JP2010105140A - 自動組立装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体部品の平面部の穴に対して組付部品を正確に位置合わせすることができる自動組立装置を提供する。
【解決手段】自動組立装置は、鉄板7と隙間を有して対向するように配置され、平面部に対して略垂直なリング穴を有し、かつリング穴の中心軸方向に磁化されたリング型磁石10と、ネジ26をリング穴の中心軸とを合わせて保持して上記中心軸方向に移動する自動ドライバと、リング型磁石10および自動ドライバを鉄板7に対して平行に移動可能に支持するスカラロボットとを備えている。これによって、リング型磁石10は、鉄板7の穴24に対して、ネジ26を位置合わせすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体部品の平面部に形成された穴に組付部品を組み付ける自動組立装置に関するものであり、より具体的には、上記穴に組付部品を位置合わせして組み付ける自動組立装置に関するものでる。
多数の穴が開けられた大型の鉄板に対して、個別の小型部品を挿入したりネジ止めしたりする組立は、産業において一般的に行われている。このような組立では、鉄板における穴の位置精度が必要最低限に抑えられており、ばらつきが大きい。したがって、現状、このような組立は、人による作業によって行われている。これを自動化するためには、個々の穴に対して、個別に位置検出を行うことや、組立部品の位置合わせを行うことが必要となる。
従来の自動組立においては、部品の組付け位置に対する位置検出手段として、画像による測定方法が広く利用されている。例えば、電子部品の実装機では、基板上の基準マークを画像によって検出する位置検出方法が行われている。しかしながら、この画像計測方法を、上述した大型の鉄板に対する組立において用いる場合には、いくつかの問題が存在する。
まず、画像による測定方法では、画像処理のために、複数の演算を行う時間が必要となる。このため、部品の組付け位置ごとに位置検出を行おうとすると、その組付け位置の数だけ時間がかかり、組立時間が長くなる。したがって、画像による測定方法は、穴の位置精度にばらつきがある大型部品に対する穴位置検出には適さない。
また、画像処理において良好な結果を得るためには、カメラを部品に対して静止させてから撮像を行う必要がある。このため、カメラを測定位置へ移動した後には、制振のための待ち時間が必要となり、これが時間増加の原因となる。また、固定式のカメラを用いて部品全体を撮像しようとする場合、撮像画像において必要な精度を得るためには、分解能および画素数が高い撮像機器を必要とするため、コストがかかる。さらに、画像処理において安定な結果を得るためには照明条件を一定に保つことが必要であり、このためには、暗室や高性能の照明などを用意しなくてはならない。しかしながら、撮像対象が大型である場合には、大型の暗室および照明を用意する必要があり、これは大きなコスト増加につながる。
一方、組立部品の位置合わせをする手段として、磁力を利用した部品同士の位置合わせ技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1は、軸部品同士の組立に関する技術であり、2つの軸部品の一方に磁石を接触させている。軸部品間には磁力による吸引力が発生するため、軸部品同士の位置合わせを行うことができる。
特開昭60−57483号公報(1985年4月3日公開)
しかしながら、引用文献1に開示された技術は、軸同士の位置合わせ技術であり、これを、穴の位置検出のために用いることは困難である。例えば、棒状の磁石と穴の中心との位置合わせによって穴の位置検出をすることは、以下の理由により行うことができない。
まず、磁石と磁性体との間に働く磁力は、距離の2乗に反比例する引力である。このため、穴の上から棒状の磁石を近づけると、磁石は穴の縁に対して、当該磁石から遠い側の縁よりも近い側の縁に、より強く引き付けられる。その結果、磁石は穴の一番近い縁に近づいて行き、この縁に接した状態が安定となってしまう。このため、穴の中心が安定点とならず、検出位置を収束させることができない。
したがって、引用文献1に開示された技術を用いたとしても、自動組立装置において正確に穴の位置を検出することができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性体部材に形成された穴位置を正確に検出し、かつその穴に組付部品を組み付けることのできる自動組立装置を提供することにある。
本発明に係る自動組立装置は、磁性体部品の平面部に形成された穴に組付部品を挿入する自動組立装置であって、上記平面部と隙間を有して対向するように配置され、上記平面部に対して略垂直なリング穴を有し、かつ当該リング穴の中心軸に対して略軸対称に磁化されたリング型磁石と、上記組付部品を、当該組付部品の中心軸と上記リング穴の中心軸とを合わせて保持し、かつ上記中心軸方向に移動する部品保持部と、上記リング型磁石および上記部品保持部を、上記平面部に対して平行に移動可能に支持する案内部とを、備えていることを特徴としている。
上記構成では、リング型磁石は、磁性体部品の平面部に対して隙間を有して対向しており、リング型磁石の中心軸はこの平面部に対して略垂直である。また、リング型磁石は、案内部の支持によって、磁性体部品に対して水平方向の移動のみが可能となっている。
なお、以下、磁性体部品の配置される側を下方とし、リング型磁石の配置される側を上方として説明する。また、磁性体部品の穴とリング型磁石のリング穴の対面する形状が略同一である場合について説明する。
リング型磁石は、当該リング型磁石の一方の側から出てもう一方の側に入る磁力線を発生する。一般に、磁石の磁力線は、より透磁率の高い物質を通る方向に磁力を発生する。このため、リング型磁石は、磁性体部品の穴よりも磁性体部品自体を通る方向に磁力を発生する。
リング型磁石の中心軸が、磁性体部品の穴の中心軸とずれた位置にあるとき、リング型磁石において穴の上部に位置する部位は、最も近くにある磁性体部品の縁に対して磁力を発生する。この磁力は、磁性体部品に対して水平な方向にリング型磁石のずれを戻す成分を有する。一方、リング型磁石において磁性体部品の上部に位置する部位は、下側の磁性体部品に磁力を発生する。すなわち、リング型磁石の全体には、ずれを戻す方向と下方とに磁力が発生する。リング型磁石が移動可能な方向は、磁性体部品に対して水平な方向であるため、リング型磁石はずれを戻す方向のみに移動する。
また、リング型磁石の中心軸が穴の中心軸と一致するとき、リング型磁石と、穴周囲の磁性体部品の縁とが引き合う力は軸対称となる。このとき、磁性体部品に対して平行な方向において、リング型磁石を引っ張る力は釣り合うため、リング型磁石の位置は安定する。
したがって、上記構成では、リング型磁石が、磁力によって、磁性体部品に形成された穴の位置が重なる方向に移動する。
また、上記構成では、組付部品の挿入方向の中心軸がリング型磁石の中心軸と同軸になるよう、部品保持部は組付部品を保持する。このため、リング型磁石が磁性体部品に形成された穴の位置と重なることによって、部品保持部を磁性体部品上の穴に位置合わせすることができる。その後、部品保持部がリング型磁石の中心軸方向に移動すると、部品保持部は、組付部品を穴に正確に挿入することができる。
また、本発明に係る自動組立装置は、上記リング型磁石に働く磁力の強さおよび方向を検知する検知部と、上記案内部を上記平面部に対して平行に移動する駆動部と、上記検知部が検知した磁力に基づいて上記駆動部を制御する制御部とを、備えていることが好ましい。
上記構成では、検知部は、リング型磁石に働く磁力の強さおよび方向を検知し、駆動部
は案内部を上記平面部に対して平行に移動し、制御部は、検知部が検知した磁力に基づいて駆動部を制御する。
したがって、上記構成では、磁性体部品に対して磁石が発生する微小な磁力に基づいて、部品保持部を磁性体部品上の穴に位置合わせすることができる。
また、本発明に係る自動組立装置は、上記磁性体部品の画像を取得する撮像手段と、上記画像から上記穴の概略位置を算出する画像処理手段とを、備えていることが好ましい。
上記構成では、撮像手段は磁性体部品の画像を取得し、画像処理手段は、上記画像から磁性体部品の穴の概略位置を算出する。
