JP2010110843A - ピンミラーカッタ用インサートおよびピンミラーカッタ - Google Patents
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Abstract
【課題】1つのインサートで8つのコーナ刃が使用可能で、インサートやインサート取付座にそれほど高い成形精度を要さずに、ピンミラーカッタのウェブ刃インサート取付座やピン刃インサート取付座に安定して取り付けて、クランクシャフトの加工精度の向上を図る。
【解決手段】外形が平行四辺形平板状をなしていて、その一対の平行四辺形面11の周囲に配置される4つの周面のうち、互いに反対側に位置する一対の周面がすくい面13とされるとともに、他の一対の周面14と平行四辺形面11との交差稜線部には断面凸円弧状の面取部15が形成されて、この面取部15がすくい面13に交差することによりすくい面13のコーナ部には凸円弧状をなすコーナ刃16が形成され、他の一対の周面14には、面取部15の間に、一対のすくい面13間に亙って平面部17が延在させられている。
【選択図】図4
【解決手段】外形が平行四辺形平板状をなしていて、その一対の平行四辺形面11の周囲に配置される4つの周面のうち、互いに反対側に位置する一対の周面がすくい面13とされるとともに、他の一対の周面14と平行四辺形面11との交差稜線部には断面凸円弧状の面取部15が形成されて、この面取部15がすくい面13に交差することによりすくい面13のコーナ部には凸円弧状をなすコーナ刃16が形成され、他の一対の周面14には、面取部15の間に、一対のすくい面13間に亙って平面部17が延在させられている。
【選択図】図4
Description
本発明は、例えば往復動式内燃機関のクランクシャフトの加工に用いられるピンミラーカッタに着脱可能に装着されるピンミラーカッタ用インサート(以下、単にインサートと称する。)、および該インサートを取り付けたピンミラーカッタに関するものである。
このようなインサートおよびピンミラーカッタとしては、例えば特許文献1に、平行四辺形を基本形とする上面と下面に対して、4つの側面が直角になっているネガティブインサートであって、対向する位置の2側面における上面と下面の鋭角コーナ側部分を、上面と下面の鋭角コーナ角が、基本形とする平行四辺形の鋭角コーナのコーナ角よりも大きくする方向に傾け、この傾けた対向する位置の2側面と、上面と下面の鋭角コーナ及び鈍角コーナとの交差部に、独立したR面を付したものが提案されている。
また、本発明の発明者等も、特許文献2において、略台形平板状をなすインサート本体の対向配置された一対の側面とインサート本体の上下面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、一対の側面におけるインサート本体の鈍角コーナー部側の領域が鋭角コーナー部側の領域に対して傾斜するように突出させられたものを提案している。
特開2004−001224号公報
特開2005−138194号公報
これら特許文献1、2に記載のインサートは、それぞれその平行四辺形面や台形面の斜辺に連なる側面をすくい面として、このすくい面の4つのコーナ部に形成される合計8つのコーナ刃を、クランクシャフトのピン部を加工するピン刃として4つ、ピン部に連なるウェブ部を加工するウェブ刃として4つ、使用可能としている。
すなわち、ピンミラーカッタのカッタ本体周面に形成されたピン刃インサート取付座では、インサートは、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに、このすくい面の上記鋭角コーナ部に形成されたコーナ刃に正のアキシャルレーキ角と負のラジアルレーキ角が、またカッタ本体側面のウェブ刃インサート取付座では、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに、このすくい面の鈍角コーナ部に形成されたコーナ刃に負のラジアルレーキ角と負のアキシャルレーキ角が与えられるように取り付けられる。
ところが、このうち特許文献2に記載のインサートは台形平板状であるため、上述のようにそのカッタ回転方向を向くすくい面に正のアキシャルレーキ角が与えられるようにピン刃インサート取付座に取り付けられると、カッタ回転方向の後方側に向けられる加工に使用されない側のすくい面と、このすくい面に当接してインサートを保持するピン刃インサート取付座のカッタ回転方向を向く壁面とは、カッタ回転方向の後方側すなわち切削の主分力を受ける方向に向かうに従い、カッタ本体の両側面のうちこのピン刃インサート取付座が開口する側面側に向けて傾斜することになる。
このため、クランクシャフトの加工の際に過大な負荷が作用したりすると、その主分力によってインサートが上記壁面に案内されるようにずれ動いて、このピン刃として用いられるインサートの着座が不安定となり、所望の加工精度を得られなくなるおそれがある。また、こうしてインサートが台形平板状であって、すなわちその台形面に幅広な部分と幅狭の部分とがあると、当該インサートが超硬合金等の粉末冶金により形成されたものである場合には、焼結時に変形を生じ易く、寸法精度を維持するのが困難となるという問題もある。
