JP2010122026A - 反射光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射光学素子において、入射角に依存した反射率のバラツキを低減する。
【解決手段】軟X線斜入射反射ミラー3は、凹状の基板1に成膜されたMo層2からなる反射膜を有する。Mo層2の成膜工程で、スパッタ原子の入射角を変化させる等の方法で、面内方向に膜密度の分布を持たせることにより、入射光10aの入射角に応じて反射率を調整する。多層構成の反射膜の場合は、角層の膜密度を調整することで、交互膜の屈折率差に面内方向の分布を持たせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟X線を反射する反射光学素子に関するものである。
EUV光領域を含む軟X線領域では、光は全ての物質で強く吸収されるとともに、屈折率が1に近いため、原理的には屈折によるレンズ作用を利用することができない。そこで、ミラー(反射光学素子)を利用して光学系を組むことになる。
軟X線リソグラフィ装置などの光学システムでは、大きく投影光学系と照明光学系とに分類され、前者は直入射反射ミラーを用いる。ここで、直入射とは全反射となる臨界角度以下の入射で、その多くは入射角10°以下の場合を指し、入射角は光線の入射点における法線と光線のなす鋭角で定義される。
一方、後者では、斜入射反射ミラーが用いられる。ここで斜入射とは、全反射となる臨界角度以上の入射角で光線を入射させることであり、入射光の一部は、吸収や散乱により損失するが、高い割合で反射されるため、斜入射反射ミラーは全反射ミラーとも言う。
投影光学系に用いられる直入射反射ミラーは、単層膜を形成しただけでは軟X線は層内にほとんど吸収され、直入射反射率はほとんどゼロに近く機能しない。ところが、比較的吸収の少ない2種類の材料を交互に数十層以上積層させ、軟X線波長オーダーの厚さの極薄膜を持つ多層膜であれば、直入射反射膜として機能でき、その効果を利用した反射光学系を形成することが可能になっている。この原理は、各層界面による反射面を多数形成することによって、それぞれの界面からの反射波の位相が一致するような光学的干渉理論に基づいている。この構成からなる直入射反射ミラーで高反射率を得るためには、2種類の材料の組み合わせとして、吸収係数ができるだけ小さく、屈折率差が大きい2つの物質を選ぶ必要がある。入射光の波長が軟X銭領域での波長である11〜14nmの範囲で最も高反射率が得られる物質対として、MoとSiの交互多層膜が代表的である(特許文献1参照)。
一方、照明光学系に用いられる斜入射反射ミラーは、軟X線領域の波長における各物質の屈折率によって臨界角度が決まるため、屈折率が低く、かつ吸収が小さい物質が選ばれる。入射光の波長が軟X銭領域での波長である11〜14nmの範囲で高反射率が得られる物質としてMo単層膜が挙げられる。軟X線の波長の短さゆえに、斜入射反射ミラー1枚のわずかな反射率減少が光学システムの光のスループットに大幅な低下をもたらすため、斜入射反射ミラーの高反射率化の提案もなされている(特許文献2参照)。
これらの多層膜(直入射反射ミラー)や単層膜(斜入射反射ミラー)は、マグネトロンスパッタ・EB蒸着・イオンビームスパッタ等の薄膜形成技術によって形成することができる。
露光装置に用いられる光学系では、光源より放出された露光光は照明系からマスク、結像系に至る過程で通過する光路によって、反射ミラーの入射角依存性などの影響を受けて面内の反射率にも分布を持ってしまうという課題があった。
例えば照明系ミラーは、光源からの露光光の強度分布の補正や一様な照度分布を持つインテグレータ機能などを持たせるため凹面鏡が用いられる。しかし一方、高反射率を得るための入射角度の幅は約10度ほどしかない。その入射角度の幅の中では、わずかな入射角度の増加で反射率は減少していき、またその範囲を越えると反射率は急激に低下してしまう。そのため、凹面鏡照明系ミラーにある一定の入射角度を持った露光光束が入射すると、凹面の受ける角度、即ち面内の入射角度によって反射率に分布が出来てしまう。そして、この反射率の面内分布の存在は、反射光の強度のバラツキを生じさせるため、結像性能の低下を招く恐れがある。
そこでこれを解決する方法として、広い入射角において一定の反射率を得る手段が開発されている。例えば、最表面膜に分布を持たせることで面内の反射率を一定に保つ方法や(特許文献3参照)、多層膜ミラーの表面にサンドブラストで故意に粗さを形成して面内の反射率を一定にする方法(特許文献4参照)などが開発されている。
特登録3101695号公報 特開2005−347757号公報 特開2005−260072号公報 特開2005−294622号公報
