JP2010109275A - プリント配線板用コイル状銅箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基板との接着性及びエッチング性の両方に優れ、ファインピッチ化に適したプリント配線板用コイル状銅箔を提供する。
【解決手段】コイル状銅箔基材と、該銅箔基材表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備えたプリント配線板用コイル状銅箔であって、
(1)該被覆層は銅箔基材表面から順に積層したNi層及びCr層で構成され、
(2)該被覆層にはCrが15〜210μg/dm2、Niが15〜440μg/dm2の被覆量で存在し、
(3)該被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚みが0.5〜5nmであり、最小厚みが最大厚みの80%以上であり、
(4)巻きジワが存在しない、
プリント配線板用コイル状銅箔。
【選択図】なし

Description

本発明はプリント配線板用のコイル状銅箔に関し、特にフレキシブルプリント配線板用のコイル状圧延銅箔に関する。
プリント配線板はここ半世紀に亘って大きな進展を遂げ、今日ではほぼすべての電子機器に使用されるまでに至っている。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。そのため、プリント配線板用の銅箔には絶縁基板との接着性やエッチング性が要求される。
絶縁基板との接着性を向上させるために粗化処理と呼ばれる銅箔表面に凹凸を形成する表面処理を施すことが一般に行われている。例えば電解銅箔のM面(粗面)に硫酸銅酸性めっき浴を用いて、樹枝状又は小球状に銅を多数電着せしめて微細な凹凸を形成し、投錨効果によって接着性を改善させる方法がある。粗化処理後には接着特性を更に向上させるためにクロメート処理やシランカップリング剤による処理等が一般的に行われている。
銅箔表面に錫、クロム、銅、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケル等の金属層又は合金層を形成する方法も知られている。
特開2000−340911号公報には、蒸着形成によりプリント配線板用銅箔表面に金属クロム層を形成することにより基材と銅箔との接着強度が改善されることが記載されている。
特開2007−207812号公報には、銅箔の表面にNi−Cr合金層を形成し、この合金層の表面に所定厚みの酸化物層を形成させることにより、銅層表面が平滑でアンカー効果が少ない状態においても樹脂基材との接着性が大幅に向上することが記載されている。そして、表面に厚み1〜100nmのNi−Cr合金層が蒸着形成され、該合金層の表面に厚み0.5〜6nmのCr酸化物層が形成され、かつ最表面の平均表面粗さRzJISが2.0μm以下である、プリント配線基板用銅箔が開示されている。
特開2006−222185号公報には、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔において、(1)Ni量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層、(2)Cr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層、(3)Cr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/Cr合金層、(4)Ni量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層の上に、Cr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層、(5)Ni量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層の上にCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/及びCr合金層を表面処理層として設けることによって、ポリイミド系樹脂層との間で高いピール強度を有し、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性の優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔が得られることが記載されている。上記のNi量やCr量から表面処理層の厚みを推定するとμmオーダーである。また、実施例では電気めっきを利用して表面処理層を設けたことが記載されている。
特開2000−340911号公報 特開2007−207812号公報 特開2006−222185号公報
