JP2010105473A - 駆動系モジュール部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両への取付時におけるブーツの傷や破損を防止することができる駆動系モジュール部品を提供すること。
【解決手段】駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2と、ドライブシャフト3と、等速ジョイントと4を備えている。等速ジョイント4は、カップ状の外輪13を有しており、当該外輪13の開口部13aは、ブーツ18により覆われている。また、ドライブシャフト3には、ブーツ18を保護するためのガード20が取り付けられている。ガード20は、錐体状をなしており、弾性変形可能となっている。ガード20は、ドライブシャフト3側から等速ジョイント4側に向かって広がっており、ブーツ18を取り囲んでいる。
【選択図】図2
【解決手段】駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2と、ドライブシャフト3と、等速ジョイントと4を備えている。等速ジョイント4は、カップ状の外輪13を有しており、当該外輪13の開口部13aは、ブーツ18により覆われている。また、ドライブシャフト3には、ブーツ18を保護するためのガード20が取り付けられている。ガード20は、錐体状をなしており、弾性変形可能となっている。ガード20は、ドライブシャフト3側から等速ジョイント4側に向かって広がっており、ブーツ18を取り囲んでいる。
【選択図】図2
Description
この発明は、駆動源からの動力を車輪に伝達するための駆動系モジュール部品に関する。
自動車等の車両には、駆動源からの動力を車輪に伝達するための複数の機構が備えられている。これらの機構としては、例えば、車輪を回転可能に保持する車輪用軸受装置や、駆動源からの動力を車輪に伝達するためのドライブシャフトや、車輪用軸受装置とドライブシャフトとの間に介在しこれらの部材を動力伝達可能に連結するための等速ジョイントなどがある。特許文献1には、車輪用軸受装置、ドライブシャフトおよび等速ジョイントが一体化された駆動系モジュール部品が開示されている。
特許文献1において、等速ジョイントは、カップ状の外輪と、当該外輪の開口部からその内部に挿入されドライブシャフトと一体回転可能に連結された内輪と、外輪と内輪との間に介在し駆動源からの動力を内輪から外輪に伝達する複数のボールとを備えている。外輪は、車輪用軸受装置の一部と一体形成されており、外輪の開口部は、筒状のブーツによって覆われている。ブーツは、外周面が蛇腹状にされている。
また、この特許文献1において、駆動系モジュール部品は、車輪用軸受装置が車両(具体的には、ナックル)に形成された挿通孔に嵌合された状態で車両に取り付けられている。駆動系モジュール部品は、挿通孔に対してそのドライブシャフト側から挿入されている。駆動系モジュール部品が車両に取り付けられた状態で、ブーツは挿通孔を通過している。
特開2002−172911号公報
前述の特許文献1では、駆動系モジュール部品が車両に取り付けられるときに、車両(ナックル)に形成された挿通孔をブーツが通過するので、ブーツが、ナックルに擦れて傷ついたり破損したりするおそれがある。特に、特許文献1に係るブーツは、外周面が蛇腹状にされているので、ナックルに引っ掛かり易くなっている。
そこで、この発明の目的は、車両への取付時におけるブーツの傷や破損を防止することができる駆動系モジュール部品を提供することである。
そこで、この発明の目的は、車両への取付時におけるブーツの傷や破損を防止することができる駆動系モジュール部品を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、車輪(5)を回転可能に保持する車輪用軸受装置(2)と、駆動源(6)からの動力を車輪に伝達するための駆動軸(3)と、前記車輪用軸受装置と前記駆動軸との間に介在しこれらの部材を動力伝達可能に連結するための継手(4)とが一体化された駆動系モジュール部品であって、前記継手は、カップ状の外輪(13)と、当該外輪の開口部(13a)からその内部に挿入され前記駆動軸と一体回転可能に連結された内輪(14)と、前記外輪と前記内輪との間に介在し前記駆動源からの動力を前記内輪から前記外輪に伝達する伝達部材(15)とを含み、前記外輪の開口部は、前記外輪の外周および前記駆動軸の外周にそれぞれ一端および他端が取り付けられた筒状のブーツ(18)によって覆われており、前記駆動軸の外周には、当該駆動軸側から前記継手側に向かって広がる錐体状をなし、前記ブーツを取り