JP2010114675A - 制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号を送信するための信号線の数を低減することを可能にする。
【解決手段】1つの信号をもとに、位相をそのままにした信号と位相を反転させた信号とを出力する信号分離回路44と、を備え、上述の位相をそのままにした信号をラッチ信号として用いるとともに、上述の位相を反転させた信号を前記ブランク信号として用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号の送信を行って当該被制御装置の制御を行う制御システムに関するものである。
従来から、クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号の送信を行って被制御装置の制御を行う技術が知られている。例えば車両では、車両用計器におけるLEDインジケータでの表示等の制御に上述の技術が用いられている。
詳しくは、このようなLEDインジケータでのLEDの点消灯の制御およびLEDの調光の制御のために、LEDの点消灯状態を示すデータ信号、このデータ信号のタイミング情報としてのクロック信号、このデータ信号を確定させるためのラッチ信号、確定させたこのデータ信号の出力の可否を示すブランク信号の4種類の入力信号を、それぞれ独立した信号線によって、例えば制御MPUからLEDインジケータのLEDを駆動するためのLEDドライバICへ送信していた。
また、近年では、例えば特許文献1に開示されているように、車両用計器の表示情報をステアリングホイールに設けられたディスプレイに表示する技術が提案されている。
特表2000−515454号公報
しかしながら、従来の技術では、クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号の送信を行って被制御装置の制御を行う場合に、データ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号の各信号を送信するための4本の信号線が必要となるという制限を受けていた。
近年、配線スペース等の問題により信号線の本数の低減が図られているが、上述したような制限によって、従来技術では信号線の本数の低減に対応できないという問題点を有していた。
また、特許文献1に開示されているように被制御装置を車両のステアリングホイールのような設置スペースの限られた場所に設けようとした場合には、制御装置は車両のインストルメンタルパネルの内側のようなスペースに余裕のある場所に設ける必要性が生じるため、制御装置から被制御装置へデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号の各信号を送信するためには、独立したワイヤハーネスが4本必要となるという制限を受けていた。
近年、車両重量低減による燃費向上やコストダウンを目的にワイヤハーネスの本数の低減が図られているが、上述したような制限によって、従来技術ではワイヤハーネスの本数の低減に対応できないという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号を送信するための信号線の数を低減することを可能にする制御システムを提供することにある。
請求項1の制御システムは、上記課題を解決するために、クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して、データ信号、このデータ信号のタイミング情報としてのクロック信号、このデータ信号を確定させるためのラッチ信号、および確定させたこのデータ信号の出力の可否を示すブランク信号を送信することによって前記被制御装置の制御を行う制御システムであって、前記データ信号と前記ラッチ信号とを同期させる同期手段と、1つの信号をもとに、位相をそのままにした信号と位相を反転させた信号とを出力する信号分離手段と、を備え、前記位相をそのままにした信号を前記ラッチ信号として用いるとともに、前記位相を反転させた信号を前記ブランク信号として用いることを特徴としている。
これによれば、信号分離手段によって1つの信号をもとに互いに逆位相の関係にある2つの信号を得て、それぞれをラッチ信号とブランク信号として用いるので、ラッチ信号を送信する信号線とブランク信号を送信する信号線とを共通化することができる。また、ラッチ信号を送信する信号線とブランク信号を送信する信号線とを共通化することができるので、制御装置から被制御装置にデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、およびブランク信号を送信するための信号線を1本減らすことができる。つまり、請求項1の構成によれば、制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号を送信するための信号線の数を低減することが可能になる。
