JP2010114519A - 色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010114519A JP2010114519A JP2008283614A JP2008283614A JP2010114519A JP 2010114519 A JP2010114519 A JP 2010114519A JP 2008283614 A JP2008283614 A JP 2008283614A JP 2008283614 A JP2008283614 A JP 2008283614A JP 2010114519 A JP2010114519 A JP 2010114519A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- color
- reproduction range
- data
- color reproduction
- output device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
- Color Image Communication Systems (AREA)
- Image Processing (AREA)
Abstract
【課題】入力色信号を出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する際に、階調の反転が生じることを従来よりも抑制できるようにする。
【解決手段】出力デバイスの色再現範囲最外郭1001の内側に、階調が反転しているデータ(格子)がある場合に、そのデータが色再現範囲最外郭の内側に入らないように新たな色再現範囲最外郭1002を再設定する。したがって、階調が反転している箇所を除外した色再現範囲最外郭を算出することが可能となる。その結果、階調が反転している箇所を使わないガマットマッピングを行うことができるので、ガマットマッピングで階調が反転することを可及的に抑制でき、色再現性を従来よりも向上させることができる。
【選択図】図10
【解決手段】出力デバイスの色再現範囲最外郭1001の内側に、階調が反転しているデータ(格子)がある場合に、そのデータが色再現範囲最外郭の内側に入らないように新たな色再現範囲最外郭1002を再設定する。したがって、階調が反転している箇所を除外した色再現範囲最外郭を算出することが可能となる。その結果、階調が反転している箇所を使わないガマットマッピングを行うことができるので、ガマットマッピングで階調が反転することを可及的に抑制でき、色再現性を従来よりも向上させることができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、色再現範囲が異なるデバイス間において色信号の変換を行うために用いて好適なものである。
今日、コンピュータの発達と共にデジタル画像データがごく一般的に流通している。デバイス間のカラー表現の差異を配慮して、入力した画像データを、使用するデバイスに適切な色信号に変換するカラーマッチングが知られている。
デバイスの色域が異なる表示媒体間において、その色域の相違を吸収すると共に表示画像の知覚的な一致を図るための技術としてガマットマッピング技術が存在する。ガマットマッピングは、Lab空間或いはJCh空間等において、ある色域を別の色域内へ写像する技術である。従来、ガマットマッピングの手法としては、以下の(1)〜(3)等の手法が知られている。
(1)色域全体を線形に写像する方法。
(2)色域外の色だけを色域の表面に写像する方法。
(3)色域内の色については元の色を保存するためにできる限り圧縮せず、色域外の色については例えばL軸上の一点を目標点として、色域の高彩度部へ圧縮することにより階調性を保つ方法。
(1)色域全体を線形に写像する方法。
(2)色域外の色だけを色域の表面に写像する方法。
(3)色域内の色については元の色を保存するためにできる限り圧縮せず、色域外の色については例えばL軸上の一点を目標点として、色域の高彩度部へ圧縮することにより階調性を保つ方法。
図12は、カラーマッチング色空間を模式的に示す図である。
図12において、5001は、入力デバイスの色再現範囲の最外郭を示し、5002は、出力デバイスの色再現範囲の最外郭を示す。また、点Sは入力デバイスの最大彩度の色を示し、点S'は色域圧縮によって変換された点Sの色に対応する出力デバイスの色を示す。図12に示すように、点Sが示す色は入力デバイスにおける最大彩度の色であるにも関わらず、点S'が示す色は出力デバイスにおける最大彩度の色ではない。そのため、例えば、入力デバイスにおいて点Sよりも彩度の小さい点Tが示す色が、出力デバイスでは点S'よりも彩度の大きい点T'が示す色に変換される。これにより、入力デバイスと出力デバイスとで彩度の逆転が生じてしまう。
図12において、5001は、入力デバイスの色再現範囲の最外郭を示し、5002は、出力デバイスの色再現範囲の最外郭を示す。また、点Sは入力デバイスの最大彩度の色を示し、点S'は色域圧縮によって変換された点Sの色に対応する出力デバイスの色を示す。図12に示すように、点Sが示す色は入力デバイスにおける最大彩度の色であるにも関わらず、点S'が示す色は出力デバイスにおける最大彩度の色ではない。そのため、例えば、入力デバイスにおいて点Sよりも彩度の小さい点Tが示す色が、出力デバイスでは点S'よりも彩度の大きい点T'が示す色に変換される。これにより、入力デバイスと出力デバイスとで彩度の逆転が生じてしまう。
この課題を解決するための技術として特許文献1に記載の技術がある。図13は、出力デバイスの色再現範囲の一部を削除することを説明する図である。特許文献1では、図13に示すように、斜線の領域を色域として使わないことにより、前述した彩度の逆転を抑制するようにしている。
図13では、入力デバイスの色再現範囲の最外郭5001上にある最大彩度の色Sについて、これを出力デバイスの色再現範囲内に圧縮した色S'の彩度を取得する。そして、出力デバイスの色再現範囲において点S'よりも彩度の大きい斜線の領域を削除して、出力デバイスの色再現範囲の最外郭5002を新たな色再現範囲の最外郭5003に修正する。これにより、入力デバイスにおける最大彩度の色に対応する出力デバイスの色が、出力デバイスにおける最大彩度の色となるため、色変換による彩度の逆転を抑制することができる。
図13では、入力デバイスの色再現範囲の最外郭5001上にある最大彩度の色Sについて、これを出力デバイスの色再現範囲内に圧縮した色S'の彩度を取得する。そして、出力デバイスの色再現範囲において点S'よりも彩度の大きい斜線の領域を削除して、出力デバイスの色再現範囲の最外郭5002を新たな色再現範囲の最外郭5003に修正する。これにより、入力デバイスにおける最大彩度の色に対応する出力デバイスの色が、出力デバイスにおける最大彩度の色となるため、色変換による彩度の逆転を抑制することができる。
ところで、一般的に、色域の表面付近、例えば図12の斜線で示す領域5004ではデバイスの特性が不安定であり、階調反転しやすいことが知られている。
特許文献1に記載の技術では、入力デバイスと出力デバイスとの組み合わせに応じて、デバイスの色再現範囲の最外郭を変更することで、ガマットマッピング後の彩度の反転を防ぐことが可能であった。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、図12の斜線で示す"色域の表面付近の領域5004"で発生する"デバイスの特性の反転"によるガマットマッピングへの影響を防ぐことができない。このため、色再現性が悪化する虞があるという問題点があった。