一方、特許文献1に記載の平行四辺形平板状のインサートでは、ピン刃インサート取付座においてカッタ回転方向の後方側を向くすくい面およびこれに当接するインサート取付座のカッタ回転方向を向く壁面も、カッタ回転方向を向いて正のアキシャルレーキ角が与えられたすくい面と同様に、ピン刃インサート取付座が開口した側面側からカッタ本体の軸線方向にインサート取付座の奥側に向かうに従いカッタ回転方向の後方側に向かうことになり、主分力が作用してもこの奥側に形成されたインサート取付座の壁面にインサートが当接させられているので、上記カッタ回転方向を向く壁面に案内されてインサートがずれ動くようなことはない。また、平行四辺形面の幅は一定であるので、寸法精度の維持も比較的容易である。
しかしながら、この特許文献1に記載のインサートでは、インサート取付座の上記奥側の壁面に当接させられることになる上記対向する位置の2側面が、例えば2つの平面が角度をもって連なるように構成されることにより、上述のように該側面における上面と下面の鋭角コーナ側部分を、上面と下面の鋭角コーナ角が、基本形とする平行四辺形の鋭角コーナのコーナ角よりも大きくする方向に傾けるように形成されているので、インサート取付座の壁面が平面状であれば上記2つの平面のうち一方はこの壁面に当接することがなくなり、すなわちすくい面とされる側面の間で該壁面に当接しない部分が生じて当接面積が小さくなるため、やはりインサートの着座安定性が損なわれることが避けられない。
その一方で、インサート取付座の壁面を、上記側面と同様に2つの平面が角度をもって連なるように構成して該側面の2つの平面とそれぞれ当接するように形成するには、インサートとインサート取付座とを成形するのに高い精度が必要となる。しかも、このような特許文献1に記載のインサートでは、ピン刃インサート取付座だけでなく、ウェブ刃インサート取付座でも同様に着座安定性が損なわれることになり、その結果クランクシャフトの加工精度は著しく劣化するおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように1つのインサートで合計8つのコーナ刃の使用が可能であり、しかもインサートやインサート取付座にそれほど高い成形精度を要さずとも、ピンミラーカッタのウェブ刃インサート取付座は勿論、ピン刃インサート取付座にも安定して取り付けることができて、クランクシャフトの加工精度の向上を図ることが可能なインサート、および該インサートを取り付けたピンミラーカッタを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のインサートは、外形が平行四辺形平板状をなしていて、その一対の平行四辺形面の周囲に配置される4つの周面のうち、互いに反対側に位置する一対の周面がすくい面とされるとともに、他の一対の周面と上記平行四辺形面との交差稜線部には断面凸円弧状の面取部が形成されて、この面取部が上記すくい面に交差することにより該すくい面のコーナ部には凸円弧状をなすコーナ刃が形成され、上記他の一対の周面には、上記面取部の間に、一対の上記すくい面間に亙って平面部が延在させられていることを特徴とする。
また、本発明のピンミラーカッタは、軸線回りに回転される円板状または円環状のカッタ本体の周面にピン刃インサート取付座が該カッタ本体の両側面側にそれぞれ形成されるとともに、このピン刃インサート取付座が形成された周面側の上記カッタ本体の両側面にはウェブ刃インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座に本発明のインサートが着脱可能に取り付けられたピンミラーカッタであって、上記ピン刃インサート取付座において上記インサートは、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに該すくい面と上記他の一対の周面とが鋭角に交差する角部を該ピン刃インサート取付座が形成された側の上記カッタ本体の側面に向けて、この鋭角の角部に形成された上記コーナ刃に正のアキシャルレーキ角が与えられるように取り付けられる一方、上記ウェブ刃インサート取付座において上記インサートは、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに該すくい面と上記他の一対の周面とが鈍角に交差する角部を上記ピン刃インサート取付座が形成された側の上記カッタ本体の周面に向けて、この鈍角の角部に形成された上記コーナ刃に負のラジアルレーキ角が与えられるように取り付けられることを特徴としている。
本発明のインサートにおいては、その4つの周面のうちすくい面とされる一対の周面以外の他の一対の周面と上記平行四辺形面との交差稜線部に形成された上記面取部がすくい面と交差することにより、2つのすくい面の各4つのコーナ部に1つずつの合計8つのコーナ刃が形成される。そして、本発明のピンミラーカッタにおいては、このようなインサートが、カッタ本体周面の両側面側にそれぞれ形成されるピン刃インサート取付座に、1つのインサート取付座においてカッタ回転方向に向けられるすくい面を反転させたり、一方の側面側と他方の側面側のピン刃インサート取付座間で一対の平行四辺形面を表裏反転させたりして取り付け直されることにより、すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する鋭角角部の4つのコーナ刃がピン刃として順次使用可能とされる。
