JP2010103885A - 電気負荷駆動回路、電気負荷駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量成分を有する電気負荷を高い電力効率で正確に駆動する。
【解決手段】所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す目標電圧波形を出力し、目標電圧波形の電圧値に応じて複数の電源部を切り替えながら、電気負荷に出力する出力電圧波形を生成する。また、出力電圧波形が目標電圧波形と一致するように負帰還制御する。出力電圧波形が電気負荷の印加電圧に一致すると出力電圧波形を電気負荷に供給し、目標電圧に達すると出力電圧波形と電気負荷とを切断する。こうすれば、電気負荷の容量成分に蓄えられた電力を回収しながら、電気負荷を駆動することができる。また電源を切り替えているために、回路側での電力損失も抑制できる。加えて、目標電圧波形に従って負帰還制御を行っているため、容量成分を有する電気負荷を、適切にしかも効率よく駆動することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す目標電圧波形を出力し、目標電圧波形の電圧値に応じて複数の電源部を切り替えながら、電気負荷に出力する出力電圧波形を生成する。また、出力電圧波形が目標電圧波形と一致するように負帰還制御する。出力電圧波形が電気負荷の印加電圧に一致すると出力電圧波形を電気負荷に供給し、目標電圧に達すると出力電圧波形と電気負荷とを切断する。こうすれば、電気負荷の容量成分に蓄えられた電力を回収しながら、電気負荷を駆動することができる。また電源を切り替えているために、回路側での電力損失も抑制できる。加えて、目標電圧波形に従って負帰還制御を行っているため、容量成分を有する電気負荷を、適切にしかも効率よく駆動することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、所望の電圧波形を発生させて、容量成分を有する電気負荷を駆動する技術に関する。
印加する電圧値を切り換えることによって駆動する電気負荷には、種々の電気負荷が知られている。また、これら電気負荷の中には、いわゆる液晶画面のように容量成分を有する負荷も存在する。
電気負荷が容量成分を有している場合、容量成分に蓄えられた電荷に相当する電位差が、電気負荷に印加されている電圧値として現れる。従って、このような電気負荷では、印加する電圧値を上げるためには、容量成分に蓄えられた電荷を、電圧値の上昇に見合う分だけ増加させる必要があり、多くの電力を電気負荷に投入する必要が生じる。また逆に、印加する電圧値を下げるためには、容量成分に蓄えられた電荷を、電圧値の低下に見合う分だけ減少させる必要があり、これに伴って電気負荷からは、多くの電力が放出されることになる。
このように容量成分を有する電気負荷を駆動するためには、多くの電力が必要となる。そこで、印加する電圧値を下げる際に電気負荷から放出される電力を蓄えておき、印加する電圧値を上げる際に再利用することで、容量成分を有する電気負荷を駆動する際の電力消費を抑制しようとする技術が提案されている(特許文献1)。この提案の技術では、電圧値の異なる複数のコンデンサを設けておき、電気負荷に印加する電圧値を下げる際には、電気負荷から放出される電力を、電圧値の低いコンデンサに蓄えておく。電気負荷に印加されている電圧値がコンデンサの電圧値よりも下がった場合には、より電圧値の低いコンデンサに切り替えることによって、電気負荷から放出される電力を蓄えていく。その後、電気負荷に印加する電圧値を上げる際には、コンデンサに蓄えておいた電力を電気負荷に投入して電気負荷の電圧値を上昇させる。電気負荷に印加されている電圧値がコンデンサの電圧値よりも高くなった場合には、より電圧値の高いコンデンサに切り替えることによって更に電力を投入し、これによって電気負荷の電圧値を上げていく。このような方法によれば、電気負荷から放出される電力を再利用することができるので、容量成分を有する電気負荷の駆動に要する電力消費を、大幅に抑制することが可能となる。
しかし、提案されている技術では、容量成分を有する電気負荷を駆動する際の電力消費を抑制可能であるものの、電気負荷を正確な電圧値で駆動することが難しいという問題があった。すなわち、電圧値の異なる複数のコンデンサを切り換えて電気負荷を駆動しているため、印加する電圧値が階段状に変化してしまう。また、電気負荷に電力を供給しているとコンデンサの電圧値が低下し、逆に、電気負荷から電力を回収しているとコンデンサの電圧値が上昇するため、安定した電圧値を印加することが困難である。このような理由から、提案されている技術では、電気負荷を正確な電圧値で駆動することが困難となっている。
この発明は、従来の技術における上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、容量成分を有する電気負荷を駆動する際の電力消費を抑制しながら、正確な電圧値で駆動することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の電気負荷駆動回路は次の構成を採用した。すなわち、