以下に、この問題点について説明する。
特許文献1に記載の技術では、入力デバイスと出力デバイスとの組み合わせに応じて、デバイスの色再現範囲の最外郭を変更することで、ガマットマッピング後の彩度の反転を防ぐことが可能であった。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、図12の斜線で示す"色域の表面付近の領域5004"で発生する"デバイスの特性の反転"によるガマットマッピングへの影響を防ぐことができない。このため、色再現性が悪化する虞があるという問題点があった。
以下に、この問題点について説明する。
図14は、階調反転していない均等色空間上のLUTを示す図である。また、図15は、階調反転している均等色空間上のLUTを示す図である。
図14に示すように、デバイスの特性は、均等色空間上のLUTとして表すことができる。図14では、均等色空間としてJab色空間を使用している場合を示している。Jab色空間とは極座標系であるJCh色空間を直行座標系で表したものとする。尚、Jab色空間以外の他の色空間でも本発明は実現可能である。
図14は、5グリッドの場合を表しており、階調反転している領域がない場合を示している。図14の破線の楕円で囲まれている領域5010と異なり図15の破線の楕円で囲まれている領域5011は、ワイヤーで示す線が交差しており、階調反転していることを示している。この階調反転している領域5010がマッピング先になる場合に、色再現性が悪化することがあった。
図14に示すように、デバイスの特性は、均等色空間上のLUTとして表すことができる。図14では、均等色空間としてJab色空間を使用している場合を示している。Jab色空間とは極座標系であるJCh色空間を直行座標系で表したものとする。尚、Jab色空間以外の他の色空間でも本発明は実現可能である。
図14は、5グリッドの場合を表しており、階調反転している領域がない場合を示している。図14の破線の楕円で囲まれている領域5010と異なり図15の破線の楕円で囲まれている領域5011は、ワイヤーで示す線が交差しており、階調反転していることを示している。この階調反転している領域5010がマッピング先になる場合に、色再現性が悪化することがあった。
図16は、入力デバイスの色が、出力デバイスに存在する"階調反転している領域"に色変換(マッピング)される様子を示す図である。
以下の説明では、デバイスの色空間の最外郭を、必要に応じてデバイス色域表面と呼ぶ。また、均等色空間における"色再現範囲の最外郭"を、必要に応じて色再現範囲最外郭と呼ぶ。
図16では、入力デバイスのデバイス色域表面5021に位置する入力色S1が出力デバイスの色再現範囲最外郭5022上にある出力色D1にマッピングされている。また、入力デバイスのデバイス色域表面5021よりも内側にある入力色S2が、出力デバイスの色再現範囲最外郭5022よりも少し内側の出力色D2にマッピングされている。この結果、出力色D2が出力デバイスのデバイス色域表面5023上にある場合には、出力色D2に相当するデバイス値は当該デバイス色域表面5023に位置する。一方、出力色D1は、当該デバイス色域表面5023よりも外側に位置することになる。つまり、デバイス値のレベルでは階調反転し、その結果、色再現性が悪化することになる。
以下の説明では、デバイスの色空間の最外郭を、必要に応じてデバイス色域表面と呼ぶ。また、均等色空間における"色再現範囲の最外郭"を、必要に応じて色再現範囲最外郭と呼ぶ。
図16では、入力デバイスのデバイス色域表面5021に位置する入力色S1が出力デバイスの色再現範囲最外郭5022上にある出力色D1にマッピングされている。また、入力デバイスのデバイス色域表面5021よりも内側にある入力色S2が、出力デバイスの色再現範囲最外郭5022よりも少し内側の出力色D2にマッピングされている。この結果、出力色D2が出力デバイスのデバイス色域表面5023上にある場合には、出力色D2に相当するデバイス値は当該デバイス色域表面5023に位置する。一方、出力色D1は、当該デバイス色域表面5023よりも外側に位置することになる。つまり、デバイス値のレベルでは階調反転し、その結果、色再現性が悪化することになる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、入力色信号を出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する際に、階調の反転が生じることを従来よりも抑制できるようにすることを目的とする。
本発明の色変換処理装置は、入力色信号を、出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する色変換処理装置であって、前記出力デバイスの色再現範囲のデータを取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたデータから、階調が反転しているデータを検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたデータが、内側に入らないように前記出力デバイスの色再現範囲を再設定する再設定手段と、前記入力色信号を、前記再設定手段により再設定された色再現範囲内の色信号に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
本発明の色変換処理方法は、入力色信号を、出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する色変換処理方法であって、前記出力デバイスの色再現範囲のデータを取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得されたデータから、階調が反転しているデータを検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出されたデータが、内側に入らないように前記出力デバイスの色再現範囲を再設定する再設定ステップと、前記入力色信号を、前記再設定ステップにより再設定された色再現範囲内の色信号に変換する変換ステップとを有することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、請求項1または2に記載の色変換処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、階調が反転しているデータが、出力デバイスの色再現範囲の内側に入らないように当該色再現範囲を設定した上で、入力色信号を、出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換するようにした。したがって、階調が反転している箇所を使わないで色信号の変換を行うことができる。よって、入力色信号を出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する際に、階調の反転が生じることを従来よりも抑制できる。
以下に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
<色知覚モデルを用いたカラーマッチングの処理>
図1は、本実施形態における、色知覚モデルを用いたカラーマッチングの処理の一例を概念的に説明する図である。
図1において、101は、入力デバイスに依存する色信号を、入力側の環境光の白色点を基準にして、デバイスに依存しない色空間データへ変換するための変換ルックアップテーブル(LUT)である。この変換LUTは変換マトリクスであってもよい。
