JP2010109156A - 半導体装置の検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】層厚の厚い窒化物半導体層を有している窒化物半導体装置、及びHEMTが作り込まれている窒化物半導体装置を検査する場合においても、欠陥を確実に励起させ、かつ欠陥に由来するイエロールミネッセンスを精度良く検出する。
【解決手段】サファイア基板15の表面に形成されたGaN(窒化物半導体層)17に対して、表面と対向する裏面側から、第1励起光47を、サファイア基板を透過させて照射する。そして、第1励起光47によって窒化物半導体層17に発生し、かつサファイア基板15の裏面から出射される、欠陥に基づくイエロールミネッセンス49の第1強度を検出することによって、第1強度から窒化物半導体層17の評価を行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置、特に窒化物半導体層を有する半導体装置の検査方法及び検査装置に関する。
周知の通り、窒化物半導体装置は、その物理的性質の優位性から、光デバイス分野や電子デバイス分野において盛んに研究が行われている。特に、電子デバイス分野において、窒化物半導体装置を用いたHEMT(High Electron Mobility Transistor)は、高温動作、高速スイッチング動作、大電力動作等の点において、優れた電子素子を実現する半導体装置として期待を集めている。
窒化物半導体装置において、半導体層として機能する窒化物半導体結晶は、飽和蒸気圧が高いことから、バルク単結晶としての育成が困難である。そのため、例えばSiC等の基板上にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法を用いて成膜が成される。より詳細には、まず基板上にバッファ層を形成し、このバッファ層をエピタキシャル成長させることによって、窒化物半導体結晶で構成された窒化物半導体層が形成される。
ここで、窒化物半導体装置の例えば逆耐圧等の諸特性は、窒化物半導体層の欠陥に依存する。この欠陥とは、例えば、上述したバッファ層を形成する際において、このバッファ層内に酸素等の不純物が取り込まれることによって発生する、いわゆる残留キャリアである。窒化物半導体層に欠陥が存在する場合、製造された窒化物半導体装置ではリーク電流が増加し、その結果、逆耐圧が低下するという問題を引き起こす。そのため、製造された窒化物半導体装置に対して、窒化物半導体層の欠陥の有無、または欠陥数の多少を評価するための検査を行う必要があった。
窒化物半導体装置を検査する方法として、励起光によって、欠陥部分の窒化物半導体結晶のイエローバンドが励起され、波長500〜650nm付近に発生する光、すなわちイエロールミネッセンスを利用して、窒化物半導体層を評価する方法が周知である(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。すなわち、この従来技術による検査方法では、窒化物半導体装置を検査する方法として、窒化物半導体層に対して、この窒化物半導体層の表面側から励起光を照射する。そして、この第1励起光によって発生し、かつ窒化物半導体層の表面から出射される、欠陥に基づくイエロールミネッセンスの強度を検出することによって、すなわちフォトルミネッセンス測定を行うことによって、窒化物半導体層の欠陥の有無、または欠陥数を検査する。
特開2005−85816号公報 第66回応用物理学会学術講演会 8a−W−3 (2005秋徳島大学)P1251
ところで、この発明に係る発明者が種々研究したところ、上述した欠陥、すなわち残留キャリアに起因する欠陥は、窒化物半導体層内において、窒化物半導体層と基板との界面付近に多く分布することが確認された(この詳細は、後述する第1の実施の形態において説明する)。従って、上述した従来技術による検査方法において、イエロールミネッセンスを利用して窒化物半導体装置を検査するためには、励起光を、窒化物半導体層の表面から、窒化物半導体層と基板との界面付近まで透過させて、欠陥を励起させる必要がある。
しかしながら、例えば非特許文献1に開示の検査方法では、365nmの波長の紫外光を励起光として用いている。そして、窒化物半導体層として用いられる例えばGaN結晶は、365nmの波長の紫外光に対して透過率が低い。より具体的には、365nmの波長の紫外光は、GaN結晶の表面から入射し、表面から2μmの深さまで透過した時点で、光強度が入射時の約1/10に低下する(この詳細は、後述する第1の実施の形態において説明する)。従って、例えば非特許文献1に開示の検査方法では、窒化物半導体層の層厚が厚く、すなわち例えば2μm以上の層厚で形成されている窒化物半導体装置を検査する場合、励起光が窒化物半導体層と基板との界面付近まで十分な光強度で透過しない。そのため、例えば非特許文献1に開示の検査方法では、欠陥を励起させることが困難である。
また、窒化物半導体装置にHEMTが作り込まれている場合には、基板の表面に、エネルギーバンドギャップの異なる2つの窒化物半導体層、すなわちチャネル層及びバリア層を順次積層し、これらの界面にヘテロ接合面を形成する。そして、HEMTでは、このヘテロ接合面におけるピエゾ分極または自発分極に基づいて、チャネル層内の、チャネル層及びバリア層間の界面付近に、高濃度のキャリアが発生する。
