JP2010121453A - 内燃機関の燃料噴射制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関のスモークの抑制と運転騒音の低減を効率良く実現する。
【解決手段】燃料噴射ノズル15は圧縮上死点付近におけるメイン噴射と、メイン噴射に先立つパイロット噴射とを実行する。コントロールユニット30がパイロット噴射量を計算し、計算されたパイロット噴射量の燃料を、圧縮上死点前の圧縮行程の所定のパイロット噴射タイミングでパイロット噴射するように燃料噴射ノズル15を制御する。コントロールユニット30はセンサ7、30、32、40、41からの信号に基づき筒内平均温度を算出し、所定のパイロット噴射タイミングを筒内平均温度に基づき計算する。
【選択図】図4
【解決手段】燃料噴射ノズル15は圧縮上死点付近におけるメイン噴射と、メイン噴射に先立つパイロット噴射とを実行する。コントロールユニット30がパイロット噴射量を計算し、計算されたパイロット噴射量の燃料を、圧縮上死点前の圧縮行程の所定のパイロット噴射タイミングでパイロット噴射するように燃料噴射ノズル15を制御する。コントロールユニット30はセンサ7、30、32、40、41からの信号に基づき筒内平均温度を算出し、所定のパイロット噴射タイミングを筒内平均温度に基づき計算する。
【選択図】図4
Description
この発明は、内燃機関のスモークと運転騒音の低減のための燃料噴射の分割を行なう燃料噴射制御装置に関する。
ディーゼルエンジンの騒音低減及びエミッションの改善のために、特許文献1による従来技術は燃焼室への燃料のメイン噴射に先立って燃焼室への燃料のパイロット噴射を行なうことを提案している。
燃料は高圧燃料ポンプで加圧された後、コモンレールに蓄積され、コモンレールに接続された燃料ノズルから各気筒に噴射される。
燃料噴射量とパイロット噴射量の比率は内燃機関の運転条件に応じてあらかじめ定められている。エンジンコントロールユニット(ECU)は内燃エンジンの運転条件に応じて、燃料噴射量とパイロット噴射量の比率を求め、求めた燃料噴射量とパイロット噴射量の比率とから、メイン噴射量とパイロット噴射量を計算する。燃料ノズルの噴射圧力、及びパイロット噴射とメイン噴射の間隔についても、ECUが内燃機関の運転条件に応じて決定する。
そして、内燃機関の高速高負荷領域ではメイン噴射のみを行ない、他の領域で上記計算によるパイロット噴射とメイン噴射を行なうことで、運転騒音の低減とスモークの抑制を図っている。
特開平10−274088号公報
コモンレールのレール圧力を高めると、噴霧が微粒化するので、一般にスモークは低減する。一方、燃焼騒音はレール圧力が高いほど大きくなる。従来技術においては、騒音低減とスモーク抑制を両立させようとしているが、このように相反する要素のために、必ずしも期待どおりの効果が得られない可能性がある。
また、従来技術は、負荷の高まりに応じてパイロット噴射領域におけるパイロット噴射とメイン噴射の間隔を狭めている。その結果、短い間隔で噴射されたパイロット噴射燃料とメイン噴射燃料が1度に燃焼することになり、急激な予混合燃焼が燃焼騒音や排気中の窒素酸化物(NOx)の量を増加させる恐れがある。
この発明は、従来技術の以上の問題点に着目してなされたもので、内燃機関のスモークの抑制と運転騒音の低減とをより効率的に実現することを目的とする。
以上の目的を達成するために、この発明は、圧縮上死点付近におけるメイン噴射と、メイン噴射に先立つパイロット噴射とを実行可能な燃料噴射ノズルと、パイロット噴射量を計算する計算手段と、計算されたパイロット噴射量の燃料を、圧縮上死点前の圧縮行程の所定のパイロット噴射タイミングでパイロット噴射するように燃料噴射ノズルを制御する制御手段と、を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、内燃機関の筒内平均温度を検出する検出手段をさらに備えるとともに、所定のパイロット噴射タイミングを筒内平均温度に基づき計算するよう制御手段を構成している。
この発明によれば、パイロット噴射量を筒内平均温度に基づき計算するので、分割噴射によるスモークの抑制と運転騒音の低減とを最適化することができる。
