以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。図1は携帯電話機の外観構成を示す図であり、同図(a)は、第2キャビネットが開放した状態の携帯電話機の正面図、同図(b)は同じ状態での側面図である。同図(c)は同図(b)のA−A´断面図である。
携帯電話機は、第1キャビネット1と第2キャビネット2を備えている。第1キャビネット1には、複数のキーからなるテンキー群11が配されている。テンキー群11の背後には、バックライト装置12(以下、「キーバックライト」という)が配されている。キーバックライト12は、光源となるLEDを備え、テンキー群11に光を供給する。これにより、ユーザは、周囲が暗くても各キーに付された表示を見ることができる。
第2キャビネット2の正面側には、縦長の矩形状を有する液晶パネル21が配されており、その表示面が正面に臨んでいる。液晶パネル21の背後には、バックライト装置22(以下、「パネルバックライト」という)が配されている。パネルバックライト22は、光源となるLEDを備え、液晶パネル21に光を供給する。第2キャビネット2の正面側には、さらに、液晶パネル21の下方位置に複数のキーからなるメインキー群23が配されており、液晶パネル21の上方位置にLED24が配されている。LED24は、電話や電子メールの着信があったときに、それを知らせる着信音とともに点灯される。
第2キャビネット2の内部には、カメラモジュール25が配されている。カメラモジュール25のレンズ窓(図示せず)は、第2キャビネット2の背面に臨んでおり、このレンズ窓から被写体の像がカメラモジュール25に取り込まれる。
第2キャビネット2は、スライド機構部3によって、第1キャビネット1に対し図1のX軸方向にスライド可能に連結されている。図1(c)に示すように、スライド機構3は、ガイド板31とガイド溝32によって構成されている。ガイド板31は、第2キャビネット2の背面の左右両端部に設けられており、その下端に突条31aを有する。ガイド溝32は、第1キャビネット1の側面に、スライド方向(図1のX軸方向)に沿って形成されている。ガイド板31の突条31aは、ガイド溝32に係合されている。
携帯電話機を閉じた状態では、図1(b)に一点鎖線で示すように、第2キャビネット2が第1キャビネット1の上に略完全に重なっている。この状態(閉じた状態)では、第2キャビネット2の背後にテンキー群11の全てのキーが隠れた状態となる。第2キャビネット2は、ガイド板31がガイド溝32の終端位置に達するまでスライドする(開いた状態とする)ことができる。第2キャビネット2が完全に開くと、図1(a)に示すように、テンキー群11の全てのキーが外部に露出する。
図2は、テンキー群11およびメインキー群23の構成を示す図である。同図(a)はテンキー群11の構成を示し、同図(b)はメインキー群23の構成を示す。
テンキー群11は、12個のテンキー11aと、発呼キー11bと、停止キー11cと、クリアキー11dによって構成されている。
テンキー11aは、数字、文字および記号を入力するためのキーである。たとえば、初期の機能モード(電話モード)において、テンキー11aが操作されると、数字や記号が入力される。また、メールモードにおいて、テンキー11aが操作されると、各入力モード(ひらがな入力モード、英数字入力モードなど)に応じて、ひらがなやアルファベットあるいは記号が入力される。このとき、1つのテンキー11aには、複数の文字や記号が割り当てられており、テンキーの押下回数に応じた文字や記号が入力される。
発呼キー11bは、通話を開始するときに操作されるキーであり、停止キー11cは、通話を終了するときに操作されるキーである。クリアキー11dは、入力した文字を削除するときなどに操作されるキーである。なお、発呼キー11bは、長押し操作(発呼操作より長い時間の押下)がなされることにより、後述するリマインド通知の予約を設定するためのキーとして機能する。
メインキー群23は、4個のモードキー23aと、移動キー23bと、決定キー23cによって構成されている。