また、以上の構成によれば、信号分離手段によって1つの信号をもとに互いに逆位相の関係にある2つの信号を得て、それぞれをラッチ信号とブランク信号として用いても、同期手段によってデータ信号とラッチ信号とを同期させているため、ブランク信号と逆位相の関係にあるラッチ信号も、ラッチ信号としての機能を果たすことができる。
さらに、以上の構成によれば、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、制御装置側の出力端子の数も低減することができるので、例えば制御装置のMPUリソース低減による機能拡張性の向上が可能となる。また、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、制御装置側の通信インターフェース装置等の素子数を低減することができるので、基板実装性の向上が可能となる。さらに、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、信号線、上述の出力端子、および上述の通信インターフェース装置の数を低減することができるので、コストダウンも可能となる。
また、請求項2の制御システムでは、前記信号分離手段は、位相反転回路を備え、前記位相反転回路によって、前記1つの信号をもとに、前記位相を反転させた信号を出力することを特徴としている。
この請求項2のように、信号分離手段が位相反転回路を備え、この位相反転回路によって位相を反転させた信号を出力するようにしてもよい。
また、請求項3の制御システムでは、前記1つの信号をパルス幅変調制御することによって前記ブランク信号のパルス幅変調制御も行い、このパルス幅変調制御によって変化するブランク信号のデューティ比に応じて前記被制御装置の制御の度合いを変化させることを特徴としている。
この請求項3のように、パルス幅変調制御によって変化するブランク信号のデューティ比に応じて前記被制御装置の制御の度合いを変化させてもよい。なお、ラッチ信号はブランク信号と逆の位相の信号であるので、この場合にはラッチ信号も同様のパルス幅変調制御を受ける。しかしながら、例えばラッチ信号が、信号の立ち上がりおよび立ち下がりのうちのいずれかのエッジによってデータ信号を確定させるトリガラッチのラッチ信号である場合には、パルス幅に関係なく信号の立ち上がりまたは立ち下がりによってデータ信号を確定させるので、ラッチ信号とブランク信号とがお互い逆位相の関係にある場合でも、それぞれの信号としての機能を果たすことができる。
また、ラッチ信号が、信号レベルに応じてデータ信号を確定させるレベルラッチのラッチ信号である場合には、ラッチ信号がアクティブである間にデータ信号を送信すると送信中のデータ信号がそのまま出力に現れてしまうので、請求項4の制御システムのように、前記ラッチ信号が、信号レベルに応じて前記データ信号を確定させるレベルラッチのラッチ信号である場合には、前記同期手段は、前記ラッチ信号が非アクティブである間に前記データ信号を送信するように、前記データ信号と前記ラッチ信号とを同期させることが好ましい。
この請求項4のようにすれば、ラッチ信号がアクティブである間にデータ信号を送信させないので、送信中のデータ信号がそのまま出力に現れてしまう状況を生じさせることがなくなり、ラッチ信号とブランク信号とがお互い逆位相の関係にある場合でも、それぞれの信号としての機能を果たすことができる。
また、請求項5の制御システムでは、前記制御装置は、制御MPUであるとともに、前記被制御装置は、LEDインジケータのLEDを駆動するためのLEDドライバICであって、前記データ信号は、前記LEDの点消灯状態を示す信号であり、前記ブランク信号は、前記LEDの発光輝度を示す信号であることを特徴としている。
これによれば、制御MPUからデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、およびブランク信号を、LEDインジケータのLEDを駆動するためのLEDドライバICに送信し、LEDドライバICにLEDインジケータのLEDの点消灯および調光を行わせる制御システムにおいても、ラッチ信号を送信する信号線とブランク信号を送信する信号線とを共通化することができるので、上述の各信号を送信する信号線の数を低減することができる。
また、請求項6の制御システムでは、前記制御装置と前記被制御装置とが、車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられていることを特徴としている。