ここで、本発明のインサートは平行四辺形平板状であるので、こうして鋭角角部のコーナ刃をピン刃として使用するときに、該ピン刃に連なってカッタ回転方向側を向くすくい面に正のアキシャルレーキ角を与えても、このすくい面とは反対のすくい面とこれが当接するピン刃インサート取付座のカッタ回転方向側を向く壁面とは、当該ピン刃インサート取付座が開口するカッタ本体の側面側からこのインサート取付座の奥側に向かうに従いカッタ回転方向の後方側に傾斜することになるので、この奥側に壁面を形成してインサートを当接させることにより、加工時に過大な負荷が作用してもインサートずれ動くようなことはない。また、超硬合金等によって形成されていても焼結時の変形が小さく、寸法精度の維持が容易である。
さらに、同じインサートを、カッタ本体の両側面に形成されるウェブ刃インサート取付座に、やはりカッタ回転方向に向けられるすくい面を反転させて取り付け直したり、あるいは一方の側面側と他方の側面側のウェブ刃インサート取付座同士で取り付け直したりすることで、すくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する鈍角角部の4つのコーナ刃もウェブ刃として順次使用することができ、すなわち1つのインサートの上記8つのコーナ刃を使い切ることができる。
そして、本発明のインサートでは、上記他の一対の周面における上記面取部の間に、一対のすくい面間に亙って平面部が延在させられているので、この他の一対の周面が当接する、ピン刃インサート取付座においては該インサート取付座が開口したカッタ本体の側面とは反対の奥側の壁面を、またウェブ刃インサート取付座においてはカッタ回転方向側を向く壁面を、それぞれ該平面部と同じ平面状として一対のすくい面間の略全長に亙ってこの平面部に密着させることができる。このため、これら一対のすくい面間で上記壁面に当接しない部分が生じることがなくなるとともに当接面積を確保することができ、上記各壁面の成形を容易としつつもインサートの着座安定性を向上させることができて、より高い精度でクランクシャフトを加工することが可能となる。
また、本発明のインサートにおいては、上記平面部を、上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部(鋭角角部)から鈍角に交差する角部(鈍角角部)に向かうに従い漸次幅広となるように形成することにより、このすくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する鈍角角部側で上記壁面との当接面積を一層大きく確保することができて、さらなる着座安定性の向上を図ることができる。
このように平面部を鈍角角部側で幅広となるようにするには、上記面取部を円筒面状として、この円筒の中心線を、上記平面部に平行に上記すくい面に対向する方向から見て、上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部では、上記平面部と上記平行四辺形面とからそれぞれ上記円筒の半径だけ離れた点を通り、上記すくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する角部では、上記平行四辺形面からは上記円筒の半径だけ離れるとともに上記平面部からは該半径よりも短い距離だけ離れた点を通るように、この平面部に対して傾けるように配置すればよい。
こうして構成されたインサートでは、上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部に形成された上記コーナ刃は、該すくい面と上記平面部および平行四辺形面との交差稜線にそれぞれ滑らかに接する1/4凸円弧状のピン刃とされるとともに、上記すくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する角部に形成された上記コーナ刃は、該すくい面と上記平行四辺形面との交差稜線には滑らかに接する一方で、該すくい面と上記平面部との交差稜線にはその交点における接線が鈍角をなして交差する1/4未満の凸円弧状のウェブ刃とされる。従って、上記鋭角角部における平面部とすくい面との交差稜線とピン刃との上記接点から、鈍角コーナ部における平面部とすくい面との交差稜線とウェブ刃との上記交点に向けて、平面部は漸次幅広となるように形成される。
そして、さらにこのように構成されたインサートでは、上述のように平面部に対して中心線が傾けられた1つの面取部両端の鋭角コーナ部側と鈍角コーナ部側とに形成されるピン刃とウェブ刃とは、同一の円筒面と互いに平行な一対のすくい面との交差稜線上にそれぞれ形成されることになる。従って、この平面部に対する中心線の傾斜角を調整することにより、ピン刃とウェブ刃の刃先角(刃物角)を、すくい面と平面部とがなす基本の平行四辺形の鋭角角部や鈍角角部のコーナ角に対して微調整することができ、上述のようにピン刃に与えられる正のアキシャルレーキ角や、ウェブ刃に与えられる負のラジアルレーキ角をより適正な大きさとすることができる。