粗化処理により接着性を向上させる方法ではファインライン形成には不利である。すなわち、ファインピッチ化により導体間隔が狭くなると、粗化処理部がエッチングによる回路形成後に絶縁基板に残留し、絶縁劣化を起こすおそれがある。これを防止するために粗化表面すべてをエッチングしようとすると長いエッチング時間を必要とし、所定の配線幅が維持できなくなる。
銅箔表面にNi層やNi−Cr合金層を設ける方法では、絶縁基板との接着性という基本特性において改善の余地が大きい。特許文献2には、Ni−Cr合金層を設けることで、銅箔の表面を平滑にしても樹脂基材との接着性が高くできる旨の記載があるが未だ改善の余地がある。
銅箔表面にCr層を設ける方法では、比較的高い接着性が得られる。しかしながら、Cr層はエッチング性に改善の余地がある。すなわち、Cr層はNi層よりも接着性が高いが、Crはエッチング性に劣るため、導体パターン形成のためのエッチング処理を行った後に、Crが絶縁基板面に残る「エッチング残り」が生じやすい。また、耐熱性が十分でなく、高温環境下に置かれた後に絶縁基板との接着性が有意に低下するという問題もある。このため、プリント配線板のファインピッチ化が進展していく状況下では、有望な手法とは言い難い。一方、クロメート層では接着性に改善の余地がある。
特許文献3に記載の、Ni量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層の上にCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/及びCr合金層を表面処理層として設けるという手法は、比較的高い接着性とエッチング性が得られるが、特性の改善の余地はやはり残っている。
更に、工業的生産の場面では表面処理された長尺のコイル状銅箔をリールトゥリール方式により連続的に生産できることが望ましい。
そこで、本発明は絶縁基板との接着性及びエッチング性の両方に優れ、ファインピッチ化に適したプリント配線板用コイル状銅箔を提供することを課題とする。また、本発明はそのようなプリント配線板用コイル状銅箔の製造方法を提供することを別の課題とする。
従来、被覆層を薄くすると接着強度が低下するということが一般的な理解であった。しかしながら、本発明者らは、鋭意検討の結果、スパッタリング法によって銅箔基材表面に順にNi層及びCr層をナノメートルオーダーの極薄の厚みで均一に設けた場合には、優れた絶縁基板との密着性が得られることを見出した。厚みを極薄にすることでエッチング性の低いCrの使用量が削減され、また、被覆層が均一であることからエッチング性に有利である。
また、銅箔表面にスパッタリングによる被覆層を設ける場合には、銅箔表面を予めクリーニングしておくことが密着性良好な被膜を得る上で効果的であると考えられる。デポアップ型などのスパッタリング装置を使用する場合、クリーニングは逆スパッタによって一般的に行われている。しかしながら、リールトゥリール方式により連続的に銅箔表面をスパッタ成膜する際にはロールコーターなどの連続成膜に適した装置が必要となり、この場合、構造的に逆スパッタが困難である。そこで、本発明者は工業生産に適したクリーニング法を検討したところ、イオンガンを用いて適度な強度でイオンを照射すれば、銅箔の変形が抑制でき、しかも密着性良好な被覆層が得られることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、
コイル状銅箔基材と、該銅箔基材表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備えたプリント配線板用コイル状銅箔であって、
(1)該被覆層は銅箔基材表面から順に積層したNi層及びCr層で構成され、
(2)該被覆層にはCrが15〜210μg/dm2、Niが15〜440μg/dm2の被覆量で存在し、
(3)該被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚みが0.5〜5nmであり、最小厚みが最大厚みの80%以上であり、
(4)巻きジワが存在しない、
