JP2010119235A - 回転電機の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ギアの低回転時においてもステータに潤滑油を供給することを可能とする。
【解決手段】モータジェネレータMとギア(ディファレンシャルギアG)とを隔てるハウジングHの隔壁311に、モータジェネレータMが位置する空間Smと、ディファレンシャルギアGが位置する空間Sgとを連通させる連通孔hを設ける。ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油を、ガイド部材315によって連通孔hに案内し、この連通孔hを通じて本体収容室Smに導入した潤滑油を、ステータ201に供給する。
【選択図】図2
【解決手段】モータジェネレータMとギア(ディファレンシャルギアG)とを隔てるハウジングHの隔壁311に、モータジェネレータMが位置する空間Smと、ディファレンシャルギアGが位置する空間Sgとを連通させる連通孔hを設ける。ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油を、ガイド部材315によって連通孔hに案内し、この連通孔hを通じて本体収容室Smに導入した潤滑油を、ステータ201に供給する。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機の冷却装置に関し、詳細には、ギアケースに貯えられた潤滑油をギアによってかき上げ、このかき上げられた潤滑油を回転電機のステータに供給して、回転電機を冷却する技術に関する。
回転電機を冷却する技術として、ステータの上方にオイル溜まりを形成し、冷媒としての潤滑油をこのオイル溜まりから重力によって滴下させてステータに供給するものが知られている。このような技術として、特許文献1には、ギアケースの底部(オイルパン)に貯えられた潤滑油をギアによって跳ね上げるとともに、この跳ね上げられた潤滑油を捕捉してオイル溜まりに導入し、回転電機の冷却に用いるものが開示されている。具体的には、回転電機としての車両走行用の電動機と、この電動機に対して機械的に連結されたディファレンシャルギアとを収容したハウジングの内部において、ディファレンシャルギアによって跳ね上げられる潤滑油の経路にオイルキャッチ板を設置し、潤滑油をこのオイルキャッチ板によって捕捉してオイル溜まりに導入する。オイル溜まりに導入された潤滑油を重力によってステータコイルの上部に滴下させ、回転電機を冷却する。
特開2007−245946号公報(段落番号0049,0050)
しかしながら、前掲特許文献1に記載の技術には、回転電機の冷却に用いる潤滑油をディファレンシャルギアによってステータ上方のオイル溜まりの高さにまで跳ね上げなければならないことから、次のようなことが問題となる。この文献記載の技術では、ギアの回転速度が低下する条件(ギアの低回転時)において、潤滑油が跳ね上げられる高さが低下して、オイル溜まりに導入することのできる潤滑油の量が極端に減少する(実質的には、なくなる)ため、ステータに潤滑油を供給することができず、回転電機を冷却することができなくなる、という問題である。
本発明は、このような問題を考慮し、ギアの低回転時においてもステータに潤滑油を供給することを可能として、より広い運転領域に亘って回転電機に対する冷却性能を確保することを目的とする。
本発明に係る回転電機の冷却装置は、車両走行用の回転電機と、車両の動力伝達系を構成するギアとを収容するハウジングの内部において、ギアの一部が浸漬する潤滑油を、このギアによってかき上げて回転電機のステータに供給する装置である。本発明において、ハウジングには、回転電機及びギアの間に介在して、回転電機が位置する第1の空間とギアが位置する第2の空間とを画成する隔壁が設けられ、この隔壁に、回転電機のロータシャフトを支持するロータ支持部が設けられる。本発明では、ギアによってかき上げられた潤滑油の飛散を遮るようにガイド部材を配設し、かき上げられた潤滑油をこのガイド部材によって受け、隔壁に向けて案内することとする。そして、隔壁に第1及び第2の空間を連通させる連通孔を設け、ガイド部材によって案内された潤滑油を、この連通孔を通じて第1の空間に導入し、ステータに供給する。
本発明によれば、ハウジングの隔壁に連通孔を設け、ギアによってかき上げられた潤滑油を、この連通孔を通じて回転電機の側方から第1の空間に導入し、ステータに供給することとした。これにより、潤滑油をギアによってステータ上方の高さにまで跳ね上げることなくステータに供給することができる。ここで、本発明では、ギアによってかき上げられた潤滑油の飛散を遮るようにガイド部材を配設し、かき上げられた潤滑油をこのガイド部材によって案内して、連通孔に導入させるようにしたので、潤滑油をその勢いを保持して第1の空間に導入し、ステータに供給することができる。このように、本発明によれば、ステータに対する潤滑油の供給にギアによって付与される勢いを利用することができ、潤滑油の跳ね上げが低くなるギアの低回転時であっても、潤滑油が第1の空間に導入される際の勢いを保持し、ステータに供給することが可能となる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る冷却装置を備えるモータジェネレータMの構成を、このモータジェネレータMの回転中心軸を含む断面によって示している。