以下に図面を参照してこの発明を実施するための最良の形態を説明する。
この発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置の概略構成図である。図2はあるメイン噴射タイミングとパイロット噴射タイミングにおいて、パイロット噴射量PilotQをパラメータとしてスモーク発生量と燃焼騒音の変化を発明者らが観察した結果を示すダイアグラムである。図3はパイロット噴射量PilotQを変化させた場合の、筒内圧力P、熱発生量、及び筒内温度の変化についての、発明者らによる観察結果を示すダイアグラムである。図4はこの発明の第1実施形態によるコントロールユニットが実行する燃料噴射ルーチンを説明するフローチャートである。図5はコントロールユニットが格納する、内燃機関の運転負荷に応じた、メイン噴射量に対するパイロット噴射量の割合のマップの特性を示すダイアグラムである。
図1を参照すると、車両用の4気筒水冷式の内燃機関1は吸気通路2から各気筒に吸入した空気に燃料噴射ノズル15が燃料を噴射することで気筒内に混合気を生成する。内燃機関1は気筒内に収装された図2に示すピストン43の往復運動によって混合気を圧縮し、圧縮に伴う温度上昇により混合気に着火して燃焼させる。燃焼ガスは排気通路3を介して排出される。内燃機関1は各気筒において吸気、圧縮、膨張、排気の各行程を順番に繰り返す、4ーストロークサイクルエンジンで構成される。
吸気通路2には吸気を濾過するエアクリーナ2aと、吸気を過給するコンプレッサ2bと、吸気流量を調整する吸気スロットル6が設けられる。吸気通路2は吸気コレクタ2cを介して各気筒に接続される。
排気通路3にはコンプレッサ2bを駆動する排気タービン3bと、排気中のパティキュレートをトラップするディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)16が設けられる。また、排気タービン3bの上流の排気通路上流部3aに、排気の一部を吸気コレクタ2cに還流する排気還流(EGR)通路4が接続される。
EGR通路4には還流する排気を冷却する水冷クーラ17と、排気還流(EGR)流量を調整する排気還流(EGR)弁5が設けられる。
燃料噴射ノズル15は燃料噴射装置10の一部をなす。燃料噴射装置10は内燃機関1のクランク軸により駆動される高圧燃料ポンプ11と、高圧燃料ポンプ11が吐出した高圧燃料を一時的に貯留するコモンレール14とを備える。高圧燃料ポンプ11は燃料吸込口13から吸い込んだ燃料タンクの燃料を加圧して吐出する。吐出された高圧燃料は燃料配管12を介してコモンレール14に供給される。燃料噴射ノズル15はコモンレール14に接続され、入力されるパルス幅変調信号に応じて開くことでコモンレール14に貯留された燃料を気筒内に噴射する。
燃料噴射ノズル15の燃料噴射タイミングと燃料噴射量、吸気スロットル6の開度、及びEGR弁5の開度はコントロールユニット30からの信号により制御される。コントロールユニット30が計算手段と制御手段を構成する。
コントロールユニット30は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたプログラム可能なマイクロコンピュータで構成される。コントローラを複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
コントロールユニット30には、燃料噴射ノズル15の制御のために、吸気通路2の吸入空気流量Qairを検出するエアフローメータ7、内燃機関1のクランク角θと回転速度Neを検出するクランク角センサ32、車両が備えるアクセルペダルの踏み込み量を運転負荷Qとして検出するアクセルペダル踏み込み量センサ40、筒内圧力Pを検出する筒内圧力センサ41、内燃機関1の吸入ガス温度Tgを検出する温度センサ42、及び排気管流流量EGRgasを検出する流量センサ44がそれぞれ信号回路を介してコントロールユニット30に接続される。
コンロールユニット30は以上の入力信号に基づき以下に説明するプロセスで、メイン噴射量とメイン噴射タイミング及びパイロット噴射量とパイロット噴射タイミングを決定し、決定されたタイミングにおいて決定された噴射量に相当するパルス幅変調信号を燃料噴射ノズル15に出力する。
