JP2010105858A - 塩素の製造方法、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法 - Google Patents

塩素の製造方法、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一酸化炭素および/または不飽和炭化水素が塩化水素と共存する反応系においても、長期間にわたって安定的に塩化水素を酸化して塩素を製造することができると共に、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化することができる方法を提供することである。
【解決手段】一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に塩化水素を酸化して塩素を製造する方法、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する方法である。前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなり、かつ前記酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも200質量ppm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に塩化水素を酸化して塩素を製造する方法、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する方法に関する。
一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に塩化水素を酸化して塩素を製造する方法や、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する方法がある。これらの酸化方法に使用される触媒として、特許文献1には、金属ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含有する触媒が記載されており、特許文献2には、ルテニウムの複合酸化物を含有する触媒が記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載されているような従来の触媒は、塩化水素を酸素で酸化する際の反応条件下で一酸化炭素および/または不飽和炭化水素に接触すると、劣化しやすく、酸化活性が低下することがあった。
特開2001−246231号公報 特開2002−226205号公報
本発明の課題は、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素が塩化水素と共存する反応系においても、長期間にわたって安定的に塩化水素を酸化して塩素を製造することができると共に、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化することができる方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を見出した。すなわち、前記した酸化反応に使用する触媒としては、ルテニウム化合物を酸化チタン担体に担持してなるものが高活性であり、好適である。ところが、この触媒を、塩化水素を酸素で酸化する際の反応条件下で一酸化炭素および/または不飽和炭化水素に接触させると、酸化活性が低下することがある。
本発明者らは、この要因が、前記酸化チタン担体に含まれる不純物にあると考え、この不純物について検討を重ねた。その結果、前記酸化チタン担体に含まれる不純物のうち、ナトリウムおよびカルシウムが、触媒の活性に影響を及ぼしており、これらの含有量によっては、触媒の酸化活性が低下するという知見を得た。
そして、この知見に基づき、前記酸化チタン担体中のナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも特定以下であれば、触媒の酸化活性の低下を抑制することができ、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の塩素の製造方法は、以下の構成からなる。
(1)一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に塩化水素を酸化して塩素を製造する方法であって、前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなり、かつ前記酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも200質量ppm以下であることを特徴とする塩素の製造方法。
(2)前記酸化チタン担体は、さらにルチル型の酸化チタンを担体総量に対して20質量%以上の割合で含有する前記(1)記載の塩素の製造方法。
(3)前記ルテニウム化合物が、酸化ルテニウムを含む前記(1)または(2)記載の塩素の製造方法。
(4)一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の供給量が、塩化水素に対して5モル%以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の塩素の製造方法。
本発明の一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法は、以下の構成からなる。
(5)一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する方法であって、前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなり、かつ前記酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも200質量ppm以下であることを特徴とする一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法。
(6)前記酸化チタン担体は、さらにルチル型の酸化チタンを担体総量に対して20質量%以上の割合で含有する前記(5)記載の酸化方法。
