JP2010106164A - 複合樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、長時間にわたって高温下に曝露された場合においても、優れた接着性を維持することのできる複合樹脂およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】40〜80重量部の脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物と、20〜60重量部のポリエーテルイミドと、溶剤とを配合して、混合溶液を調製し、次いで、混合溶液を加熱することにより、溶剤を除去し、硬化性組成物を硬化して、脂環式エポキシ樹脂からなり、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、ポリエーテルイミドからなり、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有する複合樹脂を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合樹脂およびその製造方法、詳しくは、接着材料として好適に用いられる複合樹脂およびその製造方法に関する。
エポキシ樹脂は、その接着性および耐熱性の高さから、各種工業材料を接着する接着材料として、広く用いられている。しかしながら、エポキシ樹脂は、長時間にわたって高温下に曝露されると、熱劣化を生じる場合がある。
そのため、長時間にわたって高温下に曝露された場合においても、高い接着性を維持することができる接着材料が求められており、そのような接着材料として、例えば、エポキシ樹脂と、各種のエンジニアリングプラスチックとを含有する接着材料が提案されている。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ポリエーテルイミドとを含有する、接着性組成物が開示されている(例えば、特許文献1(実施例1)参照。)。
特開昭63−99280号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接着性組成物は、低温下における接着性に優れるものの、耐熱性がいまだ不十分であり、長時間にわたって高温下に曝露された場合における接着性を、十分に維持することができない場合がある。
本発明の目的は、長時間にわたって高温下に曝露しても、優れた接着性を維持することのできる、複合樹脂およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明の複合樹脂は、40〜80重量部の脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物から形成され、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、20〜60重量部のポリエーテルイミドから形成され、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有することを特徴としている。
また、本発明の複合樹脂では、前記脂環式エポキシ化合物が、55〜80重量部であり、前記ポリエーテルイミドが、20〜45重量部であることが好適である。
また、本発明の複合樹脂では、前記硬化性組成物が、さらに、硬化剤および硬化促進剤を含んでおり、前記硬化剤が、酸無水物系化合物を含有し、前記硬化促進剤が、イミダゾール系化合物を含有することが好適である。
また、本発明の複合樹脂では、接着材料として用いられることが好適である。
また、本発明の複合樹脂の製造方法は、脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物と、ポリエーテルイミドと、溶剤とを配合して、混合溶液を調製する工程と、前記混合溶液を加熱することにより、前記溶剤を除去し、前記硬化性組成物を硬化して、脂環式エポキシ樹脂からなり、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、前記ポリエーテルイミドからなり、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有する複合樹脂を得る工程とを備えることを特徴としている。
本発明の複合樹脂およびその製造方法では、耐熱性に優れ、長時間にわたって高温下に曝露された場合においても、優れた接着性を維持することのできる複合樹脂を提供することができる。
本発明において、複合樹脂は、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有している。
エポキシ樹脂相は、三次元的に連続する脂環式エポキシ樹脂を含んでおり、このような脂環式エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ化合物(脂環式エポキシ樹脂の硬化前の成分)を含む硬化性組成物から形成される。
より具体的には、硬化性組成物は、例えば、脂環式エポキシ化合物、硬化剤、および、必要により硬化促進剤を含有している。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチル−シクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)−2,4−ジオキサスピロ(5,5)−8,9−エポキシウンデカン、3−(グリシジルオキシエトキシエチル)−2,4−ジオキサスピロ(5,5)−8,9−エポキシウンデカンなどが挙げられる。
これら脂環式エポキシ化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
脂環式エポキシ化合物として、好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートが挙げられる。