104及び105は、入力観察条件D50(光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態等)に基づいて、変換LUT101で得られた色空間データを、人間の知覚信号JCH又はQMHへ変換する色知覚モデル順変換部である。
<色知覚モデルを用いたカラーマッチングの処理>
図1は、本実施形態における、色知覚モデルを用いたカラーマッチングの処理の一例を概念的に説明する図である。
図1において、101は、入力デバイスに依存する色信号を、入力側の環境光の白色点を基準にして、デバイスに依存しない色空間データへ変換するための変換ルックアップテーブル(LUT)である。この変換LUTは変換マトリクスであってもよい。
104及び105は、入力観察条件D50(光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態等)に基づいて、変換LUT101で得られた色空間データを、人間の知覚信号JCH又はQMHへ変換する色知覚モデル順変換部である。
106及び107は、出力観察条件D65(光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態等)に基づいて人間の知覚信号JCH又はQMHを、デバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換する色知覚モデル逆変換部である。
108は、出力デバイス側の環境光の白色点を基準にして、デバイスに依存しない色空間データを、出力デバイスに依存する色信号へ変換するための変換ルックアップテーブル(LUT)である。この変換LUTは変換マトリクスであってもよい。
102及び103は、入力した知覚信号の色空間値を、出力デバイスの色再現範囲に応じた色空間値に変換する色空間変換部である。
108は、出力デバイス側の環境光の白色点を基準にして、デバイスに依存しない色空間データを、出力デバイスに依存する色信号へ変換するための変換ルックアップテーブル(LUT)である。この変換LUTは変換マトリクスであってもよい。
102及び103は、入力した知覚信号の色空間値を、出力デバイスの色再現範囲に応じた色空間値に変換する色空間変換部である。
RGB又はCMYKの入力色信号(入力デバイスの色信号)は、変換LUT101により、入力観察条件D50におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。次に、XYZ信号は、色知覚モデル順変換部104、105により、入力観察条件D50に基づいて、人間の知覚信号JCH又はQMHへ変換される。相対的カラーマッチングの場合にはJCH空間が、絶対的カラーマッチングの場合にはQMH空間が夫々選択される。
色知覚信号JCH、QMHは、色空間変換部102、103により、出力デバイスの色再現範囲内に圧縮される。色空間圧縮された色知覚信号JCH、QMHは、色知覚モデル逆変換部106、107により、出力観察条件D65に基づいて、出力観察条件D65におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。そして、XYZ信号は、変換LUT108により出力デバイスに依存する色信号(RGB信号又はCMYK信号)へ変換される。
以上の処理によって得られた色信号(RGB信号又はCMYK信号)は出力デバイスへ送られて、その色信号によって示される画像が出力デバイスによって出力される。出力結果であるプリント物又は画面表示等は、出力観察条件下で観察すれば、入力観察条件下で観察されるオリジナル原稿と同じ色味に見える。
尚、一般に観察条件における環境光の白色点は、カラーターゲットやカラーパッチ等の色票を測色した際の標準光源の白色点とは異なる。例えば、測色の際に使用される標準光源は、D50やD65である。これに対し、実際に画像を観察する場合の環境光は、ライトブースのD50やD65とは限らず、白熱電球や蛍光灯等の照明光や、照明光と太陽光とが混合した光になる場合が多い。以下の説明では、簡単化のために、観察条件における環境光の光源特性をD50、D65、及びD93とするが、実際にはメディア上の白色点のXYZ値を白色点として設定する。
<機能構成>
図2は、本実施形態における、カラーマッチングモジュールの機能構成の一例を示すブロック図である。尚、図2において、図1と同じ構成については、図1に付した符号と同一符号を用いている。
図2は、本実施形態における、カラーマッチングモジュールの機能構成の一例を示すブロック図である。尚、図2において、図1と同じ構成については、図1に付した符号と同一符号を用いている。
201は、変換LUT101を用いて、入力デバイスに依存する色信号(RGB信号やCMYK信号)をデバイスに依存しない色空間データ(XYZ信号)へ変換する入力変換部である。入力変換部201は、デバイス情報203aより測色値を取得して変換LUT101を生成する機能と、前記入力観察条件D50を色知覚モデル順変換部104(105)へ提供する機能とを有する。デバイス情報203には、デバイスの色信号とデバイスに依存しない色空間データ(XYZ信号)との対応関係を示す情報が含まれる。
202は、変換LUT108を用いて、デバイスに依存しない色空間データ(XYZ信号)を出力デバイスに依存する色信号(RGB信号やCMYK信号)へ変換する出力変換部である。出力変換部202は、デバイス情報203bから変換LUT108を生成する機能と、出力観察条件D65を色知覚モデル逆変換部106(107)へ提供する機能と、出力デバイス色再現領域を色空間変換部102(103)へ提供する機能とを有する。
尚、本実施形態では、デバイスに応じた処理の切り替えや、図2に示す機能以外の拡張機能等を提供することが可能となるように、入力変換部201、出力変換部202は、プラグイン(デバイスプラグイン)で提供される。
また、色空間の圧縮方法に応じた切り替え等に応ずることが可能となるように、色空間変換部102、103も色空間変換プラグインで提供される。尚、色空間の圧縮方法とは、例えば、ICC(International Color Consortium)のレンダリングインテントに相当するものである。
また、色空間の圧縮方法に応じた切り替え等に応ずることが可能となるように、色空間変換部102、103も色空間変換プラグインで提供される。尚、色空間の圧縮方法とは、例えば、ICC(International Color Consortium)のレンダリングインテントに相当するものである。
デバイス情報203には、事前に測定したデバイスの色信号と、デバイスに依存しない色空間データ(XYZ信号)との対応関係を示す情報、及び観察条件(入力観察条件D50、出力観察条件D65)が含まれる。前述したように、デバイス情報203aは入力変換部201に供給され、デバイス情報203bは出力変換部202に供給される。
デバイス情報管理部204は、デバイス情報203の格納場所の管理を行う。
入出力・色空間変換管理部(プラグイン管理部)205は、デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)、色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)のバージョンや格納場所の管理を行う。
デバイス情報管理部204は、デバイス情報203の格納場所の管理を行う。
入出力・色空間変換管理部(プラグイン管理部)205は、デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)、色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)のバージョンや格納場所の管理を行う。