制御装置と被制御装置とが車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられている場合は、ワイヤハーネスによって、データ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号の各信号を送信することになるが、以上の構成によれば、ラッチ信号とブランク信号とを共通のワイヤハーネスで送信することが可能になるので、用いるワイヤハーネスの本数を低減することができる。また、その結果、車両重量低減による燃費向上やコストダウンも可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された制御システム100の概略的な構成を示す図である。図1に示す制御システム100は、車両に搭載されるものであり、メータ基板1、ワイヤハーネス2a〜2c、制御基板4、およびLED基板5を含んでいる。なお、制御基板4とLED基板5とによってREVユニット3を構成している。なお、制御システム100を搭載している車両を以降では自車両と呼ぶ。
メータ基板1は、自車両の車両用計器の表示等の制御を行うものであって、制御MPU11およびI/F12a〜12cを備えている。本実施形態では、例としてメータ基板1は回転速度計(タコメータ)の基板であるものとして以降の説明を行う。なお、メータ基板1は、例えば自車両のインストルメンタルパネルの内側に設置されるものとする。
制御MPU11は、メータ基板1に実装される演算処理装置であって、エンジンECU(図示せず)から得られるエンジン回転数の情報に応じて各種信号を出力することによって、後述する制御基板4のLEDドライバIC43の制御を行う。詳しくは、クロック同期式のシリアル通信によって、制御MPU11からLEDドライバIC43に対して、データ信号、クロック信号、ラッチ信号、およびブランク信号を送信することによってLEDドライバIC43の制御を行う。よって、制御MPU11は、請求項の制御装置として機能する。なお、本実施形態では、データ信号は後述するLED基板5のLEDインジケータ51のLED8個分の点消灯状態を示す8Bitデータの信号であるものとする。具体的には、LEDドライバIC43への入力(以下、IC入力)の信号レベルがHiレベルのときにはLEDの点灯を示し、IC入力の信号レベルがLoレベルのときは消灯を示すものとする。また、クロック信号は、このデータ信号のタイミング情報を示す信号であるものとする。さらに、ラッチ信号は、信号の立ち上がりおよび立ち下がりのうちのいずれかのエッジによってこのデータ信号を確定させるトリガラッチの信号であるものとする。なお、本実施形態では、ラッチ信号が、信号の立ち上がりのエッジによってこのデータ信号を確定させるトリガラッチの信号である場合を例に挙げて以降の説明を行う。また、ブランク信号は、確定させたこのデータ信号の出力の可否を示す信号であるものとする。詳しくは、ブランク信号は、IC入力の信号レベルがLoレベルであったときにこのデータ信号の出力を可(つまり、点灯)とし、IC入力の信号レベルがHiレベルであったときにこのデータ信号の出力を不可(つまり、消灯)とする減光信号である。
なお、制御MPU11は、クロック同期式のシリアル通信によって各種信号を送信するので、当然データ信号とクロック信号とを同期させている。また、制御MPU11は、データ信号とラッチ信号とをも同期させている。よって、制御MPU11は、請求項の同期手段としても機能する。なお、本実施形態におけるクロック同期式のシリアル通信は、データ信号を送信するためのデータ線とは別にクロック信号を送信するためのクロック線が用意されているビット・クロック同期によるシリアル通信であるものとする。また、制御MPU11からのデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号の送信タイミングの詳細については後述する。
I/F12a〜12cは、制御基板4との間で信号の送受信を行うためのメータ基板1側の通信インターフェース装置である。詳しくは、I/F12aは、上述のデータ信号を送信するための通信用インターフェース装置であって、I/F12bは、上述のクロック信号を送信するための通信用インターフェース装置であって、I/F12cは、上述のラッチ信号とブランク信号とを共通化した信号を送信するための通信用インターフェース装置である。なお、ラッチ信号とブランク信号とを共通化した信号(以下、共通信号と呼ぶ)とは、後述する信号分離回路44に入力されてラッチ信号とブランク信号とを出力することになる信号であって、具体的にはラッチ信号と同様の信号である。
ワイヤハーネス2a〜2cは、信号通信を目的とした複数の電線が束になった配線ケーブルであって、I/F12a〜12cから出力される各種信号を伝達する。詳しくは、ワイヤハーネス2aは、I/F12aから出力されるデータ信号を伝達し、ワイヤハーネス2bは、I/F12bから出力されるクロック信号を伝達し、ワイヤハーネス2cは、I/F12cから出力される共通信号を伝達する。
