JP2010117310A - 軸力検出用締結体およびその製造方法、締結体ユニット、軸力監視システム - Google Patents

軸力検出用締結体およびその製造方法、締結体ユニット、軸力監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】締結体の締付け軸力の弛みを監視する軸力検出用締結体において、小さな軸力でも正確に測定でき、且つ校正の手間も簡単なものを提供する。
【解決手段】締結体ユニット1は、軸力検出用ボルト10に、ピン型ロードセル20,送信器基板30,ICタグ50が装着されて構成されている。ロードセル20の第2端部21bに固定リング60が装着され、そのフランジ部62が、第2端部21bに形成された係合突起21dと、ボルト10の座面15aとの間に填まり込んでいる。フランジ部62の厚みは、第2端部21bが解放されてロードセル20が自然長のときにおける座面15aと係合突起21dとの間隔よりも大きく設定されているので、係合突起21dはフランジ部62によって矢印Aの方向に押圧され、ロードセル20に初期張力がかけられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボルトをはじめとする締結体の軸力を検出する軸力検出用締結体、締結体ユニット、軸力監視システムに関する。
各種車両、航空機、産業・工作機器などにおいて、ボルト、リベットをはじめとする締結体が広く使用されている。そして、締結体を用いることによって、対象物を締め付けした状態で長く保持することができる。例えばボルトとナットで部品をネジ締めすると、被締結体はボルトとナットで締め付け圧縮力を受けると共に、ボルトには引張り方向に軸力が生じた状態で保持される。
ところが、締結体で被締結体をしっかりと締結しても、例えば締結体を取り付けた機械が稼動するといった日常的な稼動によって、経時的に締結体が弛んでその軸力は低下する。
その締結体の弛みは、締結機能の低下につながり、疲れ破壊や部品脱落などの原因にもなる。
そこで、締結体の経時的な弛みを監視して、必要に応じてトルクレンチやスパナで増し締めするといった管理が行われている。
締結体の弛みを監視する方法として、従来から、ボルトにマークをつけておいて目視でマークの位置を検査目視でトルクチェックする方法や、ハンマでボルトあるいはボルトの付近を叩き、その打音を耳で聞いて、経験と勘で弛みをチェックする方法が一般的であったが、機械的方法、電気的方法または光学的方法を用いて、締結体の軸力を機器計測する技術も知られている。
例えば、特許文献1に開示されているように超音波で軸力を測定する方法もあるが、超音波で測定する場合、超音波探触子を測定しようとする締結体ごとに接触させる必要があり、装置コストもかかる。
これに対して特許文献2,3に示されるように、電気抵抗線歪(ひずみ)ゲージを用いる方法が、現場で手軽に計測できるといった理由で発展している。
この歪ゲージを用いる方法では、一般に、ボルトに接着剤で貼りつけたり、ボルトに歪ゲージを埋め込んで接着剤で固め、その歪ゲージで計測用ブリッジを形成する。そして、このボルトを引張試験機にかけて引張荷重を与え、このときの歪出力を静歪計又は動歪計を使って読み取り、引張荷重(軸力)−歪出力の校正を行なう。
そして、校正済みのボルトを使って実際に締付けした後、その歪出力を動歪計で測定することで、校正時に得た引張荷重(軸力)歪出力との対応データに基づいて軸力を算出することができる。
特開2006−308342号公報 特開2005−91086号公報 実開平2−8188号公報
このように歪ゲージを用いてボルトの軸力を検出する場合、軸力が小さいときから正確に測定するために、歪ゲージに初期張力あるいは初期圧縮力を加えた状態で歪ゲージをボルトに固定することが望ましい。
上記のようにボルトに歪ゲージを直接貼りつけたり埋め込む方法では、歪みゲージに初期張力や初期圧縮力を付与することが難しいが、特許文献2には、歪ゲージを埋め込んだ検出ロッドを、ボルトに開設した装着孔内にねじ込んで初期圧縮をかける方法が開示されている。
図16は、この特許文献2に記載された図であって、被締結体230、231を締付けるボルト210に、歪ゲージ205が埋め込まれた軸力検出器201が装着された様子を示している。
ボルト210には、ボルト頭部212の頂面から軸方向に向けて、装着孔213が設けられている。装着孔213の底部に螺刻された固定部213aと、検出ロッド202の先端に設けられた螺合部202aとを係合させることで、軸力検出器201はボルト軸211内の装着孔213に一体的に固定されており、ナット220を締め付けたときに、ボルト210の軸211の伸びが、検出ロッド202に直接的に伝わって歪ゲージ205でその伸びを検出できるようになっている。また、軸力検出器201を装着孔213内にねじ込んで締結するので、検出ロッド202に初期圧縮力が付与される。
しかし、上記のように検出ロッド202をねじ込んで圧縮固定すると、圧縮力に加えてねじり歪みが加わるため、歪ゲージからの出力(歪値)とボルトの軸力との間に直線性が得られにくくなり、検出精度が低下する。そして、歪値と軸力との間に直線性がなくなると、検出ロッドを校正するのに手間もかかる。
また特許文献3には、ボルトとナット等の締結要素を用いて締結したときの締結軸力を計測する計測具において、歪ゲージを貼設した芯体を、ボルトに開設した貫通孔に挿入し、芯体に引張予荷重を加えた状態でその両端部を溶接で締結要素に固定することによって、ボルトの締結軸力を初期の小さい値から測定する技術が開示されている。
しかしこのように歪ゲージが貼設された芯体の両端をボルトに溶接すると、溶接時に芯体が高温になって芯体に曲げ歪やねじり歪が残留しやすいので、やはり歪ゲージからの出力(歪値)とボルトの軸力との間に直線性が得られにくい。
本発明は、このような背景のもとに、ボルト等の締結体の締付け軸力の弛みを監視する軸力検出用締結体並びに軸力監視システムにおいて、小さな軸力でも正確に測定でき、且つ校正の手間も簡単なものを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる軸力検出用締結体は、ボルトなど長尺状の締結体に対して、その長手方向に挿入孔を開設し、当該挿入孔にピン型のロードセルを挿入して構成した。
そして、ロードセルの一端部を、締結体に接合または係合させ、ロードセルの他端部を、挿入孔から突出させ、当該突出部分に、装着体を装着するとともに係合部を設け、且つ当該装着体の少なくとも一部を、締結体の座面と係合部との間に介在させ、この装着体の介在部分の上記長手方向に沿った厚みを、ロードセルの他端部解放時における締結体の座面と係合部との間隔よりも大きく設定した。
ここで、「締結体の座面」は、締結体の表面において、装着体が当接する表面部分を指し、挿入孔の入口周囲の領域がこれに相当する。
上記本発明にかかる軸力検出用締結体において、以下のようにすることが好ましい。
装着体として、内側にフランジ部が形成されたリング状部材を用い、これをロードセルの他端部に填め込んで、フランジ部を、締結体の座面と係合部との間に介在させる。ここで用いるリング状部材は、外径が挿入孔の径よりも大きいものである。
ロードセルの一端部を締結体に接合する場合、当該ロードセルの一端部を挿入孔の内壁に接合する。
ロードセルの一端部を締結体に係合させる場合、ロードセルの一端部及び挿入孔の内部に、互いに係合する係合部を形成すればよい。具体的には、ロードセルの一端部に突起を形成すると共に、挿入孔の周壁に、当該突起を係止させる係止構造を形成すればよい。
上記ピン型のロードセルは、ピン型の起歪体に歪ゲージを固着させることによって構成することができる。
歪ゲージの抵抗体としては、シリコン半導体あるいは金属薄膜を用いることが好ましい。
上記の軸力検出用締結体において、歪ゲージを組み込んだブリッジ回路、当該ブリッジ回路からのアナログ出力をディジタル変換するA/D変換器、及びデジタル変換した歪信号を無線で送信する歪信号送信部を設けることが好ましい。
軸力検出用締結体には、電磁波を介して無線で供給される電力を受信する電力受信部を設け、当該電力受信部で受け取った電力で、ブリッジ回路、A/D変換器、歪信号送信部を駆動させることが好ましい。
上記の軸力検出用締結体と、当該軸力検出用締結体から離れた位置で、歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器とで、軸力監視システムを構成することができる。
このとき、歪信号受信部に、電力受信部に供給する電磁波を発信する発信部を設置することが好ましい。
上記軸力監視システムにおいて、歪信号送信部では、電力受信部に供給される電磁波を負荷変調することによって歪信号を送信し、信号受信部では、変調された電磁波から歪信号を復調することが好ましい。
上記の軸力検出用締結体と、当該軸力検出用締結体に関する管理情報を記録するICタグとで、締結体ユニットを構成してもよい。この管理情報は、個体識別コード,締付け日時,締付け軸力などである。
このとき、ICタグは軸力検出用締結体に装着すること、具体的には、ボルト、ナット、ワッシャなどに装着することが好ましい。
上記締結体ユニットと、歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器、及び、ICタグに対して管理情報を送受信するICタグリーダ/ライタを有する受信ユニットとで、軸力監視システムを構成することもできる。
