JP2010105029A - はんだ取扱い器機用熱伝導部材、該熱伝導部材を備えた電気はんだこておよび電気除はんだ工具 - Google Patents

はんだ取扱い器機用熱伝導部材、該熱伝導部材を備えた電気はんだこておよび電気除はんだ工具 Download PDF

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Abstract

【課題】はんだ取扱い器機用熱伝導部材の本体部の酸化を抑制するとともに、熱伝導特性を向上させる。
【解決手段】本発明のはんだ取扱い器機用熱伝導部材は、発熱体を収納する穴が形成された本体部3、3’と、本体部3、3’の穴3aに圧入される略筒状のパイプ4とを有するはんだ取扱い器機用熱伝導部材であって、パイプ4は、銅または銅合金により略筒状に形成されるとともに、その内周面および外周面に酸化アルミニウム皮膜4cが成膜されたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、アイロンソルダリング法によるはんだ付けに用いられるこて先や熱伝導スリーブなどを含むはんだ取扱い器機用熱伝導部材、該熱伝導部材を備えた電気はんだこておよび電気除はんだ工具に関する。
従来、電気電子産業において、電子部品の接続や接合は、一般的に、はんだ付け法が用いられている。
はんだ付けの方法には、電子部品を搭載したプリント配線基板を溶融はんだ中に浸漬したり、はんだ接合部を、直接、溶融はんだの噴流に浸漬したりするはんだ槽を用いたフローソルダリング法、はんだペーストをプリント配線基板上に予めスクリーン印刷でパターン塗布し、その上に表面実装部品を搭載した後に、高温のリフロー槽内を通過させてはんだを溶融接合するリフローソルダリング法、電気はんだこて等の工具を用いた手作業やこてユニット付専用自動機によるはんだ付け方法としてのアイロンソルダリング法などがある。
近年、はんだ付けの技術は電気電子産業の基礎となっており、電子器機基板に対するはんだ付けの多くは、大量生産に向いた人手の要らないフローソルダリング法やリフローソルダリング法による作業が大半を占めている。しかしながら、特殊な部材のはんだ付けやリペアー作業などにおいては、どうしても熟練者や専用自動機による電気はんだこてなどの工具に頼る必要があり、その場合には、アイロンソルダリング法を用いたはんだ付け作業が必須となっている。
電気はんだこての一例としては、図19に示されるように、握り部6と、握り部6の先端に突出するように設けられた棒状の発熱体5と、銅を基材としたこて先(本体部)3と、こて先3に形成された発熱体5が挿入される収容穴内に装着され、収容穴を形作る内周面を被覆するインサートパイプ4と、こて先3の外周面を保護し、こて先3を固定する保護パイプ2と、握り部6に対してこて先3および保護パイプ2を連結する袋ナット1とを備えている。このうち、インサートパイプ4には、発熱体の発熱を受けてこて先3の収容穴の内周面が酸化するのを防ぐ役割が課せられており、インサートパイプ4は、耐酸化性のあるステンレス鋼により形成されている(特許文献2の背景技術参照)。
米国特許第6818862号明細書 国際公開番号WO02/10477号公報
しかしながら、上記従来の技術では、こて先の穴の内面の酸化を防ぐ目的でステンレス鋼製のインサートパイプをこて先の穴内に挿入しているが、このインサートパイプを介在させることにより、発熱体からこて先への熱伝達効率が低下してしまう。
一方、特許文献1および特許文献2では、インサートパイプを介在させずに、こて先の穴の内面に対して、直接、表面改質処理を施して、こて先の穴の内面の酸化を防ぐことが開示されている。しかしながら、こて先に形成された発熱体を収容するための穴は、こて先の基端部から凹状に深く凹んだ穴(貫通していない穴)であるため、表面改質処理を施すために必要なガスの流れが穴の内部で滞り、均質な表面改質層を得ることができない。
本発明は、上記の従来の問題に鑑みてなされたものであり、はんだ取扱い器機用熱伝導部材の本体部の酸化を抑制するとともに、熱伝導特性を向上させることができるはんだ取扱い器機用熱伝導部材、該熱伝導部材を備えた電気はんだこておよび電気除はんだ工具を提供することを目的としている。
本発明のはんだ取扱い器機用熱伝導部材は、発熱体を収納する穴が形成された本体部と、該本体部の穴に圧入された筒状のパイプとを有するはんだ取扱い器機用熱伝導部材であって、前記パイプは、銅または銅合金により形成された筒状体の内周面および外周面に酸化アルミニウム皮膜が成膜されたものであることを特徴とする。
この発明のはんだ取扱い器機用熱伝導部材によれば、内周面および外周面に酸化アルミニウム皮膜が成膜された銅または銅合金のパイプが本体部の穴に圧入されることになる。
つまり、パイプの内周面および外周面に極めて安定な酸化アルミニウム皮膜が成膜されているので、発熱体の発熱による高温環境下にさらされても、この酸化アルミニウム皮膜によって、本体部の穴の内周面の酸化を抑制することが可能である。しかも、パイプは熱伝導率の高い銅または銅合金を基材として形成されているので、発熱体が発した熱はパイプによって効率よく伝導され、本体部に伝導される。したがって、本体部の酸化の抑制と、熱伝導特性の向上とを両立させることができる。
また、前記酸化アルミニウム皮膜は、前記筒状体の表面にアルミナイズ処理を施すことで表面改質されたCu−Al合金層のアルミニウムが、大気中の酸素と反応して自然生成された酸化アルミニウムの不動態皮膜であることが好ましい。
この発明によれば、アルミナイズ処理が施される対象物が筒状を呈した物体である。したがって、アルミナイズ処理を施す際に筒状体の内側でガスの流れが滞らず、アルミナイズ処理を本体部の穴の内周面に対して施すよりも、より均質な合金層が形成され、より均質な酸化アルミニウム不動態皮膜を成膜することができる。また、酸化アルミニウム皮膜が自然に形成された皮膜であるので、パイプを本体部の穴に圧入する際などに、表面の酸化アルミニウム皮膜が損傷しても、Cu−Al合金層が露出し大気にさらされると、酸化アルミニウム不動態皮膜が即座に再生される。したがって、耐酸化性能を長期間維持することができる。
また、前記筒状体に施される前記アルミナイズ処理が、粉末パック法によるアルミニウム拡散浸透処理であることが好ましい。
この発明によれば、気相拡散の効果で、貫通した孔を持つ筒状体内面への良好な拡散浸透処理ができる。
また、前記筒状体に施される前記アルミナイズ処理が、アルミニウム粉末とフラックスとの混合物を、前記筒状体の内周面および外周面に塗布後、加熱処理を施すことで表面改質されるものであってもよい。
この発明によれば、粉末パック法を用いる場合より比較的小規模な設備でアルミナイズ処理を施すことができる。