制御基板4は、制御MPU11から入力される各種信号に従って、後述するLED基板5のLEDインジケータ51のLEDを駆動させるものであって、I/F41a〜41c、位相反転回路42、およびLEDドライバIC43を備えている。また、I/F41cおよび位相反転回路42は、信号分離回路44を構成している。なお、制御基板4は、例えば自車両のステアリングホイールのホーンカバーの内側に設置されるものとする。
信号分離回路44は、ワイヤハーネス2cによって伝達されてきた共通信号をもとに、位相をそのままにした信号をラッチ信号として出力(詳しくは、I/F41cを介して信号をLEDドライバIC43のラッチ入力に入力するということ)し、位相を反転させた信号をブランク信号として出力(詳しくは、I/F41cおよび位相反転回路42を介して信号をLEDドライバIC43のブランク入力に入力するということ)する。よって、信号分離回路44は、請求項の信号分離手段として機能する。
ここで、図2を用いて信号分離回路44の詳細についての説明を行う。信号分離回路44は、回路に入力される共通信号の信号電圧に応じて図2に示すMOS型FET45およびMOS型FET46の2つのトランジスタをオン/オフすることによって、信号線AからLEDドライバIC43のラッチ入力に入力する信号レベルおよび信号線BからLEDドライバIC43のブランク入力に入力する信号レベルを切り替える回路である。詳しくは、回路に入力される共通信号の信号電圧が、信号分離回路44への入力の信号レベルのLoレベルに相当する電圧であった場合には、MOS型FET45およびMOS型FET46の両者がオンとなる。そして、MOS型FET45およびMOS型FET46の両者がオンとなった場合には、信号線AからLEDドライバIC43のラッチ入力に入力する信号レベルがHiレベルとなり、信号線BからLEDドライバIC43のブランク入力に入力する信号レベルがLoレベルとなる。また、回路に入力される共通信号の信号電圧が、信号分離回路44への入力の信号レベルのLoレベルに相当する電圧であった場合には、MOS型FET45およびMOS型FET46の両者がオフとなる。そして、MOS型FET45およびMOS型FET46の両者がオフとなった場合には、信号線AからLEDドライバIC43のラッチ入力に入力する信号レベルがLoレベルとなり、信号線BからLEDドライバIC43のブランク入力に入力する信号レベルがHiレベルとなる。つまり、信号分離回路44では、共通信号の位相をそのままにした信号がラッチ信号として出力され、共通信号の位相を反転させた信号がブランク信号として出力される。
なお、本実施形態では、トランジスタとしてMOS型FETを用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らず、例えばバイポーラトランジスタを用いる構成であってもよい。
I/F41a〜41cは、メータ基板1との間で信号の送受信を行うための制御基板4側の通信インターフェース装置であって、レベル変換回路として機能している。詳しくは、I/F41aは、ワイヤハーネス2aによって伝達されてきたデータ信号を受信し、レベル変換してLEDドライバIC43のデータ入力に入力するレベル変換回路である。また、I/F41bは、ワイヤハーネス2bによって伝達されてきたクロック信号を受信し、レベル変換してLEDドライバIC43のクロック入力に入力するレベル変換回路である。さらに、I/F41cは、ワイヤハーネス2cによって伝達されてきた共通信号を受信し、レベル変換してLEDドライバIC43のラッチ入力および位相反転回路42に入力するレベル変換回路である。
そして、位相反転回路42は、前述したように、I/F41cから出力された信号の位相を反転させてLEDドライバIC43のブランク入力に入力する回路である。
LEDドライバIC43は、I/F41a〜41cおよび位相反転回路42から入力される各信号に従って、LED基板5のLEDインジケータ51の各LEDを駆動する。よって、LEDドライバIC43は、請求項の被制御装置として機能する。
ここで、図3および図4を用いて、I/F41a〜41および位相反転回路42から入力される各信号に従ったLEDドライバIC43によるLEDインジケータ51の各LEDの駆動についての説明を行う。図3は、非減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との一例について示す図である。また、図4は、減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との一例について示す図である。