コンロールユニット30が実行する以上の燃料噴射制御について次に説明する。
図2(a)と(b)は発明者らが、あるメイン噴射タイミングとパイロット噴射タイミングにおいて、パイロット噴射量PilotQをパラメータとしてスモーク発生量と燃焼騒音の変化を観察した結果を示すダイアグラムである。
これらのダイアグラムから、パイロット噴射量PilotQを一定量以上にすることで、スモークも燃焼騒音も減少することが分かる。
図3の(a)、(b)、及び(c)はパイロット噴射量PilotQを変化させた場合の、クランク角変化に対する筒内圧力、熱発生量、及び筒内温度の変化を示すダイアグラムである。(a)に示すように曲線A−Eの順にパイロット噴射量PilotQが多い。パイロット噴射燃料の燃焼がメイン噴射燃料の燃焼に必要な熱を発生させるのは、(b)に示す曲線A−Cに限られる。また、パイロット噴射を(c)に示すように筒内温度が500K−600Kとなるタイミングで噴射した場合である。ここで、曲線A−Cのパイロット噴射量PilotQは、メイン噴射量の10%−30%に相当する。
そこで、この燃料噴射制御装置は内燃機関1の圧縮行程において、メイン噴射量の10%−30%に相当する量のパイロット噴射を筒内平均温度が500K−600Kの範囲となるタイミングで行ない、メイン噴射を筒内平均温度が850K−950Kの範囲となるタイミングで行なう。(b)に示すように、筒内平均温度が850K−950Kの範囲となるのは圧縮上死点(TDC)の10度ほど手前である。
このような燃料噴射制御を行なうと、パイロット噴射燃料は完全に予混合するので、スモーク発生が抑制される。また、パイロット噴射燃料の燃焼後期に好ましい熱環境のもとでメイン噴射燃料が燃焼を開始するので、メイン噴射燃料の燃焼による熱発生が緩やかになり、燃焼騒音も抑制される。
コントロールユニット30は以上の燃料噴射制御を実現するために、図4に示す燃料噴射制御ルーチンを実行する。このルーチンは内燃機関1の運転中に所定のクランク角ごとに実行される。
ステップS1で、コントロールユニット30はエンジン回転速度Ne、筒内圧力P、クランク角θ、運転負荷Q、吸入空気流量Qair、圧縮比ε、吸入ガス温度Tgなどの内燃機関1の運転条件を示すデータを読み込む。
ステップS2で、コントロールユニット30は図5に示す内容のマップを参照して、運転負荷Qに応じたパイロット噴射量を決定する。マップはあらかじめコントロールユニット30のROMに格納される。
ステップS3で、コントロールユニット30はステップS1で読み込んだ信号に基づき筒内平均温度を計算する。筒内平均温度は筒内圧力P、クランク角θから求まるガス体積V、運転負荷Q、及び吸入空気流量Qairから状態方程式を使って演算される。ここで計算されるデータはクランク角ごとに筒内平均温度を求めた、図2の(c)に相当するデータである。
ステップS4では、コントロールユニット30はステップS3で求めたクランク角ごとの筒内平均温度データにおいて筒内平均温度が500K−600Kとなるクランク角で、ステップS2で決定した量のパイロット噴射を実行する。このようにして決められるパイロット噴射タイミングのクランク角は、一般に圧縮上死点TDCの手前50度−60度のクランク角に相当する。
ステップS5ではステップS3で求めたクランク角ごとの筒内平均温度データにおいて筒内平均温度が850K−950Kとなるタイミングで、メイン噴射を実行する。このメイン噴射タイミングは、一般に圧縮上死点TDCの手前約10度のクランク角に相当する。なお、パイロット噴射量とメイン噴射量の合計燃料噴射量はあらかじめ運転負荷Qに基づき設定される。したがって、合計燃料噴射量からパイロット噴射量を差し引いた値がメイン噴射量となる。
ステップS5の処理を実行した後、コントロールユニット30は燃料噴射制御ルーチンを終了する。
以上のようにこの燃料噴射制御装置によれば、筒内温度が500K−600Kとなるタイミングでパイロット噴射が行なわれるので、パイロット噴射燃料が十分に予混合し、スモークが減少する。また、筒内平均温度が850K−950Kとなるタイミングでメイン噴射が行なわれるので、パイロット噴射燃料の燃焼後期にメイン噴射燃料の燃焼が開始されることになり、メイン噴射燃料の熱発生が緩やかになることで燃焼騒音も低減できる。