モードキー23aは、各種の機能モード(カメラモード、メールモード、インターネットモード、電話帳モード)を起動するためキーである。また、移動キー23bは、画面をスクロールしたり、カーソル(ハイライトフォーカス)を移動させたりするためのキーであり、決定キー23cは、各種の決定動作を行うためのキーである。
図3は、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機は、上述した各構成要素の他、CPU100、映像エンコーダ101、マイク102、音声エンコーダ103、通信モジュール104、メモリ105、バックライト駆動回路106、映像デコーダ107、音声デコーダ108、スピーカ109、LED駆動回路110、振動装置111を備えている。
カメラモジュール25は、撮像レンズ25a、撮像素子25bなどから構成されている。撮像レンズ25aは、被写体の像を撮像素子25b上に結像させる。撮像素子25bは、例えばCCDからなり、取り込んだ画像に応じた撮像信号を生成し、映像エンコーダ101へ出力する。映像エンコーダ101は、撮像素子25bからの撮像信号を、CPU100が処理できるディジタルの撮像信号に変換してCPU100へ出力する。
マイク102は、音声信号を電気信号に変換して音声エンコーダ103へ出力する。音声エンコーダ103は、マイク102からの音声信号を、CPU100が処理できるディジタルの音声信号に変換してCPU100へ出力する。
通信モジュール104は、CPU100からの音声信号や画像信号、テキスト信号などを無線信号に変換し、アンテナ104aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ104aを介して受信した無線信号を音声信号や画像信号、テキスト信号などに変換してCPU100へ出力する。
メモリ105は、ROMおよびRAMを含む。メモリ105には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ105には、カメラモジュール25で撮影した画像データや通信モジュール104を介して外部から取り込んだ画像データ、テキストデータ(メールデータ)などが所定のファイル形式で保存される。
バックライト駆動回路106は、CPU100からの制御信号に応じた電圧信号をパネルバックライト22、キーバックライト12に供給する。
映像デコーダ107は、CPU100からの映像信号を液晶パネル21で表示できるアナログの映像信号に変換し、液晶パネル21に出力する。
音声デコーダ108は、CPU100からの音声信号をスピーカ109で出力できるアナログの音声信号に変換し、スピーカ109に出力する。スピーカ109は、音声デコーダ108からの音声信号を音声として再生する。
LED駆動回路110は、CPU100から出力される制御信号に従ってLED24を駆動する。振動装置111は、CPU100から出力される駆動信号に応じた振動パターンにて振動する。
CPU100は、カメラモジュール25、マイク102、テンキー群11、メインキー群23、など各部からの入力信号に基づいて、通信モジュール104、映像デコーダ107、音声デコーダ108などの各部に制御信号を出力することにより、種々の機能モードの処理を行う。
さて、本実施の形態の携帯電話機には、会議中など都合が悪いときに電話を受け、通話相手に後でかけ直す約束をした場合に、通話終了後にユーザが忘れずに相手に折り返しの電話ができるようにするため、折り返しの電話を促す通知(リマインド通知)をユーザに対して行うリマインド通知機能が備えられている。
ユーザは、通話中に設定操作、ここでは発呼キー11bを長押しすることにより、リマインド通知の予約を設定することができる。そして、この予約の設定に基づいて、通話終了後、所定の通知時刻にユーザに対してリマインド通知が行われる。
リマインド通知機能を果たすべく、CPU100は、通話中の設定操作に応じて、リマインド通知の予約を設定する処理を行う。また、リマインド通知の予約が設定されたことに基づいて、リマインド通知を実行する処理を行う。
図3には、便宜上、CPU100によって行われる処理のうち、リマインド通知の予約の設定およびその実行に関する処理部が、それぞれ、予約部100a、実行部100bとして図示されている。