(7)前記ルテニウム化合物が、酸化ルテニウムを含む前記(5)または(6)記載の酸化方法。
(8)一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の供給量が、塩化水素に対して5モル%以下である前記(5)〜(7)のいずれかに記載の酸化方法。
本発明によれば、一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種が塩化水素と共存する反応系においても、長期間にわたって安定的に塩化水素を酸化して塩素を製造することができ、また一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化することができるという効果がある。
本発明にかかる塩素の製造、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化は、触媒の存在下で行う。前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなる。前記ルテニウム化合物としては、例えばハロゲン化物、酸化物、オキソ酸やその塩、ハロゲノ酸やその塩、オキシハロゲン化物、オキシハロゲノ酸やその塩等が挙げられ、必要に応じて、その水和物を使用してもよいし、また、それらの2種以上を使用してもよい。
特に、塩化物である塩化ルテニウムや、酸化物である酸化ルテニウムが好ましく用いられる。通常、塩化ルテニウムとしては、ルテニウムの酸化数が+3である三塩化ルテニウム(RuCl3)が用いられ、酸化ルテニウムとしては、ルテニウムの酸化数が+4である二酸化ルテニウム(RuO2)が用いられる。
また、前記ルテニウム化合物は、実質的にルテニウム化合物のみからなるものであってもよいし、ルテニウム化合物と他の化合物とからなる複合体、例えば酸化ルテニウムと他の酸化物とからなる複合酸化物であってもよい。特に、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が好ましく用いられる。
ここで、前記酸化チタン担体中のナトリウム含有量およびカルシウム含有量は、いずれも触媒の活性に大きな影響を及ぼす。本発明にかかる酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量は、いずれも200質量ppm以下、好ましくはいずれも100質量ppm以下である。ナトリウムおよびカルシウムの各含有量が、200質量ppmを超えると、該担体にルテニウム化合物が担持されてなる触媒の塩化水素、並びに一酸化炭素および/または不飽和炭化水素に対する酸化活性が低下する。前記酸化チタン担体中のナトリウムおよびカルシウムの定量法としては、例えば原子吸光分析法、誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下、「ICP分析」と言う。)等が一般的である。
酸化チタン担体中のナトリウム含有量およびカルシウム含有量を、いずれも200質量ppm以下にする方法としては、特に限定されず、例えば得られた担体を水や有機溶剤等で洗浄して上記条件を満たす担体を得ることもできるし、予め純度の高い市販の原料のみを組み合わせて担体を調製することで、上記条件を満たす担体を得ることもできる。調製法をより簡便にする上で、予め純度の高い市販の原料のみを組み合わせて担体を調製する方法が好ましい。
前記酸化チタン担体は、さらにルチル型の酸化チタンを担体総量に対して20質量%以上、好ましくは80〜100質量%の割合で含有するのがよい。これにより、触媒の酸化活性を向上させることができる。前記ルチル型の酸化チタンの割合は、X線回折法(以下、「XRD法」と言う。)により測定することができる。
前記酸化チタン担体は、例えばアルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等の酸化物や、活性炭等を含有することができ、必要に応じてそれらの2種以上、例えば上記酸化物の2種以上からなる複合酸化物や混合酸化物等を含有することができる。
ルテニウム化合物を酸化チタン担体に担持する方法としては、例えば酸化チタン担体にルテニウム化合物の溶液を含浸させる方法や、酸化チタン担体をルテニウム化合物の溶液に浸漬して、ルテニウム化合物を担体に吸着させる方法等が挙げられる。また、例えば特開2002−79093号公報に記載されているように、塩化ルテニウム等のルテニウム化合物を酸化チタン担体に担持した後、必要によりヒドラジン等で還元処理し、次いで酸素含有ガスの雰囲気下で焼成することにより、好適に調製することができる。
触媒におけるルテニウム化合物の担持率は、担体およびルテニウム化合物の合計質量に対するルテニウム化合物の質量比で表して、通常、0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜15質量%である。
触媒の形状としては、例えば球状、円柱状、リング状、無定形の粒状等が挙げられる。また、その成形法としては、例えば押出成形法、打錠成形法、噴霧成形法等が挙げられ、成形後には、適当な大きさに粉砕分級してもよい。その際、触媒直径は10mm以下とするのが好ましい。触媒直径とは、球状の場合は球の直径、円柱状の場合は断面の円の直径、その他の形状の場合は任意の断面の最長径を意味する。なお、触媒は、必要に応じて、不活性物質で希釈して使用してもよい。
本発明では、このような触媒の存在下に、一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給する。そして、このような一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種が塩化水素と共存する反応系において、塩化水素を酸化して塩素を製造すると共に、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する。