デバイス・CAMキャッシュ管理部206は、入力変換部201、出力変換部202で生成された変換LUT101、108を管理する。また、デバイス・CAMキャッシュ管理部206は、色知覚モデル順変換部104、105、色知覚モデル逆変換部106、107で生成されたCAMテーブル、CAM−1テーブルを管理する。更に、デバイス・CAMキャッシュ管理部206は、変換LUT101、108の生成条件、及びCAMテーブル、CAM−1テーブルの生成条件を管理する。デバイス・CAMキャッシュ管理部で管理されているデータを使用することにより、各変換処理の作成処理を省略することができ、カラーマッチングの高速化を行うことが可能となる。
尚、本実施形態では、CAMテーブル、CAM−1テーブルを、デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)及びデバイス情報203と関連付けている。CAMテーブル、CAM−1テーブルが、観察条件(光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態等)と対応していれば、XYZ信号とJCh空間との対応をとれる。したがって、CAMテーブル、CAM−1テーブルを観察条件と関連付けて管理することも可能である。
また、入力・出力デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)、入力・出力のデバイス情報203a、203b、及び色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)の組み合わせに対応するシステムキャッシュが生成され格納される。このシステムキャッシュは、例えばLUTである。
システムキャッシュ作成部207は、システムキャッシュの作成を行う。
システムキャッシュ管理部208は、システムキャッシュ作成部において作成されたシステムキャッシュの管理を行う。
システムキャッシュ作成部207は、システムキャッシュの作成を行う。
システムキャッシュ管理部208は、システムキャッシュ作成部において作成されたシステムキャッシュの管理を行う。
サンプル画像209は、システムキャッシュの生成や画像のプレビューのために使用される。
入力結合処理部210は、システムキャッシュを用いてカラーマッチング処理を行う。
履歴管理部211は、カラーマッチング履歴を管理する。カラーマッチング履歴は、使用した"入力デバイスプラグイン(入力変換部201)、出力デバイスプラグイン(出力変換部202)、入出力のデバイス情報203a、203b、及び色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)の組み合わせ"である。
入力結合処理部210は、システムキャッシュを用いてカラーマッチング処理を行う。
履歴管理部211は、カラーマッチング履歴を管理する。カラーマッチング履歴は、使用した"入力デバイスプラグイン(入力変換部201)、出力デバイスプラグイン(出力変換部202)、入出力のデバイス情報203a、203b、及び色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)の組み合わせ"である。
制御部212は、以上の各構成の管理し、外部からのカラーマッチング指示を受け付け、カラーマッチング処理の実行を制御する。
インストール制御部213は、デバイス情報203a、203b、デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)、色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)のインストールの制御を行う。
インストール制御部213は、デバイス情報203a、203b、デバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)、色空間変換プラグイン(色空間変換部102、103)のインストールの制御を行う。
<装置の構成>
図3は、図2に示すカラーマッチングモジュールの機能構成を実現する装置(情報処理装置)の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すような装置は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータ装置に、図2に示す機能を実現するソフトウェアを供給することによって実現することができる。その場合、本実施形態の機能を実現するソフトウェアは、コンピュータ装置のOS(基本システム)に含まれていても構わないし、OSとは別に例えば入出力デバイスのドライバソフトウェアに含まれていても構わない。
図3は、図2に示すカラーマッチングモジュールの機能構成を実現する装置(情報処理装置)の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すような装置は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータ装置に、図2に示す機能を実現するソフトウェアを供給することによって実現することができる。その場合、本実施形態の機能を実現するソフトウェアは、コンピュータ装置のOS(基本システム)に含まれていても構わないし、OSとは別に例えば入出力デバイスのドライバソフトウェアに含まれていても構わない。
CPU301は、ROM302又はハードディスク(HD)307等に格納されたプログラムに従い、RAM303をワークメモリとして利用して、装置全体の動作を制御する。更にCPU301は、前述したカラーマッチングに関連する処理をはじめとする各種の処理を実行する。入力インターフェイス304は、入力デバイス305を接続するためのインターフェイスである。ハードディスクインタフェイス306は、HD307を接続するためのインターフェイスである。ビデオインタフェイス308は、モニタ309を接続する。出力インターフェイス310は、出力デバイス311を接続するためのインターフェイスである。
尚、入力デバイス305には、ディジタルスチルカメラやディジタルビデオカメラ等の撮影機器、並びに、イメージスキャナやフィルムスキャナ等のイメージリーダをはじめとする各種の画像入力機器が含まれる。また、出力デバイス311には、CRTやLCD等のカラーモニタ、並びに、カラープリンタやフィルムレコーダ等の画像出力機器が含まれる。
また、インターフェイスとして汎用のインターフェイスが利用できる。その用途に応じて、例えば、RS232C、RS422、USB、又はIEEE1394等のシリアルインターフェース、並びに、SCSI又はセントロニクス等のパラレルインターフェースが利用可能である。
また、インターフェイスとして汎用のインターフェイスが利用できる。その用途に応じて、例えば、RS232C、RS422、USB、又はIEEE1394等のシリアルインターフェース、並びに、SCSI又はセントロニクス等のパラレルインターフェースが利用可能である。
尚、本実施形態では、カラーマッチングを行うためのデバイス情報203と、プラグイン等のプログラムはHD307に格納される。ただし、デバイス情報203やプログラムが格納されるのは、HD307に限らず、他の記憶媒体であっても構わない。
<データ構成>
図4は、カラーマッチングに関わる主要なデータ構成の一例を示す図である。具体的に、図4(a)はデバイス情報の一例を、図4(b)はデバイスプラグインの一例を、図4(c)は色空間変換プラグインの一例を夫々模式的に示す図である。尚、図4に示している項目以外の項目が各データに含まれていても構わない。