したがって、上記構成によれば、磁力によってリング型磁石が穴位置に正確に位置合わせされる前に、予め、穴の概略位置に位置合わせすることができる。これによって、組付部品の位置合わせを迅速にすることができる。
また、本発明に係る自動組立装置は、上記案内部の移動を固定する固定部を備えていることが好ましい。
上記構成では、固定部は案内部の移動を固定する。リング型磁石が穴位置に重なった後、固定部が案内部を固定すれば、リング型磁石および部品保持部が移動することはない。したがって、部品保持部は、リング型磁石によって位置合わせされた穴の位置からぶれることなく、組付部品を穴により正確に挿入することができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記リング型磁石は、上記磁性体部品と対面する側が開口したコの字状の断面を有するリング形状のヨークと、上記ヨークの開口内に固定された磁石部とから構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、リング型磁石の磁力は磁性体部品側にのみ発生する。このため、リング型磁石の磁力が、当該リング型磁石に対して磁性体部品とは反対側にある他の構成部材や組付部品に対して働くことはない。したがって、自動組立装置の組付け動作が磁力によって阻害されることを避けることができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記磁石部は電磁石であり、上記電磁石の電源操作を行う電磁石制御部を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、十分な強さの磁力を必要な時にのみ発生させることができる。したがって、位置合わせ以外の自動組立装置の動作が、磁力によって阻害されることを避けることができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記磁石部は、上記ヨークのリング形状に沿って等間隔に配置された複数の磁石であることが好ましい。
上記構成によれば、小型の磁石を利用してリング型磁石を構成することができるため、より安価な自動組立装置を実現することができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記リング型磁石は、支持部を介して上記案内部に支持されており、上記支持部は、上記リング型磁石と共に回転移動するリング型磁石退避機構を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、支持部が回転することによって、リング型磁石はその位置から素早く退避することができる。このため、組付部品の寸法がリング型磁石のリング穴の寸法よりも大きい場合であっても、リング型磁石による組付部品の位置合わせが行われた後に支持部が回転すれば、組付部品とリング型磁石とが接触することを防止できる。したがって、組付部品を穴に挿入する動作が滑らかに行われる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記リング型磁石は、互いに接してリング形状を形成する複数の分割磁石から構成されており、上記分割磁石は、支持部を介して上記案内部にそれぞれ支持されており、上記支持部は、上記平面部に対して略水平な軸を中心にして、上記分割磁石と共に回転移動するリング型磁石退避機構を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、上記リング型磁石は、支持部が回転することによって、複数の分割磁石が互いに接した状態から、各分割磁石それぞれに分離される。このととき、支持部は平面部に対して略水平な軸を中心にして回転するため、各分割磁石は、リング穴の中心位置からより素早く退避することができる。
また、組付部品の寸法がリング型磁石のリング穴の寸法よりも大きい場合であっても、リング型磁石による組付部品の位置合わせが行われた後に支持部が回転すれば、組付部品とリング型磁石とが接触することを防止できる。
したがって、上記構成では、組付部品を穴に挿入する動作が素早く滑らかに行われる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記リング穴の形状は、上記穴、または上記磁性体部品が当該穴の周囲に有する段落ち部と同じ形状を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る自動組立装置において、上記リング穴の寸法は、上記穴の寸法、または上記段落ち部の外径の寸法に対して、1倍以下であることが好ましい。
上記構成によれば、リング型磁石による組付部品の位置合わせを、より高精度に行うことができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記リング型磁石の外形寸法は、上記リング穴の寸法の2倍以上であることとが好ましい。
上記構成によれば、穴の周囲において、リング型磁石による位置合わせが可能な範囲を十分に広くすることができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記制御部が、上記検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量を算出し、上記案内部が、上記制御部の算出情報に基づいた補正移動を行うことが好ましい。
上記構成によれば、穴の周囲において、リング型磁石による位置合わせが可能な範囲をより広くすることができる。
また、本発明に係る自動組立装置において、上記制御部が、前記検知部から出力される磁力の強さが所定の閾値を下回るまで、前記検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量を算出し、上記案内部が、上記制御部の算出情報に基づいた補正移動を繰り返すことが好ましい。
上記構成によれば、リング型磁石による組付部品の位置合わせが、より高精度に行われる。
本発明に係る自動組立装置は、磁性体部品の平面部に形成された穴に組付部品を挿入する自動組立装置であって、上記平面部と隙間を有して対向するように配置され、上記平面部に対して略垂直なリング穴を有し、かつ当該リング穴の中心軸方向に磁化されたリング型磁石と、上記記組付部品を、当該組付部品の中心軸と上記リング穴の中心軸とを合わせて保持し、かつ上記中心軸方向に移動する部品保持部と、上記リング型磁石および上記部品保持部を、上記平面部に対して平行に移動可能に支持する案内部とを、備えているため、リング型磁石の磁力によって、磁性体部材に形成された穴に対して、組付部品を正確に位置合わせし、組み付けることができる。
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について、図1から図8に基づいて説明すると以下の通りである。
本実施形態において、自動組立装置1は、鉄板7をその下に置かれた樹脂フレーム8に対してネジ止め固定するネジ締め装置である。まず、図2に基づいて、自動組立装置1の概略構成について説明する。図2は、自動組立装置1を示す側面図である。自動組立装置1は、スカラロボット2、組付け部3、ネジ供給機4、ワーク台5、測定カメラ6、およびコントローラ(図示しない)を備えている。スカラロボット2の基部は、ワーク台5と一体に構成されており、組付け部3は、スカラロボット2の先端に取り付けられている。ネジ供給機4は、ワーク台5の一端に固定されている。ワーク台5上のワーク設置領域には、鉄板7および樹脂フレーム8が外部の投入装置によって設置され、ネジ止め後、鉄板7および樹脂フレーム8はワーク台5から払い出される。
なお、本明細書において、自動組立装置1における上下方向を述べるときは、特段の断りがない限り、ワーク台5側を下方とし、組付け部3側を上方とする。
次に、本実施形態におけるスカラロボット2について説明する。
スカラロボット2はスカラ型のロボットである。スカラロボット2は、それぞれ接続されたロボット基部14、および、リンク15〜17を備えている。さらに、スカラロボット2は、ワーク台5に対して鉛直軸周りに移動する2軸の回転関節18a、18bと、先端を上下させる直動関節19の3つの関節を有している。回転関節18aは、ロボット基部14とリンク15とを接続している。回転関節18bは、リンク15とリンク16とを接続している。直動関節19は、リンク16とリンク17とを接続している。
