JP2010104078A - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】大きなストローク長に対応でき、可動磁石部が軽量で効率よく大きな推力を得ることができ、位置制御性能に優れたリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】軸線方向に往復動可能に支承されるとともに磁石を有する可動磁石部と、固定支持されるとともに磁石がつくる磁界中の磁束と鎖交する通電可能なコイルとを備え、磁石と通電されたコイルとの間に発生する電磁力により可動磁石部を往復動させるリニアアクチュエータであって、可動磁石部2は軸線AL方向に離隔して複数の磁石31、32を有し、各磁極31N〜32Sは互い違いに配置されかつ可動磁石部2の軸線AL方向と平行する両側面21、22にそれぞれ位置し、コイル31N〜32Sは、複数の磁石の各磁極に対面してそれぞれ設けられ、かつその軸心が軸線AL方向と平行するように配置されるとともに内側に磁束を通すヨーク51を有する。
【選択図】図1
【解決手段】軸線方向に往復動可能に支承されるとともに磁石を有する可動磁石部と、固定支持されるとともに磁石がつくる磁界中の磁束と鎖交する通電可能なコイルとを備え、磁石と通電されたコイルとの間に発生する電磁力により可動磁石部を往復動させるリニアアクチュエータであって、可動磁石部2は軸線AL方向に離隔して複数の磁石31、32を有し、各磁極31N〜32Sは互い違いに配置されかつ可動磁石部2の軸線AL方向と平行する両側面21、22にそれぞれ位置し、コイル31N〜32Sは、複数の磁石の各磁極に対面してそれぞれ設けられ、かつその軸心が軸線AL方向と平行するように配置されるとともに内側に磁束を通すヨーク51を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、NC旋盤などの工作機械や電気部品実装装置などの産業機械に搭載されるリニアアクチュエータに関し、より詳細には磁石を可動子としコイルを固定子として構成する可動磁石形リニアアクチュエータに関する。
工作機械や産業機械では、加工工具や部品取付ヘッドと工作物との相対位置関係を高精度に調節、制御する手段としてリニアアクチュエータが用いられる。リニアアクチュエータには各種の方式があり、磁石とコイル(電機子)とを備え、一方を往復動可能に支承し他方を固定し、両者の間に発生する電磁力を利用して往復動を行う方式の装置が知られている。本願出願人は、その一例である可動磁石形リニアアクチュエータを特許文献1に開示している。
特許文献1のリニアアクチュエータは、棒状可動体およびマググネット構成体と、固定子ベースおよび空芯コイルとを備え、前二者が後二者に対して往復動するように構成されている。詳細に説明すると、棒状可動体の外周に配設されるマググネット構成体は、第1および第2の永久磁石、第1および第2の磁性体、補助磁石、で構成されている。固定子ベースは磁性体で形成され、その平面壁の内側にマググネット構成体と対向して空芯コイルが巻回されている。そして、マググネット構成体から出た磁束が空芯コイルと鎖交して電磁力が発生し、この電磁力を推力として棒状可動体が固定子ベースに対して往復動するようになっている。多数の磁石および磁性体を組み合わせて用いる理由は、磁気回路の磁気抵抗を減らして大きな磁束を通し、大きな推力を得るためである。
上記のような可動磁石形リニアアクチュエータでは、大きな推力を得ようとすると磁石が大形化して可動子の重量が大きくなりがちである。一方、可動コイル形リニアアクチュエータは可動子を比較的軽量化しやすい反面、移動するコイルに電源を供給する可動接触部や可動電線が必要となって構造が複雑化しがちであり、またこの部位の長期信頼性を確保する必要がある。
特開2008−206356号公報