制御MPU11は、前述したようにクロック同期式のシリアル通信によって各種信号を送信するので、図3および図4に示すように8Bitデータの信号とこれに対応するクロック信号とが同期して送信されてLEDドライバIC43に入力される。図3および図4に示した例では、LEDインジケータ51のLED8個分のデータ信号のすべての信号レベルがHiレベルであるので、図3および図4に示すデータ信号はLEDインジケータ51のLED8個がすべて点灯であることを示すことになる。
また、制御MPU11は、データ信号の送信が完了した後に共通信号の信号レベルをLoレベルからHiレベルに切り替えて送信するよう同期させることによって、結果として、データ信号の送信が完了した後に図3および図4中の矢印で示すラッチ信号の立ち上がりエッジを生じさせる。そして、このエッジを条件としてLEDドライバIC43では最新のデータ信号を確定させる。なお、最新のデータ信号が確定されると、LEDドライバIC43が出力するLEDの点消灯状態を示す出力データは、この最新のデータ信号に応じて切り替わり、次回のデータ信号が確定されるまではその状態が保持される。例えば、図3および図4のN番目の8Bitデータの信号の送信が完了した後に立ち上がりエッジを生じさせることによってN番目のデータ信号を確定させる。そして、N番目のデータ信号が確定されると、LEDドライバIC43が出力するLEDの点消灯状態を示す出力データは、LED8個すべてを点灯させるという点灯出力に切り替わり、次にN+1番目のデータ信号が確定されるまではその点灯出力が保持される。なお、N番目のデータ信号が確定された後にN+1番目のデータ信号が確定されるまでの間隔、つまり、LEDドライバデータ更新周期は、例えば10msとする。
また、制御MPU11は、さらに、共通信号をパルス幅変調制御することによって、結果としてブランク信号のパルス幅変調(PWM)制御も行う。そして、このPWM制御によって変化するブランク信号のデューティ比(つまり、IC入力のHiレベルとLoレベルとの比率)に応じてLEDドライバIC43ではLEDインジケータ51のLEDの調光を行う。詳しくは、IC入力の信号レベルがHiレベルの間は、データ信号が示す点消灯状態に関わらずLEDドライバIC43の出力は、LED8個すべてを点灯させないという消灯出力となるため、このHiレベルの比率が高いほどLEDインジケータ51のLEDの発光輝度が低く調光される。例えば、図3に示す非減光時に比べ、図4に示す減光時では、IC入力の信号レベルのHiレベルの比率を高くすることによって消灯の割合(減光率)を高めてLEDの発光輝度を低く調光する(つまり、LEDの減光を行う)。また、本発明では、ラッチ信号とブランク信号とが逆位相の関係にあるため、ラッチ信号の立ち上がりから立ち下がりまでの間隔は、上述の減光率が高くなるほど狭くなり、上述の減光率が低くなるほど広くなるようになっている。なお、前述したように、制御MPU11がデータ信号とラッチ信号とを同期させているので、ラッチ信号と逆位相の関係にあるブランク信号もデータ信号と同期させていることになる。よって、調光周期もLEDドライバ更新周期と同様になり、本実施形態の例では例えば10msとなる。
なお、本発明では、ラッチ信号とブランク信号とが逆位相の関係にあるため、非減光時であっても、ブランク信号のIC入力の信号レベルが常にLoレベル(つまり、常時点灯)になることがなく、ブランク信号のIC入力の信号レベルがHiレベルである状態を含む。よって、本発明では、このHiレベルの比率分だけ常時点灯の場合に比べてLEDの発光輝度が低くなる。従って、本発明では、常時点灯の場合に要求されるLEDの発光輝度をほぼ100%満たすように、非減光時のブランク信号のデューティ比に応じて(つまり、このHiレベルの比率分だけ)高めのLED駆動電流を予め設定しておくものとする。
LED基板5は、LEDドライバIC43の指示に従ってLEDを発光するものであって、LEDインジケータ51を備えている。なお、LED基板5は、例えば自車両のステアリングホイールのグリップの内側に設置されるものとする。
LEDインジケータ51は、エンジン回転数を表す8個のLEDを備えており、この8個のLEDがユーザから視認可能なようにステアリングホイールに設けられている。例えば、LEDをステアリングホイールの表面に露出させることによってユーザから視認可能なように設けられていてもよいし、ステアリングホイールに内蔵されたLEDの表面を透明の樹脂などに覆うことによってユーザから視認可能なように設けられていてもよい。
