JP2010104101A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】単板の圧電振動子を従来とは異なる辺比で構成すると共に、これを積層した超音波モータを提供する。
【解決手段】矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子50を構成し、積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとした場合、単板の圧電振動子は、d/Lの値が実質的に0.63となるように形成されていると共に、単板の圧電振動子は、剪断方向に複数積層されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、超音波モータに関し、特に、積層された矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータに関する。
従来から、圧電振動子を振動させることによって、ロータや回転軸等を駆動する超音波モータが知られている。この超音波モータは、圧電振動子を振動させる際に、複数種類の振動(共振)モードを合成することによって、駆動力を発生するように構成されている。
図8は、矩形型の圧電振動子を複数種類の振動モードで振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。ここで、F1、F2およびF3は、屈曲振動を示し、L1およびL2は縦振動を示す。矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モード(L1)で振動する際の伸縮方向の長さをLとし、また、圧電振動子が、第二次屈曲振動モード(F2)で振動する際の剪断方向の長さをdとする。そして、図8に示すように、d/Lを変数として、d/Lと圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、d/Lと第二次縦振動モードの共振周波数とを対応させる。なお、図8ではL=20mmで固定し、d(Width)のみを変化させている。この場合、縦横の二辺の比(以下、「辺比」と呼称する。)d/Lが、0.272付近で両者の共振周波数が一致し、二つの振動が縮退する。そのため、従来は、辺比d/Lが0.272付近となるように、圧電振動子を形成していた。
一方、特開平5−003688号公報には、圧電振動子として、共振周波数が若干異なる縦振動モードと屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで駆動する超音波モータが開示されている。この超音波モータでは、圧電振動子の長手縦振動の共振周波数ftと、偶数次の面内屈曲振動の共振周波数fpとが若干異なる値を有する。具体的には、圧電振動子の短辺の長さと長辺の長さの比を0.26:1から外し、例えば、0.28:1や、0.24:1などの比となるように、圧電振動子を形成する。これにより、超音波モータを安定して駆動させるようにしている。
特開平5−003688号公報
上記のように、従来は、圧電振動子の辺比d/Lは0.272である場合のみが注目されていた。ところが、第一次縦振動モードの共振周波数と第二次屈曲振動モードの共振周波数とが一致する場合の辺比d/Lは、一通りではない。図8に示すように、辺比d/Lが0.272付近である場合の他、辺比d/Lが0.6付近である場合も第一次縦振動モードの共振周波数と第二次屈曲振動モードの共振周波数とが一致する。しかしながら、従来は、圧電振動子の辺比d/Lを0.6付近として超音波モータを構成することは行なわれていなかった。さらに、矩形型の単板の圧電振動子を上記のような辺比で構成すると共に、これを積層した超音波モータを構成することは行なわれていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、単板の圧電振動子を従来とは異なる辺比で構成すると共に、これを積層した超音波モータを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の超音波モータは、矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとし、d/Lを変数として、d/Lと前記単板の圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、d/Lと第二次縦振動モードの共振周波数とを対応させた場合、前記単板の圧電振動子は、同一のd/Lの値に対する第一次縦振動モードの共振周波数の値から、第二次屈曲振動モードの共振周波数の値を減算した減算値が、負の数から正の数に変わるときのd/Lの値に基づいて形成されていると共に、前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴としている。
このように、d/Lを変数として、d/Lと単板の圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、d/Lと第二次縦振動モードの共振周波数とを対応させた場合、d/Lが小さい場合は、第二次屈曲振動モードの共振周波数よりも第一次縦振動モードの共振周波数の方が大きく、d/Lが0.272付近を越えると、その大きさが逆転する。さらにd/Lを大きくしていくと、第一次縦振動モードの共振周波数が、第二次屈曲振動モードの共振周波数よりも大きくなる。すなわち、同一のd/Lの値に対する第一次縦振動モードの共振周波数の値から、第二次屈曲振動モードの共振周波数の値を減算した減算値が、負の数から正の数に変わる。本発明は、そのときのd/Lの値によって、単板の圧電振動子を形成する。これにより、単板の圧電振動子は、従来のように、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となると共に、長手方向の長さが小さくなる。その結果、小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。さらに、このように形成された単板の圧電振動子を、剪断方向に複数積層することによって、圧電振動子に単板と同じ入力電圧で大きな電界強度を印加することができるので、必要な電源電圧を小さくすることが可能となる。その結果、従来の超音波モータでは必要とされていた昇圧部品を不要とすることができ、ドライバ基板の小型化を図ることが可能となる。これにより、マルチチャネル動作可能な小型ドライバシステムを実現することが可能となる。