また上記目的を達成するため、本発明では、被締結体を締結して保持するための長尺状の締結体に、その長手方向に挿入孔が開設され、当該挿入孔にピン型のロードセルが挿入されてなる軸力検出用締結体を製造する方法において、ロードセルを挿入孔に挿入し、ロードセルの一端部を締結体に接合または係合させるとともに、ロードセルの他端部を前記挿入孔から突出させる第1工程と、ロードセルの他端部を牽引してロードセルに張力を加えた状態を保持しながら、他端部に装着物を装着する第2工程と、牽引を解除してロードセルを収縮させることによって、他端部に装着された装着物を締結体の座面に押圧した状態で、他端部を締結体に固定する第3工程とを設けることとした。
上記本発明にかかる軸力検出用締結体の製造方法において、以下のようにすることが好ましい。
ロードセルの他端部に、装着物を係合させる係合部を形成しておいて、第2工程では、装着物の少なくとも一部が、係合部と締結体の座面との間に介在するように、装着物を装着する。
装着物として、ナットを用い、ロードセルの他端部に、ナットを螺合させるねじを形成し、第2工程では、ロードセルの他端部を牽引してロードセルに張力を加えた状態を保持しながら、ナットを螺合させる。
本発明にかかる軸力検出用締結体によれば、ボルトなど長尺状の締結体に対して、その長手方向に挿入孔を開設し、当該挿入孔にピン型のロードセルを挿入したので、ロードセルの長手方向は締結体の軸方向と一致する。
また、ロードセルの一端部を、締結体に接合または係合させ、ロードセルの他端部を、挿入孔から突出させ、当該突出部分に、装着体を装着するとともに係合部を設け、且つ当該装着体の少なくとも一部を、締結体の座面と係合部との間に介在させ、この装着体の介在部分の厚みを、ロードセルの他端部解放時(すなわちロードセルが自然長のとき)における締結体の座面と係合部との間隔よりも大きく設定したので、ロードセルは、装着体によって自然長よりも伸張された状態、すなわち初期張力が付与された状態で締結体に固定される。
また、ロードセルを締結体に固定するのに、ロードセルを挿入孔にねじ込んだり、溶接する必要もないので、ピン型のロードセルが締結体の軸力を電圧に変換するときの直線性がよくなる。よって、小さな軸力でもその変化を正確に測定できる。
上記装着体として、内側にフランジ部が形成されたリング状部材を用い、これをロードセルの他端部に填め込んで、フランジ部を、締結体の座面と係合部との間に介在させるようにすれば、当該装着体は締結体の座面上に安定し、ロードセルに対して初期張力を安定してかけることができる。
ロードセルの一端部を締結体に接合する場合、当該ロードセルの一端部を挿入孔の内壁に、超音波溶接法、抵抗溶接法などで接合すれば、容易に接合できる。
ロードセルの一端部を締結体に係合させる場合、ロードセルの一端部及び挿入孔の内部に、互いに係合する係合部を形成すればよい。具体的には、ロードセルの一端部に突起を形成すると共に、挿入孔の周壁に、当該突起を係止させる係止構造を形成すればよい。
そうすれば、ロードセルを締結体に組み込むときに、例えばロードセルに一定の操作を加えることによって突起を挿入孔の周壁に容易に係止することができる。
本発明に用いるピン型のロードセルは、起歪体に歪ゲージを固着することによって容易に形成できる。このロードセルが締結体に開設された挿入孔内に固定されると、締結体に軸力がかかって伸張するのに伴って、起歪体も軸方向に引っ張られて伸張し、起歪体に固着されている歪ゲージも起歪体と共に変形して抵抗値が変化する。従って、歪ゲージの抵抗値変化を電気信号として取り出すことで、締結体の軸力を測定することができる。
歪ゲージの抵抗体として、シリコン半導体を用いれば、高いゲージ率が得られるので、出力を増幅しなくても高感度で測定することができる。一方、歪ゲージの抵抗体として、金属薄膜を用いれば、ゲージ率は低いが安定した出力が得られる。
上記の軸力検出用締結体において、歪ゲージからのアナログ出力をデジタル変換するA/D変換器、及びデジタル変換した歪信号を無線で送信する歪信号送信手段を設けておけば、歪信号送信手段から送信される歪信号を受信することによって、軸力検出用締結体の軸力を検出することができる。
すなわち、上記軸力検出用締結体と、当該軸力検出用締結体から離れた位置で、歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器とで、軸力監視システムを構成することができる。
従って、軸力検出用締結体から配線を引き出さなくても、離れた場所に無線で歪信号を取り出すことができる。それによって、締結体の整備点検作業の負担を軽減できる。
軸力検出用締結体に、電磁波を介して無線で供給される電力を受信する電力受信部を設けておいて、当該電力受信部で受け取った電力で、ブリッジ回路、A/D変換器、歪信号送信部を駆動させれば、軸力検出用締結体に電源バッテリを搭載しなくても歪信号を送信することができる。
上記軸力監視システムにおいて、電力受信部に供給する電磁波を発信する発信部を、歪信号受信部に設置しておけば、電力受信部と発信部とが同じ場所にあるため、発信部から軸力検出用締結体に無線で電力を供給しながら電力受信部で歪信号を受信するのに適している。
上記軸力監視システムにおいて、歪信号送信部では、電力受信部に供給される電磁波を負荷変調することによって歪信号を送信し、信号受信部では、変調された電磁波から歪信号を復調すれば、歪信号送信部から信号受信部に歪信号を容易に安定して送ることができる。
上記の軸力検出用締結体と、当該軸力検出用締結体に関する管理情報を記録するICタグとで、締結体ユニットを構成すれば、ICタグリーダ/ライタで、ICタグに記録された管理情報を読み出したり、ICタグに管理情報を書き込んだりできる。
従って、軸力検出用締結体の個体識別情報などを容易に得ることができ、検査記録を残すことも可能になる。
このICタグを軸力検出用締結体に装着しておけば、軸力検出用締結体から歪信号を受信するときに、合わせてICタグから管理情報を読み出すことも容易にできる。
上記締結体ユニットと、歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器、及び、ICタグに対して管理情報を送受信するICタグリーダ/ライタを有する受信ユニットとで、軸力監視システムを構成すれば、ユニット間で歪信号の送受信と管理情報の送受信を容易に行うことができる。
本発明にかかる軸力検出用締結体の製造方法によれば、ロードセルを締結体に固定する時に、第1工程でロードセルを挿入孔に挿入し、当該ロードセルの一端部を締結体に接合または係合させ、第2工程でロードセルの他端側を牽引してロードセルに張力を加えた状態を保持しながら、他端部を装着物を装着し、第3工程で、牽引を解除してロードセルを収縮させることによって、他端部に装着された装着物を締結体の座面に押圧した状態で、他端部を締結体に固定しているので、ロードセルに曲げ歪みやねじり歪みがかかることなく、初期張力を加えた状態でロードセルを締結体に固定することができる。
従って、この方法で製造された軸力検出用締結体は、小さな軸力でもその変化を正確に測定でき、且つロードセルが締結体の軸力を電圧に変換するときの直線性がよく、校正に要する手間も簡略化できる。
[実施の形態1]
図1,図2は、本発明の実施形態にかかる締結体ユニットの構成を示す図である。
この締結体ユニット1は、軸力検出用ボルト10に、ピン型ロードセル20,送信器基板30,ICタグ50が装着されて構成されている。
図4は、締結体ユニット1を用いた軸力監視システムの構成を示すブロック図である。
当該締結体ユニット1とデータを送受信する受信ユニット100とで、軸力監視システムが構成されている。すなわち、受信ユニット100は、軸力検出用ボルト10に対して、ワイヤレス電力供給技術を用いて電力を送り、送信器基板30では、受け取った電力を用いて歪信号を測定し、受信ユニット100に送る。
ワイヤレス電力供給方式として、以下では、コイルアンテナ間を貫く磁束の変化で電力を送る誘導結合方式で行うこととするが、電磁後方拡散結合方式、密着型などの方式も採用できる。
1.締結体ユニットの構成
1−1 軸力検出用ボルト10
軸力検出用ボルト10は、軸部11と頭部12とからなり、軸部11の外周面にネジ山13が形成されている。ボルト10の材質としては、ステンレス,鉄などの金属、ポリカーボネイドやフェノール樹脂などのプラスチック、合金、セラミックが挙げられる。軸部11と頭部12とを同じ材質で形成してもよいし、別々の材質で形成してもよい。例えば、軸部11を鉄、頭部12をプラスチックで形成してもよい。
ボルト10はナット8と対で、被締結体9を締結して保持する。締結した状態で、被締結体9には圧縮力が加わり、軸部11にはこの圧縮力に相当する大きさの引っ張り軸力Pが加わる。
ボルト10には、中心軸に沿って、頭部12から挿入孔14が掘設され、この挿入孔14に、ボルト10の軸力を検出するためのピン型ロードセル20が埋設されている。 ロードセル20は軸部11の軸方向に沿って埋設されているので、ロードセル20で正確に軸力を検出することができる。
挿入孔14の深さは、埋設されるロードセル20の長さに合わせて設定すればよいが、ボルト10の頭部12から下方に15mm以上の深さまでロードセル20を埋め込むことができるよう十分な深さを確保することが、軸力の検出感度をよくする上で好ましい。
本実施形態では図1,2に示すように、挿入孔14は軸部11の途中まで掘設されているが、軸部11を貫通するように挿入孔14を形成してもよい。