従って、例えば特許文献1及び非特許文献1に開示の検査方法では、上述したように、窒化物半導体層の表面側から励起光を照射し、窒化物半導体層と基板との界面付近に存在する欠陥を励起させる。そのため、例えば特許文献1及び非特許文献1に開示の検査方法では、照射した励起光によって、ピエゾ分極または自発分極に基づくキャリアも同時に励起される。そして、上述したように、例えば特許文献1及び非特許文献1に開示の検査方法では、欠陥から発光し、窒化物半導体層の表面側に出射されるイエロールミネッセンスを検出する。その結果、この欠陥に由来するイエロールミネッセンスに加えて、ピエゾ分極または自発分極に基づくキャリアに由来するイエロールミネッセンスを重複して検出してしまう恐れがある。従って、例えば特許文献1及び非特許文献1に開示の検査方法では、欠陥に由来するイエロールミネッセンスのみを、精度良く検出できない恐れがある。
そこで、この発明の目的は、層厚の厚い窒化物半導体層を有している窒化物半導体装置、及びHEMTが作り込まれている窒化物半導体装置を検査する場合においても、欠陥を確実に励起させ、かつ欠陥に由来するイエロールミネッセンスを精度良く検出することができる半導体装置の検査方法を提供することにある。
上述の目的の達成を図るため、この発明による半導体装置の検査方法は以下の特徴を有している。
すなわち、この発明による半導体装置の検査方法では、サファイア基板の表面に形成された窒化物半導体層に対して、表面と対向する裏面側から、第1励起光を、サファイア基板を透過させて照射する。そして、第1励起光によって窒化物半導体層に発生し、かつサファイア基板の裏面から出射される、欠陥に基づく光の第1強度を検出することによって、第1強度から窒化物半導体層の評価を行う。
この発明による半導体装置の検査装置は、以下の特徴を有している。
すなわち、この発明による半導体装置の検査装置は、サファイア基板の表面に形成された窒化物半導体層に対して、表面と対向する裏面側から、第1励起光を、サファイア基板を透過させて照射し、かつ表面側から窒化物半導体層に対して第2励起光を照射する、励起光照射部を具えている。また、この発明による半導体装置の検査装置は、第1励起光によって窒化物半導体層に発生し、かつサファイア基板の裏面から出射される、欠陥に基づく光の第1強度、及び第2励起光によって窒化物半導体層に発生し、かつこの窒化物半導体層の表面から出射される、欠陥に基づく光の第2強度を検出する、検出部を具えている。
この発明による半導体装置の検査方法によれば、窒化物半導体層に対して、励起光、すなわち第1励起光を、裏面側からサファイア基板を透過させて照射する。そのため、励起光を表面側から照射する従来技術による検査方法と比して、この発明による半導体装置の検査方法では、第1励起光が窒化物半導体層と基板との界面まで透過しやすい。従って、この発明による半導体装置の検査方法では、欠陥を確実に励起させることができる。
また、この発明による半導体装置の検査方法によれば、サファイア基板の裏面から出射される、すなわち窒化物半導体層の裏面から出射される、欠陥に基づく光、すなわちイエロールミネッセンスの第1強度を検出する。そのため、HEMTが作り込まれている窒化物半導体装置を検査する場合において、窒化物半導体層の表面から出射されるイエロールミネッセンスの強度を検出する、従来技術による検査方法とは異なり、ピエゾ分極または自発分極に基づくキャリアに由来するイエロールミネッセンスを重複して検出することがない。従って、この発明による半導体装置の検査方法では、欠陥に由来するイエロールミネッセンスを精度良く検出することができる。
また、この発明による半導体装置の検査装置は、サファイア基板の表面及び裏面の両方の側から励起光を照射する。従って、この発明による検査装置を用いて、半導体装置の検査を行うことによって、窒化物半導体層の、サファイア基板との界面付近、及び窒化物半導体層の表面付近の双方について、欠陥に関する評価を行うことができる。
以下、図面を参照して、この発明に係る半導体装置の検査方法について説明する。なお、各図は、この発明が理解できる程度に、各構成要素の形状、大きさ、及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明の構成は、何ら図示の構成例にのみ限定されるものではない。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態では、サファイア基板の表面に成膜された窒化物半導体層に対して、裏面側から、第1励起光を照射し、この第1励起光によって窒化物半導体層に発生し、かつサファイア基板の裏面から出射される、欠陥に基づく光の第1強度を検出する、半導体装置の検査方法について説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態を説明する概略図である。
第1の実施の形態による半導体装置の検査方法では、検査対象である試料11を、周知の検査装置13を用いて検査する。
試料11は、サファイア基板15と、このサファイア基板15の表面15aに形成されている窒化物半導体層とを含む積層体である。なお、この実施の形態では、試料11として、窒化物半導体層としてGaN層17が形成されている積層体を用いた場合を例に挙げて説明する。
検査装置13は、従来周知の検査装置であり、励起光照射部19と検出部21とを具えている。
励起光照射部19は、試料11が具える、窒化物半導体層としてのGaN層17に対して励起光を照射する。そのために、励起光照射部19は、例えば、試料11を載置するステージ23、光源25、狭帯域フィルタ27、ハーフミラー29、及び第1レンズ31を具えている。
光源25は、例えば周知のキセノンランプ等である。そして、光源25から出射された励起光は、狭帯域フィルタ27を透過することによって、GaN層17内に存在する欠陥を確実に励起させるための、所望の波長光である、第1励起光47となる。なお、この第1励起光47の波長の好適な値については、詳細に後述する。