図4は、リマインド通知の予約を設定する際の処理フローを示す図である。
予約部100a(CPU100)は、通話が開始されたと判定すると(S101:YES)、発呼キー11bが長押しされたか否かを判定する(S102)。
たとえば、ユーザは、会議中などに電話がかかってきた場合、一旦電話に出て用件を確認した後、そのまま通話を続けられないため、折り返し電話をする約束をすることになる。この場合、ユーザは、リマインド通知の予約を設定すべく発呼キー11bを長押しする。着信を受ける際に発呼キー11bが押されるため、通話中は親指等により発呼キー11bを押し易い状態にあることが多い。このため、リマインド通知の予約をするときにも円滑に発呼キー11bを押すことができる。
予約部100aは、発呼キー11bが長押しされたと判定すると(S102:YES)、予約の設定がなされているか否かを判定する(S103)。
ここでは、最初に予約設定が行われる段階であるため、予約部100aは、予約の設定がなされていないと判定し(S103:NO)、リマインド通知の予約を設定する(S104)。この予約の設定により、通話終了後にリマインド通知の通知時刻が設定される。ここでは、通知時刻は、通話の終了から予め決められた一定時間後(たとえば、30分後)の時刻とされる。具体的には、予約の設定を示すフラグがメモリ105に設定され、これにより、通話の終了から一定時間後、即ち設定された通知時刻にリマインド通知が行われる。
なお、このとき、予約部100aは、予約の設定に関連付けて、通話相手の電話番号をメモリ105に保存する。保存された電話番号は、後述するリマインド通知の際に利用される。
次に、予約部100aは、予約の設定が完了した旨の報知を行う(S105)。たとえば、スピーカ100から「リマインド通知が予約設定されました」等の音声を出力させる。この際、同時に、この音声を通話相手に伝えるようにしても良い。こうすると、後で電話する意思があることが相手に伝わるので、相手に安堵感を与えることができる。
かかる報知においては、音声とともに、あるいは音声に替えて、LED24を発光させるようにしても良いし、振動装置111を振動させるようにしても良い。
次に、予約部100aは、通話が終了したか否かを判定し(S106)、通話が終了していないと判定すると(S106:NO)、ステップS102の処理へ戻り、再び、発呼キー11bが長押しされたか否かを監視する。
さて、一旦予約したリマインド通知がその後の通話中に不要となる場合がある。たとえば、通話相手がユーザに頼みたかった用件を他の人に頼むことになり、相手への電話が不要となった場合などである。この場合、ユーザは、予約の設定を解除すべく発呼キー11bを長押しする。
この場合、予約部100aは、発呼キー11bが長押しされたと判定し(S102:YES)、さらに、予約設定されていると判定して(S103:NO)、予約設定の解除を行う(S107)。
その後、予約部100aは、予約の解除が完了した旨の報知を行う(S108)。たとえば、スピーカ109から「リマインド通知の予約が解除されました」等の音声を出力させる。なお、音声とともに、あるいは音声に替えて、LED24を発光させるようにしても良いし、振動装置111を振動させるようにしても良い。
ユーザは、通話中、必要に応じて発呼キー11bを操作することにより、予約の設定と解除とを繰り返し行うことができる。
こうして、予約部100aは、通話が終了したと判定すると(S106:YES)、今回の予約設定処理を終了する。
リマインド通知の予約が設定された場合、続いて、リマインド通知を実行する処理が行われる。
図5は、リマインド通知を実行する際の処理フローを示す図である。
実行部100b(CPU100)は、通話がなされていないかを判定する(S201)。そして、通話がなされていなければ(S201:YES)、次に、通知時刻になったか否かを判定する(S202)。
実行部100bは、通知時刻になったと判定すると(S202:YES)、折り返しの電話を促すためのリマインド通知画面を液晶パネル21に表示する。このとき、ユーザに通知を確実に知らしめるため、スピーカ109からアラーム音を出力させたり、LED24を発光させたり、振動装置111を振動させたりするようにしても良い。