挿入孔14の径は、軸部11の径に対して1/5以下に設定することが、ボルト10の強度を確保する上で好ましい。
ピン型ロードセル20には、歪信号を送信する送信器基板30が取り付けられている。
ボルト10の頭部12には、凹部15が形成され、送信器基板30はこの凹部15に填まり込んでいる。
また、凹部15の開口部はキャップ40で蓋われ、このキャップ40に、ボルト10の管理情報を記録するICタグ50が埋め込まれている。
1−2 ピン型ロードセル20と送信器基板30の設置
ピン型ロードセル20は歪ゲージ式のロードセルであって、加えられる荷重の大きさを測定して電気信号として出力することができる。
ロードセル20は、ピン型の起歪体21に、歪ゲージ22が接着されて構成されている。
起歪体21は、アルミ合金や鋼材で作られた弾性体であって、歪ゲージ22が貼り付けられるゲージ貼付部21cと、その一端に形成された第1端部21aと、他端に形成された第2端部21bとからなる。第1端部21a,第2端部21bとゲージ貼付部21cとは、同一材料で一体形成することが望ましいが、別体で作製して接着剤などで接合してもよい。
ゲージ貼付部21cは、柱状又は板状に形成され、第1端部21a及び第2端部21bは、円柱状に形成され、挿入孔14の内径とほぼ同等の径を有している。その一例をあげると、挿入孔14の内径は3mm、第1端部21a,第2端部21bの直径は2.9mmである。
第1端部21aは、挿入孔14の奥まで挿入され、挿入孔14の底部14aの内壁に接合されている。
一方、第2端部21bは、挿入孔14の上端部14bに位置し、第2端部21bの先端部分が挿入孔14から凹部15内に突出している。そして、この第2端部の凹部15内に突出した部分に、固定リング60が填め込まれ、この固定リング60が、第2端部21bを上方(図2の拡大図において矢印Aで示す方向)に押圧してロードセル20を伸張させた状態となっている。
このようにして、第2端部21bに固定リング60が装着され、ロードセル20は初期張力がかけられた状態でボルト10に固定されているが、その詳細について以下に説明する。
図3は、第2端部21bおよび固定リング60の構成を示す斜視図である。
第2端部21bにおける凹部15内に突出した部分には、第2端部21bの周面から拡径方向に突出する係合突起21dが複数設けられている。図3では、第2端部21bに係合突起21dが1対設けられているが、その数は3以上でもよい。
一方、固定リング60は、挿入孔14の径よりも大きい外径を持つリング本体61と、リング本体61から内側に突出する円環状のフランジ部62とから構成され、金属、プラスチックなどで形成されている。このフランジ部62の内径は、複数の係合突起21dに外接する円の径よりも若干小さく設定されているが、弾性変形することによりその径は若干拡大できるようになっている。
そして、図2に示すように固定リング60が第2端部21bに装着された状態では、フランジ部62が、係合突起21dと、ボルト10の座面15aとの間に填まり込んでいる。
この座面15aは、ボルト10において固定リング60が当接する表面部分を指し、ここでは凹部15の底面(挿入孔14の入口周囲の領域)がこれに相当する。
詳しくは製造方法のところで説明するが、このフランジ部62の厚み(図4におけるd2)は、第2端部21bが解放された時(ロードセル20が自然長のとき)における座面15aと係合突起21dとの間隔(図4におけるd1)よりも大きく設定されているため、係合突起21dはフランジ部62によって矢印Aの方向に押圧され、ロードセル20に初期張力がかけられている。
なお、図3に示すように、第2端部21bの先端には、固定リング60を第2端部21bに填め込むときに用いる牽引用突起21eが設けられている。
以上の構成の締結体ユニット1と、ナット8とを用いて、図2に示すように被締結体9を締め付けると、締め付け軸力Pに応じて軸部11が伸張し、起歪体21と、歪ゲージ22も変形してその抵抗値が変化する。従って、この歪ゲージ22の抵抗値変化を電気信号として取り出すことで、軸力を測定できる。
抵抗値変化は、ブリッジ回路で電圧信号に変換し、A/D変換器でデジタル信号として取り出す。
この内容は、「4.ロードセル20によるボルト10の軸力検出」のところで詳しく説明する。
なお、ここでは図2に示すように送信器基板30を頭部12の凹部15に埋め込むこととしたが、送信器基板30を頭部12の外表面上に貼り付けてもよい。
また、頭部12が金属で形成されている場合は、送信器基板30のアンテナ部分(アンテナコイル35)を、頭部12の外側に配置したり、頭部12を取り巻くように配置することも好ましい。
ボルト10にICタグ50を装着する形態についても、図2に示す例ではキャップ40内にICタグ50を埋め込んだが、ボルトの適当な部位にICタグ50を取り付けたり埋め込んだりしてもよい。あるいは、ボルト10とセットで使う座金もしくはナット8にICタグ50を取り付けてもよい。
1−3 送信器基板30
送信器基板30は、起歪体21の第1端部21aに接合され、歪ゲージ22と配線でつながっている。
送信器基板30には、受信回路31,定電圧回路32,A/D変換器33,送信回路34,アンテナコイル35,ブリッジ回路36などが設けられている。
受信回路31は、交流電磁界中でアンテナコイル35が誘導発生する交流電圧を直流に整流して、定電圧回路32に供給するとともに、A/D変換器33,送信回路34に対しても駆動用電圧として電力を供給する。
定電圧回路32は、ブリッジ回路36の入力端子A−C間に、一定のブリッジ電圧Eを供給する。
歪ゲージ22の抵抗変化をブリッジ回路36から電圧として安定に出力する上で、ブリッジ電圧Eを一定に保つことが重要である。定電圧回路32として、結合係数Kが変化するのに応じて抵抗値が変化する分路抵抗を備える分路調整器を用いることが好ましい。その詳細は4−3「ブリッジ回路36への電圧供給」で説明する。
A/D変換器33は、ブリッジ回路36の出力端子(B−D間)の出力電圧を、デジタル信号に変換する。この信号は、ボルトにかかる歪(軸力)と対応関係があるので「歪データ(歪信号)」とする。
送信回路34は、A/D変換器33で生成された歪データ(デジタル信号)を、受信ユニット100の歪信号受信回路102に送る。
このデータ送信については、「4.送信器基板30と受信ユニット100との間のデータ転送」のところで詳しく説明する。
1−4 ICタグ50
電源回路51は、交流電磁界中でアンテナコイル52が発生する交流電圧を直流に整流してメモリ回路53に供給するとともに、ICタグリーダ/ライタ110とのデータ送受信を行う。
電源回路51からICタグリーダ/ライタ110へのデータ送信は、搬送波を負荷変調する負荷変調方式を用いて行い、ICタグリーダ/ライタ110から電源回路51へのデータ送信も搬送波を変調する方式で行う。これによって無線で安定してデータを送ることができる。
メモリ回路53は、電源回路51から供給される直流電圧で駆動されて、メモりから管理データ(主としてボルト10に固有のデータであって管理に用いる。例えば、ボルト10の個体識別コード、使用部位、初期の軸力値や組み立て日時、過去に測定したボルト10の軸力)を読み出して、ICタグリーダ/ライタ110に送信したり、ICタグリーダ/ライタ110から送信される管理データを受信してメモリに書き込む。
2.締結体ユニットの製造方法
図4は、本実施の形態にかかる締結体ユニット1を製造する方法を示す図である。
まず、以下の第1工程〜第3工程を通して、ロードセル20を、初期張力を加えた状態でボルト10に固定する。
第1工程:
図4(a)に示すように、ボルト10に形成された挿入孔14に、ロードセル20を第1端部21a側から挿入し、第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合する。この状態ではロードセル20の長さは自然長である。第1端部21aの接合位置は、座面15aと係合突起21dとの間隙d1が、固定リング60における底面61aからフランジ部62の上面62aまでの厚みd2よりも狭くなるように設定する。
第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合する方法として、摩擦溶接、抵抗溶接を用いれば、強固に接合することができる。あるいは接着剤によって接合することもできる。
第2工程:
次に、図4(b)に示すように、ボルト10を保持手段(不図示)で保持しながら、チャック70で、第2端部21bの先端に設けられた牽引用突起21eを把持して、図中矢印Bの方向に牽引することによって、ロードセル20を伸張させる。このとき、座面15aと係合突起21dとの間隙d3が、固定リング60における底面61aからフランジ部62の上面62aまでの厚みd2よりも大きくなるようにロードセル20を伸張させる。
このようにロードセル20を伸張させた状態で、予め準備しておいた固定リング60を押し込んで装着することによって、フランジ部62を座面15aと係合突起21dとの間に填め込む。
この固定リング60の装着は、工具71で矢印Cの方向に固定リング60を押し込んで無理ばめすることによって行うことができる。すなわち、固定リング60を押し込むと、係合突起21dとフランジ部62とが、つき当たって径方向に互いに押し合うことによって、フランジ部62は拡径方向にたわみ、係合突起21dも縮径方向にたわむので、固定リング60のフランジ部62は、係合突起21dを乗り越えて、座面15aと係合突起21dとの間に填め込まれる。