この点、例えば上記特許文献1に記載のインサートでは、鋭角コーナ側部分を、上面と下面の鋭角コーナ角が基本形とする平行四辺形の鋭角コーナのコーナ角よりも大きくなる方向に傾けてピン刃を形成しているため、基本の平行四辺形の鋭角コーナ角やウェブ刃のコーナ角(基本形とする平行四辺形の鈍角コーナのコーナ角)が適正であっても、ピン刃のコーナ角(刃先角)が大きくなりすぎて、これによりピン刃のアキシャルレーキ角を正角側に十分に設定することができなくなったり、逆にピン刃のコーナ角が適正であってもウェブ刃のラジアルレーキ角が負角側に大きくなりすぎたりして、切削抵抗の増大を招くおそれがある。
以上説明したように、本発明のインサートによれば、1つのインサートで合計8つのコーナ刃の使用が可能であるのは勿論、インサートの寸法精度の維持が容易であり、しかもインサートやインサート取付座にそれほど高い成形精度を要さずとも、ピンミラーカッタのインサート取付座に安定して取り付けることが可能となる。従って、このようなインサートを取り付けた本発明のピンミラーカッタによれば、クランクシャフトの加工精度の向上を図ることが可能となる。
図1ないし図3は、本発明のピンミラーカッタの一実施形態を示すものであり、図4ないし図6は、このピンミラーカッタに取り付けられる本発明のインサートの一実施形態を示すものである。本実施形態のピンミラーカッタはインターナル型のピンミラーカッタであって、軸線Oを中心とした円環板状をなすカッタ本体1の内周面にピン刃インサート取付座2A、2Bが形成されるとともに、カッタ本体1の両側面1A、1Bの内周面側にはウェブ刃インサート取付座3A、3Bが形成され、これらのインサート取付座2A、2B、3A、3Bにそれぞれ同形同大の本実施形態のインサート10がクランプネジ4によって着脱可能に取り付けられている。
本実施形態のインサート10は、超硬合金等の硬質材料によって形成されて図4に示すように平行四辺形平板状をなし、その一対の平行四辺形面11の中央部には、上記クランプネジ4が挿通される取付孔12が、当該インサート10をその厚さ方向(図4において図面に直交する方向。図5においては左右方向、図6においては上下方向。)に貫通するように形成されている。そして、本実施形態のインサート10は、この取付孔12の中心軸L回りに180°回転対称に形成されるとともに、該中心軸Lに直交して上記厚さ方向の中心を通る平面に対しても対称形状に形成されている。
また、上記平行四辺形面11の周囲に配置されるインサート10の4つの周面のうち、互いに反対側に位置する一対の周面はすくい面13とされ、このすくい面13は本実施形態ではその全面に亙って中心軸Lに平行で互いにも平行な平坦面とされている。また、このすくい面13とされる一対の周面以外の、インサート10の他の一対の周面14と上記一対の平行四辺形面11との交差稜線部には、この交差稜線に直交する断面が凸円弧状をなすように面取りされて面取部15が形成されており、この面取部15がその両端においてすくい面13に交差することにより、各すくい面13のそれぞれ4つのコーナ部には、凸円弧状をなすコーナ刃16が形成される。
このうち、すくい面13と他の周面14とが鋭角に交差する鋭角角部Aに形成される各すくい面13に2つずつのコーナ刃16は、インサート10がピンミラーカッタの上記ピン刃インサート取付座2A、2Bに取り付けられたときに使用されるピン刃16Aとされる。また、これとは反対側のすくい面13と他の周面14とが鈍角に交差する鈍角角部Bに形成される、やはり各すくい面13に2つずつのコーナ刃16は、インサート10が上記ウェブ刃インサート取付座3A、3Bに取り付けられたときに使用されるウェブ刃16Bとされる。
そして、これらのコーナ刃16を画成する上記面取部15は、上記他の一対の周面14においてインサート10の上記厚さ方向に互いに間隔をあけるようにされており、これら面取部15の間の他の一対の周面14上には、上記一対のすくい面13間に亙って延びる平坦な平面部17が形成されている。すなわち、面取部15の断面がなす凸円弧の半径はインサート10の厚さの1/2よりも小さくされていて、これにより他の一対の周面14には、上記厚さ方向の中央部に、平行四辺形面11に垂直な平面状の上記他の一対の周面14部分が残されて、これが上記平面部17とされ、鋭角角部Aと鈍角角部Bとでそれぞれすくい面13と角度をもって交差させられている。
ここで、上記面取部15の断面がなす凸円弧の半径Rは、上記他の周面14と平行四辺形面11との交差稜線部に亙って一定とされ、すなわち面取部15は円筒面状をなすように形成されている。ただし、この面取部15がなす円筒面の中心線Cは、上記平面部17に平行にすくい面13に対向する方向から見て図6に示すように、上記鋭角角部Aでは、平面部17と平行四辺形面11とからそれぞれ上記半径Rだけ離れた点を通る一方、上記鈍角角部Bでは、平行四辺形面11からは半径Rだけ離れた位置にあって平面部17からはこの半径Rよりも短い距離Sだけ離れた点を通るようにされている。すなわち、鋭角角部Aにおける中心線Cのすくい面13に対する交差角は、同鋭角角部Aにおけるすくい面13と平面部17との交差角よりも僅かに大きくなうようにされており、平面部17の延長面に中心線Cの鈍角角部B側の延長線が交差するように、この平面部17に対して中心線Cが僅かに傾いて延びるようにされている。
