JP2010111837A - 導電性エラストマーの製造方法 - Google Patents

導電性エラストマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性および透明性が高く、柔軟な導電性エラストマーの製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性エラストマーの製造方法を、水と混和しない有機溶剤および水を含む混合溶媒中、式(I)[M(XAR]で示される有機プロトン酸またはその塩の存在下、−15℃以下の温度にてアニリンを化学酸化重合させることによりポリアニリン誘導体を得るポリアニリン誘導体合成工程と、該ポリアニリン誘導体と、ウレタン結合を有するエラストマーと、を混合するエラストマー混合工程と、を有するよう構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばタッチパネル用電極等に使用される透明導電材料として有用な、導電性エラストマーの製造方法に関する。
ポリアニリンは、その電気特性に加え、安価なアニリンから比較的簡便に合成でき、空気中での安定性にも優れていることから、有用な導電性高分子として知られている。ポリアニリンの合成方法として、アニリンを電解酸化重合する方法や、化学酸化重合する方法がある。例えば、従来の化学酸化重合法で得られるポリアニリンは、有機溶剤に溶解せず、かつ不融であった。このため、成形性に劣り、応用できる分野は限られていた。このような状況の中、有機溶剤に可溶な高導電性ポリアニリン誘導体の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特再表2005−052058号公報 特開2006−176752号公報
上記特許文献1には、ポリアニリン誘導体と、フェノール性水酸基を有する化合物(二次ドーパント)と、を含む有機溶剤に可溶なポリアニリン組成物が開示されている。しかしながら、このポリアニリン組成物からなる成形体は、導電性が高いものの、比較的硬くて脆い。このため、成形体の柔軟性が乏しいという問題があった。
一方、上記特許文献2には、ポリアニリンが、スルホン酸官能基を有するウレタン系ポリマーによりドーピングされてなる導電性ポリマーが紹介されている。導電性ポリマーにおいて、ウレタン系ポリマーは、スルホン酸イオン(SO3−)を介して、ポリアニリンのイオン性部分(NH)と、イオン結合により強固に結合している。しかしながら、導電性ポリマーの用途として、電子写真機用半導電性部材が挙げられていることからわかるように、導電性ポリマーの導電性は低い。この理由の一つとして、導電性ポリマーの製造方法が挙げられる。すなわち、特許文献2に記載されている導電性ポリマーの製造方法によると、アニリンとウレタン系ポリマーとを、塩酸と有機溶剤との混合溶媒中、15℃下で酸化重合させている。ポリアニリンの重合温度は、常温付近である。このため、得られるポリアニリンの分子量は小さい。よって、導電性ポリマーの導電性は低い。すなわち、導電性ポリマーを、電極や配線等の導電材料として用いるには、導電性が充分ではない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、導電性および透明性が高く、柔軟な導電性エラストマーの製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の導電性エラストマーの製造方法は、水と混和しない有機溶剤および水を含む混合溶媒中、次式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩の存在下、−15℃以下の温度にてアニリンを化学酸化重合させることによりポリアニリン誘導体を得るポリアニリン誘導体合成工程と、該ポリアニリン誘導体と、ウレタン結合を有するエラストマーと、を混合するエラストマー混合工程と、を有することを特徴とする。
M(XAR ・・・(I)
[式(I)中、
Mは、水素原子、有機遊離基、無機遊離基から選ばれる一種であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、−R、−OR、−COR、−COOR、−CO(COR)、−CO(COOR)から選ばれる一種であり{Rは、炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(RO)−R基、−(OSiR −OR基(Rはアルキレン基、Rは各々同一でも異なってもいてもよい炭化水素基、xは1以上の整数)から選ばれる一種}、
nは、2以上の整数であり、
mは、Mの価数である。]
本発明の製造方法によると、ポリアニリン誘導体合成工程において、有機溶剤と水との二相系、具体的には、油分の中の水滴中(W/Oミセル)で、アニリンの化学酸化重合を行う。これにより、−15℃以下という低温下においても、重合が可能となる。また、アニリンを−15℃以下で重合することにより、直鎖状に規則的に配列した、極めて高分子量のポリアニリン誘導体を得ることができる。直鎖状で分子量が大きいため、得られるポリアニリン誘導体の導電性は高い。
一般に、導電性が高いポリマーは、凝集しやすい。このため、エラストマーとの相溶性に劣る。この点、本発明の製造方法によると、ウレタン結合を有するエラストマーを用いる。すなわち、エラストマー混合工程において、ポリアニリン誘導体と、ウレタン結合を有するエラストマーと、を混合する。この際、エラストマー中のカルボニル基(C=O)と、ポリアニリン誘導体のNH基と、の水素結合的相互作用により、両者の相溶性が向上する。このように、導電性の高いポリアニリン誘導体と、柔軟なエラストマーと、を複合化させることにより、導電性が高く柔軟な導電性エラストマーを得ることができる。また、後の実施例に示すように、得られた導電性エラストマーによると、透明性の高い薄膜を作製することができる。