スカラロボット2およびコントローラは、図2左下に示す装置座標系で位置情報を管理している。装置座標系は、図2における右方向をx軸正方向、紙面奥方向をy軸正方向、上方向をz軸正方向とする。
スカラロボット2は、コントローラからの直交座標x、y、zによる移動指示に従って、回転関節18a、18bおよび直動関節19を駆動する。これによって、到達可能範囲内における任意の位置に、組付け部3を移動させることができる。
本実施形態では、スカラロボット2の寸法について、回転関節18aと18bとの距離を500mmとし、回転関節18bと組付け部3の中心軸(後述するビット22の軸線)との距離を500mmとし、直動関節19の可動範囲を100mmとする。直動関節19が可動範囲の中央にあるとき、組付け部3の下端(後述するビット22の先端)は、ワーク台5上に設置されたワーク(鉄板7)の上面と同じ高さになるように構成されている。また、スカラロボット2の基部であるロボット基部14は、ワーク台5のワーク設置領域に対して長辺側の中央部に隣接して配置されており、回転関節18aおよび18bの駆動によって組付け部3の下端がワーク設置領域全域に届くように構成されている。
次に、本実施形態における組付け部3について説明する。
組付け部3は、電磁石を利用した鉄板7の穴24への位置合わせと、ネジ締めとを行う機構である。組付け部3は、検知部13と自動ドライバ9とから構成される。
検知部13は、センサ基部12、力センサ11、およびリング型磁石10を備えている。センサ基部12は剛性の高い梁であり、検知部13は、センサ基部12の根元側において、スカラロボット2のリンク16に接続されている。力センサ11は、リング型磁石10側において水平2軸方向に加えられた力を検出するセンサである。
リング型磁石10は、電磁石であり、力センサ11を介してセンサ基部12に取り付けられている。リング型磁石10は、中央にリング穴の開いたリング形状をしている。このリング穴は円に限られず、リング穴の形状は後述する鉄板7の穴24または段落ち部25と同じ形状を有するように決定すればよく、四角または三角であってもよい。また、リング型磁石10の取り付け位置は、ワーク台5に鉄板7および樹脂フレーム8が置かれたとき、鉄板7との間に隙間を有する位置であり、上記隙間は、リング型磁石10が鉄板7との間に磁力を有する距離であればよい。また、リング型磁石10の取り付け方向は、リング穴の方向がワーク台5に対して略垂直になる方向であればよい。
自動ドライバ9は、スカラロボット2のリンク17に接続されており、スカラロボット2が直動関節19を駆動することによって上下方向に移動する。自動ドライバ9の下端にはビット22が取り付けられている。図1(a)における破線に示すように、ビット22の軸線は、リング型磁石10の軸線と一致している。スカラロボット2が直動関節19を下端まで下降させるとき、ビット22の先端は、リング型磁石10のリング穴を通って下側へ突き出る。
また、自動ドライバ9は、自動締め付け機能を持つ電動式のドライバである。自動ドライバ9は、コントローラから開始信号を受けるとビット22の回転を開始し、その後、ビット22からの反トルクが既定値に達すると回転を停止し、完了信号を出力する。ビット22は磁化されていることが好ましく、これによってネジ26を吸着保持することができる。
リング型磁石10およびその周辺部の詳細について、図1(a)(b)を参照して以下に説明する。図1(a)は、リング型磁石10の軸線を通る平面において、リング型磁石10およびその周辺部を示す断面図であり、図1(b)は、リング型磁石10の断面の拡大図である。
図1(a)に示すように、リング型磁石10は、ヨーク20とコイル21とから構成される。ヨーク20は、リング形状の外周および内周に当たる壁面と、両壁面を結ぶ片側の平面とを有する、断面がコの字型の形状をしている。なお、リング型磁石10のコの字型断面は、ワーク台5と対面する側が開口している形状である。
ヨーク20におけるコの字型の内側にはコイル21が接着固定されている。コイル21が通電されると、リング型磁石10は図1(a)における上下方向、すなわちリング型磁石10の軸線方向に磁化される。リング型磁石10の上面がN極であり、下面がS極であってもよいし、またはその逆の組合せでもよい。
ヨーク20はパーマロイ等の高透磁性材料で作られることが好ましい。これによれば、図1(b)に示すように、リング型磁石10の全ての磁力線はヨーク20を通って、ヨーク20の下面のみに形成される。よって、ヨーク20の上面には磁力線が形成されないため、ビット22およびビット22に吸着されたネジ26に対しては磁力が及ばず、吸着されたネジ26が落下することはない。
また、ヨーク20は均一な透磁率を有している。これによれば、コイル21が通電されたとき、リング型磁石10は、自身の中心軸に対して対称な磁場を発生する。具体的には、この対称性は、リング型磁石10の中心軸に対する角度を30度毎に見た場合の磁束の変化が、全体の平均磁束に対して±5%以内であることが好ましい。
本実施形態では、リング型磁石10および周辺各部の寸法が以下のように設定されている。ヨーク20のリング穴径はφ10mmであり、外径はφ30mmである。ビット22の外径はφ5mmである。ビット22の保持するネジ26は、M3のなべネジであり、頭部の外径はφ5mmである。なお、リング型磁石10は、ヨーク20の下面がワーク台5上に設置されたワーク(鉄板7)の上面から1mm上に位置するように、センサ基部12に取り付けられている。
次に、自動組立装置1が組立を行う対象であるワーク(鉄板7および樹脂フレーム8)について説明する。鉄板7は、長辺1000mm、短辺500mm、および厚み1mmの鋼板をプレス加工した平面状部材である。なお、図2において、x軸(左右方向)が短辺方向であり、y軸(紙面垂直方向)が長辺方向である。鉄板7の平面上には、ネジ止め用の穴24および段落ち部25が複数設けられている。段落ち部25とは、プレス加工による凹み形状の部位であり、穴24と同軸を有しており、平面状の底部と、底部と上面の間のテーパ部とからなる。穴24の寸法はφ4mmであり、段落ち部25の寸法については、底部の径がφ7.6mmであり、テーパ部の上部の径がφ11.7mmである。穴24および段落ち部25の中心軸の鉄板7上における位置は、設計図上の位置に対して1mmの公差を有する。
一方、樹脂フレーム8は、外径が鉄板7とほぼ同寸の平面状の樹脂製部品である。樹脂フレーム8には、鉄板7の穴24と重なる位置に、ボス23が形成されている。ボス23にはM3用の下穴が開けられている。
次に、リング型磁石10が、穴24の位置に重なる方向に磁力を発生する仕組みについて、図3(a)(b)を参照して説明する。図3(a)(b)は、リング型磁石10の中心軸と、穴24の中心軸とを通る平面において、リング型磁石10および穴24を示す断面図である。
一般に磁石は、磁石のN極から出てS極に入る磁力線が、より透磁率の高い物質を通る方向に磁力を発生する。また、鉄の比透磁率は約3であり、空気の約1よりも高い。
まず、例えば図3(a)に示すように、リング型磁石10の中心軸が穴24の中心軸よりも右側にずれた状態について説明する。このとき、図3(a)における左側部分のように、リング型磁石10の下面が段落ち部25の上にある領域では、リング型磁石10は最も近い鉄板7の縁に向かって吸着力を発生する。一方、図3(a)における右側部分のように、リング型磁石10の下面が段落ち部25の上にない、すなわち鉄板7の上にある領域では、リング型磁石10は真下へ向かって磁力を発生する。このため、リング型磁石10に働く横方向の合力は、リング型磁石10を左方向に引っ張る力となる。
また、図3(b)に示すように、リング型磁石10と穴24との軸線が一致している状態について説明する。このとき、リング型磁石10を左右へ引っ張る磁力がつり合っており、全体として、横方向の合力は0になる。
リング型磁石10において横方向に発生する磁力の強さは、穴24の中心軸とのずれ量に対して、図4に示す関係を有する。図4は、試験用のリング型磁石を鉄板7の表面に沿って水平移動させたときの、水平方向の反力を示すグラフである。図4の横軸はリング型磁石の位置を示す軸であり、原点においてリング型磁石が穴24の直上にある。図4の縦軸はリング型磁石の移動に対する反力をx軸正方向に取ったものである。反力について、リング型磁石の+方向移動に対して押し戻す力を負の値とし、リング型磁石の−方向移動に対して押し戻す力を正の値とする。