以上の実施形態は、圧縮比εとクランク角θとの関係が一定の内燃機関1を対象としているが、この発明は内燃機関1が可変圧縮比機構を備える場合にも適用可能である。
図6は内燃機関が装備可能な可変圧縮比機構の一例を示す斜視図である。
図6を参照すると、内燃機関1のピストン43には第1コネクティングロッド50の一端がピストンピンを介して連結される。第1コネクティングロッド50のもう一端は浮動レバー51の一端に支持ピン53を介して連結される。浮動レバー51の中央には円形の軸受51bが形成される。軸受51bに内燃機関1のクランクシャフトのクランクピン63aが回転自由に嵌合する。具体的には軸受51bは上下に2分割され、半円形断面の下部が浮動レバー51と一体に形成され、半円形断面の上部がキャップ部51cとして、下部との間にクランクピン63aを挟んだ状態で、ボルト45により浮動レバー51に固定される。
浮動レバー51のもう一端は支持ピン54を介して第2のコネクティングロッド56の一端に連結される。第2のコネクティングロッド56のもう一端には電動モータ57に駆動される偏心軸58が回転自由に嵌合する。
電動モータ57により偏心軸58を回転させると、第2のコネクティングロッド56を介して支持ピン54の支持位置が変化する。支持ピン54の位置変化は同一位置のクランクピン63aに対して浮動レバー51のもう一端に嵌合する支持ピン53の位置変化をもたらす。クランクピン63aは常に一定の円軌道上を周回するので、支持ピン54の位置変化はクランクピン63aの円軌道上の周回に伴う支持ピン53の変位の軌道に変化をもたらす。その結果、支持ピン53に第1のコネクティングロッド50を介して連結されたピストン43が、クランクピン63aに円形の軌道上を一周させるためのストローク距離も変化する。つまり、クランク角θと圧縮比εとの関係が変化する。
内燃機関1がこのような可変圧縮比機構20を備える場合も、燃料噴射制御装置は図4の燃料噴射ルーチンを実行する。ただし、この場合には、ステップS1で読み込む圧縮比εはクランク角θから一義的に求まる値ではなく、偏心軸58の回転位置に応じて変化する。偏心軸58はコントロールユニット30から電動モータ57への回転指令信号に応じて回転位置を変化させるので、偏心軸58の回転位置はコントロールユニット30にとって既知の値である。あるいは、回転位置センサを用いて、偏心軸58の実回転位置を検出することも可能である。偏心軸58の回転位置と圧縮比εとの関係は可変圧縮比機構20の仕様に依存し、あらかじめマップに作成しておくことができる。したがって、コントロールユニット30は偏心軸58の回転位置とクランク角から圧縮比εを求めることができる。ステップS1で読み込まれる圧縮比εはこのようにして決定される。圧縮比εはステップS2で筒内平均温度の計算に用いられるガス体積Vの計算に使用される。
ステップS2で筒内平均温度を計算した後の処理は、既に説明した通りである。
このように、この燃料噴射制御装置は可変圧縮比機構20を備える内燃機関1にも適用可能であり、この場合もスモークと燃焼騒音をともに低減させるという好ましい効果をもたらす。
図7ー図9を参照してこの発明の第2実施形態を説明する。
図7はこの発明の第2実施形態によるコントロールユニットが実行する燃料噴射ルーチンを説明するフローチャートである。図8はコントロールユニットが格納する、パイロット噴射を行なうべき筒内平均温度をセタン価に応じて定めたマップの特性を示すダイアグラムである。図9は、コントロールユニットが格納する、メイン噴射を行なうべき筒内平均温度をセタン価に応じて定めたマップの特性を示すダイアグラムである。
この実施形態によるコントロールユニット30は図4の燃料噴射ルーチンに代えて図7の燃料噴射ルーチンを実行する。
図7を参照すると、ステップS11でコントロールユニット30はエンジン回転速度Ne、筒内圧力P、クランク角θ、運転負荷Q、吸入空気流量Qair、吸入ガス温度Tg、排気還流流量EGRgasなどの内燃機関1の運転条件を示すデータを読み込む。
ステップS12で、コントロールユニット30は前述のステップS2の処理と同様に、図5に示す内容のマップを参照して、運転負荷Qに応じたパイロット噴射量を決定する。マップはあらかじめコントロールユニット30のROMに格納される。