本実施形態では、例としてLEDインジケータ51の8個のLEDが、ステアリングホイールの円周方向、且つ、ステアリングホイールが正位置にあるときの左右方向に一列に配置されている場合を例に挙げて説明を行う。これらの一列に配置されている8個のLEDは、左から5000rpm、5500rpm、6000rpm、6500rpm、7000rpm、7500rpm、8000rpm、8300rpmのエンジン回転数を表すように配置されており、LEDドライバIC43からの出力に従って、エンジン回転数に対応するLEDまでのLEDが点灯するようになっている。例えば、エンジン回転数が6000rpmのときには、5000rpm、5500rpm、6000rpmに対応するLEDまでが点灯する。
なお、ここでは、LEDインジケータ51の8個のLEDによってエンジン回転数を表す一例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、断芯チェック用に自車両のイグニッションオン時にLEDインジケータ51の8個のLEDをスイープ表示させる構成であってもよい。この場合には、自車両のイグニッションオン時にLEDインジケータ51の8個のLEDをスイープ表示させる制御をLEDドライバIC43で行わせるデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号が制御MPU11からLEDドライバIC43に送信することになる。
また、本実施形態では、LEDインジケータ51が8個のLEDを備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、LEDインジケータ51が8個以外の数のLEDを備える構成であってもよい。また、この場合、LEDの数に応じてデータ信号のビット数を変更すればよい。
なお、LEDインジケータ51は、LEDドライバIC43からの出力に従った発光輝度でLEDを発光させる。一例としては、トンネルの通過時や夜間の走行時に、ドライバーが眩しく感じない程度にLEDを減光する構成としてもよい。具体的には、トンネルの通過時や夜間の走行時の検出は周知の方法によって行い、この検出結果に従って予め設定された発光輝度にLEDを調光するようなブランク信号がブランク入力に入力されるような共通信号を制御MPU11が出力することによって、上述したような減光を行う構成とすればよい。なお、操作スイッチ群等を介してLEDの発光輝度をドライバーが手動で調整する構成としてもよい。
続いて、本発明における作用効果について、本実施形態の例をもとに説明を行う。まず、従来技術では、図5に示す通り、非減光時のブランク信号のIC入力の信号レベルは常にLoレベル(つまり、常時点灯)になっており、データ送信の周期とは非同期で送信が行われていた。また、図6に示す通り、減光時のブランク信号のIC入力の信号レベルはPWM制御によってHiレベルとLoレベルとが交互に存在しており、データ送信の周期とは非同期で送信が行われていた。よって、従来技術では、ラッチ信号とブランク信号との共通化は出来ず、データ、クロック、ラッチ、ブランクの4本の入力信号は、それぞれ独立した4本の信号線によって制御装置から被制御装置へ送信する必要があった。また、本実施形態に示すように、制御装置と被制御装置とが車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられている場合には、従来技術では、これらの4本の信号線に対応した4本のワイヤハーネスが必要であった。
これに対して、以上の構成によれば、共通信号をもとに信号分離回路44によって互いに逆位相の関係にある2つの信号を得て、それぞれをラッチ信号とブランク信号として用いるので、ラッチ信号を送信する信号線とブランク信号を送信する信号線とを共通化することができる。また、ラッチ信号を送信する信号線とブランク信号を送信する信号線とを共通化することができるので、制御MPU11からLEDドライバIC43にデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、およびブランク信号を送信するための信号線およびワイヤハーネスをそれぞれ1本ずつ減らすことができる。つまり、以上の構成によれば、制御MPU11からLEDドライバIC43に対して制御に関する信号を送信するための信号線の数を低減することが可能になる。
また、以上の構成によれば、ラッチ信号とブランク信号とを共通のワイヤハーネスで送信することが可能になるので、用いるワイヤハーネスの本数を低減することができる。また、その結果、車両重量低減による燃費向上やコストダウンも可能になる。
さらに、以上の構成によれば、共通信号をもとに信号分離回路44によって互いに逆位相の関係にある2つの信号を得て、それぞれをラッチ信号とブランク信号として用いても、制御MPU11によってデータ信号とラッチ信号とを同期させて送信しているため、ブランク信号と逆位相の関係にあるラッチ信号も、ラッチ信号としての機能を果たすことができる。