図4は、カラーマッチングに関わる主要なデータ構成の一例を示す図である。具体的に、図4(a)はデバイス情報の一例を、図4(b)はデバイスプラグインの一例を、図4(c)は色空間変換プラグインの一例を夫々模式的に示す図である。尚、図4に示している項目以外の項目が各データに含まれていても構わない。
デバイス情報401は、以下の測色情報、観察条件、適用プラグインID、及びプライベートデータに代表される情報等で構成される。
測色情報は、変換LUT101、108を生成するためのデバイスの色信号とデバイスに依存しない色空間データとの対応関係を示すデータである。
観察条件は、前述した入力観察条件D50や出力観察条件D65であり、CAM変換テーブル、CAM−1テーブルを生成するためのものである。
適用プラグインIDは、適用可能なデバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)等の適用可能なプラグインを一意に特定するIDである。
プライベートデータは、プラグインを制御するためのパラメータ等のデータである。
デバイスプラグインを一意に特定するための適用プラグインIDを、デバイス情報401の構成項目として格納する理由は、次の通りである。すなわち、デバイスプラグインは、入出力デバイスに応じてプラグインが提供されるため、対象となる測定デバイスに応じたデバイスプラグインを選定する必要があるためである。
測色情報は、変換LUT101、108を生成するためのデバイスの色信号とデバイスに依存しない色空間データとの対応関係を示すデータである。
観察条件は、前述した入力観察条件D50や出力観察条件D65であり、CAM変換テーブル、CAM−1テーブルを生成するためのものである。
適用プラグインIDは、適用可能なデバイスプラグイン(入力変換部201、出力変換部202)等の適用可能なプラグインを一意に特定するIDである。
プライベートデータは、プラグインを制御するためのパラメータ等のデータである。
デバイスプラグインを一意に特定するための適用プラグインIDを、デバイス情報401の構成項目として格納する理由は、次の通りである。すなわち、デバイスプラグインは、入出力デバイスに応じてプラグインが提供されるため、対象となる測定デバイスに応じたデバイスプラグインを選定する必要があるためである。
デバイスプラグイン402には、本実施形態に用いるプラグインを一意に特定するためのプラグインIDと、プラグイン名称と、改定履歴を管理するためのバージョン情報と、適用可能なデバイスを特定するための適用可能デバイス情報とが含まれる。更に、デバイスプラグイン402には、入力変換部201、出力変換部202における機能を実行するプログラムが含まれている。プラグインIDには例えばUUID等を用いる。また、適用可能デバイス情報には、ディジタルカメラ、プリンタといった一般的なデバイス分類や、特定の機種等といったデバイスの適用範囲を指定することが可能である。
色空間変換プラグイン403には、本実施形態に用いるプラグインを一意に特定するためのプラグインIDと、プラグイン名称と、改定履歴を管理するためのバージョン情報とが含まれている。更に、色空間変換プラグイン403には、レンダリングインテントに相当する色空間変換方法を示すマッチング方法情報と、色空間変換部102、103)における機能を実行するプログラムとが含まれている。プラグインIDには、デバイスプラグイン402と同様に、例えばUUID等を用いる。
<色変換の処理フロー>
次に、色変換の処理を行う際の情報処理装置の処理の一例を詳細に説明する。
図5は、色変換の処理を行う際の情報処理装置の処理の概要の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1201において、入出力・色空間変換管理部205は、入力変換部201と出力変換部202とを夫々デバイス情報401(デバイス情報203a、203b)を用いて初期化する。
次に、色変換の処理を行う際の情報処理装置の処理の一例を詳細に説明する。
図5は、色変換の処理を行う際の情報処理装置の処理の概要の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1201において、入出力・色空間変換管理部205は、入力変換部201と出力変換部202とを夫々デバイス情報401(デバイス情報203a、203b)を用いて初期化する。
次に、ステップS1202において、制御部212は、ステップS1201で初期化された入力変換部201と出力変換部202との夫々の色再現範囲最外郭を作成する。このとき、色再現範囲最外郭から階調反転部分を除外する処理を行う。この階調反転部分を除外する処理の詳細については、図6を用いて後述する。
次に、ステップS1203において、入出力・色空間変換管理部205は、ステップS1202で作成した、入力変換部201と出力変換部202の色再現範囲最外郭を用いて、色空間変換部102、103の初期化を行う。
次に、ステップS1204において、情報処理装置は、入力デバイスから画像を入力して、各プラグインの色変換処理を実行してカラーマッチングを行い、カラーマッチングを行った後の画像を出力デバイスに出力する。このステップS1204の処理の詳細については、図13を用いて後述する。
次に、ステップS1203において、入出力・色空間変換管理部205は、ステップS1202で作成した、入力変換部201と出力変換部202の色再現範囲最外郭を用いて、色空間変換部102、103の初期化を行う。
次に、ステップS1204において、情報処理装置は、入力デバイスから画像を入力して、各プラグインの色変換処理を実行してカラーマッチングを行い、カラーマッチングを行った後の画像を出力デバイスに出力する。このステップS1204の処理の詳細については、図13を用いて後述する。
<色再現範囲最外郭から階調が反転している部分を除外する処理>
図6のフローチャートを参照しながら、図5のステップS1202における処理(色再現範囲最外郭から階調反転部分を除外する処理)の一例を詳細に説明する。
まず、ステップS601において、制御部212は、出力デバイスの特性を表す変換LUT108を取得する。このとき、ステップS1201で初期化された入力変換部201及び出力変換部202を用いて作成された色域データを取得してもよい。色域データとは、変換LUT108を補間して作成されるデータであり、任意のステップ数の色域データをとることが可能である。以上のように本実施形態では、例えば、変換LUT108や色域データが、出力デバイスの色再現範囲のデータに対応し、また、ステップS601の処理を行うことにより取得手段の一例が実現される。
図6のフローチャートを参照しながら、図5のステップS1202における処理(色再現範囲最外郭から階調反転部分を除外する処理)の一例を詳細に説明する。
まず、ステップS601において、制御部212は、出力デバイスの特性を表す変換LUT108を取得する。このとき、ステップS1201で初期化された入力変換部201及び出力変換部202を用いて作成された色域データを取得してもよい。色域データとは、変換LUT108を補間して作成されるデータであり、任意のステップ数の色域データをとることが可能である。以上のように本実施形態では、例えば、変換LUT108や色域データが、出力デバイスの色再現範囲のデータに対応し、また、ステップS601の処理を行うことにより取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS602において、制御部212は、ステップS601で取得した変換LUT108の構成要素である各格子点のうち、階調反転している格子点を検出する。階調が反転している格子点を検出する方法については、図8を用いて後述する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS602の処理を行うことにより検出手段の一例が実現される。