プリント配線板用コイル状銅箔である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の一実施形態においては、銅箔基材とNi層の界面のO濃度が7〜15原子%である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の別の一実施形態においては、Crの被覆量が18〜100μg/dm2、Niの被覆量が20〜195μg/dm2である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の更に別の一実施形態においては、Crの被覆量が30〜150μg/dm2、Niの被覆量が40〜180μg/dm2である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の更に別の一実施形態においては、銅箔基材は圧延銅箔である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の更に別の一実施形態においては、プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔の更に別の一実施形態においては、ポリイミドワニスを乾燥体で25μmになるよう被覆層上に塗布し、空気下乾燥機で130℃30分でイミド化する工程と、更に窒素流量を10L/minに設定した高温加熱炉において350℃30分でイミド化する工程とを経てポリイミドフィルムを被覆層上に接着し、次いで、温度150℃で空気雰囲気下の高温環境下に168時間放置してからポリイミドフィルムを180°剥離法(JIS C 6471 8.1)に従って被覆層から剥離した後の被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚みが0.5〜5nmであり、最小厚みが最大厚みの70%以上である。
本発明は別の一側面において、リールトゥリール方式によりコイル状銅箔基材を搬送する途中で、当該銅箔基材表面にイオンガンを用いて0.5〜15mA・sec/cm2の処理強度でイオンを照射し、その後、スパッタリング法によって当該銅箔基材表面の少なくとも一部を厚さ0.2〜5.0nmのNi層及び厚さ0.2〜3.0nmのCr層で順に被覆することを含むプリント配線板用コイル状銅箔の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るコイル状銅箔を材料とした銅張積層板である。
本発明に係る銅張積層板の一実施形態においては、コイル状銅箔がポリイミドに接着している構造を有する。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅張積層板を材料としたプリント配線板である。
本発明によれば、絶縁基板との接着性及びエッチング性の両方に優れたプリント配線板用銅箔が得られる。
1.銅箔基材
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はないが、典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で用いることができる。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。本発明では工業的生産に適したコイル状の形態にある銅箔基材を使用する。コイル状の銅箔基材は、典型的には幅200〜1600mm、長さ100〜20000m程度の長尺の銅箔をコイル状に巻き取ったものであり、条とも呼ばれる形態である。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできる銅箔基材の厚さについても特に制限はなく、プリント配線板用に適した厚さに適宜調節すればよい。例えば、5〜100μm程度とすることができる。但し、ファインパターン形成を目的とする場合には30μm以下、好ましくは20μm以下であり、典型的には10〜20μm程度である。
本発明に使用する銅箔基材には粗化処理をしないのが好ましい。従来は特殊めっきで表面にμmオーダーの凹凸を付けて表面粗化処理を施し、物理的なアンカー効果によって樹脂との接着性を持たせるケースが一般的であった。しかしながら一方でファインピッチや高周波電気特性は平滑な箔が良いとされ、粗化箔では不利な方向に働くからである。また、粗化処理工程が省略されるので、経済性・生産性向上の効果もある。
2.被覆層
銅箔基材の表面の少なくとも一部はNi層及びCr層で順に被覆される。Ni層及びCr層は被覆層を構成する。被覆する箇所には特に制限は無いが、絶縁基板との接着が予定される箇所とするのが一般的である。被覆層の存在によって絶縁基板との接着性が向上する。一般に、銅箔と絶縁基板の間の接着力は高温環境下に置かれると低下する傾向にあるが、これは銅が表面に熱拡散し、絶縁基板と反応することにより引き起こされると考えられる。本発明では、予め銅の拡散防止に優れるNi層を銅箔基材の上に設けたことで、銅の熱拡散が防止できる。また、Ni層よりも絶縁基板との接着性に優れたCr層をNi層の上に設けることで更に絶縁基板との接着性を向上することができる。Cr層の厚さはNi層の存在のおかげで薄くできるので、エッチング性への悪影響を軽減することができる。なお、本発明でいう接着性とは常態での接着性の他、高温下に置かれた後の接着性(耐熱性)及び高湿度下に置かれた後の接着性(耐湿性)のことも指す。