図6は、リマインド通知画面の表示例を示す図である。同図(a)に、本実施の形態の表示例を示す。なお、同図(b)は、後述する変更例における表示例を示すものである。
リマインド通知画面には、「○○さんへTELしますか」という折り返し電話を促すメッセージが表示される。このとき、メモリ105内には、予めユーザに登録される電話帳情報(名前、メールアドレス、住所など)が記憶されており、実行部100bは、リマインド通知の予約を設定する際に取得した相手の電話番号に対応する電話帳情報(名前)をメモリ105から読み出す。これにより、「○○さん」という表示を行うことができる。なお、電話番号に対応する電話帳情報がない場合には、たとえば、「電話番号○○○○にTELしますか」と表示される。
また、リマインド通知画面には、通話終了から通知時刻までの経過時間(たとえば、「30分」が表示される。これにより、ユーザは、相手を待たせた時間を認識でき、電話をかけた際に、「大変お待たせしました」等の相応の挨拶を行うことができる。
さらに、リマインド通知画面には、相手へ発呼するか(「発呼」)、リマインド通知(相手への電話)を先延ばしするか(「5分先延ばし」)、リマインド通知を解除(今回の通知で終了)するか(「リマインド通知解除」)の選択肢が表示される。ユーザは、移動キー23bと決定キー23cとを用いて上記3つの選択肢の中から所望の項目を選択することができる。
図6の処理フローに戻り、上記のように、実行部100bは、上記3つの選択肢の何れの項目が選択されたか否かを判定する(S204、S207、S210)。
ユーザは、すぐに相手に電話をかける場合には、「発呼」の項目を選択する。実行部100bは、「発呼」の項目が選択されたと判定すると(204:YES)、予約の設定時に取得した電話番号を用いて自動発信を行い(S205)、その後、リマインド通知画面を閉じる(S206)。
ユーザは、まだ会議中である等の理由により電話をかけられない場合には、「5分先延ばし」の項目を選択する。実行部100bは、「5分先延ばし」の項目が選択されたと判定すると(S207:YES)、通知時刻を設定完了時から一定時間、この場合5分後の時刻に再設定し(S208)、その後、リマインド通知画面を閉じて(S209)、ステップS201の処理に戻る。こうして、実行部100bは、通話がなされていない状況で再設定した通知時刻になると(S201:YES→S202:YES)、再びリマインド通知画面を表示する(S203)。
ユーザは、折り返しの電話が必要でなくなった場合には、「リマインド通知解除」の項目を選択する。実行部100bは、「リマインド通知解除」の項目が選択されたと判定すると(210:YES)、予約の解除を行い(S211)、その後、リマインド通知画面を閉じる(S206)。
以上の通り、本実施の形態によれば、ユーザが、通話中、リマインド通知を予約する設定操作を行えば、通話終了後、所定の通知時刻にリマインド通知がなされる。これにより、ユーザは、忘れることなく相手に折り返しの電話を行うことができる。しかも、設定操作を、1つのキーの一回の操作(発呼キー11bの長押し)で行うことができ、ユーザは、極めて簡易に予約の設定することができる。
また、本実施の形態によれば、予約が設定、あるいは解除されると、その旨が報知されるので、ユーザは、予約が設定された、あるいは解除されたことを確実に知ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、先延ばしの操作をすることで、時間を置いて再度リマインド通知を行わせることができる。
さらに、本実施の形態によれば、リマインド通知画面上で発呼する旨の項目を選択するだけで、相手に電話をかけることができるので、発信操作を楽に行うことができる。
なお、上記実施の形態では、リマインド通知を予約するための設定操作および解除操作として、発呼キー11bの長押し操作を行うようにしているが、これに限らず、たとえば、決定キー23cなど他のキーの長押し操作を行う構成とすることができる。また、長押しではなく、規定時間内でのキーの連続押しにより予約が設定される構成とすることもできる。