本発明によると、透明性、導電性、柔軟性に優れた導電性エラストマーを提供することができる。
本発明の導電性エラストマーの製造方法は、ポリアニリン誘導体合成工程と、エラストマー混合工程とを有する。以下、各工程について説明する。
(1)ポリアニリン誘導体合成工程
本工程は、水と混和しない有機溶剤および水を含む混合溶媒中、次式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩の存在下、−15℃以下の温度にてアニリンを化学酸化重合させることによりポリアニリン誘導体を得る工程である。
M(XAR ・・・(I)
[式(I)中、
Mは、水素原子、有機遊離基、無機遊離基から選ばれる一種であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、−R、−OR、−COR、−COOR、−CO(COR)、−CO(COOR)から選ばれる一種であり{Rは、炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(RO)−R基、−(OSiR −OR基(Rはアルキレン基、Rは各々同一でも異なってもいてもよい炭化水素基、xは1以上の整数)から選ばれる一種}、
nは、2以上の整数であり、
mは、Mの価数である。]
アニリンの化学酸化重合に使用する混合溶媒は、水と混和しない有機溶剤と、水と、を含む。水は、酸性水溶液として存在していてもよい。また、水は、開始剤等を溶解した水溶液として添加されてもよい。水と混和しない有機溶剤は、例えば、オクタン、ヘキサン、ヘプタンベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。なかでも、低温下でも粘度が低いという理由から、オクタン、トルエン等が好適である。
また、混合溶媒における、水と有機溶剤との配合比率は、W/Oミセルが形成されるように決定すればよい。W/Oミセルの形成により、−15℃以下という低温下においても、氷結せずに重合することができる。例えば、水と有機溶剤との体積比率(水/有機溶剤)を、2/1〜200/1とするとよい。
アニリンは、未置換のものに加えて、置換基により置換されているものも使用することができる。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖または分岐の炭化水素基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、アリーロキシ基、CF基等の含ハロゲン炭化水素基等が挙げられる。
上記式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩は、ポリアニリンをプロトネーション(水素イオン付加)する機能を有し、ポリアニリン誘導体において、ドーパント(カウンターアニオン)として存在している。ポリアニリンと有機プロトン酸またはその塩との組成比は、特に限定されるものではない。有機プロトン酸またはその塩に対するポリアニリンのモノマーユニットのモル比は、0.1〜2、好ましくは0.1〜0.5とするとよい。有機プロトン酸またはその塩が少なすぎると、導電性が低くなる。また、多すぎても、ポリアニリンの割合が少なくなるため、導電性は低くなる。有機プロトン酸またはその塩の分子量により、重量組成比は変化するが、例えば、ポリアニリン誘導体中におけるポリアニリンの重量割合が20〜70重量%である場合に、ポリアニリン誘導体は優れた電気特性を示す。
上記式(I)において、Mは、水素原子、有機遊離基、無機遊離基から選ばれる一種である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられる。無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基である。例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられる。なかでも、電気陰性度が高く、安定にドーピング状態(イオン結合)を維持することができるという理由から、−SO 基が好適である。
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基である。例えば、(i)炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基やアルケニル基、(ii)シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メンチル等の置換基を含んでいてもよいシクロアルキル基、(iii)ビシクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等の縮合してもよいジシクロアルキル基もしくはポリシクロアルキル基、(iv)フェニル、トシル、チオフェニル、ピローリニル、ピリジニル、フラニル等の置換基を含んでいてもよい芳香環を含むアリール基、(v)ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、キノリニル、インドニル等の縮合していてもよいジアリール基、ポリアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
