは、他の三角形セルと隣接する側面が半透過鏡であり、その半透過鏡の側面以外の側面は、全反射鏡である。例えば、三角形セル902では、三角形セル910と隣接する側面が半透過鏡924となり、半透過鏡923および924以外の側面が全反射鏡925となる。
次に動作を説明する。
入射部921に入射された入射光930は、導光板901を介して三角形セル902の半透過鏡923に入射され、半透過鏡923によって反射光930aおよび透過光930bに分岐される。
反射光930aは、出射光とし三角形セル902から導光板901に出射される。
透過光930bは、三角形セル902の循環光932として三角形セル902の反射鏡924に入射される。
循環光932は、半透過鏡924によって循環反射光933および循環透過光934に分岐される。循環反射光933は、三角形セル902の循環光932として三角形セル902の内部に出射される。
循環透過光934は、三角形セル910の内部に出射される。
循環透過光934は、全反射鏡926で反射され、半透過鏡925に入射される。
その入射された循環透過光934は半透過鏡925によって反射および透過され、循環透過反射光935と循環透過透過光936とに分岐される。
循環透過透過光935は、三角形セル903の内部を循環する循環光932の反射鏡925によって反射された循環反射光と合成され、三角形セル903の循環光932として三角形セル903の内部に出射される。
循環透過反射光936は、三角形セル903の内部を循環する循環光932の反射鏡925によって透過された循環透過光と合成され、循環透過光934として三角形セル910の内部に出射される。その後、循環透過光934は、半透過鏡924に入射される。
その入射された循環透過光934のうちの透過された光は、三角形セル902の循環反射光933と合成され循環光932として三角形セル902の内部に出射される。また、その入射された循環透過光934のうちの反射された光は、三角形セル910の循環透過光934と合成され、循環透過光934として三角形セル910の内部に出射される。
三角形セル902の内部に出射された循環光932は、反射鏡925で反射され半透過鏡923に入射される。
循環光932のうちの半透過鏡925を透過した光は、反射光930aと合成されて出射光として出射される。また、その循環光932のうちの半透過鏡925で反射された光は、透過光930bと合成されて、再び循環光932として三角形セル902の内部を循環する。三角形セル902から出射された入射光930は、三角形セル906に入射される。
このような動作が繰り返され、光循環セル909導光板901から出射された出射が出射光931として出射部922から出射される。
なお、本実施形態では、光循環セルとして三角形セルを用いたが、三角形セルに限らず適宜変更可能である。
次に効果を説明する。
本実施形態では、光循環セルが間隙なく並設される。
この場合、光学ユニットの規模の増加を抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、光循環セルのそれぞれは、他の光循環セルと隣接する側面が半透過鏡であり、その半透過鏡の側面以外の側面は、全反射鏡である。
この場合、光循環セルの規模の増加を抑制しながら、光路長がそれぞれ異なる光の数を増加させることが可能になる。
次に第十一の実施形態について説明する。
図50は、本実施形態のレーザ出射装置を模式的に示した構成図である。図50おいて、レーザ出射装置は、支持板1000と、光学ユニット1001と、光源装置1002と、SHG(Second Harmonic Generation)結晶1003と、レンズ1004とを有する。
支持板1000は、ガラスで形成される。なお、このガラスの屈折率は1.5であるとする。
光学ユニット1001は、第一から第十の実施形態で説明した光学ユニットのいずれか、または、それらの光学ユニットの当業者が理解し得る変更を行った光学ユニットを用いることができる。本実施形態では、以下の光学ユニットを用いるものとする。
光学ユニット1001は、導光板1011と、導光板1011に接続された、直方体状の4つの光循環セル1012と、入射光の入射および出射のための2つの直角プリズム1013とを有する。
導光板1011の光循環セル1012と接続する面には、誘電体の多層膜の半透過膜1014が形成されている。これにより、導光板1011の半透過膜1014が形成された面と接続された光循環セル1012の面が、半透過鏡となる。また、その半透過膜1014が形成された面に対向する面が反射面となる。
光循環セル1012の半透過鏡と対向する面は、循環光1015の位相をランダムにシフトしてその循環光1015を反射するランダム位相板1016と接続する。
なお、光学ユニット1001の光循環セル1012および導光板1011は、同じ材質のGaAs基板で形成されている。したがって、光循環セル1012および導光板1011の屈折率は、互いに等しい。また、GaAs基板の屈折率は、略3.5であり、支持板600の屈折率より高い。