さらに、設定操作および解除操作を一つのキーで行うのではなく、以下の変更例1のように、設定操作と解除操作を異なるキーを用いて行う構成とすることができる。
<変更例1>
図7は、変更例1に係るリマインド通知の予約を設定する際の処理フローを示す図である。
本変更例では、リマインド通知の設定操作を行うための予約キーと解除操作を行うための解除キーとが別々に備えられている。たとえば、発呼キー11bが予約キーとして割り当てられ、クリアキー11dが解除キーとして割り当てられる。
ユーザは、発呼キー11bを長押しすることにより予約の設定を行うことができ、また、クリアキー11cを長押しすることにより予約の解除を行うことができる。
図7に示す本変更例の処理フローでは、図4のステップS102およびS103の処理が、ステップS111およびS112の処理に置き換えられている。
図7を参照して、予約部100aは、通話が開始されたと判定すると(S101:YES)、発呼キー11bが長押しされたか否かを判定するとともに(S111)、クリアキー11dが長押しされたか否かを判定する(S112)。そして、発呼キー11bが長押しされたと判定すると、リマインド通知の予約を設定する(S104)。一方、予約部100aは、クリアキー11dが長押しされたと判定すると、リマインド通知の予約を解除する(S107)。なお、リマインド通知の予約が設定されている状態で、発呼キー11bが長押しされた場合には、その操作は無効とされる。また、リマインド通知の予約が設定されていない状態で、クリアキー11dが長押しされた場合にも、その操作は無効とされる。
<変更例2>
図8は、変更例2に係るリマインド通知の予約を設定する際の処理フローを示す図である。
上記実施の形態および変更例1では、リマインド通知を行う通知時刻は通話終了から一定時間後の時刻とされており、予約案件毎に個別に通知時刻を設定することができない。ユーザは、その時々の状況に応じて、所望の時刻にリマインド通知を行わせたい場合もある。
そこで、本変更例では、ユーザが、リマインド通知の予約を設定する際に、通知時刻を設定することができるよう構成されている。
図8の処理フローにおけるステップS121〜S127の処理は、図4および図7の何れの処理フローに対しても追加可能であり、これら処理は、図4および図7のステップS105とS106との間に挿入される。
図8を参照して、予約部100aは、予約の設定を行い、さらに予約の設定が完了したことを報知すると(S104、S105)、次に、報知してから所定の受付時間(たとえば、数十秒間)が経過する間に通知時刻の設定入力がなされたか否かを判定する(S121、S124)。
たとえば、通知時刻の設定入力は、テンキー11aを用いた数字による入力方式とすることができる。この場合、二桁の数字、たとえば「15」と入力されると、「通話終了から15分後の時刻」に時刻設定がなされ、三桁の数字、たとえば「120」と入力されると、「通話終了から120分後の時刻」に時刻設定がなされる。また、四桁の数字、たとえば、「0920」と入力されると、「9時20分」に時刻設定がなされる。
また、通知時刻の設定入力は、所定のキーを押下する毎に一定時間ずつ時間が加算されるような入力方式とすることもできる。たとえば、「*」のテンキー11aを押す毎に5分ずつ時間が加算されるような入力方式の場合、「*」のテンキー11aを3回押せば、「通話終了から15分後の時刻」に時刻設定がなされる。なお、この場合、キーを押す毎に、「5分」、「10分」・・・というように、加算された総時間が音声により報知されることが望ましい。
上記のようにして通知時刻の設定入力がなされることにより、予約部100aは、設定入力がなされたと判定すると(S121:YES)、設定入力に基づいて通知時刻を設定する(S122)。なお、通話終了からの待ち時間が入力された場合には、通話終了後に、この待ち時間に基づいて通知時刻が設定される。
次に、予約部100aは設定した通知時刻を報知する(S123)。たとえば、スピーカ109から「通知時刻を通話終了から○○分後に設定しました」、あるいは「通知時刻を○○時○○分に設定しました」との音声を出力させる。