また、この実施の形態における励起光照射部19では、ステージ23の載置面23aに対して垂直な方向に、ステージ23から、第1レンズ31及びハーフミラー29が所定間隔で順次設けられている。ハーフミラー29は、光源25から出射され、狭帯域フィルタ27を透過した第1励起光47の入射角が45°となる位置に配置されており、この第1励起光47を、第1レンズ31を経てステージ23に載置された試料に入射角90°で入射させる。
また、検出部21は、第2レンズ33、分光器35、及び検出器37を具えている。
第2レンズ33は、窒化物半導体層としてのGaN層17に発生する光を集光して、分光器35に入力する。そして、分光器35によって分光された波長毎の光強度が、検出器37によって検出される。
この第1の実施の形態では、検出された光強度のうち、波長500〜650nm付近における光、すなわちGaN層17内の欠陥に起因して発生する、イエロールミネッセンスの強度を以って、窒化物半導体層としてのGaN層17を評価する。
ここで、このような構成の検査装置13を用いて試料11を精度良く検査するために、この発明に係る発明者らは、まず、窒化物半導体層に存在する欠陥の層厚方向におけるプロファイリングを行った。
図2は、窒化物半導体装置のC−V(容量−電圧)特性からプロファイリングした、窒化物半導体層の表面からの深さとキャリア濃度との相関関係を示した図である。
図2において、曲線39は、サファイア基板、及びサファイア基板の上側表面に形成された窒化物半導体層から成る構造体を、被検査素子としてプロファイリングした結果である。なお、この被検査素子では、窒化物半導体層がサファイア基板の上側表面に形成された層厚1500nmのGaN層、及びAlGaN層の上側表面に形成された層厚33.1nmのAlGaN層の積層体である。
また、図2において、縦軸は、キャリア濃度をcm−3単位で目盛ってある。また、横軸は、窒化物半導体層の表面から基板に向かう層厚方向に沿った距離、すなわち深さをnm単位で目盛ってある。
このプロファイリングに用いた被検査素子では、GaN層及びAlGaN層間の界面において、上述したようにピエゾ分極または自発分極に基づいて高濃度のキャリアが発生している。そのため、図2の曲線39では、窒化物半導体層の表面付近において、キャリア濃度が高くなっている。そして、仮に窒化物半導体層に欠陥が存在しない場合には、キャリア濃度は、このGaN層及びAlGaN層間の界面から離間するにつれて、すなわち表面から深くなるにつれて小さくなる。しかしながら、この曲線39では、深さ1000nm付近から、キャリア濃度が上昇している。このキャリア濃度の上昇は、このプロファイリングに用いた被検査素子の、窒化物半導体層の表面から深さ1000nm付近以降に、欠陥が存在することを意味する。
さらに、SIMS(Secondary Ion−microcrobe Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)を用いて分析したところ、この深さ1000nm付近に存在する欠陥は、酸素であることが分かった。この酸素は、GaN層の形成時において、層内に取り込まれたものと推測される。
この結果から、窒化物半導体装置では、例えば酸素等に起因する欠陥が、窒化物半導体層のサファイア基板との界面付近に存在する恐れがあることが分かった。
次に、この発明に係る発明者らは、窒化物半導体層の種々の波長の光に対する透過率の測定を行った。
図3は、種々の波長の光に対するGaN層の透過率を示す図である。
図3において、縦軸は、透過率を%単位で目盛ってある。また、横軸は、GaN層の層厚をμm単位で目盛ってある。また、曲線41は、波長245nmの深紫外光を用いて測定を行った結果である。また、曲線43は、波長365nmの紫外光を用いて測定を行った結果である。
図3の結果から、波長245nmの深紫外光では、GaN層の層厚が約0.5nmで、透過率がほぼ0%となった。従って、波長245nmの深紫外光がGaN層の表面から入射した場合、深さ約0.5μmまで透過した時点で、光強度が0となる。
また、図3の結果から、波長365nmの紫外光では、GaN層の層厚が約2.0nmで、透過率が10%となった。従って、波長365nmの紫外光がGaN層の表面から入射した場合、深さ約2.0μmまで透過した時点で、光強度が1/10となる。
図2を参照して既に説明したように、窒化物半導体装置では、窒化物半導体層と基板との界面付近、すなわち窒化物半導体層の表面から1000nm付近に欠陥が存在する恐れがある。しかし、図3の結果から、深紫外光及び紫外光を窒化物半導体層の表面に照射する場合には、1000nmのGaN層を十分な強度で透過させることができない。従って、これら深紫外光及び紫外光では、窒化物半導体層の表面から1000nm付近に存在する欠陥を励起させることが困難である。
そこで、この第1の実施の形態では、サファイア基板15の表面15aに形成されたGaN層17に対して、表面と対向する裏面15b側から、第1励起光47を、サファイア基板15を透過させて照射する(図1参照)。
すなわち、検査装置13において、試料11を、第1励起光47がサファイア基板15の裏面15b側から試料11に入射されるように、ステージ23に載置する。そのために、試料11を、GaN層17の表面17aとステージ23の載置面23aとを密着させ、かつサファイア基板15の裏面15bをハーフミラー29と対向させて載置する。このように試料11を載置することによって、第1の実施の形態では、窒化物半導体層としてのGaN層17に対して、裏面15b側から第1励起光47を照射する。