囲むブーツ保護用のガード(20,120,220,320)が取り付けられており、前記車輪用軸受装置、前記駆動軸、前記継手および前記ガードは、一体化された状態で車両(N)に取り付けられるようになっており、前記車両への取付において、前記車両に形成された挿通孔(21)に対して少なくとも前記ガードが通過するまで前記駆動軸側から挿入され、前記継手の外輪が前記挿通孔内に配置された状態で、前記車輪用軸受装置が前記車両に取り付けられるものであり、前記ガードは、その外径の最大部(D1)が前記挿通孔の内径(D2)よりも大きくされており、前記挿通孔を通過するときに前記車両によって外方から押されて弾性的に縮径し、通過後にその弾性復元力により拡径するようにされており、前記車輪用軸受装置が前記車両に取り付けられた状態において、前記外輪と前記挿通孔との隙間(G1)を覆って当該隙間への異物の進入を抑制することができるようにされていること特徴とする駆動系モジュール部品(1)である。
この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものである。なお、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
この発明によれば、ブーツ保護用のガードによってブーツが覆われているので、車両に形成された挿通孔に対してブーツを通過させるときに、ブーツが車両に接触することを防止することができる。これにより、ブーツが車両に擦れて、ブーツが傷ついたり破損したりすることを防止することができる。
この発明によれば、ブーツ保護用のガードによってブーツが覆われているので、車両に形成された挿通孔に対してブーツを通過させるときに、ブーツが車両に接触することを防止することができる。これにより、ブーツが車両に擦れて、ブーツが傷ついたり破損したりすることを防止することができる。
また、ガードが錐体状をなしており、挿通孔に対してガードの小径部側から挿入されるようになっているので、ガードを挿通孔に挿入するときに、ガードの外表面をガイドとして機能させて、挿通孔に対してガードをスムーズに挿入することができる。そして、ガードの最大径が挿通孔の内径よりも大きくされているものの、ガードが弾性的に縮径可能とされているので、ガードを縮径させて挿通孔を通過させることができる。
さらに、ガードが挿通孔を通過した後は、外輪と挿通孔との隙間をガードによって覆うことができるので、例えば小石や水などの異物が外輪と挿通孔との隙間に進入することを抑制することができる。これにより、例えば車輪用軸受装置に小石が衝突することを抑制することができる。
請求項2記載の発明は、前記ガードは、母線(L1)に沿う方向に延びるスリット(24)が形成された断面C字状にされており、前記車両によって外方から押されたときに、前記スリットを挟んで対向する前記ガードの一部(22b)が径方向(R1)に重なり合って、前記ガードが弾性的に縮径するようにされていること特徴とする請求項1記載の駆動系モジュール部品である。
請求項2記載の発明は、前記ガードは、母線(L1)に沿う方向に延びるスリット(24)が形成された断面C字状にされており、前記車両によって外方から押されたときに、前記スリットを挟んで対向する前記ガードの一部(22b)が径方向(R1)に重なり合って、前記ガードが弾性的に縮径するようにされていること特徴とする請求項1記載の駆動系モジュール部品である。
この発明によれば、ガードの断面がC字状にされているので、ガードが車両によって外方から押されたときに、ガードの一部をガードの内側に巻き込ませて、スリットを挟んで対向するガードの一部を径方向に重なり合わすことができる。これにより、ガードを弾性的に縮径させることができる。
スリットをガードに形成することにより、スリットが形成されていない場合に比べて、ガードの縮径量を大きくすることができるので、ガードの最大径を大きくしても、挿通孔に対してガードを通過させることができる。そして、ガードの最大径を大きくすることにより、外輪と挿通孔との隙間をガードによって確実に覆うことができるので、スリットが形成されていない場合に比べて、外輪と挿通孔との隙間に異物が進入することを一層抑制することができる。
スリットをガードに形成することにより、スリットが形成されていない場合に比べて、ガードの縮径量を大きくすることができるので、ガードの最大径を大きくしても、挿通孔に対してガードを通過させることができる。そして、ガードの最大径を大きくすることにより、外輪と挿通孔との隙間をガードによって確実に覆うことができるので、スリットが形成されていない場合に比べて、外輪と挿通孔との隙間に異物が進入することを一層抑制することができる。