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔においては、被覆層は極薄で厚さが均一である。このような構成にしたことで絶縁基板との接着性が向上した理由は明らかではないが、Ni被覆の上に最表面として樹脂との接着性に非常に優れているCr単層被膜を形成したことで、イミド化時の高温熱履歴後(約350℃にて数時間程度)も高接着性を有する単層被膜構造を保持しているためと推測される。また、被覆層を極薄にするとともにNiとCrの二層構造としてCrの使用量を減らしたことにより、エッチング性が向上したと考えられる。
具体的には、本発明に係る被覆層は以下の構成を有する。
(1)Cr、Ni被覆層の同定
本発明においては、銅箔素材の表面の少なくとも一部はNi層及びCr層の順に被覆される。これら被覆層の同定はXPS、若しくはAES等表面分析装置にて表層からアルゴンスパッタし、深さ方向の化学分析を行い、夫々の検出ピークの存在によってNi層及びCr層を同定することができる。また、夫々の検出ピークの位置から被覆された順番を確認することができる。
(2)付着量
一方、これらNi層及びCr層は非常に薄いため、XPS、AESでは正確な厚さの評価が困難である。そのため、本願発明においては、Ni層及びCr層の厚さは特許文献3と同様に単位面積当たりの被覆金属の重量で評価することとした。本発明に係る被覆層にはCrが15〜210μg/dm2、Niが15〜440μg/dm2の被覆量で存在する。Crが15μg/dm2未満だと十分なピール強度が得られず、Crが210μg/dm2を超えるとエッチング性が有意に低下する傾向にある。Niが15μg/dm2未満だと十分なピール強度が得られず、Niが440μg/dm2を超えるとエッチング性が有意に低下する傾向にある。Crの被覆量は好ましくは30〜150μg/dm2、より好ましくは50〜100μg/dm2であり、Niの被覆量は好ましくは20〜195μg/dm2、より好ましくは40〜180μg/dm2、典型的には40〜100μg/dm2である。
(3)透過型電子顕微鏡(TEM)による観察
本発明に係る被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察したとき、最大厚さは0.5nm〜5nm、好ましくは1〜4nmであり、最小厚さが最大厚さの80%以上、好ましくは85%以上で、非常にばらつきの少ない被覆層である。被覆層厚さが0.5nm未満だと耐熱試験、耐湿試験において、ピール強度の劣化が大きく、厚さが5nmを超えると、エッチング性が低下するためである。厚さの最小値が最大値の80%以上である場合、この被覆層の厚さは、非常に安定しており、耐熱試験後も殆ど変化がない。TEMによる観察では被覆層中のNi層及びCr層の明確な境界は見出しにくく、単層のように見える(図3参照)。本発明者の検討結果によればTEM観察で見出される被覆層はCrを主体とする層と考えられ、Ni層はその銅箔基材側に存在するとも考えられる。そこで、本発明においては、TEM観察した場合の被覆層の厚さは単層のように見える被覆層の厚さと定義する。ただし、観察箇所によっては被覆層の境界が不明瞭なところも存在し得るが、そのような箇所は厚みの測定箇所から除外する。本発明の構成により、Cuの拡散が抑制されるため、安定した厚さを有すると考えられる。本発明の銅箔は、ポリイミドフィルムと接着し、耐熱試験(温度150℃で空気雰囲気下の高温環境下に168時間放置)を経た後に樹脂を剥離した後においても、被覆層の厚さは殆ど変化なく、最大厚さが0.5〜5.0nmであり、最小厚さにおいても最大厚さの70%以上、好ましくは80%維持されることが可能である。
(4)界面のO濃度
本発明によれば、銅箔基材に被覆層を設ける前に銅箔基材の表面が予めクリーニングされているため、該表面に存在していた酸化物は適度に除去されている。これによって銅箔基材と被覆層との密着性が向上する。ただし、強力なクリーニングは、後述するように、巻きジワの原因となる。適度なクリーニングを行った後に被覆層を設けたコイル状銅箔では、銅箔基材とNi層の界面のO濃度が7〜15原子%の範囲にあり、好ましくは8〜10原子%の範囲にある。本発明に係るコイル状銅箔に対してXPSによるデプスプロファイルを作成した場合、O濃度は表面近傍で一度大きなピークを示した後になだらかに低下していく一峰性の曲線を描く。一方、クリーニングが不十分だと、O濃度は表面近傍で一度大きなピークを示した後、銅箔基材とNi層との界面付近で再度ピークを示す二峰性の曲線を描く。
銅箔基材とNi層との界面のO濃度は、XPSによるデプスプロファイルから測定することができる。XPSによるデプスプロファイルにおいて、Ni層と銅箔基材の界面に近づくにつれ、Niの濃度は低下し、Cuの濃度が増加していき、両者の濃度曲線が交わるので、この厚さ地点を界面とし,その近傍でのO濃度の値を界面のO濃度とすることができる。