この場合、GaAs基板のへき開面を用いることで、導光板1011の半透過膜1014が形成された面と、導光板1011の反射面とを平行にすることができる。この場合、導光板1011をガラスで形成する場合に比べて、誘電体多層膜による半透過膜の反射率を精度良く設定することが可能になる。
光源装置1002は、波長1060nmの赤外線レーザ光を入射光として光学ユニット1001に入射する。
光源装置1002は、支持ステージ1021と、赤外線半導体レーザ1022と、ヒートシンク1023と、コリメータ1024とを有する。
支持ステージ1021は、支持板1000上に設けられる。
赤外線半導体レーザ1022は、光源の一例である。赤外線半導体レーザ1022は、波長1060nmの赤外線レーザ光1030を、コリメータ1024を介して光学ユニット1001に出射する。ここで、赤外線レーザ光1030のコヒーレンス長は、光循環セル1012内の循環光1015の光路長以下である。つまり、赤外線レーザ光1030のコヒーレンス長は、各光循環セル1012の複数の出射光の光路差以下である。
ヒートシンク1023は、赤外線半導体レーザ1022にて発生された熱を放熱する。
コリメータ1024は、赤外線半導体レーザ1022から出射された赤外線レーザ光1030をコリメートする。
図51は、光源装置1002をより詳細に説明するための説明図である。なお、光学ユニット1001の導光板1011の厚さは0.35mmであるとする。
支持ステージ1021は、支持板1000の表面に垂直な方向を軸にした回転が可能であり、赤外線レーザ光1030の光学ユニット1001に対する入射角度を変更することが可能である。
赤外線半導体レーザ1022は、アスペクト比3:1のレーザ光源である。赤外線半導体レーザ1022は、90°傾けられて支持ステージ1021上に設けられる。
コリメータ1024は、赤外線半導体レーザ1022が出射した赤外線レーザ光1030をコリメートして、その赤外線レーザ光1030を支持板1000の表面に平行な方向の幅が1mmの平行光にする。これは、赤外線レーザ光1030の支持板1000の表面に平行な方向の幅の広がりを抑制するためである。なお、支持板1000の表面に垂直な方向には、赤外線レーザ光1030は、支持板1000の屈折率より屈折率が高い導光板1011によって閉じ込められる。したがって、赤外線レーザ光1030を平行光にすれば、光学ユニット1001の内部で赤外線レーザ光1030の幅は広がらない。
図50に戻る。SHG結晶1003は、2光子吸収により、光学ユニット1001から出射された赤外線レーザ光1030の波長を半分にして、波長が530nmの緑色レーザ光1031を生成し、その緑色レーザ光1031を出射する。なお、SHG結晶としては、例えば、Mg(マグネシウム)を5モル%ドープしたPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)を用いる。このPPLNは、耐光損傷性に優れている。
レンズ1004は、SHG結晶1003から出射された緑色レーザ光1031をスクリーン(図示せず)に向けて集光する。
なお、本実施形態では、レーザ出射装置は、緑色レーザ光1031を出射していたが、赤外線半導体レーザの波長を調整することで、赤色レーザ光や青色レーザ光を出射することもできる。また、光循環セル1012および導光板1011は、赤色レーザ光用にはGaP基板を用いることが望ましく、青色レーザ光用にはGaN基板を用いることが望ましい。
また、光循環セル1012の半透過鏡の反射率μは、赤外線半導体レーザ1022が出射する赤外線レーザ光1030によるスペックルのコントラストに対する、光学ユニット1001が出射する赤外線レーザ光1030によるスペックルのコントラストの相対スペックルコントラストC/C0の反射率μに対する微分値が0となるときの値である。
次に効果を説明する。
本実施形態では、赤外線レーザ光1030が複数の光循環セル1012に入射されるので、赤外線レーザ光1030の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、赤外線レーザ光1030のコヒーレンス長は循環光1015の光路長以下であるので、各光循環セルの複数の出射光の光路差以下である。この場合、効率的にスペックルを低減することが可能になる。
また、光循環セル1012の半透過鏡の反射率μは、赤外線半導体レーザ1022が出射する赤外線レーザ光1030によるスペックルのコントラストに対する、光学ユニット1001が出射する赤外線レーザ光1030によるスペックルのコントラストの相対スペックルコントラストC/C0の反射率μに対する微分値が0となるときの値である。
この場合、光学ユニット1001が出射する赤外線レーザ光1030によるスペックルコントラストの低減率をより向上させることができる。