請求項3記載の発明は、前記ガードの外表面(22a)は、母線に沿う方向に関して滑らかにされていること特徴とする請求項1または2記載の駆動系モジュール部品である。
この発明によれば、ガードの外表面が母線に沿う方向に関して滑らかにされているので、挿通孔に対してガードを通過させるときに、車両に対してガードを引っ掛からせることなくスムーズに通過させることができる。
この発明によれば、ガードの外表面が母線に沿う方向に関して滑らかにされているので、挿通孔に対してガードを通過させるときに、車両に対してガードを引っ掛からせることなくスムーズに通過させることができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る駆動系モジュール部品1が備えられた車両の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3(駆動軸)および等速ジョイント4(継手)からなる。車輪用軸受装置2は、車輪5を回転可能に保持するためのものであり、ドライブシャフト3は、エンジン6(駆動源)からの動力を車輪5に伝達するためのものである。また、等速ジョイント4は、車輪用軸受装置2とドライブシャフト3との間に介在しこれらの部材2,3を動力伝達可能に連結するためのものである。図1では、一対の駆動系モジュール部品1が図示されている。各駆動系モジュール部品1の車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3および等速ジョイント4は予め一体化されており、一体化された状態で車両に取り付けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係る駆動系モジュール部品1が備えられた車両の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3(駆動軸)および等速ジョイント4(継手)からなる。車輪用軸受装置2は、車輪5を回転可能に保持するためのものであり、ドライブシャフト3は、エンジン6(駆動源)からの動力を車輪5に伝達するためのものである。また、等速ジョイント4は、車輪用軸受装置2とドライブシャフト3との間に介在しこれらの部材2,3を動力伝達可能に連結するためのものである。図1では、一対の駆動系モジュール部品1が図示されている。各駆動系モジュール部品1の車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3および等速ジョイント4は予め一体化されており、一体化された状態で車両に取り付けられている。
また、左右一対の車輪用軸受装置2は、それぞれ、対応するドライブシャフト3の先端に等速ジョイント4を介して取り付けられている。左右の車輪5は、それぞれ対応する車輪用軸受装置2によって回転可能に保持されている。エンジン6からの駆動力はドライブシャフト3に与えられ、ドライブシャフト3から等速ジョイント4を介して車輪用軸受装置2に伝達される。そして車輪用軸受装置2に保持された車輪5が回転される。
この発明は、エンジン6からの動力を車輪5に伝達するための駆動系モジュール部品1の改良を内容としている。以下では、本発明の一実施形態に係る駆動系モジュール部品1について具体的に説明する。
図2は、駆動系モジュール部品1の図解的な縦断面図である。
図2を参照して、車輪用軸受装置2は、フランジシャフト7およびハブシャフト8と、転動体としての複数のボール9を介してこれらのシャフト7,8に回転自在に連結された外輪10とを備えている。フランジシャフト7およびハブシャフト8は、同軸となるように一体回転可能に連結されており、車輪用軸受装置2の内輪として機能する。
図2は、駆動系モジュール部品1の図解的な縦断面図である。
図2を参照して、車輪用軸受装置2は、フランジシャフト7およびハブシャフト8と、転動体としての複数のボール9を介してこれらのシャフト7,8に回転自在に連結された外輪10とを備えている。フランジシャフト7およびハブシャフト8は、同軸となるように一体回転可能に連結されており、車輪用軸受装置2の内輪として機能する。
車輪用軸受装置2は、外輪10に形成されたフランジ10aを介して車両(具体的には、ナックルまたはキャリア。本実施形態では、ナックルN。)に固定される。また、車輪5は、フランジシャフト7に形成されたフランジ7aに固定される。エンジン6からの動力は、ドライブシャフト3および等速ジョイント4を介して、ハブシャフト8に伝達される。エンジン6からの動力がハブシャフト8に伝達されることで、車輪5が、ハブシャフト8およびフランジシャフト7とともに一体回転する。
