JP2010116365A - 口唇用化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成分(a)R1SiO1.5単位とR2 3SiO0.5単位(式中、R1、R2は置換または非置換の1価炭化水素基を表す)から成るシリコーン樹脂を配合したことを特徴とする口唇用化粧料に関する。
【選択図】なし
Description
したがって、従来の落ちない口紅と同様に、耐水性、耐油性および二次付着防止効果に優れ、さらに、経時での色持ちと化粧膜の柔軟性に富み肌や唇への負担感がなく、ツヤに優れ、グロスなどを重ね塗りしてもそれと混ざり合うことがなく色持ち効果と二次付着防止効果を損なわれない口唇用化粧料の開発が望まれていた。
本発明に用いられる成分(a)のR1SiO1.5単位とR2 3SiO0.5単位から成るシリコーン樹脂は、R1SiO1.5単位より成るシラノール基含有オルガノポリシルセスキオキサン(式中、R1は置換または非置換の1価炭化水素基を表す)のシラノール基を、トリオルガノシリル基で封鎖したものである。例えば、特開平4−312511号公報に記載のものを使用することができる。
具体的には、次の(a1)と(a2)とを反応させることで得ることができる。
(a1):R1SiO1.5単位より成るシラノール基含有オルガノポリシルセスキオキサン(式中、R1は置換または非置換の1価炭化水素基を表す)
(a2):(R2 3Si)aZ(式中、R2は置換または非置換の1価炭化水素基を表し、aは1または2を表し、
Zはaが1のときは水素原子、水酸基、加水分解性基を表し、a が2のときは−O−,−N(X)−,−S−を表す。ここでXは水素原子、炭素数1〜4の1価炭化水素基またはR2 3Si−を表す)で表されるシリコーン化合物
ここでZの加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;プロペノキシ基などのアルケニルオキシ基;アセトキシ基、ベンゾキシ基などのアシロキシ基;アセトンオキシム基、ブタノンオキシム基などのオルガノオキシム基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基などのオルガノアミノキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などのオルガノアミノ基;N−メチルアセトアミド基などのオルガノアミド基などが例示される。この中でも、合成や入手のし易さにおいては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、撥水性においては、メチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましい。
これらの中でも、反応の制御や未反応物の除去が容易なことから、シラザン類やクロロシラン類が好ましい。
成分(b)揮発性油剤は1気圧、25℃において揮発性であり、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、成分(a)のシリコーン樹脂を溶解し得るものであればいずれのものも使用できる。具体的には、軽質流動イソパラフィン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルトリメチコン、低分子量ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、エチルトリシロキサン等が挙げられる。市販品としては、軽質流動イソパラフィンとしてはアイソパーH(エッソ化学社製)、イソドデカン(バイエル社製)、イソヘキサデカン(ユニケマ社製)、IPソルベント1620MU、IPソルベント2028MU、IPソルベント2835(以上、出光興産社製)、デカメチルシクロペンタシロキサンとしてはTFS405(東芝シリコーン社製)、SH245、DC345(東レ・ダウコーニング社製)、KF−995(信越化学工業社製)、メチルトリメチコンとしては、シリコーン TMF−1.5(信越化学工業社製)、低分子量ジメチルポリシロキサンとしてはKF−96L−2CS(信越化学工業社製)、デカメチルテトラシロキサンとしてはKF−96L−1.5CS(信越化学工業社製)、エチルトリシロキサンとしてはSILSOFT ETS(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。
水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの、他にタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば天然ビタミンE、酢酸dl−α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
<シリコーン樹脂1>
メチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部をフラスコに仕込み、1%塩酸水溶液108部を20分間かけて滴下し、該シランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、分液後有機層を水洗して塩酸を除去し、さらにトルエンを減圧除去して、分子量12,000で軟化点115℃のシラノール基含有量1.2%のメチルポリシルセスキオキサンを調製した。次に該メチルポリシルセスキオキサン100部、トルエン200部、トリメチルクロロシラン10部およびヘキサメチルジシラザン50部をフラスコに仕込み、加熱攪拌を行った。トルエンの還流温度で2時間加熱攪拌後、反応によって生じたアンモニア、塩酸或いはそれらの塩を水洗によって除去し、さらにトルエンを減圧留去してトリメチルシリル化された、軟化点80℃のシリコーン樹脂1を得た。