また、以上の構成によれば、例えばラッチ信号が、信号の立ち上がりおよび立ち下がりのうちのいずれかのエッジによってデータ信号を確定させるトリガラッチのラッチ信号である場合には、パルス幅に関係なく信号の立ち上がりまたは立ち下がりによってデータ信号を確定させるので、ラッチ信号とブランク信号とがお互い逆位相の関係にある場合でも、それぞれの信号としての機能を果たすことができる。
さらに、以上の構成によれば、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、制御MPU11側の出力端子の数も低減することができるので、例えば制御MPU11のMPUリソース低減による機能拡張性の向上が可能となる。また、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、メータ基板1の通信インターフェース装置等の素子数を低減することができるので、基板実装性の向上が可能となる。さらに、上述の各信号線の数を低減することが可能となることにより、ワイヤハーネス、信号線、上述の出力端子、および上述の通信インターフェース装置の数を低減することができるので、コストダウンも可能となる。
また、本実施形態では、ラッチ信号がトリガラッチのラッチ信号である場合の例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、ラッチ信号が、信号レベルに応じてデータ信号を確定させるレベルラッチのラッチ信号である場合にも本発明を適用することができる。しかしながら、ラッチ信号がレベルラッチのラッチ信号である場合には、ラッチ信号がアクティブである間にデータ信号を送信すると送信中のデータ信号がそのまま出力に現れてしまうという問題点が生じる。よって、ラッチ信号がレベルラッチのラッチ信号である場合には、図7および図8に示すように、ラッチ信号が非アクティブの間にデータ信号を送信させるようにすればよい。以上の構成のようにすれば、ラッチ信号がアクティブである間にデータ信号を送信させないので、送信中のデータ信号がそのまま出力に現れてしまう状況を生じさせることがなくなり、ラッチ信号とブランク信号とがお互い逆位相の関係にある場合でも、それぞれの信号としての機能を果たすことが可能になる。
なお、本実施形態では、メータ基板1が自車両のインストルメンタルパネルの内側に設置される構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、メータ基板1がREVユニット3と同様にステアリングホイールに設けられる構成としてもよい。この場合であっても、制御MPU11からLEDドライバIC43にデータ信号、クロック信号、ラッチ信号、およびブランク信号を送信するための信号線を1本減らすことができるので、制御MPU11のMPUリソース低減による機能拡張性の向上、基板実装性の向上、およびコストダウンが可能になる。
また、本実施形態では、制御装置として制御MPU11を備えるとともに、被制御装置としてLEDドライバIC43を備える制御システム100を例に挙げて説明を行ったが、本発明が適用できる制御システムは、必ずしもこれに限らない。クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して、データ信号、このデータ信号のタイミング情報としてのクロック信号、このデータ信号を確定させるためのラッチ信号、および確定させたこのデータ信号の出力の可否を示すブランク信号を送信することによって被制御装置の制御を行う制御システムであれば、他の制御システムに適用することも可能である。例えば、スピードメータなど、タコメータ以外の車両用計器の表示をLEDによって行う制御システムにも適用する構成であってもよいし、制御MPUによって液晶ドライバの制御を行う制御システム等に適用する構成であってもよい。
なお、前述の実施形態では、制御MPU11が自車両のインストルメンタルパネルの内側に設けられているとともにLEDドライバIC43がステアリングホイールのホーンカバーの内側に設けられている構成を示したが、このように、制御装置と被制御装置とが車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられている場合に本発明を適用することがより好ましい。これは、制御装置と被制御装置とが車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられている場合は、ワイヤハーネスによって、データ信号、クロック信号、ラッチ信号、ブランク信号の各信号を送信することになるが、以上の構成によれば、ラッチ信号とブランク信号とを共通のワイヤハーネスで送信することが可能になるので、用いるワイヤハーネスの本数を低減することができるためである。また、その結果、車両重量低減による燃費向上やコストダウンも可能になる。