また、第1の実施の形態では、第1励起光47がサファイア基板15を透過し、かつGaN層17内の欠陥を確実に励起させるために、第1励起光47を、波長270〜320nmの深紫外光または紫外光とするのが好ましい。サファイア基板15は、波長270〜320nmの光に対して、透過率約80%であるため、裏面15b側から入射した第1励起光47を、GaN層17に対して照射することが可能である。
また、第1の実施の形態では、裏面15b側から第1励起光47を照射し、サファイア基板15とGaN層17との界面45付近の欠陥を励起させるに当たり、例えば、界面45からGaN層17側に500nmの層厚範囲まで第1励起光を透過させるとする。ここで、図3から、500nmのGaN層では、波長270〜320nmの光に対して、少なくとも20〜30%の透過率を示す。従って、第1の実施の形態では、裏面15b側から波長270〜320nmの励起光を照射することによって、サファイア基板15とGaN層17との界面45付近の欠陥を確実に励起させることができる。
また、この第1の実施の形態では、第1励起光47が、サファイア基板15の表面15a、及びサファイア基板15とGaN層17との界面45において散乱するのを防止するために、サファイア基板15の表面15a及び裏面15bを研磨しておくのが好ましい。
また、既に説明したように、欠陥が励起されることによって発生する光、すなわち検出すべきイエロールミネッセンス49は、500〜650nmの波長域に検出される。そして、サファイア基板15は、500〜650nmの波長域の光に対して、透過率が約80%である。従って、第1の実施の形態では、イエロールミネッセンス49は、サファイア基板15を透過し、裏面15bからも出射される。そのため、第1の実施の形態では、このサファイア基板15の裏面15bから出射されたイエロールミネッセンスの強度、すなわち第1強度を検出することが可能である。なお、図1では、サファイア基板15の裏面15bから、この裏面15bに対して垂直方向に出射するイエロールミネッセンス49を、第2レンズ33で集光し、分光器35に入射させ、しかる後に検出器37で検出する構成例について示している。
また、この第1の実施の形態では、第1励起光47の波長を波長270〜320nmとするために、上述した狭帯域フィルタ27として、波長270〜320nmの光を透過させる狭帯域フィルタを使用する。その結果、光源25から出射された励起光は、狭帯域フィルタ27を経ることによって、波長270〜320nmの第1励起光47となる。
このように、第1の実施の形態による半導体装置の検査方法によれば、窒化物半導体層としてのGaN層17に対して、第1励起光47を、裏面15b側からサファイア基板15を透過させて照射する。そのため、第1の実施の形態による半導体装置の検査方法では、第1励起光47がGaN層17とサファイア基板15との界面45まで透過しやすい。従って、この発明による半導体装置の検査方法では、欠陥を確実に励起させることができる。
また、第1の実施の形態による半導体装置の検査方法によれば、GaN層17の裏面17b及びサファイア基板15の裏面15bから出射される、イエロールミネッセンス49の第1強度を検出する。そのため、GaN層17の表面17aに例えばAlGaN層を堆積して、HEMTを作り込んだ場合においても、上述したピエゾ分極または自発分極に基づくキャリアに由来するイエロールミネッセンスを重複して検出することがない。
従って、この第1の実施の形態の検査方法では、欠陥に由来するイエロールミネッセンス49の強度、すなわち第1強度を精度良く検出することができる。そのため、この第1強度から、窒化物半導体層の、サファイア基板15との界面45付近に存在する欠陥の数、または欠陥のサイズに関する評価を、正確に行うことができる。
ここで、発明者らは、第1の実施の形態による半導体装置の検査方法において、サファイア基板15の裏面15b側から第1励起光47を照射する点について、その有効性を確認するための実験を行った。
図4(A)及び(B)は、この実験に用いた2つの被検査素子、すなわち試料A及び試料Bの概略図である。
図4(A)に示す試料Aは、サファイア基板51の表面51aにGaN層55を形成して得られた構造体である。この試料Aを作成するに当たり、まず厚み330μmのサファイア基板51の表面51a及び裏面51bを研磨した。その後、表面51aに層厚50nmのGaN低温バッファ層を形成した。さらに、このGaN低温バッファ層から層厚1000nmのGaNエピタキシャル層を成長した。その結果、サファイア基板51の表面51a上に、1050nmの窒化物半導体層としてのGaN層55を具えている、試料Aを得た。ここで、上述したGaN低温バッファ層及びGaNエピタキシャル層から成るGaN層55は、TMG(Trimethylgallium:トリメチルガリウム)及びNHを主原料として、後者の前者に対するモル比を2500に、またTMGを88μmol/minで導入し、常圧雰囲気760Torrで成長した。この条件において、GaN低温バッファ層を475℃で形成し、その後、1070℃においてGaNエピタキシャル層を成長した。
また、図4(B)に示す試料Bは、試料Aと同様にサファイア基板53の表面53aにGaN層57を形成して得られた構造体である。そして、この試料Bでは、GaN層57を形成する際のTMGを、試料AにおけるGaN層55の形成時の1.2倍の導入量、すなわち105.6μmol/minで導入した。そして、その他の条件は、上述した試料Aと同様に設定して試料Bを作成した。