次に、ステップS603において、制御部212は、ステップS602で検出した"階調が反転している格子点"を除外して色再現範囲最外郭を再設定する。このステップS603の詳細については、以下の図7を用いて説明する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS602の処理を行うことにより検出手段の一例が実現される。
次に、ステップS603において、制御部212は、ステップS602で検出した"階調が反転している格子点"を除外して色再現範囲最外郭を再設定する。このステップS603の詳細については、以下の図7を用いて説明する。
図7は、図6のステップS603における処理の一例を詳細に説明するフローチャートである。
まず、ステップS701において、制御部212は、色再現範囲最外郭のデータをConvex Hull技法を使って作成する。
次に、ステップS702において、制御部212は、ステップS602で検出した"階調が反転している格子"のうち、色再現範囲最外郭の内側にある格子があるか否かを判定する。この判定の結果、色再現範囲最外郭の内側にある格子がある場合には、ステップS703に進む。
ステップS703に進むと、制御部212は、色再現範囲最外郭の内側にある格子を1つ抽出し、抽出した格子の位置を色再現範囲最外郭として設定し、ステップS701に戻る。
そして、ステップS702において、色再現範囲最外郭の内側にある格子がなくなるまでステップS701〜S703の処理を繰り返し、色再現範囲最外郭の内側にある格子がなくなったら、図7のフローチャートを終了して、図5のステップS1203に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS602(図7のステップS701〜S703)の処理を行うことにより再設定手段の一例が実現される。
まず、ステップS701において、制御部212は、色再現範囲最外郭のデータをConvex Hull技法を使って作成する。
次に、ステップS702において、制御部212は、ステップS602で検出した"階調が反転している格子"のうち、色再現範囲最外郭の内側にある格子があるか否かを判定する。この判定の結果、色再現範囲最外郭の内側にある格子がある場合には、ステップS703に進む。
ステップS703に進むと、制御部212は、色再現範囲最外郭の内側にある格子を1つ抽出し、抽出した格子の位置を色再現範囲最外郭として設定し、ステップS701に戻る。
そして、ステップS702において、色再現範囲最外郭の内側にある格子がなくなるまでステップS701〜S703の処理を繰り返し、色再現範囲最外郭の内側にある格子がなくなったら、図7のフローチャートを終了して、図5のステップS1203に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS602(図7のステップS701〜S703)の処理を行うことにより再設定手段の一例が実現される。
<階調反転格子点の検出方法>
次に、図6のステップS602における"階調が反転している格子点を検出する処理について説明する。
図15に示したように、デバイスの特性を表すLUTは複数の六面体の格子から構成される。図8は、デバイスの特性を表すLUTの1つの格子の一例を示す図である。
図8に示すように、デバイスの特性を表すLUTにおける1つの格子801は、当該格子801の8つの頂点を頂点とする6つの四面体801a〜801fで構成される。制御部212は、6つの夫々の四面体801a〜801fの体積をベクトルの内積と外積を用いて算出する((1)式〜(6)式を参照)。尚、(1)式〜(6)式において、×はベクトルの外積、・はベクトルの内積である。
次に、図6のステップS602における"階調が反転している格子点を検出する処理について説明する。
図15に示したように、デバイスの特性を表すLUTは複数の六面体の格子から構成される。図8は、デバイスの特性を表すLUTの1つの格子の一例を示す図である。
図8に示すように、デバイスの特性を表すLUTにおける1つの格子801は、当該格子801の8つの頂点を頂点とする6つの四面体801a〜801fで構成される。制御部212は、6つの夫々の四面体801a〜801fの体積をベクトルの内積と外積を用いて算出する((1)式〜(6)式を参照)。尚、(1)式〜(6)式において、×はベクトルの外積、・はベクトルの内積である。
そして、制御部212は、算出した四面体の体積が負の値を示す場合に、当該体積が不の値を示す四面体を構成する4つの格子点を階調が反転していると判定する。
尚、階調が反転している格子点を検出する方法は、このようなものに限定されず、その他の方法で階調が反転している格子点を検出しても本発明は実現可能である。
尚、階調が反転している格子点を検出する方法は、このようなものに限定されず、その他の方法で階調が反転している格子点を検出しても本発明は実現可能である。
<色再現範囲最外郭の内側に階調反転格子があるか否かの判定方法>
次に、図7のステップS702における"色再現範囲最外郭の内側に、階調が反転している格子があるか否かを判定する処理"について説明する。
図9は、均等色空間上のLUTにおいて階調が反転している格子の一例を示す図である。
図9のワイヤーは、デバイスの色再現範囲最外郭を表し、点R1は、階調が反転していると判定された格子の1つである。この点R1が色再現範囲最外郭の内側にあるか外側にあるかを判定するために、制御部212は、まず点R1とグレー軸(J軸)とを含む平面を切り出す。つまり点R1の色相平面を切り出す。
次に、図7のステップS702における"色再現範囲最外郭の内側に、階調が反転している格子があるか否かを判定する処理"について説明する。
図9は、均等色空間上のLUTにおいて階調が反転している格子の一例を示す図である。
図9のワイヤーは、デバイスの色再現範囲最外郭を表し、点R1は、階調が反転していると判定された格子の1つである。この点R1が色再現範囲最外郭の内側にあるか外側にあるかを判定するために、制御部212は、まず点R1とグレー軸(J軸)とを含む平面を切り出す。つまり点R1の色相平面を切り出す。
図10は、図9の点R1を色相平面で切り出した図である。
点J_HI、J_LOWは、グレー軸と色再現範囲最外郭との白側、黒側の交点である。
点J_MIDは、J_HIとJ_LOWとの真ん中に位置するグレー軸上の点である(J_MID=(J_HI+J_LOW)/2)。
ラインLINEは、点J_MIDと点R1とを結んだ直線である。
点K1は、ステップS703で再設定する前の"出力デバイスの色再現範囲最外郭1001"とラインLINEとの交点である。
点J_HI、J_LOWは、グレー軸と色再現範囲最外郭との白側、黒側の交点である。
点J_MIDは、J_HIとJ_LOWとの真ん中に位置するグレー軸上の点である(J_MID=(J_HI+J_LOW)/2)。
ラインLINEは、点J_MIDと点R1とを結んだ直線である。
点K1は、ステップS703で再設定する前の"出力デバイスの色再現範囲最外郭1001"とラインLINEとの交点である。
小さい黒丸は、点R1と同じ色相にはないかもしれないが、点R1と同じ色相付近にある階調反転と判定された格子であり、点R1が存在する色相面の色再現範囲最外郭の決定に影響を与える。
白抜きの丸は点R1と同じ色相面にはないが、点R1が存在する色相面の色再現範囲最外郭の決定に影響を与える。