また、前記筒状体の一方の端部が、端へ向けて径が狭まるように絞り込み加工されていることが好ましい。
この発明によれば、この一方の端部を先端側として本体部の穴に圧入すれば、筒状でありながら本体部の穴の周面に加えて端面をも部分的にパイプで覆うことができ、本体部に形成された穴の端面部分の酸化をも抑制することができる。
また、前記筒状体の他方の端部の横断面が、略4角形状に加工され、加工後の端部における対角寸法L2が、中央部の外径D1より大きいことが好ましい。
この発明によれば、筒状体の他方の端部は、対角寸法が中央部の外径よりも大きくなるような略4角形状に加工されている。この他方の端部を後端側として、パイプが本体部に形成された穴に圧入されると、パイプの他方の端部において、対角寸法、すなわち、パイプの外径が最大になる部分でその外側表面が本体部の穴の内周面に対してとくに強固に圧着する。したがって、本体部およびパイプが熱伝達のために確実に接触した状態を実現できるとともに、外径が最大になる部分を除く部分においては圧入時の摩擦抵抗を低減させることができる。
また、前記筒状体の他方の端部の外径が、端へ向けて広がるようなフレア状に加工されていてもよい。
この発明によれば、筒状体の他方の端部は、端へ向けて外径が広がるようなフレア状に加工されている。この他方の端部を後端側として、パイプが本体部に形成された穴に圧入されると、パイプの他方の端部において、その外側表面と本体部の穴の内周面とが密着した状態を確保することができ、熱伝達効率を向上させることができる。
本発明の電気はんだこては、こて先またはこて先に連結される熱伝導スリーブを構成する上記のはんだ取扱い器機用熱伝導部材と、該はんだ取扱い器機用熱伝導部材の穴に挿入される発熱体とを備え、前記はんだ取扱い器機用熱伝導部材によって伝えられた熱ではんだを溶融してはんだ付けすることを特徴としている。
本発明の電気除はんだ工具は、上記のはんだ取扱い器機用熱伝導部材と、該はんだ取扱い器機用熱伝導部材の穴に挿入される発熱体と、前記はんだ取扱い器機用熱伝導部材によって伝えられた熱で溶融したはんだを吸引する吸引部材とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、はんだ取扱い器機用熱伝導部材の本体部の酸化を抑制するとともに、熱伝導特性を向上させることができる。
以下で、本実施の形態のはんだ取扱い器機用熱伝導部材(具体的には、こて先や熱伝導スリーブなどを含むもの)、該熱伝導部材を備えた電気はんだこておよび電気除はんだ工具について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1のパイプ4が圧入された状態のこて先3の側面図である。図2は、実施の形態1のパイプ4が圧入された状態のこて先3の断面図である。
実施の形態1の電気はんだこては、ヒータ(発熱体)5と、ヒータ5を内部に収容し、ヒータ5の熱をはんだ付けの作業位置に伝達するこて先(本体部)3と、こて先3の内部に圧入されて、こて先3の内部表面とヒータ5の外部表面との間に挟み込まれるように配置されるパイプ4とを含む。電気はんだこての温度制御は、はんだこて内部の温度センサによる測定温度が設定温度を超えて上昇したときに、はんだこてへの供給電源を切断し、はんだこて内部の温度センサによる測定温度が設定温度以下に下がったときに電源供給を開始するようなON-OFF制御によって温度制御される。このほか、電気はんだこてには、こて先3の外側表面を保護する保護パイプ、作業者が作業時に把持する部分となる握り部などが具備されるが、これらは本実施の形態において、とくに限定されるものではないので、ここでの説明を省略する。なお、本実施の形態において、はんだ取扱い器機用熱伝導部材とは、こて先3およびこて先3内に圧入されたパイプ4を意味している。
ヒータ5は、略棒状を呈し、握り部の先端から突出するように設けられている。本実施の形態において、ヒータ5としては、セラミック・ヒータを用いている。セラミック・ヒータは、導電性金属粉末のパターンが印刷されたセラミックのグリーン・シートを発熱素子とした抵抗電熱式発熱体であり、導電性金属粉末のパターンが印刷された面を内側にしてセラミックの丸棒に巻き付け、乾燥後に焼結させて得られる。また、セラミック・ヒータの先端には、温度センサ用のパターンが含まれ、この温度センサからの信号に基いて、こて先3の作業領域の温度が所定の温度になるように制御される。
こて先3は、ヒータ5を保持する保持部32と、保持部32の先端側に形成され、はんだ付けの施工作業を行う部分である尖頭状の尖頭部31とを含む。保持部32および尖頭部31は銅を基材として一体に形成されている。保持部32には、ヒータ5を収容し保持するための収容穴(穴)3aが、こて先3の後端から凹状に(ヒータ5を挿入可能な略円筒状に)形成されている。
銅を基材としたこて先3の外側表層部には、基材の銅が溶融はんだに溶け込むいわゆるはんだ食われを防止するために、基材表面に対して、厚さ約300μm程度の鉄めっき層33が形成されている。さらに、鉄めっき層33の表面の腐食を防ぎ、かつ、高温環境下における酸化を防ぐために、鉄めっき層33の表面に対して、厚さ約20μm程度のクロムめっき層34が形成されている。なお、クロムめっき層34は、こて先3の最先端部分には形成されていない。このクロムめっき層34が形成されておらず、鉄めっき層33が露出した部分に、錫またははんだ合金Sがコーティングされている。また、こて先3の収容穴3aを形作る内周面に対して、とくに表面処理は施されていない。
図3は、実施の形態1のパイプ4を説明するための断面図である。図4は、図3のIV位置の拡大図である。図5は、パイプ4の後端部の形態を説明するための図である。
パイプ4は、こて先3に形成された収容穴3aの内周面の酸化を抑制するためのものである。つまり、ヒータ5の発熱により高温環境下にさらされると、銅の表面の酸化は急速に進行するため、ヒータ5とこて先3の収容穴3aの表面との間に、酸化防止のための改質処理が施されたパイプ4を介在させている。具体的には、本実施の形態のパイプ4には、銅からなる筒状体の基材表面に、銅の酸化を防ぐ目的で酸化アルミニウム不動態皮膜が成膜されている。基材に対する表面改質処理については後に詳しく説明する。また、筒状体の素材の銅としては、たとえば、無酸素銅、タフピッチ銅、リン脱酸銅などの純銅を使用することができる。本実施の形態では、不活性雰囲気中での加熱時に銅材料から酸素が放出されることを極力避けるために、無酸素銅を使用している。また、パイプ4の中央位置における外径は、収容穴3aの内径D0と同等か、わずかに大きく(0〜0.05mm程度)設定されている。パイプ4が収容穴3aに圧入されると、パイプ4の外側表面が収容穴3aの内周面によって締め付けられる。