前記不飽和炭化水素としては、例えばエチレン、アセチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等の炭素数2〜6の脂肪族炭化水素、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等の炭素数4〜6の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン等の炭素数6〜10の芳香族炭化水素等が挙げられるが、本発明は例示したこれらに限定されるものではない。
ここで、塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する場合において、原料の塩化水素や酸素、またはこれらと併せて供給し得る不活性ガス中に、その調製法や発生源等に起因して、不純物として一酸化炭素や不飽和炭化水素が含まれると、これら不純物が触媒を被毒して、その塩化水素に対する酸化活性を低下させることがある。従来では、かかる不純物を除去してから、塩化水素の酸化反応に供するか、これら不純物を二酸化炭素に酸化して無害化しつつ、塩化水素を塩素に酸化することが行われていた。
しかし、前者の場合には、不純物の除去にコストがかかり、後者の場合でも、触媒活性の持続性が十分とはいえなかった。本発明によれば、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素が塩化水素と共存する反応系においても、前記した理由から、長期間にわたり安定して一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化しつつ、塩素を製造することができる。
したがって、本発明によれば、原料の塩化水素として、例えば水素と塩素の反応により生成するガスや、塩酸の加熱により発生するガスの他、塩素化合物の脱塩化水素反応、熱分解反応または燃焼反応、ホスゲンによる有機化合物のカルボニル化反応、塩素による有機化合物の塩素化反応により発生する各種副生ガス、さらには焼却炉から発生する燃焼排ガス等、不純物として一酸化炭素や不飽和炭化水素を含み得るガスを用いることができる。また、これらの各反応で回収され得る酸素や不活性ガスも用いることができる。なお、一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の供給量は、塩化水素に対して5モル%以下が適当である。
酸素源としては、通常、空気や純酸素を使用することができる。純酸素は、空気の圧力スイング法や深冷分離法等により調製することができる。酸素の使用量は、塩化水素に対し、通常、0.1モル倍以上、好ましくは0.2モル倍以上である。
反応温度は、通常、100〜500℃、好ましくは200〜400℃、より好ましくは250〜350℃であるのがよい。反応温度が低すぎると、触媒の安定した活性を維持し難く、一方、反応温度が高すぎると、触媒成分が揮散し易くなる。反応圧力は、通常、0.1〜5MPa程度である。
反応の方式としては、例えば固定床方式、流動床方式等が挙げられ、通常は、固定床気相流通方式や流動床気相流通方式等の気相反応が好ましく採用される。固定床気相流通方式は、反応生成ガスと触媒との分離が容易であり、また原料ガスと触媒との接触を十分に行うことができるので、高転化率を達成し易いという利点がある。一方、流動床気相流通方式は、反応器内の除熱を行い易いので、反応器内の温度分布幅を小さくできるという利点がある。
反応を固定床気相流通方式で行う場合には、反応器に供給される一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを含むガス全体の供給速度は、触媒充填層の体積に対するガスの体積供給速度(0℃、1気圧換算)、すなわちGHSV(Gas Hourly Space Velocity)で表して、通常、10〜50000h-1である。また、触媒充填層の断面積(ガス供給方向に垂直な断面の面積)に対するガスの体積供給速度(0℃、1気圧換算)、すなわち所謂空塔基準のガス線速度で表して、通常、0.1〜20m/秒である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例中、ガスの供給速度である(ml/分)は、特記ない限り、0℃、1気圧の換算値である。
<触媒の製造>
まず、酸化チタン粉末(昭和電工(株)製の「F−1R」)40.0質量部と、メチルセルロース(信越化学(株)製の「メトローズ65SH−4000」)0.8質量部とを混合した。次いで、この混合物に、純水11.7質量部と、酸化チタンゾル(堺化学(株)製の「CSB」、TiO2含量38質量%)5.3質量部とを加えて混練した。
この混合物を直径3.0mmφ、長さ3〜6mm程度のヌードル状に押出して成形体を得た。得られた成形体を空気中で、室温から700℃まで2時間で昇温し、同温度で3時間焼成して白色の酸化チタン担体を得た。
得られた酸化チタン担体についてICP分析を行なった。その結果、該担体中のナトリウム含有量およびカルシウム含有量は、いずれも20質量ppmであった。また、前記酸化チタン担体についてルチル型の酸化チタンの割合をXRD法にて測定した。その結果、前記担体は、ルチル型の酸化チタンを担体総量に対して93質量%の割合で含有していた。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。まず、上記で得られた酸化チタン担体14.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製の「RuCl3・nH2O」、Ru含有量40.0質量%)0.288gを2.63gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸させ、20℃で24時間放置した。
次いで、室温から250℃まで空気流通下、1.2時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、15.1gの青灰色の触媒を得た。この触媒における酸化ルテニウム含有量の計算値は、式:RuO2/(RuO2+TiO2)×100=1.0質量%であった。
<評価>