図4に示す関係おいて、リング型磁石10の位置が穴24の中心軸に対して−側にあるとき、反力が+の値であれば、磁力はずれを戻す方向に働いている。また、リング型磁石10の位置が+側にあるとき、反力が−の値であれば、磁力はずれを戻す方向に働いている。
図4において、原点を中心とするx方向の約±5mmでは、磁力はずれを戻す方向に単調増加する。この範囲を単調増加範囲とする。これより広い一定の範囲では、磁力は減少するが、やはりリング型磁石を原点に戻す方向に働く。この範囲と単調増加範囲を含めた磁力がずれを戻す方向に働く範囲を復元範囲とする。
したがって、リング型磁石10が復元範囲にあるとき、リング型磁石10はその中心軸を、穴24の中心軸に対して位置合わせすることができる。
なお、リング型磁石10のずれ量が復元範囲を越えると、反力の正負は逆転する。例えば、リング型磁石10が図3(a)に示す位置よりもさらに右方向にずれると、リング型磁石10の左側が、穴24を越えた反対側にある、鉄板7の縁に吸引されるようになるためである。すなわち、ずれ量が大きすぎる場合にはリング型磁石10を使った穴24への補正を適用することができなくなる。
このため、本実施形態のように、測定カメラ6による予備測定を行う構成であることが好ましい。本実施形態では、測定カメラ6が予備測定を行うことによって穴24の概略位置が算出される。これによって、スカラロボット2は、組付け部3を、リング型磁石10が復元範囲内に収まるような初期位置に移動する。この初期位置として許容可能なずれ量は、概ね段落ち部25の半径と同程度である。図4における反力の値はノイズによる細かな凹凸を含んでいるが、これを無視したとき、単調増加範囲では、ずれ量と反力とに対して1対1の対応付けをすることができる。このため、予めずれ量と反力の関係が記憶されていれば、発生した反力を元にずれ量を逆算することが可能となる。
また、リング型磁石10による位置合わせを高精度に行うためには、リング型磁石10のリング穴の寸法は、穴24の寸法または段落ち部25の外径の寸法に対して、1倍以下であることが好ましい。上述したように、リング型磁石10が穴24または段落ち部25に重ならないと補正力が働かない。よって、リング型磁石10のリング穴の寸法が穴24の寸法または段落ち部25の外径の寸法より大きいと、補正力の働かない範囲が現れてしまい、位置合わせの機能が低下してしまう。
また、リング型磁石10による位置合わせをより高精度に行うためには、リング型磁石10の外形寸法はリング穴の寸法の2倍以上であることが好ましい。リング型磁石10の外形寸法が異なる2つの場合について図16(a)(b)を参照して説明する。例えば、リング型磁石10の外形寸法がリング穴の寸法の2倍である場合は、穴24に対するリング型磁石10のずれ量が大きくとも、図16(a)に示すようにリング型磁石10の縁と穴24とが重なった部分に補正力が働く。しかし、図16(a)と同じずれ量であっても、リング型磁石10の外形寸法がリング穴の寸法の2倍より小さい場合は、図16(b)に示すように、リング型磁石10の外側に穴24がかかるようになる。図16(b)におけるAの領域は、リング型磁石10があれば右への補正力を発生したはずの領域である。このため、図16(b)では、図16(a)に示す場合と比べて補正力が減少する。また図16(b)では、穴24に重なるリング型磁石10が発生する磁力の総和が0になるときのずれ量が小さくなり、補正可能範囲が減少する。したがって、リング型磁石10の外形寸法は、リング型磁石10が穴24の径の半分までずれて補正力がほぼなくなるときにリング型磁石10の外側が穴24の縁に一致するための寸法である、リング穴の寸法の2倍以上であることが好ましい。なお、ここでは穴24を用いて説明したが、段落ち部25であっても同様である。
測定カメラ6は、画像処理機能を持つカメラであり、パターンマッチングで予め登録された形状を検出し、検出位置を出力することができればよい。自動組立装置1において、測定カメラ6は、鉄板7の角部の上方に位置するように据え付けられている。測定カメラ6の視野は、図2中の破線で示されており、鉄板7の角部を中心とする50mm四方の領域である。
ネジ供給機4は、ネジ26を供給する自動フィーダである。ネジ供給機4は、上面の供給位置にネジ26を1本ずつ供給する。ネジ供給機4はワーク台5に隣接して設置されている。ネジ供給機4における供給位置の高さは、ワーク台5に置かれた鉄板7の上面より数mm低い位置とする。この構成によれば、スカラロボット2を駆動し、ドライバ9をネジ供給機4におけるネジ26供給位置の真上へ移動させた後に下降させることによって、ドライバ9のビット22に対して、ネジ26を磁力吸着させて供給することができる。
次に、コントローラ100について図5を参照して以下に説明する。図5は、コントローラ100、およびこのコントローラ100によって制御される各部を示すブロック図である。
コントローラ100は一般的なコンピュータである。図5に示すように、コントローラ100は、配線によって他の機器に接続されており、他の機器を制御して位置合わせの動作を実行する。
コントローラ100は、スカラロボット2、ネジ供給機4、自動ドライバ9、力センサ11、および測定カメラ6に接続されている。コントローラ100は、測定カメラ6が測定対象とする鉄板7の角を基準とした、全ての穴24の相対位置を予め記憶している。さらに、コントローラ100は、測定カメラ6が出力する鉄板7の角部の位置と、予め記憶している穴24の相対位置とを組み合わせて、ワーク台5における穴24の絶対位置を算出する。なお、本実施形態において算出される穴24の絶対位置には、測定カメラ6の測定誤差、鉄板7の寸法公差、および絶対位置算出時の計算誤差等が複合されて、最大3mm程度の誤差が含まれる。
コントローラ100は、スカラロボット2に対して装置座標(x、y、z)を指示する。この指示に従ってスカラロボット2が移動することによって、組付け部3も移動する。この際、コントローラ100は、スカラロボット2の関節角度を読み出し、これを元に組付け部3の装置座標および組付け部3の方位角θを算出することができる。
コントローラ100は、力センサ11から力センサ11の水平方向基準軸(x’、y’)の各軸に沿った力Fx’およびFy’を読み出す。コントローラ100は、力Fx’およびFy’と、組付け部3の方位角θとを元にして、装置座標系における磁力FxおよびFyを算出することができる。コントローラ100は、算出した磁力FxおよびFyの大きさに対応する補正移動量をテーブルとして予め記憶している。
コントローラ100は、ネジ供給機4のネジ供給位置の座標についても、予め記憶している。また、自動ドライバ9のネジ締め動作において、コントローラ100は、自動ドライバ9に対する開始信号の出力と、自動ドライバ9からの完了信号の受信とを行うことができる。
コントローラ100は、図6に示すように自動組立装置1を制御する。図6は、コントローラ100の制御による自動組立装置1の動作を示すフローチャートである。以下、コントローラ100の制御による自動組立装置1の動作ついて、図6を参照して説明する。
始め、外部の投入装置によって、自動組立装置1に対して樹脂フレーム8と鉄板7とが重ねて投入され、ワーク台5の上に設置される。このとき、自動ドライバ9は、ネジ26の取得を終了した状態で、ネジ供給機4の上に位置している。
この後、コントローラ100は図6の制御フローを開始する。
図6において、コントローラ100は、測定カメラ6を制御して鉄板7の所定のコーナー位置を測定する(ステップS61)。続いてコントローラ100は、測定カメラ6が測定したコーナー位置を読出し、予め記憶しているコーナー位置から穴24の相対位置を加算して、穴24の補正前位置を算出する(ステップS61)。コントローラ100は、以上の計算を複数の穴24の全てについて行う。
次に、コントローラ100は、全ての穴24に対してネジ締めを行ったか調べる(ステップS62)。全ての穴24に対してネジ締めが行われている場合、コントローラ100は、ネジ締め完了と判定してステップS6Bの処理に進む。ステップS6Bにおいて、コントローラ100は、スカラロボット2の退避を行い、その後、動作を完了する。一方、ステップS62において全てのネジ締めが行われていなかった場合、コントローラ100はステップS63の処理に進む。