モータジェネレータMは、三相交流型の回転電機であり、本実施形態では、図示しない内燃機関と組み合わされて、ハイブリッド車の駆動源を構成している。モータジェネレータMは、車両の前進時又は後退時に電動機として機能させるばかりでなく、減速時等に後述するロータシャフト111を駆動することによって発電機として機能させることもできる。
本実施形態において、モータジェネレータMは、所定の減速比に設定されたリダクションギア(図示せず。)及びディファレンシャルギアGとともにトランスアクスルのハウジング(以下、単に「ハウジング」という。)Hに収容されており、ハウジングHの内部に立設された隔壁311により、これらのギアに対して隔てられている。リダクションギア及びディファレンシャルギアGは、この車両の動力伝達系を構成する。
モータジェネレータMは、ロータ101及びステータ201を備えており、ロータ101及びステータ201は、ハウジングHの本体収容室Smに収容されている。ロータ101は、ステータ201に対してその径方向内方に配置され、一対のベアリング401,401によって回転自在に支持されている。これに対し、ステータ201は、図示しないボルトによってハウジングHに固定されている。ロータ101には、永久磁石125が埋設され、ステータ201には、コイル212が形成されている。
ロータ101は、モータジェネレータMの出力軸となるロータシャフト111を備えており、本実施形態において、このロータシャフト111は、ディファレンシャルギアG等を介して車両の駆動輪に接続されている。ロータシャフト111は、同心に位置する内筒部112及び外筒部113が連結された二重円筒状のロータシャフトであり、外筒部113にロータコア121が取り付けられている。ロータコア121は、珪素鋼板等の複数の電磁鋼板を積層させて構成したものであり、ロータシャフト111に対し、電磁鋼板がロータシャフト111の軸方向(以下単に「軸方向」というときは、ロータシャフト111の軸方向をいう。)に積層される状態で、外筒部113に外嵌させて取り付けられている。ロータコア121の外周部には、複数の磁石収容孔が周方向に並べて形成されており、各磁石収容孔に永久磁石125が埋め込まれて固定されている。エンドプレート131は、ロータコア121をロータシャフト111上の固定位置に保持するものであり、本実施形態では、軸方向に関するロータコア121の一側に、ロータコア121の端面に接触させて配置されている。ロータシャフト111において、その外筒部113を径方向外側(ロータシャフト111の軸方向に対する「径方向」をいい、以下同様とする。)にフランジ状に拡張させた張出部113aを設け、エンドプレート131とこの張出部113aとによってロータコア121を挟み込むようにしている。エンドプレート131は、ロータシャフトの外筒部113に鍔を設け、この鍔をカシメ加工によって変形させ、エンドプレート131の内周部に押し付けることで、ロータシャフト111に固定され、ロータコア121を軸方向に締め付けている。他の実施形態として、ロータコア121の両側にエンドプレート131,131を配置し、一対のエンドプレート131,131によってロータコア121を挟み込むようにしてもよい。
ステータ201は、ステータコア211とコイル212とを備えている。ステータコア211は、ロータコア121と同様に複数の電磁鋼板を積層させて構成したものであり、ハウジングHに対し、電磁鋼板が軸方向に積層される状態で、ロータコア121と同心に固定されている。ステータコア211には、径方向内方に突出する複数の歯状突出部(ティース)が周方向に並べて設けられており、隣り合うティースの間にコイルスロットが形成されている。これらのティースに導線が巻き付けられることで、コイルスロットに収容した三相のコイル212が形成されている。コイル212のうちスロット外に位置する部分がコイルエンド212a,212bに相当する。