予約部100aは、通知時刻を報知すると、受付時間をリセットして再び計時を開始する。そして、再び受付時間が経過したか否か判定する(S124)。ユーザは、受付時間が経過するまで設定入力をやり直すことができ、予約部100aは新たな設定入力がなされる度に(S121:YES)、通知時刻を更新設定して報知を行う(S122、S123)。
こうして、予約部100aは受付時間が経過したと判定すると(S124:YES)、通知時刻設定がなされていれば(S125:YES)、予約設定処理を終了する。
一方、予約部100aは、受付時間が経過したときに通知時刻の設定入力が何もなされていなければ(S125:NO)、デフォルトの時刻(たとえば、通話終了から30分後の時刻)を通知時刻として設定する。そして、設定した通知時刻を、ステップS123と同様、たとえば音声によって報知し(S127)、予約設定処理を終了する。
以上、本変更例の構成によれば、所望の時刻にリマインド通知を行うことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本変更例のように通知時刻の入力操作が付加されたとしても、ユーザは、一回のキー操作を行った後に時刻入力をするという一連の操作によってリマインド通知の予約を設定することができるので、簡易に予約の設定を行うことができる。
<変更例3>
図9(a)は、変更例3に係るリマインド通知の予約を設定する際の処理フローを示す図である。
本変更例では、通話中に予約の設定が解除されたときに、解除がなされたことをユーザが確認し、必要な場合に再び予約の設定が行える構成とされている。
図9(a)におけるステップS131〜S136の処理は、上記実施の形態(図4)および変更例1(図7)の何れの処理フローに対しても追加可能である。図9(a)には、図4または図7の処理フローにおけるステップS106の処理に続く処理フローが示されている。
図9(a)を参照して、予約部100aは、通話が終了したと判定すると(S106:YES)、通話中に予約の解除があったか否かを判定する(S131)。たとえば、予約の解除があった場合、予約部100aはメモリ105にその旨を示すフラグを設定し、このフラグの有無によってS131の判定を行う。そして、予約の解除があったと判定すると(S131:YES)、解除通知画面を液晶パネル21に表示する。このとき、解除通知画面が表示されたことをユーザに知らしめるため、スピーカ109からアラーム音を出力させたり、LED24を発光させたり、振動装置111を振動させたりするようにしても良い。
図10(a)は、本変更例における解除通知画面の表示例を示す図である。同図に示すように、解除通知画面には、「リマインド通知が解除されています」というメッセージが表示される。
また、解除通知画面には、再設定を行うか否かを問うメッセージとともに、「YES」、「NO」の選択項目が表示される。ユーザは、移動キー23bと決定キー23cとを用いて「YES」、「NO」の何れの項目を選択することができる。
図9(a)の処理フローに戻り、予約部100aは、「YES」、「NO」の何れの項目が選択されるかにより、再設定するか否かを判定する(S133)。そして、「YES」の項目が選択されることにより、再設定すると判定すると(S133:YES)、再び予約の設定を行い(S134)、予約の設定が完了した旨の報知を、上述のステップS105と同様、音声等により行う(S135)。その後、予約部100aは、解除通知画面を閉じて(S136)、予約設定処理を終了する。
なお、図9(a)のステップS131〜S136の処理は、図4および図7の処理フローに図8のステップS121〜S127の処理を追加した変更例2に対しても追加可能である。変更例2の構成では、ユーザが通知時刻の設定入力を行える構成を有しているため、予約案件毎に通知時刻が異なり得る。そこで、予約部100aは、通話中に予約が解除されても、ステップS133において予約の再設定を行わないと判定されるまで、通知時刻をメモリ105に保存しておく。そして、予約が再設定されれば、保存した通知時刻を再設定時の通知時刻として使用する。