ところで、特許文献1の可動磁石形リニアアクチュエータでは、棒状可動体の可動範囲は、第1および第2の永久磁石の幅MWから空芯コイルの径方向巻高CWを差し引いて得られ、大きなストローク長を得ることが難しい。詳述すると、大きなストローク長を得るためには、その分だけ永久磁石の幅MWを大きくすることが必要となり、大きな磁束を通すために磁性体や固定子ベースの断面積を大きくすることが必要となる。その結果、装置が大形化し、特に可動子が重量化する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、大きなストローク長に対応でき、可動磁石部が軽量で効率よく大きな推力を得ることができ、位置制御性能に優れたリニアアクチュエータを提供することを解決すべき課題とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、大きなストローク長に対応でき、可動磁石部が軽量で効率よく大きな推力を得ることができ、位置制御性能に優れたリニアアクチュエータを提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るリニアアクチュエータの発明は、基部に軸線方向に往復動可能に支承されるとともに磁石を有する可動磁石部と、前記基部に固定支持されるとともに前記磁石がつくる磁界中の磁束と鎖交する通電可能なコイルとを備え、前記磁石と通電された前記コイルとの間に発生する電磁力により前記可動磁石部を往復動させるリニアアクチュエータであって、前記可動磁石部は前記軸線方向に離隔して複数の前記磁石を有し、複数の該磁石の各磁極は互い違いに配置されかつ前記可動磁石部の前記軸線方向と平行する両側面にそれぞれ位置し、前記コイルは、複数の前記磁石の前記各磁極に対面してそれぞれ設けられ、かつその軸心が前記軸線方向と平行するように配置されるとともに内側に前記磁束を通すヨークを有する、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記可動磁石部の各前記側面に対面して配置される複数の前記コイルの各前記ヨークを磁気的に連結する連結ヨークを備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれかにおいて、前記可動磁石部は2個の前記磁石を有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または2のいずれかにおいて、前記可動磁石部は3個の前記磁石を有し、両側の前記磁石の内部磁束と交わる断面積が中央の前記磁石のそれよりも小とされていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によると、可動磁石部は複数の磁石を有し各磁極は互い違いに配置されてかつ可動磁石部の両側面にそれぞれ位置し、コイルは各磁極に対面してそれぞれ設けられかつその軸心が軸線方向と平行するように配置されるとともに内側に磁束を通すヨークを有する、ように構成される。したがって、第1の磁石のN極から出た磁束は、対面するコイルに鎖交しヨークを通り、隣の第2の磁石に対面するヨークおよびコイルを経由して第2の磁石のS極へ入る。同様に、第2の磁石のN極から出た磁束は、コイルに鎖交しヨークを通り、第1の磁石側のヨークおよびコイルを経由して第1の磁石のS極へ戻り、磁気閉回路が構成される。ここで、各コイルに通電すると、電流と磁束との間に電磁力が発生してコイルに作用する。各コイルは基部に固定支持されているため、電磁力とは逆方向の反力が発生し、推力となって可動磁石部を駆動する。このとき、可動磁石部は、磁石とコイルとが対面している範囲内で往復動し、そのストローク長は概ねコイルの軸線方向の長さから磁石の軸線方向の長さ差し引いたものとなる。したがって、コイルの軸線方向の長さを大きくすることにより、容易にストローク長を大きくできる。
また、各コイルの通電方向を制御することにより、複数の磁石およびコイルにより生起される各推力を同一方向に揃えることができる。さらに、、磁石から出る総磁束の大部分をコイルに鎖交させることができる。したがって、(電流値)、(磁束密度)、(電流と磁束との総鎖交長あるいは総鎖交数)の積で求められる可動磁石部の総推力を、効率よく大きなものとすることができる。また、磁石とコイルとが対面している範囲では、推力は概ね一定となるので、可動磁石部は円滑に安定して往復動する。
さらに、ストローク長を大きくするために磁石を大きくする必要がないので、可動磁石部を軽量のままとすることができて、必要推力の増加が抑制される。また可動磁石部を支承する支持構造も簡易な構造で、推力中心、重心、ガイド中心、センサ中心を一致させることができ、位置制御性能に有利となる。つまり、高速でかつ高精度に可動磁石部の位置を制御することができる。
請求項2に係る発明によると、可動磁石部の側面に対面して配置される複数のコイルの各ヨークを磁気的に連結する連結ヨークを備える。連結ヨークを備えることにより、隣りあうコイルの各ヨークが連結されて磁気抵抗が低減され、より多くの磁束が通ってより大きな推力が得られるので、効率が一層向上する。さらに、非磁性材料からなる外フレームを備え、この外フレームによりコイルの磁束によるヨークの磁気飽和を防ぐことができ、磁石の磁束密度の低下を防止できる。
