JP2010106188A - 炭化物の脱塩方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塩素含有量の少ない炭化物を製造できるようにする。
【解決手段】 廃棄物炭化処理装置1にて廃棄物2を炭化処理して得られる炭化物3を、湿式粉砕機11で粉砕処理して炭化物の粉砕物3aが水6に分散された炭化物スラリー10を形成する。次に、炭化物煮沸装置12にて、炭化物スラリー10を煮沸処理させることで、炭化物スラリー10中の炭化物粉砕物3aに塩の状態で含まれている塩素分を、炭化物スラリー10の水6に効率よく溶解させる。その後、煮沸処理した炭化物スラリー10は、脱水洗浄装置13にて脱水処理し、脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aを、清浄な洗浄水6aで更に洗浄することで、煮沸処理時に塩が効率よく溶解された炭化物スラリー10中の水6を分離除去して、塩素含有率が大幅に低下された炭化物粉砕物3aを、炭化物3cの製品として回収させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物を低酸素雰囲気下で加熱し、炭化処理して燃料等として利用可能な炭化物を製造するための廃棄物炭化処理設備にて、製造される炭化物中の塩素分を低減させるために用いる炭化物の脱塩方法及び装置に関するものである。
近年、家庭ごみ等の一般廃棄物、産業廃棄物、バイオマス(再生可能な生物由来の有機性資源)からなる廃棄物等の可燃成分を含む廃棄物を、資源として有効利用する取り組みが世界的に行われている。
この手法の1つとして、廃棄物を低酸素雰囲気下で加熱することにより熱分解、炭化処理させて、可燃性の熱分解ガスと、熱分解残渣としての炭化物(チャー)及び灰分を発生させ、上記熱分解ガスを所要の燃焼炉で燃焼させた後、排ガス処理を施してから大気へ放出させるようにし、一方、熱分解残渣は、選別、粉砕をして、燃料等として利用可能な炭化物として回収するようにした廃棄物の熱分解、炭化処理システムが実用化されてきている。
ところが、上記炭化物を製造するための原料とする廃棄物に、塩素含有プラスチック等の塩素を含有した廃棄物が含まれていると、廃棄物を炭化処理して形成させる炭化物中に炭化処理過程でガス化されなかった塩素分が残存するようになる。
そのため、この種の塩素分が残存した炭化物を、発電用やその他各種の燃焼炉(焼却炉)に燃料として供給して燃焼させると、燃焼の際に塩素ガスが発生し、この塩素ガスに炉壁や排ガス流路の金属内壁が曝され腐食が生じる。よって、上記廃棄物の炭化処理により形成される炭化物については、該炭化物中に含まれる塩素分を除去することが求められる。
上記廃棄物の炭化物中に含まれる塩素分を除去するための手法としては、該炭化物中に含まれる塩素分の大部分がNaClやCaCl等の無機塩となっており、水に溶解させることができることに着目して、廃棄物炭化物を水で洗浄する手法が、従来提案されてきている。
具体的には、たとえば、図7に示す如く、廃棄物2を低酸素雰囲気下で加熱することで、炭化処理して熱分解ガスと熱分解残差としての炭化物3を発生させると共に、廃棄物炭化物を熱分解ガス(図示せず)と分離して取り出すことができるようにしてある廃棄物炭化処理装置1より取り出される廃棄物の炭化物3を、先ず、金属分離装置4へ導いて該炭化物3中に含まれている金属片(図示せず)を分離除去し、次に、該金属片が除去された炭化物3を、水6と共に粉砕機5に装入して湿式粉砕することで、含水した状態の炭化物粉砕物3aとし、次いで、上記炭化物粉砕物3aを洗浄水槽(脱塩水槽)7に投入して洗浄水6aにより洗浄し、その後、上記洗浄水6aを含む炭化物粉砕物3aを脱水装置8で脱水することで水に溶解させた塩素分を洗浄排水6bと共に除去して脱塩し、しかる後、上記脱塩後の炭化物粉砕物3aを乾燥装置9で乾燥させることで、製品としての炭化物(粉砕物)3bを得ることができるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
又、廃棄物中の可燃成分を燃料として有効利用するために提案されている別の手法としては、都市ごみ等の廃棄物(一般廃棄物)を原料として破砕、選別、圧縮成型等の工程を経てごみ固形化燃料(Refuse Derived Fuel:以下、RDFという)を製造し、該RDF
を発電用やその他各種の燃焼炉(焼却炉)にて燃料として利用するものがある。
しかし、上記RDFの製造原料としている廃棄物に塩化ビニル等の塩素含有プラスチックが含まれている場合は、該RDFの燃焼時に塩化水素ガスやダイオキシン類が発生する虞があるため、排ガス処理装置にその対策が必要とされること等の問題が懸念されていた。
そのために、上記RDFを低酸素雰囲気下で加熱することで炭化処理して、炭化物を生成させ、次に、該炭化物を60〜90℃の温水により洗浄して、上記炭化処理過程でガス化されずに大部分が無機塩の状態で上記炭化物中に残存する塩素分を除去することで、脱塩素化率の高いクリーンな炭化物を得ることができるようにすることが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−95993号公報 特開平11−189778号公報
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に記載された従来の手法によれば、廃棄物やRDFを炭化処理して生成される廃棄物由来の炭化物中に残存する塩素分をある程度まで低減させることはできるが、炭化物を燃料等として使用する使用先の使用条件や使用環境によっては、より厳密に塩素分が除去された炭化物が求められることがある。
そこで、本発明者等は、廃棄物を炭化処理して製造する廃棄物の炭化物等の塩素分を含んだ炭化物中の塩素をより効果的に除去できるようにするための工夫、研究を重ねた結果、塩素分を含んだ炭化物をスラリー化した状態で所要の水の存在下にて煮沸することで、脱塩素化効率を高めることができること、更に、塩素分を含んだ炭化物をスラリー化した状態にて所要の水の存在下で加圧することでも脱塩素化効率を高めることができることを見出して本発明をなした。
したがって、本発明の目的とするところは、炭化物中に残存する塩素分をより効率よく除去できて、塩素含有量の少ない製品としての炭化物を製造できるようにするための炭化物の脱塩方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、しかる後、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにする炭化物の脱塩方法とする。
又、請求項2に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにする炭化物の脱塩方法とする。