容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動回路であって、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する目標電圧波形出力部と、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う負帰還制御部と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える印加電圧切替部と
を備えることを要旨とする。
容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動回路であって、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する目標電圧波形出力部と、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う負帰還制御部と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える印加電圧切替部と
を備えることを要旨とする。
また、上記の電気負荷駆動回路に対応する本発明の電気負荷駆動方法は、
容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動方法であって、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部を用意する工程と、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する工程と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う工程と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える工程と
を備えることを要旨とする。
容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動方法であって、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部を用意する工程と、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する工程と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う工程と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える工程と
を備えることを要旨とする。
このような本発明の電気負荷駆動回路および電気負荷駆動方法においては、所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す目標電圧波形を出力し、この目標電圧波形の電圧値に応じて複数の電源部を切り替えながら、電気負荷に出力する出力電圧波形を生成する。このとき、出力電圧波形が目標電圧波形と一致するように負帰還制御を行う。そして、電気負荷に印加されている電圧値と、出力電圧波形の電圧値とが一致すると、出力電圧波形を電気負荷に供給する。その結果、出力電圧波形が変化するにつれて、電気負荷に印加されている電圧値も変化する。その後、出力電圧波形の電圧値が目標の電圧値に達すると、出力電圧波形と電気負荷との接続を解除して、出力電圧波形が電気負荷に供給されないようにする。こうすることで、電気負荷には目標の電圧値が印加された状態に切り替わる。
容量成分を有する電気負荷を、このような方法で駆動してやれば、電気負荷に印加する電圧値を上昇させる際には、電源から受け取った電力を負帰還制御しながら電気負荷に供給して、印加する電圧値を上昇させることができる。このとき、異なる電圧値の電力を発生する電源を切り替えているために、負帰還制御を行う回路部分にかかる電位差(すなわち、電源の電圧値と、電気負荷に供給する電圧値との電圧差)を小さな電位差にしておくことができるので、負帰還制御に伴う電力損失を抑制して、電力効率を向上させることができる。また、電気負荷に印加する電圧値を低下させる際には、電気負荷の容量成分に蓄えられている電力を、負帰還制御を行いながら少しずつ電源で回収することによって、電気負荷に印加されている電圧値を低下させることができる。また、電気負荷の電圧値が低下するにつれて、より電圧値の低い電源に切り替えることができるので、電気負荷の容量成分に蓄えられた電力を効率よく回収することができる。こうして回収した電力は、再び電気負荷に印加する電圧値を上昇させる際に再利用することができるので、容量成分を有する電気負荷を効率よく駆動することが可能となる。加えて、電気負荷に印加する電圧値を上昇させる際にも、低下させる際にも、目標電圧波形に基づいて出力電圧波形を負帰還制御しているので、適切な目標電圧波形を用いることで、適切な出力電圧波形を出力することができ、電気負荷を精度良く駆動することが可能となる。