ステップS63において、コントローラ100は、スカラロボット2を駆動して、組付け部3の先端を1つ目の穴24の補正前位置に移動させる。
次に、コントローラ100は、リング型磁石10の電源をオンに切替え、磁力を発生させる(ステップS64)。続いてステップS65において、コントローラ100は、リング型磁石10と鉄板7との間に働く磁力の水平成分を、力センサ11の出力Fx’およびFy’として読み取る。続いて、コントローラ100はスカラロボット2の関節角度を読み出し、この関節角度を元にして、組付け部3の方位角θを算出する。続いて、コントローラ100は、出力Fx’およびFy’と方位角θとを元にして、装置座標における磁力FxおよびFyを算出する。
その後、コントローラ100は、リング型磁石10の電源をオフにする(ステップS66)。これによってリング型磁石10における磁力が消滅する。
次に、コントローラ100は、先にステップS65にて検出した磁力の大きさと方向とに基づいて、補正移動量を算出する(ステップS67)。具体的には、まず、コントローラ100は、磁力のx軸成分Fxとy軸成分Fyとを元に、以下の式(1)の計算によって、反力の方向θfを算出する。
θf = atan(Fy/Fx) ・・・式(1)
続いて、コントローラ100は、磁力のx軸成分Fxとy軸成分Fyとを元に、以下の式(2)の計算によって、反力の絶対値Fabsを算出する。
Fabs = √(Fx^2 + Fy^2) ・・・式(2)
続いてコントローラ100は、予め記憶している補正量テーブルにFabsを照合して、反力Fabsに対応する補正量Cを読み出す。続いてコントローラ100は、以下の式(3)の計算によって、補正量Cをx軸成分Cxとy軸成分Cyとに分解する。
Cx = C × cosθ
Cy = C × sinθ ・・・式(3)
以上の計算によって補正移動量CxおよびCyが算出される。
次に、コントローラ100は、補正移動を実行する(ステップS68)。具体的には、コントローラ100は、スカラロボット2に対して、現在位置に補正移動量CxおよびCyを加えた位置を、新たな目標位置として指示する。
その後、コントローラ100はネジ挿入およびネジ締めを行う(ステップS69)。具体的には、コントローラ100は、スカラロボット2の直動関節11を駆動して自動ドライバ9を下降させると共に、自動ドライバ9に対してネジ締め動作の開始信号を出力する。これによって、自動ドライバ9は、ビット22を回転させながら下降する。コントローラ100は、開始信号の出力後、自動ドライバ9が発生する完了信号を待つ。コントローラ100は、完了信号を受信すると、スカラロボット2の直動関節11を駆動して、自動ドライバ9を上昇させる。
なお、本実施形態において、補正前位置と真の穴24の位置との誤差は3mm以内であり、この誤差は図4に示す単調増加範囲内にあるため、ステップS68における補正移動によって穴24に対する自動ドライバ9の誤差は0.3mm以下に補正される。これによってステップS69のネジ挿入が確実に行われ、信頼性の高いネジ締めを行うことができる。
次に、コントローラ100はネジ26の取得を行う(ステップS6A)。具体的には、コントローラ100は、スカラロボット2を駆動して、自動ドライバ9をネジ供給機4の供給位置の上に移動する。続いて、コントローラ100は、スカラロボット2を駆動して、自動ドライバ9を下降し、ネジ供給機4の供給位置に供給されているネジ26に押し当てる。続いて、コントローラ100は、スカラロボット2を駆動して、自動ドライバ9を上昇させる。以上によりネジ26がビット22に吸着され、ネジ26の供給が完了する。なお、ネジ供給機4は、ネジ26がビット22に吸着されて離脱すると、次のネジ26を自動的に供給位置へ供給する。
コントローラ100は、ステップS6Aの完了後、再びステップS62に戻り、ネジ締めを未実施の穴24があるか調べる。
予め記憶されている穴24の数に応じてステップS63〜ステップS6Aのネジ締め操作を繰り返したのち、コントローラ100はステップS62にて全ての穴24にネジ締めを行ったと判定して、制御フローは完了する。
最後に、外部の投入装置によって樹脂フレーム8と鉄板7とが一体で搬出される。
以上の動作によって、自動組立装置1は鉄板7に対するネジ締めを自動で行うことができる。自動組立装置1によれば、非接触であって、かつ1回の補正動作によって、単調増加範囲内の初期位置にある組付け部3を規定誤差(0.3mm)以内に位置合わせすることができる。このため、自動組立装置1は非常に高速なネジ締めを行うことができる。
また、自動組立装置1では、測定カメラ6を用いているものの、その分解能および精度は低いもので済むため、全体として低コストの自動組立装置1を実現することができる。
さらに、自動組立装置1によれば、位置合わせのために画像処理のような複雑な処理を行う必要がなく、リング型磁石10に発生する磁力に対応する移動量を照合するのみによって、組付け部3の補正移動量を得ることができる。このため、組付け位置の検出を失敗する余地がなくなり、信頼性が高い位置合わせを行うことができる。
また、リング型磁石10に電磁石を用いることによって、必要時だけ磁力を発生することができ、さらに発生する磁力を下方に集中させることができるため、ネジ26が磁性体であっても問題なくネジ締めを行うことができる。
(制御フローの変形例)
本実施形態において、コントローラ100の制御フローは、上述した図6に限定されない。コントローラ100は前述の記憶に加えて、反力に関する閾値を予め記憶していてもよい。この制御フローの変形例について図7を参照して以下に説明する。
図7において、図6と同じ番号を付しているステップ(ステップS61〜ステップS6B)の内容は、上述の説明と同様である。図7における図6との相違点は、ステップS66の後にステップS6Cが入っていることと、ステップS68の後にステップS64に戻ることの2点である。
具体的には、コントローラ100は、ステップS68にて補正移動を実行した後、ステップS64〜ステップS65のステップを再度行って反力を検出し、ステップS6Cにおいて、反力の大きさが所定の閾値より小さくなったかどうかを判断する。所定の閾値とは、組付部品(ネジ26)を穴24に挿入するときの許容ずれ量(本実施例では0.3mm)だけずれた位置で電磁石を通電させた場合に発生する反力を測定し、これを基準として安全率0.8倍をかけた値とする。
反力の大きさが所定の閾値より小さいと判断した場合、コントローラ100は補正完了と判定して、ステップS69のネジ締めの処理に進む。一方、反力の大きさが所定の閾値より小さくないと判断した場合、コントローラ100は、ステップS67以降の補正動作を繰り返す。
以上のように、反力が十分小さくなるまで補正動作と反力検出とを繰り返すことによって、より確実に、組付け部3の位置合わせを行うことができる。本変形例によれば、補正前のリング型磁石10の位置が図4中の復元範囲内にあれば、位置合わせが可能となるため、組付け部3の初期位置について、より広い誤差を吸収することができる。
(リング型磁石10の変形例)
また、本実施形態において、リング型磁石10は、コイル21の代わりに円筒形の永久磁石21aを用いた構成であってもよい。この変形例について、図8を参照して以下に説明する。
図8に示すように、リング型磁石10は、リング型をしたヨーク20の内側に6つの円筒形の永久磁石21aを軸対称に配置した構成を有している。なお、永久磁石21aの形状は、円筒形に限られず、同一の形状と磁化方向を持つ6つの磁石であればよい。
図8は、リング型磁石10を斜め下側から示す図である。6つの円筒永久磁石21aは、ヨーク20の軸を中心として60度ごとに配置されている。また、6つの円筒永久磁石21aは上下方向に磁化されていればよく、上面がN極に磁化され、かつ下面がS極に磁化されていてもよいし、その逆であってもよい。6個の磁束のばらつきは平均値±10%以内であることが好ましい。または永久磁石21aの磁極方向は、N→S極のベクトルがリング型磁石10の軸と半径方向との平面内にあれば、軸と平行でなくてもよい。例えば、リング型磁石10の中心側にN極、外周側にS極を向けるように永久磁石21aを配置してもよい。