更に、請求項3に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、しかる後、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにする炭化物の脱塩方法とする。
更に又、請求項4に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにする炭化物の脱塩方法とする。
上記各構成において、煮沸処理に供する炭化物スラリー中の炭化物粉砕物の含有量が、重量比で10〜50%となるようにする。
又、上述の各構成において、水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、有機物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする。
同様に、上述の各構成において、水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする。
請求項8に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収する脱水装置を備えてなる構成を有する炭化物の脱塩装置とする。
又、請求項9に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを脱水処理する脱水装置と、該脱水装置による脱水処理で得られる炭化物粉砕物を洗浄水により洗浄する洗浄装置を備えてなる構成を有する炭化物の脱塩装置とする。
更に、請求項10に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理するための加圧脱塩装置と、該加圧脱塩装置にて加圧処理された炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収する脱水装置を備えてなる構成を有する炭化物の脱塩装置とする。
更に又、請求項11に対応して、炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理するための加圧脱塩装置と、該加圧脱塩装置にて加圧処理された炭化物スラリーを脱水処理する脱水装置と、該脱水装置による脱水処理で得られる炭化物粉砕物を洗浄水により洗浄する洗浄装置を備えてなる構成を有する炭化物の脱塩装置とする。
上記炭化物の脱塩装置の各構成における湿式粉砕機を、炭化物粉砕物の含有量が重量比で10〜50%となる炭化物スラリーを形成して炭化物煮沸装置へ供給できる機能を有するものとした構成とする。
上述の炭化物の脱塩装置の各構成において、湿式粉砕機の上流側に、炭化処理装置を設けて、該炭化処理装置にて有機物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした構成とする。
同様に、上述の炭化物の脱塩装置の各構成において、湿式粉砕機の上流側に、廃棄物炭化処理装置を設けて、該廃棄物炭化処理装置にて廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした構成とする。
本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、しかる後、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにする炭化物の脱塩方法及び装置としてあるので、炭化物を所要量の水の存在下で湿式粉砕することで形成する炭化物粉砕物と水とからなる炭化物スラリーを煮沸処理することで、炭化物粉砕物に含まれている塩素分としての塩を、該炭化物スラリー中の水に効率よく溶解させることができる。したがって、この炭化物スラリー中の水を脱水処理することで、上記煮沸処理に伴って効率よく塩を溶解させた水を炭化物粉砕物より分離除去することができるため、最終的に回収される炭化物粉砕物の脱塩素化効率を高めることができる。よって、塩素含有量の少ない炭化物の製品を製造することが可能になり、これを塩素含有量の少ない燃料として用いることができることから、燃料の塩素含有量に対する要求が厳しい各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに有利なものとすることができる。
(2)炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにする方法及び装置とすることにより、上記(1)と同様に炭化物スラリーを煮沸処理した後、脱水処理することで効率よく塩を溶解させた炭化物スラリー中の水を分離除去してなる炭化物粉砕物に付着している水分を、洗浄水で置き換えることができるため、上記炭化物粉砕物の付着水に含まれていた塩も除去することができて、最終的に回収される炭素粉砕物の脱塩素化効率をより向上させることができる。よって、塩素含有量がより少ない炭化物の製品を製造することが可能になることから、燃料中の塩素含有量に対する要求が厳しい各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのにより有利なものとすることができる。
(3)炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、しかる後、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにする方法及び装置とすることにより、上記(1)と同様の煮沸処理が施されることで、炭化物粉砕物に含まれている塩素分としての塩を該炭化物スラリー中の水に効率よく溶解させた状態の炭化物スラリーに対し、加圧処理を行なうことで、該炭化物粉砕物に残存している塩素分としての塩を、該炭化物スラリー中の水に更に効率よく溶解させることができるようになるため、最終的に回収される炭化物粉砕物の脱塩素化効率を更に高めることができる。よって、塩素含有量が更に少ない炭化物の製品を製造することが可能になることから、燃料中の塩素含有量に対する要求が厳しい各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに更に有利なものとすることができる。
(4)炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにする方法及び装置とすることにより、上記(3)と同様に炭化物スラリーを煮沸処理、加圧処理した後、脱水処理することで効率よく塩を溶解させた炭化物スラリー中の水を分離除去してなる炭化物粉砕物に付着している水分を、洗浄水で置き換えることができるため、上記炭化物粉砕物の付着水に含まれていた塩も除去することができて、最終的に回収される炭素粉砕物の脱塩素化効率の更なる向上化を図ることが可能になる。よって、塩素含有量が更に低減された炭化物の製品を製造することが可能になることから、燃料中の塩素含有量に対する要求が厳しい各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに更に好適なものとすることができる。