請求項3に係る発明によると、可動磁石部は2個の磁石を有する。そして、可動磁石部の一側面では、一方の磁石のN極から出た磁束が対面するコイルに鎖交しヨークを通って他方の磁石のS極へ入る。同様に、可動磁石部の反対側の側面では、他方の磁石のN極から出た磁束が対面する他方のコイルに鎖交しヨークを通って一方の磁石のS極へ戻る。つまり、2個の磁石を含む磁気閉回路が形成される。この態様は最も簡易な構成であり、最少の部品点数で本発明を実現することができる。
請求項4に係る発明によると、可動磁石部は3個の磁石を有し、両側の磁石の内部磁束と交わる断面積が中央の磁石のそれよりも小とされている。そして、可動磁石部の一側面では、中央の磁石のN極から出た磁束が対面する中央のコイルに鎖交し分流した後に両側の磁石のS極へ入る。可動磁石部の反対側の側面では、両側の磁石のN極から出た磁束が対面する両側のコイルに鎖交しヨークを通って合流した後に中央の磁石のS極へ戻る。つまり、中央の磁石の磁束が両側の磁石に分流して2組の磁気閉回路が形成される。この態様では、両側の磁石の内部磁束と交わる断面積を中央の磁石の約半分として、合理的な磁気回路構成とすることができる。
本発明を実施するための最良の形態である第1実施形態を、図1〜図5を参考にして説明する。図1は、本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータ1を模式的に説明する平面図である。また、図2は図1の矢印A方向からみた側面図であり、図3は図1のX−X矢視断面図である。リニアアクチュエータ1は、可動磁石部2、4個のコイル41N〜42S、複数種類のヨーク51、52、およびこれらを支持するベース8で構成され、可動磁石部2が他の部材に対して往復動するようになっている。さらに、非磁性材料からなる外フレーム53を備える。
ベース8は、基部に相当する矩形板状の非磁性部材であり、図1の紙面奥側に配置されている。ベース8の図1中の左右両辺の各中央から紙面手前側に向かって支承板81、82が立設されている。支承板81、82は中央に矩形の軸受窓83を有して矩形板状に形成され、左右の軸受窓83の中心を結ぶ直線が軸線ALとされている。軸受窓83の周囲には図略の流体軸受あるいは転がり軸受が設けられ、可動磁石部2を往復動可能に支承している。リニアアクチュエータ1は軸線ALを中心線として、図1中の上下で略対称に構成されている。
可動磁石部2は、断面矩形で中心孔を有する四角筒状の主材に、2個の磁石31、32が組み付けられて構成されている。そして、可動磁石部2は、左右の支承板81、82の軸受窓83に往復動可能に支承されて、図1左右の軸線AL方向に動くようになっている。可動磁石部2の主材は、非磁性で軽量かつ剛性の大きな、例えばアルミニウム合金などを用いて構成されている。可動磁石部2の軸線AL方向に離隔して、2個の組付け孔が軸線AL方向と交わるように形成されている。各組付け孔にはそれぞれ磁石31、32が組み付けられ、各磁極31N、31S、32N、32Sは可動磁石部2の軸線AL方向と平行する両側面21、22に位置している。そして、図1中の左側の磁石31のN極31Nは図中上側に配置されてS極31Sは図中下側に配置され、右側の磁石32のN極32Nは図中下側に配置されてS極32Sは図中上側に配置され、互い違いになっている。なお、各磁極31N、31S、32N、32Sの表面を覆うように保護材39が設けられている。保護材39は、異物や水分の混入による磁石31、32の損傷や発錆を防止するためのものであり、透磁性を有するステンレス製の薄板で形成されているが、磁気回路を構成する上で必須ではない。
コイル41N〜42Sは、各磁石31、32の各磁極31N〜32Sに対面してそれぞれ、合計で4個設けられている。各コイル41N、41S、42N、42Sは、断面矩形の主ヨーク51を巻芯とする断面矩形の角筒コイルとされ、その軸心が軸線AL方向と平行するように配置されている。各コイル41N、41S、42N、42Sの角筒の一側面と各磁極31N、31S、32N、32Sとは正対し、その間隔Gは両者が接触しない範囲で小さく設定されている。主ヨーク51は、磁束を通す磁性材料を用い磁気飽和が生じない十分な断面積を有して形成され、その両端は各コイル41N、41S、42N、42Sから突出している。