従って、このような面取部15がすくい面13と交差して形成される上記コーナ刃16は、鋭角角部Aのピン刃16Aは、すくい面13と平面部17との交差稜線およびすくい面13と平行四辺形面11との交差稜線にそれぞれ滑らかに接する中心角が90°の1/4円弧状に形成される。なお、鋭角角部Aにおいて上記厚さ方向の両側に形成される2つのピン刃16Aは、その1/4円弧からすくい面13と平行四辺形面11との交差稜線に沿って、それぞれ同じすくい面13の鈍角角部B側にまで延長させられている。
これに対して、鈍角角部Bのコーナ刃16であるウェブ刃16Bは、このすくい面13と平行四辺形面11との交差稜線には滑らかに接する一方で、すくい面13と上記平面部17との交差稜線には交点Pにおいて折れ曲がるように交差し、すなわちこの交点Pにおけるウェブ刃16Bの接線がすくい面13と平面部17との交差稜線に鈍角の角度をなすようにされる。従って、このウェブ刃16Bは、平面部17に平行にすくい面13に対向する方向から見て、中心角が90°に満たない1/4円弧未満の凸円弧状を呈することになる。
さらに、このように面取部15が形成されることにより、平面部17の上記厚さ方向の大きさ、すなわち平面部17の幅は、他の周面14における面取部15の同厚さ方向の大きさが半径Rとなる鋭角角部Aから上記距離Sとなる鈍角角部Bに向かうに従い、図5に示すように漸次幅広となってゆく。なお、この平面部17と面取部15との交差稜線は、面取部15の中心線Cが上述のように傾いていることから、上記他の周面14に対向する方向から見て厚さ方向の外側に僅かに膨らむ楕円弧状を呈することになる。
このようなインサート10が取り付けられる上記ピン刃インサート取付座2Aはカッタ本体1の内周面と一方の側面1Aとに、またピン刃インサート取付座2Bはカッタ本体1の内周面と他方の側面1Bとにそれぞれ開口するようにして、周方向に交互に形成されている。これらピン刃インサート取付座2A、2Bは、カッタ本体1の径方向内周側を向く底面と、この底面から垂直に立ち上がってカッタ回転方向T側を向く壁面と、同じく底面から垂直に立ち上がって各ピン刃インサート取付座2A、2Bが開口する側面1A、1Bと同じ側を向く壁面とを備えている。
また、ウェブ刃インサート取付座3Aはカッタ本体1の一方の側面1Aと内周面側とに、ウェブ刃インサート取付座3Bは他方の側面1Bと内周面側とにそれぞれ開口するようにして、隣接するピン刃インサート取付座2A、2Bの間にウェブ刃インサート取付座3A、3Bの1つが位置するようにして、周方向にやはり交互に形成されている。これらウェブ刃インサート取付座3A、3Bは、カッタ本体1の軸線O方向外側を向く底面と、この底面から垂直に立ち上がってカッタ回転方向T側を向く壁面と、同じく底面から垂直に立ち上がってカッタ本体1の内周側を向く壁面とを備えている。
なお、カッタ本体1の内周面と側面1A、1Bには、これらインサート取付座2A、2B、3A、3Bのカッタ回転方向T側にチップポケット5が形成されていて、インサート取付座2A、2B、3A、3Bはこれらのチップポケット5にも開口している。また、各インサート取付座2A、2B、3A、3Bの上記底面には、上記クランプネジ4がねじ込まれるネジ孔が形成されるとともに、ピン刃インサート取付座2A、2Bの上記壁面同士の交差角はインサート10の鋭角角部Aにおけるすくい面13と平面部17との交差角に、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bの上記壁面同士の交差角はインサート10の鈍角角部Bにおけるすくい面13と平面部17との交差角に、それぞれ等しくされている。
上述のように形成されたインサート10は、ピン刃インサート取付座2A、2Bにおいては、その厚さ方向をカッタ本体1の径方向に向けるようにして、すくい面13の1つをカッタ回転方向Tに向けるとともに、このすくい面13の鋭角角部Aを当該ピン刃インサート取付座2A、2Bが開口するように形成された側のカッタ本体1の側面1B、1Aに向けて着座させられる。また、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bにおいては、厚さ方向をカッタ本体1の軸線O方向に向け、すくい面13の1つをカッタ回転方向Tに向けるとともに、このすくい面13の鈍角角部Bをカッタ本体1の内周面側に向けて着座させられる。
さらに、こうして着座させられたインサート10は、取付孔12に挿通されたクランプネジ4が上記ネジ孔にねじ込まれることにより、上記底面に対向した1つの平行四辺形面11が該底面に密着させられるとともに、カッタ回転方向Tの後方側に向けられたすくい面13と、ピン刃インサート取付座2A、2Bにあってはこのすくい面13に鋭角角部Aで交差する他の周面14の平面部17とが、またウェブ刃インサート取付座3A、3Bにあってはこのすくい面13に鈍角角部Bで交差する他の周面14の平面部17とが、それぞれ上記壁面に当接させられて取り付けられる。