しかしながら上記従来の技術では、次のような問題を有している。
反射ミラーの成膜プロセスだけを最適化させるだけでなく、その他の作業工程においてのプロセス最適化が増え、手間がかかることである。
特許文献3に開示されたように、反射率調整層を成膜すると、反射膜と反射調整膜とが互いに反応することで、その層間に拡散層が発生することとなり、その拡散層のため予期せぬ反射率のバラツキが発生するおそれが生じる。
また、特許文献4に開示されたように、反射膜の表面にサンドブラストによる粗さを形成する方法では、サンドブラストによる汚染物質が反射面に付着し、反射率が低下するおそれもある。
本発明は、簡易な方法で反射面内の反射率のバラツキを抑えることが可能な反射光学素子を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の反射光学素子は、軟X線を反射する反射膜を有する反射光学素子において、前記反射膜の反射率のバラツキを抑えるために、前記反射膜の膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする。
反射膜の面内方向に軟X線の入射角に分布がある場合、反射膜の成膜工程において膜密度を制御する等の簡易な方法で反射率のバラツキを防ぐことができる。
反射率を調整するための層を設けたり、表面処理を行なう場合に比べて、他の材料による拡散層や汚染物質の発生のおそれがなく、しかも簡易に作製することが可能である。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態による反射光学素子の膜構成を示す断面模式図である。これは、凹面ミラーの基体である基板1に、反射膜であるMo層2を積層させた軟X線斜入射反射ミラー3であり、反射膜面に入射する入射光10aの入射角に基づいて、Mo層2の膜密度を変化させる。これによって、屈折率に分布を持たせて、反射光10bの反射率のバラツキを抑える。
同一膜密度の場合、入射角が大きいほど反射率は高くなり、入射角が小さいほど反射率は低下する。そこで、大きい入射角でEUV光等の軟X線が照射される部分に対しては、膜密度を低下させて反射率を減少させ、大きい入射角で軟X線が照射される部分に対しては膜密度を高めて最高反射率を維持するような面内方向の膜密度に分布を与える。このようにして、反射面内の反射率のバラツキを抑える。
図1に示したように、曲率をもつ凹面ミラーに対して平行光束が入射する場合は、軟X線の入射角はMo層2の左端から右端にいたる各点で考えると、徐々に入射角が小さくなる。Moの場合は膜密度が小さいほど反射率が小さくなり、大きいほど反射率が大きくなるため、Mo層2は、左端の膜密度は低く、左端から右端にかけて膜密度が高くなるように膜密度を制御して成膜する。
ここで、密度ρと屈折率nの関係は、n=1−Aρ(Aは、入射光の波長と膜材料の原子情報(原子の組成、原子番号、原子量、異常散乱因子)から決まる正の比例定数)であるので、密度が小さくなると屈折率は大きくなる。
入射角が臨界角度以下の範囲、好ましくは入射角が10°以下の範囲の場合(すなわち直入射ミラーの場合)、同一構成の多層膜で同一膜密度では、入射角が小さいほど反射率は高くなり入射角が大きいほど反射率は低下する。そこで、小さい入射角で軟X線が照射される部分に対しては反射率を減少させ、大きい入射角で軟X線が照射される部分に対しては最高反射率を保つ状態にさせるような膜密度の面内方向の分布を持たせる。
多層膜の反射率を減少させるには、2種類の材料のうち、低屈折率材料の密度を小さくして屈折率を大きくし、高屈折材料の密度を大きくして屈折率を小さくする。このようにして屈折率差が縮まると反射率は減少する。入射角が臨界角度以上の範囲において、反射多層膜面内で軟X線が最も大きい角度で入射する部分の反射率に、他の部分の反射率を減少させて同じになるように調整することで、反射面内の反射率のバラツキを抑えることができる。
一方、入射角が臨界角度以上の範囲の場合(すなわち、斜入射反射ミラーの場合)、同一膜密度では、入射角が大きいほど反射率は高くなり入射角が小さいほど反射率は低下する。そこで、大きい入射角で軟X線が照射される部分に対しては反射率を減少させ、小さい入射角で軟X線が照射される部分に対しては最高反射率を保つ状態にさせるような面内分布を持たせる。反射率を減少させるには、膜の主要材料の密度を小さくして屈折率を大きくする。入射角が臨界角度以上の範囲において、反射多層膜面内で軟X線が最も小さい角度で入射する部分の反射率に、他の部分の反射率を減少させて同じになるように調整することで、反射面内の反射率のバラツキを抑えることができる。