(5)煮沸処理に供する炭化物スラリー中の炭化物粉砕物の含有量が、重量比で10〜50%となるようにする方法、及び、湿式粉砕機を、炭化物粉砕物の含有量が重量比で10〜50%となる炭化物スラリーを形成して炭化物煮沸装置へ供給できる機能を有するものとした構成を有する装置とすることにより、炭化物スラリーのハンドリング性が低下する虞を未然に防止し、又、炭化物煮沸装置で炭化物スラリーを煮沸処理する際の熱効率が悪化する虞を未然に防止すると共に、該煮沸処理の際に炭化物スラリー内に対流による熱伝達を良好に行わせるようにし、更に、炭化物スラリーより脱水される水の量が多大になる虞を未然に防止するために有利な構成とすることができる。
(6)水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、有機物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする方法、及び、湿式粉砕機の上流側に、炭化処理装置を設けて、該炭化処理装置にて有機物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした構成を有する装置とすることにより、塩素分を含んだ有機物より各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用可能な塩素含有量の低い炭化物の製品を製造することができる。
(7)水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする方法、及び、湿式粉砕機の上流側に、廃棄物炭化処理装置を設けて、該廃棄物炭化処理装置にて廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした構成を有する装置とすることにより、廃棄物に塩化ビニル等の塩素含有プラスチックが含まれている場合であっても、各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用可能な塩素含有量の低い炭化物の製品を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の炭化物の脱塩方法及び装置の実施の一形態として、廃棄物の炭化物の脱塩に適用する場合を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、上記本発明の炭化物の脱塩方法の実施に用いる装置は、図1に示す如く、図7に示した廃棄物炭化処理装置1と同様に、廃棄物2を低酸素雰囲気下で加熱、炭化処理して、発生する炭化物3を熱分解ガス(図示せず)と分離して回収できるようにしてある廃棄物炭化処理装置1を備える。更に、上記廃棄物炭化処理装置1より上記炭化物3を取り出す炭化物取出口の下流側に、上記廃棄物の炭化物3を所要量の水6の存在下で湿式粉砕処理すると共に、炭化物粉砕物3aを水6に分散させてなる炭化物スラリー10を形成させることができるようにしてある湿式粉砕機11と、該湿式粉砕機11にて形成される炭化物スラリー10を受けて煮沸処理するための炭化物煮沸装置12と、上記炭化物煮沸装置12より煮沸処理後に取り出される炭化物スラリー10を脱水処理する脱水装置及び該脱水処理により上記炭化物スラリー10中の水6が分離された脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aを清浄な洗浄水6aにより洗浄する洗浄装置を兼ねる脱水洗浄装置13とを順に備えてなる構成とする。
詳述すると、上記廃棄物炭化処理装置1は、廃棄物2を低酸素雰囲気下で加熱して熱分解ガス(図示せず)と炭化物3に熱分解させた後、炭化物3を上記熱分解ガスと分離した状態で回収できるようにしてあれば、たとえば、内外筒間に加熱流路を設けた二重筒構造の回転式キルン炉本体を備えて、内筒内に装入される原料としての廃棄物(RDFを含む)2を、上記加熱流路を流通させる高温ガスを加熱源として内筒の周壁を伝熱面として間接加熱することで、上記廃棄物2を炭化処理する熱分解キルン形式、あるいは、所要の炉に装入される原料としての廃棄物(RDFを含む)2を、上記炉への燃焼用空気供給量を制限することで部分燃焼させ、この廃棄物2の部分燃焼により酸素が消費されて低酸素雰囲気となる炉内にて、上記廃棄物2の部分燃焼により発生する燃焼熱を加熱源として残りの廃棄物2を加熱して炭化処理する部分燃焼形式等、加熱方式は間接加熱又は直接加熱のいずれの方式であってもよく、又、炉の構造は、キルン式以外にも、竪軸撹拌式、スクリュー式、揺動式、流動床式、ストーカ式等、任意の形式の廃棄物炭化処理装置1を採用してよい。
上記湿式粉砕機11は、上記廃棄物炭化処理装置1より回収される炭化物3に対し、所要量の水6を添加した状態で上記炭化物3を所要の粒径まで粉砕処理できるようにしてある。これにより、上記廃棄物炭化処理装置1より取り出された状態ではポーラス状となっていて水6に浮き易く、且つ表面が疎水性となっている炭化物3を、粉砕すると同時に水6と混合することで、上記炭化物3の粉砕により形成される炭化物粉砕物3aを水6になじませて、水中に炭化物粉砕物3aが後述する所要の重量比で均一に分散された炭化物スラリー10を形成できるようにしてある。
なお、上記のように所要量の水6の存在下で廃棄物の炭化物3を湿式粉砕して上記炭化物スラリー10を形成することができるようにしてあれば、粉砕機の形式としては、ロッドミルやボールミル、その他任意の形式の湿式粉砕機11を採用してよい。
上記炭化物煮沸装置12は、図2に示す如く、上記湿式粉砕機11で形成される炭化物スラリー10を受けて一時貯留するための煮沸容器(煮沸槽)14と、該煮沸容器14の所要個所に取り付けた加熱装置15とを備えてなる構成として、上記煮沸容器14内に受けた炭化物スラリー10を、上記加熱装置15により加熱することで、該炭化物スラリー10を沸騰させると共に、炭化物スラリー10の沸騰状態を所要時間保持できるようにしてある。これにより、上記炭化物スラリー10に含まれている上記炭化物粉砕物3aが、炭化物スラリー10に含まれている水6の中で煮沸処理されるようにしてある。
上記炭化物スラリー10の沸点は、該炭化物スラリー10中の炭化物粉砕物3aの濃度や、炭化物スラリー10中に含まれている水6に溶解した溶質の種類や量等に応じて多少変化する。このことに鑑みて、上記炭化物煮沸装置12は、煮沸容器14内の煮沸処理対象となる炭化物スラリー10を、その沸点に対応した温度まで加熱装置15で加熱して、該炭化物スラリー10の煮沸処理を行うことができるようにしてあるものとする。なお、上記炭化物煮沸装置12にて上記炭化物スラリー10の煮沸処理を連続的に行う場合は、煮沸容器14内にて煮沸処理中の炭化物スラリー10に対して新たな炭化物スラリー10の供給を行うと、該煮沸容器14内の炭化物スラリー10が、部分的や一時的に温度低下して、たとえば、94℃程度まで温度が下がることがあるが、この場合であっても、上記加熱装置15による加熱で上記部分的、一時的に温度低下した炭化物スラリー10が沸点に対応した温度まで比較的速やかに加熱されるようにして、炭化物スラリー10全体として所要時間沸騰状態が保持されるようにすれば、炭化物粉砕物3aに含まれている塩素分としての塩を、後述するような該炭化物スラリー10中の水6に効率よく溶解させることができるという煮沸処理の効果を、良好に維持できることが確認されている。