このような試料A及び試料Bについて、ともにGaN層55及び57の表面55a及び57a側と、サファイア基板51及び53の裏面51b及び53b側とからそれぞれ励起光を照射して、フォトルミネッセンス測定を行った。なお、GaN層55及び57の表面55a及び57a側から励起光を照射する場合には、GaN層55及び57の表面55a及び57a側から出射されるイエロールミネッセンスを検出した。また、裏面51b及び53b側から励起光を照射する場合には、裏面51b及び53b側から出射されるイエロールミネッセンスを検出した。さらに、この実験においては、GaN層55及び57の表面55a及び57a側から励起光を照射する場合には、裏面51b及び53b側から励起光を照射する場合と条件を等しくするために、GaN層55及び57の表面55a及び57aに、それぞれサファイア基板51及び53と同様のサファイア基板59及び61を載置して、測定を行った。
図5は、試料A及び試料Bについてフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。
図5において、縦軸は、光強度を目盛ってある。また、横軸は、波長をnm単位で目盛ってある。また、曲線63は、試料Aに対して、GaN層55の表面55a側から励起光を照射して測定した場合の結果である。また、曲線65は、試料Aに対して、サファイア基板51の裏面51b側から励起光を照射して測定した場合の結果である。曲線67は、試料Bに対して、GaN層57の表面57a側から励起光を照射して測定した場合の結果である。また、曲線69は、試料Bに対して、サファイア基板53の裏面53b側から励起光を照射して測定した場合の結果である。そして、これら各曲線63、65、67、及び69の波長500〜650nmにおける強度が、欠陥に由来する光、すなわちイエロールミネッセンスの強度を示している。
曲線63の結果から、試料Aについて、GaN層55の表面55a側から励起光を照射して測定した場合には、波長500〜650nmにおいて、イエロールミネッセンスの強いピーク63aが確認できる。これに対して、曲線67の結果から、試料Bについて、GaN層57の表面57a側から励起光を照射して測定した場合には、波長500〜650nmにおけるイエロールミネッセンスのピーク67aは、試料Aの曲線63と比して著しく弱いことが確認できる。
これら曲線63及び67の結果の差異は、試料A及び試料BにおけるGaN層55及び57形成時の、TMGの導入量の差に起因していると考えられる。すなわち、試料Bでは、GaN層57を形成する際に、試料AにおけるGaN層55の1.2倍の導入量でTMGを導入している。その結果、試料A及び試料Bの上層部、すなわちGaN低温バッファ層形成時と比して高温で成長された、GaNエピタキシャル層においては、このTMG導入量の差から、試料AのGaN層55と比して、試料BのGaN層57は、Gaの密度が高く、欠陥が少ないと推測される。
一方、曲線65及び69の結果から、サファイア基板51及び53の裏面51b及び53b側から励起光を照射して測定した場合には、試料A及び試料Bともに、波長500〜650nmにおいて、ほぼ同程度の強度のイエロールミネッセンスのピーク65a及び69aが確認できる。
この結果は、GaN層55及び57の下層部、すなわちサファイア基板51及び53との界面付近に存在する、GaN低温バッファ層において、試料A及び試料Bともに、同程度の欠陥が生じていることを示している。これは、上述した試料A及び試料BにおけるTMGの導入量の差が、GaN層55及び57の下層部、すなわちGaN低温バッファ層の密度には、大きく反映されていないためと考えられる。従って、多量のTMGを導入してGaN層を形成した場合においても、サファイア基板との界面付近では、欠陥の発生を完全に防止できない恐れがある。
以上の結果から、GaN層の表面側から励起光を照射して測定するのみでは、GaN層のサファイア基板との界面付近に存在する欠陥は、検出できないことが分かる。従って、この第1の実施の形態において説明したように、サファイア基板の裏面側から窒化物半導体層に対して励起光を照射し、フォトルミネッセンス測定を行うことによって、欠陥をより精度良く検出できるといえる。
また、第1の実施の形態では、窒化物半導体層の不良部、すなわち欠陥数が多い、または欠陥のサイズが大きい個所を特定するために、窒化物半導体層の全面に渡って、イエロールミネッセンスの光強度、すなわち上述した第1強度の検出を行うのが好ましい。
そのために、第1の実施の形態では、検査装置13のステージ23を移動させることによって、このステージ23に載置された試料11に対する、第1励起光47の入射位置を順次移動させる(図1参照)。そして、試料11の全面に渡って第1励起光47を入射し、これら各入射した位置における第1強度を検出する。
不良部の特定は、主に検査装置13に設けられた情報処理部71によって行われる。
情報処理部71は、情報受信部73、CPU75、入力部77、格納部79、出力部81、及びステージ駆動部83を具えている。
情報受信部73は、検出部21が検出した第1強度の情報を受信する。この情報受信部73によって受信された情報は、一旦、格納部79に格納される。
CPU75は、プログラムでソフトウェア処理を行うとき、種々の処理機能を達成する手段として機能する。図1の構成例におけるCPU75は、後述する制御部85及び抽出部87として機能する機能手段を含んでいる。
制御部85は、入力部77から入力された指令に基づいて、あるいは、CPU75の内部的に発生した指令に基づいて、他の諸機能手段の処理の実行の制御、出力部81に表示させる制御、及び各構成要素のタイミングをとる制御等を行うが、これらの点については従来周知であるため、その詳細な説明を省略する。