Rは、−R、−OR、−COR、−COOR、−CO(COR)、−CO(COOR)から選ばれる一種である。ここで、Rは、炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(RO)−R基、−(OSiR −OR基(Rはアルキレン基、Rは各々同一でも異なってもいてもよい炭化水素基、xは1以上の整数)から選ばれる一種である。Rが炭化水素基である場合の例としては、直鎖もしくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。
式(I)で示される化合物のうち、ジアルキルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルナフタレンスルフォン酸、スルホフタール酸エステル、および次式(II)で表される化合物が好適である。
M(XCR(CR COOR)COOR ・・・(II)
式(II)において、Mは、上記式(I)と同様に、水素原子、有機遊離基、無機遊離基から選ばれる一種である。Xも、上記式(I)と同様に、酸性基である。pは、Mの価数である。
、Rは、各々独立して、水素原子、炭化水素基、R Si−基(Rは炭化水素基であり、3つのRは同一でも異なっていてもよい)から選ばれる一種である。R、Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。Rについては、R、Rの炭化水素基と同じである。
、Rは、各々独立して、炭化水素基または−(RO)−R10基である。ここで、Rは、炭化水素基またはシリレン基であり、R10は、水素原子、炭化水素基、R11 Si−基(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一でも異なっていてもよい)から選ばれる一種であり、qは1以上の整数である。なお、qは、1〜10であることが望ましい。R、Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖もしくは分岐のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。具体的には、直鎖または分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。R、Rが−(RO)−R10基である場合において、Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、芳香環を含むアリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等が挙げられる。また、R10、R11が炭化水素基である場合の炭化水素基は、R、Rの炭化水素基と同じである。
−(RO)−R10基の具体例としては、例えば、以下の構造式(a)、(b)で示される基が挙げられる(構造式(a)、(b)中、Xは−SO基等の酸性基である)。
Figure 2010111837
Figure 2010111837
式(II)で示される化合物のうち、さらに、次式(III)で表されるスルホコハク酸誘導体が好適である。
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 ・・・(III)
式(III)において、Mおよびmは、上記式(I)と同じである。また、R12、R13は、各々独立して、炭化水素基または−(R14O)−R15基である。ここで、R14は炭化水素基またはシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基、R16 Si−基(R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一でも異なっていてもよい)から選ばれる一種であり、rは1以上の整数である。なお、rは1〜10であることが望ましい。
12、R13が炭化水素基である場合の炭化水素基は、R、Rの炭化水素基と同じである。具体的には、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が挙げられる。R12、R13が−(R14O)−R15基である場合において、R14が炭化水素基である場合の炭化水素基は、Rと同じである。また、R15、R16が炭化水素基である場合の炭化水素基は、R、Rと同じである。−(R14O)−R15基の具体例としては、R、Rにおける−(RO)−R10基の具体例(上記構造式(a)、(b))と同じである。
式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、スルホフタール酸誘導体またはスルホコハク酸誘導体と、所望のアルコールとの反応により、対応するスルホフタール酸エステル誘導体またはコハク酸エステル誘導体を得ることができる。また、マレイン酸エステルを亜硫酸水素ナトリウム等でヒドロスルホニル化することによっても、対応するスルホコハク酸エステル誘導体を得ることができる。
式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩として、市販のものを用いることもできる。例えば、和光純薬工業(株)製の「エーロゾルOT」(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、ライオン(株)製の「リパール(登録商標)870P」等が挙げられる。市販品には、純度の異なるものがあるが、適宜選択すればよい。