また、上記の本発明の電気負荷駆動回路においては、次のようにして負帰還制御部を構成しても良い。まず、外部から制御されることによって抵抗値を変更可能な複数の可変抵抗部を、各々の電源部と電源負荷との間に設けておく。このような可変抵抗部としては、たとえば各種のトランジスタなどを好適に用いることができる。そして、可変抵抗部から出力される出力電圧波形と、目標電圧波形とを受け取って、これらの電圧値が一致するように、抵抗値制御部を用いて、各々の可変抵抗部の抵抗値を負帰還制御するようにしてもよい。このような抵抗値制御部としては、オペアンプなどの各種アナログICを好適に用いることができる。
このような構成とすれば、オペアンプやトランジスタなどの、汎用的で十分な信頼性を有する部品を用いて負帰還制御部を構成することができるので、信頼性の高い電気負荷駆動回路を簡便に構成することが可能になる。また、複数の可変抵抗部を1つの抵抗値制御部で制御することができるので、電気負荷駆動回路を小形化することが可能となる。
また、本発明の電気負荷駆動回路は、電気負荷として、液晶パネルや、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルなど、複数の画素を用いて画像を表示する各種の表示装置を駆動することとしてもよい。
画像の表示装置は、非常に多くの画素によって画像を表現しており、個々の画素での表示状態を制御するために、複数の配線が設けられている。従って、これら複数の配線間には大きな寄生容量が形成されるため、本発明の電気負荷駆動回路を用いることで、適切に且つ高い電力効率で駆動することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例の電気負荷駆動回路:
B−1.電気負荷駆動回路の構成:
B−2.電気負荷駆動回路の動作:
C.変形例:
C−1.第1の変形例:
C−2.第2の変形例:
C−3.第3の変形例:
A.装置構成:
B.本実施例の電気負荷駆動回路:
B−1.電気負荷駆動回路の構成:
B−2.電気負荷駆動回路の動作:
C.変形例:
C−1.第1の変形例:
C−2.第2の変形例:
C−3.第3の変形例:
A.装置構成 :
図1は、電気負荷としての液晶表示パネル200を駆動する本実施例の電気負荷駆動回路100の構成を概念的に示した説明図である。周知のように液晶表示パネル200は、2枚のガラス板の間に液晶層を挟んだ構造となっており、一方のガラス板には共通電極が形成され、他方のガラス板には画素電極が形成されている。そして、画素電極に印加する電圧値によって液晶層内の液晶分子の向き(配向)が変化し、その結果として光の透過率が変化する性質を利用して画像を表示する。
図1は、電気負荷としての液晶表示パネル200を駆動する本実施例の電気負荷駆動回路100の構成を概念的に示した説明図である。周知のように液晶表示パネル200は、2枚のガラス板の間に液晶層を挟んだ構造となっており、一方のガラス板には共通電極が形成され、他方のガラス板には画素電極が形成されている。そして、画素電極に印加する電圧値によって液晶層内の液晶分子の向き(配向)が変化し、その結果として光の透過率が変化する性質を利用して画像を表示する。
また、画素電極は、複数のソース線と複数のゲート線とを薄い絶縁層を介して交差させ、その交点毎に薄膜トランジスタを形成することによって構成されている。図1中の液晶表示パネル200には、縦方向に走る複数のソース線と、横方向の走る複数のゲート線との交点にトランジスタが形成されて、複数の画素電極が形成されている様子が示されている。こうして一方のガラス板側に形成された複数の画素電極は、液晶層を介して他方のガラス板に形成された共通電極と向き合うことによって、それぞれに画素を形成する。このように画素は、液晶層を挟んで画素電極と共通電極とが向き合うことによって形成されているので、個々の画素が一定の容量(画素容量)を有するコンデンサとなっている。また、画素電極についても、絶縁層を挟んで設けられたソース線とゲート線との間に、小さなコンデンサが形成されている。図1中の液晶表示パネル200では、ソース線とゲート線との間に容量Csの小さなコンデンサが形成されている様子が示されている。尚、ソース線とゲート線との間に形成されたコンデンサは、意図せずに形成されたコンデンサという意味で「寄生コンデンサ」と呼ばれることがある。
図1には、以上のような構成の液晶表示パネル200を駆動するために、本実施例の電気負荷駆動回路100が備える大まかな回路構成が示されている。図示されるように、電気負荷駆動回路100には、複数の電源部10と、目標電圧波形出力部20と、負帰還制御部30と、印加電圧切替部40とが設けられている。ここで、複数の電源部10は、互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、発生する電圧値より高い電圧値の電力が供給されると、供給された電力を蓄えることが可能な電源部10である。このような電源部10としては、二次電池やコンデンサを内蔵した電源などを用いることができる。また、目標電圧波形出力部20は、所定の電圧範囲内で電圧値の増減を繰り返すランプ状の目標電圧波形を出力する。目標電圧波形出力部20としては、デジタル−アナログ変換器(DAC)などを用いることができる。