パイプ4は、図4に示されるように、基材である銅層4aにカロライズ処理(アルミナイズ処理)が施されて、内周面および外周面に対して、それぞれ15〜30μm程度の銅‐アルミニウム合金層4bが形成され、さらに、この状態で大気中の酸素と自然反応させて、内周面および外周面の最表層に、それぞれ、0.01〜0.1μmの薄くて強固な酸化アルミニウム不動態皮膜4cが成膜されている。つまり、本実施の形態では、パイプ4の内側および外側に形成された酸化アルミニウム不動態皮膜4cの2つの層でこて先3の収容穴3aの内周面の酸化を抑制することになる。したがって、本実施の形態のパイプ4を用いた場合には、収容穴3aの内周面に沿って、2重の不動態皮膜を施したような構造になるため、酸化防止性能の信頼性が極めて高い。
図6は、銅の表面を改質したパイプ4がこて先3の収容穴3aに圧入されたこて先3の酸化量と、こて先3の収容穴3aの表面が無処理のこて先3の酸化量とを比較するグラフである。すなわち、表面改質処理が施されたパイプ4が圧入されたこて先3と、パイプ4が圧入されておらず、さらに収容穴3aの表面に表面改質処理も施されていないこて先3とを、大気中の炉で300℃、400℃、500℃、600℃と温度を上昇させながら、各1時間加熱した。図6のグラフは、加熱後に試料のこて先の重量を精密天秤で測定し、重量の増加を、酸化増量としてあらわしたものである。図6に示されるように、試験温度が300℃を超えると、こて先3の収容穴3aの表面が無処理のこて先3では、酸化物重量が急激に増加している。これに対し、本実施の形態のように、銅の表面を改質し、酸化アルミニウム不動態皮膜が成膜されたパイプ4をこて先3の収容穴3aに圧入した場合には、試験温度が300℃を超えても、酸化物重量はほとんど増加しない。
このように、表面に酸化アルミニウム不動態皮膜が成膜されたパイプ4を用いることによって、高温環境下においても、こて先3の収容穴3aの表面の酸化を抑制することができる。万が一、酸化アルミニウム不動態皮膜が損傷したとしても、銅Cu−アルミニウムAl合金層が大気にさらされると、酸化アルミニウムの自然皮膜は即座に再生されるので、耐酸化性能は維持される。
また、本実施の形態1において、パイプ4は、先端部が、図3に示されるように、筒状体の端部(以下、絞込み部という)41の外径が、端へ向けて狭まるように絞り込み加工されている。この絞込み部41は、収容穴3aを形作る端面3a1を部分的に被覆するための部分であるとともに、パイプ4をこて先3の収容穴3a内部に圧入する際の治具の押圧部分でもある。このような絞込み部41を形成することで、筒状体でありながら、収容穴3aの端面3a1の酸化を抑制することができる。また、本実施の形態では、図5に示されるように、パイプ4の後端部42に対しては、なんら形状に加工を施していない。
ここで、パイプ4の先端部とは、こて先3の収容穴3a内にパイプ4を圧入する際の、パイプ4の進行方向側を意味しており、また、パイプ4の後端部とは、先端部の反対側を意味している。
パイプ4の製造方法は、まず、銅または銅合金製の筒を所定長さに切断し、こて先3に形成された収容穴3aを形作る周面および端面3a1を覆うのに適した形状になるように、上述の絞込み部41および後端部などをプレス機械を用いて成形し、筒状体を得る。その後、筒状体に対して表面改質処理を施してパイプ4を得る。
パイプ4の形状の加工は、表面改質処理を施す前に行う。このように、パイプ4を成形した後に、表面改質処理を施すことによって、銅Cu−アルミニウムAl合金層がプレス加工時に損傷を受けることを防止できる。
また、表1は、銅およびステンレス鋼の熱膨張率、熱伝導率、比熱および密度の違いを説明するための表である。

表1に示されるように、銅とステンレス鋼との間には、材質の違いによる熱膨張率に差が存在する。温度変化に伴う膨張収縮について、銅製のこて先の内部に銅製のパイプ4を圧入した場合と、銅製のこて先にステンレス鋼製のパイプを圧入した場合とを比較すると、ステンレス鋼製のパイプの方が大きく膨張収縮を繰り返す。つまり、銅製のこて先にステンレス鋼製のパイプを採用する場合には、こて先とパイプとの間で膨張収縮に差が生じることを考慮して、パイプがややこて先の収容穴より小さめに設計される。そのため、こて先の収容穴の表面とパイプとの密着性が劣ってしまい、ヒータからこて先への熱伝導効率が低下しやすい。しかも、パイプとこて先の収容穴の表面との間に隙間が生じるため、こて先の収容穴の表面が酸化しやすく、さらに、酸化物スケールを除去すると、収容穴の径が変化するため、パイプの抜け落ちが生じやすくなる。
一方、本実施の形態では、パイプ4の基材およびこて先3の基材の材質に同一の素材、すなわち、銅を採用している。このように、パイプ4の基材の素材と、パイプ4を内部に収容するこて先3の基材の素材とをほぼ一致させることによって、両者の熱膨張率をほぼ等しくしている。これにより、こて先3およびパイプ4が温度変化に伴って膨張収縮する際にも、こて先3とパイプ4とがほぼ一体となって膨張収縮する。したがって、パイプ4を、こて先3の収容穴3aの表面に密着するような圧入を前提とした設計が可能で、ヒータ5からこて先3への熱伝導効率が低下することも無く、酸化スケールの発生を防止することができる。
さらに、表1に示されるように、銅の熱伝導率はステンレス鋼の熱伝導率よりも大きく、銅の比熱はステンレス鋼の比熱よりも小さい。すなわち、本実施の形態において、筒状体の基材に銅を採用することで、ステンレス鋼を基材とした場合よりも熱伝導の良いパイプ4が得られる。
パイプ4のこて先3への圧入作業は、とくに限定されるものではなく、人力で一つずつ圧入してもよい。また、たとえば、パイプ4のこて先3への圧入を、空気圧、油圧または電気的に駆動するシリンダーを有する治具6’を用いて行ってもよい。図7は、こて先3に形成された収容穴3a内に治具を用いてパイプ4を装着する状態を説明するための図である。まず、図7に示されるように、エアシリンダ61に対してコンプレッサ等の空気圧供給源(図示しない)から1〜10kg/cmの空気圧を供給し、エアーピストン62を前進させる。エアーピストン62には、治具63がナットなどの固定手段64により連結されている。治具63はエアーピストン62とともに前進し、パイプ4の内側に挿入されるとともに、治具63の先端で、パイプ4の絞込み部41の内面を20N以上の力で押圧し、パイプ4がこて先3の収容穴3aの奥深くまで圧入される。
ここで、パイプ4に施された表面処理について詳しく説明する。