重合温度は、−15℃以下とする。−15℃以下という低温下で重合することにより、直鎖状で極めて高分子量のポリアニリン誘導体を得ることができる。重合温度を、−20℃、さらには−20℃より低く、−30℃以上とするとより好適である。
化学酸化重合の開始剤は、特に制限されるものではない。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物塩の他、二クロム酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硫酸カリウム鉄(III)、三塩化鉄(III)、二酸化マンガン、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム等の無機化合物を使用することができる。なかでも、−15℃以下の温度で、酸化能を発揮できる化合物が望ましい。また、混合溶媒中、未反応の開始剤が有機相に混入するのを防止するため、水溶性の化合物が望ましい。これらの要求を満足するものとして、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられる。特に、過硫酸アンモニウムが好適である。
また、得られるポリアニリン誘導体の導電性をより向上させるため、化学酸化重合の際に、上記式(I)以外の有機プロトン酸またはその塩、無機プロトン酸またはその塩、メタンスルホン酸等の添加剤を加えてもよい。
本工程にて合成されるポリアニリン誘導体は、極めて高分子量であると推定される。このことは、重合温度を変化させて行った重合実験において、重合温度を下げるに従って高分子量化したことから明らかである。すなわち、重合温度を−5℃、−10℃と高温側から変化させた場合、重合温度の低下と共にポリアニリン誘導体は高分子量化した。一例を示すと、重合温度が0℃の場合、数平均分子量は110,000g/mol、−5℃の場合、数平均分子量は180,000g/mol、−10℃の場合、数平均粒子径は250,000g/molとなった。なお、−15℃以下で重合した場合、不溶分が多く、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリアニリン誘導体の全体の分子量を測定することはできなかった。
(2)エラストマー混合工程
本工程は、先の工程で合成されたポリアニリン誘導体と、ウレタン結合を有するエラストマーと、を混合する工程である。ウレタン結合を有するエラストマー(以下、適宜「ウレタンエラストマー」と称す)の種類は、特に限定されるものではない。例えば、エーテル系、エステル系、カプロラクトン系、アクリル系、脂肪族系等のウレタンエラストマーや、それにシリコーン系ポリオールまたはフッ素系ポリオールを共重合させたもの等を用いることができる。なかでも、ポリアニリン誘導体との相溶性が良好であるという理由から、ポリエステル系ウレタンエラストマーおよびポリカプロラクトン系ウレタンエラストマーから選ばれる一種以上が好適である。
また、ウレタンエラストマーは、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方のスルホン酸官能基を有することが望ましい。この場合、ウレタンエラストマーのスルホン酸イオン(SO3−)が、ポリアニリンにドーピングする。このため、ウレタンエラストマーとポリアニリン誘導体とが、イオン結合により強固に結合する。したがって、ウレタン結合に加えて、スルホン酸官能基を有することにより、ポリアニリン誘導体とウレタンエラストマーとの相溶性がより向上する。
ウレタンエラストマーは、例えば、酸成分とグリコール成分とを反応させて得られたポリオール等と、有機ポリイソシアネートと、を反応させることにより得ることができる。ポリオール等と有機ポリイソシアネートとの反応の際には、触媒を用いることが望ましい。触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、セリウム等の金属、金属アルコキシド、金属塩、金属酸化物等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、チタン、鉛の炭酸塩、カルボン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、酸化物、有機金属化合物が好適である。
ポリオールの酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸等の脂肪族二塩基酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン、2,2ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族二塩基酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等があげられる。これらは単独で、もしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、分散性の点で、アジピン酸、セバシン酸、ドデシニルコハク酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸が好適である。骨格に、スルホン酸官能基を導入させる場合には、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸等のスルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸を共重合させればよい。
ポリオールのグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2′,2′−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコールや、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族系グリコール等があげられる。これらは単独で、もしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2′,2′−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、1,6−ヘキサンジオールが好適である。骨格に、スルホン酸官能基を導入させる場合には、2−ナトリウムスルホ−1,4ーブタンジオール、2−ナトリウムスルホ−1,6−ヘキサンジオール等のスルホン酸金属塩含有グリコールを共重合させればよい。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルクシロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、もしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが好適である。
ポリアニリン誘導体とウレタンエラストマーとの混合は、例えば、ポリアニリン誘導体を所定の有機溶剤に溶解した溶液と、ウレタンエラストマーを所定の有機溶剤に溶解した溶液と、を混合して行えばよい。また、共に固体状のポリアニリン誘導体とウレタンエラストマーとを混合(ドライブレンド)して行ってもよい。互いに溶液状で混合することにより、得られる導電性エラストマーにより作製される薄膜の透明性を向上させることができる。また、互いの溶媒が同じ場合には、相溶性が向上するため、薄膜の透明性がより高くなる。なお、ポリアニリン誘導体を溶解する溶剤は、化学酸化重合に使用した有機溶剤と同じでも異なっていてもよい。
ポリアニリン誘導体とウレタンエラストマーとは、ポリアニリン誘導体およびウレタンエラストマーの全体を100重量%とした場合に、ポリアニリンが3重量%以上50重量%となるように配合することが望ましい。ポリアニリンが3重量%未満の場合には、導電性エラストマーの柔軟性は向上するが、導電性が低下する。反対に、ポリアニリンが50重量%より多くなると、導電性エラストマーの導電性は向上するが、柔軟性が低下する。つまり、導電性エラストマーが硬く脆くなる。
(3)本発明の導電性エラストマーの製造方法は、上記二つの工程に加えて、さらに、二次ドーパント添加工程を含めて構成することができる。すなわち、二次ドーパント添加工程は、ポリアニリン誘導体合成工程とエラストマー混合工程との間、またはエラストマー混合工程の後に行われる。二次ドーパント添加工程では、ポリアニリン誘導体、またはポリアニリン誘導体とウレタン結合を有するエラストマーとの混合物に対して、フェノール性水酸基を有する化合物を二次ドーパントとして添加する。フェノール性水酸基を有する化合物は、上記有機プロトン酸またはその塩と共に、ドーパントとして機能する。したがって、フェノール性水酸基を有する化合物を添加することにより、得られる導電性エラストマーの導電性がさらに向上する。
フェノール性水酸基を有する化合物は、一般式ArOH(Arはアリール基または置換アリール基)で示される化合物である。具体的には、フェノール、o−,m−,p−クレゾール、o−,m−,p−エチルフェノール、o−,m−,p−プロピルフェノール、o−,m−,p−ブチルフェノール、o−,m−,p−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール化合物、フェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物(二次ドーパント)の添加量は、ポリアニリン誘導体の全体を100重量%とした場合の0.01〜1000重量%とすることが望ましい。0.5〜500重量%とするとより好適である。二次ドーパントの添加量が少なすぎると、導電性の向上効果が得られない。また、多すぎると、導電性エラストマーの均一性や透明性が低下するおそれがある。
(4)本発明の製造方法により得られた導電性エラストマーは、例えば薄膜状に成形することができる。この場合、導電性エラストマーを溶剤に溶解した溶液を、スピンコート法、スプレー法、インクジェット法、ディップ法、キャスト法、ドクターブレード法、バーコード法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ラングミュアーブロジッド(LB)膜形成法、遠心成型法等の公知の方法を用いて成膜すればよい。また、押出成形法、インジェクション成形法、インフレーション成形法等により、成形してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<ポリアニリン誘導体の製造>