また、車輪用軸受装置2は、例えば複列アンギュラ玉軸受として機能するように構成されている。複数のボール9は、それぞれ環状をなす2つの列を構成している。一方の列を構成する複数のボール9は、フランジシャフト7と外輪10との間で保持されている。また、他方の列を構成する複数のボール9は、ハブシャフト8と外輪10との間で保持されている。車輪用軸受装置2の内部すきまは例えば負すきまとされており、各ボール9には予圧が与えられている。
また、外輪10の内周側には、それぞれ環状をなす一対のシール11,12が配置されている。一方のシール11は、外輪10の一端部(図2では左側の開口端部)とフランジシャフト7との間に配置されている。また、他方のシール12は、外輪10の他端部(図2では右側の開口端部)とハブシャフト8との間に配置されている。これらのシール11,12によって、車輪用軸受装置2の内部(フランジシャフト7およびハブシャフト8と外輪10との間)に異物(例えば水や埃など)が進入することが防止されている。各シール11,12は、外輪10によって保持されており、フランジシャフト7およびハブシャフト8と外輪10とが相対回転すると、フランジシャフト7またはハブシャフト8に摺動するようになっている。
一方、等速ジョイント4は、例えばボール型のものであり、カップ状の外輪13と、当該外輪13の開口部13aからその内部に挿入されドライブシャフト3の先端に一体回転可能に連結された内輪14と、外輪13と内輪14との間に介在しエンジン6からの動力を内輪14から外輪13に伝達する複数のボール15(伝達部材)とを備えている。
ドライブシャフト3を介して内輪14に伝達されたエンジン6からの動力は、内輪14の外周面に形成された溝16とボール15との係合により複数のボール15に伝達され、さらに、外輪13の内周面に形成された溝17とボール15との係合により外輪13に伝達される。これにより、エンジン6からの動力が、等速ジョイント4を介してドライブシャフト3から車輪用軸受装置2に伝達される。
ドライブシャフト3を介して内輪14に伝達されたエンジン6からの動力は、内輪14の外周面に形成された溝16とボール15との係合により複数のボール15に伝達され、さらに、外輪13の内周面に形成された溝17とボール15との係合により外輪13に伝達される。これにより、エンジン6からの動力が、等速ジョイント4を介してドライブシャフト3から車輪用軸受装置2に伝達される。
等速ジョイント4は、内輪14の中心軸線に対して外輪13の中心軸線を傾斜させることができ、外輪13の中心軸線に対して内輪14の中心軸線を傾斜させることができる。また、等速ジョイント4は、等速性を維持しつつ外輪13および内輪14の一方から他方に回転を伝達させることができる。したがって、等速ジョイント4は、例えば車輪5が操舵されたときに(車輪5および車輪用軸受装置2がナックルNとともに揺動されたときに)、ドライブシャフト3の中心軸線に対して外輪13の中心軸線を傾斜させることができる。また、等速ジョイント4は、等速性を維持しつつドライブシャフト3から外輪13に回転を伝達させることができる。
この実施形態では、外輪13がハブシャフト8と一体形成されており、外輪13の開口部13aがドライブシャフト3側(図2では右側)に向けられている。外輪13の開口部13aは、筒状のブーツ18によって覆われている。これにより、等速ジョイント4の内部(外輪13の内部)への異物の進入が防止されている。
ブーツ18は、例えば合成ゴムや合成樹脂製であり、弾性変形可能となっている。ブーツ18の外周面は、蛇腹状にされている。ブーツ18の一端(左端)および他端(右端)は、それぞれ、対応する取付バンド19,19によって外輪13の外周およびドライブシャフト3の外周に取り付けられている。ブーツ18は、外輪13およびドライブシャフト3の相対移動に追従するようになっている。ブーツ18の周囲には、錐体状をなす筒状のガード20が配置されており、ブーツ18の大部分は、ガード20によって覆われている。
ブーツ18は、例えば合成ゴムや合成樹脂製であり、弾性変形可能となっている。ブーツ18の外周面は、蛇腹状にされている。ブーツ18の一端(左端)および他端(右端)は、それぞれ、対応する取付バンド19,19によって外輪13の外周およびドライブシャフト3の外周に取り付けられている。ブーツ18は、外輪13およびドライブシャフト3の相対移動に追従するようになっている。ブーツ18の周囲には、錐体状をなす筒状のガード20が配置されており、ブーツ18の大部分は、ガード20によって覆われている。