<シリコーン樹脂2>
トリメチルクロロシランおよびヘキサメチルジシラザンの代わりに、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルクロロシランおよびビス〔3,3,3−トリフルオロプロピル〕テトラメチルジシラザンを使った他は、調製例1と同様にしてメチルポリシルセスキオキサンを処理し、軟化点85℃のシリル化されたシリコーン樹脂2を得た。
表1に示す組成の口紅を下記の製造方法により調製し、各試料について、(イ)経時での色持ち、(ロ)化粧膜の柔軟性、(ハ)ツヤ、(ニ)グロス重ね塗り時の二次付着防止効果の項目について評価を行い、その結果も併せて表1に示した。
*2:KF−96L−2CS(信越化学工業社製)
*3:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜6を90℃に加温して均一に溶解する。
B:Aに成分7〜15を加え均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、塗布体付き口紅容器に充填する。
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が、(イ)については塗布後3時間経過した時の化粧膜の状態を観察し、(ロ)は塗布数分後(2〜3分後)の唇の負担感やつっぱり感のなさを評価し、(ハ)は塗布数分後(2〜3分後)の化粧膜の状態を観察し、(ニ)はさらに評価用リップグロスを重ね塗りしてティッシュオフしたときの色移りのなさを観察し、下記絶対評価基準にて6段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 5
2.流動パラフィン*4 20
3.ポリブテン*5 75
*3:約200CP(25℃)
*4:ポリブテン100R(出光興産社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aを容器に流し込み充填し冷却する。
(イ)経時での色持ち
(ロ)化粧膜の柔軟性
(ハ)ツヤ
(ニ)グロス重ね塗り時の二次付着防止効果
(評点):(評価)
6点:非常に良好
5点:良好
4点:やや良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎:5点を超える
○:3点を超える5点以下
△:2点を超える3点以下
×:2点以下
一方、成分(a)の製造例のシリコーン樹脂の代わりに、構造の異なるSiO2単位とR3SiO0.5単位から成るシリコーン樹脂で置き換えた比較例1は、経時での色持ちが劣り、化粧膜の柔軟性がなく唇に負担感が感じられ、さらにツヤがなく、かつその上からリップグロスを塗布した場合にグロスと色が混じって二次付着防止効果が損なわれてしまった。
(成分) (%)
1.シリコーン樹脂1 20
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
3.セレシンワックス*6 20
4.部分架橋型オルガノポリシロキサンエラストマー*7 20
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5
6.無水ケイ酸*3 1
7.酸化チタン被覆ガラスフレーク*8 10
8.炭酸カルシウム 0.1
9.赤色202号 1
10.黄色4号 1
11.酸化チタン 3
12.黒酸化鉄 0.1
13.防腐剤(パラオキシ安息香酸プロピル) 適量
14.香料 適量
*6:セレシン810(日興リカ社製)
*7:KSG15:(信越化学工業社製)
*8:メタシャイン1080RC−R(日本板硝子社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を100℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分4〜14を加え均一に分散する。
C:Bを脱泡して100℃に加熱溶解して口紅容器に流し込み充填する。
D:Cを冷却する。
実施例6の口紅は、実施例1〜5の評価方法で同様に評価した結果、経時での色持ちが良好で、化粧膜の柔軟性とツヤに優れ、かつその上からリップグロスを塗布した場合にも色が混じって二次付着することがない口紅であった。
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 15
2.シリコーン樹脂2 10
3.イソドデカン 残量
4.イソヘキサデカン 10
5.リンゴ酸ジイソステアリル 20
6.ポリブテン*5 10
7.α−オレフィンオリゴマー*9 10
8.無水ケイ酸*3 0.1
9.雲母チタン 5
10.赤色226号 0.5
11.(PET/PMMA)積層末*10 2
12.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
13.酸化防止剤(天然ビタミンE) 適量