また、本実施形態では、SLD(Super luminescent Diode:スーパールミネッセントダイオード)より高出射な半導体レーザを用いるので、高出射レーザ光を出射することが可能になる。
また、本実施形態では、SHG結晶1003による2光子吸収では、光学ユニットで合成された複数の赤外線レーザ光1030の独立性を保ったまま、赤外線レーザ光1030の波長を半分にできるので、低スペックルの緑色レーザ光1031を生成することができる。
次に第十二の実施形態について説明する。
図52は、本実施形態のレーザプロジェクタを模式的に示した上面図である。図51において、レーザプロジェクタは、支持板1100と、光源装置1101および1102と、ダイクロイックプリズム1103および1104と、光学ユニット1105と、走査鏡1106とを有する。
支持板1100は、ガラスで形成される。
光源装置1101は、支持ステージ1111と、緑色レーザ1112とを有する。
緑色レーザ1112は、支持ステージ1111上に設けられる。緑色レーザ1112は、緑色のレーザ光をダイクロイックプリズム1103および1104を介して光学ユニット1105に出射する。なお、緑色のレーザ光はP偏光である。また、支持ステージ1111は、支持板1100の表面に垂直な方向を軸とした回転が可能であり、緑色のレーザ光の光学ユニット1105に対する入射角度を変更することが可能である。
光源装置1102は、支持ステージ1121と、赤色レーザ1122と、青色レーザ1123とを有する。
赤色レーザ1122および青色レーザ1123は、支持ステージ1121上に設けられる。なお、赤色レーザ1122および青色レーザ1123は、別々の支持ステージに設けられてもよい。
赤色レーザ1122は、例えば、赤色面発光レーザである。赤色レーザ1122は、赤色のレーザ光をダイクロイックプリズム1103および1104を介して光学ユニット1105に出射する。なお、赤色のレーザ光はS偏光である。
青色レーザ1123は、例えば、青色LDである。青色レーザ1123は、青色のレーザ光をダイクロイックプリズム1103および1104を介して光学ユニット1105に出射する。なお、青色のレーザ光はS偏光である。
支持ステージ1121は、支持板1100の表面に垂直な方向を軸とした回転が可能であり、赤色のレーザ光および青色のレーザ光の光学ユニット1105に対する入射角度を変更することが可能である。
なお、緑色レーザ1112、赤色レーザ1122および青色レーザ1123は、光源の一例である。
ダイクロイックプリズム1103は、緑色レーザ1112から出射された緑色のレーザ光と、赤色レーザ1122から出射された赤色のレーザ光とを合成する。
ダイクロイックプリズム1104は、ダイクロイックプリズム1103で合成されたレーザ光と、青色レーザ1123から出射された青色のレーザ光とを合成して、RGB光を生成する。ダイクロイックプリズム1104は、そのRGB光を光学ユニット1105に入射する。
光学ユニット1105は、第一から第十の実施形態で説明した光学ユニットのいずれか、または、それらの光学ユニットの当業者が理解し得る変更を行った光学ユニットを用いることができる。本実施形態では、以下の光学ユニットを用いるものとする。
光学ユニット1105は、導光板1151と、導光板1151に接続された、直方体状の4つの光循環セル1152と、導光板1151に接続された、RGB光の出射のための直角プリズム1053とを有する。
導光板1151の光循環セル1152と接続する面には、誘電体の多層膜の半透過膜1154が形成されている。これにより、導光板1151の半透過膜1154が形成された面と接続された光循環セル1012の面が、半透過鏡となる。また、その半透過膜1014が形成された面に対向する面が反射面となる。
光循環セル1152の半透過鏡と対向する面は、循環光1155の位相をランダムにシフトしてその循環光1155を反射するランダム位相板1156と接続する。
なお、緑色レーザ1112、赤色レーザ1122および青色レーザ1123のそれぞれのコヒーレント長は、各光循環セル1152の複数の出射光の光路差以下である。
走査鏡1106は、光学ユニット1105から出射されたRGB光を走査してスクリーン1107に投射する。
次に効果を説明する。
本実施形態では、RGB光が複数の光循環セル1012に入射されるので、RGB光の光強度が均一化される。したがって、ライトパイプを用いなくても、スペックルの低減率を向上させることが可能になる。