金属の表面処理方法としては、一般に、電気めっき、化学(無電解)めっき、溶融浸漬めっき、物理蒸着、イオンめっき、化学気相蒸着、溶射被覆、拡散被覆などが知られている。さらに、拡散被覆法は、拡散させる元素の違いに応じて、浸炭処理(拡散させる元素は炭素C)、浸炭窒化処理(拡散させる元素は炭素Cと窒素N)、カロライズ処理(拡散させる元素はアルミニウムAl)、クロマイズ処理(拡散させる元素はクロムCr)、シェラダイズ処理(拡散させる元素は亜鉛Zn)、ボロナイズ処理(拡散させる元素は硼素B)などたくさんの処理がある。また、拡散被覆法には、媒体の形態に応じた分類もあり、気体法、液体法および固体法に分かれている。
本実施の形態では、銅製の筒状体の内側表面および外側表面を、粉末パック法により、カロライズ処理(アルミナイズ処理)を施し、筒状体の表面を銅Cu−アルミニウムAl合金に表面改質した後、大気中の酸素と反応させて酸化アルミニウム不動態皮膜を成膜してパイプ4を得る。
粉末パック法(Pack Cementation)は、元素賦与材である浸透剤(アルミニウム粉末、アルミニウム含有合金粒子)、焼結防止材(アルミナ、シリカ、カオリン、鉄、鉄コバルト合金、鉄アルミニウム合金、アルミニウム含有合金等)、活性剤(NH4F, NH4Cl, NH4I, NaF, AlF3, AlCl3, NH4Br, MgF2など)をパックにして容器に入れ、処理対象物をその中に埋め込み、不活性ガスを充満させ高温加熱するものである。これにより、アルミニウム粉末からの直接の固体拡散に加え、高温で化学反応して生成されたハロゲン化アルミニウムのガスからの気相拡散で満遍なく拡散が行われる(米国特許第3096160号明細書参照)。粉末パック法を用いて筒状体の表面に改質処理を施すことで、熱拡散処理のため、ピンホールが生じないという利点がある。
具体的には、本実施の形態では、元素賦与剤として20重量%のアルミニウム粉末、焼結防止剤として79.5重量%のアルミナ粒子、活性剤として0.5重量%の塩化アンモニウムNHClをパックにして容器に充填している。そして、処理対象物である無酸素銅製の筒状体をこの中に埋め込み、アルゴンガスArを充満させて酸素を含む空気を追い出し、500〜800℃の温度で15時間の加熱処理を実施している。
このようにして、銅により形成された筒状体の表面にアルミニウムが拡散浸透し、アルミニウム濃度の高い銅Cu−アルミニウムAl合金層が形成される。
この後、処理対象物を容器から取り出し、大気にさらすと、銅Cu−アルミニウムAl合金層の最外表面のアルミニウムが大気中の酸素と反応して、酸化アルミニウムAlの緻密な酸化皮膜が自然に成膜される。この酸化皮膜の生成により、以降の酸化を防止する。
アルミニウムAl粉末の粒径は、発火防止の観点から、50μm以上であることが好ましく、できるだけ処理対象物との接触を多くし、拡散させ易くするという理由から、150μm以下であることがより好ましい。また、アルミニウムAl粉末の酸素含有量は、1重量%以下が好ましい。このように、アルミニウムAl粉末の粒径および酸素含有量を特定することで、パイプ4の表層部分として適した性質が確保される。
本実施の形態では、焼結防止剤としてアルミナ粒子を用いたが、焼結防止剤として鉄Fe−アルミニウムAl合金を粉砕した粒子を使用してもよい。鉄Fe−アルミニウムAl合金の粉砕物を使用する場合には、これを元素賦与剤としても兼用してもよいし、鉄Fe−アルミニウムAl合金の粉砕物のほかに、別途、元素賦与剤としてアルミニウム粉末を使用してもよい。とくに、鉄Fe−アルミニウムAl合金のアルミニウムAlの含有量が19〜50重量%である場合には、アルミニウムAlを高濃度に焼結防止剤の内部に合金化して蓄積させることが可能で、処理対象物へのアルミニウムの固相間拡散を助ける媒体として効率よく機能する。
このように、銅製品へのアルミニウムを拡散浸透させる媒体材料として鉄系材料を使用したとしても、FeAlその他の中間相の生成は抑えられる。これは、アルミニウムAlの蒸気圧または塩化アルミニウムガスの蒸気圧は鉄Feの蒸気圧や塩化鉄ガスの蒸気圧よりも大幅に大きく、その一方で、元素賦与剤粉末と平衡する蒸気圧は純アルミニウムAlの蒸気圧に近いので、処理温度において、炉内で蒸発気体化している元素が、アルミニウムと塩化アルミニウムガスであるためである。
また、焼結防止剤には、その粒径が約500〜5000μm程度に粉砕された材料を使用してもよい。このような粒径の焼結防止剤を使用することで、焼結防止剤の間を塩化アルミニウム気相ガスが通過するのに適した隙間が確保される。
このような拡散浸透は、直接的な固相間反応に加え、つぎのような気相との化学反応で行われ、比較的均一性の良い浸透合金層が形成される。
(第1段階 ハロゲン化合物の活性化)
活性剤として塩化アンモニウムNHClを用いて、活性剤の熱分解で塩化水素ガスを発生させ、この塩化水素ガスが、金属ハロゲン化物としての浸透剤中のアルミニウム金属粉末と反応して塩化アルミニウムガスを生じさせる。
NH4Cl ← → NH3 + HCl
3HCl + Al → AlCl3 + 3/2 H2
(第2段階 活性な金属の析出)
活性化した塩化アルミニウムガスは固体のアルミナの隙間に充満して、処理対象物(銅)表面で活性なアルミニウム金属の析出を行う。
AlCl3 + 3/2 Cu → 3/2 CuCl2 + Al (置換反応)
AlCl3 + 3/2 H2 → 3HCl + Al (還元反応)
AlCl3 → 3/2 Cl2 + Al (熱分解反応)
(第3段階 熱拡散)
対象物(銅Cu)表面に析出した活性なアルミニウムAl金属が銅Cu内部に拡散して銅Cu−アルミニウムAl合金層が形成される。
図8および図9は、粉末パック法を用いて銅製の筒状体の表面にアルミニウムAlを拡散浸透させたときの、銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さを表す拡大断面写真である。このうち、図8は、筒状体の中央部付近の拡大断面写真であり、図9は筒状体の後端部付近の拡大断面写真である。
なお、図8および図9の写真は、粉末パック法で作成したパイプ4を切断し、断面の銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さを顕微鏡で測定したものである。試料のパイプ4は、アルミニウムAlが20%、塩化アンモニウムNH4Clが0.5%のパック剤中に、先端部に絞り込み加工を施した外径4.4φの無酸素銅製の筒状体を横置きで埋設し、小型電気炉でアルゴンArガス中500℃の温度で加熱処理して得たものである。