制御部212は、点R1から点J_MIDまでの距離と、点K1から点J_MIDまでの距離とを比較して、後者のほうが長い場合に、点R1は、出力デバイスの色再現範囲最外郭1001の内側にあると判定する。そして、当該点R1が出力デバイスの色再現範囲最外郭の内側に入らないように新たな色再現範囲最外郭1002を再設定する。
これを、階調が反転していると判定された格子の全てに対して行い、色再現範囲最外郭1001の内側に階調反転と判定される格子がなくなるまで続ける。
その結果、図10の破線で示すように、階調が反転していると判定された格子が内側に含まれない色再現範囲最外郭1002が出力デバイスの色再現範囲最外郭として決定される。すなわち、前述したように点R1の位置を新たな色再現範囲最外郭1002として設定したり、図10に示すように、点R1を取り除いて、点R1よりも内側が最外郭となるように新たな色再現範囲最外郭1002を設定したりすることができる。
尚、色再現範囲最外郭の内側に、階調が反転している格子があるか否かを判定する方法は、このような方法に限定されず、その他の方法で判定を行っても、本発明は実現可能である。
白抜きの丸は点R1と同じ色相面にはないが、点R1が存在する色相面の色再現範囲最外郭の決定に影響を与える。
制御部212は、点R1から点J_MIDまでの距離と、点K1から点J_MIDまでの距離とを比較して、後者のほうが長い場合に、点R1は、出力デバイスの色再現範囲最外郭1001の内側にあると判定する。そして、当該点R1が出力デバイスの色再現範囲最外郭の内側に入らないように新たな色再現範囲最外郭1002を再設定する。
これを、階調が反転していると判定された格子の全てに対して行い、色再現範囲最外郭1001の内側に階調反転と判定される格子がなくなるまで続ける。
その結果、図10の破線で示すように、階調が反転していると判定された格子が内側に含まれない色再現範囲最外郭1002が出力デバイスの色再現範囲最外郭として決定される。すなわち、前述したように点R1の位置を新たな色再現範囲最外郭1002として設定したり、図10に示すように、点R1を取り除いて、点R1よりも内側が最外郭となるように新たな色再現範囲最外郭1002を設定したりすることができる。
尚、色再現範囲最外郭の内側に、階調が反転している格子があるか否かを判定する方法は、このような方法に限定されず、その他の方法で判定を行っても、本発明は実現可能である。
図11は、図5のステップS1204における処理(画像を変換する処理)の一例を詳細に説明するフローチャートである。
まず、ステップS1301において、入力変換部201は、変換LUT101を用いて、入力デバイスに依存する色信号をデバイスに依存しない色空間データへ変換する。
次に、ステップS1302において、色知覚モデル順変換部104(105)は、デバイスに依存しない色空間データを色知覚信号に変換する。
まず、ステップS1301において、入力変換部201は、変換LUT101を用いて、入力デバイスに依存する色信号をデバイスに依存しない色空間データへ変換する。
次に、ステップS1302において、色知覚モデル順変換部104(105)は、デバイスに依存しない色空間データを色知覚信号に変換する。
次に、ステップS1303において、色空間変換プラグイン(色空間変換部102(103))は、入力デバイスの色が色再現範囲最外郭1002内に収まるように、色知覚信号に対してガマットマッピングを行う。このとき、入力デバイスの色再現範囲最外郭と、出力デバイスの色再現範囲最外郭の両方を参照する。よく知られるICCの系では、入力デバイスの色が一度sRGB色域内にマッピングされてから出力デバイスの色に変換されており、入出力デバイスの両方の色域を十分に使っていなかった。これに対し本実施形態では、入出力デバイスの両方の色再現範囲を参照することにより、入出力デバイスの組み合わせ毎に最適なガマットマッピングが可能になる。この色再現範囲最外郭は、図5のステップS1202で作成されたもの(図10の色再現範囲最外郭1002)である。このステップS1202で色再現範囲最外郭1002を作成するが、この点が本実施形態のポイントである。以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1303の処理を行うことにより変換手段の一例が実現される。
次に、ステップS1304において、色知覚モデル逆変換部106(107)は、ガマットマッピングが行われた色知覚信号をデバイスに依存しない色空間データへ変換する。
次に、ステップS1305において、出力変換部202は、変換LUT108を用いて、デバイスに依存しない色空間データを出力デバイスに依存する色信号へ変換する。
次に、ステップS1305において、出力変換部202は、変換LUT108を用いて、デバイスに依存しない色空間データを出力デバイスに依存する色信号へ変換する。
(変形例)
カラーマネージメントを実現する技術の一例として、ICCにより定められた、ICCカラープロファイルに基づきカラーマネージメントを行うシステム(Color Management System:CMS)が存在する。ICCのCMSは一般的であるためここでは詳細な説明は省略する。ICCのプロファイルには、デバイスの色空間とPCS(Profile Connection Space)とを相互に対応づけるLUTを格納することができる。このLUTを作成する際にも、本実施形態を適用する(本実施形態と同様にして、階調が反転している格子点が色再現範囲最外郭よりも内側に入らないようにする)ことができる。
また、PCSを介さないような場合(例えば、モニタ−プリンタの色空間において直接の色変換を行う場合)にも、本実施形態を適用する(本実施形態と同様にして、階調が反転している格子点が色再現範囲最外郭よりも内側に入らないようにする)ことができる。
カラーマネージメントを実現する技術の一例として、ICCにより定められた、ICCカラープロファイルに基づきカラーマネージメントを行うシステム(Color Management System:CMS)が存在する。ICCのCMSは一般的であるためここでは詳細な説明は省略する。ICCのプロファイルには、デバイスの色空間とPCS(Profile Connection Space)とを相互に対応づけるLUTを格納することができる。このLUTを作成する際にも、本実施形態を適用する(本実施形態と同様にして、階調が反転している格子点が色再現範囲最外郭よりも内側に入らないようにする)ことができる。
また、PCSを介さないような場合(例えば、モニタ−プリンタの色空間において直接の色変換を行う場合)にも、本実施形態を適用する(本実施形態と同様にして、階調が反転している格子点が色再現範囲最外郭よりも内側に入らないようにする)ことができる。
以上のように本実施形態では、出力デバイスの色再現範囲最外郭1001の内側に、階調が反転しているデータ(格子)がある場合に、そのデータが色再現範囲最外郭の内側に入らないように新たな色再現範囲最外郭1002を再設定する。したがって、階調が反転している箇所を除外した色再現範囲最外郭を算出することが可能となる。その結果、階調が反転している箇所を使わないガマットマッピングを行うことができるので、ガマットマッピングで階調が反転することを可及的に抑制でき、色再現性を従来よりも向上させることができる。
尚、本実施形態で説明した情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話を含む携帯端末、画像形成装置等、その形態を問うものではない。