得られた触媒を用いて酸化反応〔高SV(Space Velocity)条件下での加速寿命試験〕を行った。すなわち、触媒0.5gを、内径13mmの石英製反応管に充填し、ここに一酸化炭素ガスを4.5ml/分、塩化水素ガスを150ml/分(0.40モル/時間)、酸素ガスを75ml/分、および窒素ガスを40.5ml/分の速度で常圧下に供給しながら、反応管を290℃に加熱して、反応圧力0.1MPaで50時間酸化反応を行った。一酸化炭素ガスの供給量は、塩化水素ガスに対して3モル%である。
反応開始から1.5時間、20時間、および44時間経過した各時点において、塩化水素の転化率と一酸化炭素の転化率とを求めた。各転化率の測定方法を以下に示すと共に、その結果を触媒層温度と併せて表1に示す。
(塩化水素の転化率)
反応管出口のガスを30質量%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを20分間行い、ヨウ素滴定法により塩素の生成量を測定し、塩素の生成速度(モル/時間)を求めた。この塩素の生成速度と、前記塩化水素ガスの供給速度とを下記式(I)に当てはめて、塩化水素の転化率を算出した。
Figure 2010105858
(一酸化炭素の転化率)
上記サンプリング開始から12分〜19分の間、ヨウ化カリウム水溶液に吸収されなかった残ガスをガスバックに捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析して、一酸化炭素の残存量(モル)と二酸化炭素の生成量(モル)とを求め、これらを下記式(II)に当てはめて、一酸化炭素の転化率を算出した。
Figure 2010105858
[比較例]
<触媒の製造>
酸化チタン粉末(昭和電工(株)製の「F−1R」)に代えて、酸化チタン粉末(テイカ(株)製の「MT−500BW」)を用いた以外は、前記実施例と同様にして、酸化チタン担体を得た。得られた酸化チタン担体についてICP分析を行なった結果、該担体中のナトリウム含有量は630質量ppm、カルシウム含有量は650質量ppmであった。また、前記酸化チタン担体についてルチル型の酸化チタンの割合をXRD法にて測定した結果、前記担体は、ルチル型の酸化チタンを担体総量に対して100質量%の割合で含有していた。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。まず、上記で得られた酸化チタン担体5.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製の「RuCl3・nH2O」、Ru含有量40.0質量%)0.096gを1.37gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸させ、20℃で24時間放置した。
次いで、室温から250℃まで空気流通下、1.2時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、5.1gの青灰色の触媒を得た。この触媒における酸化ルテニウム含有量の計算値は、式:RuO2/(RuO2+TiO2)×100=1.0質量%であった。
<評価>
得られた触媒を用いて、前記実施例と同様にして酸化反応を行った。そして、反応開始から1.5時間、20時間、および45時間経過した各時点において、前記実施例と同様にして、塩化水素の転化率と一酸化炭素の転化率とを求めた。その結果を触媒層温度と併せて表1に示す。
Figure 2010105858
表1から明らかなように、酸化チタン担体において、ナトリウム含有量およびカルシウム含有量がいずれも200質量ppm以下である実施例は、ナトリウム含有量およびカルシウム含有量がいずれも200質量ppmより多い比較例に対し、塩化水素および一酸化炭素の各転化率が、時間の経過に伴って低下するのを抑制できているのがわかる。

Claims (8)

  1. 一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に塩化水素を酸化して塩素を製造する方法であって、
    前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなり、かつ前記酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも200質量ppm以下であることを特徴とする塩素の製造方法。
  2. 前記酸化チタン担体は、さらにルチル型の酸化チタンを担体総量に対して20質量%以上の割合で含有する請求項1記載の塩素の製造方法。
  3. 前記ルテニウム化合物が、酸化ルテニウムを含む請求項1または2記載の塩素の製造方法。
  4. 一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の供給量が、塩化水素に対して5モル%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の塩素の製造方法。
  5. 一酸化炭素および不飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種と、塩化水素と、酸素とを供給して、触媒の存在下に一酸化炭素および/または不飽和炭化水素を酸化する方法であって、
    前記触媒は、ルテニウム化合物が酸化チタン担体に担持されてなり、かつ前記酸化チタン担体に占めるナトリウム含有量およびカルシウム含有量が、いずれも200質量ppm以下であることを特徴とする一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法。
  6. 前記酸化チタン担体は、さらにルチル型の酸化チタンを担体総量に対して20質量%以上の割合で含有する請求項5記載の酸化方法。
  7. 前記ルテニウム化合物が、酸化ルテニウムを含む請求項5または6記載の酸化方法。
  8. 一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の供給量が、塩化水素に対して5モル%以下である請求項5〜7のいずれかに記載の酸化方法。
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