パイプ4の後端部付近において、銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さは、外周面が約25μm程度であるのに対し、内周面が約20μm程度となっており、また、パイプ4の中央部付近において、銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さは、外周面が約25μm程度であるのに対し、内周面が約15μm程度となっている。筒状体の内周面に形成される銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さは、筒状体の外周面に形成される銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さより薄い。
筒状体の内側と外側では加熱処理を施す際のガスの流れ具合に違いがあるため、パイプ4の内周面に形成される銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さは、パイプ4の外周面に形成される銅Cu−アルミニウムAl合金層の厚さよりやや薄い。そうであっても、筒状体の内側および外側の両面に、酸化アルミニウム不動態皮膜を成膜するのに十分な厚さの銅Cu−アルミニウムAl合金層が得られる。
さらに、本実施の形態では、貫通した孔を持つ略筒状のパイプ4に対して表面改質処理を施しているので、こて先3に形成された貫通していない凹状の収容穴3aの表面に対して表面改質処理を施す場合と比較して、表面改質処理を行なう際の筒状体の内側を通過するガスがスムーズに流れ、ガスの流れを大きく滞らせない。したがって、均質に表面改質されたパイプ4を容易に得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1のはんだ取扱い器機用パイプの酸化アルミニウム皮膜が、粉末パック法によるアルミナイズ処理により表面改質されたのち、大気中の酸素と反応し自然に成膜されたものであるのに対し、実施の形態2のパイプの酸化アルミニウム皮膜は、スラリー・コート法によるアルミナイズ処理により表面改質されたのち、大気中の酸素と反応し自然に成膜されたものである。
スラリー・コート法は、拡散浸透処理法の一種であり、アルミニウム粉末、活性剤および結合剤を混ぜたスラリー状の混合物を処理対象物に塗布し、そののち、不活性雰囲気中で高温加熱処理するものである(米国特許第7030339号明細書参照)。このスラリー・コート法を用いて筒状体の表面を改質処理することによって、粉末パック法を用いる場合と比較して、小規模な設備で表面処理を行なうことが可能で、大掛かりな設備を必要としないという利点がある。
スラリー・コート法を用いた場合には、まず、アルミニウムAl粒子とフッ化物系フラックスをバインダーによって混練することにより得られたスラリー状の混合物を、所定の形状に成形された銅製の筒状体に対して、外周面および内周面の全面に塗布し、乾燥させる。そして、乾燥後、不活性ガス雰囲気中で加熱処理を行なう。この加熱処理でアルミニウムAl粒子だけを溶融させ、筒状体の表面をアルミニウムAl濃度の高い状態に改質する。
具体的には、アルミニウムAl粒子が80重量%、フラックスが20重量%からなる混合物をバインダーとともに混練してスラリー状の混合物を得る。そして、このスラリー状の混合物を、銅製の筒状体の外周面および内周面の両面に2〜5mg/cmの厚さで塗布する。さらに、それを700℃の窒素ガス雰囲気中で加熱処理してアルミニウムAlを溶かす。このとき、銅Cu−アルミニウムAl系合金は548℃で共晶反応により溶融するが、アルミニウムAlと銅Cuとを十分に反応させるため、アルミニウムAlの融点である660℃以上になるように温度を上昇させ熱拡散させる。この後、処理対象物を炉中より取り出して自然冷却させる。このとき、処理対象物の表層部分における、改質された層中のアルミニウムAlが、大気中の酸素と反応し、酸化アルミニウムAlの不動態酸化皮膜が成膜される。
アルミニウムAl粒子の粒径は、150μm以下であることが好ましい。また、アルミニウムAl粒子の酸素含有量は、1重量%以下であることが好ましい。このように、アルミニウムAl粒子の粒径および酸素含有量を特定することで、パイプ4の表層部分として適した性質が確保される。
フラックスとしては、たとえば、フッ化アンモニウムNHFや塩化アンモニウムNHClなどのハロゲン化合物が用いられる。
以上の実施の形態によれば、パイプ4を電気はんだこてのこて先に用いた場合には、こて先3に形成された収容穴3aに、銅・銅合金の筒状体の内側表面および外側表面のそれぞれに酸化アルミニウム不動態皮膜4cが成膜されたパイプ4が圧入されることになる。つまり、パイプ4の表面に極めて安定な酸化アルミニウム不動態皮膜4cが成膜されているので、ヒータ5の発熱によって高温環境下にさらされても、この酸化アルミニウム不動態皮膜によって、こて先3の収容穴3aの内周面の酸化を抑制することが可能である。しかも、筒状体の基材は熱伝導率の高い銅により形成されているので、ヒータ5が発した熱はパイプ4によって効率よく伝導され、こて先3に伝達される。したがって、こて先3の酸化の抑制と、熱伝導特性の向上とを両立させることができる。具体的には、(1)こて先3の耐酸化性が大幅に改善されて、大気中で600℃の温度で1時間加熱しても酸化スケールがほとんど発生しない。はんだこての使用時の温度は通常400℃以下であるが、ヒータ5の温度が約500℃程度まで上昇したとしても、銅の表面に酸化アルミニウム皮膜が成膜されたパイプ4は、こて先3の酸化を防止する機能を充分に果たし得る。(2)熱伝導特性が改善されることから、ステンレス鋼製のパイプを使用した場合より、はんだ付け作業時のこて先3の温度管理を単純かつ容易にすることができる。(3)表面改質処理が施された銅製のパイプ4を圧入したこて先3の方が、ヒータ5からの熱を熱損失が少ない状態で伝導するので、使用開始時や使用中におけるこて先3の温度の回復が早い。
また、近年普及しつつある、Sn-Ag-Cu合金はんだ、Sn-Cu合金はんだ、Sn-Ag合金などの鉛フリーはんだは、従来のSn-Pb共晶はんだに比べて、溶融温度が高いことに加え、錫Snの含有量が多いためにはんだ付け器機や工具への侵蝕も早い。上記の実施の形態で示された熱伝導特性の良好な電気はんだこてを用いることで、鉛フリーはんだを用いたはんだ付け作業が容易になり、電気はんだこてのはんだ付け性能を向上させることができる。
さらに、従来の技術では、こて先3に形成された収容穴3aの内面に対して、直接、改質処理を施す場合に、改質処理のためにこて先3を高温に加熱することで、こて先3の外側に形成されたクロムめっき層が変色し、商品価値が落ちるという問題が生じていたが、本実施の形態では、パイプ4に対して表面改質処理を施しており、こて先3に対して表面改質処理を施す必要がないので、クロムめっき層の変色という問題を回避することができる。