抽出部87は、試料11の全面における第1強度と、あらかじめ格納部79に基準値として設定されている1つまたは複数の光強度の閾値とを比較し、基準値以上の第1強度が検出された試料11の領域を不良部として抽出する、いわゆるマッピング処理を行う。このマッピング処理によって、GaN層17の欠陥位置及び無欠陥位置に関するデータである、マッピングデータを迅速かつ再現性良く取得することができる。なお、格納部79にあらかじめ設定しておく基準値は、半導体装置の動作特性を著しく損なう程度の、リーク電流の増加、または逆耐圧の低下を引き起こす欠陥数、または欠陥のサイズに対応して検出される、イエロールミネッセンスの強度であり、試料11の例えば構造や用途に応じて適宜設定するのが好ましい。
入力部77は、例えばキーボードやタッチパネル等の入力手段を具えており、処理の最中に外部から必要な指令を入力する装置である。
格納部79は、例えばRAMやROM等のメモリを具えており、この検査装置13を機能させるために必要な情報やデータ等があらかじめ読み出し自在に格納され、さらには、各処理の最中に生じる情報やデータ等を読み出し自在に書き込まれる記憶装置である。
出力部81は、情報受信部73や入力部77からの所要の情報やデータ等の他、CPU75で処理中に生成された所要の情報やデータ等を表示するための画像処理装置や印字装置を具えている。
ステージ駆動部83は、入力部77からの指令に基づいて、ステージ23を、試料11の載置面23aに対して平行な方向、及び載置面23aに対して垂直な方向に移動させる。
第1の実施の形態では、試料11が載置されたステージ23を移動させることによって、試料11に対する第1励起光47の入射位置、すなわちGaN層17に対する第1励起光47の入射位置が順次移動し、各位置の第1強度を取得する。このような走査処理を繰り返し、窒化物半導体層としてのGaN層17の全面を走査することによって、GaN層17の全面から第1強度を取得することができる。
そして、得られた各第1強度に基づいて、上述した基準値以上の値を検出したGaN層17の領域を不良部として抽出する、マッピング処理を行う。これによって得られた不良部としての第1強度の分布に関するデータ、すなわちマッピングデータを参照することによって、GaN層17における、欠陥に由来する不良部の位置を特定することができる。
〈第2の実施の形態〉
この第2の実施の形態による半導体装置の検査方法では、上述した第1の実施の形態の半導体装置の検査方法に加えて、さらに、サファイア基板の表面側、すなわち窒化物半導体層の表面側から励起光を照射し、イエロールミネッセンスの検出を行う。なお、この第2の実施の形態による半導体装置の検査方法が、上述した第1の実施の形態による半導体装置の検査方法と異なるのは、試料に対して、サファイア基板の表面側からの測定を追加して行う点である。その他の構成要素及び作用効果は、第1の実施の形態と同様であるので、共通する構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
図6は、この発明の第2の実施の形態を説明する概略図である。
第2の実施の形態による半導体装置の検査方法では、検査対象である試料11を、検査装置89を用いて検査する。
試料11は、上述した第1の実施の形態と同様であり、サファイア基板15と、このサファイア基板15の表面15aに形成されている窒化物半導体層17を含む積層体である。なお、この実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様の試料11、すなわち窒化物半導体層17としてGaN層17が形成されている積層体を、試料として用いた場合を例に挙げて説明する。
検査装置89は、第1の実施の形態において説明した検査基板13と同様に、励起光照射部91及び検出部21を具えている。なお、検出部21については、上述した検査基板13と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
励起光照射部91は、試料11が具える、窒化物半導体層としてのGaN層17に対して、サファイア基板15の裏面15b側から、第1励起光93を、また、サファイア基板15の表面15a側から、すなわちGaN層17の表面17a側から第2励起光95を照射する。
そのために、第2の実施の形態において、励起光照射部19は、例えば図6に示す構成例のように、試料11を載置するステージ97、光源99、狭帯域フィルタ101、ハーフミラー103、第1ミラー105a、第2ミラー105b、第3ミラー105c、第4ミラー105d、第5ミラー105e、及び第1レンズ107a及び107bを具えている。
光源99は、第1の実施の形態における光源25と同様に、例えば周知のキセノンランプ等である。そして、光源99から出射された励起光は、狭帯域フィルタ101を透過することによって、GaN層17内に存在する欠陥を確実に励起させるための、所望の波長光となる。
この第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様に、励起光がサファイア基板15を透過し、かつGaN層17内の欠陥を確実に励起させるために、励起光を、波長270〜320nmの深紫外光または紫外光とするのが好ましい。そのために、狭帯域フィルタ101として、波長270〜320nmの光を透過させる狭帯域フィルタを使用する。その結果、光源99から出射された励起光は、狭帯域フィルタ101を経ることによって、270〜320nmの波長光となる。
また、検査装置89は、GaN層17に対して、サファイア基板15の裏面15b側、及びGaN層17の表面17a側の両側から励起光を照射するために、狭帯域フィルタ101を透過した励起光の光路を、ハーフミラー103によって、2つに分岐する。ハーフミラー103は、ステージ97の載置面97aに対して垂直な方向であって、光源99とステージ97とを結ぶ光軸上に、配置されている。そして、狭帯域フィルタ101を透過した励起光が、入射角45°で入射するように配置されている。