(2)また、本発明の超音波モータは、矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとした場合、前記単板の圧電振動子は、d/Lの値が0.55から0.65の範囲に収まるように形成されていると共に、前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴としている。
このように、d/Lの値が0.55から0.65の範囲に収まるため、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となると共に、長手方向の長さが小さくなる。その結果、圧電振動子の小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。さらに、このように形成された単板の圧電振動子を、剪断方向に複数積層することによって、圧電振動子に単板と同じ入力電圧で大きな電界強度を印加することができるので、必要な電源電圧を小さくすることが可能となる。その結果、従来の超音波モータでは必要とされていた昇圧部品を不要とすることができ、ドライバ基板の小型化を図ることが可能となる。これにより、マルチチャネル動作可能な小型ドライバシステムを実現することが可能となる。
(3)また、本発明の超音波モータは、矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとした場合、前記単板の圧電振動子は、d/Lの値が実質的に0.63となるように形成されていると共に、前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴としている。
このように、d/Lの値は、実質的に0.63であるため、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となる。その結果、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも同体積でL方向の長さを短くすることができるため、小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。さらに、このように形成された単板の圧電振動子を、剪断方向に複数積層することによって、圧電振動子に単板と同じ入力電圧で大きな電界強度を印加することができるので、必要な電源電圧を小さくすることが可能となる。その結果、従来の超音波モータでは必要とされていた昇圧部品を不要とすることができ、ドライバ基板の小型化を図ることが可能となる。これにより、マルチチャネル動作可能な小型ドライバシステムを実現することが可能となる。なお、d/Lの値が実質的に0.63であるとは、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能する範囲という意味である。d/Lの値が0.63の前後にずれていても、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、d/Lの値は実質的に0.63であると言える。逆に言えば、d/Lの値は、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、ちょうど0.63でなければならないわけではない。
本発明によれば、単板の圧電振動子は、従来のように、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となると共に、長手方向の長さが小さくなる。その結果、小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。さらに、このように形成された単板の圧電振動子を、剪断方向に複数積層することによって、圧電振動子に単板と同じ入力電圧で大きな電界強度を印加することができるので、必要な電源電圧を小さくすることが可能となる。その結果、従来の超音波モータでは必要とされていた昇圧部品を不要とすることができ、ドライバ基板の小型化を図ることが可能となる。これにより、マルチチャネル動作可能な小型ドライバシステムを実現することが可能となる。
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る矩形で単板の圧電振動子の斜視図である。この圧電振動子1は、圧電セラミクスから形成されており、分極方向は、図1に示す座標軸のz軸方向に一致している。また、圧電振動子1が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向は、x軸と平行であり、圧電振動子1のx軸方向の長さはLである。また、圧電振動子1が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向は、y軸と平行であり、圧電振動子1のy軸方向の長さ(厚さ)はdである。
図2は、圧電振動子1の第一次縦振動の様子を示す図である。第一次縦振動は、図2の矢印AおよびBに示すように、圧電振動子1の長手方向に伸縮を繰り返すことにより生ずる。また、図3は、圧電振動子1の第二次屈曲振動の様子を示す図である。第二次屈曲振動は、図3の矢印Cに示すように、圧電振動子1の厚さ方向に、相互に向きが異なる剪断力により屈曲を繰り返すことにより生ずる。これらの第一次縦振動と第二次屈曲振動とを合成(縮退)することにより、圧電振動子1に設けられたチップが楕円運動をし、駆動力が生ずる。
図4は、圧電振動子1が被駆動体2を図中、右方向に駆動する様子を段階的に示す図である。図4において、圧電振動子1は、チップ1aを備えている。圧電振動子1の第一次縦振動と第二次屈曲振動とを合成することで、圧電振動子1が伸縮と屈曲を繰り返し、1サイクルで被駆動体を距離lだけ移動させている。