なお、上記実施の形態では、パイプ4の後端部は、図5に示されるように、特別な加工が施されていない状態になっているが、パイプ4の後端部の形状を、つぎに示すような形状に加工してもよい。図10は、パイプ4の後端部の他の形態を説明するための図であり、後端部の横断面が略四角形状になるように加工された形態を示す。図11は、パイプ4の後端部の他の形態を説明するための図であり、後端部の外径が後端へ向けて広がるようにフレア状に加工された形態を示す。図10および図11の(a)はパイプ4の後端部の側面図、(b)はパイプ4の後端部の正面図を示す。
図10のパイプ4の後端部は、正四角形状に加工されている。この正四角形の対辺間の長さL1は、こて先3に形成された収容穴3aの内径D0より小さくなるように設定され、さらに、正四角形の対角間の長さ(対角寸法)L2は、こて先3に形成された収容穴3aの内径D0より若干大きく設定されている。そして、パイプ4の中央部の外径をD1として、L2>D1≧D0>L1の関係を成り立たせている。
図10に示されるように、パイプ4が、こて先3に形成された収容穴3aに圧入されると、パイプ4の後端部の、外径が最大になる部分(長さL2で示される部分)において、その外側表面がこて先3の収容穴3aの内周面に対してとくに強固に圧着する。したがって、こて先3およびパイプ4が熱伝達のために確実に接触した状態を実現できるとともに、外径が最大になる部分を除く部分においては圧入時の摩擦抵抗を低減させることができる。なお、後端部の形態は四角形以外の多角形であってもよい。
図11のパイプ4は、後端部がすそ広がりのフレア状に加工されたものである。この場合のパイプ4の後端部における外径をD2として、このパイプ4の後端部外径D2が、こて先3の収容穴3aの内径D0より大きくなるように設定し、パイプ4の中央部の外径をD1として、D2>D1≧D0の関係を成り立たせている。
図11に示されるように、パイプ4の後端部を裾広がりのフレア状に加工した場合には、パイプ4が、こて先3に形成された収容穴3aに圧入されると、パイプ4の後端部において、その外側表面とこて先3の収容穴3aの内周面とが広い面積で強固に密着した状態を確保することができる。したがって、熱伝達効率を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、本体部がこて先3である形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体部が、分離可能に設けられたこて先に熱を伝える熱伝導スリーブである形態であってもよい。図12は、こて先が分離型こて先300と、熱伝導スリーブ3’とを備え、分離型こて先300のみの交換を行うことが可能な電気はんだこてを説明するための図である。図12に示されるように、このような形態であっても、熱伝導スリーブ3’の内側表面の酸化を防ぐ目的で、本発明のパイプ4が、熱伝導スリーブ3’の内側表面とヒータ5の外側表面との間に設けられる。なお、図12の電気はんだこては、保護パイプ(図示しない)によって分離型こて先300が熱伝導スリーブ3’に押さえ付けられ、熱伝導スリーブ3’側の接触面301fを分離型こて先300側の接触面300fに接触にさせて、発熱体5の熱を熱伝導スリーブ3’を介して分離型こて先300に伝えている形態である。また、分離型こて先と、熱伝導スリーブとの連結は、ネジ構造を用いた相互結合であってもよい。
また、上記実施の形態では、パイプ4を電気はんだこてに適用した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、はんだを溶融させて除去するための電気はんだ吸取器(電気除はんだ工具)に対して、本発明のパイプを適用してもよい。図13は、熱伝導スリーブ(本体部)3’を有する電気はんだ吸取器を説明するための図である。図13に示されるように、はんだ吸い取り用ノズル(吸引部材)Nと熱伝導スリーブ3’とは、ノズルN側の接触面S1と熱伝導スリーブ側の接触面S2とが密着するように螺合して結合される。図13中の符号Vは、吸引手段(図示しない)に接続された吸引管(吸引部材)を示している。
また、上記実施の形態では、パイプ4の内側表面および外側表面にそれぞれ酸化アルミニウム不動態皮膜を成膜した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。酸化アルミニウム皮膜は、パイプ4の少なくとも内周面に成膜されていれば、酸化スケールの発生を抑制することができる。
また、上記実施の形態では、ヒータ5にセラミック・ヒータを用いた形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒータ5としてシーズ構造の電熱抵抗線ヒータを用いた形態であってもよい。
また、上記実施の形態では、電気はんだこての温度制御が、ON-OFF制御である形態について説明したが、本発明はこのようなON-OFF制御に限定されるものではなく、たとえば、電流の供給量を連続的に変化させて電気はんだこての温度を制御する形態であってもよい。
また、上記実施の形態では、粉末パック法またはスラリー・コート法を用いて、銅表面にアルミナイズ処理を施した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、溶融アルミニウム中に対象品を浸漬したのち、高温で加熱処理する拡散浸透処理(米国特許第4517229号明細書参照)を用いた形態であってもよい。
また、上記実施の形態では、筒状体が無酸素銅などの純銅により形成されている形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筒状体が、たとえば銀入り銅や銅-鉄合金などの銅合金により形成されている形態であってもよい。
以下で、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。
(試験装置)
図14は、こて先の温度変化と、はんだ付け対象ワークの温度変化を測定する際の試験器具を説明するための図である。
はんだ付装置111は、温度制御ユニット111aと電気はんだこて111bとを含み、電気はんだこて111bには、ヒータとしてセラミック・ヒータが備えられている。温度制御ユニット111aは、セラミック・ヒータ内に設けられた温度センサからの信号を基に、予め設定されたセンサ位置とこて先先端のはんだ付け作業領域との温度差を考慮して、こて先の作業領域の温度が所定の温度になるように、ヒータに供給される電流の電源をON−OFF制御している。こて先の温度の測定には、クロメル・アルメル熱電対の測温部112をこて先の作業領域の近傍に接触させて、直接的にこて先の温度を測定している。そして、測定により得られたこて先の温度の信号はレコーダ116に入力される。
(試験用ワーク)