膜密度を減少させる方法として、成膜プロセス条件を所望の膜密度が面内の部分ごとに得られるように変動させるために、例えばパワーや圧力を変動させる方法や、成膜する際のスパッタ原子の入射角を変動させる方法が挙げられる。また、下地層を選んで加えることで、その上に成長する反射膜の結晶化度合いによって密度を変化させる方法や、反射膜の材料に他の元素をドープさせ、そのドープ量によって結晶の格子定数を増減させ、膜密度の増減を図る方法がある。
図2〜4は、実施例1に係る図である。
本実施例の反射光学素子は、図2に示すように、基板11の上に、斜入射反射膜であるMo層12を積層させたEUV光斜入射反射ミラー13である。図2に示したEUV光斜入射反射ミラー13は露光装置の照明光学系に用いられる一つの平面反射ミラーと考えてもよい。もしくは、反射鏡が湾曲し、入射光が一定の角度であるが、図の説明上、反射面を平らにしているものと考えてもよい。以下の議論は、平面ミラーもしくは、反射面が湾曲した凹面ミラー、凸面ミラーであっても同様であり、本発明はミラーの形状に関わらず適用できる。
図3は、EUV斜入射反射ミラー13を成膜する成膜装置を示す。これは、基板ホルダ14、イオンガン15、ターゲット(Moターゲット)16を備え、イオンビーム17をMoターゲット16に当て、成膜粒子であるスパッタ原子(Mo原子)18を基板11に到達させて成膜するイオンビームスパッタ装置である。成膜室であるチャンバー19には、スパッタガスとしてアルゴンガスを導入している。
基板11の材質としては熱伝導率が高いものが好ましく、例えばSi、Ni、Cu、Agなどがよい。
Mo層12は、100nm程度の厚みを持っている。このMo層12を成膜する際に、図2に示すように、反射面内の部分ごとにスパッタ原子18の入射角を変動させる。臨界角度以上の範囲において、大きい入射角で軟X線であるEUV光が照射される部分に対しては、スパッタ原子18の入射角を斜入射させ、膜密度を低下させる。
スパッタ原子はエネルギーを低下させたり入射角を大きくしたりすると、膜密度が小さくなるので、例えば入射角を変化させることで膜密度を制御することができる。
一方、小さい入射角でEUV光が照射される部分に対しては、スパッタ原子18の入射角を直入射させ、膜密度を高める。膜密度の低下した部分では、屈折率が0.935と大きくなり、反射率は低下する。逆に、膜密度を高めた部分では、屈折率が0.925となり、最高反射率を維持している。この時、膜密度(屈折率)の幅だけを考えると、入射角80°における反射率幅は85〜89%の範囲を取り、これに反射率の入射角依存性を併せると、反射面内の反射率のバラツキが抑えられ、EUV光が一定強度で反射するようになる。
なお、これらの屈折率は、図4に示すように、EUV波長を13.5nmとした時の、反射率の入射角依存測定を行い(入射角θは、50°≦θ<90°)、その実測値とシミュレーション値とをフィッティングして算出したものである。
図5は、実施例2による反射光学素子を示すもので、これは、基板21に、斜入射反射膜として主要材料のMo層22aを積層させ、最表面層に表面の粗さを平滑化させるためのSi層22bを積層させたEUV光斜入射反射ミラー23である。EUV斜入射反射ミラー23は、マグネトロンスパッタ装置等によって作製される。このときの成膜には、スパッタガスにアルゴンガスを用いている。実施例1と同様に、図2に示したEUV光斜入射反射ミラー13は露光装置の照明光学系に用いられる一つの平面反射ミラーと考えてよい。本来は、反射鏡が湾曲し、入射光が一定の角度であるが、図の説明上、反射面を平らにし、入射光を角度を異ならせて表示していると考えてもよい。
基板21の材質としては熱伝導率が高いものが好ましく、例えばSi、Ni、Cu、Agなどがよい。
Mo層22aは100nm程度の厚みを持っており、Si層22bは2nmの厚みを持っている。Mo層22baを成膜する際に、反射面内の部分ごとにスパッタ原子28のエネルギーを、電力やスパッタガス圧力を調整することで変動させる。大きい入射角でEUV光が照射される部分に対しては、150W、0.3Paでスパッタ原子28のエネルギーを低下させ、到達した基板21上でマイグレーション効果の発生を少なくさせることで膜密度を低下させる。一方、小さい入射角でEUV光が照射される部分に対しては、200W、0.1Paでスパッタ原子28のエネルギーを大きくさせ、マイグレーション効果発生を高めることで膜密度を高める。膜密度の低下した部分では、屈折率が0.938と大きくなり、反射率は減少する。逆に、膜密度を高めた部分では、屈折率が0.926となり、最高反射率を維持している。この時、膜密度(屈折率)の幅だけを考えると、入射角80°における反射率幅は84.5%〜87%の範囲を取り、これに反射率の入射角依存性を併せると、反射面内の反射率のバラツキが抑えられ、反射光が一定強度となる。