(5)巻きジワの不存在
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔は、巻きジワが存在しないことも特徴点の一つである。巻きジワが存在しないとは、目視観察にて、長さ100mm以上のシワが一つも確認できない状態をいう。
3.本発明に係るコイル状銅箔の製法
本発明に係るプリント配線板用コイル状銅箔は、リールトゥリール方式によりコイル状銅箔基材を搬送する途中で、当該銅箔基材表面にイオンガンを用いて適度な強度でイオンを照射してクリーニングを行い、その後、スパッタリング法により被覆層を形成し、最後にコイル状に巻き取ることで製造するができる。スパッタリングの方法は連続的にスパッタを行える方法であれば特に制限はないが、ロールコーターが望ましい。
樹脂フィルムや比較的厚い金属板に対してロールコーターによりスパッタリングすることは従来も行われており、この場合、クリーニング方法としてイオンガンによるイオン照射が用いられている。樹脂フィルムに対しては、クリーニングというよりも表面を活性化するために反応性のガスをイオン化して照射及び反応させ、ごく弱い強度で用いられてきた。また、金属板に対しては表面のエッチングを目的に逆スパッタと同等の強い処理をするのが一般的であった。
しかし、コイル状の銅箔を生産する際には、金属板に対して行っていたような強力なクリーニングをかけると熱負荷によって軟化し、リールトゥリールによる搬送中に張力によって材料が変形し、銅箔に巻きジワが発生してしまう。一方、クリーニングが弱いと銅箔基材表面に酸化膜が残留した状態となるため、被覆層と絶縁基板との密着性が不十分となる。そこで、本発明のように銅箔をリールトゥリールにより工業的にスパッタ処理する場合には、高い密着性と巻きジワ防止を両立可能な強度でイオンを照射すべきである。
具体的には、0.5〜15mA・sec/cm2、好ましくは2〜10mA・sec/cm2の処理強度でイオンを照射する。イオンガンにはカウフマン型、エンドホール型、リニアイオンソース型などの種類があるが、強度が適切であれば種類は問わない。
イオンガンはイオンガン内部で、正または負の帯電イオンを発生させ、これに電圧をかけて加速させ、グリッドと呼ばれる照射口から試料に照射する装置である。照射方法としては、帯電イオンを線状に照射する方法と、面状に照射する方法があるが、生産性の点から、面状に照射する方法が好ましい。
イオンガンは、原理的には大気圧中でも使用可能であるが、一般的に、大気中の分子の存在によって帯電イオンの運動エネルギーが著しく減少してしまうため、真空中でイオンガンを使用することが好ましい。
イオンガンのイオン源として用いるガスは特に限定されないが、希ガス(例えば、Ar)、窒素系ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス、酸素系ガス(例えば、O2)などがある。中でも安価であり、スパッタリングにも使用できることからArが好ましい。
イオンガンによる銅箔表面のクリーニングが終了した後は、スパッタリング法によって銅箔基材表面の少なくとも一部を、厚さ0.2〜5.0nm、好ましくは0.25〜2.5nm、より好ましくは0.5〜2.0μmのNi層及び厚さ0.2〜3.0nm、好ましくは0.25〜2.0nm、より好ましくは0.5〜1.5μmのCr層で順に被覆する。電気めっきでこのような極薄の被膜を積層すると、厚さにばらつきが生じ、耐熱・耐湿試験後にピール強度が低下しやすい。
ここでいう厚さとは上述したXPSやTEMによって決定される厚さではなく、スパッタリングの成膜速度から導き出される厚さである。あるスパッタリング条件下での成膜速度は、1μm(1000nm)以上スパッタを行い、スパッタ時間とスパッタ厚さの関係から計測することができる。当該スパッタリング条件下での成膜速度が計測できたら、所望の厚さに応じてスパッタ時間を設定する。なおスパッタは、連続又はバッチ何れで行っても良く、被覆層を本発明で規定するような厚さで均一に積層することができる。スパッタリング法としては直流マグネトロンスパッタリング法が挙げられる。
4.プリント配線板の製造
本発明に係るコイル状銅箔を材料としてプリント配線板(PWB)を常法に従って製造することができる。以下に、プリント配線板の製造例を示す。
コイル状銅箔を巻き戻しながら適当な大きさに加工し、絶縁基板を貼り合わせて銅張積層板を製造する。コイル状銅箔を巻き戻しながらリールトゥリール方式により連続的に絶縁基板を貼り合わせて製造することもできる。銅箔が積層される絶縁基板はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等を使用する事ができる。