こうして取り付けられたインサート10は、カッタ本体1が図示されない工作機械に取り付けられて軸線O回りにカッタ回転方向Tに回転させられることにより、ピン刃インサート取付座2A、2Bにあっては、カッタ回転方向T側に向けられたすくい面13とカッタ本体1の内周側に向けられた平行四辺形面11との鋭角角部A側のコーナ刃16がピン刃16Aとして使用され、このピン刃16Aから上記すくい面13と平行四辺形面11の交差稜線に沿って延長された部分を用いてクランクシャフトのピン部を加工する。そして、このピン刃16Aには、正のアキシャルレーキ角と負のラジアルレーキ角とが与えられるようにされており、すなわちピン刃インサート取付座2A、2Bのカッタ回転方向Tを向く壁面は、軸線O方向に各インサート取付座2A、2Bの奥側に向かうに従いカッタ回転方向T後方側に向かうように傾斜させられている。
一方、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bに取り付けられたインサート10は、同じくカッタ回転方向T側に向けられたすくい面13と軸線O方向外側に向けられた平行四辺形面11との鈍角角部B側のコーナ刃16がウェブ刃16Bとして用いられて、クランクシャフトの上記ピン部に連なるカウンターウェイトのウェブ部を加工する。ここで、このウェブ刃インサート取付座3A、3Bに取り付けられたインサート10の上記ウェブ刃16Bには、いずれも負のアキシャルレーキ角とラジアルレーキ角とが与えられる。なお、このウェブ刃16Bの上記交点Pは、図3に示すように軸線O回りの回転軌跡において、加工に使用されるピン刃16Aに連なるすくい面13と平面部17との交差稜線の延長線上に位置するようにされている。
このように構成されたピンミラーカッタにおいて、上記インサート10は、1つのピン刃インサート取付座2A、2Bおよびウェブ刃インサート取付座3A、3Bで、それぞれ上記取付孔12の中心軸L回りに180°回転させて取り付け直すことにより、2つのピン刃16Aまたはウェブ刃16Bが使用可能であり、次いで反対側のピン刃インサート取付座2B、2Aおよびウェブ刃インサート取付座3B、3Aに平行四辺形面11を表裏反転させて取り付け直すことで、さらに残りの2つのピン刃16Aまたはウェブ刃16Bが使用可能となる。
さらにまた、こうしてそれぞれ4つのピン刃16Aまたはウェブ刃16Bを使用したインサート10を、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bまたはピン刃インサート取付座2A、2Bに取り付け直し、さらに同様に取付孔12の中心軸L回りに180°回転させ、また平行四辺形面11を表裏反転させて取り付け直すことで未使用の4つのウェブ刃16Bまたはピン刃16Aが使用可能である。すなわち、1つのインサート10で4つずつのピン刃16Aおよびウェブ刃16Bを使い回して、合計8回の使用が可能であり、経済的である。また、インサート10は外形が平行四辺形平板状であって、その四辺に沿った方向に幅や長さが大きく変化することがなく、また厚さも略一定であるので、たとえ超硬合金のような硬質材料によって形成されていても、所望の寸法に対する焼結時の変形を小さく抑えることができ、寸法精度の維持が容易である。
さらに、ピン刃インサート取付座2A、2Bにあっては、加工に用いられるピン刃16Aに正のアキシャルレーキ角が与えられるように、カッタ回転方向Tを向く壁面がピン刃インサート取付座2A、2Bの奥側(ピン刃インサート取付座2Aにあっては側面1B側、ピン刃インサート取付座2Bにあっては側面1A側)に向かうに従いカッタ回転方向T後方側に向けて傾斜しているので、切削時の主分力によってインサート10がこの壁面に案内されるように押圧されても軸線O方向を向く壁面に押し付けられるだけであり、加工時にピン刃16Aが位置ズレを起こしたりすることがない。
そして、さらに上記構成のインサート10では、こうしてピン刃インサート取付座2A、2Bの軸線O方向奥側の壁面や、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bの内周側を向く壁面に押し付けられることになる他の周面14には、上記面取部17の間の幅方向中央部に、平坦な平面部17が形成されてこの他の周面14の全長、すなわち一対のすくい面13間に亙って延在させられている。従って、上記壁面を同じく平坦な平面状として、該壁面にこの平面部17を略その全長に亙って当接させて密着させることができる。
このため、これらピン刃インサート取付座2A、2Bおよびウェブ刃インサート取付座3A、3Bの上記壁面とこの他の周面14との当接面積を大きく確保するとともに、この周面14両端の一対のすくい面13両側でもインサート10を上記壁面に当接させて指示することができるので、該インサート10の安定性の向上を図って高精度のクランクシャフトの加工を促すことが可能となる。また、こうして上記壁面は平面状に形成すればよいので、インサート取付座2A、2B、3A、3Bの成形を容易としてカッタ本体1の製造コストの削減等を図ることもできる。
また、本実施形態のインサート10では、この平面部17が、他の周面14がすくい面13と鋭角に交差する鋭角角部Aから鈍角に交差する鈍角角部Bに向けて漸次幅広となるようにされており、この鈍角角部B側での当接面積を一層大きく確保することができる。特に、ウェブ刃インサート取付座3A、3Bに取り付けられたインサート10においては、上述のように切削時の主分力が作用する方向に向けて上記壁面に当接させられた平面部17が幅広となるようにされるので、より高い着座安定性を得ることができる。