本変形例において、コントローラ100は、図6または図7における制御フローを実行する。ただし、リング型磁石10は電磁石を使用しないため、コントローラ100は、ステップS64およびステップS66の処理を行わずに次のステップに進む。これによる自動組立装置1の動作は、電磁石のオン・オフ操作がなくなったこと以外は、上述の説明と同様である。
リング型磁石10における磁束は、6つの磁石の配置によって、60度周期の非対称性を有する。例えば、コントローラ100が図7の制御フローを実施する場合、ステップS6Cにて使用する閾値を、「リング型磁石10の磁束が少ない方向のずれ量が許容範囲にある位置において、リング型磁石10の発生する磁力」に合わせて設定しておく。これによって、リング型磁石10の位置ずれの方向によらず、ずれ量が十分小さいかどうかを正しく判定することができる。
なお、円筒永久磁石21aの数は、6個に限られず、ヨーク20の軸を中心として対称に配置することができればよい。
以上の変形例によれば、小さくて安価な磁石を利用することができる。また、電磁石に変えて永久磁石を使用するため、電磁石用の制御回路等が不要となる。したがって、より安価な自動組立装置1を実現することができる。
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、図9から図15に基づいて説明すると以下の通りである。
図9に示すように、自動組立装置30は、ワーク台33上に置かれた鉄板27の穴44に対して樹脂部品28を挿入する装置である。図9は、本実施形態における自動組立装置30を示す側面図である。自動組立装置30は、直交ロボット31、組付け部32、部品供給機(図示しない)、ワーク台33、コントローラ(図示しない)から構成される。直交ロボット31の基部は、ワーク台33と一体に構成されている。組付け部32は直交ロボット31の先端に取り付けられている。
直交ロボット31は、3軸の直動軸34x、34y、および34zを連結した直交型のロボットである。直動軸34yはワーク台33に対してy方向(紙面に対して垂直な方向)に門型のリンク35を移動させる直動機構である。直動軸34yは左右に配置された2つの直動機構から構成されており、2つの直動機構は同期して動く。直動軸34xはリンク35に対してx方向(左右方向)に、板状のリンク36を移動させる直動機構である。直動軸34zはリンク36に対してz方向(上下方向)に柱状のリンク37を移動させる直動機構である。
ワーク台33は金属製の台である。ワーク台33の上面には冶具38が固定的に配置されている。冶具38上には鉄板27が載置される。冶具38は、鉄板27における周囲の壁面部において、鉄板27を粗位置決めするための冶具である。冶具38に設置された鉄板27は、基準位置に対してx、y方向の公差が各±1.5mm以内、および角度の公差が±1度以内に収まるように位置決めされる。
部品供給機は、樹脂部品28を連続して所定の供給位置に供給する、自動フィーダである。部品供給機の供給位置の高さは、ワーク台5上に鉄板27が設置されたときの鉄板27の上面と同じ高さになるように構成されている。
ここで、自動組立装置30において組付けを行われるワーク(鉄板27、樹脂部品28)について図10(b)(c)を参照して以下に説明する。
鉄板27は、外径が略長方形の鉄板である。鉄板27の内部には複数の穴44が設けられている。図10(b)に示すように、穴44は長方形の打ち抜き穴である。穴44の寸法はx方向にLx,y方向にLyである。穴44の位置公差はx、y方向に各±1.5mm、方向の公差が±1度である。
図10(c)に示すように、樹脂部品28は直方体状の本体と爪29とからなる。樹脂部品28の本体寸法は穴44よりも大きい。爪29ははめ込み固定用の爪であり、樹脂部品28の本体下面の左右2ヶ所に対向して配置されている。2つの爪29の外面同士の距離Lxと爪29の幅Lyは、穴44の2辺の寸法とそれぞれ等しい。
次に、自動組立装置30における組付け部32について説明する。
組付け部32は、樹脂部品28の把持と挿入を行うための機構である。組付け部32は調整機構41、挿入機構42、把持機構43、磁石支持部39および2つのコの字型磁石40から構成される。
調整機構41は、直交ロボット31のリンク37の下側に配置されている。挿入機構42および左右2つの磁石支持部39は、調整機構41の下面に取り付けられている。把持機構43は、挿入機構42の下側の先端部分に取り付けられている。コの字型磁石40は、磁石支持部39の下面にそれぞれ固定されている。また、コの字型磁石40は端部が接触することによってリング型磁石を構成する。
調整機構41は、リンク37に配置された基部と、当該基部の下側に配置された先端部とを有している。調整機構41は、水平2軸(x、y)および鉛直軸周りの回転1軸(θ)について、それぞれ限定された範囲において、先端部を外力に従って移動可能にする受動移動機構でもある。調整機構41の先端部の移動範囲は、調整機構41の先端部と基部との中心が重なった位置を基準として、x軸およびy軸方向にそれぞれ±5mm、z軸周りに±5°である。
また、調整機構41はロック機能を有しており、先端部を基部に対して任意の時点の位置で固定し、また固定を解除することができる。
挿入機構42は、伸縮式の空圧シリンダである。挿入機構42は外部の空圧源(図示しない)に接続されており、外部からの指令によってシリンダを伸長または収縮することができる。
把持機構43は2つのを有する空圧式のグリッパである。把持機構43は外部の空圧源(図示しない)に接続されており、外部からの指令によって2つの爪の間隔を開くまたは閉じることができる。
磁石支持部39は、下面にコの字型磁石40を支持する柱状部材であり、根元側は水平軸周りに回転可能になっている。具体的な形状について、磁石支持部39の下面は、コの字型磁石40と同じ形状をしており、上部が太さ一定の柱形状である。下面と上部との中間部は、把持機構43と対向する内面側において、把持機構43との接触を避けるように斜面を形成しており、下部に向けて太くなっている。
磁石支持部39の基部にはコイルばねが内蔵されており、上記回転軸に沿って磁石支持部39を内側へ押付けている。挿入機構42が収縮した状態では、2つの磁石支持部39の先端が接触して押し合った状態でつりあっている。このとき、2つのコの字型磁石40の先端も互いに接触し、2つのコの字型磁石40はリング型磁石となる。
コの字型磁石40について、図10(a)を参照して以下に説明する。本実施形態において、コの字型磁石40にはネオジウム磁石を用いる。なお、本発明におけるコの字型磁石40は、ネオジウム磁石に限られるものではないが、調整機構41を磁力によって移動させる機構であるため、できるだけ軽量かつ磁束の大きい磁石が好ましい。
コの字型磁石40は、上下方向に磁化されていればよく、上面がN極に磁化され、下面がS極に磁化されていてもよいし、その逆であってもよい。コの字型磁石40は、上下面内の磁束が均一になるよう作製されている。具体的には、コの字型磁石40の上下面における1mmごとの磁束のばらつきが、面全体の平均値に対して±10%以内となっていることが好ましい。
コの字型磁石40の内側の切欠き部の寸法は、鉄板27における穴44の寸法の半分と同じである。2つのコの字型磁石40を向かい合わせた際に発生する反発力は上述のコイルばねによる押付け力よりも低くなっており、2つのコの字型磁石40が接触してリング型磁石となるとき、このリング穴は、穴44の寸法と同一である。
次に、コントローラ110について図11を参照して以下に説明する。
コントローラ110は一般的なコンピュータである。図11に示すように、コントローラ110は、直交ロボット31、調整機構41、挿入機構42、および把持機構43等と配線接続されており、各機構を制御することができる。
具体的には、コントローラ110は、x、y、およびzの3つの座標を指令することによって、直交ロボット31を駆動し、組付け部32の先端位置を指定した位置へ移動させることができる。なお、コントローラ110は、冶具38上の所定位置に載置された鉄板27の穴44の既定位置を予め記憶している。また、コントローラ110は、調整機構41のロックとフリー状態を切替え、挿入機構42を伸長または収縮させ、さらに、把持機構43を開閉することができる。