まず、イソオクタン237mLに対して、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製「エーロゾルOT」)22.2g(50mmol)を添加し、攪拌して溶解させた。続いて、この溶液に、−10℃下で、過硫酸アンモニウム水溶液(過硫酸アンモニウム5.71g(25mmol)/水13mL)を添加し、W/Oミセルを形成させた。さらに、同溶液に、メタンスルホン酸4.81g(50mmol)を添加した。次に、この溶液を−20℃下で撹拌しながら、アニリン2.33g(25mmol)/エタノール37mL/イソオクタン200mL混合液を滴下して、化学酸化重合を開始した。重合は24時間とした。重合終了後、反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を除いて、有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸で2回洗浄した。目的物を含む溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、固形状のポリアニリン誘導体を得た。
<ウレタンエラストマーの製造>
(1)ポリカプロラクトン系ウレタンエラストマー
まず、ポリカプロラクトンジオール(数平均分子量:2000)90重量部を、メチルエチルケトン(MEK)に、固形分重量が30重量%となるように溶解した。次に、触媒のジブチル錫ジラウレートを0.02重量部加え、80℃に保ち攪拌しながら、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを12.5重量部添加し、さらに、1,6−ヘキサンジオール0.59重量部を添加して、ポリカプロラクトン系ウレタンエラストマー(数平均分子量:65,000)を得た。得られたポリカプロラクトン系ウレタンエラストマーの構造式を、以下の構造式(c)に示す。構造式(c)中、m:n:p=1:10:170である。
Figure 2010111837
(2)ポリエステル系ウレタンエラストマー
まず、5−ナトリウムスルホイソフタル酸84.1重量部、1,6−ヘキサンジオール155.8重量部、およびネオペンチルグリコール321.7重量部を混合し、200℃で5時間エステル交換反応を行った。続いて、アジピン酸334.7重量部およびテレフタル酸224.3重量部を加えて、200℃で10時間反応させた。その後、反応系を3時間かけて約0.27×10Paまで減圧し、さらに約6.67×10〜0.27×10Pa、210℃で2時間重縮合反応を行い、ポリエステルジオール(数平均分子量:2000)を得た。次に、得られたポリエステルジオール90重量部を、MEKに、固形分重量が30重量%となるように溶解した。そして、触媒のジブチル錫ジラウレートを0.02重量部加え、80℃に保ち攪拌しながら、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを12.5重量部添加し、さらに、1,6−ヘキサンジオール1.18重量部を添加して、スルホン酸官能基を有するポリエステル系ウレタンエラストマー(数平均分子量:50,000、スルホン酸官能基量:0.2mmol/g)を得た。得られたポリエステル系ウレタンエラストマーの構造式を、以下の構造式(d)に示す。構造式(d)中、X:Y:Z:m:n:p=4.3:9.6:8.2:1:2:7.3である。
Figure 2010111837
<導電性エラストマーの製造>
(1)実施例
まず、製造したポリアニリン誘導体30重量部を、トルエン600重量部に溶解し、ポリアニリン誘導体の5重量%トルエン溶液を調製した。また、製造した二種類のウレタンエラストマー70重量部を、各々、テトラヒドロフラン(THF)1500重量部に溶解し、二種類のエラストマーTHF溶液を調製した。次に、ポリアニリン誘導体のトルエン溶液を、二種類のエラストマーTHF溶液に各々添加して、攪拌した後、超音波分散した。さらに、二次ドーパントのm−クレゾール120重量部を添加して、超音波分散し、エラストマーの種類が異なる二種類の導電性エラストマーを得た。ポリカプロラクトン系ウレタンエラストマーを用いた導電性エラストマーを実施例1とし、ポリエステル系ウレタンエラストマーを用いた導電性エラストマーを実施例2とした。
(2)比較例
ウレタンエラストマーに代えて、ポリアクリル酸ブチルを用いた以外は、上記実施例と同様にして、導電性ポリマーを製造した。得られた導電性ポリマーを、比較例1とした。
また、実施例とは異なる方法により、導電性ポリマーを製造した。まず、ポリエステル系ウレタンエラストマーを製造した。5−ナトリウムスルホイソフタル酸178重量部、1,6−ヘキサンジオール155.8重量部、およびネオペンチルグリコール321.7重量部を混合し、200℃で5時間エステル交換反応を行った。続いて、アジピン酸480.8重量部を加えて、200℃で10時間反応させた。その後、反応系を3時間かけて約0.27×10Paまで減圧し、さらに約6.67×10〜0.27×10Pa、210℃で2時間重縮合反応を行い、ポリエステルジオール(数平均分子量:2000)を得た。次に、得られたポリエステルジオール100重量部を、MEKに、固形分重量が30重量%となるように溶解した。そして、触媒のジブチル錫ジラウレートを0.02重量部加え、80℃に保ち攪拌しながら、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを12.5重量部添加して、スルホン酸官能基を有するポリエステル系ウレタンエラストマー(数平均分子量:20,000、スルホン酸官能基量:0.5mmol/g)を得た。
次に、アニリン93g、得られたウレタンエラストマー1333g、MEK6000mL、およびIN塩酸6000mLをフラスコに入れた。そして、15℃下で攪拌しながら、IN塩酸1000mLに溶解した過硫酸アンモニウム228.2gを、1時間かけて滴下し、20時間化学酸化重合を行った。重合終了後、重合物を水、メタノールで洗浄し、乾燥させて導電性ポリマーを得た。得られた導電性ポリマーを、比較例2とした。