*9:SILKFLO 364NF POLYDECENE(LIPO CHEMICALS社製)
*10:オーロラフレーク ブルー0.01(角八魚鱗箔社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分8〜13を加え均一に分散する。
C:Bを90℃にて容器に流し込み冷却させる。
実施例7のリップグロスは、実施例1〜5の評価方法で同様に評価した結果、経時での色持ちが良好で、化粧膜の柔軟性とツヤに優れ、実施例1の口紅の上から本リップグロスを塗布した場合にも色が混じって二次付着することがないものであった。
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*11 10
2.キャンデリラワックス*12 10
3.シリコーン樹脂2 5
4.イソドデカン 残量
5.イソオクタン酸グリセリル 20
6.ポリブテン*5 10
7.ワセリン*13 10
8.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル*14 5
9.シリコーン2%処理微粒子酸化チタン 5
10.赤色201号 0.01
11.防腐剤(ジプロピレングリコール) 適量
12.酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 適量
13.香料 適量
*11:PERFORMALENE655(ニューフェーズテクノロジー社製)
*12:精製キャンデリラワックスSR−3(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*13:SNOW WHITE SPECIAL(クローダジャパン社製)
*14:ユビナールMC80(BASF社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を100℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分9〜12を加え均一に分散する。
C:Bに成分13を加えて混合し、90℃にて容器に流し込み冷却させる。
実施例8のリップクリームは、実施例1〜5の評価方法で同様に評価した結果、経時での色持ちが良好で、化粧膜の柔軟性とツヤに優れ、かつその上から実施例6の口紅を塗布した場合にも口紅と混じって二次付着することがないものであった。
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 5
2.シリコーン樹脂1 10
3.イソドデカン 残量
4.ジメチルジステアリルヘクトライト*15 5
5.ジイソステアリン酸ジグリセリル 5
6.シリコーン5%処理セリサイト 5
7.雲母チタン 10
8.酸化鉄被覆雲母チタン 5
9.酸化チタン 1
10.ベンガラ 2
11.黄酸化鉄 1
12.グリセリル変性シリコーン*16 1
13.精製水 10
14.1,3−ブチレングリコール 5
15.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
16.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 適量
17.酸化防止剤(アスコルビン酸) 適量
*15:BENTONE 38V BC(エレメンティス社製)
*16:KF−6105(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分4〜12を加え均一に分散する。
C:成分13〜15を均一に混合溶解する。
D:Bを混合しながらCを加えて乳化する。
E:Dに成分16、17を加えて均一に混合する。
F:Eを脱泡して容器に充填する。
実施例9の口紅は、実施例1〜5の評価方法で同様に評価した結果、経時での色持ちが良好で、化粧膜の柔軟性とツヤに優れ、かつその上からリップグロスを塗布した場合にも色が混じって二次付着することがない口紅であった。
Claims (5)
- 成分(a)R1SiO1.5単位とR2 3SiO0.5単位(式中、R1、R2は置換または非置換の1価炭化水素基を表す)から成るシリコーン樹脂、を配合することを特徴とする口唇用化粧料。
- 前記成分(a)のR1SiO1.5単位とR2 3SiO0.5単位のモル比が19:1〜2:1であることを特徴とする請求項1に記載の口唇用化粧料。
- 前記成分(a)の軟化点が60℃〜95℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の口唇用化粧料。
- さらに成分(b)揮発性油剤を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の口唇用化粧料。
- 前記成分(b)の揮発性油剤が、軽質流動イソパラフィン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルトリメチコン、低分子量ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、エチルトリシロキサンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の口唇用化粧料。
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