ところで、変更例2の構成では、通話終了後に予約を再設定する際にも、再度、通知時刻の設定入力が行えることが望ましい。そこで、変更例2の構成とした場合には、図9(b)に示す処理フローを用いることもできる。図9(b)の処理フローでは、図9(a)の処理フローのステップS134〜S136の処理が、S141〜S145に置き換えられている。
図9(b)を参照して、予約部100aは、ステップS133において、予約の再設定をすると判定すると、再予約設定画面を液晶パネル21に表示する。すなわち、図10(b)の左側に示す解除通知画面において「YES」の項目が選択されると、右側に示す再予約設定画面が表示される。図示の如く、再予約設定画面には、通知時刻の設定入力を促すメッセージが表示されるとともに、複数の設定方法が表示される。ユーザは、解除前の通知時刻とするか、通話終了から何分後に通知するか、あるいは、通知時刻を直接入力するかを適宜選択して設定入力を行うことができる。
図9(b)に戻り、ユーザによって設定入力が完了すると、予約部100aは、ユーザの設定入力が完了したと判定し(S142:YES)、予約の設定行うとともに通知時刻の設定を行う(S143)。そして、予約の設定が完了した旨の報知を、上述のステップS105と同様、音声等により行う(S144)。その後、予約部100aは、再予約設定画面を閉じて(S145)、予約設定処理を終了する。
以上、本変更例の構成によれば、通話中に予約の解除が行われた場合、通話終了後に、ユーザは、予約の解除がなされていることを確認することができる。そして、やはりリマインド通知が必要と思いなおした場合には、再度、予約を設定することができる。
また、図9(b)の処理フローとすれば、予約を再設定する際に、ユーザ所望の通知時刻を設定することができる。
<変更例4>
図11は、変更例4に係るリマインド通知を実行する際の処理フローを示す図である。なお、図6(b)には、本変更例におけるリマインド通知画面と時刻設定入力画面の表示例が示されている。
上記実施の形態では、リマインド通知を先延ばしするための先延ばしの時間は、一定時間とされている。ユーザは、その時々の状況に応じて、所望の時間だけ先延ばししたい場合もある。
そこで、本変更例では、ユーザが、先延ばしの時間を設定することができるよう構成されている。
図11に示す本変更例の処理フローでは、図5のステップS208およびS209の処理が、ステップS221〜S224の処理に置き換えられている。
図11を参照して、実行部100bは、リマインド通知画面において、「先延ばし」の項目が選択されたと判定すると(S207:YES)、図6(b)に示すような、先延ばしの時間を設定するための時刻設定入力画面を表示する。
時刻入力設定画面には、先延ばしの時間の入力を促すメッセージとともに、時間入力領域が表示される。
このとき、時刻入力設定画面には、さらに、これまでの先延ばし回数と先延ばしによって生じた総時間が表示される。ユーザは、これらの表示を見ることによって、今までどれくらい先延ばしにしたかを把握することができ、たとえば、さらに先延ばしすべきかの判断を適正に行うことができる。
なお、先延ばし回数と先延ばしによって生じた総時間は、少なくともどちらか一方が表示されれば良いが、双方の表示が行われた場合には、相手へ電話をかけることの必要性をより円滑に確認できる等の効果が奏され得る。たとえば、ユーザは、早めに相手に電話をかける必要がある場合、図6(b)の時刻設定入力画面において先延ばし後の通知時刻を早めに設定する。この場合、やむを得ず先延ばしが繰り返されると、次に時刻設定入力画面が表示された際には、先延ばし総時間があまり長くなくても先延ばし回数が多くなる。ユーザは、この表示を見ることで、相手への電話を急がなければならないことをより効果的に認識できる。この効果は、先延ばし総時間が短いにも拘らず先延ばし回数が多いときに奏されるものである。このように、先延ばし回数と先延ばし総時間の両方が表示されると、どちらか一方が表示される場合では奏され得ない効果が惹起され、ユーザの利便性が高まる。