可動磁石部2の各側面21、22に対面して配置される2個のコイル(41Nと42S、42Nと41S)の各主ヨーク51の間は、磁性材料からなり主ヨーク51と同等以上の断面積を有する連結ヨーク52で磁気的に連結されている。さらに、各主ヨーク51の両端は、非磁性材料からなる外フレーム53で磁気的に開放されている。なお、連結ヨーク52は外フレーム53の一部に兼用されている。また、各コイル41N、41S、42N、42S、各ヨーク51、52、および外フレーム53は、図略の構造材によりベース8に安定して固定支持されている。
次に、第1実施形態のリニアアクチュエータ1を工作機械や産業機械へ適用する方法について、図4を参考にして説明する。リニアアクチュエータ1を適用するために、可動磁石部2の例えば一端に取り付けヘッド91が設けられる。取り付けヘッド91は、加工工具や工作物などの対象物92を着脱可能に保持する部位である。また、可動磁石部2の軸線AL方向における位置を検出する位置センサ93が設けられる。位置センサ93には、例えばメインスケールとインデックススケールとからなる光電式リニアスケールを用いることができる。そして、各コイル41N、41S、42N、42Sに電流Iを供給する電流制御回路94が設けられる。
さらに、位置センサ93で検出した位置情報SPを入力とし、電流制御回路94に制御信号SCを出力する制御部95が設けられる。制御部95には、例えばマイクロコンピュータを搭載し制御ソフトウェアで動作する電子制御装置が用いられる。なお、制御部95は、リニアアクチュエータ1のみを制御するものでも、工作機械や産業機械全体を制御するものでもよい。制御部95は、与えられた指令に基づき、所定の制御フローに従って制御信号SCを出力して電流Iを制御し、さらに位置情報SPを参照して逐次制御信号SCを更新するフィードバック制御を行うようになっている。
次に、第1実施形態のリニアアクチュエータ1の動作、作用について、図5を参考にして説明する。図5は、図1の左上方を拡大した部分断面図であり、可動磁石部2の磁石31のN極31Nが対面するコイル41Nの軸線AL方向の略中間位置PCにあり、コイル41Nには図中左側から見て時計回りの電流Iが通電されている状況が示されている。このとき、磁石31のN極31Nから出た磁束D1の大部分は、図中矢印に示されるように、コイル41Nの対面する角筒の一側面49に鎖交し主ヨーク51を通り、連結ヨーク52から隣の主ヨーク51へと通り抜ける。この後は図1に示されるように、磁束D1は隣のコイル42Sと鎖交し隣の磁石32のS極32Sへ入る。同様に、隣の磁石32のN極32Nから出た磁束D2の大部分は、コイル42Nに鎖交し、主ヨーク51、連結ヨーク52、主ヨーク51を通り、コイル41Sに鎖交して磁石31のS極31Sへ戻り、磁気閉回路が構成される。
図5に戻り、コイル41Nに通電されている電流Iに対し、鎖交する磁束D1からフレミング左手則で示される電磁力fが作用する。つまり、電流Iは紙面奥に向かうベクトルで示され、磁束D1の磁束密度Bは図中上向きベクトルで示されるので、電磁力fは図中右方に作用する(厳密にはベクトル外積で求められるローレンツ力)。ここで、コイル41Nはベース8に固定支持されているため、電磁力fとは逆方向の反力が発生し、推力Fとなって可動磁石部2を左方に駆動する。この推力Fは、コイル41Nおよび42Nとコイル41Sおよび42Sとで電流Iの通電方向を変えることにより、同一方向に揃えることができる。通電方向を変えるためには、各コイル41N、41S、42N、42Sの巻き方向を変えるか、あるいは電流制御回路94への接続方法を変えればよい。推力Fを同一方向に揃えることにより、略4倍の総推力が得られる。図1では、各推力Fを左向きに揃える通電方向が例示されている。
また、磁気閉回路は、磁石31とコイル41Nとの間隙Gを除いて、磁性材料である主ヨーク51および連結ヨーク52で構成されるので磁気抵抗は小さなものとなり、大きな磁束D1が通って磁束密度Bは大きな値となる。したがって、推力Fを効率よく大きなものとすることができる。
また、磁石31のN極31Nとコイル41Nとが対面している範囲内では、電流Iおよび磁束密度Bは概ね一定であり、一定の推力Fが得られる。そして、磁石31のN極31Nの一部がコイル41Nから外れてしまうと、電流Iと磁束D1との鎖交量が減少して推力が減少する。このため、磁石31はその軸線AL方向の端部がコイル41Nの端部に一致する左端位置PLおよび右端位置PRの間で円滑に安定して往復動する。そのストローク長STは、概ねコイル41Nの軸線AL方向の長さLCから磁石31の軸線AL方向の長さLMを差し引いたものとなる(ST=LC−LM)。したがって、コイル41Nの軸線AL方向の長さLCを大きくすることにより、容易にストローク長STを大きくできる。