コントローラ110は、図12に示すように、自動組立装置30を制御する。図12は、コントローラ110の制御による自動組立装置30の動作を示すフローチャートである。以下、コントローラ110の制御による自動組立装置30の動作ついて、図12を参照して説明する。
始め、外部の投入装置によって鉄板27が搬入され、冶具38上に設置される。鉄板27が設置されると、コントローラ110は図12の制御フローを開始する。このとき、組付け部32は、樹脂部品28の取得を完了した状態で、部品供給機45の上空に位置している。
図12において、コントローラ110は全ての穴44に樹脂部品28を挿入したかどうかを調べる(ステップS91)。全ての穴44に樹脂部品28を挿入したと判断した場合、コントローラ100は、組付け動作を完了する。
一方、全ての穴44に樹脂部品28を挿入していないと判断した場合、コントローラ110は、ステップS92の処理に移る。ステップS92において、コントローラ110は、予め記憶している次の穴44の既定位置を読み出す。続いて、コントローラ110は直交ロボット31を制御して、組付け部32を次の穴44の既定位置へ移動させる。このとき、コントローラ110は、直交ロボット31を制御して、組付け部32の高さを既定の補正高さに下降させる。ここで、既定の補正高さとは、組付け部32の下部に備えられたコの字型磁石40の下面が、冶具38上に設置された鉄板27の上面から約2mm上空に来る高さとする。
続いてステップS93において、コントローラ110は、コの字磁石40を利用して位置補正を行う。具体的には、まずコントローラ110は、調整機構41を制御して、その先端部をフリー状態にする。続いてコントローラ110は、所定の補正待ち時間だけ待機する。この所定の補正待ち時間は0.5秒とする。コの字型磁石40と穴44との位置がずれている場合には、コの字型磁石40と鉄板27との間に働く磁力によって、前述の実施形態1における補正と同様の、ずれを補正する力が発生する。調整機構41がフリー状態になると、調整機構41の先端部は、補正待ち時間の間に磁力を受けて、x、yおよびθ方向の誤差が補正されるように移動する。これによって、コの字型磁石40の合わさって形成されたリング型磁石と穴44との位置が完全に重なる。所定の補正待ち時間が経過後、コントローラ110は調整機構41をロックする。
続いてステップS94にて、コントローラ110は樹脂部品28の挿入をおこなう。
このときの自動組立装置30の動作について、図13を参照して以下に説明する。図13(a)〜図13(c)は、自動組立装置30の組付け部32周辺と、鉄板27の穴44周辺を示す図であり、鉄板27は穴44を通る断面を示している。
始め、図13(a)に示すように、調整機構41の作動によってコの字型磁石40と穴44との位置が完全に重なる。
次に、図13(b)に示すように、挿入機構42が伸長して樹脂部品28が穴44に組付けられる。具体的には、まずコントローラ110は、挿入機構42を伸長させつつ、直交ロボット31を制御して、直動軸34zを既定の組付け高さまで上昇させる。挿入機構42が伸長すると、先端の把持機構43が左右の磁石支持部39の斜面に接触し、磁石支持部39を閉じようとするコイルばねの力に打ち勝って左右に押し広げる。磁石支持部39はその基部を中心に回転運動するため、コの字型磁石40の下端は磁石支持部39が広がるにつれて初期位置よりも下へ突き出る。このとき、コの字型磁石40の下端が鉄板27に接触しないように、組付け高さが設定されている。組付け高さは上述の補正高さから5mm上とする。挿入機構42は空圧シリンダであるため、推力が反力と拮抗するまで伸長する。挿入機構42が伸長すると樹脂部品28が鉄板27に接触し、爪29が穴44に入り込む。挿入機構42の伸長は、樹脂部品28の本体下面が鉄板27上面と接触したところで停止する。この結果、図13(b)に示す状態となり、樹脂部品28の組付けが達成される。続いてコントローラ110は把持機構43を開いて、樹脂部品28の把持を解除する。
次に、図13(c)に示すように、コントローラ110は直交ロボット31を制御して直動軸34zを所定の退避距離だけ上昇させる。この退避距離は20mmとする。この時点では、挿入機構42は最大長まで伸長した状態にある。この最大長は、図13(b)における伸長の停止した長さよりも約5mm長いとする。以上によって、組付け部32の退避が完了する。
続いてステップS95において、コントローラ110は、以下の手順を用いて樹脂部品28を取得する。まず、コントローラ110は、直交ロボット31を制御して組付け部32を部品供給機45の供給位置の上に移動する。この移動先の位置は、コントローラ110に予め記憶されている。続いてコントローラ110は、調整機構41をフリー状態に切り替える。続いてコントローラ110は、直交ロボット31を制御して組付け部32を部品取得高さまで下降させる。部品取得高さとは、上述した組付け高さと同じとする。続いてコントローラ110は、把持機構43を閉じる。この把持機構43によって、新たな樹脂部品28が把持される。続いてコントローラ110は、挿入機構42を収縮させる。これによって、把持機構43および把持された樹脂部品28が持ち上げられ、これに伴い、左右の磁石支持部39がその基部のコイルばねの力によって閉じ合わされる。続いてコントローラ110は、調整機構41をロックする。これは直交ロボット31の移動の際に、調整機構41の先端部が振り回されるのを防止するためである。
続いてコントローラ110はステップS91の処理に戻る。コントローラ100が組付け動作を完了した場合には、外部の搬出装置によって組付け済みの鉄板27が搬出される。
以上のように、自動組立装置30によって鉄板27に対する樹脂部品28の組付けが行われる。
本実施形態における自動組立装置30では、四角の穴44の形状に対し、水平2軸および方位角の補正を行いつつ、樹脂部品28を組付けることができる。また、磁石支持部39を介してコの字型磁石40が分離退避することができるため、コの字型磁石40が合わさったリング型磁石のリング穴よりも、樹脂部品28が大型であってもよい。また、コの字型磁石40の磁力自体を用いて補正移動を行うため、検知や補正移動の制御システムが不要であるため、実施形態1よりも安価な自動組立装置を実現することができる。
本実施形態において、組付部品28および穴44形状が四角形の場合を説明したが、本発明はこれに限られない。組付部品28および穴44の形状を変更する場合であっても、コの字型磁石40の形状を変更することによって対応することができる。
例えば、図14(a)(b)(c)にそれぞれ示すように、組付部品28a、穴44aおよびコの字型磁石40aの形状が三角形であってもよい。また、図15(a)(b)(c)にそれぞれ示すように、組付部品28b、穴44bおよびコの字型磁石40bの形状が半円であってもよい。なお、図15(a)に示す2つのコの字型磁石40bのうち、一方は穴44と同じ半円形状に切欠きされた形状であり、他方は切欠きなしの形状である。このように、穴44の形状が非対称な場合であっても、異なる形状である2つのコの字型磁石40を組み合わせることによって、非対称な穴44の形状に合わせることが出来る。このため、様々な穴形状に対応できるリング型磁石を用いた自動組立装置を実現することができる。
(本発明の他の構成)
本発明に係る自動組立装置の構成は以下のように表現することもできる。
本発明の自動組立装置は、磁性体部品の平面部と対向するように配置され該対向面上に穴を有するリング型磁石と、前記リング型磁石を支持するための磁石支持部と、組付部品を保持し磁性体部品に挿入する部品保持部と、前記磁石支持部および部品保持部を磁性体部品の平面部に対して平行に移動可能にする平行案内部とを備える。
または、本発明の自動組立装置は、磁性体部品の平面部と対向するように配置され該対向面上に穴を有するリング型磁石と、前記リング型磁石を支持するための磁石支持部と、前記リング型磁石が磁性体部品に対して発生する磁力を検知するための磁力検知部と、組付部品を保持し磁性体部品に挿入する部品保持部と、前記磁石支持部および部品保持部を磁性体部品の平面部に対して平行に移動可能にする平行案内部と、前記磁石支持部および部品保持部を平行案内部に沿って駆動する平行駆動部と、前記磁力検知部が検知した磁力に従って平行駆動部を駆動する制御部とを備える。
さらに、前記リング型磁石は、前記磁性体部品の穴と同形状の穴を有する。
または、前記磁性体部品は穴の周囲に凹部を有し、前記リング型磁石は該凹部と同形状の穴を有する。