なお、これらの屈折率は、実施例2と同様に、EUV波長を13.5nmとした時の、反射率の入射角依存測定を行い(入射角θは、50°≦θ<90°)、その実測値とシミュレーション値とをフィッティングして算出したものである。
図6は、実施例3による反射光学素子を示すもので、これは、基板31に、Mo層32aとSi層32bを積層した直入射反射膜を有する軟X線多層膜ミラー33である。この反射膜は、マグネトロンスパッタリング法により、屈折率が異なるSi層32bとMo層32aの2層を交互に積層させ、Si層32bを最終層とするように成膜した多層膜である。軟X線多層膜ミラー33の成膜には、スパッタガスにアルゴンガスを用い、軟X線が近直角入射で入射した時に高反射率を実現させるものである。実施例1と同様に、図6に示した軟X線多層膜ミラー33は露光装置の照明光学系に用いられる一つの平面反射ミラーと考えてよい。もしくは、本来は、反射鏡が湾曲し、入射光が一定の角度であるが、図の説明上、反射面を平らにし、入射光を角度を異ならせて表示しているものと考えてもよい。
基板31の材質としては熱伝導率が高いものが好ましく、例えばSi、Ni、Cu、Agなどがよい。
Si層32bは4nm、Mo層32aは3nmの厚みを持ち、交互にそれぞれ40層(計80層)の構成で軟X線多層膜ミラー33となっている。Si層32bやMo層32aを成膜する際に、反射面内の部分ごとにスパッタ原子のエネルギーを、電力やスパッタガス圧力を調整することで変動させる。
SiはMoと比べて同じ膜密度では高い屈折率を有している。そこで、入射角が5°で軟X線が照射される部分に対しては、高屈折率層であるSi層32bの成膜は200W、0.1Paでスパッタ原子のエネルギーを向上させ、膜密度を高める。
一方、低屈折率層であるMo層32aの成膜は、100W、0.3Paでスパッタ原子のエネルギーを低下させ、膜密度を小さくさせる。このような組合せにすることによって、Si層32bとMo層32aの屈折率差が縮まり、結果として反射率は減少する。次に、入射角10°で軟X線が照射される部分に対しては、軟X線が10°入射で入射した時に最高反射率を実現させる条件を保持させる。図6で示した、高入射角度の入射光10aと低入射角度の入射光10bが入射する地点についてそれぞれ説明する。入射光10aが入射する領域においては、Si層32bの膜密度を大きくし、一方でMo層32aの膜密度を小さくすると反射率が小さくなるのによい構成となる。また、入射光10bが入射する地点においては、入射光10aの入射する地点と比べてSi層32bの膜密度を小さくし、入射光10aの入射する地点と比べてMo層32aの膜密度を大きくする。そうすることでSi層32bとMo層32aの屈折率差が、大きくなるため反射率が、入射光10aの入射する地点と比べて大きくなる。要するに、Mo層とSi層を交互に積層した多層膜で、Si層32bの膜密度が面内で小さくなるにつれて、Mo層32aの膜密度が面内で大きくなるように、膜密度を入れ子状に構成するとよい。本実施例は、軟X線多層膜ミラー33の一端から一端へ入射光の入射角度が段々と小さくなる場合に、反射率のバラツキなく入射光を反射させるため有利な構成である。
この時、膜密度(屈折率)の幅だけを考えると、入射角5°における反射率幅は67.5%〜71%の範囲を取り、これに反射率の入射角依存性を併せると、反射面内の反射率のバラツキが抑えられ、反射光が一定強度となる。
図7は、実施例4による反射光学素子を示すもので、これは、基板41の上に、下地層である下地Mo層42bを積層し、その上に反射膜であるMo層42aを成長させたEUV光斜入射反射ミラー43である。下地Mo層42bは、Mo層42aの結晶度を変化させることが目的で積層されている。実施例1と同様に、図7に示した軟X線多層膜ミラー33は露光装置の照明光学系に用いられる一つの平面反射ミラーと考えて良い。本来は、反射鏡が湾曲し、入射光が一定の角度であるが、図の説明上、反射面を平らにし、入射光を角度を異ならせて表示していると考えてもよい。
基板41の材質としては熱伝導率が高いものが好ましく、例えばSi、Ni、Cu、Agなどがよい。
下地Mo層42bとしては、Mo結晶構造であるBCC構造(体心立方体)から選ばれ、好ましくは、Mo結晶の格子定数と近い値を取る単結晶体が選ばれる。最も適しているのは、Mo単結晶体である。