なお、磁石31がコイル41Nの両端位置(PLおよびPR)から外れることを防止するために、可動磁石部2とベース8との間で往復動のストローク範囲を規制するメカニカルな規制手段を設けるようにしてもよい。
さらに、ストローク長STを大きくするために磁石31Nを大きくする必要がないので、可動磁石部2を軽量のままとすることができて、必要推力の増加が抑制される。また支承板81、82などの支持構造材も簡易なものとすることができ、動作時の反動力も抑制されて、位置制御性能に有利となる。つまり、高速でかつ高精度に可動磁石部2の位置を制御することができる。
一方、コイル41Nに電流Iが通電されても、外フレーム53は非磁性材料なので、主ヨーク51が磁気的に飽和することはほとんどなく、電流Iの増減に対応して線形的に変化する推力Fが得られる。
次に、可動磁石部が3個の磁石を有する第2実施形態について、図6を参考にして主として第1実施形態と異なる部分を説明する。図6は、第2実施形態のリニアアクチュエータ10を模式的に説明する平面図である。第2実施形態のリニアアクチュエータ10は、可動磁石部20、6個のコイル45N〜47S、複数種類のヨーク51、57、外フレーム58、およびこれらを支持するベース80で構成され、可動磁石部20が他の部材に対して往復動するようになっている。
ベース80は、第1実施形態よりも軸線AL方向に長く、したがって左右両辺の各中央に立設された支承板81、82の間隔が拡がっている。
可動磁石部20は、四角筒状の主材の軸線AL方向に離隔して3個の組付け孔が軸線方向と交わるように形成され、各組付け孔にそれぞれ磁石35〜37が組み付けられて構成されている。両側の磁石35、37の軸線AL方向の長さLNは、中央の磁石36の長さLMの約半分とされている(2×LN=LM)。つまり、両側の磁石35、37の内部磁束と交わる断面積が中央の磁石36の約半分となっている。また、中央の磁石36のN極36Nは図中上側に配置されてS極36Sは図中下側に配置され、両側の磁石35、37のN極35N、37Nは図中下側に配置されてS極35S、37Sは図中上側に配置され、互い違いになっている。
コイル45N〜47Sは、各磁石35〜37の各磁極35N〜37Sに対面してそれぞれ、合計で6個設けられている。両側の4個のコイル45N、45S、47N、47Sの軸線AL方向の長さLDは、磁石の長さの差分だけ中央の2個のコイル46N、46Sの長さLCよりも小とされ、等しいストローク長STが得られるようになっている。つまり、ST=LC−LM=LD−LNの関係が成り立っている。
また、各コイル45N〜47Sは、断面矩形の磁性材料で形成された主ヨーク51を有している。可動磁石部20の各側面に対面して配置される3個のコイル(45Sおよび46Nおよび47S、45Nおよび46Sおよび47N)の各主ヨーク51の間は、2つの連結ヨーク57で磁気的に直列連結されている。なお、連結ヨーク57は外ヨーク58の一部に兼用されている。また、各コイル45N〜47S、各ヨーク51、57、および外フレーム58は、図略の構造材によりベース80に安定して固定支持されている。
第2実施形態のリニアアクチュエータ10を工作機械や産業機械へ適用する方法は、図4を参考にした第1実施形態の場合と同様であるので詳述しない。
次に、第2実施形態のリニアアクチュエータ10の動作、作用について説明する。図6に示されるように、中央の磁石36のN極36Nから出た磁束D3の大部分は、図中矢印に示されるように、コイル46Nの対面する角筒の一側面に鎖交し主ヨーク51で磁束D4、D5に分流して、両側の連結ヨーク57から両側の主ヨーク51へと通り、両側のコイル45S、47Sと鎖交し両側の磁石35、37のS極35S、37Sへ入る。同様に、両側の磁石35、37のN極35N、37Nから出た磁束D6、D7の大部分は、コイル45N、47Nに鎖交し、主ヨーク51、連結ヨーク57を通り、中央の主ヨーク51で合流して磁束D8となり、コイル46Sに鎖交して磁石36のS極36Sへ戻り、磁気閉回路が構成される。
各コイル45N〜47Sに通電されている電流と鎖交する磁束D3〜D8とにより、電磁力および推力が発生する作用は、図5における作用と同様である。また、総推力やストローク長、磁気飽和についても同様の作用を奏するので、説明は省略する。