ステップS13で、コントロールユニット30は前述のステップS3の処理と同様に、筒内平均温度を計算する。
ステップS14で、コントロールユニット30は燃料のセタン値を計算する。燃料はガソリンと軽油を問わず、芳香族炭化水素の含有量によって発熱量や着火性が異なる。芳香族炭化水素は、成分的に炭化水素の比率が小さいため、芳香族炭化水素を多く含むほど燃焼時の燃料の発熱量は小さく、着火性も低い。芳香族炭化水素の含有量は、したがって、燃料噴射制御に影響を及ぼす。香族炭化水素含有量はセタン価に反比例する。
この実施形態では、燃料のセタン価を芳香族炭化水素含有量の指標として用いる。セタン価に応じてパイロット噴射を行なう筒内平均温度と、メイン噴射を行なう筒内平均温度とを決定することで、芳香族炭化水素含有量を考慮した精度の高い燃料噴射制御を実現する。
セタン価は燃料の比重から計算可能である。セタン価の具体的な計算方法は特開2004−239229号により公知であるので、ここでは説明を省略する。
ステップS15で、コントロールユニット30はステップS12で計算したセタン価に基づき、図8に示す特性のマップを参照してパイロット噴射を行なう筒内平均温度を求める。このマップはあらかじめコントロールユニット30のROMに格納される。図に示すように、このマップによれば燃料のセタン価が大きいほどパイロット噴射は筒内平均温度が低い段階で行なわれる。
ステップS16で、コントロールユニット30はステップS12で計算したセタン価に基づき、図9に示す特性のマップを参照してメイン噴射を行なう筒内平均温度を求める。このマップはあらかじめコントロールユニット30のROMに格納される。図に示すように、このマップによれば燃料のセタン価が大きいほどメイン噴射は筒内平均温度が低い段階で行なわれる。
ステップS17で、コントロールユニット30は、ステップS13で求めたクランク角ごとの筒内平均温度データにおいて、筒内平均温度がステップS15で求めた筒内平均温度となるクランク角で、ステップS12で決定した量のパイロット噴射を実行する。
ステップS18で、コントロールユニット30は、ステップS13で求めたクランク角ごとの筒内平均温度データにおいて、筒内平均温度がステップS16で求めた筒内平均温度となるクランク角でメイン噴射を実行する。メイン噴射量は第1実施形態と同様の方法で決定される。
ステップS18の処理の後、コントロールユニット30は燃料噴射制御ルーチンを終了する。
以上のように、この実施形態による燃料噴射制御装置はパイロット噴射とメイン噴射の各タイミングを燃料のセタン価に応じて決定する。したがって、この実施形態によれば、パイロット噴射燃料の十分な予混合によるスモークの低減と、メイン噴射燃料の熱発生が緩やかになることによる燃焼騒音の低減という第1実施形態の効果を、燃料の特性の違いに影響されずに、常に最適化された状態で得ることができる。
1 内燃機関
2 吸気通路
3 排気通路
4 排気還流(EGR)通路
6 吸気スロットル
7 エアフローメータ
15 燃料噴射ノズル
20 可変圧縮比機構
30 コントロールユニット
32 クランク角センサ
40 アクセルペダル踏み込み量センサ
41 筒内圧力センサ
42 温度センサ
44 流量センサ
2 吸気通路
3 排気通路
4 排気還流(EGR)通路
6 吸気スロットル
7 エアフローメータ
15 燃料噴射ノズル
20 可変圧縮比機構
30 コントロールユニット
32 クランク角センサ
40 アクセルペダル踏み込み量センサ
41 筒内圧力センサ
42 温度センサ
44 流量センサ
Claims (9)
- 圧縮上死点付近におけるメイン噴射と、メイン噴射に先立つパイロット噴射とを実行可能な燃料噴射ノズルと、パイロット噴射量を計算する計算手段と、計算されたパイロット噴射量の燃料を所定のパイロット噴射タイミングでパイロット噴射するように燃料噴射ノズルを制御する制御手段と、を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