試験用ワークA(図14中、符号113で示される)は、サイズの異なる試験用ワークA1と試験用ワークA2とを含む。試験用ワークA1は、長さ110mm、幅110mm、厚さ2mmのガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張プリント配線基板の両表面銅箔が10mm角にエッチングで区切られており、その個々に区切られた小領域の中央に外径φが1.5mmの円筒形スルーホールピンが貫通固定され、表面に径φが2.0mmの銅製こて先接触部が設けられたものである。試験用ワークA2は、試験用ワークA1の円筒形スルーホールピンの外径と銅製のこて先接触部の径を変えたものであり、円筒形スルーホールピンの外径φが2.0mm、銅製のこて先接触部の径φが3.0mmである。それぞれのワークの裏面には、温度測定用のクロメル・アルメル熱電対が取り付けられており、これによって測定されたデータがコントローラ114に集められる。そして、コントローラ114は、試験用ワークA1と試験用ワークA2の温度を測定の順番に切り替えながらシーケンシャルな一つの温度信号としてレコーダ116に送る。
試験用ワークB(図14中、符号115で示される)は、高熱容量を必要とする大型部品を模したワークである。試験用ワークBは、長さ100mm、幅40mm、厚さ5mmのセラミック板の中央に、外径6mm長さ10mmの銅棒が固定され、表面に長さ10mm、幅5mm、厚さ2mmの楕円形銅板のこて先接触部が取り付けられている。また、試験用ワークBの裏面には、温度測定用のクロメル・アルメル熱電対が取り付けられており、試験用ワークBの温度信号はレコーダ116に直接入力される。
(試験方法)
鉛フリーはんだを使用する場合、通常、はんだこては、こて先の温度が350℃程度で制御される。そのため、まず、電気はんだこてのこて先の温度を校正しながら350℃に設定した。具体的には、作業者が、こて先に取り付けられた熱電対112からの温度が無負荷状態で350℃になるように、レコーダ116を目視しながら、温度制御ユニット111aのボリュームを少しずつ上げて、電気はんだこてのこて先の温度の調整を行った。
電気はんだこてのこて先の温度設定を終えると、作業者は、一旦、電気はんだこての電源を切断し、こて先の温度を室温まで下げた。
電気はんだこてのこて先の温度が室温まで下がった後、作業者は、レコーダ116のスイッチを投入し、温度データの記録を開始させた状態で、再び、電気はんだこてに電源を投入し、こて先の温度を350℃まで上昇させた。
つぎに、作業者はこて先の温度が350℃に達し安定したことを確認すると、模擬はんだ付けの作業を開始した。まず、作業者は、こて先を試験用ワークA1の1番目のワークに当てて、その状態でワークの温度が250℃に達するまで待ち、ワークの温度が250℃に達したら2番目のワークに移る。これを試験用ワークA1の10個のワークに対して行った。
また、試験用ワークA1の10個のワークに対する模擬はんだ付けの試験が済んだら、作業者は、続けて試験用ワークA2に対しても、試験用ワークA1と同様の方法で、ワークの温度が200℃に達したらつぎのワークへ移る模擬はんだ付けの試験を行った。
そして、試験用ワークA1の10個のワークおよび試験用ワークA2の10個のワークの合計20箇所の連続模擬はんだ付け試験が終了したら、作業者は、こて先の温度が無負荷状態で350℃に回復するまで待機した。
上記の模擬はんだ付け試験において、こて先をワークの温度が250℃に達するまで、こて先接触部にこて先を当てるように試験したワークA1の10個のワーク、および、ワークの温度が200℃に達するまでこて先接触部にこて先を当てるように試験したワークA2の10個のワークの合計20箇所の連続模擬はんだ付け試験を行った。この連続模擬はんだ付け試験が終了すると、作業者は、こて先の温度が無負荷状態で350℃に回復するまで待機した。
最後に、試験用ワークBに対して、ワークの温度が200℃に達するまで、こて先を試験用ワークB(図14中の符号115参照)のこて先接触部に当てて、試験用ワークBの温度が200℃に達してからこて先を離して温度変化を記録した。
(試験結果)
図15および図16は、試験用ワークAおよび試験用ワークBに対して、こて先を当てて、模擬的なはんだ付け状態を作り出し、そのときのこて先の温度変化とワークの温度変化を表したグラフである。図15は従来と同様のステンレス製のパイプを用いた比較例の結果であり、図14は、銅により形成された筒状体の基材表面に酸化アルミニウム不動態皮膜を成膜した改質銅パイプを用いた実施例の結果である。なお、図15中のカーブTsはこて先の温度変化を示し、カーブBsは試験用ワークBの温度変化を示し、カーブAsは試験用ワークAの温度変化を示している。また、図16中のTcはこて先の温度変化を示し、カーブBcは試験用ワークBの温度変化を示し、カーブAcは試験用ワークAの温度変化を示している。なお、カーブAsおよびカーブAcは、試験用ワークAに対する20箇所の連続作業を、250℃および200℃の2種について連続的に記録した曲線である。
図17は、図15のこて先の温度変化を表すカーブTsと、図14のこて先の温度変化を表すカーブTcとを比較するためのグラフであり、温度変化曲線の温度ドロップ開始位置が合致するように、時間軸を調整して、1つのグラフに表したものである。
図18は、図17中のR2部とR4部とを拡大して示したものであり、こて先の温度の極小値の変化を表したグラフである。
1.)図17で比較例と実施例とを比較すると、同じ電気はんだこてを使用しても、実施例と比較例とでは、こて先の温度の立ち上がり速度(上昇速度)が異なる。実施例の方が比較例よりもこて先の温度上昇は速い(図15のR1、R3、R5部分参照)。
2.)図18で比較例と実施例とを比較すると、実施例の温度が比較例の温度を上回っている。さらに、連続試験の回数が増えるに従って、比較例の極小温度が、大きく低下しているのに対して、実施例の極小温度は比較例ほど大きく低下していない。同じ出力のヒータを用いていることから、表面改質された銅製のパイプを用いた実施例では、ステンレス鋼製のパイプを用いた比較例よりもヒータからの熱伝導特性が良好であることを示している。図18のR4の最終測定ポイントでの温度差は、Tc-Ts=21℃にまでなっている。
3.)さらに、図17においてR6部分で示される、試験用ワークBに対する試験については、比較例では、試験用ワークBにこて先を当てると、こて先の温度Tsが350℃から208.7℃まで低下している。比較例のこて先の温度Tsは、208.7℃に低下した時点からその後も、しばらくの間温度上昇しておらず、約200秒をかけて、徐々にゆっくりと発熱体からこて先に、そして、こて先から試験用ワークBに熱が伝達されていることが分かる。作業者は、約200秒経過した時点で、ようやく、試験用ワークBの温度が200℃に達したことを確認し、電気はんだこてのこて先を試験用ワークBから離している。これにより、こて先の温度Tsは急上昇している。