また、脂環式エポキシ化合物としては、一般に市販されている製品を用いることができ、そのような製品としては、例えば、セロキサイド2021(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ダイセル化学社製)などが挙げられる。
硬化剤としては、例えば、酸無水物系化合物などのエポキシ樹脂硬化剤が挙げられる。
酸無水物系化合物としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物などのフタル酸無水物系化合物、例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸などのコハク酸無水物系化合物、例えば、無水マレイン酸などのマレイン酸無水物系化合物などが挙げられる。
これら硬化剤は、単独使用あるいは2種類以上併用することができる。
硬化剤として、好ましくは、フタル酸無水物系化合物が挙げられる。
硬化剤は、脂環式エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の官能基(エポキシ基との反応性を有する官能基)が、例えば、0.8〜1.2当量、好ましくは、0.9〜1.1当量の割合で配合される。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロ系化合物などが挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、例えば、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、フェニルイミダゾール(例えば、2−フェニルイミダゾールなど)、ウンデシルイミダゾールなどが挙げられる。
ジアザビシクロ系化合物としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが挙げられる。
これら硬化促進剤は、単独使用あるいは2種類以上併用することができる。
硬化促進剤として、好ましくは、イミダゾール化合物が挙げられる。
硬化性組成物は、例えば、脂環式エポキシ化合物、硬化剤、および、必要により硬化促進剤を、公知の方法で混合、撹拌することにより、調製することができる。
硬化性組成物の硬化温度は、必要により配合される硬化剤および硬化促進剤などにもよるが、例えば、60〜200℃、好ましくは、70〜180℃である。
本発明において、ポリエーテルイミド相は、三次元的に連続するポリエーテルイミドから形成される。
ポリエーテルイミドとしては、一般に市販されている製品を用いることができ、そのような製品としては、例えば、ウルテムシリーズ(日本GEプラスチックス社製)などが挙げられる。
本発明において用いられるポリエーテルイミドのガラス転移温度(測定法:DMA(dynamic mechanical analysis)法)は、例えば、190〜250℃、好ましくは、217℃であり、また、軟化温度(測定法:TMA(thermomechanical analysis)法)は、例えば、170〜230℃、好ましくは、200℃である。
そして、上記した硬化性組成物およびポリエーテルイミドから、共連続相分離構造を有する複合樹脂を形成する。
複合樹脂の形成における各成分の配合割合は、脂環式エポキシ化合物が、例えば、40〜80重量部、好ましくは、55〜80重量部、より好ましくは、60〜80重量部であり、硬化剤が、例えば、41.3〜123.8重量部、好ましくは、63.9〜113.5重量部、より好ましくは、69.7〜113.5重量部であり、硬化促進剤が、例えば、0.1〜18.3重量部、好ましくは、1.26〜9.13重量部、より好ましくは、2.74〜7.31重量部であり、ポリエーテルイミドが、例えば、20〜60重量部、好ましくは、20〜45重量部、より好ましくは、20〜40重量部である。
次に、本発明の複合樹脂の製造方法について説明する。
まず、この方法では、硬化性組成物と、ポリエーテルイミドと、溶剤とを配合して、十分に撹拌することにより、混合溶液を調製する。
溶剤としては、ポリエーテルイミドおよび硬化性組成物を溶解できる溶剤であれば特に制限されず、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶剤が挙げられる。
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
溶剤として、好ましくは、NMPが挙げられる。
混合溶液における、各成分の配合割合は、ポリエーテルイミド100重量部に対して、硬化性組成物が、例えば、130〜1000重量部、好ましくは、260〜850重量部、溶剤が、例えば、400〜10000重量部、好ましくは、500〜8000重量部である。
なお、混合溶液には、必要に応じて、例えば、界面活性剤や、その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、防黴剤、難燃剤などの添加剤を添加する。
界面活性剤は、エポキシ樹脂相とポリエーテルイミド相との界面活性を制御するために添加され、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、アルキル・スルフォネート、アルキル・アリル・スルフォネート、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸エステル、ジ(C12−15)パレス−2−リン酸などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アミン塩、テトラアルキル第4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルスルフォニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタインなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤として、例えば、脂肪酸モノグリセリンエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸蔗糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸ポリエチレングリコール縮合物、脂肪酸アミドポリエチレングリコール縮合物、アルキルフェノールポリエチレングリコール縮合物、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコール縮合物などが挙げられる。