圧電振動子1は、このような原理で駆動力を発生させるのであるが、従来は、単板の圧電振動子1の辺比d/Lは、0.272付近のみが注目されていた。すなわち、d/Lを変数として、d/Lと単板の圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、d/Lと第二次縦振動モードの共振周波数とを対応させた場合、図8に示すように、d/Lが小さい場合は、第二次屈曲振動モードの共振周波数よりも第一次縦振動モードの共振周波数の方が大きい。そして、d/Lが0.272となると、第一次縦振動モードの共振周波数と、第二次屈曲振動モードの共振周波数とが一致するので、d/Lが0.272である圧電振動子のみが利用されていた。d/Lが0.272を超えると、第二次屈曲振動モードの共振周波数が第一次縦振動モードの共振周波数よりも大きくなる。
ところが、さらにd/Lを大きくしていくと、第一次縦振動モードの共振周波数が、第二次屈曲振動モードの共振周波数よりも大きくなる。すなわち、同一のd/Lの値に対する第一次縦振動モードの共振周波数の値から、第二次屈曲振動モードの共振周波数の値を減算した減算値が、負の数から正の数に変わる。つまり、この点においても、第一次縦振動モードの共振周波数と、第二次屈曲振動モードの共振周波数とが一致するのである。本実施形態では、そのときのd/Lの値によって、単板の圧電振動子を構成する。具体的には、本実施形態では、d/Lの値は実質的に0.63である。
これにより、圧電振動子1は、従来のように、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となる。その結果、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも同体積でL方向の長さを短くすることができるため、小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。
図5は、上記のように形成された単板の圧電振動子1を、剪断方向に複数個積層することにより構成した積層型圧電振動子を概念的に表した図である。図5では、一部を切断して表現している。この積層型圧電振動子50は、単板の圧電振動子1を積層した圧電層51およびその圧電層の間に設けられた内層電極52から構成されている。また、積層型圧電振動子50は、入力電極53、2つの外部取り出し電極54、およびグランド電極55を有している。
単板の圧電振動子1を、例えば、8層に積層して、積層型圧電振動子50を構成すると、単板の圧電振動子1では、入力電圧が200Vppであったものが、積層型圧電振動子50では、25Vppに低下させることができた。この場合、積層方向と変位方向とは垂直の関係にあるため、圧電効果は、「横効果」を利用することとなる。また、効率をより上昇させるため、「縦効果」を利用する構成を採ることも可能である。例えば、変位方向に積層することによって、縦効果を利用することができる。例えば、単板の圧電振動子を縦方向に分極すると、駆動電圧は500Vpp以上が必要となる。一方、単板の圧電振動子を、0.5mm間隔で積層して、積層型圧電振動子を構成することによって、駆動電圧を10Vpp以下にして駆動することが可能となる。
図6は、交差指電極を取り付けた圧電振動子を示す図である。この圧電振動子60は、交差指電極61と、グランド電極62を有している。このような交差指電極61を用いて積層型圧電振動子を構成し、交差指の間隔方向に分極して超音波モータを構成することによっても、同様の効果を得ることが可能である。また、積層数が少なくて済み、工業上、有利である。
具体的には、横効果を用いた場合は、d31=130×10−12m/V、であり、縦効果を利用した場合は、d33=290×10−12m/Vであるため、縦効果を利用した場合は、横効果の約2.2倍の効率改善を図ることが可能となる。
図7は、本実施形態に係る超音波モータ装置の概略構成を示す図である。この超音波モータ装置50において、積層型圧電振動子50aは、摺動チップ2aが楕円運動をすることにより、駆動対象物15を図7中、矢印AまたはBの方向へスライドさせる。また、積層型圧電振動子50は、図5に示したような電極を有しており、2箇所から電圧を供給され、中央の電極は接地されている。
図7において、駆動装置70は、駆動対象物15の位置を検出する位置センサ31と、超音波モータ(積層型圧電振動子)50aを共振駆動する共振駆動装置32と、超音波モータ50aを直流駆動する直流駆動装置33と、位置センサ31の検出信号に従って共振駆動装置32または直流駆動装置33に駆動指令信号を送る駆動制御装置(CPU)34と、を備えている。共振駆動装置32と直流駆動装置33は、増幅器35a、35bを共有している。さらに、共振駆動装置32は、第1フィードバック制御装置36と位相制御装置37とを有している。直流駆動装置33は、第2フィードバック制御装置38と信号反転器39とを有している。
超音波モータ50aは、積層型圧電振動子から構成されているため、上記のように、単板の圧電振動子より駆動電圧が小さくても同様の駆動力を発揮することが可能である。このため、増幅器35a、35bにおいては、従来のように昇圧部品を用いる必要がなく、増幅器35a、35bを小型化することが可能である。より具体的には、本実施形態に係る増幅器35a、35bは、従来の増幅器と比較して、大きさが1/3程度に小さくなっている。
位置センサ31には、レーザを利用した非接触光学式センサシステムが好適に用いられる。例えば、駆動対象物15には駆動対象物15の位置を示すためのマーキング(図示せず)が施されており、位置センサ31は反射光パターンから駆動対象物15の位置を検出する。
第1フィードバック制御装置36は、駆動制御装置(CPU)34から超音波モータ50aを共振駆動させる指令信号を受信すると、超音波モータ50aを共振駆動させるための共振駆動信号を発生させ、それを増幅器35a、35bに送る。また、第1フィードバック制御装置36は、位置センサ31の検出信号を受信して、駆動対象物15の移動速度を調節する。このため第1フィードバック制御装置36は、共振駆動信号の波形を適宜変形させる(例えば、ゼロ−ピーク電圧値を変化させる)ことができるようになっている。