また、本実施形態では、車両に備えられる制御システムに本発明を適用する例を示したが、必ずしもこれに限らない。本発明は、クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して制御に関する信号の送信を行って被制御装置の制御を行う制御システムを備える機器であれば車両以外にも適用可能である。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
制御システム100の概略的な構成を示す図である。 信号分離回路44の回路構成の一例を示す図である。 本発明における、非減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との一例について示す図である。 本発明における、減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との一例について示す図である。 従来技術における、非減光時にLEDドライバICに入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバICからの出力との一例について示す図である。 従来技術における、減光時にLEDドライバICに入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバICからの出力との一例について示す図である。 本発明における、非減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との他の一例について示す図である。 本発明における、減光時にLEDドライバIC43に入力される各種信号とこの各種信号に従ったLEDドライバIC43からの出力との他の一例について示す図である。
符号の説明
1 メータ基板、2a〜2c ワイヤハーネス、3 REVユニット、4 制御基板、5 LED基板、11 制御MPU(制御装置)、12a〜12c I/F、41a〜41c I/F、42 位相反転回路、43 LEDドライバIC(被制御装置)、44 信号分離回路(信号分離手段)、45・46 MOS型FET、51 LEDインジケータ、100 制御システム

Claims (6)

  1. クロック同期式のシリアル通信によって制御装置から被制御装置に対して、データ信号、このデータ信号のタイミング情報としてのクロック信号、このデータ信号を確定させるためのラッチ信号、および確定させたこのデータ信号の出力の可否を示すブランク信号を送信することによって前記被制御装置の制御を行う制御システムであって、
    前記データ信号と前記ラッチ信号とを同期させる同期手段と、
    1つの信号をもとに、位相をそのままにした信号と位相を反転させた信号とを出力する信号分離手段と、を備え、
    前記位相をそのままにした信号を前記ラッチ信号として用いるとともに、前記位相を反転させた信号を前記ブランク信号として用いることを特徴とする制御システム。
  2. 前記信号分離手段は、位相反転回路を備え、
    前記位相反転回路によって、前記1つの信号をもとに、前記位相を反転させた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記1つの信号をパルス幅変調制御することによって前記ブランク信号のパルス幅変調制御も行い、このパルス幅変調制御によって変化するブランク信号のデューティ比に応じて前記被制御装置の制御の度合いを変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
  4. 前記ラッチ信号は、信号レベルに応じて前記データ信号を確定させるレベルラッチのラッチ信号であって、
    前記同期手段は、前記ラッチ信号が非アクティブである間に前記データ信号を送信するように、前記データ信号と前記ラッチ信号とを同期させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システム
  5. 前記制御装置は、制御MPUであるとともに、
    前記被制御装置は、LEDインジケータのLEDを駆動するためのLEDドライバICであって、
    前記データ信号は、前記LEDの点消灯状態を示す信号であり、
    前記ブランク信号は、前記LEDの発光輝度を示す信号であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御システム。
  6. 前記制御装置と前記被制御装置とが、車両内のそれぞれ別個の筐体に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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