貼り合わせの方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意する。プリプレグと銅箔の被覆層を有する面を重ね合わせて加熱加圧させることにより行うことができる。
フレキシブルプリント配線板(FPC)用の場合、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムと銅箔の被覆層を有する面をエポキシ系やアクリル系の接着剤を使って接着することができる(3層構造)。また、接着剤を使用しない方法(2層構造)としては、ポリイミドの前駆体であるポリイミドワニス(ポリアミック酸ワニス)を銅箔の被覆層を有する面に塗布し、加熱することでイミド化するキャスティング法や、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に銅箔の被覆層を有する面を重ね合わせ、加熱加圧するラミネート法が挙げられる。キャスティング法においては、ポリイミドワニスを塗布する前に熱可塑性ポリイミド等のアンカーコート材を予め塗布しておくことも有効である。
本発明に係る銅箔の効果はキャスティング法を採用してFPCを製造したときに顕著に表れる。すなわち、接着剤を使用せずに銅箔と樹脂とを貼り合わせようとするときには銅箔の樹脂への接着性が特に要求されるが、本発明に係る銅箔は樹脂、とりわけポリイミドとの接着性に優れているので、キャスティング法による銅張積層板の製造に適しているといえる。
本発明に係る銅張積層板は各種のプリント配線板(PWB)に使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり、絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。
銅張積層板からプリント配線板を製造する工程は当業者に周知の方法を用いればよく、例えばエッチングレジストを銅張積層板の銅箔面に導体パターンとしての必要部分だけに塗布し、エッチング液を銅箔面に噴射することで不要銅箔を除去して導体パターンを形成し、次いでエッチングレジストを剥離・除去して導体パターンを露出することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
[I.密着性の評価]
例1
銅箔基材として、厚さ18μmの圧延銅箔(日鉱金属製C1100)を用意した。
この銅箔の片面に対して、以下の条件で逆スパッタにより3分間のクリーニングを行なった後、Ni層及びCr層を順に成膜した。被覆層の厚さは成膜時間を調整することにより変化させた。また、幾つかの例ではNi−Cr合金層を成膜した。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・ターゲット:
Ni層用=Ni(純度3N)
Cr層用=Cr(純度3N)
Ni−Cr合金層用=Ni:80質量%、Cr20質量%のNi−Cr合金(比較例No.9)
・逆スパッタ時のスパッタリング電力:RF100W
・成膜時のスパッタリング電力:DC50W
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。(Ni:2.73nm/min、Cr:2.82nm/min)
被覆層を設けた銅箔に対して、以下の手順により、ポリイミドフィルムを接着した。
(1)7cm×7cmの銅箔に対しアプリケーターを用い、宇部興産製Uワニス(ポリイミドワニス)を乾燥体で25μmになるよう塗布。
(2)(1)で得られた樹脂付き銅箔を空気下乾燥機で130℃30分でイミド化。
(3)窒素流量を10L/minに設定した高温加熱炉において、350℃30分でイミド化。
<付着量の測定>
50mm×50mmの銅箔表面の皮膜をHNO3(2重量%)とHCl(5重量%)を混合した溶液に溶解し、その溶液中の金属濃度をICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SFC−3100)にて定量し、単位面積当たりの金属量(μg/dm2)を算出した。
<XPSによる測定>
被覆層のデプスプロファイルを作成した際のXPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKα、X線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.3nm/min(SiO2換算)
<TEMによる測定>