第1フィードバック制御装置36から増幅器35a、35bへは同一波形の共振駆動信号が出力される。このため一方の増幅器、つまり増幅器35aに送られる共振駆動信号は増幅器35aに入力される前に位相制御装置37によって位相を90度ずらされる。例えば、第1フィードバック制御装置36から出力される共振駆動信号がV=Vsin(2πft)である場合には、増幅器35bにはこのV=Vsin(2πft)の共振駆動信号が入力されるが、増幅器35aには位相制御装置37によって位相制御されたV=Vcos(2πft)またはV=−Vcos(2πft)の共振駆動信号が入力される。
なお、第1フィードバック制御装置36から出力される共振駆動信号はV=Vcos(2πft)であってもよい。この場合には、位相制御装置37からは、V=Vsin(2πft)またはV=−Vsin(2πft)の共振駆動信号が出力される。
第2フィードバック制御装置38は、駆動制御装置(CPU)34から超音波モータ50aを直流駆動させる指令信号を受け取ると、超音波モータ50aを直流駆動させるための直流電圧信号を発生させ、それを増幅器35a、35bに送る。また第2フィードバック制御装置38は、位置センサ31からの信号を受信して、直流電圧信号の電圧値を適宜調整して増幅器35a、35bに送ることができるようになっている。
第2フィードバック制御装置38から増幅器35a、35bへは同じ直流電圧信号が出力される。このため増幅器35aに送られる直流電圧信号は増幅器35aに入力される前に信号反転器39によって正負を逆転される。
以上説明したように、本実施形態によれば、単板の圧電振動子は、従来のように、辺比d/Lが0.272付近である場合よりも、いわゆる肉厚となると共に、長手方向の長さが小さくなる。その結果、小型化を図ることができる。また、従来よりも肉厚となることから、疲労や過入力による破損が生じ難くなり、耐久性を向上させることが可能となる。さらに、このように形成された単板の圧電振動子を、剪断方向に複数積層することによって、圧電振動子に単板と同じ入力電圧で大きな電界強度を印加することができるので、必要な電源電圧を小さくすることが可能となる。その結果、従来の超音波モータでは必要とされていた昇圧部品を不要とすることができ、ドライバ基板の小型化を図ることが可能となる。これにより、マルチチャネル動作可能な小型ドライバシステムを実現することが可能となる。
本実施形態に係る圧電振動子の斜視図である。 圧電振動子の第一次縦振動の様子を示す図である。 圧電振動子の第二次屈曲振動の様子を示す図である。 圧電振動子が被駆動体を図中、右方向に駆動する様子を段階的に示す図である。 本実施形態に係る超音波モータの概略構成を示す図である。 交差指電極を取り付けた圧電振動子を示す図である。 本実施形態に係る超音波モータ装置の概略構成を示す図である。 矩形型の圧電振動子を複数種類の振動モードで振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。
符号の説明
1 圧電振動子
1a チップ
2 被駆動体
2a 摺動チップ
15 駆動対象物
31 位置センサ
32 共振駆動装置
33 直流駆動装置
34 駆動制御装置
35a 増幅器
35b 増幅器
36 フィードバック制御装置
37 位相制御装置
38 フィードバック制御装置
39 信号反転器
50 超音波モータ装置
50a 積層型圧電振動子
51 圧電層
52 内層電極
53 入力電極
54 電極
55 グランド電極
70 駆動装置

Claims (3)

  1. 矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
    前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとし、d/Lを変数として、d/Lと前記単板の圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、d/Lと第二次縦振動モードの共振周波数とを対応させた場合、
    前記単板の圧電振動子は、同一のd/Lの値に対する第一次縦振動モードの共振周波数の値から、第二次屈曲振動モードの共振周波数の値を減算した減算値が、負の数から正の数に変わるときのd/Lの値に基づいて形成されていると共に、
    前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴とする超音波モータ。
  2. 矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
    前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとした場合、
    前記単板の圧電振動子は、d/Lの値が0.55から0.65の範囲に収まるように形成されていると共に、
    前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴とする超音波モータ。
  3. 矩形で単板の圧電振動子を積層して積層型圧電振動子を構成し、前記積層型圧電振動子が、第一次縦振動モードと第二次屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
    前記単板の圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記単板の圧電振動子が第二次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをdとした場合、
    前記単板の圧電振動子は、d/Lの値が実質的に0.63となるように形成されていると共に、
    前記単板の圧電振動子は、前記剪断方向に複数積層されていることを特徴とする超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07273384A (ja) * 1994-03-30 1995-10-20 Mitsui Petrochem Ind Ltd 積層型圧電素子およびその製造方法
JPH0965674A (ja) * 1995-06-15 1997-03-07 Nikon Corp 振動アクチュエータ

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