第2実施形態では、中央の磁石36の磁束D3、D8が両側の磁石35、37に分流して2組の磁気閉回路が形成される。したがって、両側の磁石35、37を通過する内部磁束は中央の磁石の約半分となり、断面積を約半分とすることが合理的な磁気回路構成となる。
なお、可動磁石部の磁石の数量は、第1実施形態の2個や第2実施形態の3個に限定されず4個以上とすることができ、5個以上の奇数個とする場合には両端の磁石のみを小さくすることが好ましい。
1、10:リニアアクチュエータ
2、20:可動磁石部 21、22:側面
31、32、35〜37:磁石
31N、32N、35N〜37N:N極
31S、32S、35S〜37S:S極
41N〜42S、45N〜47S:コイル
51:主ヨーク 52、57:連結ヨーク 53、58:外フレーム
8、80:ベース 81、82:支承板 83:軸受窓
91:取り付けヘッド 92:対象物 93:位置センサ
94:電流制御回路 95:制御部
AL:軸線
D1〜D8;磁束
LM、LN:磁石の軸線方向の長さ
LC、LD:コイルの軸線方向の長さ
2、20:可動磁石部 21、22:側面
31、32、35〜37:磁石
31N、32N、35N〜37N:N極
31S、32S、35S〜37S:S極
41N〜42S、45N〜47S:コイル
51:主ヨーク 52、57:連結ヨーク 53、58:外フレーム
8、80:ベース 81、82:支承板 83:軸受窓
91:取り付けヘッド 92:対象物 93:位置センサ
94:電流制御回路 95:制御部
AL:軸線
D1〜D8;磁束
LM、LN:磁石の軸線方向の長さ
LC、LD:コイルの軸線方向の長さ
Claims (4)
- 基部に軸線方向に往復動可能に支承されるとともに磁石を有する可動磁石部と、前記基部に固定支持されるとともに前記磁石がつくる磁界中の磁束と鎖交する通電可能なコイルとを備え、前記磁石と通電された前記コイルとの間に発生する電磁力により前記可動磁石部を往復動させるリニアアクチュエータであって、
前記可動磁石部は前記軸線方向に離隔して複数の前記磁石を有し、複数の該磁石の各磁極は互い違いに配置されかつ前記可動磁石部の前記軸線方向と平行する両側面にそれぞれ位置し、
前記コイルは、複数の前記磁石の前記各磁極に対面してそれぞれ設けられ、かつその軸心が前記軸線方向と平行するように配置されるとともに内側に前記磁束を通すヨークを有する、
ことを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 請求項1に記載のリニアアクチュエータにおいて、
前記可動磁石部の各前記側面に対面して配置される複数の前記コイルの各前記ヨークを磁気的に連結する連結ヨークを備えることを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 請求項1または2のいずれかに記載のリニアアクチュエータにおいて、
前記可動磁石部は2個の前記磁石を有することを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 請求項1または2のいずれかに記載のリニアアクチュエータにおいて、
前記可動磁石部は3個の前記磁石を有し、両側の前記磁石の内部磁束と交わる断面積が中央の前記磁石のそれよりも小とされていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
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Cited By (3)
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AT510941A4 (de) * | 2011-09-05 | 2012-07-15 | Hein Jeremy | Magnetvorrichtung |
AT510941B1 (de) * | 2011-09-05 | 2012-07-15 | Seh Ltd | Magnetvorrichtung |
WO2013034339A2 (de) | 2011-09-05 | 2013-03-14 | Seh Limited | Magnetvorrichtung |
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