前述のように、車輪用軸受装置2は、外輪10に形成されたフランジ10aを介して車両(具体的には、ナックルN)に固定される。車輪用軸受装置2は、ナックルNに形成された挿通孔21に外輪13の一部が嵌合された状態でナックルNに固定される。また、車輪用軸受装置2がナックルNに固定された状態において、等速ジョイント4の外輪13は、挿通孔21内に配置される。このとき、等速ジョイント4とナックルNとの間には、環状の隙間G1が生じるようになっている。
この実施形態に係る駆動系モジュール部品1の一つの特徴は、駆動系モジュール部品1を車両に取り付けるときに、ガード20によってブーツ18を保護し、車両への取付時におけるブーツ18の傷や破損を防止できることにある。以下では、ガード20について具体的に説明し、次いで、駆動系モジュール部品1の車両への取り付けについて説明する。
図3および図4は、それぞれ、ガード20の模式的な斜視図である。図3は、ガード20に荷重が与えられていない状態(自由状態)を示しており、図4は、ガード20に荷重が与えられ、ガード20が縮径している状態を示している。
図3および図4は、それぞれ、ガード20の模式的な斜視図である。図3は、ガード20に荷重が与えられていない状態(自由状態)を示しており、図4は、ガード20に荷重が与えられ、ガード20が縮径している状態を示している。
図3および図4を参照して、ガード20は、全体として錐体状(例えば円錐状)をなす筒状の部材である。ガード20は、例えば円錐状をなす筒状の錐体部22と、筒状の取り付け部23とを有している。錐体部22と取り付け部23とは、例えば一体形成されている。錐体部22は、自由状態において取り付け部23と同軸となるように、その小径側の端部が取り付け部23の一端(図3および図4では、左端)に連結されている。錐体部22の外表面22aは、滑らかにされており、母線L1に沿う方向に関して凹凸のない平坦面となっている。ガード20は、例えば合成ゴムや合成樹脂製であり、弾性変形可能となっている。例えば錐体部22に対して径方向R1内方への荷重が加わると、錐体部22は、弾性的に縮径するようになっている。
また、図3に示すように、ガード20には、母線L1に沿う方向に延びるスリット24が形成されている。取り付け部23および錐体部22の断面(ガード20の中心軸線L2に直交する断面)は、それぞれC字状をなしている。錐体部22に対して径方向R1内方への荷重が加わると、図4に示すように、錐体部22の一部が錐体部22の内側に巻き込まれ、スリット24を挟んで対向する錐体部22の一部22bが径方向R1に重なり合う。これにより、錐体部22が弾性的に縮径するようになっている。スリット24をガード20に形成することにより、スリット24が形成されていないガードに比べて、錐体部22の縮径量を大きくすることができる。
図2を参照して、取り付け部23は、ブーツ18よりも車両の内側(図2では右側)において、取付バンド25によってドライブシャフト3の外周に取り付けられている。ガード20は、その中心軸線L2がドライブシャフト3の中心軸線上にくるようにドライブシャフト3に取り付けられている。ガード20がドライブシャフト3に取り付けられた状態において、錐体部22は、取り付け部23に対して等速ジョイント4側に位置している。ガード20は、錐体部22がドライブシャフト3側から等速ジョイント4側に向かって広がるようにドライブシャフト3に取り付けられている。錐体部22は、ブーツ18の周囲を取り囲んでおり、ブーツ18の大部分を覆っている。
また、錐体部22の大径側の端部(図2では、左端部)とナックルNとの間には、ドライブシャフト3の軸方向への隙間G2が生じるようにされている。この隙間G2は、ドライブシャフト3とナックルNとが相対移動したときに(例えば車輪5が操舵されたときに)、ガード20がナックルNに接触しない大きさに設定されている。これにより、ナックルNにガード20が擦れて、ガード20が摩耗したり傷ついたりすることが防止されている。
また、錐体部22は、その外径の最大部(左端の外径D1)が挿通孔21の内径D2よりも大きくされている。錐体部22は、車両の内側(右側)から見て、挿通孔21を覆うようになっている。これにより、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1をガード20により覆うことができる。したがって、等速ジョイント4と挿通孔21との隙間G1に、小石や水などの異物が進入することを抑制することができる。