一方、実施例では、試験用ワークBにこて先を当てると、こて先の温度Tcは350℃から221.6℃までの低下に留まっている。実施例のこて先の温度Tcは、221.6℃に低下した時点からその後、約40秒程度で速やかに回復に転じている。すなわち、作業者は、約40秒経過した時点で、試験用ワークBの温度が200℃に達したことを確認し、電気はんだこてのこて先を試験用ワークBから離している。これにより、こて先の温度Tcは急上昇している。
以上から、同一の電気はんだこてを使用し、発熱体の消費電力で表される発熱量を同等にして行った試験であるにも関わらず、試験用ワークBを加熱した後のこて先の温度の回復については、比較例と実施例との間で差が生じていることが確認できた。これは、実施例において表面改質された銅製のパイプを用いたことで、比較例のようにステンレス鋼製のパイプを用いた場合よりも、発熱体からこて先への熱伝達が効率よく行われたためと考えられる。
パイプが収容穴に圧入された状態のこて先の側面図である。 パイプが収容穴に圧入された状態のこて先の断面図である。 パイプを説明するための断面図である。 図3のIV位置の拡大図である。 パイプの後端部の形態を説明するための図であり、(a)はパイプの後端部の側面図、(b)はパイプの後端部の正面図である。 筒状体の銅の表面が改質されたパイプがこて先の穴に圧入された場合のこて先の酸化量と、こて先の穴の表面の酸化防止策が施されていない場合のこて先の酸化量とを比較するグラフである。 パイプをこて先の収容穴に圧入する状態を説明するための図である。 粉末パック法を用いて銅製の筒状体の表面にアルミニウムを拡散浸透させたときの、銅−アルミニウム合金層の厚さを表す拡大断面写真であり、筒状体の中央部付近の拡大断面写真である。 粉末パック法を用いて銅製の筒状体の表面にアルミニウムを拡散浸透させたときの、銅−アルミニウム合金層の厚さを表す拡大断面写真であり、筒状体の後端部付近の拡大断面写真である。 パイプの後端部の他の形態を説明するための図であり、後端部の横断面が略四角形状になるように加工された形態を示し、(a)はパイプの後端部の側面図、(b)はパイプの後端部の正面図である。 パイプの後端部の他の形態を説明するための図であり、後端部が後端へ向けて径が広がるようにフレア状に加工された形態を示し、(a)はパイプの後端部の側面図、(b)はパイプの後端部の正面図である。 こて先が分離型こて先と、熱伝導スリーブとを備え、分離型こて先のみの交換を行うことが可能な電気はんだこてを説明するための図である。 はんだ吸取器の構造を説明するための図である。 実施例の模擬はんだ付けの試験装置を説明するための図である。 模擬はんだ付けの試験結果を示すグラフであり、電気はんだこてにステンレス鋼製のパイプを用いた比較例の試験結果である。 模擬はんだ付けの試験結果を示すグラフであり、電気はんだこてに表面改質処理が施された銅製のパイプを用いた実施例の試験結果である。 模擬はんだ付けの試験結果のうち、比較例のこて先の温度変化と実施例のこて先の温度変化とを比較するためのグラフである。 図17のR2部分およびR4部分について、実施例と比較例とを比較するためのグラフである。 電気はんだこての構造を示す分解斜視図である。
符号の説明
3 こて先(本体部)
3’ 熱伝導スリーブ(本体部)
3a 収容穴(穴)
4 パイプ
41 絞込部
4a 銅層
4b 銅−アルミニウム合金層
4c 酸化アルミニウム不動態皮膜(酸化アルミニウム皮膜)
5 ヒータ(発熱体)

Claims (9)

  1. 発熱体を収納する穴が形成された本体部と、
    該本体部の穴に圧入された筒状のパイプとを有するはんだ取扱い器機用熱伝導部材であって、
    前記パイプは、銅または銅合金により形成された筒状体の内周面および外周面に酸化アルミニウム皮膜が成膜されたものであることを特徴とするはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  2. 前記酸化アルミニウム皮膜は、前記筒状体の表面にアルミナイズ処理を施すことで表面改質されたCu−Al合金層のアルミニウムが、大気中の酸素と反応して自然生成された酸化アルミニウムの不動態皮膜である請求項1記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  3. 前記筒状体に施される前記アルミナイズ処理が、粉末パック法によるアルミニウム拡散浸透処理である請求項2記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  4. 前記筒状体に施される前記アルミナイズ処理が、アルミニウム粉末とフラックスとの混合物を、前記筒状体の内周面および外周面に塗布後、加熱処理を施すことで表面改質されるものである請求項2記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  5. 前記筒状体の一方の端部が、端へ向けて径が狭まるように絞り込み加工されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  6. 前記筒状体の他方の端部の横断面が、略4角形状に加工され、
    加工後の端部における対角寸法が、中央部の外径より大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  7. 前記筒状体の他方の端部の外径が、端へ向けて広がるようなフレア状に加工されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材。
  8. こて先またはこて先に連結される熱伝導スリーブを構成する請求項1〜7のいずれか1項に記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材と、
    該はんだ取扱い器機用熱伝導部材の穴に挿入される発熱体とを備え、
    前記はんだ取扱い器機用熱伝導部材によって伝えられた熱ではんだを溶融してはんだ付けする電気はんだこて。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のはんだ取扱い器機用熱伝導部材と、
    該はんだ取扱い器機用熱伝導部材の穴に挿入される発熱体と、
    前記はんだ取扱い器機用熱伝導部材によって伝えられた熱で溶融したはんだを吸引する吸引部材とを備えた電気除はんだ工具。
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