なお、以上説明した各実施形態において、導光板、光循環セルおよび直角プリズムを形成する物質の屈折率は、互いに等しいことが望ましい。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、光学ユニットの出射部または出射部の前後に、光学ユニットから出射される出射光を集光するための光学レンズが設けられてもよい。これにより、例えば、光学ユニットに入射される入射光の半透過鏡における入射角度や入射位置がずれて、光学ユニットから出射される出射光の幅が拡大したり、その出射光が多峰化した場合でも、その出射光の幅を縮小したり、その出射光を単峰光または略単峰光にしたりすることができる。
本発明の第一の実施形態の光学ユニットを模式的に示した斜視図である。 本発明の第一の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 光循環セルの一例を模式的に示した上面図である。 回転数と出射光の光強度との関係を示したグラフである。 単体回転数と出射光の相対強度との関係を示したグラフである。 半透過鏡の反射率と相対スペックルコントラストの関係を示したグラフである。 セル数が1の場合における入射角度と出射光の光強度分布との関係を示した説明図である。 セル数が5の場合における入射角度と出射光の光強度分布との関係を示した説明図である。 セル数が10の場合における入射角度と出射光の光強度分布との関係を示した説明図である。 セル数が30の場合における入射角度と出射光の光強度分布との関係を示した説明図である。 入射角度と出射光ビーム幅との関係を示したグラフである。 入射角度とビームピーク位置の変化との関係を示したグラフである。 入射光の入射位置と循環光路長との関係を説明するための説明図である。 入射位置のずれ幅と循環光路長の変化率との関係を示したグラフである。 スペックルコントラストの分布を示した説明図である。 入射角度と出射光の強度分布で重み付けを行った平均スペックルコントラストと関係を示したグラフである。 セル数と出射光ビーム幅との関係を示したグラフである。 距離と出射光の光強度との関係を示したグラフである。 光学ユニットの効果を説明するための説明図である。 光学ユニットの別の効果を説明するための説明図である。 本発明の第二の実施形態の光学ユニットを模式的に示した斜視図である。 本発明の第二の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの出射光の幅について説明するための説明図である。 奇数角形セルの他の例を模式的に示した上面図である。 奇数角形セルの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第三実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第三実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 偶数角形セルの一例を模式的に示した上面図である。 出射光の幅と回転数との関係の一例を説明するための説明図である。 出射光の幅と回転数との関係の他の例を説明するための説明図である。 入射角度と帰還位置のずれ量との関係の一例を示したグラフである。 出射光の幅と回転数との関係の他の例を説明するための説明図である。 入射角度と帰還位置のずれ量との関係の他の例を示したグラフである。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 直角プリズムを示した説明図である。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第五の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第六の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第七の実施形態の光学ユニットの模式的に示した上面図である。 本発明の第七の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第八の実施形態の光循環セルを模式的に示した上面図である。 本発明の第八の実施形態の光循環セルの特性を説明するための説明図である。 本発明の第八の実施形態の光学ユニットを模式的に示した三面図である。 本発明の第八の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第八の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 ランダム位相板を模式的に示した表面図である。 ランダム位相板の一部分の拡大図である。 本発明の第八の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第九の実施形態の光学ユニットを模式的に示した上面図である。 本発明の第九の実施形態の光学ユニットの他の例を模式的に示した上面図である。 本発明の第九の実施形態の光学ユニットの効果を説明するための説明図である。 本発明の第十の実施形態の光学ユニットの効果を模式的に示した上面図である。 本発明の第十の実施形態の光学ユニットの動作を説明するための説明図である。 本発明の第十一の実施形態のレーザ出射装置を模式的に示した構成図である。 光源装置をより詳細に説明するための説明図である。 本発明の第十二の実施形態のレーザプロジェクタを模式的に示した構成図である。 特許文献1に記載の光源装置を説明するための説明図である。