すなわち、ガード20がナックルNに接触しないようにするため、錐体部22の大径側の端部(左端部)とナックルNとの間に隙間G2を設ける必要があるので、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1をガード20によって完全に覆うことはできないものの、車両の内側(右側)から挿通孔21に向かって飛散してくる異物の一部をガード20によって受け止めることができる。これにより、等速ジョイント4と挿通孔21との隙間G1に異物が進入することを抑制することができる。
図5は、車両に対する駆動系モジュール部品1の取り付け工程を説明するための図解的な縦断面図である。
駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3、等速ジョイント4およびガード20が一体化された状態で、車両に取り付けられる。具体的には、図5(a)に示すように、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3、等速ジョイント4およびガード20が一体化された状態で、ナックルNに形成された挿通孔21に対してドライブシャフト3側から挿入される。
駆動系モジュール部品1は、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3、等速ジョイント4およびガード20が一体化された状態で、車両に取り付けられる。具体的には、図5(a)に示すように、車輪用軸受装置2、ドライブシャフト3、等速ジョイント4およびガード20が一体化された状態で、ナックルNに形成された挿通孔21に対してドライブシャフト3側から挿入される。
そして、ドライブシャフト3が挿通孔21に対して所定量挿入されると、図5(b)に示すように、ドライブシャフト3に取り付けられたガード20が挿通孔21に挿入される。前述のように、ガード20が錐体状にされており、挿通孔21に対してガード20の小径部側から挿入されるようになっているので、ガード20が挿通孔21に挿入されるとき、ガード20(錐体部22)の外表面22aがガイドとして機能して、挿通孔21に対してガード20をスムーズに挿入できるようになっている。
一方、本実施形態では、ガード20の最大径D1が挿通孔21の内径D2よりも大きくされているので、錐体部22が挿通孔21に対して所定量挿入されると、図5(b)に示すように、錐体部22がナックルNに接触してしまう。しかし、本実施形態では、錐体状をなすガード20がドライブシャフト3側から等速ジョイント4側に向かって広がるようにドライブシャフト3に取り付けられており、さらに、ガード20が弾性的に縮径するようになっているので、錐体部22を弾性的に縮径させて、挿通孔21に対してガード20を通過させることができる。
すなわち、本実施形態では、傾斜面である錐体部22の外表面22aによって、挿通孔21に対してガード20を挿入する方向への荷重を、ナックルNが錐体部22を径方向R1内方に押す荷重に変換させることができる(図5(b)における白抜きの矢印を参照。)。そして、ナックルNが錐体部22を径方向R1内方に押す荷重により錐体部22を弾性的に縮径させることができる。これにより、錐体部22がナックルNに接触しても、挿通孔21に対してガード20を通過させることができる。
さらに、本実施形態では、錐体部22の外表面22aが滑らかにされているので、ナックルNに対してガード20を引っ掛からせることなく、挿通孔21に対してガード20をスムーズに通過させることができる。これにより、ガード20によりブーツ18を覆った状態で、挿通孔21に対してブーツ18およびガード20をスムーズに通過させることができる。すなわち、ナックルNに対してブーツ18を接触させることなく、挿通孔21に対してブーツ18を通過させることができる。これにより、ブーツ18がナックルNに擦れて、ブーツ18が傷ついたり破損したりすることを防止することができる。
ブーツ18およびガード20が挿通孔21を通過した後は、図5(c)に示すように、弾性的に縮径していたガード20がその弾性復元力により拡径する。そして、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1が錐体部22によって覆われる。これにより、等速ジョイント4と挿通孔21との隙間G1への異物の進入が抑制される。また、車輪用軸受装置2がナックルNに取り付けられた後も、ガード20によりブーツ18が覆われているので、小石などの異物がブーツ18に衝突して、ブーツ18が傷ついたり破損したりすることを防止することができる。