なお、上記炭化物煮沸装置12にて、煮沸容器14に設ける上記加熱装置15としては、電気ヒータ、あるいは、上記廃棄物炭化処理装置1における廃棄物2の熱分解によって発生する熱分解ガス(図示せず)の燃焼により発生させる高温の燃焼排ガスや、廃棄物2の炭化処理を行う施設より排出される高温の排熱を備えた加熱媒体を流通させて上記煮沸容器14内の炭化物スラリー10と熱交換させることができるようにしてある伝熱管や加熱用ジャケット等、任意の形式の加熱装置15を採用してよい。したがって、図2では上記煮沸容器14における側面と下面側に加熱装置15を設けた構成を示してあるが、該加熱装置15の形式により上記煮沸装置14に対する取付位置は、適宜変更してよい。
又、上記煮沸容器14に、上記炭化物スラリー10の煮沸処理時に発生する蒸気を処理するための図示しない機器を装備してもよい。更に、上記煮沸容器14に図示しない撹拌装置を装備して、該煮沸容器14内に貯留された状態で加熱装置15により加熱して沸騰させる上記炭化物スラリー10を、上記図示しない撹拌装置で強制的に撹拌できるようにしてもよい。
上記脱水洗浄装置13は、先ず、上記炭化物煮沸装置12より取り出されて放熱された炭化物スラリー10を脱水処理することで、該炭化物スラリー10中の水6を炭化物粉砕物3aより分離して除去し、次いで、脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aを、清浄な洗浄水6aで更に洗浄して、上記脱水ケーキとなっている炭化物粉砕物3aに付着している水分を上記洗浄水6aと置換させることができるようにしてある。これにより、上記脱水洗浄装置13より、脱水、洗浄された炭化物粉砕物3aを、炭化物3cの製品として回収できるようにしてある。
更に、上記脱水洗浄装置13より回収される上記製品としての炭化物3cを乾燥させて回収する必要がある場合は、図1に示すように、上記脱水洗浄装置13の下流側に、上記炭化物3cの乾燥処理を行なうための乾燥装置9を設ける構成としてもよい。
なお、図示してないが、廃棄物炭化処理装置1より取り出される廃棄物の炭化物3より金属片を回収する必要がある場合は、上記廃棄物炭化処理装置1と湿式粉砕機11との間に、図7に示した金属分離装置4と同様の金属分離装置を設けるようにすればよい。
その他の構成は図7に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本発明の炭化物の脱塩装置を用いて廃棄物の炭化物の脱塩処理を行なう場合は、先ず、上記廃棄物炭化処理装置1より回収される廃棄物の炭化物3を、上記湿式粉砕機11に供給すると共に、該湿式粉砕機11に所要量の水6を供給して、上記炭化物3の重量と水6の重量の和に対する炭化物3の重量比が10〜50%、より好ましくは10〜30%となるようにした状態で、上記湿式粉砕機11による炭化物3の粉砕処理を行なう。この際、上記炭化物3の粉砕物3aの粒径がおよそ20μm以下、より好ましくは、粒径がおよそ10μm以下となるように粉砕する。これにより、炭化物粉砕物3aが重量比で10〜50%、より好ましくは10〜30%で水中にほぼ均一に分散された炭化物スラリー10が形成される。
なお、上記湿式粉砕機11における粉砕処理にて、形成される炭化物粉砕物3aの粒径がおよそ20μm以下となるようにしたのは、炭化物粉砕物3aの粒径が20μmを超えるサイズの場合は、該炭化物粉砕物3aの単位重量当りの比表面積をあまり拡大できないため、上記廃棄物の炭化物3に含まれていた塩の水との接触機会をあまり高めることができなくなる虞が生じると共に、炭化物粉砕物3aの内部に残存しているポーラス構造によって保持される空気量が多くなることで、炭化物粉砕物3aに浮力が生じ易くなってしまい、該炭化物粉砕物3aが水中に均一に分散された炭化物スラリー10の形成が難しくなる虞が生じるためである。
又、上記炭化物スラリー10における炭化物粉砕物3aの含有量を重量比で10〜50%としたのは、炭化物スラリー10中における炭化物粉砕物3aの含有量が10%よりも低いと、次の工程で炭化物煮沸装置12を用いて加熱、沸騰させる対象となる炭化物スラリー10の量が多大になるため、熱効率の面で好ましくなく、更に、その後の工程で脱水洗浄装置13を用いて炭化物粉砕物3aを脱水ケーキとして回収する際に分離される塩を含んだ水6の量が多くなるため、排水処理の面であまり好ましくないためである。
一方、上記炭化物スラリー10中における炭化物粉砕物3aの含有量が高ければ高いほど、後の工程で脱水洗浄装置13を用いて炭化物粉砕物3aを脱水ケーキとして回収する際に分離される塩を含んだ水6の量が少なくなるため、排水処理の面では有利に作用するが、炭化物スラリー10中における炭化物粉砕物3aの含有量が50%を超えると、流動性が低下するため、ハンドリング性が低下すると共に、次の工程で炭化物煮沸装置12にて炭化物スラリー10を加熱、沸騰させる際に、炭化物スラリー10内に対流による熱伝達を良好に行わせることが難しくなるため、炭化物スラリー10全体を均等に沸騰状態とさせることが難しくなるためである。
上記のようにして湿式粉砕機11にて炭化物スラリー10を形成させた後は、該炭化物スラリー10を、上記炭化物煮沸装置12へ供給して、煮沸容器14に一旦貯留させ、この状態で加熱装置15により上記煮沸容器14内の炭化物スラリー10を加熱して沸騰させる。これにより、上記炭化物スラリー10に含まれている炭化物粉砕物3aは、水中で煮沸されるようになるため、該炭化物粉砕物3aに含まれていた塩素分としての塩が、上記沸騰している炭化物スラリー10の水6に効率よく溶解される。
ここで、本発明者等が実施した上記炭化物粉砕物3aの煮沸処理を行った場合と、行わなかった場合の脱塩効果の違いについて比較した実験データを、表1及び表2に示す。
なお、表1における実験例1A〜5Aは、いずれも炭化物粉砕物3aと所要量の水6とからなる炭化物スラリー10を、1時間沸騰状態に保持することで該炭化物スラリー10に含まれる炭化物粉砕物3aの煮沸処理を実施し、その後、煮沸処理された後の炭化物スラリー10を脱水処理することで炭化物粉砕物3aを回収し、該回収された炭化物粉砕物3a中に残存している塩素濃度を測定したものである。
又、表2における実験例1B〜5Bは、上記実験例1A〜5Aとして煮沸処理後に脱水して回収されたそれぞれの炭化物粉砕物3aについて、更に清浄な洗浄水6aによる洗浄を行った後に回収して、残存している塩素濃度を測定したものである。