まず、下地Mo層42bとなるMo単結晶は、浮遊帯域溶融法(FZ法)によって、面方向(110)が主軸となり、直径20mm程度の円柱状で得られる。得られた単結晶を碧開または加工することで0.5mm±0.01の厚みに揃える。それらを、Mo層42aの密度を高くする予定部分に基板41上に敷き詰め固定する。
一方、同じ下地Mo層でも、密度を低くする部分には、高温溶融させたMo溶液を敷き、急冷してMoアモルファス体を作製する。冷却時間によっては、結晶粒が発生し、結晶+アモルファスの共存状態にも作製できる。
さらに、基板全体を研磨加工することで高さや表面粗さの誤差を10nm以内の範囲になるまで揃える。
このようにして作製した下地Mo層42bの上に、マグネトロンスパッタ法や蒸着法等によってMo層42aを100nm成長させる。下地Mo層42bが単結晶の部分では、Mo層42aは単結晶化が進み、密度も高くなる。一方、下地Mo層42bがアモルファスの部分では、Mo層42aが結晶化せず、アモルファス状態なので密度も低くなる。
膜密度の低下した部分では、屈折率が0.937と大きくなり、反射率は減少する。逆に、膜密度を高めた部分では、屈折率が0.921と小さくなり、最高反射率を維持している。この時、膜密度(屈折率)の幅だけを考えると、入射角80°における反射率幅は84.5%〜91%の範囲を取り、これに反射率の入射角依存性を併せると、反射面内の反射率のバラツキが抑えられ、反射光が一定強度となる。
軟X線を用いる光学系を持つ、EUV露光装置、X線顕微鏡などに利用可能である。
一実施形態による反射光学素子の膜構成を示す断面図である。 実施例1による反射光学素子の膜構成を示す断面図である。 実施例1の反射光学素子を製造するための成膜装置を示す図である。 Mo斜入射反射率の軟X線入射角依存性と屈折率依存性を測定した結果を示すグラフである。 実施例2による反射光学素子の膜構成を示す断面図である。 実施例3による反射光学素子の膜構成を示す断面図である。 実施例4による反射光学素子の膜構成を示す断面図である。
符号の説明
1、11、21、31、41 基板
2、12、22a、32a、42a Mo層
3 軟X線斜入射反射ミラー
13、23、43 EUV光斜入射反射ミラー
22b、32b Si層
33 軟X線多層膜反射ミラー
42b 下地Mo層

Claims (10)

  1. 軟X線を反射する反射膜を有する反射光学素子において、
    前記反射膜の反射率のバラツキを抑えるために、前記反射膜の膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする反射光学素子。
  2. 前記反射膜に入射する軟X線の入射角に基づいて、前記反射膜の膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項1に記載の反射光学素子。
  3. 前記反射膜は、臨界角度以上で入射する軟X線を反射させる斜入射反射膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射光学素子。
  4. 前記反射膜は、臨界角度以下で入射する軟X線を反射させる直入射反射膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射光学素子。
  5. 前記反射膜は、Mo層を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の反射光学素子。
  6. 前記反射膜は、屈折率が異なる2層を交互に積層した多層膜であることを特徴とする請求項4又は5に記載の反射光学素子。
  7. 前記多層膜は、Mo層とSi層を交互に積層した多層膜であることを特徴とする請求項6に記載の反射光学素子。
  8. 前記Mo層の膜密度が高くなるにつれて、前記Si層の膜密度が低くなるように、膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項7に記載の反射光学素子。
  9. 前記反射膜の成膜工程において成膜粒子の入射角を変化させることで、前記反射膜の膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の反射光学素子。
  10. 前記反射膜の結晶度を変化させるための下地層を設けることで、前記反射膜の膜密度に面内方向の分布を持たせたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の反射光学素子。
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