被覆層をTEMによって観察したときのTEMの測定条件を以下に示す。表中に示した厚みは観察視野中に写っている被覆層全体の厚みを1視野について50nm間の厚みの最大値、最小値を測定し、任意に選択した3視野の最大値と最小値を求め、最大値、及び最大値に対する最小値の割合を百分率で求めた。また、表中、「耐熱試験後」のTEM観察結果とは、試験片の被覆層上に上記手順によりポリイミドフィルムを接着させた後、試験片を下記の高温環境下に置き、得られた試験片からポリイミドフィルムを180°剥離法(JIS C 6471 8.1)に従って剥離した後のTEM像である。図1に、TEMによるスパッタ直後の観察写真をNo.2の銅箔について例示的に示す。
・装置:TEM(日立製作所社、型式H9000NAR)
・加速電圧:300kV
・倍率:300000倍
・観察視野:60nm×60nm
<接着性評価>
上記のようにしてポリイミドを積層した銅箔について、ピール強度を積層直後(常態)、温度150℃で空気雰囲気下の高温環境下に168時間放置した後(耐熱性)、及び温度40℃°相対湿度95%空気雰囲気下の高湿環境下に96時間放置した後(耐湿性)の三つの条件で測定した。ピール強度は180°剥離法(JIS C 6471 8.1)に準拠して測定した。
<エッチング性評価>
上記のようにしてポリイミドを積層した銅箔について、所定のレジストを用いてラインアンドスペース20μm/20μmの回路パターンを形成し、次にエッチング液(アンモニア水、塩化第二銅2水和物、温度40℃)を用いてエッチング処理した。処理後の回路間の樹脂表面をEPMAで測定し、残留しているCr及びNiを分析し、以下の基準で評価した。
×:回路間全面にCr又はNiが観察された
△:回路間に部分的にCr又はNiが観察された
〇:回路間にCr又はNiが観察されなかった
測定条件及び測定結果を表1に示す。No.8はNiが電気めっきの例であるが、比較的層が厚いので、ある程度のピール強度は確保できた。
例2(比較)
例1で使用した銅箔基材の片面にスパッタ時間を変化させ、表2の厚さの被膜を形成した。また、No6、7においては、以下の条件でNi電気めっき及びクロメート処理を順に施した。この比較例は特開2006−222185号公報に教示された方法と比較するためのものである。
(1)Niめっき
・めっき浴:スルファミン酸ニッケル(Ni2+として110g/L)、H3BO3(40g/L)
・電流密度:1.0A/dm2
・浴温:55℃
・Ni量:95μg/dm2(厚み約1.1nm)
(2)クロメート処理
・めっき浴:CrO3(1g/L)、Zn(粉末0.4g)、Na3SO4(10g/L)
・電流密度:2.0A/dm2
・浴温:55℃
・Cr量:37μg/dm2(厚み約0.5nm)
被覆層を設けた銅箔に対して、例1と同様の手順により、ポリイミドフィルムを接着した。評価結果を表2に示す。比較例No.16はNo.8と同様にNiが電気めっきの例であるが、Ni層が薄く、厚みがばらつくため十分なピール強度が得られなかった。
No.14及び15については、厚さが不均一であることが観察された。
[II.イオンガンによる効果の評価]
例3
銅箔基材として、長さ300m、幅356mm、厚さ18μmのコイル状圧延銅箔(日鉱金属製C1100)を用意した。
このコイル状銅箔基材をリールトゥリール方式で搬送しながら、基材片面に対して前処理及びその後のスパッタ成膜を行なった。前処理条件及び成膜条件は表3に記載の通りとした。成膜には一般に市販されているロールコーターを使用した。
<イオンガン>
・装置:ION TECH社製 ION SOURCE
・カウフマン型
・発生イオン:Ar+
・カソード方式:フィラメント
・イオン照射範囲:200mm×400mm
イオンガンの処理強度は次のようにして測定した。プローブ(ION TECH社製,イオンガンに付属)により、銅箔表面に照射されるイオンビームの強度(mA/cm2)を測定した。強度と照射時間の積(mA・sec/cm2)をイオンガンの処理強度とした。ビームが材料に照射される時間はイオンガンの照射範囲(200mm)とラインスピードから算出した。
このようにして得られた被覆層付きのコイル状銅箔の形態について評価を行った。まず、銅箔基材とNi層の界面のO濃度を先に述べたXPS分析により分析した。図2はNo.33、図3はNo.24の分析結果である。O濃度曲線について、図2は二峰性であり、図3は一峰性であることが分かる。
また、巻きジワの有無をコイル状銅箔を巻き戻しながら確認し、巻きジワが確認できない場合を○、1カ所でも確認できた場合を×とした。
それぞれの結果を表3に示す。
更に、被覆層を設けたコイル状銅箔に対して、以下の手順により、ポリイミドフィルムを接着した。
(1)7cm×7cmの銅箔を切り出し、これに対しアプリケーターを用い、宇部興産製Uワニス(ポリイミドワニス)を乾燥体で25μmになるよう塗布。
(2)(1)で得られた樹脂付き銅箔を空気下乾燥機で130℃30分でイミド化。