<評価方法>
製造した導電性エラストマーおよび導電性ポリマー(以下、適宜「導電性エラストマー等」と称す)から薄膜を作製し、薄膜の物性等を評価した。薄膜は、評価項目別に、以下の二種類作製した。一つ目は、透明性および導電性の評価用として、スピンコート法により、後出の表1に示す膜厚の薄膜を作製した(以下「薄膜A」と称す)。スピンコートは、回転速度1000rpmで1分間行った。その後、60℃下で30分、真空乾燥させた。二つ目は、柔軟性の評価用として、キャスト法により、膜厚約20μmの薄膜を作製した(以下「薄膜B」と称す)。すなわち、導電性エラストマー等のTHF溶液を、アプリケータにより基材上にキャスティングし、60℃下で30分乾燥させた。
評価項目は、透明性、導電性、柔軟性の三項目とした。以下、各々の評価方法について説明する。
[透明性]
薄膜Aの全透過率を測定した。測定は、日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計「V−570」を用いて行った。波長400〜800nmの透過率を平均して算出した値を、全透過率とした。
[導電性]
薄膜Aの導電率を、(株)ダイアインスツルメント製の抵抗率計「ロレスタ(登録商標)GP」(JIS K7194(1994)の四探針法に準拠)により測定した。
[柔軟性]
薄膜Bの引張破壊伸びを、JIS K 7113(1995)に準じて測定した。試験片の形状は1号形とした。
<評価結果>
実施例および比較例の薄膜の評価結果を、導電性エラストマー等の組成と併せて、表1に示す。なお、比較例2の薄膜については、使用した導電性ポリマーの原料および製造方法が他の実施例等と異なるため、組成を省略する。
Figure 2010111837
表1に示すように、実施例1、2の薄膜の全透過率は80%以上であった。つまり、実施例1、2の薄膜は、透明性が高いことがわかる。また、実施例1、2の薄膜の導電性は、比較例2の薄膜と比較して、非常に高くなった。比較例2の薄膜は、ポリアニリンおよびウレタンエラストマーを含むものの、実施例1、2とは異なる方法により製造された導電性ポリマーから作製されている。すなわち、本発明の製造方法を採用すると、導電性の高い導電性エラストマーを製造できることがわかる。また、実施例1、2の薄膜の引張破壊伸びは、比較例1、2の薄膜と比較して、大きくなった。この結果から、実施例1、2の薄膜は柔軟であることがわかる。特に、ウレタンエラストマーを含まない比較例1の薄膜と比較すると、柔軟性の向上効果が大きい。このように、本発明の製造方法によると、透明性、導電性、柔軟性に優れた導電性エラストマーを、簡便に製造することができた。
本発明の製造方法により製造される導電性エラストマーは、透明性、導電性、柔軟性が高いため、タッチパネル用電極や、透明配線に加えて、電磁遮蔽フィルム、熱電変換フィルム、さらには太陽電池、液晶、エレクトロルミネセンス(EL)等の変形可能なディスプレイ等、種々の用途に使用することができる。

Claims (5)

  1. 水と混和しない有機溶剤および水を含む混合溶媒中、次式(I)で示される有機プロトン酸またはその塩の存在下、−15℃以下の温度にてアニリンを化学酸化重合させることによりポリアニリン誘導体を得るポリアニリン誘導体合成工程と、
    該ポリアニリン誘導体と、ウレタン結合を有するエラストマーと、を混合するエラストマー混合工程と、
    を有することを特徴とする導電性エラストマーの製造方法。
    M(XAR ・・・(I)
    [式(I)中、
    Mは、水素原子、有機遊離基、無機遊離基から選ばれる一種であり、
    Xは、酸性基であり、
    Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
    Rは、−R、−OR、−COR、−COOR、−CO(COR)、−CO(COOR)から選ばれる一種であり{Rは、炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(RO)−R基、−(OSiR −OR基(Rはアルキレン基、Rは各々同一でも異なってもいてもよい炭化水素基、xは1以上の整数)から選ばれる一種}、
    nは、2以上の整数であり、
    mは、Mの価数である。]
  2. 前記混合溶媒における、前記水と前記有機溶剤との体積比率(水/有機溶剤)は、2/1〜200/1である請求項1に記載の導電性エラストマーの製造方法。
  3. 前記ポリアニリン誘導体合成工程と前記エラストマー混合工程との間、または該エラストマー混合工程の後に、フェノール性水酸基を有する化合物を二次ドーパントとして添加する二次ドーパント添加工程を有する請求項1または請求項2に記載の導電性エラストマーの製造方法。
  4. 前記ウレタン結合を有するエラストマーは、ポリエステル系ウレタンエラストマーおよびポリカプロラクトン系ウレタンエラストマーから選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の導電性エラストマーの製造方法。
  5. 前記ウレタン結合を有するエラストマーは、さらにスルホン酸官能基を有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の導電性エラストマーの製造方法。
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