なお、固定リング60に切れ目を入れておけば、フランジ部62の径を拡大しやすくなるので、この固定リング60を填め込む工程を容易に行うことができる。
あるいは、図3(b)に示すように、フランジ部62に切欠部62cを形成しておいて、固定リング60を填め込むときに、係合突起21dがこの切欠部62cを通過するようにしておけば、上記のようにフランジ部62をたわませなくても、フランジ部62を座面15aと係合突起21dとの間に填め込むことができる。
第3工程:
このように固定リング60を填め込んだ後、チャック70を解放すれば、ロードセル20は収縮する。ロードセル20の収縮に伴って、係合突起21dが固定リング60のフランジ部62を押し、固定リング60の底面61aが座面15a上に押し付けられる。同時に、係合突起21dは、固定リング60によって、係合突起21dはフランジ部62によって図2矢印Aの方向に押圧される。
図4(c)は、固定リング60が装着されて第2端部21bが座面15a上に固定された状態を示している。この状態で、固定リング60の底面61a全体と座面15aとが当接して互いに押し合い、第2端部21bは、固定リング60によってロードセル20の伸張方向に押圧されて、ロードセル20は自然長から(d2−d1)に相当する長さだけ伸張している。
従って、この伸び(d2−d1)に相当する初期張力が加えられた状態でロードセル20の両端はボルト10に固定される。
また、上記の製造方法においては、ロードセル20にねじり力が加わるような工程はないので、ボルト10に固定されたロードセル20にねじり歪みが残留することもない。
以上のようにして、ロードセル20の両端部をボルト10に固定した後、送信器基板30を取り付け、ICタグ50を埋め込んだキャップ40を取り付けることによって、締結体ユニット1が作製される。
なお、歪ゲージ22と送信器基板30との間は、例えば図4に示すように第2端部21bおよび固定リング60を貫通するように配された配線37で接続する。この配線37の両端は、ロードセル20を挿入孔14に挿入する前に予め歪ゲージ22と送信器基板30に接続しておいてもよいが、予め配線37の一端だけ歪ゲージ22に接続しておいて、固定リング60を填め込んだ後に配線37の他端を送信器基板30に接続してもよい。
3.受信ユニット100の構成
電源発信回路101は、アンテナコイル106から高周波の交流電磁波を発生する。その周波数は、例えば13.56MHzである。
歪信号受信回路102は、この電磁波を搬送波として送られてくる歪信号を受信して復調し、歪データを生成する。ここで得られる歪データにばらつきが生じる可能性を考慮して、歪信号受信回路102で歪データを繰り返し生成して平均化処理をすることが好ましい。
軸力換算回路103は、歪信号受信回路102で復調した歪データを、軸力データに変換する。
この変換は、あらかじめボルト10について、歪データ値と軸力値との対応表を作成し記憶しておき、当該対応表を参照することによって容易に行うことができる。
比較部104は、軸力換算回路103で算出した軸力データと、評価用データ(例えば、あらかじめ準備してある軸力の適正範囲を示すデータ、あるいはICタグリーダ/ライタ110がICタグ50から読み取った個体データ)とを比較する。
表示部105は、軸力換算回路103で算出した軸力データや、比較部104で評価した評価結果などを画面に表示する。
ICタグリーダ/ライタ110は、上記電源発信回路101と同様に、アンテナコイルから高周波の交流電磁波を発生してICタグ50に電力を供給するとともに、軸力換算回路103で算出した軸力データを電源回路51に送信したり、必要に応じて管理データを電源回路51に送信したり、電源回路51から送られる軸力データや管理データを受信する。
4.ロードセル20によるボルト10の軸力検出
歪ゲージ22は、ベース23上に抵抗体24,保護被膜25が積層されて構成され、起歪体21のゲージ貼付部21c周面上又は平面上に接着剤26で接着されている。抵抗体としては、金属薄膜もしくはシリコンに不純物をドーピングしたシリコン半導体を用いることが好ましい。
4−1 抵抗体として金属薄膜を用いる場合
ボルト10を締め付けると、締め付け軸力Pに応じて軸部11が伸張する(L→L+ΔL)。ロードセル20の第1端部21a,第2端部21bは軸部11に強固に接合されているので、軸部11が伸張するのに伴って、起歪体21のゲージ貼付部21cも軸方向に引っ張られて伸張する(l→l+Δl)。また、起歪体21に貼り付けられた歪ゲージ22も変形する。
歪ゲージ22における抵抗体24の抵抗値Rは、R=ρL/Aであらわされる。また、抵抗体に張力が加わってその長さlが伸びる(l→l+Δl)と、断面積が減少するので、抵抗値Rは増加する(R→R+ΔR)。
L:抵抗体の長さ
A:抵抗体の断面積
ρ:抵抗体の固有抵抗率
機械的ひずみと歪ゲージ抵抗体の抵抗変化との比率(ゲージ率G)は、金属薄膜ではG=(ΔR /R)/(ΔL/L)である。
一般の金属はポアソン比σは0.3〜0.6程度と小さく、ゲージ率Gは1.6〜2.2程度である。歪ゲージに使用されている金属薄膜のゲージ率Gも、室温で約2であり、使用温度 によって少し変化する。
歪ゲージの抵抗変化は大変微小であるが、以下のように、ホイートストンブリッジ回路を用いることによって、当該抵抗変化を電圧変化に換算(ひずみ−電圧換算)することができる。
図5に示すように、ブリッジ回路36は、4個の抵抗が結線されてなり、4つの結線部分に端子A,B,C,Dを有しており、相対する2組の端子の一方(端子A−C)にはブリッジ電圧Eが印加され、他方(端子B−D)から出力電圧eが検出される。
A−B間の抵抗値をR1,B−C間の抵抗値をR2,C−D間の抵抗値をR3,D−A間の抵抗値をR4とすると、端子A−C間に印加されるブリッジ電圧Eと、端子B−C間に出力される出力電圧eとの関係は、
e=E(R1R3−R2R4)/(R1+R2)(R3+R4)で表わされる。
このようなホイートストンブリッジ回路において、4個の抵抗の中、1つ以上にゲージ抵抗体を用いる。
例えば、1アクチブゲージ法では、図6に示す端子A−B間に、ゲージ抵抗体を挿入する。
この場合、ブリッジ回路からの出力特性は、
Δe=(1/4)GEΔε…(式1)
であらわされ、機械的ひずみ変化Δεとブリッジ出力電圧変化Δeとは比例する。例えば、ゲージ率G=2.0,ブリッジ電圧E=4VとするとΔe=2Δεとなる。
4アクチブゲージ法では、図7に示すように、4個の歪ゲージRg1,Rg2,Rg3,Rg4を柱状又は板状の起歪体21(ゲージ貼付部21c)に貼り付ける。すなわち、歪ゲージRg1と歪ゲージRg3とは、起歪体21の中心軸に対して互いに対称な位置に、中心軸に沿った方向に貼り付ける。歪ゲージRg2と歪ゲージRg4とは、起歪体21の中心軸に対して互いに対称な位置に、中心軸に対して垂直方向に貼り付ける。
そして、この4個のRg1,Rg2,Rg3,Rg4を、ブリッジ回路36の抵抗R1,R2,R3,R4として組み込むように接続する。
金属薄膜抵抗を用いる場合、ブリッジ回路36からの出力特性は、
Δe=E(1+σ)GΔε/2…(式2)
(σ:金属薄膜のポアソン比)で表わされ、やはり、機械的ひずみ変化Δεとブリッジ出力電圧変化Δeとは比例する。
この4アクチブゲージ法によれば、起歪体21の曲げひずみによる電圧変化分は打ち消されて、引張り圧縮ひずみによる電圧変化だけを検出することができ、また、温度補償もなされる。
なお、金属薄膜のゲージ率は小さいので、ブリッジ回路からの出力変化Δeも小さい。従って、出力電圧eを直流増幅器で増幅してからA/D変換器33でA/D変換することが望ましい。
なお、歪ゲージ22を起歪体21の表面に貼り付ける以外に、起歪体21の表面に絶縁薄膜を形成し、その上に金属薄膜抵抗体を形成してもよい。例えば、絶縁薄膜として、ピンの表面に絶縁膜としてSIO2膜をスパッタリングや蒸着などで形成し、その上に、クロム(Cr)、酸素と、アルミニウム(Al)を混合した薄膜を、スパッタリングや蒸着などで形成する。それによって、接着工程が不要となり、生産性の向上を図ることが可能になる。
4−2 抵抗体として半導体を用いる場合
抵抗体として半導体を用いる場合、基本的には上記金属薄膜と同様であるが、抵抗体の抵抗変化は、主に半導体の圧抵抗効果による。すなわち、半導体の中には、この圧抵抗効果によって、金属と比べてひずみによる抵抗変化率Δρ/ρが極めて大きいものがあり、この場合のゲージ率Gは、G=(Δρ /ρ)/(ΔL/L)である。なお、半導体において圧抵抗効果が生じるしくみとして、マルチバレイ半導体のひずみによる等エネルギー面の変化に基づく説明がなされている。
半導体歪ゲージに用いる半導体材料の具体例としては、Si,Ge,InSbなどが挙げられる。これらの材料は、伝導型(p型,n型)や結晶方向によって特異なゲージ率を示す。
例えば、Si半導体は、以下のようなゲージ率を示し、そのゲージ率は大きい絶対値を持っている(「電気電子材料(共立出版)」を参照した)。
p型、結晶方向(100) ゲージ率G=10
p型、結晶方向(111) ゲージ率G=177
n型、結晶方向(100) ゲージ率G=−132
n型、結晶方向(111) ゲージ率G=−13
ゲージ率の絶対値が大きい半導体を用いれば、金属薄膜抵抗体を用いた歪みゲージと比べて50〜100倍程度の感度が得られ、歪ゲージのひずみに伴って生じるブリッジ回路の出力電圧変化Δeも数十mV程度となる。