これら界面活性剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
これら界面活性剤として、好ましくは、アニオン性界面活性剤が挙げられる。
なお、界面活性剤の配合割合は、ポリエーテルイミドと硬化性組成物との総量100重量部に対して、例えば、0.1〜1重量部、好ましくは、0.15〜0.8重量部である。
界面活性剤の配合割合が、上記範囲に満たない場合には、共連続相分離構造を形成しにくくなる場合があり、また、上記範囲を超える場合には、ポリエーテルイミド相が、三次元的に連続する構造を形成しにくい場合がある。
次いで、この方法では、混合溶液を加熱する。
具体的には、まず、混合溶液を加熱して、複合物前駆体を調製し、次いで、この複合物前駆体を、さらに加熱して、複合樹脂を得る。
より具体的には、まず、上記した配合割合にて調製した混合溶液を、硬化性組成物が硬化する温度(硬化温度)未満の温度に加熱する。
混合溶液の加熱条件は、目的および用途によるが、加熱温度が、例えば、60〜100℃、好ましくは、70〜90℃であり、加熱時間が、15〜60分間、好ましくは、20〜40分間である。
加熱温度が、上記範囲に満たない場合には、溶剤を除去しにくく、また、ポリエーテルイミドと硬化性組成物とが相溶しにくくなる場合がある。また、上記範囲を超える場合には、硬化性組成物が、硬化する場合がある。
これにより、溶剤を除去し、ポリエーテルイミドと硬化性組成物とを相溶させる。
次いで、この方法では、得られた複合物前駆体をさらに加熱し、複合樹脂を形成する。
具体的には、上記により得られた複合物前駆体を、硬化性組成物が硬化する温度以上の温度に加熱する。
複合物前駆体の加熱条件は、加熱温度が、例えば、100℃超過、好ましくは、140℃以上であって、例えば、180℃未満、好ましくは、160℃未満である。また、加熱時間が、例えば、30〜120分間、好ましくは、50〜70分間である。
加熱温度が、上記範囲に満たない場合には、硬化性組成物が硬化しない場合があり、また、上記範囲を超える場合には、ポリエーテルイミド相が、三次元的に連続する構造を形成しにくい場合がある。
これにより、三次元的に連続するエポキシ樹脂相と、三次元的に連続するポリエーテルイミド相とが、互いに相分離して形成される。
そして、このようにして、硬化性組成物を硬化することにより、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有する複合樹脂を得ることができる。
具体的には、複合樹脂を、例えば、シート(皮膜)状あるいはバルク状(塊状)の成形体として得ることができる。
このようにして得られた複合樹脂は、優れた耐熱性を有し、長時間にわたって高温下に曝露された場合においても、優れた接着性を維持することができる。
その結果、この複合樹脂は、各種工業材料、例えば、各種機械材料、電気材料などを接着する接着材料として、好適に用いることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されることはない。
実施例1
ウルテム1000(ポリエーテルイミド、日本GEプラスチックス社製)の20重量%NMP溶液4gに、セロキサイド2021P(脂環式エポキシ樹脂、ダイセル化学社製)1g、リカシッドMH700(硬化剤、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(重量比で70/30)、新日本理化社製)1.29g、キュアゾール2PZ(硬化促進剤、2−フェニルイミダゾール、四国化成社製)の5重量%NMP溶液1.37g、NIKKOL DDP−2(アニオン系界面活性剤、ジ(C12−15)パレス−2リン酸、日光ケミカルズ社製)の1重量%NMP溶液2.0gを配合し、ハイブリッドミキサーで十分に撹拌して均一化し、透明の混合溶液を得た。
次いで、この混合溶液を、ソーダガラス上にスピンコーターを用いて、乾燥後の膜厚が100μmとなるように塗布し、80℃で30分間加熱して、複合物前駆体を得た。
次いで、得られた複合物前駆体の上に、ソーダガラスを積層し、120℃、0.2MPaで1分間加圧し、ソーダガラスを接着させ、続いて、150℃で60分間加熱することにより、複合樹脂を形成した。これにより、2層のソーダガラスが複合樹脂により接着された積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を、電子顕微鏡で観察した結果、複合樹脂は、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される、共連続相分離構造を有していることが確認できた。図1に、その電子顕微鏡写真の画像処理図を示す。
実施例2
ウルテム1000の20重量%NMP溶液の配合量を1.5gとした以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を、電子顕微鏡で観察した結果、複合樹脂は、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される、共連続相分離構造を有していることが確認できた。
実施例3