符号の説明
151〜154、201〜205、501〜503、602〜608、802〜809 光循環セル
108 反射板
108a、108b 間隙
109、212、339、362、509、729、748、766 反射面
206、335、360、504、514、521、531、601、721、741、761、801、901 導光板
301、321、401、701、821、923 半透過鏡
302〜304、322〜325、402〜406、702〜704、822〜824 924〜926反射鏡
331〜334 五角形セル
507、609a、726a、746a、764a、810a、921 入射部
508、609b、727a、746b、764b、810b、811a、922 出射部
615、767、815 反射部
722〜725、762a〜k、780a〜k ロッドセル
763 ランダム位相板
902〜915 三角形セル
1001、1105 光学ユニット
1106 走査鏡
1022 赤外線半導体レーザ
1112 緑色レーザ
1122 赤色レーザ
1123 青色レーザ

Claims (30)

  1. 入射光が入射する入射面が半透過部とされ、該入射光を光路長がそれぞれ異なる複数の出射光とする光学セルを複数備える光学セル群と、
    前記光学セル群を構成する複数の光学セルへ光を入射するとともに前記光学セル群からの出射光を出射する導光部材と、を有する光学ユニット。
  2. 請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、複数の反射部を有し、自光学セルの外から前記入射面に入射された入射光のうちの前記入射面で透過された光を、循環光として前記複数の反射部および前記半透過部を用いて循環させ、前記循環光の前記入射面で透過された光のそれぞれと、前記入射光のうちの前記入射面で反射された光とを前記複数の出射光とする、光学ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、同じ形状の多面体である光学ユニット。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、並設され、また、前記複数の出射光を前記入射面から出射し、
    前記導光部材は、各光学セルの入射面に対向する反射面を有する、光学ユニット。
  5. 請求項4記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記導光部材を挟んで2列設けられ、
    各列の光学セルの入射面は、他の列の光学セルの入射面に対向する反射面と兼用される、光学ユニット。
  6. 請求項4または5に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、間隙なく並設されている光学ユニット。
  7. 請求項6に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、他の光学セルと隣接する側面が半透過部であり、前記半透過部の側面以外の側面は全反射部である光学ユニット。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記導光部材は、前記光学セル群の所定の位置からの出射光を、再び前記光学セル群へ入射する、光学ユニット。
  9. 請求項3ないし8のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記入射面が側面をなし、底面が奇数角の柱状多面体である光学ユニット。
  10. 請求項3ないし8のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記入射面が側面をなし、底面が偶数角の柱状多面体である光学ユニット。
  11. 請求項10に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が正方形の柱状多面体であり、その断面において、前記正方形のいずれかの一辺の中心から、対辺に向かって延伸し、1/4辺ないし3/4辺の長さの、反射板をさらに有する、光学ユニット。
  12. 請求項10に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が長方形の四角柱である、光学ユニット。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルの入射面と異なる面の少なくとも一つは、入射された光の位相をランダムにシフトして反射するランダム位相板である、光学ユニット。