図1中には、目標電圧波形出力部20から目標電圧波形が出力される様子が概念的に示されている。こうして出力された目標電圧波形は、負帰還制御部30に入力される。また、負帰還制御部30には、各電源部10も接続されている。負帰還制御部30は、制御目標として目標電圧波形を用いた負帰還制御を行いながら、各電源部10からの電力を変換して、出力電圧波形を生成する。各電源部10からは異なる電圧値の電力が出力されているので、負帰還制御部30は、目標電圧波形の電圧値に応じて電源部10を切り替えながら、出力電圧波形を生成する。詳細には後述するが、このような負帰還制御部30は、オペアンプや各種トランジスタなどを用いて構成することができる。こうして生成された出力電圧波形は、印加電圧切替部40に供給される。図1中には、負帰還制御部30から印加電圧切替部40に出力電圧波形が供給される様子が概念的に示されている。印加電圧切替部40の内部には、複数のスイッチ回路が設けられており、各スイッチ回路は、液晶表示パネル200のソース線に接続されている。
以上のような構成を有する本実施例の電気負荷駆動回路100は、液晶表示パネル200のような容量成分を有する電気負荷を、極めて高い電力効率で、しかも正確に駆動することが可能となっている。この理由に説明する準備として、液晶表示パネル200を駆動する方法について簡単に説明しておく。
図2は、所定の電圧範囲で増減を繰り返すランプ状の出力電圧波形を用いて液晶表示パネル200を駆動する様子を示した説明図である。前述したように液晶表示パネル200は、各画素電極に印加する電圧値を切り替えることによって画像を表示することが可能となる。従って、液晶表示パネル200を駆動するということは、各画素電極に印加される電圧値を、表示しようとする画像に合わせて次々と切り替えていくということである。こうしたことを実現するために、次のような方法が用いられている。尚、前述したように、液晶表示パネル200には複数のゲート線が設けられており、各ゲート線に複数の画素電極が接続されている。実際には、各ゲート線を順繰りに選択して、ゲート線毎に画素電極に印加する電圧値を切り替えていくのであるが、説明が煩雑となることを避ける観点から、ここでは1つのゲート線に着目して説明することとする。
図2(a)には、ゲート線に接続された複数の画素電極に、所望の電圧値を印加する様子が示されている。ここでは、図中に細い実線で示したゲート線jに接続された画素電極に、電圧を印加するものとする。すなわち、ゲート線jが着目しているゲート線となる。ゲート線jの画素電極に電圧を印加するためには、先ず初めにゲート選択回路でゲート線jを選択する。また、各ソース線に設けられたスイッチSW1〜SWnは、ON状態としておく。この状態で出力電圧波形を供給すると、スイッチSW1〜SWnを介して、出力電圧波形がそのままソース線に供給される。ソース線はトランジスタを介して画素電極に接続されているが、選択されたゲート線のトランジスタは何れもON状態となっているため、ソース線に供給された出力電圧波形が、トランジスタを介して、そのまま各画素電極に印加されることになる。
今、出力電圧波形が、0Vから上限の電圧値(+Vmax)に向かって増加しているものとする。出力電圧波形の電圧値が増加するに従って、ゲート線j上の各画素電極に印加されている電圧値も増加していく。そして、出力電圧波形の電圧値がV1に達した時点で、スイッチSW1をOFFにする。すると、その後は、出力電圧波形の電圧値が上昇しても、ソース線1の電圧値はV1に保たれたままとなる。その結果、ゲート線jとソース線1との交点に形成された画素j1の画素電極には、電圧値V1が印加された状態となる。
更に、出力電圧波形の電圧値が上昇して、電圧値V2に達した時点で、今度はスイッチSW2をOFFにする。すると、その後はソース線2の電圧値がV2に保たれた状態となるので、画素j2の画素電極には、電圧値V2が印加された状態となる。同様にして、出力電圧波形の電圧値がV3に達した時点で、スイッチSWnをOFFにすれば、画素jnの画素電極に、電圧値V3を印加することができる。
このように、選択したゲート線上の各画素電極に目標の電圧値を印加する場合、各ソース線のスイッチSW1〜SWnをONにしておき、ソース線に供給される出力電圧波形の電圧値が目標の電圧値に達した時点で、その画素電極に接続されたソース線のスイッチをOFFにしてやれば、各画素電極に目標の電圧値を印加することができる。
このようにして各画素電極に印加された電圧値を、異なる電圧値に切り替える場合には、次のような操作を行う。先ず初めに、OFFになっている各スイッチをONにすることで、各ソース線に再び出力電圧波形を供給する。図2(b)には、各ソース線に再び出力電圧波形を供給するために、スイッチをONにする様子が示されている。前述したように、各スイッチは、出力電圧波形が0Vから上限電圧値(+Vmax)まで上昇するまでの所定電圧値でOFFにされ、各ソース線の電圧値は、その時の電圧値で保たれている。従って、出力電圧波形が上限電圧値(+Vmax)から0Vに下降するまでの間に、必ず各ソース線に印加されている電圧値を通過する。そこで、出力電圧波形の電圧値が、ソース線の電圧値と一致したタイミングで、そのソース線のスイッチをOFFからONに切り替える。