既述の通り、モータジェネレータMとディファレンシャルギアGとは、隔壁311によって隔てられた状態でハウジングHに収容されている。ハウジングHは、モータジェネレータMに対して隔壁311とは反対の一側に位置する側壁部312を有し、隔壁311と、この側壁部312とにベアリング401,401が設置されている。また、ハウジングHは、ステータ201の外周を周壁部313によって包囲しており、この周壁部313にステータコア211が固定されている。モータジェネレータMが位置する本体収容室Sm(「第1の空間」に相当する。)Smと、ディファレンシャルギアGが位置する空間(「第2の空間」に相当し、以下「ギア収容室」という。)Sgとは、隔壁311によって画成されており、ハウジングHの隔壁311、側壁部312及び周壁部313により、モータジェネレータMのケースが形成されている。ハウジングHの底部Hbは、オイルパンを構成しており、この底部Hbに潤滑油(図1において、その油面oilを点線によって示す。)が貯えられている。ディファレンシャルギアGは、その一部が潤滑油に浸漬している。この潤滑油は、ディファレンシャルギアG等の潤滑に加え、本体収容室Smに導入されて、モータジェネレータMの冷却に用いられる。隔壁311には、周壁部313との接合部付近に、本体収容室Smをハウジングの底部Hbと連通させる孔又は開口部が設けられており、モータジェネレータMの運転時において、コイル212を冷却した後の潤滑油は、この孔を介して底部Hbに戻され、再びディファレンシャルギアGの潤滑等に用いられる。
次に、本実施形態に係るモータジェネレータMの冷却装置について説明する。
図2は、モータジェネレータM及びディファレンシャルギアGの位置関係を示しており、同図において、モータジェネレータMは、コイルエンド212a,212bが破断された状態で示され、ハウジングH(モータジェネレータMのケース部分)は、隔壁311の一部を除き、その概略が二点鎖線によって示されている。
本実施形態では、ハウジングの底部Hbに貯えられている潤滑油をディファレンシャルギアGのかき上げによって本体収容室Smに導入し、更にこの導入した潤滑油をステータ201に供給して、コイル212を冷却する。
ハウジングHの隔壁311には、油面oilよりも上方、かつステータ201外周の上端よりも下方の部位に連通孔hが設けられている。本実施形態では、ディファレンシャルギアGの回転速度が低下して、ディファレンシャルギアGによる潤滑油の跳ね上げがステータ201上端よりも上方にまで至らなくなる低車速時における、潤滑油の上方到達点よりも下方の位置に設定されている。この連通孔hは、本体収容室Smとギア収容室Sgとを連通させており、本実施形態では、本体収容室Smのうち一方のコイルエンド212bが位置する部分(以下、コイルエンド212a,212bが位置する空間を「コイルエンド収容部」という。)Sm1と、ギア収容室Sgとが、連通孔hを介して相互に連通している。本実施形態において、連通孔hは、その中心線(流路中心線)に沿って一定の断面積を持たせて形成され、かつモータジェネレータMの回転中心軸に平行な図示の断面において、流路中心線がギア収容室Sgから本体収容室Smに向けて上方に傾斜するように設定されている。
また、本実施形態では、隔壁311に対し、連通孔hのギア収容室Sg側(入口側)周縁の上端に隣接させてガイド部材315が取り付けられている。このガイド部材315は、本体収容室Sm外における潤滑油の案内路を形成するものであり、モータジェネレータMの運転時に、ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油の一部をその下面によって受け止め、これを連通孔hに案内する。本実施形態において、ガイド部材315は、全体としてプレート状に略一定の厚さを持たせて形成されており、隔壁311に対し、その基端部で結合された片持ちの状態で支持されている。また、ガイド部材315は、基端部から先端部にかけて、先端部に近いほど大きな値に設定された曲率を有しており、基端部において、ガイド部材315の下面は、連通孔hを形成する隔壁311の内面(連通孔hの上面)と滑らかに接続している。更に、ガイド部材315は、ギア収容室Sgの内方に向け、ディファレンシャルギアGのうち隔壁311に近い一方の側面Gaを越えて延伸する長さに設定されており、その先端部が油面oil近傍でディファレンシャルギアGの歯面を覆っている。
更に、本実施形態では、ハウジングHのうちステータ201の外周を包囲する周壁部313に、連通孔hに対してその流路中心線の方向に連ねて形成された案内路pが設けられている。図2は、案内路pの位置及びその概略を点線によって示している。この案内路pは、本体収容室Smにおいて、連通孔hに近い一方のコイルエンド収容部Sm1に導入された潤滑油を他方のコイルエンド収容部Sm2に供給するためのものであり、ステータ201側方の周壁部313において、連通孔hに略平行に、かつその中心線がコイルエンド収容部Sm2に向けて上方に傾斜するように形成されている。本実施形態において、案内路pは、周壁部311の内面に設けられた溝によって形成されている。また、案内路pは、隔壁311及び側壁部312の間で延設されており、各コイルエンド収容部Sm1,Sm2が、この案内路pを介して相互に連通している。更に、案内路pは、その鉛直方向上端puが、連通孔hの出口側周縁の上端heからの流路中心線に平行な延長線lよりも下方に位置するように形成されている。本実施形態では、案内路pをコイルエンド収容部Sm1で拡幅させ、その内面(上面)が連通孔hの上面から滑らかに続く円筒側面状流路とすることで、連通孔hから案内路pへの潤滑油の流通性を確保している。潤滑油の流通性を確保し得るようであれば、このような流路拡張部は、不要である。