ここで、このように平面部17を鋭角角部Aから鈍角角部Bに向けて漸次幅広となるように形成するのに、本実施形態では面取部15がなす円筒面の中心線Cが、鋭角角部Aでは平面部17と平行四辺形面11とからそれぞれ該円筒の半径Rだけ離れた点を通るように、すなわちこの円筒面が平行四辺形面11と平面部17とに接するように配置する一方、鈍角角部Bでは平行四辺形面11とは上記半径Rだけ離れた位置で、平面部17からはこの半径Rよりも短い距離Sだけ離れた位置を通るように、該中心線Cを平面部17に対して傾くように設定している。
従って、例えば平行四辺形板形に焼結したインサート10の平行四辺形面11と他の周面14との交差稜線部を、断面1/4凹円弧状の研削砥粒層を周面に有する円板状の研削砥石によって研削して面取部15を形成することにより、このような平面部17を上記周面14に残して成形するような場合には、この研削砥石の送り方向すなわち上記中心線C方向を、こうして残される平面部17に対して所定の角度だけ傾けて設定して研削砥石を送り出せばよい。
この場合には、1方向への研削砥石の送りだけで面取部15を形成して平面部17を残すことができるので、例えば特許文献1に記載のインサートのような、基本形とする平行四辺形に対して傾けた対向する位置の2側面と、上面と下面の鋭角コーナ及び鈍角コーナとの交差部に、独立したR面を付す場合のように、鋭角コーナと鈍角コーナのそれぞれで砥石の送り方向を異なる方向に設定する必要がなく、インサート10の製造も容易とすることができる。
しかも、例えばこうして製造される本実施形態のインサート10では、このように中心線Cが平面部17に対して傾けられた1つの円筒面である面取部15の両端にピン刃16Aとウェブ刃16Bとが形成され、すなわちこの面取部15と互いに平行な一対のすくい面13との交差稜線に形成されるコーナ刃16のうち、鋭角角部Aに形成されるコーナ刃16は1/4凸円弧状をなすピン刃16Aとされるとともに、鈍角角部Bに形成されるコーナ刃16は1/4未満の凸円弧状のウェブ刃16Bとされる。
従って、本実施形態によれば、この中心線Cの平面部17に対する傾斜角を調整することで、インサート10の基本となる平行四辺形(一対のすくい面13と他の一対の周面14の平面部とが交差してなす平行四辺形)の鋭角角部Aや鈍角角部Bにおけるコーナ角に対して、これらピン刃16Aとウェブ刃16Bの刃先角(刃物角)を微調整することができ、引いてはピン刃16Aに与えられる正のアキシャルレーキ角やウェブ刃16Bに与えられる負のラジアルレーキ角を、より適正な角度に設定することが可能となる。
この点、例えば上記特許文献1に記載のインサートでは、鋭角コーナ側部分を、上面と下面の鋭角コーナ角が基本形とする平行四辺形の鋭角コーナのコーナ角よりも大きくなる方向に傾けてピン刃を形成しているため、基本の平行四辺形の鋭角コーナ角やウェブ刃のコーナ角(基本形とする平行四辺形の鈍角コーナのコーナ角)が適正であっても、ピン刃のコーナ角(刃先角)が大きくなりすぎて、これによりピン刃のアキシャルレーキ角を正角側に十分に設定することができなくなり、切削抵抗の増大を招くおそれがある。また、逆にピン刃のコーナ角が適正であって、ウェブ刃のコーナ角(刃先角)が大きすぎる場合にも、ウェブ刃のラジアルレーキ角が負角側に大きくなりすぎて、やはり切削抵抗の増大を招くおそれがある。
なお、本実施形態では面取部15が円筒面状とされていて、ピン刃16Aとウェブ刃16Bがともに半径Rの凸円弧状をなすように形成されているが、これら凸円弧状のピン刃16Aとウェブ刃16Bとがなす半径は互いに異なる大きさとされていてもよく、すなわちピン刃16Aの半径がウェブ刃16Bの半径より大きかったり、逆にピン刃16Aの半径がウェブ刃16Bの半径より小さかったりしてもよい。また、これらピン刃16Aとウェブ刃16Bは厳密な凸円弧でなくても、例えば凸楕円弧状であってもよい。
1 カッタ本体
2A、2B ピン刃インサート取付座
3A、3B ウェブ刃インサート取付座
10 ピンミラーカッタ用インサート
11 平行四辺形面
13 すくい面
14 他の周面
15 面取部
16 コーナ刃
16A ピン刃
16B ウェブ刃
17 平面部
O カッタ本体1の軸線
T カッタ回転方向
A ピンミラーカッタ用インサート10の鋭角角部
B ピンミラーカッタ用インサート10の鈍角角部
R 面取部15がなす円筒の半径
C 面取部15がなす円筒の中心
2A、2B ピン刃インサート取付座
3A、3B ウェブ刃インサート取付座
10 ピンミラーカッタ用インサート
11 平行四辺形面
13 すくい面
14 他の周面
15 面取部
16 コーナ刃
16A ピン刃
16B ウェブ刃
17 平面部
O カッタ本体1の軸線
T カッタ回転方向
A ピンミラーカッタ用インサート10の鋭角角部
B ピンミラーカッタ用インサート10の鈍角角部
R 面取部15がなす円筒の半径
C 面取部15がなす円筒の中心
Claims (5)