表1及び表2における比較例は、上記各実験例に用いたと同様の炭化物スラリー10を、そのまま清浄な洗浄水によって単に洗浄した後に回収される炭化物粉砕物3a中に残存している塩素濃度を測定したものである。
Figure 2010106188
Figure 2010106188
上記表1における各実験例1A〜5Aと、比較例のそれぞれの炭化物粉砕物3a中に残存している塩素濃度の測定結果の比較より明らかなように、上記炭化物粉砕物3aの水による洗浄処理では、塩素濃度を5600mg/kg程度(0.56%程度)までしか低減させることができないのに対し、上記炭化物粉砕物3aを煮沸処理することで、炭化物粉砕物3aに含まれている塩素分としての塩を、該炭化物スラリー10中の水6に効率よく溶解させて、脱水により除去される水6と一緒に除去することができて、塩素濃度を1800〜1900mg/kg(0.18〜0.19%)まで低減させることができることが明らかである。
更に、表2における各実験例1B〜5Bの炭化物粉砕物3a中に残存している塩素濃度の測定結果の比較より明らかなように、上記煮沸処理によって塩素濃度が低減された炭化物粉砕物3aを、更に洗浄水6aで洗浄することにより、上記炭化物粉砕物3aに含まれている塩を、更に除去することができて、塩素濃度を1300〜1400mg/kg(0.13〜0.14%)まで低減させることができることが明らかである。
なお、図示してないが、本発明者等が、上記各実験例1B〜5Bの煮沸処理後に洗浄水6aによる洗浄を行なってなる炭化物粉砕物3a中に残存する塩素濃度の測定結果を、炭化物の粉砕物を90℃の温水により洗浄処理した場合に炭化物粉砕物3a中に残存する塩素濃度の測定結果と比較したところ、炭化物粉砕物3aの煮沸処理を行なうことで、炭化物粉砕物3aを90℃の温水を用いて洗浄処理する場合に比して、塩素濃度の低減効率(脱塩素化効率)を、有意差をもって高めることができるという知見が得られている。
以上の点に鑑みて、本発明の炭化物の脱塩方法では、上記炭化物煮沸装置12にて炭化物スラリー10を所要時間沸騰させて煮沸処理を実施した後は、該煮沸処理後の炭化物スラリー10を、上記脱水洗浄装置13へ送り、該脱水洗浄装置13にて、炭化物スラリー10を脱水処理して炭化物粉砕物3aを脱水ケーキとして一旦脱水する。これにより、上記炭化物煮沸装置12における炭化物スラリー10の煮沸処理によって炭化物粉砕物3a中に含まれていた塩が効率よく溶解された炭化物スラリー10中の水6が分離されるため、上記炭化物粉砕物3aより塩素分が除去される。その後、上記脱水洗浄装置13にて、上記脱水ケーキとして一旦回収された炭化物粉砕物3aを清浄な洗浄水6aを用いて洗浄する。これにより、上記脱水ケーキ状の炭化物粉砕物3aに付着している水分が上記清浄な洗浄水6aで置き換えられることで、上記脱水ケーキ状の炭化物粉砕物3aの付着水に含まれている塩も洗浄排水6bに同伴されて除去されるようになる。よって、上記脱水洗浄装置13より、脱塩処理されて塩素含有量が大幅に低減された炭化物粉砕物3aが、製品としての炭化物3cとして取り出されるようになる。
その後は、必要に応じて、上記脱水洗浄装置13より取り出された製品としての炭化物3cを、乾燥装置9へ供給して所要の含水率まで乾燥させる。
このように、本発明の炭化物の脱塩方法及び装置によれば、廃棄物炭化処理装置1より得た廃棄物の炭化物3を所要量の水6の存在下で湿式粉砕することで形成してなる炭化物スラリー10を、煮沸処理することで、従来の水あるいは温水による洗浄処理に比して炭化物3の脱塩素化効率を高めることができるため、従来に比して塩素含有量の少ない製品としての炭化物3cを製造することができる。よって、上記炭化物3cを、塩素含有量の少ない燃料とすることができるため、燃料の塩素含有量に対する要求が厳しい発電用、その他の各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに有利なものとすることができる。
次に、図3及び図4は本発明の実施の他の形態として、図1及び図2の実施の形態の応用例を示すもので、図1に示したと同様の構成において、炭化物煮沸装置12の下流側に、脱水洗浄装置13を設けて、上記炭化物煮沸装置12にて煮沸処理した後の炭化物スラリー10を、上記脱水洗浄装置13へ直接供給する構成に代えて、上記炭化物煮沸装置12の下流側に、煮沸処理後の炭化物スラリー10を加圧処理するための加圧脱塩装置16を設け、該加圧脱塩装置16における加圧処理に供した後の炭化物スラリー10を、上記脱水洗浄装置13へ供給させる構成としたものである。
詳述すると、上記加圧脱塩装置16は、上記炭化物煮沸装置12より取り出される炭化物スラリー10に対し、所要圧力で所要時間、たとえば、1MPa程度の圧力で5分以上加圧することができる機能を備えた構成としてある。
具体的には、上記加圧脱塩装置16は、たとえば、図4に示す如く、所要の長さ寸法を有する高圧配管17の上流側端部となる長手方向の一端部に、上記炭化物煮沸装置12より取り出される煮沸処理後の炭化物スラリー10を該高圧配管17内へ圧送するための加圧ポンプ18を設けると共に、該高圧配管17の下流側端部となる長手方向の他端部に所要の加圧弁19を設けてなる構成とし、上記加圧弁19における動作圧力をおよそ1MPaに設定することで、上記加圧ポンプ18により上記高圧配管17の長手方向一端部より該高圧配管17内へ圧送する炭化物スラリー10が、上記高圧配管17内を長手方向の一端側から長手方向他端部の加圧弁19まで通過する間に、該炭化物スラリー10に対して1MPa程度の圧力を作用させることができるようにしてある。更に、上記高圧配管17の長さ寸法と、上記加圧ポンプ18の圧送量を適宜設定することで、該加圧ポンプ18により高圧配管17内へ供給された炭化物スラリー10が、上記所定の圧力がかけられた状態で該高圧配管17内を通過するのに5分間以上の通過時間を要するようにしてある。これにより、上記加圧脱塩装置16にて、上記炭化物煮沸装置12より取り出される煮沸処理後の炭化物スラリー10に対して、上記所要圧力で所要時間加圧する加圧処理を確実に且つ連続的に行うことができるようにしてある。
なお、図示しないが、本発明者等が、炭化物スラリー10に対して1MPaの圧力を5分間作用させる加圧処理を行い、該加圧処理後の炭化物スラリー10を脱水処理して回収した炭化物粉砕物3aと、該加圧処理後に回収された炭化物粉砕物3aに対し更に洗浄水6aによる洗浄を行なった後に回収した炭化物粉砕物3aについて、残存する塩素濃度を測定する実験を行なった結果、炭化物粉砕物3a中に残留する塩素濃度を、上記各実験に用いたと同様の炭化物スラリー10を、そのまま清浄な洗浄水によって単に洗浄した後に回収される炭化物粉砕物3a中に残存している塩素濃度に比して低減することができる効果が確認されている。