  14. 光を反射および透過する半透過部と、光を反射する複数の反射部と、により囲繞された複数の光学セルと、
    前記複数の光学セルの半透過部のそれぞれを光学的に連結する導光部材と、を有する光学ユニット。
  15. 請求項14に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、自光学セルの外から前記半透過部に入射された入射光のうちの前記半透過部で透過された光を、循環光として前記半透過部および前記複数の反射部を用いて循環させ、前記循環光の前記半透過部で透過された光のそれぞれと、前記入射光のうちの前記半透過部で反射された光と、を光路長がそれぞれ異なる複数の出射光として出射し、
    前記導光部材は、一の光学セルから出射された出射光を他の光学セルに導く、光学ユニット。
  16. 請求項15に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記半透過部および前記複数の反射部を側面として有する、同じ形状の多面体である光学ユニット。
  17. 請求項16に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記半透過部を前記導光部材に向けて並設され、
    前記導光部材は、各光学セルの半透過部に対向する反射面を有する、光学ユニット。
  18. 請求項17に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、前記導光部材を挟んで2列設けられ、
    各列の光学セルの半透過部は、他の列の光学セルの半透過部に対向する反射面と兼用される、光学ユニット。
  19. 請求項17または18に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、間隙なく並設されている光学ユニット。
  20. 請求項19に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、他の光学セルと隣接する側面が、光を反射および透過する半透過部であり、前記半透過部の側面以外の側面は、光を全て反射する全反射部である光学ユニット。
  21. 請求項14ないし20のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記導光部材は、前記光学セル群の所定の位置からの出射光を、再び前記光学セル群へ入射する、光学ユニット。
  22. 請求項16ないし21のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が奇数角の柱状多面体である光学ユニット。
  23. 請求項16ないし21のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が偶数角の柱状多面体である光学ユニット。
  24. 請求項23に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が正方形の柱状多面体であり、その断面において、前記正方形のいずれかの一辺の中心から、対辺に向かって延伸し、1/4辺ないし3/4辺の長さの、反射板をさらに有する、光学ユニット。
  25. 請求項23に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルは、底面が長方形の四角柱である、光学ユニット。
  26. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    各光学セルの反射部の少なくとも一つは、入射された光の位相をランダムにシフトして反射するランダム位相板である、光学ユニット。
  27. 請求項1ないし26のいずれか1項に記載の光学ユニットと、
    前記光学ユニットに光を出射する光源と、を有するレーザ出射装置。
  28. 請求項27に記載のレーザ出射装置において、
    前記光源が出射する光のコヒーレンス長は、各光学セルの複数の出射光の光路差以下である、レーザ出射装置。
  29. 請求項27または28に記載のレーザ出射装置において、
    前記半透過部の反射率は、前記光源が出射する光によるスペックルのコントラストに対する前記光学ユニットから出射される出射光によるスペックルのコントラストの割合を、前記反射率で微分したときの値が0になるときの値である、レーザ出射装置。
  30. 請求項27ないし29のいずれか1項に記載のレーザ出射装置と、
    前記光学ユニットから出射された出射光を走査してスクリーンに投射する走査鏡と、を有するレーザプロジェクタ。
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