- 外形が平行四辺形平板状をなしていて、その一対の平行四辺形面の周囲に配置される4つの周面のうち、互いに反対側に位置する一対の周面がすくい面とされるとともに、他の一対の周面と上記平行四辺形面との交差稜線部には断面凸円弧状の面取部が形成されて、この面取部が上記すくい面に交差することにより該すくい面のコーナ部には凸円弧状をなすコーナ刃が形成され、上記他の一対の周面には、上記面取部の間に、一対の上記すくい面間に亙って平面部が延在させられていることを特徴とするピンミラーカッタ用インサート。
- 上記平面部は、上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部から鈍角に交差する角部に向かうに従い漸次幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピンミラーカッタ用インサート。
- 上記面取部は円筒面状をなし、この円筒の中心線が、上記平面部に平行に上記すくい面に対向する方向から見て、上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部では、上記平面部と上記平行四辺形面とからそれぞれ上記円筒の半径だけ離れた点を通り、上記すくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する角部では、上記平行四辺形面からは上記円筒の半径だけ離れるとともに上記平面部からは該半径よりも短い距離だけ離れた点を通るように、この平面部に対して傾けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピンミラーカッタ用インサート。
- 上記すくい面と他の一対の周面とが鋭角に交差する角部に形成された上記コーナ刃は、該すくい面と上記平面部および平行四辺形面との交差稜線にそれぞれ滑らかに接する1/4凸円弧状のピン刃とされるとともに、上記すくい面と他の一対の周面とが鈍角に交差する角部に形成された上記コーナ刃は、該すくい面と上記平行四辺形面との交差稜線には滑らかに接する一方で、該すくい面と上記平面部との交差稜線にはその交点における接線が鈍角をなして交差する1/4未満の凸円弧状のウェブ刃とされることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピンミラーカッタ用インサート。
- 軸線回りに回転される円板状または円環状のカッタ本体の周面にピン刃インサート取付座が該カッタ本体の両側面側にそれぞれ形成されるとともに、このピン刃インサート取付座が形成された周面側の上記カッタ本体の両側面にはウェブ刃インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座に請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のピンミラーカッタ用インサートが着脱可能に取り付けられたピンミラーカッタであって、上記ピン刃インサート取付座において上記ピンミラーカッタ用インサートは、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに該すくい面と上記他の一対の周面とが鋭角に交差する角部を該ピン刃インサート取付座が形成された側の上記カッタ本体の側面に向けて、この鋭角の角部に形成された上記コーナ刃に正のアキシャルレーキ角が与えられるように取り付けられる一方、上記ウェブ刃インサート取付座において上記ピンミラーカッタ用インサートは、1つの上記すくい面をカッタ回転方向に向けるとともに該すくい面と上記他の一対の周面とが鈍角に交差する角部を上記ピン刃インサート取付座が形成された側の上記カッタ本体の周面に向けて、この鈍角の角部に形成された上記コーナ刃に負のラジアルレーキ角が与えられるように取り付けられることを特徴とするピンミラーカッタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008284129A JP2010110843A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | ピンミラーカッタ用インサートおよびピンミラーカッタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008284129A JP2010110843A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | ピンミラーカッタ用インサートおよびピンミラーカッタ |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008284129A Withdrawn JP2010110843A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | ピンミラーカッタ用インサートおよびピンミラーカッタ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010110843A (ja) |
-
2008
- 2008-11-05 JP JP2008284129A patent/JP2010110843A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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