又、上記加圧処理による炭化物スラリー10の脱塩効果は、圧力依存性が見られ、上記加圧脱塩装置16にて炭化物スラリー10に対して加える圧力は、1MPa以上で高ければ高いほど、脱塩効果が高まる傾向にあるが、作用させる圧力が高くなると加圧ポンプ18の性能や高圧配管17の耐圧性を高める必要が生じるようになるため、費用対効果の点等を考慮すると1MPa〜5MPa、より現実的には1MPa程度とすればよい。
その他の構成は図1に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の炭化物の脱塩装置を用いて廃棄物の炭化物の脱塩処理を行なう場合は、先ず、上記実施の形態で示したと同様の手順により、廃棄物炭化処理装置1より回収される廃棄物の炭化物3を、湿式粉砕機11で所要の水6の存在下で粉砕処理して炭化物スラリー10を形成し、次いで、上記炭化物スラリー10を、炭化物煮沸装置12へ供給して、加熱し沸騰させることで、該炭化物スラリー10に含まれている炭化物粉砕物3aの煮沸処理を行って、該炭化物粉砕物3a中に含まれている塩素分としての塩を、上記沸騰している炭化物スラリー10の水6の中に溶解させるようにする。
その後、上記炭化物煮沸装置12より取り出される煮沸処理後の炭化物スラリー10を、上記加圧脱塩装置16の加圧ポンプ18へ供給して、該加圧ポンプ18により高圧配管17内への圧送を行わせる。これにより、該高圧配管17内へ圧送された炭化物スラリー10が該高圧配管17を通過する間に、炭化物スラリー10に対して1MPa程度の圧力が5分間作用するようになるため、該炭化物スラリー10中の炭化物粉砕物3aに含まれていた塩素分としての塩が、その周囲に存在する炭化物スラリー10の水6の中に効率よく溶解される。
上記のようにして加圧脱塩装置16にて炭化物スラリー10に対する上記所要圧力で所要時間の加圧処理を実施した後は、該加圧処理後の炭化物スラリー10を、脱水洗浄装置13へ送り、該脱水洗浄装置13にて、上記実施の形態と同様にして、炭化物スラリー10の脱水処理と、この脱水処理により脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aの清浄な洗浄水6aによる洗浄を行う。これにより、上記炭化物煮沸装置12における炭化物スラリー10の煮沸処理によって炭化物粉砕物3a中に含まれていた塩が効率よく溶解され、且つ上記加圧脱塩装置16による加圧処理によって炭化物粉砕物3a中に含まれていた塩が更に効率よく溶解された炭化物スラリー10中の水6が脱水される際に、該水6に溶解している塩が炭化物粉砕物3aより分離されて除去されることで、該炭化物粉砕物3aの塩素分が除去される。更に、上記脱水処理により脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aが洗浄水6aで洗浄されることで、上記脱水ケーキ状の炭化物粉砕物3aの付着水中の塩も洗浄排水6bに同伴されて除去されるようになる。よって、上記脱水洗浄装置13より、脱塩処理されて塩素含有量が更に低減された炭化物粉砕物3aが、製品としての炭化物3cとして取り出されるようになる。
その後は、必要に応じて、上記脱水洗浄装置13より取り出された製品としての炭化物3cを、乾燥装置9へ供給して所要の含水率まで乾燥させる。
このように、本実施の形態によれば、煮沸処理された炭化物スラリー10に対して加圧処理を行なうことで、炭化物粉砕物3aの脱塩素化効率を更に高めることができて、塩素含有量がより少ない製品としての炭化物3cを製造することが可能となる。よって、上記炭化物3cを、燃料中の塩素含有量に対する要求が厳しい発電用、その他の各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに更に有利なものとすることができる。
次いで、図5及び図6は本発明の実施の更に他の形態として、廃棄物の炭化物の脱塩に適用する場合の別の例を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、上記本実施の形態の炭化物の脱塩方法の実施に用いる装置は、図5に示す如く、図7に示したと同様に、廃棄物2を低酸素雰囲気下で加熱、炭化処理して、発生する炭化物3を熱分解ガス(図示せず)と分離して回収できるようにしてある廃棄物炭化処理装置1を備え、且つ該廃棄物炭化処理装置1より上記炭化物3を取り出す炭化物取出口の下流側に、上記廃棄物の炭化物3を所要量の水6の存在下で湿式粉砕処理するための粉砕機5と、該粉砕機5により得られる炭化物粉砕物3aを洗浄水6aにより洗浄するための洗浄水槽7を備えた構成において、上記洗浄水槽7の下流側に、該洗浄水槽7より取り出される上記洗浄水6aを含む炭化物粉砕物3aのスラリー(以下炭化物スラリーと云う)10aに対し、所要圧力で所要時間の加圧処理を行なうための加圧脱塩装置16aを設け、更に、上記加圧脱塩装置16aの下流側に、図1及び図2の実施の形態における脱水洗浄装置13と同様の脱水洗浄装置13、すなわち、上記加圧脱塩装置16aより加圧処理後に取り出される炭化物スラリー10aを脱水処理する脱水装置、及び、該脱水処理により上記炭化物スラリー10a中の水6が分離された脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aを清浄な洗浄水6cにより洗浄する洗浄装置を兼ねる脱水洗浄装置13を設けてなる構成とする。
詳述すると、上記廃棄物炭化処理装置1は、図1及び図2の実施の形態における廃棄物炭化処理装置1と同様に、加熱方式は間接加熱又は直接加熱のいずれの方式でもよく、又、炉の構造は、キルン式、竪軸撹拌式、スクリュー式、揺動式、流動床式、ストーカ式等、任意の形式の廃棄物炭化処理装置1を採用してよい。
上記粉砕機5は、上記廃棄物炭化処理装置1より回収される炭化物3に対し、所要量の水6を添加した状態で上記炭化物3を所要の粒径まで粉砕処理できるようにしてある。これにより、上記廃棄物炭化処理装置1より取り出された状態ではポーラス状となっていて水6に浮き易く、且つ表面が疎水性となっている炭化物3を、粉砕すると同時に水6と混合することで、上記炭化物3の粉砕により形成される炭化物粉砕物3aを水6になじませるようにして、後の工程の洗浄水槽7にて洗浄水6a中に上記炭化物粉砕物3aを均一に分散させて、炭化物スラリー10aを形成させることができるようにしてある。
なお、上記のように所要量の水6の存在下で廃棄物の炭化物3を湿式粉砕することで、水中に均一に分散させることが可能な炭化物粉砕物3aを製造できるようにしてあれば、粉砕機5の形式としては、ロッドミルやボールミル、その他任意の形式の粉砕機5を採用してよい。