内燃機関の筒内平均温度を検出する筒内平均温度検出手段をさらに備えるとともに、制御手段は所定のパイロット噴射タイミングを筒内平均温度に基づき決定するよう構成される、ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - パイロット噴射量はメイン噴射量の10%から30%である、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- パイロット噴射量は内燃機関の運転負荷に応じて決定される、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 内燃機関の筒内圧力を検出する手段と、内燃機関のクランク角を検出する手段と、内燃機関の吸入空気流量を検出する手段と、内燃機関の運転負荷を検出する手段と、内燃機関の吸入ガス温度を検出する手段とをさらに備え、筒内平均温度検出手段は筒内平均温度を筒内圧力と、クランク角と、吸入空気流量と、運転負荷と、吸入ガス温度を用いて演算するように構成される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 内燃機関は圧縮比を変化させる可変圧縮比機構を備え、筒内平均温度検出手段は筒内圧力と、クランク角と、吸入空気流量と、運転負荷と、吸入ガス温度に加えて圧縮比をさらに用いて筒内平均温度を計算するようにさらに構成される、ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 制御手段は、パイロット噴射タイミングを筒内平均温度が500Kから600Kとなるタイミングに設定し、メイン噴射タイミングを筒内平均温度が850Kから950Kとなるタイミングに設定するようさらに構成される、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 燃料のセタン価を検出する手段をさらに備え、制御手段はセタン価に応じてパイロット噴射タイミングと、メイン噴射を行なうメイン噴射タイミングとを設定するようさらに構成される、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 制御手段は、セタン価が高いほど、パイロット噴射タイミングとメイン噴射タイミングとを筒内平均温度の低温側にシフトするようさらに構成される、ことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 圧縮上死点付近におけるメイン噴射と、メイン噴射に先立つパイロット噴射とを実行可能な内燃機関の燃料噴射ノズルに関して、パイロット噴射量を計算し、計算されたパイロット噴射量の燃料を、圧縮上死点前の所定のパイロット噴射タイミングでパイロット噴射するように燃料噴射ノズルを制御する、内燃機関の燃料噴射制御方法において、
内燃機関の筒内平均温度を検出し、所定のパイロット噴射タイミングを筒内平均温度に基づき計算する、ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013061420A1 (ja) * | 2011-10-26 | 2013-05-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のセタン価判定装置 |
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2008
- 2008-11-17 JP JP2008293100A patent/JP2010121453A/ja active Pending
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WO2013061420A1 (ja) * | 2011-10-26 | 2013-05-02 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のセタン価判定装置 |
JP5556970B2 (ja) * | 2011-10-26 | 2014-07-23 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のセタン価判定装置 |
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