ウルテム1000の20重量%NMP溶液の配合量を5gとした以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を、電子顕微鏡で観察した結果、複合樹脂は、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される、共連続相分離構造を有していることが確認できた。
実施例4
リカシッドMH700 1.29gに代えて、リカシッドSA(硬化剤、無水コハク酸、新日本理化社製)を0.8g配合した以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を、電子顕微鏡で観察した結果、複合樹脂は、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される、共連続相分離構造を有していることが確認できた。
比較例1
ウルテム1000の20重量%NMP溶液を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
比較例2
ウルテム1000の20重量%NMP溶液の配合量を1gとした以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を観察した結果、複合樹脂は、ポリエーテルイミド相がエポキシ樹脂相からなる媒体中に分散された二相分離構造(海島構造)を有していることが確認できた。
比較例3
ウルテム1000の20重量%NMP溶液の配合量を8gとした以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を観察した結果、複合樹脂は、エポキシ樹脂相がポリエーテルイミド相からなる媒体中に分散された、二相分離構造(海島構造)を有していることが確認できた。
比較例4
セロキサイド2021P 1gに代えて、jER828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)1gを配合し、リカシッドMH700の配合量を、0.85gとし、キュアゾール2PZの5重量%NMP溶液の配合量を、1.10gとした以外は、実施例1と同様にして、積層物を得た。
なお、複合樹脂の断面構造を観察した結果、複合樹脂は、エポキシ樹脂相がポリエーテルイミド相からなる媒体中に分散された、二相分離構造(海島構造)を有していることが確認できた。
各成分の配合処方を表1に示す。
なお、表1中の略号および製品名の詳細を下記に示す。
セロキサイド2021P:脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)、ダイセル化学社製
jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製
ウルテム1000:ポリエーテルイミド、日本GEプラスチックス社製
リカシッドMH700:硬化剤、酸無水物系化合物(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(重量比で70/30))、新日本理化社製
リカシッドSA:硬化剤、酸無水物系化合物(無水コハク酸)、新日本理化社製
キュアゾール2PZ:硬化促進剤、イミダゾール系化合物(2−フェニルイミダゾール)、四国化成社製
NIKKOL DDP−2:アニオン系界面活性剤、ジ(C12−15)パレス−2リン酸、日光ケミカルズ社製
NMP総量:溶剤、N−メチル−2−ピロリドン(ポリエーテルイミド、硬化促進剤、界面活性剤などの各成分を、溶液として配合する場合において、それらの溶媒として用いられるN−メチル−2−ピロリドンの総量)
評価
各実施例および各比較例で得られた積層物を、200℃下におき、500時間経過後おける、ソーダガラス間の複合樹脂の接着力を評価した。その結果を表1に示す。なお、評価には、下記の基準を用いた。
◎:強固な接着力を維持していた。
○:接着力がやや低下していた。
△:接着力をほとんど維持していなかった。
×:初期接着力がなかった。
実施例1の複合樹脂の断面構造を示す電子顕微鏡写真の画像処理図を示す。

Claims (5)

  1. 40〜80重量部の脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物から形成され、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、
    20〜60重量部のポリエーテルイミドから形成され、三次元的に連続するポリエーテルイミド相
    から形成される共連続相分離構造を有することを特徴とする、複合樹脂。
  2. 前記脂環式エポキシ化合物が、55〜80重量部であり、
    前記ポリエーテルイミドが、20〜45重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の複合樹脂。
  3. 前記硬化性組成物が、さらに、硬化剤および硬化促進剤を含んでおり、
    前記硬化剤が、酸無水物系化合物を含有し、
    前記硬化促進剤が、イミダゾール系化合物を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の複合樹脂。
  4. 接着材料として用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の複合樹脂。
  5. 脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物と、ポリエーテルイミドと、溶剤とを配合して、混合溶液を調製する工程と、
    前記混合溶液を加熱することにより、前記溶剤を除去し、前記硬化性組成物を硬化して、脂環式エポキシ樹脂からなり、三次元的に連続するエポキシ樹脂相、および、前記ポリエーテルイミドからなり、三次元的に連続するポリエーテルイミド相から形成される共連続相分離構造を有する複合樹脂を得る工程と
    を備えることを特徴とする、複合樹脂の製造方法。
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