図11の処理フローに戻り、実行部100bは、ユーザによって先延ばしの時間が入力されることにより設定入力が完了したと判定すると(S222)、その時点に先延ばし時間を加算した時刻を通知時刻として再設定し(S223)、その後、リマインド通知画面を閉じて(S224)、ステップS201の処理に戻る。
以上、本変更例の構成によれば、所望の時刻に再度リマインド通知を行うことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
<その他>
本実施の形態は、さらに、種々の変更を行うことができる。
(1)上記実施の形態等では、図4等に示すS104で予約の設定が行われると、予約部100aが、通話終了時に、予め定められた一定時間やユーザにより入力された時間に基づいて通知時刻を設定するような構成とされている。この場合、実行部100bは、携帯電話機内部の時計回路における時刻と通知時刻とを比較してリマインド通知の要否を判定する。しかしながら、これに限らず、予約部100aは、通知時刻ではなく待ち時間を設定するような構成とされても良い。
この場合、実行部100bは、通話終了と同時にタイマーを起動し、タイマーによって計測された時間と設定された待ち時間とを比較してリマインド通知の要否を判定する。具体的には、図5等に示すステップS202の処理が、待ち時間が経過したか否かを判定する処理に置き換えられる。
同様に、上記実施の形態等では、実行部100bが、図5のステップS208の処理や図11のステップS223の処理において、入力された先延ばしの時間に基づいて通知時刻を設定するような構成とされているが、これについても、実行部100bは、通知時刻ではなく先延ばしの時間を直接設定するような構成とされても良い。
(2)上記実施の形態等では、リマインド通知の予約の設定操作および解除操作をキーを用いて行うようにしているが、これに限らず、他の方法による設定/解除操作がなされても良い。たとえば、以下の方法が挙げられる。
・液晶表示パネル21の前面にタッチパネルが配されている場合には、タッチパネルを所定回数だけタップすると予約の設定/解除が行われる。
・加速度センサが搭載されている場合には、携帯電話を強く振ると予約/解除の設定が行われる。この場合、予め決められた閾値より加速度が大きいときに予約の設定がなされる。キー入力の場合には、ユーザがどのキーか迷ってしまい誤操作しやすくなる惧れがあるが、このような方法とすれば、誤操作を低減することができる。
・近接センサが搭載されている場合には、顔を携帯電話機(近接センサ)に近づけたり離したりする動作を複数回行うと予約/解除の設定が行われる。
また、いくつかの設定/解除操作方法から、ユーザが所望のものを選ぶことができるようにしても良い。
(3)上記実施の形態では、通話中の設定操作によってリマインド通知の予約が設定される構成としているが、これに加えて、以下の少なくとも一つの条件下において、リマインド通知の予約が設定される構成としても良い。
・ユーザが電話をかけ、相手が電話に出なかったので自ら発呼を中止した場合
・ユーザが電話をかけ、相手の留守番電話の応答となった後に通話を終了した場合
・ユーザが電話をかけ、相手の伝言メモの応答となった後に通話を終了した場合
・ユーザが電話をかけ、予め決められた時間(短い時間)に満たない時点で通話を終了した場合
・ユーザが電話を受けたが、電話に出ることができず不在着信が設定された場合
・ユーザが電話を受けたが、「拒否」機能のキー操作を行い電話に出なかった場合
・ユーザが電話を受けたが、予め決められた時間(短い時間)に満たない時点で通話を終了した場合
(4)本実施の形態では、リマインド通知として、電話をかけることを促す通知を行っているが、この通知ではなく、あるいは、この通知とともに、電子メールを送ることを促す通知を行うようにしてもよい。ただし、この場合には、通話中の相手の電子メールアドレスが電話番号帳に登録されている必要がある。
(5)本実施の形態として携帯電話機を例示したが、本発明の携帯端末装置は、携帯電話機に限られず、PDA(Personal Digital Assistant)等とすることができる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。