従って、ブリッジ回路からの出力電圧Δeを増幅しなくても、A/D変換器33でA/D変換することができる。
半導体歪ゲージでロードセルを形成する場合、起歪体に歪ゲージを貼りつける形態以外に、起歪体自体をシリコンウェハで形成し、このシリコンウェハに不純物ドーピングによるゲージ部を形成してもよい。
その製法は、例えば、シリコンウェハ上に、マスキング法でパターニングしながら不純物をドーピングすることによって半導体抵抗体層を形成し、更に配線パターンを描くことによってブリッジ回路を形成することができ、1アクチブゲージ法の場合はゲージを1つ、4アクチブゲージ法の場合は、ゲージを4つ形成する。各ゲージの寸法は、例えば縦0.3mm、横0.1mmである。
このシリコンウェハを切り出すことによって起歪体のゲージ貼付部21cに相当する部分を形成することができる。切り出し寸法については、第1端部21a、第2端部21bとのバランスや接合強度を確保することを考慮しつつ、挿入孔14に挿入できる範囲で適宜決めればよく、例えば横2.5mm程度、長さ15mm〜30mmである。
そして第1端部21a,第2端部21bに相当する部材を接合すれば、歪ゲージとブリッジ回路を組み込んだシリコンウェハからなるロードセルを形成することができる。
この製法によって、抵抗値120Ω、ゲージ率100のロードセルを作製することができる。
ボルト10の強度を維持する上で、挿入孔14や凹部15の径は、できるだけ小さい方が好ましいが、上記のようにシリコンウェハ上に半導体抵抗層を形成し、更に配線パターンを描いてブリッジ回路を形成することによって超小型の金属シリコン製半導体歪ゲージデバイスを作製して起歪体に接合すれば、挿入孔14に埋め込むロードセル20の径を小さくでき送信器基板30を小型化することもできる。従って、ボルト10の強度を維持するのに有効である。
4−3 ブリッジ回路36の端子A−Cへの電圧供給
送信器基板30において、ブリッジ回路36の電源電圧として、小型バッテリを搭載してもよいが、本実施形態では、受信ユニット100から無線で供給される電力を送信器基板30が受け取ってブリッジ回路36などに供給するパッシブ型を採用している。
図6に基づいて、ブリッジ回路36の端子A−Cに一定電圧を供給するしくみを説明する。なお、パッシブ型駆動法については「RFIDハンドブック(日刊工業新聞)」に詳しく記載されている。
電源発信回路101を、送信器基板30に近い位置において、電源発信回路101のアンテナコイル106と送信器基板30のアンテナコイル35とを誘導結合させる。
そして、電源発信回路101において、交流電源で高周波電圧(13.56MHz)を発生させると、誘導結合しているアンテナコイル106及びアンテナコイル35を介して、当該高周波電圧が受信回路31で受信される。
受信回路31と、ブリッジ回路36の端子A−Cとの間には、定電圧回路32が介挿されている。
図6に示している定電圧回路32は、比較的簡単な構成の分路調整器であって、整流器と、ツェナダイオードZDが発生する電圧をエミッタ接地されたnpnトランジスタのベースに供給する回路とが設けられている。
受信回路31で受信された高周波は、定電圧回路32において整流器で整流されて、ツェナダイオードZDとトランジスタによって、端子A−C間に印加される電圧が安定化される。
図8は、アンテナコイル106とアンテナコイル35との結合係数Kとブリッジ回路36の入力端子A−C間に入力される電圧との関係を示す図である。当図に示されるように、アンテナコイル同士が誘導結合されていてその結合係数Kがある程度以上あれば、一定の電圧Vzが入力端子A−C間に印加される。
なお、この電圧は、A/D変換器33、変調器34aなどの駆動電源としても用いられる。
このように送信器基板30では、バッテリを搭載しなくても、ブリッジ電圧などが供給されるようになっている。
4−4 軸力換算回路103に記憶させる対応表の作成(校正)
図9は、歪データΔeと軸力値Pとの対応関係の一例を示す図表である。
基本的に上記式1,2に示されるように、歪データΔeとΔεとは比例し、また、Δεは起歪体21の伸びΔlに相当し、このΔlはボルト10の軸力Pにほぼ比例するので、歪データ(Δe)とボルト10の軸力Pとは、図9で実線aに示すようにほぼ比例する。
ただし、ボルト10の軸力Pと歪データΔeとの関係は、ロードセル20のばらつきや装着するボルト10の種類などによっても異なるので、各締結体ユニット1ごとに、図9に示すような歪データ値Δeと軸力値Pとの対応表を作成しておくことが好ましい。
ところで、このような対応表の作成(校正)は、ロードセル20及び送信器基板30を装着した後に、引張試験機にかけて引張荷重(ボルト10の軸力)をいろいろ変えながら、歪データ(Δe)を測定することによって行うこともできるが、各ロードセル20をボルト10に装着する前に、ロードセル20を引張試験器にかけて引張荷重と歪データを測定することによって行なうこともできる。
すなわち、ロードセル20にかかる引張力とボルト10の軸力Pとの変換倍数を、あらかじめ測定して求めておいて、各ロードセル20について引張試験機を用いて校正(引張力と歪データの変化Δeとの対応表を作成)し、ロードセル20を一定の条件でボルト10に固定する。そうすれば、各ボルト10にロードセル20を装着した後に校正しなくても、個別に作成したロードセル20にかかる引張力と歪データの変化Δeとの対応表に、ロードセル20にかかる引張力とボルト10の軸力Pとの間の変換倍率を乗じることによって、ボルト10ごとに歪データ値Δeと軸力値Pとの対応表を作成することができる。
ロードセル20の断面積は、ボルト10の断面積と比べて格段に小さいため、ボルト10に組み込む前にロードセル20で校正すれば校正時の引張力は小さくて済む。従って校正に用いる引張試験機も小型のもので行なえる。
以上のようにしてボルト10ごとに、歪データ値Δeと軸力値Pとの対応表を作成し、各ボルト10の個体識別コードを付けて軸力換算回路103に記憶させておけば、ボルト10の軸力を測定しようとするときに、軸力換算回路103は、記憶されている対応表の中から当該ボルト10の個体識別コードが付いている対応表を参照することよって、歪信号受信回路102で復調した歪データから軸力データを算出することができる。
5.送信器基板30と受信ユニット100との間のデータ転送
受信ユニット100と送信器基板30との間のデータ送受信、ならびにICタグリーダ/ライタ110とICタグ50との間のデータ送信は、RFIDタグで一般に使われているデジタル変調方式を用いて行う。
RFIDタグでは、ASK(Amplitude Shift Keying 振幅シフトキーイング)あるいはFSK(周波数シフトキーイング)、PSK(位相シフトキーイング)といった方式が用いられている。この中で、ASK方式は、デジタル信号にもとづいて正弦波の振幅を変える方式であって、復調が容易であり、RFIDタグなど、近距離の通信に多く用いられている。本実施形態においてもこのデジタル変調方式を適用する。
なお、受信ユニット100−送信器基板30間のデータ送受信と、ICタグリーダ/ライタ110−ICタグ50間のデータ送受信との間で、衝突を防止する(アンチコリジョン)ため、副搬送波の周波数を別々に割り当てたり、時分割で動作することが好ましい。
データ送受信の例として、図5を参照しながら、送信回路34から歪信号受信回路102に歪データを送信するしくみを説明する。
受信ユニット100の電源発信回路101は、上述したように周波数ft(13.56MHz)で交流電磁波を発信する。
送信器基板30の送信回路34は、変調器34aを備えている。
この変調器34aは、受信回路31で受信した周波数ft(13.56MHz)のクロック信号を1/64に分周して、周波数fs(212kHz)の副搬送波を生成する。さらに、生成した副搬送波を、A/D変換器33で生成された歪データ(デジタル信号)に基づいてASK変調する。
受信回路31においては、このようにASK変調された副搬送波にもとづいて、FETをON−OFFする。FETをON/OFFするのに伴って、受信回路31に負荷が組み込まれた状態とそうでない状態とに切り替わる(受信回路31の負荷が変動する)ので、もとの周波数ft(13.56MHz)の電磁波が負荷変調される。
このように、稼働周波数ftの電磁波を、周波数fsの副搬送波で負荷変調すると、周波数ftの波と周波数fsの波とが掛け合わせられるので、周波数(ft+fs)の波と周波数(ft−fs)の波が形成される。すなわち、周波数ftを中心として、両サイドに対称的に側波帯(サイドバンド)が形成され、上部側波帯の周波数は(ft+fs),下部側波帯の周波数は(ft−fs)となる。
歪信号受信回路102では、この2つの側波帯の中、一方から歪データ(デジタル信号)をとりだす。図6に示す例では、歪信号受信回路102では、受信した電磁波から、バンドパスフィルタ102aで稼働搬送波成分などを除去して上部側波帯だけを取り出し、最終的に復調器102bで歪データ(デジタル信号)に復調する。
6.軸力監視システムの利用形態
以上説明した軸力監視システムを用いて、以下のようにして、軸力測定用のボルト10を車両などに取り付けておけば、受信ユニット100をボルト10から近い位置において、非接触でボルト10の軸力を測定し、表示部105に表示することができる。