以上のように本実施形態では、ガード20によってブーツ18を保護しているので、車両(ナックルN)にブーツ18を接触させることなく、挿通孔21に対してブーツ18を通過させることができる。これにより、ブーツ18がナックルNに擦れて、ブーツ18が傷ついたり破損したりすることを防止することができる。また、挿通孔21に対してブーツ18およびガード20が挿通孔21を通過した後は、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1をガード20によって覆うことができるので、当該隙間G1に例えば小石や水などの異物が進入することを抑制することができる。これにより、例えば車輪用軸受装置2の耐久性を向上させることができる。
すなわち、車輪用軸受装置2は、一対のシール11,12によって、内部への異物の進入が防止されているものの、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1に異物が進入すると、進入した異物により、例えばシール11,12が傷ついたり破損したりして、車輪用軸受装置2の内部に異物が進入するおそれがある。したがって、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1への異物の進入を抑制することにより、シール11,12の傷や破損を抑制して、車輪用軸受装置2の耐久性を向上させることができる。
また本実施形態では、スリット24をガード20に形成することにより、ガード20(錐体部22)の縮径量が拡大されているので、ガード20の最大径D1を大きくしても、挿通孔21に対してガード20を通過させることができる。さらに、ガード20の最大径D1を大きくすることにより、車両の内側から挿通孔21に向かって飛散してくるより多くの異物をガード20によって受け止めることができるので、等速ジョイント4の外輪13と挿通孔21との隙間G1に異物が進入することを一層抑制することができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、円錐状をなし、1つのスリット24が形成されたガード20について説明したが、ガードの形状はこれに限らない。
すなわち、ガードは、複数のスリット24が形成されたものであってもよいし、例えば図6に示すガード120のように、スリット24が形成されていない筒状のものであってもよい。また、ガードは、円錐状に限らず、例えば図7に示すガード220のように、多角錐状であってもよい。さらに、ガードの錐体部は、例えば図8に示すガード320の錐体部322のように、複数の帯体26により構成されていてもよい。この図8において、複数の帯体26は、周方向に間隔を隔てて環状に配置されており、全体として錐体状をなしている。各帯体26は、一端(図8では、右端)が取り付け部23に連結されており、母線L1に沿って延びている。
すなわち、ガードは、複数のスリット24が形成されたものであってもよいし、例えば図6に示すガード120のように、スリット24が形成されていない筒状のものであってもよい。また、ガードは、円錐状に限らず、例えば図7に示すガード220のように、多角錐状であってもよい。さらに、ガードの錐体部は、例えば図8に示すガード320の錐体部322のように、複数の帯体26により構成されていてもよい。この図8において、複数の帯体26は、周方向に間隔を隔てて環状に配置されており、全体として錐体状をなしている。各帯体26は、一端(図8では、右端)が取り付け部23に連結されており、母線L1に沿って延びている。
また前述の実施形態では、等速ジョイント4の外輪13が、車輪用軸受装置2のハブシャフト8と一体形成されている場合について説明したが、これに限らず、外輪13およびハブシャフト8は、物理的に分離された別の部材とされていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1・・・駆動系モジュール部品、2・・・車輪用軸受装置、3・・・ドライブシャフト(駆動軸)、4・・・等速ジョイント(継手)、5・・・車輪、6・・・エンジン(駆動源)、13・・・(等速ジョイントの)外輪、13a・・・(外輪の)開口部、14・・・(等速ジョイントの)内輪、15・・・ボール(伝達部材)、18・・・ブーツ、20・・・ガード、21・・・挿通孔、22a・・・(ガードの)外表面、22b・・・スリットを挟んで対向するガードの一部、24・・・スリット、120・・・ガード、220・・・ガード、320・・・ガード、D1・・・(ガードの)外径の最大部、D2・・・(挿通孔の)内径、G1・・・(外輪と挿通孔との)隙間、L1・・・母線、N・・・ナックル(車両)、R1・・・径方向
Claims (3)
- 車輪を回転可能に保持する車輪用軸受装置と、駆動源からの動力を車輪に伝達するための駆動軸と、前記車輪用軸受装置と前記駆動軸との間に介在しこれらの部材を動力伝達可能に連結するための継手とが一体化された駆動系モジュール部品であって、