このハーフミラー103に入射することによって、励起光は2つに分岐される。そして、分岐された一方の励起光が、サファイア基板15の裏面15b側からGaN層17を照射する第1励起光93となり、他方が、GaN層17の表面17a側からGaN層17を照射する第2励起光95となる。
図6の構成例では、ハーフミラー103に入射し、透過した一方の励起光は、サファイア基板15の裏面15b側からGaN層17を照射する第1励起光93となり、第1レンズ107aを経て、試料に対して、すなわちサファイア基板15の裏面15bに対して入射角90°で入射する。
また、ハーフミラー103に入射し、反射角45°で反射した他方の励起光は、GaN層17の表面17a側からGaN層17を照射する第2励起光95となり、それぞれ入射角45°に設定された第1ミラー105a、第2ミラー105b、及び第3ミラー105cによって順次45°の反射角で反射する。しかる後、第2励起光95は、第1レンズ107bを経て、試料11に対して、すなわちGaN層17の表面17aに対して入射角90°で入射する。
また、ステージ97は、試料11を載置する載置面97aに沿った平面形状が例えば矩形枠形状であり、この枠形状等の枠内において、載置面97aと対向する裏面97bから、試料11を露出させる。図6の構成例では、試料11を、GaN層17の表面17a側からステージ97の載置面97aに載置している。そのため、ステージ97の裏面97bから、GaN層17の表面17aが露出し、第1レンズ107bと対向している。このように、ステージ97を例えば矩形枠状とすることによって、ステージ97の裏面97b側から、試料11に対して励起光を照射することが可能となる。
第2の実施の形態による半導体装置の検査方法では、このような検査装置89を用いて、サファイア基板15の裏面15b側、及びGaN層17の表面17a側の両側からフォトルミネッセンス測定を行う。
すなわち、まず、上述した第1の実施の形態と同様に、GaN層17に対して、裏面15b側から、サファイア基板15を透過させて、第1励起光93を照射する。そして、第1励起光93によってGaN層17に発生し、かつ裏面15bから出射される、欠陥に基づく光、すなわちイエロールミネッセンス109aの第1強度を検出する。
図6の構成例では、サファイア基板15の裏面15bから、出射角45°で出射するイエロールミネッセンス109aを、入射角45°で配置された第4ミラー105dによって反射角45°で反射させる。そして、この第4ミラー105dによって反射したイエロールミネッセンス109aを、第2レンズ33で集光し、分光器35に入射させ、しかる後に検出器37において、第1強度を検出する。
また、この第2の実施の形態では、第1励起光93を用いて、第1強度を検出する際には、第2励起光95が試料11に入射するのを遮断する。そのために、例えば、第1レンズ107bと試料11との間を結ぶ第2励起光95の光軸上に、シャッタを挿入し、GaN層17の表面17a側から試料11に入射する、第2励起光95の光路を遮断する(図示せず)。
次に、GaN層17に対して、GaN層17の表面17a側から、第2励起光95を照射する。そして、第2励起光95によってGaN層17に発生し、かつGaN層17から出射される、欠陥に基づく光、すなわちイエロールミネッセンス109bの第2強度を検出する。
図6の構成例では、GaN層17の表面17aから、出射角45°で出射するイエロールミネッセンス109bを、入射角45°で配置された第5ミラー105eによって反射角45°で反射させる。そして、この第5ミラー105eによって反射したイエロールミネッセンス109bを、第2レンズ33で集光し、分光器35に入射させ、しかる後に検出器37において、第2強度を検出する。
また、この第2の実施の形態では、第2励起光95を用いて、第2強度を検出する際には、第1励起光93が試料11に入射するのを遮断する。そのために、例えば、第1レンズ107aと試料11との間を結ぶ第1励起光93の光軸上に、シャッタを挿入し、サファイア基板15の裏面15b側から試料11に入射する、第1励起光93の光路を遮断する(図示せず)。
なお、この第2の実施の形態による半導体装置の検査方法では、サファイア基板15の裏面15b側からの測定、及びGaN層17の表面17a側からの測定のいずれを先に行ってもよい。
このように、第2の実施の形態による半導体装置の検査方法によれば、サファイア基板15の裏面15b側、及びGaN層17の表面17a側の両側からフォトルミネッセンス測定を行うことによって、上述した第1強度及び第2強度を得ることができる。
第1の実施の形態において、既に説明したように、第1強度から、GaN層17の、サファイア基板15との界面45付近に存在する欠陥数、または欠陥のサイズを評価することができる。
さらに、第2の実施の形態では、第2励起光95によって励起されて発生する、イエロールミネッセンス109bの第2強度を検出する。既に説明したように、第2励起光95は、GaN層17に対して表面17a側から照射されるため、イエロールミネッセンス109bは、GaN層17の表面17a付近に存在する欠陥に由来して発生する。従って、第2の実施の形態では、この第2強度から、GaN層17の、表面17a付近に存在する欠陥の数またはサイズに関する評価を行うことができる。
このように、第2の実施の形態では、第1強度及び第2強度から、窒化物半導体層の、サファイア基板との界面付近、及び窒化物半導体層の表面付近について、欠陥に関する評価を行うことができる。そのため、上述した第1の実施の形態による半導体装置の検査方法の精度に加え、さらに良好な精度で窒化物半導体層の評価を行うことができる。
