JP2010120559A - 乗物の椅子席室 - Google Patents

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Abstract

【課題】旅客の眺望性が良好で、かつ安楽性が妨げられず、さらに個別性が確保された乗物の椅子席室を提供すること。
【解決手段】室の一側に沿って前後方向に延びる通路2と、上記室の他側に配置され互いに幅が等しい複数の側窓3及び間柱4と、通路2より他側に向け直交状に延び側窓3及び間柱4に面する複数の枝通路5と、両側が複数の枝通路5に挟まれ一人当たりの席幅sが
側窓の幅w及び枝通路の幅bに等しい複数の二人並び横向き席6とを具えたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両,船舶等における乗物の椅子席室に関する眺望性,安楽性及び個別性の向上策である。
例えば、高速に伴う軽量化を目指す新幹線電車N700系普通車椅子席室の側窓小型化事情として図2模式的三面図に示すようなものが知られている(例えば、非特許文献1)。
ここで、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のb-bにおける縦断面図、同図(c
)は同図(a)のc-cにおける横断面図である。
ここで、図2(b)の前部にリクライニング状態の通路側旅客013が側窓側旅客01
4の離着席に伴い背凭れを一時的に起立して通路側旅客015に姿勢を変位した状態を補足する。
JR東海・JR西日本:N700系量産車,鉄道図書刊行会、鉄道ピクトリアル,2008年10月号,p93〜96
しかしながら、このような構造では下記のような欠点がある。
(1) 01,02はそれぞれ縦向き二人並び椅子席,縦向き三人並び椅子席なので旅客03,旅客04の視線はそれぞれ側窓05と直交し難く,したがって採光性は満足するものの
眺望性は不十分である。
ちなみに,06は約60度の頂角を持った水平円錐状と云われている例えば旅客03の静止視野である。
(2) 01が縦向き二人並び椅子席なので、通路07に接した通路側旅客03は側窓05に接した側窓側旅客08の離着席動作の影響を著しく受ける。
また、02が縦向き三人並び椅子席なので、通路07に接した通路側旅客04は中間座席旅客010及び側窓側旅客011の離着席動作の影響を同じく著しく受ける。
その結果、通路側旅客03,通路側旅客04及び中間座席旅客010はリクライニング
背凭れを利用する自在な姿勢が中断され、したがって安楽性が妨げられる。
(3) 縦向き二人並び椅子席01の奥側の席は間柱012により片側が塞がれているので側窓側旅客08の片側には通路を活用した自由空間がなく個別性に欠けている。
また、同様に縦向き三人並び椅子席02の奥側も間柱012により塞がれているので、中間座席旅客010及び側窓側旅客011の片側にも通路を活用した自由空間がなく個別性に欠けている。
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、旅客の眺望性が良好で、かつ安楽性が妨げられず、さらに個別性が確保された乗物の椅子席室を提供することを目的とする。
そのために、本発明は室の一側に沿って前後方向に延びる通路と、上記室の他側に配置され互いに幅が等しい複数の側窓及び間柱と、上記通路より他側に向け直交状に延び上記側窓及び上記間柱に面する複数の枝通路と、両側が上記複数の枝通路に挟まれ一人当たり
の席幅が上記側窓の幅及び上記枝通路の幅に等しい複数の二人並び横向き席とを具えたことを特徴とする。
このような構造によれば、室の一側に沿って前後方向に延びる通路と、上記室の他側に配置され互いに幅が等しい複数の側窓及び間柱と、上記通路より他側に向け直交状に延び上記側窓及び上記間柱に面する複数の枝通路と、両側が上記複数の枝通路に挟まれ一人当たりの席幅が上記側窓の幅及び上記枝通路の幅に等しい複数の二人並び横向き席とを設けているので、下記の効果が奏せられる。
先ず、等間隔で付設された複数の側窓に対し複数の二人並び横向き席が配置されており、全旅客の視線が側窓に対し直交状になり易くなっている。したがって、眺望性が著しく向上する。