前記継手は、カップ状の外輪と、当該外輪の開口部からその内部に挿入され前記駆動軸と一体回転可能に連結された内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在し前記駆動源からの動力を前記内輪から前記外輪に伝達する伝達部材とを含み、
前記外輪の開口部は、前記外輪の外周および前記駆動軸の外周にそれぞれ一端および他端が取り付けられた筒状のブーツによって覆われており、
前記駆動軸の外周には、当該駆動軸側から前記継手側に向かって広がる錐体状をなし、前記ブーツを取り囲むブーツ保護用のガードが取り付けられており、
前記車輪用軸受装置、前記駆動軸、前記継手および前記ガードは、一体化された状態で車両に取り付けられるようになっており、前記車両への取付において、前記車両に形成された挿通孔に対して少なくとも前記ガードが通過するまで前記駆動軸側から挿入され、前記継手の外輪が前記挿通孔内に配置された状態で、前記車輪用軸受装置が前記車両に取り付けられるものであり、
前記ガードは、その外径の最大部が前記挿通孔の内径よりも大きくされており、前記挿通孔を通過するときに前記車両によって外方から押されて弾性的に縮径し、通過後にその弾性復元力により拡径するようにされており、前記車輪用軸受装置が前記車両に取り付けられた状態において、前記外輪と前記挿通孔との隙間を覆って当該隙間への異物の進入を抑制することができるようにされていること特徴とする駆動系モジュール部品。 - 前記ガードは、母線に沿う方向に延びるスリットが形成された断面C字状にされており、前記車両によって外方から押されたときに、前記スリットを挟んで対向する前記ガードの一部が径方向に重なり合って、前記ガードが弾性的に縮径するようにされていること特徴とする請求項1記載の駆動系モジュール部品。
- 前記ガードの外表面は、母線に沿う方向に関して滑らかにされていること特徴とする請求項1または2記載の駆動系モジュール部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008277846A JP2010105473A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 駆動系モジュール部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008277846A JP2010105473A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 駆動系モジュール部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010105473A true JP2010105473A (ja) | 2010-05-13 |
Family
ID=42295344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008277846A Pending JP2010105473A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 駆動系モジュール部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010105473A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9422987B2 (en) | 2014-12-10 | 2016-08-23 | Ford Global Technologies, Llc | Universal joint with protective shield |
US9494198B2 (en) | 2014-11-24 | 2016-11-15 | Ford Global Technologies, Llc | Universal joint with protective shield |
KR102130247B1 (ko) * | 2019-04-16 | 2020-07-03 | 현대위아 주식회사 | 드레그 토크 저감 기능을 갖는 차량용 드라이브 액슬 |
-
2008
- 2008-10-29 JP JP2008277846A patent/JP2010105473A/ja active Pending
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