上記加圧脱塩装置16aは、図6に示す如く、図4に示した加圧脱塩装置16と同様の高圧配管17と加圧ポンプ18と加圧弁19を備えてなる構成としてある。これにより、上記洗浄水槽7より取り出される炭化物スラリー10aを、上記加圧ポンプ18により上記高圧配管17の長手方向一端部より該高圧配管17内へ圧送することで、該炭化物スラリー10aが上記高圧配管17内を長手方向の一端側から長手方向他端部の加圧弁19まで通過する間に、上記炭化物スラリー10aに対し、所要圧力で所要時間、たとえば、1MPa程度の圧力で5分以上加圧することができるようにしてある。
更に、上記脱水洗浄装置13より回収される上記製品としての炭化物3cを乾燥させて回収する必要がある場合は、図5に示すように、上記脱水洗浄装置13の下流側に、上記製品としての炭化物3cの乾燥処理を行なうための乾燥装置9を設ける構成としてもよい。
なお、図示してないが、廃棄物炭化処理装置1より取り出される廃棄物の炭化物3より金属片を回収する必要がある場合は、上記廃棄物炭化処理装置1と粉砕機5との間に、図7に示した金属分離装置4と同様の金属分離装置を設けるようにすればよい。
その他、図1乃至図4に示したものと同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の炭化物の脱塩装置を用いて廃棄物の炭化物の脱塩処理を行なう場合は、先ず、上記廃棄物炭化処理装置1より回収される廃棄物の炭化物3を、上記粉砕機5に供給すると共に、該粉砕機5に所要量の水6を供給して、炭化物3の湿式粉砕処理を行なう。この際、上記炭化物3の粉砕物3aの粒径がおよそ20μm以下、より好ましくは、粒径がおよそ10μm以下となるように粉砕する。
なお、上記粉砕機5における湿式粉砕処理にて、粉砕処理により形成される炭化物粉砕物3aの粒径がおよそ20μm以下となるようにしたのは、炭化物粉砕物3aの粒径が20μmを超えるサイズの場合は、該炭化物粉砕物3aの単位重量当りの比表面積をあまり拡大できないため、上記廃棄物の炭化物3に含まれていた塩の水との接触機会をあまり高めることができなくなる虞が生じると共に、炭化物粉砕物3aの内部に残存しているポーラス構造によって保持される空気量が多くなることで、炭化物粉砕物3aに浮力が生じ易くなってしまい、該炭化物粉砕物3aが水中に均一に分散され難しくなる虞が生じるためである。
上記のようにして粉砕機5にて粉砕した炭化物粉砕物3aは、洗浄水槽7へ送って洗浄水6aによる洗浄を行うようにする。
その後、上記洗浄水槽7より洗浄された炭化物粉砕物3aを含んだ状態で取り出される炭化物スラリー10aを、上記加圧脱塩装置16aの加圧ポンプ18へ供給して、該加圧ポンプ18により高圧配管17内への圧送を行わせる。これにより、該高圧配管17内へ圧送された炭化物スラリー10aが該高圧配管17を通過する間に、炭化物スラリー10aに対して1MPa程度の圧力が5分間作用するようになるため、該炭化物スラリー10a中に存在する炭化物粉砕物3aに含まれている塩素分としての塩が、その周囲に存在する炭化物スラリー10aの水分(洗浄水6a)の中に効率よく溶解される。
上記のようにして加圧脱塩装置16aにて炭化物スラリー10aに対する上記所要圧力で所要時間の加圧処理を実施した後は、該加圧処理後の炭化物スラリー10aを、脱水洗浄装置13へ送り、該脱水洗浄装置13にて、炭化物スラリー10aの脱水処理と、この脱水処理により脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aの清浄な洗浄水6cによる洗浄を行う。これにより、上記加圧脱塩装置16aによる加圧処理によって炭化物粉砕物3a中に含まれていた塩が効率よく溶解された炭化物スラリー10a中の水分(洗浄水6a)が脱水される際に、該水分に溶解している塩が炭化物粉砕物3aより分離されて除去される。更に、上記脱水処理により脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aが洗浄水6cで洗浄されることで、上記脱水ケーキ状の炭化物粉砕物3aの付着水中の塩も洗浄排水6bに同伴されて除去されるようになる。よって、上記脱水洗浄装置13より、脱塩処理されて塩素含有量が大幅に低減された炭化物粉砕物3aが、製品としての炭化物3cとして取り出されるようになる。
その後は、必要に応じて、上記脱水洗浄装置13より取り出された製品としての炭化物3cを、乾燥装置9へ供給して所要の含水率まで乾燥させる。
このように、本実施の形態の炭化物の脱塩方法及び装置によれば、炭化物粉砕物3aを所要量の水に分散させてなる炭化物スラリー10aに対して加圧処理を行なうことで、廃棄物の炭化物3に対する脱塩素化効率を高めることができて、塩素含有量がより少ない製品としての炭化物3cを製造することが可能となる。よって、上記炭化物3cを、燃料中の塩素含有量に対する要求が厳しい発電用、その他の各種燃焼炉にてクリーンな燃料として利用するのに有利なものとすることができる。
上記各実施の形態においては、脱水洗浄装置13を、炭化物スラリー10,10aの脱水処理を行うための脱水装置、及び、該炭化物スラリー10,10aの脱水処理により脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aの洗浄を行うための洗浄装置を兼ねる機能を具備してなるものとして示したが、上記炭化物スラリー10,10aの脱水処理を行なうための脱水装置と、該脱水装置にて脱水ケーキとして回収される炭化物粉砕物3aの洗浄を行うための洗浄装置とを個別に設けるようにしてもよい。更に、この場合、最終的に製品となる炭化物3cとして回収される炭化物粉砕物3aの脱塩素化効率を高めるという観点からすると、上記脱水装置の下流側に洗浄装置を設けることが好ましいが、図1及び図2の実施の形態では、炭化物煮沸装置12における煮沸処理後の炭化物スラリー10を脱水処理した段階で、又、図3及び図4の実施の形態と、図5及び図6の実施の形態では、加圧脱塩装置16,16aによる加圧処理後の炭化物スラリー10,10aを脱水処理した段階で、それぞれ最終的な製品としての炭化物cを燃料等として使用する使用先の使用条件や使用環境に応じて求められる脱塩素化効率が十分に達成される場合は、上記脱水装置の下流側の洗浄装置を省略した構成としてもよい。
又、上記各実施の形態においては、いずれも、廃棄物炭化処理装置1にて廃棄物2を炭化処理して生成する炭化物3を脱塩処理対象とする場合について示したが、廃棄物2以外の有機物を炭化処理してなる炭化物を脱塩処理対象とするようにしてもよい。この場合、図1及び図2の実施の形態、図3及び図4の実施の形態では湿式粉砕機11の上流側に、又、図5及び図6の実施の形態では粉砕機5の上流側に、廃棄物炭化処理装置1に代えて、上記廃棄物2以外の有機物を炭化処理するための炭化処理装置をそれぞれ設けた構成とすればよい。