工場で車両を組立てる時に、車両の部分を締結するのに同種のボルトを多数使用する場合、そのすべてに対して軸力測定用のボルト10を用いてもよいが、一部だけに軸力測定用のボルト10を用いてサンプル的に軸力測定するようにしてもよい。
軸力測定用のボルト10を締結する現場には、受信ユニット100を設置しておく。そして、車の組立時に、適正に締め付けられたボルト10の締付け軸力データを測定する。この軸力データは軸力換算回路103で算出されるが、受信ユニット100の軸力換算回路103からICタグリーダ/ライタ110を経由してICタグ50に送られ、メモリ回路53に記録される。
ICタグリーダ/ライタ110からICタグ50には、この軸力データ以外に、ボルト10の個体識別コードや使用部位、組立てした日時などの管理データも、ICタグリーダ/ライタ110から送られてメモリ回路53に記録される。
工場から車両が出荷された後には、使用者に渡った車両が一時的に駐停車することがわかっている場所、例えば給油所などに、受信ユニット100を設置しておく。
そうすれば、車両が一時的に駐停車する際に、受信ユニット100を用いて、ボルト10に非接触で、その時点のボルト10の軸力を確認することができる。
チェックした結果、ボルト10が弛んでいると判断された場合には、そこでボルト10の増し締め、並びにボルト10と同種のボルトがあればその増し締めを行なう。そして、増し締めたボルト10の軸力値と増し締め日時などをICタグ50に書き込んで記録内容を更新する。
ボルト10が外れて紛失していたり折損したりしている場合には、新品のボルト10に交換して、そのICタグ50に新たな軸力などのデータを記録する。
さらに、ICタグに記録されているボルトの位置やボルトサイズ、適正に締め付けた年月日、その時の適正な軸力(締付け力)などの固体認識情報も、ICタグから読み込んで比較することによって、新たな情報を得ることができる。たとえば、ボルトの位置と軸力低下の度合いとの関係を調べて、締結される場所によって軸力低下の傾向があるかどうかなどを把握することもできる。
このようにきめ細かい軸力管理ができることによって、ボルトの弛みに起因する事故を未然に防止できる。
7. 本実施形態にかかる締結体ユニット1による効果
本実施形態の締結体ユニット1が奏する主要な効果を以下にまとめる。
*ロードセル20は、初期張力が加わった状態でボルト10に固定されているので、ボルト10が無負荷(軸力がゼロ)のときにもロードセル20には張力かかっている。従って、ロードセル20とボルト10との間に遊びがなく、ボルト10を締付けて軸力が高くなると同時に歪ゲージ22に伸び歪が加わる。従って、ボルト10の軸力Pが小さいときでも、確実に歪ゲージ22に伝わって歪信号として検出される。
*軸力Pと歪データの変化Δeとの関係における直線性
ボルト10にロードセル20を固定するときに、ロードセル20に熱歪みやねじり歪が残留した場合、ボルト10の軸力Pと歪データの変化Δeとの間で直線的な関係が失われて、例えば図9において破線bあるいは破線cで示す曲線のような関係となる。この場合、ボルト10ごとに、軸力Pと歪データの変化Δeとの関係もばらつきやすい。
これに対して、本実施形態においては、ロードセル20の両端をボルト10に固定するときに、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みは残留しない。すなわち、第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合するときには、第2端部21bはボルト10に固定されておらず解放されているので、第1端部21aの接合時に溶接による熱が加わったとしても、ロードセル20に熱歪みとして残留することはない。一方、第2端部21bをボルト10に固定するときには、固定リング60を第2端部21bに填め込む方法をとっているので、この工程でもロードセル20に熱歪みやねじり歪みが残留することはない。
従って、ボルト10の軸力Pと歪データの変化Δeとの間の関係は、上記4−4で説明した図9の直線aのように直線性が得られ、ボルト間におけるばらつきも小さい。よって、正確に軸力データを算出することができる。
*本実施形態の締結体ユニット1によれば、上記製造方法のところで説明したように、ロードセル20には、伸び(d2−d1)に相当する初期張力が加えられるが、固定リング60における厚みd2は一定なので、第1工程において座面15aと係合突起21dとの間隙d1を一定に制御すれば、ロードセル20には一定の初期張力が加えられることになる。
従って、ロードセル20に一定の初期張力を付与するのが容易である。
よって、上記の4−4で説明したように、各ロードセル20について校正を行えば、ボルト10にロードセル20を装着した後に校正する必要がないので、校正作業に要する手間を簡略化でき、校正に要するコストも軽減できる。
<適用例、その他>
本実施形態の軸力監視システムの適用例として、自動車,列車,航空機などに締結体ユニット1を装着しておいて、その駐停車の際や点検整備の際に、受信ユニット100でその軸力をチェックし、各部位のボルトの弛みを検査することができる。
受信ユニット100を軽量でポータブルに作製すれば、受信ユニット100を移動するのも容易である。
さらに、複数の軸力監視システムと管理センターとの間を通信回線で結んで、ネットワークを形成することもできる。
図15は、そのネットワークの一例を示す図である。
この例では、各エリアA,B,Cに受信ユニット100が配置されている。そして、各受信ユニット100は、そのエリアに属する複数の自動車に取り付けられた締結体ユニット1から軸力データを収集し、インターネット回線、衛星通信回線などの通信回線120を介して、管理センター130に送信する。
管理センター130では、各エリアA,B,Cから、各自動車に取りつけらている締結体ユニット1の軸力データを受け取り、受け取った軸力データをまとめて管理する。

以下の実施形態2〜6で、ロードセル20を初期張力がかかった状態で挿入孔14内に固定する方法に関して、別の形態を説明する。
なお、上で説明した3.受信ユニット100の構成、4.ロードセル20によるボルト10の軸力検出、5.送信器基板30と受信ユニット100との間のデータ転送、6.軸力監視システムの利用形態については、実施形態2〜6にも適用される。
[実施の形態2]
本実施の形態の締結体ユニット1は、上記実施の形態1の締結体ユニット1と同様の構成であるが、実施の形態1においてはロードセル20の第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合したのに対して、本実施形態では、ロードセル20の第1端部21aを挿入孔14の内壁に係合させる点が異なっている。
図10は、実施の形態2にかかる締結体ユニットの製法を説明する図である。
上記実施の形態1では、第1工程において、第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合したが、本実施形態では、第1端部21aおよび挿入孔14の内壁に互いに係合可能な係合部を形成しておき、第1工程においてこれを互いに係合させる。
具体的には、第1端部21aに、径方向に突出する一対の係止突起21fが形成されており、一方ボルト10の挿入孔14の内壁には、係止突起21fを係止させる係止溝14cが対で刻設されている。そして、ボルト10の挿入孔14の内壁には、挿入孔14の入口から係止溝14cに到るまで、各係止突起21fを案内する案内溝14dが対で刻設されている。
そして、第1工程においては、係止溝14cおよび案内溝14dが形成された挿入孔14にロードセル20を第1端部21aから挿入する(図10で矢印A)。このとき、各係止突起21fは各案内溝14dに沿って挿入される。そして、係止突起21fが係止溝14cの深さまで達したら、ロードセル20を、軸を中心に回転させる(図10中矢印B)。これによって、係止突起21fが係止溝14cの奥まで挿入され、各係止突起21fが各係止溝14cに係合される。
このように係止突起21fが係止溝14cに係合した状態では、ロードセル20を牽引しても、各係止突起21fが各係止溝14cから外れることがない。
第2工程、第3工程は、上記実施の形態1で説明した第2工程、第3工程と同様に行う。すなわち、第2工程において、ロードセル20を牽引しながら第2端部21bに固定リング60を填め込み、第3工程で牽引を解除して、座面15a上に第2端部21bを固定する。
上記の方法によれば、第1工程において、係止突起21fを係止溝14cに挿入するときに、ロードセル20を回転させはするが、ねじを締め付けるわけではないのでロードセル20にねじり歪みは加わらない。従って、このようにして製造された締結体ユニット1においても、上記実施の形態1と同様、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みが残ることなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定されている。
なお、以上の説明では、係止突起21fを係止溝14cに係合させることによって第1端部21aを挿入孔14の内壁に係合させたが、第1端部21aの周面に雄ねじ、挿入孔14の内壁に雌ねじを形成しておいて、第1工程においてロードセル20を回転させて軽く螺合させることによっても、第1端部21aを挿入孔14の内壁に係合させることができる。