以下、本冷却装置の動作について、図2を参照して潤滑油の全体的な流れの観点から説明する。
車両の走行時(モータジェネレータMの運転時)において、ハウジングHの底部に貯えられている潤滑油は、ディファレンシャルギアGによって油面oilよりも上方にかき上げられる。潤滑油は、かき上げ後の飛散の過程でガイド部材315によって受け止められ、ガイド部材315の下面を連通孔hに向けて案内される(矢印a)。連通孔hに案内された潤滑油は、本体収容部Smに対し、連通孔hを通じて一方のコイルエンド収容部Sm1から導入される。更に、この導入された潤滑油の一部は、コイルエンド収容部Sm1から案内路pに導入され、案内路pを介してステータコア211の外周上を案内されて(矢印b)、他方のコイルエンド収容部Sm2に導入される(矢印d)。コイルエンド収容部Sm2に導入された潤滑油は、そのコイルエンド収容部Sm2に収容されているコイルエンド212aに供給されて、コイル212を冷却する。これに対し、案内路pに導入されたもの以外の潤滑油は、ステータコア211の端面によって流れを遮られてコイルエンド収容部Sm1に留まり(矢印c)、そのコイルエンド収容部Sm1に収容されているコイルエンド212bに供給されて、コイル212を冷却する。
本実施形態では、ディファレンシャルギアGが「ギア」に相当し、連通孔h及び案内路pによって「供給路」が構成される。また、隔壁311に設置されたベアリング401によって「ロータ支持部」が構成される。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、モータジェネレータMとディファレンシャルギアGとを隔てるハウジングの隔壁311に連通孔hを設け、ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油を、この連通孔hを通じて本体収容室Smに導入し、ステータ201のコイルエンド212a,212bに供給することとした。このように、潤滑油の供給にディファレンシャルギアGのかき上げによって付与される勢いを利用することで、ギアによる潤滑油の跳ね上げが低くなる低車速時(ディファレンシャルギアGの低回転時)であっても本体収容室Smに潤滑油を導入して、コイルエンド212a,212bに供給することができ、広い運転領域に亘ってコイル212を冷却することが可能となる。本実施形態では、隔壁311にガイド部材315を設け、ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油をこのガイド部材315によって受け止め、連通孔hに案内することで、連通孔hに対して潤滑油を確実に、かつその勢いを保持して導入することができる。また、このようにガイド部材315によって潤滑油の勢いが保持され、本体収容室Sm(コイルエンド収容部Sm1,Sm2)への潤滑油の導入量が確保されることで、ロータ101に対してより多くの潤滑油が供給されることとなり、回転するロータ101によって潤滑油を周囲に飛散させ、コイルエンド212a,212bに対して広い範囲に亘って潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態では、モータジェネレータMに対してその軸方向に隣接する隔壁311に連通孔hを設けるとともに、この連通孔hに近い一方のコイルエンド収容部Sm1と、他方のコイルエンド収容部Sm2とを、周壁部313の案内路pを介して連通させることとした。これにより、潤滑油を一方のコイルエンド212bに供給するばかりでなく、他方のコイルエンド212aに対しても供給することが可能となる。本実施形態によれば、連通孔hと案内路pとを連通孔hの流路中心線の方向に連ねて形成したことで、連通孔hから遠いコイルエンド212aに対しても案内路pを介して潤滑油を円滑に供給することができ、双方のコイルエンド212a,212bに潤滑油を供給可能として、冷却性能をより向上させることができる。
図3は、低車速時の本体収容室Smにおける潤滑油の流れを模式的に示している。図3(a)は、連通孔hに近い一方のコイルエンド収容部Sm1における流れを、ステータコア211の端面をコイルエンド収容部Sm1から矢印va(図2)の方向にみた状態で示しており、同図(b)は、他方のコイルエンド収容部Sm2における流れを、ハウジングHの内面(側壁部312の内面)をコイルエンド収容部Sm2から矢印vbの方向にみた状態で示している。