更に、上記廃棄物炭化処理装置1を省略した装置構成として、図1及び図2の実施の形態、図3及び図4の実施の形態では、湿式粉砕機11へ、又、図5及び図6の実施の形態では、粉砕機5へ、それぞれ外部より搬入する炭化物を直接供給させる構成として、外部より搬入される既存の炭化物を脱塩処理対象として、図1及び図2の実施の形態、又は、図3及び図4の実施の形態における湿式粉砕機11による湿式粉砕処理以降の処理工程、あるいは、図5及び図6の実施の形態における粉砕機5による粉砕処理以降の処理工程を行なうことで、上記既存の炭化物の脱塩処理を行なわせるようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図1及び図2の実施の形態、図3及び図4の実施の形態における炭化物煮沸装置12は、炭化物スラリー10を沸騰させた状態で所要時間保持できるようにしてあれば、煮沸容器14の形状を図示した以外の任意の形状に変更してもよく、又、該煮沸容器14の形状や、熱源に応じて、該煮沸容器14に取り付ける加熱装置15の形状や取付位置は適宜変更してもよい。
図3及び図4の実施の形態における加圧脱塩装置16は、炭化物煮沸装置12による煮沸処理された後の炭化物スラリー10を、又、図5及び図6の実施の形態における加圧脱塩装置16aは、洗浄水槽7より取り出される炭化物スラリー10aを、それぞれ所要圧力で所要時間加圧できるようにしてあれば、炭化物スラリー10、10aを所要の加圧容器に装入して加圧するようなバッチ操作によって加圧処理する形式等、任意の形式の加圧脱塩装置16,16aを採用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の炭化物の脱塩方法及び装置の実施の一形態を示す概要図である。 図1の装置構成における炭化物煮沸装置の一例を示す概略切断側面図である。 本発明の実施の他の形態を示す概要図である。 図3の装置構成における加圧脱塩装置の一例を示す概略側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。 図5の装置構成における加圧脱塩装置の一例を示す概略側面図である。 従来廃棄物炭化物の脱塩を行うために提案されている手法の一例を示す概要図である。
符号の説明
1 廃棄物炭化処理装置(炭化処理装置)
2 廃棄物(有機物)
3 炭化物
3a 炭化物粉砕物
3c 炭化物
6 水
6a 洗浄水
6c 洗浄水
10,10a 炭化物スラリー
11 湿式粉砕機
12 炭化物煮沸装置
13 脱水洗浄装置(脱水装置、洗浄装置)
16,16a 加圧脱塩装置

Claims (14)

  1. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、しかる後、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにすることを特徴とする炭化物の脱塩方法。
  2. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにすることを特徴とする炭化物の脱塩方法。
  3. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、しかる後、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収するようにすることを特徴とする炭化物の脱塩方法。
  4. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成し、次に、上記炭化物スラリーを煮沸処理し、次いで、上記煮沸処理後の炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理し、上記加圧処理後の炭化物スラリーを脱水処理し、しかる後、上記脱水処理後に得られる炭化物粉砕物を、洗浄水で洗浄してから回収するようにすることを特徴とする炭化物の脱塩方法。
  5. 煮沸処理に供する炭化物スラリー中の炭化物粉砕物の含有量が、重量比で10〜50%となるようにする請求項1、2、3又は4記載の炭化物の脱塩方法。
  6. 水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、有機物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする請求項1、2、3、4又は5記載の炭化物の脱塩方法。
  7. 水の存在下で湿式粉砕処理した炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなり且つ煮沸処理に供する炭化物スラリーを形成するための炭化物として、廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を用いるようにする請求項1、2、3、4又は5記載の炭化物の脱塩方法。
  8. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収する脱水装置を備えてなる構成を有することを特徴とする炭化物の脱塩装置。
  9. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを脱水処理する脱水装置と、該脱水装置による脱水処理で得られる炭化物粉砕物を洗浄水により洗浄する洗浄装置を備えてなる構成を有することを特徴とする炭化物の脱塩装置。
  10. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理するための加圧脱塩装置と、該加圧脱塩装置にて加圧処理された炭化物スラリーを脱水処理して炭化物粉砕物を回収する脱水装置を備えてなる構成を有することを特徴とする炭化物の脱塩装置。
  11. 炭化物を水の存在下で湿式粉砕処理して炭化物粉砕物を所要量の水に分散させてなる炭化物スラリーを形成するための湿式粉砕機と、該湿式粉砕機より得られる炭化物スラリーを煮沸処理する炭化物煮沸装置と、該炭化物煮沸装置にて煮沸処理された炭化物スラリーを所要圧力で所要時間加圧処理するための加圧脱塩装置と、該加圧脱塩装置にて加圧処理された炭化物スラリーを脱水処理する脱水装置と、該脱水装置による脱水処理で得られる炭化物粉砕物を洗浄水により洗浄する洗浄装置を備えてなる構成を有することを特徴とする炭化物の脱塩装置。
  12. 湿式粉砕機を、炭化物粉砕物の含有量が重量比で10〜50%となる炭化物スラリーを形成して炭化物煮沸装置へ供給できる機能を有するものとした請求項8、9、10又は11記載の炭化物の脱塩装置。
  13. 湿式粉砕機の上流側に、炭化処理装置を設けて、該炭化処理装置にて有機物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした請求項8、9、10、11又は12記載の炭化物の脱塩装置。
  14. 湿式粉砕機の上流側に、廃棄物炭化処理装置を設けて、該廃棄物炭化処理装置にて廃棄物を炭化処理して得られる炭化物を上記湿式粉砕機へ供給できるようにした請求項8、9、10、11又は12記載の炭化物の脱塩装置。
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