この場合も、第1工程において、雄ねじを雌ねじに強く締め付ける必要はないので、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みが残ることなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定される。
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3にかかる締結体ユニット2の構成を示す図である。当図では歪ゲージ22と送信器基板30との間の配線は省略している。
本実施形態の締結体ユニット2は、上記実施の形態2の締結体ユニットと同様の構成であるが、ボルト10に形成されている挿入孔14は、軸部11の下端まで貫通され、第1端部21aが軸部11の下端に係合している点が異なっている。
本実施形態において、ロードセル20の長さが挿入孔14より若干長く設定され、第1端部21aには、挿入孔14の径よりも径の大きいフランジ部21gが形成されている。
締結体ユニット2の製造時には、第1工程において、ロードセル20を挿入孔14に挿入するときに、軸部11の下端側から第2端部21bを挿入して、挿入孔14を貫通させる。
そして、フランジ部21gを軸部11の先端面11aに当接させる。このとき、第2端部21bの先端部が凹部15に突出するように、予めロードセル20の長さなどを設定しておく。
続いて、第2工程、第3工程を、上記実施の形態1で説明したのと同様に行う。すなわち、第2工程においては、ロードセル20を牽引しながら第2端部21bに固定リング60を填め込み、第3工程で、牽引を解除することによって座面15a上に第2端部21bを固定する。
そして、送信器基板30、ICタグ50を埋め込んだキャップ40を取り付けることによって、締結体ユニット2が作製される。
以上のように製造された締結体ユニット2においても、上記実施の形態1と同様、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みがかかることなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定されている。
[実施の形態4]
本実施形態の締結体ユニット3においても、上記実施の形態3の締結体ユニット2と同様、図12(a)に示すように、ボルト10に形成する挿入孔14を、軸部11の先端まで貫通させ、ロードセル20の長さを、挿入孔14の長さに合わせて設定しておく。
ただし、ボルト10に対してロードセル20を取り付けるときの向きが実施の形態3とは異なり、実施の形態3では、フランジ部21gが形成された第1端部21aが軸部11の先端側に固定され、第2端部21bが固定リング60によってボルト10の頭部12側に固定されていたのに対して、本実施形態では、フランジ部27が形成された第1端部21aがボルト10の頭部12側に固定され、第2端部21bがスナップリング63によって軸部11の先端側に固定される。従って、本実施形態では、軸部11の先端面11aが、スナップリング63が当接する座面となっている。
以下、締結体ユニット3の製造方法を説明する。
本実施形態では、送信器基板30を、予めフランジ部27上に取り付けておく。
第1工程:
図12(a)に示すように、予め、第2端部21bの先端部に、スナップリング63を填め込むための溝28を形成しておく。この溝28の幅は、スナップリング63の厚みより小さくても大きくてもよいが、ここではスナップリング63の厚みと同等とする。そしてロードセル20の第2端部21bを、凹部15側から挿入孔14に挿入する。
図12(b)に示すように、第1端部21aのフランジ部27が座面15aに当接するまでロードセル20を挿入することによって、当該フランジ部27が座面15aに係合する。このとき第2端部21bの先端部は軸部11の先端面11aよりも突出する。
この状態で、ロードセル20の長さは自然長であるが、図12(b)拡大図に示すように、溝28の一部が挿入孔14の中(先端面11aよりも内側)に入り込むように、予めロードセル20の長さなどを設定しておく。ここでは、溝28の先端側内壁28aが軸部11の先端面11aから距離d4だけ突出しているものとする。
第2工程:
次に、図12(c)に示すように、挿入孔14から突出する第2端部21bの先端部を、チャック70で把持して牽引して、ロードセル20を伸長させ、挿入孔14から露出した第2端部21bの溝28にスナップリング63を填め込む。このスナップリング63は、厚みd5が上記の距離d4よりも大きいものを用いる。
第3工程:
そして、チャック70を解放すると、ロードセル20は収縮するが、図12(d)に示すうように填め込まれたスナップリング63は、挿入孔14よりも径が大きいので、軸部11の先端面(座面)11aに当接する。
このとき、溝28の先端側内壁28aと先端面11aとの間隙距離は、スナップリング63の厚みd5とほぼ等しく、この厚みd5は距離d4よりも大きいので、ロードセル20は自然長よりも(d5−d4)だけ伸長された状態で保持されることになる。
このようにロードセル20をボルト10に固定した後、ICタグ50を埋め込んだキャップ40を取り付けることによって、締結体ユニット3が作製される。
このようにして製造された締結体ユニット3においても、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みがかかることなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定されている。
また、ロードセル20にかかる初期張力は伸び(d5−d4)に相当し、スナップリング63の厚みd5は一定と見なせるので、d4を一定に制御することによって、ロードセル20に一定の初期張力を付与することができる。
〈変形例〉
なお、上記説明では、第2端部21bを軸部11の先端に固定するのに、第2端部21bに溝28を形成しておいて、第2工程においてその溝28にスナップリング63を填め込んだが、以下のように、第2端部21bに貫通孔を形成しておいてその貫通孔に係止ピンを差し込んでもよい。
図13(a)に示すように、ロードセル20の第2端部21bに、径方向に貫通する係止孔29を形成しておいて、第1工程で、そのロードセル20を挿入孔14に挿入する。このとき係止孔29の一部もしくは全部が、挿入孔14内に入り込むように、予めロードセル20の長さなどを設定しておく。
第2工程において、図13(b)に示すように、チャック70で第2端部21bを牽引して係止孔29を挿入孔14の外に引き出す。そして、その状態で、挿入孔14の径よりも長い係止ピン64を係止孔29に差し込む。
第3工程において、チャック70を解放すると、ロードセル20は収縮して、図13(c)に示すように係止ピン64が、軸部11の先端面(座面)11aに当接し、ロードセル20は自然長よりも伸長された状態で保持される。
この変形例においても、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みがかかることなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定される。
[実施の形態5]
本実施の形態の締結体ユニット4は、上記実施の形態1の締結体ユニット1と同様の構成であるが、実施の形態1においては、ロードセル20の第2端部21bに係合突起21dを形成するとともに、固定リング60を填め込んで係合突起21dに係合させることによって、第2端部21bをボルト10に固定したのに対して、本実施形態では、ロードセル20の第2端部21bの外周面に雄ねじを形成し、これにナットを螺号させることによって、第2端部21bをボルト10に固定する点が異なっている。
図14は、締結体ユニット4の構成および製法を説明する図である。当図では歪ゲージ22と送信器基板30との間を接続する配線は省略している。
図14(a)に示すように、第2端部21bの先端部分に雄ねじ部21kを形成しておく。なお、図14(a)の拡大図における点Pは、ナット下面の予定位置を示すものであって、第2工程でナット65を雄ねじ部21kに一定条件で螺号させたときに、ナット65の下面65aが点Pの位置に来るようになっている。
第1工程:
上記実施の形態1で説明した第1工程と同様、図14(a)に示すようにロードセル20を挿入孔14に挿入して、第1端部21aを挿入孔14の内壁に接合する。このとき、第2端部21bは解放されているのでロードセル20は自然長である。
図14(a)の拡大図では、予定位置Pが座面15aから距離d6だけ挿入孔14内に入り込んでいる。
第2工程:
次に、図14(b)に示すように、ボルト10を保持手段(不図示)で保持しながら、チャック70で、第2端部21bの先端に設けられた牽引用突起21eを把持して、図中矢印Bの方向に牽引することによって、ロードセル20を伸張させる。
このとき、上記予定位置Pが、挿入孔14の外(座面15aよりも上)に出るまでロードセル20を伸張させる。
このようにロードセル20を伸張させた状態で、予め準備しておいたナット65を雄ねじ部21kに螺合させる。そして、工具(不図示)でナット65を回転させて、ナット65の下面65aを予定位置Pまで移動させる。
このとき、ナット65と座面15aとは接触していないので、ナット65はスムースに回転する。その上、第2端部21bはチャック70で牽引されているので、ロードセル20にねじり歪が加わることもない。
第3工程:
次に、チャック70を解放すると、ロードセル20は収縮して、図14(c)に示すようにナット65の下面65aが、ボルト10の座面15aに当接する。この状態で、ロードセル20は、自然長よりも距離d6だけ伸長されているので、その伸びに相当する張力が加えられた状態で保持されていることになる。
このようにロードセル20をボルト10に固定した後、送信器基板30、ICタグ50を埋め込んだキャップ40を取り付けることによって、締結体ユニット3が作製される。
以上のように製造された締結体ユニット4においても、ロードセル20に熱歪みやねじり歪みが残留することがなく、初期張力が加えられた状態でロードセル20の第1端部21aおよび第2端部21bがボルト10に固定されている。
また、この初期張力の大きさは距離d6に相当するので、上記の第1工程において、距離d6を一定に制御すれば、ロードセル20に一定の初期張力が加えられることになる。
従って、ロードセル20に一定の初期張力を付与するのが容易である。
本発明は、ボルトやリベットなど、被締結体を締結した状態で保持する締結体の軸力を監視するのに利用できる。
実施の形態1にかかる締結体ユニット1の構成を示す分解図である。 実施の形態1にかかる締結体ユニット1の構成を示す図である。 実施の形態1にかかる第2端部21bおよび固定リング60の構成を示す斜視図である。 実施の形態1にかかる締結体ユニット1を製造する方法を示す図である。 実施の形態にかかる軸力監視システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態にかかる軸力監視システムにおいて、ブリッジ回路の端子に一定電圧を供給するしくみ、歪データを送信するしくみを説明する図である。 4アクチブゲージ法で歪みを測定する方法を説明する図である。 アンテナコイルの結合係数Kとブリッジ回路に入力される電圧との関係を示す図である。 歪データΔeと軸力値Pとの対応関係の一例を示す図表である。 実施の形態2にかかる締結体ユニットの組立方法を示す図である。 実施の形態3にかかる締結体ユニット2の構成を示す図である。 実施の形態4にかかる締結体ユニット3の構成および製法を示す図である。 実施の形態4の変形例にかかる締結体ユニット3の製法を示す図である。 実施の形態5にかかる締結体ユニット4の構成および製法を説明する図である。 複数の軸力監視システムと管理センターとの間を通信回線で結んたネットワークの一例を示す図である。 従来技術にかかる軸力検出器が装着されたボルトを示す図である。
符号の説明
1〜4 締結体ユニット
10 軸力検出用ボルト
11 ボルトの軸部
12 ボルトの頭部
14 挿入孔
15 凹部
15a 座面
20 ピン型ロードセル
21 起歪体
21a 第1端部
21b 第2端部
21d 係合突起
21f 係止突起
21k 雄ねじ部
22 歪ゲージ
24 抵抗体
30 送信器基板
31 受信回路
32 定電圧回路
33 A/D変換器
34 送信回路
35 アンテナコイル
36 ブリッジ回路
50 ICタグ
51 電源回路
52 アンテナコイル
53 メモリ回路
60 固定リング
62 フランジ部
65 ナット
100 受信ユニット
101 電源発信回路
102 歪信号受信回路
106 アンテナコイル
110 ICタグリーダ/ライタ

Claims (21)

  1. 被締結体を締結して保持するための長尺状の締結体に対し、その長手方向に挿入孔が開設され、当該挿入孔にピン型のロードセルが挿入されてなる軸力検出用締結体であって、
    前記ロードセルの一端部は、前記締結体に接合または係合され、
    前記ロードセルの他端部は、前記挿入孔から突出し、
    当該突出部分には、
    装着体が装着されるとともに係合部が設けられ、且つ当該装着体の少なくとも一部が、前記締結体の座面と前記係合部との間に介在し、
    当該介在部分の前記長手方向に沿った厚みが、
    前記ロードセルの他端部解放時における前記締結体の座面と前記係合部との間隔よりも大きいことを特徴とする軸力検出用締結体。
  2. 前記装着体は、
    内側にフランジ部が形成されたリング状部材であって、前記ロードセルの他端部に填め込まれ、
    前記フランジ部が、前記締結体の座面と前記係合部との間に介在していることを特徴とする請求項1記載の軸力検出用締結体。
  3. 前記ロードセルの一端部は、
    前記挿入孔の内壁に接合されていることを特徴とする請求項1記載の軸力検出用締結体。
  4. 前記ロードセルの一端部及び前記挿入孔の内部には、互いに係合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の軸力検出用締結体。
  5. 前記ロードセルの一端部に突起が形成されると共に、
    前記挿入孔の周壁には、当該突起を係止させる係止構造が形成されていることを特徴とする請求項4記載の軸力検出用締結体。
  6. 前記締結体は、ボルトであって、
    前記ボルトの頭部には凹部が形成され、
    前記他端部及び前記装着体は、当該凹部に埋設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の軸力検出用締結体。
  7. 前記ロードセルは、
    ピン型の起歪体に歪ゲージが固着されて構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の軸力検出用締結体。
  8. 前記歪ゲージは、
    シリコン半導体からなる抵抗体、または金属薄膜抵抗体であることを特徴とする請求項7記載の軸力検出用締結体。
  9. 前記歪ゲージを組み込んだブリッジ回路、当該ブリッジ回路からのアナログ出力をディジタル変換するA/D変換部、及び前記デジタル変換した歪信号を無線で送信する歪信号送信部を備えることを特徴とする請求項1記載の軸力検出用締結体。
  10. 前記軸力検出用締結体は、
    電磁波を介して無線で供給される電力を受信する電力受信部を備え、
    当該電力受信部で受け取った電力で、
    前記ブリッジ回路、A/D変換器、歪信号送信部を駆動させることを特徴とする請求項9記載の軸力検出用締結体。
  11. 請求項9記載の軸力検出用締結体と、
    当該軸力検出用締結体に関する管理情報を記録するICタグとで構成される締結体ユニット。
  12. 前記ICタグは、前記軸力検出用締結体に装着されていることを特徴とする請求項11記載の締結体ユニット。
  13. 請求項9記載の軸力検出用締結体と、
    当該軸力検出用締結体から離れた位置で、前記歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器を備えることを特徴とする軸力監視システム。
  14. 前記歪信号受信部には、
    前記電力受信部に供給する電磁波を発信する発信部が設置されていることを特徴とする請求項13記載の軸力監視システム。
  15. 前記歪信号送信部は、
    前記電力受信部に供給される電磁波を負荷変調することによって歪信号を送信し、
    前記信号受信部は、変調された電磁波から歪信号を復調することを特徴とする請求項14記載の軸力監視システム。
  16. 請求項11記載の締結体ユニットと、
    前記歪信号送信部から送信される歪信号を受信する歪信号受信器、及び、前記ICタグに対して管理情報を送受信するICタグリーダ/ライタを有する受信ユニットとを備えることを特徴とする軸力監視システム。
  17. 前記歪信号受信器は、
    受信した歪信号を、通信回線を通して外部に送信する歪信号送信手段を備えることを特徴とする請求項16記載の軸力監視システム。
  18. 請求項17記載の軸力監視システムを複数と、
    前記複数の軸力監視システムにおける各歪信号受信器の歪信号送信手段から送信される歪信号を前記通信回線を通して受信して管理する管理センターとを備える軸力監視ネットワーク。
  19. 被締結体を締結して保持するための長尺状の締結体に、その長手方向に挿入孔が開設され、当該挿入孔にピン型のロードセルが挿入されてなる軸力検出用締結体を製造する方法であって、
    前記ロードセルを前記挿入孔に挿入し、当該ロードセルの一端部を締結体に接合または係合させるとともに、前記ロードセルの他端部を前記挿入孔から突出させる第1工程と、
    前記ロードセルの他端部を牽引してロードセルに張力を加えた状態を保持しながら、当該他端部に装着物を装着する第2工程と、
    前記牽引を解除して前記ロードセルを収縮させることによって、前記他端部に装着された装着物を締結体の座面に押圧した状態で、当該他端部を締結体に固定する第3工程とを備えることを特徴とする軸力検出用締結体の製造方法。
  20. 前記ロードセルの他端部には、前記装着物を係合させる係合部が形成され、
    前記第2工程では、前記装着物の少なくとも一部が、当該係合部と締結体の座面との間に介在するように、前記装着物を装着することを特徴とする請求項19記載の軸力検出用締結体の製造方法。
  21. 前記装着物は、ナットであって、
    前記ロードセルの他端部には、当該ナットを螺合させるねじが形成され、
    前記第2工程では、
    前記ロードセルの他端部を牽引してロードセルに張力を加えた状態を保持しながら、前記ナットを螺合させることを特徴とする請求項19記載の軸力検出用締結体の製造方法。
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