さらに、前記組付部品はネジである。
さらに、前記リング型磁石は電磁石として構成され、さらに電磁石の電源操作を行う電磁石制御部を持つ。
または、前記リング型磁石は複数の磁石を並べて前記穴の形状を構成する。
さらに、前記磁石支持部は前記リング型磁石が前記部品保持部と前記磁性体部品との間に配置されるように構成され、前記部品支持部が組付部品を挿入する際には前記リング型磁石を退避させる退避機構をさらに持つ。
さらに、前記リング型磁石は複数の磁石で構成されており、前記退避機構は該円弧型磁石を分離させて退避させる。
さらに本発明の自動組立装置は、前記平行案内部を固定および固定解除するための平行固定部をさらに持つ。
さらに、前記リング型磁石の穴の寸法は前記磁性体部品上の穴寸法に対して0.8倍以上1倍以下に構成する。
または、前記リング型磁石の穴の寸法は前記磁性体部品上の凹部寸法に対して0.8倍以上1倍以下に構成する。
さらに、前記リング型磁石の外形寸法は前記リング型磁石の穴部の寸法の3倍以上として構成する。
さらに、前記制御部は、前記磁力検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量を1回だけ算出し、前記平行駆動部を制御して補正移動を行う。
または、前記制御部は、前記磁力検知部から出力された磁力の強さが所定の閾値を下回るまで、前記磁力検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量の算出と、前記平行駆動部を制御しての補正移動とを繰り返す。
さらに本発明の自動組立装置は、大域測定手段をさらに持ち、該大域測定手段が出力した大域的な磁性体部品の位置を元に穴の概略位置を算出する穴位置算出手段をさらに持ち、穴位置算出手段が算出した穴位置へと前記部品保持部を移動させるように前記平行駆動部を駆動する初期移動制御部をさらに持つ。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、磁性体板に部品の組み付けを行う自動組立装置全般に適用できる。
(a)は、リング型電磁石の軸線を通る平面において、リング型磁石およびその周辺部を示す断面図であり、b)は、リング型電磁石の拡大図である。 第1の実施形態に係る自動組立装置を示す側面図である。 (a)(b)は、リング型電磁石の中心軸と、穴の中心軸とを通る平面において、リング型電磁石および穴を示す断面図である。 リング型磁石を鉄板の表面に沿って水平移動させたときの、水平方向の反力を示すグラフである。 コントローラ、およびこのコントローラによって制御される各部を示すブロック図である。 コントローラの制御による自動組立装置の動作を示すフローチャートである。 コントローラの制御による自動組立装置の動作の変形例を示すフローチャートである。 リング型磁石の変形例を斜め下側から示す図である。 第2の実施形態に係る自動組立装置を示す側面図である。 (a)はリング型磁石を示す斜視図であり、(b)は鉄板の穴を示す拡大図であり、(c)は、樹脂部品を示す斜視図である。 コントローラ、およびこのコントローラによって制御される各部を示すブロック図である。 コントローラの制御による自動組立装置の動作を示すフローチャートである。 (a)(b)(c)は、自動組立装置による組立動作を説明する図である。 (a)はリング型磁石を示す斜視図であり、(b)は鉄板の穴を示す拡大図であり、(c)は、樹脂部品を示す斜視図である。 (a)はリング型磁石を示す斜視図であり、(b)は鉄板の穴を示す拡大図であり、(c)は、樹脂部品を示す斜視図である。 (a)(b)は、リング型磁石と穴との位置関係を示す模式図である。
符号の説明
1、30 自動組立装置
2 スカラロボット
3、32 組付け部
6 測定カメラ
7、27 鉄板
10、40 リング型電磁石
11 力センサ
20 ヨーク
21 コイル
24、44 穴
28 樹脂部品
29 爪
31 直交ロボット
40 コの字型磁石
100、110 コントローラ

Claims (14)

  1. 磁性体部品の平面部に形成された穴に組付部品を挿入する自動組立装置であって、
    上記平面部と隙間を有して対向するように配置され、上記平面部に対して略垂直なリング穴を有し、かつ当該リング穴の中心軸に対して略軸対称に磁化されたリング型磁石と、
    上記組付部品を、当該組付部品の中心軸と上記リング穴の中心軸とを合わせて保持し、かつ上記中心軸方向に移動する部品保持部と、
    上記リング型磁石および上記部品保持部を、上記平面部に対して平行に移動可能に支持する案内部とを、備えていることを特徴とする自動組立装置。
  2. 上記リング型磁石に働く磁力の強さおよび方向を検知する検知部と、
    上記案内部を上記平面部に対して平行に移動する駆動部と、
    上記検知部が検知した磁力に基づいて上記駆動部を制御する制御部とを、備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動組立装置。
  3. 上記磁性体部品の画像を取得する撮像手段と、上記画像から上記穴の概略位置を算出する画像処理手段とを、備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動組立装置。
  4. 移動後の上記案内部を固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自動組立装置
  5. 上記リング型磁石は、上記磁性体部品と対面する側が開口したコの字状の断面を有するリング形状のヨークと、上記ヨークの開口内に固定された磁石部とから構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の自動組立装置。
  6. 上記磁石部は電磁石であり、
    上記電磁石の電源操作を行う電磁石制御部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の自動組立装置。
  7. 上記磁石部は、上記ヨークのリング形状に沿って等間隔に配置された複数の磁石であることを特徴とする請求項5に記載の自動組立装置。
  8. 上記リング型磁石は、磁石支持部を介して上記案内部に支持されており、
    上記磁石支持部は、上記リング型磁石と共に回転移動するリング型磁石退避機構を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の自動組立装置。
  9. 上記リング型磁石は、互いに接してリング形状を形成する複数の分割磁石から構成されており、
    上記分割磁石は、磁石支持部を介して上記案内部にそれぞれ支持されており、
    上記磁石支持部は、上記平面部に対して略水平な軸を中心にして、上記分割磁石と共に回転移動するリング型磁石退避機構を備えていることを特徴とする請求項4に記載の自動組立装置。
  10. 上記リング穴の形状は、上記穴、または上記磁性体部品が当該穴の周囲に有する段落ち部と同じ形状を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の自動組立装置。
  11. 上記リング穴の寸法は、上記穴の寸法、または上記段落ち部の外径の寸法に対して、1倍以下であることを特徴とする、請求項10に記載の自動組立装置。
  12. 上記リング型磁石の外形寸法は、上記リング穴の寸法の2倍以上であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の自動組立装置。
  13. 上記制御部が、上記検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量を算出し、上記案内部が、上記制御部の算出情報に基づいた補正移動を行うことを特徴とする請求項2に記載の自動組立装置。
  14. 上記制御部が、前記検知部から出力される磁力の強さが所定の閾値を下回るまで、前記検知部から出力された磁力の強さと方向に基づいた補正移動量を算出し、上記案内部が、上記制御部の算出情報に基づいた補正移動を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の自動組立装置。
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