次に、両側が複数の枝通路に挟まれた複数の二人並び横向き席が配置されており、全旅客の離着席は自在である。したがって、安楽性が妨げられない。
更に、全旅客の二人並び横向き席の両側を挟む枝通路は旅客の自由空間としても利用できる。したがって、個別性が確保される。
本発明を図2に示す新幹線電車N700系普通車椅子席室の外郭に適用した一実施例を
図1に基ずき記述する。
ここで、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のb-bにおける縦断面図、同図(c
)は同図(a)のc-cにおける横断面図、同図(d)は同図(a)のd-dにおける横断面図で
ある。
そして、同図において1は室の一側に沿って前後方向に延びる通路2と、上記室の他側に配置され互いに幅が等しい複数の側窓3及び間柱4と、通路2より他側に向け直交状に延び側窓3及び間柱4に面する複数の枝通路5と、両側が複数の枝通路5に挟まれ一人当たりの席幅sが側窓の幅w及び枝通路の幅bに等しい複数の二人並び横向き席6とを設けた
乗物の椅子席室である。
なお、二人並び横向き席6はリクライニング腰掛である。
また、7は半高通路側仕切り、8は枝通路5の両側天井下すなわち二人並び横向き席6の上方にそれぞれ設けられた荷物棚である。
このような構造において、側窓3に対し二人並び横向き席6が設けられているので、旅客9の静止視野10に含まれる視線は側窓3にほぼ直交し易くなり、したがって、旅客9の眺望性は著しく向上する。
また、二人並び横向き席6はその両側を1対の枝通路5で挟まれているので、旅客9,
旅客11はそれぞれ自席に沿った枝通路5を自在に利用でき、したがって、安楽性が隣席者により妨げられない。
さらに,通路2より他側に向け直交状にそれぞれ延び側窓3及び間柱4に面し側窓の幅wと等しい枝通路の幅bを有する複数の枝通路5が配置されているので、旅客9,旅客11
の片側にはそれぞれ均等に自由空間が形成され個別性が確保される。
ちなみに、本実施例の側窓の幅w,間柱の幅pは共に50cmである。
このような構造において、旅客9等の眺望性が向上するとともに、安楽性が妨げられず、更に個別性が確保される
上記のように、本発明の新幹線電車700系普通車に比べての居住性向上効果は著しいが、ここで乗物としての輸送力についても併せ比較する必要がある。
すなわち、旅客一人当たりの必要床面積は本発明の0.84m2/人に対し700系普通
車は0.67m2/人なので、1.25倍良好であると考えられる。
そこで、同様な比較を700系グリーン車(優等車)との間に行ってみると、同グリーン車は0.98m2/人なので本発明の方が1.17倍良好である。
したがって、取り敢えずは700系グリーン車に対して本発明の利用可能性があると考える。
本発明の実施形態を示す新幹線電車における椅子席室模式的三面図 公知の新幹線電車700系普通車における椅子席室模式的三面図
符号の説明
1 椅子席室
2 通路
3 側窓
4 間柱
5 枝通路
6 二人並び横向き席
b 枝通路の幅
p 間柱の幅
s 一人当たりの席幅
w 側窓の幅

Claims (1)

  1. 室の一側に沿って前後方向に延びる通路と、上記室の他側に配置され互いに幅が等しい複数の側窓及び間柱と、上記通路より他側に向け直交状に延び上記側窓及び上記間柱に面する複数の枝通路と、両側が上記複数の枝通路に挟まれ一人当たりの席幅が上記側窓の幅及び上記枝通路の幅に等しい複数の二人並び横向き席とを具えたことを特徴とする乗物の椅子席室。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005178713A (ja) * 2003-12-15 2005-07-07 Mitsuo Fukutani 個別式椅子席室
JP2007038992A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Mitsuo Fukutani 椅子席室

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