(本発明の他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における色変換処理装置を構成する各手段、並びに色変換処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
前述した本発明の実施形態における色変換処理装置を構成する各手段、並びに色変換処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図5〜7、10、11に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (4)
- 入力色信号を、出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する色変換処理装置であって、
前記出力デバイスの色再現範囲のデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたデータから、階調が反転しているデータを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたデータが、内側に入らないように前記出力デバイスの色再現範囲を再設定する再設定手段と、
前記入力色信号を、前記再設定手段により再設定された色再現範囲内の色信号に変換する変換手段とを有することを特徴とする色変換処理装置。 - 前記色再現範囲のデータは、均等色空間上で複数の六面体の格子に対応するデータであり、
前記検出手段は、前記格子の1つを頂点とする四面体の体積が負の値を示す場合、該格子に対応するデータを階調が反転しているデータとして検出することを特徴とする請求項1に記載の色変換処理装置。 - 入力色信号を、出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換する色変換処理方法であって、
前記出力デバイスの色再現範囲のデータを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたデータから、階調が反転しているデータを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出されたデータが、内側に入らないように前記出力デバイスの色再現範囲を再設定する再設定ステップと、
前記入力色信号を、前記再設定ステップにより再設定された色再現範囲内の色信号に変換する変換ステップとを有することを特徴とする色変換処理方法。 - 請求項1または2に記載の色変換処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008283614A JP2010114519A (ja) | 2008-11-04 | 2008-11-04 | 色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008283614A JP2010114519A (ja) | 2008-11-04 | 2008-11-04 | 色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010114519A true JP2010114519A (ja) | 2010-05-20 |
Family
ID=42302766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008283614A Pending JP2010114519A (ja) | 2008-11-04 | 2008-11-04 | 色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010114519A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103379253A (zh) * | 2012-04-25 | 2013-10-30 | 富士施乐株式会社 | 颜色处理装置和方法 |
-
2008
- 2008-11-04 JP JP2008283614A patent/JP2010114519A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103379253A (zh) * | 2012-04-25 | 2013-10-30 | 富士施乐株式会社 | 颜色处理装置和方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7697167B2 (en) | Color processing method and apparatus | |
JP5270346B2 (ja) | マルチメディア色管理システム | |
JP5538743B2 (ja) | 画像処理装置及び画像処理方法及びプログラム | |
JP4517308B2 (ja) | 情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システム | |
JP2015122804A (ja) | 色空間における制限されたカラーパレット | |
JP2007081586A (ja) | 画像処理装置及びその方法と、そのプログラム及び記憶媒体 | |
US7965427B2 (en) | Color processing apparatus and its method | |
JP2007006039A (ja) | 色処理方法およびその装置 | |
JP2008160306A (ja) | 結合ルックアップテーブルを生成する方法、画像処理装置、画像形成装置 | |
JP2008141237A (ja) | 色処理装置およびその方法 | |
US8411106B2 (en) | Converting digital values corresponding to colors of an image from a source color space to a destination color space | |
JP5156423B2 (ja) | 色処理装置および色処理方法 | |
JP2007060420A (ja) | 色変換装置およびその方法 | |
JP4948349B2 (ja) | 画像処理装置および画像処理方法 | |
JP2010114519A (ja) | 色変換処理装置、色変換処理方法、及びコンピュータプログラム | |
JP4533277B2 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法およびテーブル作成方法 | |
JP2007074557A (ja) | 画像処理方法、画像処理装置、コンピュータプログラム、記憶媒体 | |
JP2007174126A (ja) | 画像処理装置及び方法 | |
JP2008072550A (ja) | 色処理方法、色処理装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体 | |
JP2009038593A (ja) | 色処理装置およびその方法 | |
JP2008148163A (ja) | 色処理装置およびその方法 | |
JP2004200938A (ja) | 画像処理装置及び画像処理方法 | |
JP2008042835A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 | |
JP5112234B2 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 | |
JP4411228B2 (ja) | 色処理方法および装置 |