本実施形態では、潤滑油の供給にディファレンシャルギアGのかき上げによる勢いを利用することで、低車速時であっても潤滑油をコイルエンド収容部Sm2にまで到達させて、コイルエンド212aに供給することを可能としている。また、コイルエンド収容部Sm2に進入する際の勢いによって潤滑油を周方向に広げることが可能であるので、潤滑油のコイルエンド212aに対する接触面積を確保し、冷却を効率的に行わせることができる。図3(b)は、潤滑油がコイルエンド212aに接触する概略の範囲R1を示している。コイルエンド収容部Sm2において、案内路pから出た潤滑油は、コイルエンド212aと側壁部312との隙間を流れ、周方向に分散する(矢印d1)。また、本実施形態では、案内路pの上端puを連通孔hの出口側周縁の上端heからの延長線lよりも下方に位置させたことで、コイルエンド収容部Sm1に導入された一部の潤滑油の流れをステータコア211の端面によって案内路pから逸らせ、コイルエンド212bに供給することができる(矢印c)。
図4(a),(b)は、高車速時(ディファレンシャルギアGの高回転時)の本体収容室Smにおける潤滑油の流れを、図3と同様の矢印va,vbからみた状態で模式的に示している。
高車速時では、かき上げによる潤滑油の勢いが増すことから、低車速時について述べた上記の効果を、より顕著に得ることができる。ディファレンシャルギアGによってかき上げられた比較的多量の潤滑油を連通孔hに向けて円滑に案内し、コイルエンド収容部Sm1に導入することができるので、コイルエンド212bに充分な量の潤滑油を供給することができる。他方、コイルエンド収容部Sm2に進入する際の潤滑油の勢いが増すので(矢印d’,d2)、コイルエンド212aに対して充分に広い範囲R2(図4(b))に亘って潤滑油を供給することができ、高い冷却性能を実現することができる。
以上の効果に加え、本実施形態では、案内路pを周壁部313の内面の溝によって形成したことで、案内路pの形成が容易となる。
また、ガイド部材315をギア収容室Sgの内方に向け、隔壁311に近いディファレンシャルギアの側面Gaを越えるように延伸させたことで、かき上げによる勢いの強い潤滑油をガイド部材315によって受け止め、連通孔hに案内することができる。
更に、ガイド部材315に基端部から先端部にかけて曲率を与え、先端部に近いほど大きな値の曲率に設定したことで、ガイド部材315によって受け止められた潤滑油を連通孔hに向けて円滑に案内することができる。ガイド部材315の基端側下面を連通孔hの内面に滑らかに接続したことで、連通孔hに対して潤滑油を円滑に導入することができる。
なお、本実施形態では、双方のコイルエンド212a,212bに潤滑油が供給されることで、より高い冷却効果が得られる場合の効果を説明したが、ステータ201上方のオイル溜まりから重力によって滴下させる場合のようにギアの低回転時に冷却そのものができなくなることと比較すれば、一方のコイルエンド212bのみに潤滑油が供給されることによってもある程度の冷却効果が得られることは、勿論である。
以上では、潤滑油のかき上げに採用するギアをディファレンシャルギアGとする場合について説明したが、本発明は、これに限らず、ギアと油面oilとの位置関係に応じて他のギアを採用することも可能である。モータジェネレータMとディファレンシャルギアGとの間に介装される減速機構の駆動側又は被動側のギアが潤滑油に浸漬している場合は、潤滑油のかき上げにこれらのギアを採用することができる。
また、連通孔hに向けた潤滑油の案内は、ギア収容室Sgを形成するハウジングHの内壁に形成した案内溝によることとしてもよい。ディファレンシャルギアGによってかき上げられた潤滑油をこの案内溝によって受け止め、案内溝に沿ってハウジングHの内壁上を案内して、連通孔hに導入することができる。
更に、本発明は、モータジェネレータM以外の回転電機として、力行のみを目的として搭載される電動機又は発電のみを目的として搭載される発電機に適用することも可能である。これらの回転電機において、ロータ及びステータを収容する空間(本体収容室)とギアを収容する空間(ギア収容室)とを隔てるハウジングの隔壁に連通孔を設けるとともに、ギアによってかき上げられた潤滑油を、この連通孔を介して本体収容室に導入し、ステータに供給するように構成することで、ギアの低回転時においてもステータに潤滑油を供給することが可能となり、広い運転領域に亘って回転電機の冷却性能を確保することができる。
モータジェネレータM等の回転電機は、ハイブリッド車の駆動源に限らず、燃料電池車等の電気自動車の駆動源に適用することも可能である。