なお、この第2の実施の形態では、検査装置89を用いて、試料11から、第1強度及び第2強度を検出する構成について説明したが、例えば、第1の実施の形態において説明した、従来周知の検査装置13(図1参照)を用いて、試料11から第1強度及び第2強度を検出することも可能である。その場合には、試料11の、サファイア基板15の裏面15b側から第1強度を検出した後、または検出する前に、手動で、試料11を裏返して載置する。すなわち、サファイア基板15の裏面15bとステージ23の載置面23aとを密着させ、かつGaN層17の表面17aをハーフミラー29と対向させて載置する。これによって、励起光を、GaN層17に対して表面17a側から照射することができる。従って、GaN層17の表面17a付近に存在する、欠陥に由来する第2強度を検出することが可能である。
また、第2の実施の形態による半導体装置の検査方法では、上述した第1の実施の形態による半導体装置の検査方法と同様に、検査装置89が情報受信部73(図1参照)を具える構成としてもよい。そして、情報受信部73を用いて、窒化物半導体層の全面に渡って、第1強度及び第2強度を検出し、窒化物半導体層の不良部の特定を行うのが好ましい。なお、情報受信部73の構成、及び不良部を特定する方法については、上述した第1の実施の形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
この発明の第1の実施の形態を説明する概略図である。 窒化物半導体層の表面からの深さとキャリア濃度との相関関係を示した図である。 種々の波長の光に対するGaN層の透過率を示す図である。 (A)及び(B)は、この発明の第1の実施の形態に係る、実験に用いた2つの被検査素子、すなわち試料A及び試料Bの概略図である。 試料A及び試料Bについてフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。 この発明の第2の実施の形態を説明する概略図である。
符号の説明
11:試料
13、89:検査装置
15、51、53、59、61:サファイア基板
17、55、57:GaN層(窒化物半導体層)
19、91:励起光照射部
21:検出部
23、97:ステージ
25、99:光源
27、101:狭帯域フィルタ
29、103:ハーフミラー
31、107a、107b:第1レンズ
33:第2レンズ
35:分光器
37:検出器
45:界面
47、93:第1励起光
49、109a、109b:イエロールミネッセンス
71:情報処理部
73:情報受信部
75:CPU
77:入力部
79:格納部
81:出力部
83:ステージ駆動部
85:制御部
87:抽出部
95:第2励起光
105a:第1ミラー
105b:第2ミラー
105c:第3ミラー
105d:第4ミラー
105e:第5ミラー

Claims (7)

  1. サファイア基板の表面に形成された窒化物半導体層に対して、前記表面と対向する裏面側から、第1励起光を、前記サファイア基板を透過させて照射し、前記第1励起光によって前記窒化物半導体層に発生し、かつ前記裏面から出射される、欠陥に基づく光の第1強度を検出することによって、該第1強度から前記窒化物半導体層の評価を行う
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の検査方法において、
    前記第1励起光の波長を270〜320nmとする
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置の検査方法において、
    前記窒化物半導体層の全面に渡って前記検出を行い、前記第1強度の分布から、前記窒化物半導体層における前記欠陥に由来する不良部の位置を特定する
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の検査方法において、
    さらに、前記表面側から前記窒化物半導体層に対して第2励起光を照射し、該第2励起光によって前記窒化物半導体層に発生し、かつ前記窒化物半導体層の表面から出射される、前記欠陥に基づく光の第2強度を検出することによって、該第2強度から前記窒化物半導体層の評価を行う
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の検査方法において、
    前記第2励起光の波長を270〜320nmとする
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  6. サファイア基板の表面に形成された窒化物半導体層に対して、前記表面と対向する裏面側から、第1励起光を、前記サファイア基板を透過させて照射し、かつ前記表面側から前記窒化物半導体層に対して第2励起光を照射する、励起光照射部と、
    前記第1励起光によって前記窒化物半導体層に発生し、かつ前記裏面から出射される、欠陥に基づく光の第1強度、及び前記第2励起光によって前記窒化物半導体層に発生し、かつ前記窒化物半導体層の表面から出射される、前記欠陥に基づく光の第2強度を検出する、検出部と
    を具えることを特徴とする半導体装置の検査装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置の検査装置において、
    前記第1及び第2励起光の波長が270〜320nmである
    ことを特徴とする半導体装置の検査装置。
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