(3)窒素流量を10L/minに設定した高温加熱炉において、350℃30分でイミド化。
上記のようにしてポリイミドを積層した銅箔について、先と同様の手順で密着性及びエッチング性の評価を行った。
それぞれの結果を表3に示す。
No.32〜38は比較例である。No.32はイオンガンの強度が高く、巻きジワが生じてしまった例である。No.33はイオンガンの強度が低く、界面のO濃度が高くなってピール強度が低下した例である。No.34はNi層が厚過ぎて、エッチング性が劣化した例である。No.35はCr層が厚過ぎて、エッチング性が劣化した例である。No.36はCrが薄すぎてピール強度が劣化した例である。No.37はNiが薄すぎて耐熱試験後のピール強度が低下してしまった例である。No.38はイオンガンの強度が高いが基材が厚いためシワにならなかった例である。
例1のNo.2の銅箔についてのTEM写真である。 例3のNo.33のコイル状銅箔についての濃度プロファイルである。 例3のNo.24のコイル状銅箔についての濃度プロファイルである。
符号の説明
1 TEM観察時の被覆層の厚み

Claims (11)

  1. コイル状銅箔基材と、該銅箔基材表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備えたプリント配線板用コイル状銅箔であって、
    (1)該被覆層は銅箔基材表面から順に積層したNi層及びCr層で構成され、
    (2)該被覆層にはCrが15〜210μg/dm2、Niが15〜440μg/dm2の被覆量で存在し、
    (3)該被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚みが0.5〜5nmであり、最小厚みが最大厚みの80%以上であり、
    (4)巻きジワが存在しない、
    プリント配線板用コイル状銅箔。
  2. 銅箔基材とNi層の界面のO濃度が7〜15原子%である請求項1記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  3. Crの被覆量が18〜100μg/dm2、Niの被覆量が20〜195μg/dm2である請求項1又は2記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  4. Crの被覆量が30〜150μg/dm2、Niの被覆量が40〜180μg/dm2である請求項1〜3何れか一項記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  5. 銅箔基材は圧延銅箔である請求項1〜4何れか一項記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  6. プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である請求項1〜5何れか一項記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  7. ポリイミドワニスを乾燥体で25μmになるよう被覆層上に塗布し、空気下乾燥機で130℃30分でイミド化する工程と、更に窒素流量を10L/minに設定した高温加熱炉において350℃30分でイミド化する工程とを経てポリイミドフィルムを被覆層上に接着し、次いで、温度150℃で空気雰囲気下の高温環境下に168時間放置してからポリイミドフィルムを180°剥離法(JIS C 6471 8.1)に従って被覆層から剥離した後の被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚みが0.5〜5nmであり、最小厚みが最大厚みの70%以上である請求項1〜6何れか一項記載のプリント配線板用コイル状銅箔。
  8. リールトゥリール方式によりコイル状銅箔基材を搬送する途中で、当該銅箔基材表面にイオンガンを用いて0.5〜15mA・sec/cm2の処理強度でイオンを照射し、その後、スパッタリング法によって当該銅箔基材表面の少なくとも一部を厚さ0.2〜5.0nmのNi層及び厚さ0.2〜3.0nmのCr層で順に被覆することを含むプリント配線板用コイル状銅箔の製造方法。
  9. 請求項1〜7何れか一項記載のコイル状銅箔を材料とした銅張積層板。
  10. 銅箔がポリイミドに接着している構造を有する請求項9記載の銅張積層板。
  11. 請求項9又は10記載の銅張積層板を材料としたプリント配線板。
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Cited By (4)

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