M…「回転電機」としてのモータジェネレータ、G…「ギア」としてのディファレンシャルギア、H…ハウジング、101…ロータ、111…ロータシャフト、121…ロータコア、125…永久磁石、131…エンドプレート、201…ステータ、211…ステータコア、212…コイル、212a,212b…コイルエンド、311…ハウジングの隔壁、312…ハウジングの側壁部、313…ハウジングの周壁部、315…ガイド部材、401…ベアリング、h…連通孔、he…連通孔の出口側周縁の上端、p…案内路、pu…案内路の上端、l…連通孔周縁の上端からの延長線、Sm…「第1の空間」としての本体収容室、Sg…「第2の空間」としてのギア収容室、Sm1,Sm2…コイルエンド収容部。
Claims (11)
- 車両走行用の回転電機と、車両の動力伝達系を構成するギアとを収容するハウジングであって、前記回転電機及びギアの間に介在して、前記回転電機が位置する第1の空間と、前記ギアが位置する第2の空間とを画成し、前記回転電機のロータシャフトを支持するロータ支持部が設けられた隔壁を有するハウジングの内部において、前記ギアの一部が浸漬する潤滑油を、このギアによってかき上げて前記回転電機のステータに供給して、前記回転電機を冷却する装置であって、
前記ギアに対して前記かき上げられた潤滑油の飛散を遮るように配設され、前記かき上げられた潤滑油を受け、この潤滑油を前記隔壁に向けて案内するガイド部材と、
前記隔壁に前記第1及び第2の空間を連通させて設けられた連通孔を含み、前記ガイド部材によって案内された潤滑油を、前記連通孔を通じて前記第1の空間に導入し、前記ステータに供給する供給路と、
を有する回転電機の冷却装置。 - 前記ガイド部材は、前記隔壁から前記第2の空間の内方に向けて延伸させて設けられた請求項1に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記ギアは、その回転軸に交差する側面が前記隔壁に向けられて位置し、
前記ガイド部材は、前記隔壁に近い前記ギアの側面を越えて延伸して、その先端部が前記ギアの歯面を覆う請求項2に記載の回転電機の冷却装置。 - 前記ガイド部材は、前記かき上げられた潤滑油を受ける内面が、前記隔壁に結合する前記ガイド部材の基端部から先端部にかけて曲率を有する請求項2又は3に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記ガイド部材の内面は、前記先端部に近いほど大きな曲率を有する請求項4に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記ガイド部材は、前記内面に対して基端側の端縁で定められる接線が、前記連通孔の流路中心線に略平行である請求項4又は5に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記ハウジングは、前記ステータの外周を包囲する周壁部を有し、
前記供給路は、前記連通孔に連ねて前記周壁部に設けられた案内路を更に含み、前記連通孔を通じて前記第1の空間に導入された潤滑油を、この案内路を介して前記ステータのコイルエンドに供給する請求項1〜6のいずれかに記載の回転電機の冷却装置。 - 前記案内路は、前記周壁部の内面に形成された溝である請求項7に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記隔壁は、前記回転電機に対して軸方向の一側に位置し、
前記連通孔は、前記第1の空間のうち前記ステータの一方のコイルエンドが位置するコイルエンド収容部に開口し、
前記案内路は、前記一方のコイルエンド収容部と、前記第1の空間のうち他方のコイルエンドが位置するコイルエンド収容部との間で延伸する請求項7又は8に記載の回転電機の冷却装置。 - 前記案内路は、その入口側周縁の上端が、前記かき上げられた潤滑油の流れの方向における前記連通孔の出口側周縁の上端からの、前記連通孔の流路中心線に平行な延長線よりも下方に位置する請求項9に記載の回転電機の冷却装置。
- 前記連通孔は、その流路中心線が前記第2の空間から前記第1の空間に向けて上方に傾斜し、
前記案内路は、前記連通孔に略平行である請求項7〜10のいずれかに記載の回転電機の冷却装置。
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JP2008291263A JP2010119235A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 回転電機の冷却装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012102856A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-05-31 | Toyota Motor Corp | 車両用駆動装置 |
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