例えば、ソース線nには電圧値V3が印加されているから、出力電圧波形の電圧値がV3まで低下したタイミングで、ソース線nに接続されているスイッチSWnをONにする。ソース線1,ソース線2についても同様に、出力電圧波形の電圧値がV1,V2まで低下したタイミングで、それぞれスイッチSW1,SW2をONにする。こうしてスイッチがONにされた後は、出力電圧波形の電圧値が減少するにともなって、各ソース線の電圧値も次第に減少する。
ここで、図2に示されているように、本実施例の出力電圧波形は、電圧値が0Vに達しても反転することなく、更に電圧値が減少していく。これは、液晶の性質上、同じ極性の電圧を印加し続けると劣化が早まるので、これを避けるために印加する電圧の極性を反転させているためである。図2(a)では、各画素電極にプラスの電圧値を印加したので、今度はマイナスの電圧値を印加するために、出力電圧波形の電圧値が0Vまで低下しても反転させずに、更に電圧値を減少させていくのである。
そして、出力電圧波形の電圧値が目標の電圧値(ここでは、マイナスの電圧値)まで低下したら、スイッチをOFFに切り替えてやる。例えば、画素電極j1には電圧値V5の電圧を印加し、画素電極j2には電圧値V4の電圧を印加するのであれば、出力電圧波形の電圧値がV4まで下がったタイミングでスイッチSW2をOFFにし、更に電圧値がV5まで下がったタイミングでスイッチSW1をOFFにする。こうすれば、ソース線2の電圧値はV4となって画素電極j2には電圧値V5が印加され、ソース線1の電圧値はV5となって画素電極j1には電圧値V4が印加される。同様に、出力電圧波形の電圧値がV6まで低下したタイミングでスイッチSWnをOFFにしてやれば、画素電極jnに電圧値V6を印加することができる。こうして印加された電圧値は、ソース線のスイッチを再びONにするまで変化することはない。このようにして、ソース線に設けられたスイッチのON,OFFを繰り返して画素電極に印加する電圧値を切り替えることによって、液晶表示パネル200を駆動している。
ここで、前述したように、ゲート線とソース線とは絶縁層を挟んで設けられており、ゲート線とソース線との間には小さなコンデンサ(寄生コンデンサ)が形成されている。もちろん、個々の寄生コンデンサの容量は決して大きなものではないが、液晶表示パネル200には非常に多くのゲート線およびソース線が設けられているので、液晶表示パネル200全体としてみれば、寄生コンデンサの容量も大きなものとなる。そして、上述したように、電圧値の増減を繰り返す出力電圧波形を供給して液晶表示パネル200を駆動する際には、ゲート線とソース線との間の寄生コンデンサに対して、かなりの電力の出し入れが行われていることになる。
図3は、ソース線に出力電圧波形を印加しながらソース線のスイッチをON,OFFすることに伴って、ソース線とゲート線との間の形成された寄生コンデンサが電力の出し入れを行う様子を示した説明図である。例えば、画素電極に印加する電圧値を0VからVaに増加させる場合は、ソース線のスイッチSWをONにした状態で、出力電圧波形を0Vから増加させていき、電圧値がVaに達したタイミングで、ソース線のスイッチSWをOFFにする。すると、図2を用いて上述したように、ソース線の電圧値がVaで維持されて、このときゲート電極がONになっているトランジスタ(ゲート選択回路で選択されたゲート線のトランジスタ)の画素電極に電圧値Vaが印加される。
ここで、ソース線とゲート線との間に形成された寄生コンデンサに注目すると、ソース線の電圧値を0VからVaに上昇させるということは、電圧値の上昇分に相当する電荷を寄生コンデンサに溜めることに他ならない。従って、画素電極に電圧値Vaを印加するために、ソース線の電圧値を0VからVaに上昇させると、画素電極だけでなく、ソース線とゲート線との間に形成された寄生コンデンサにも電力を供給していることになる。
次に、画素電極に印加する電圧値をVaからVbに減少させる場合を考える。この場合は、出力電圧波形の電圧値が、上限電圧値(+Vmax)からVaに減少したタイミングで、ソース線のスイッチSWをOFFからONに切り替える。すると、切り替えられたソース線の電圧値は、出力電圧波形の電圧値が減少するとともに減少していく。そして、出力電圧波形の電圧値がVbに達したら、スイッチSWをOFFにする。その結果、ソース線の電圧値がVbに切り替わり、画素電極に印加される電圧値もVbに切り替わる。
このように、画素電極に印加する電圧値をVaからVbに減少させている時の寄生コンデンサの動作に注目すると、寄生コンデンサからは、電圧値VaからVbへの減少に相当する電荷が放出されていることになる。従って、画素電極に印加する電圧値をVaからVbに切り替えるために、ソース線の電圧値をVaからVbに減少させると、ソース線とゲート線との間に形成された寄生コンデンサから電力が放出されることになる。
同様にして、画素電極に印加する電圧値をVbからVcに上昇させる際には、ソース線とゲート線との間に形成された寄生コンデンサに電力が供給され、続いて、画素電極に印加する電圧値をVcからVdに減少させる際には、寄生コンデンサに蓄えられた電力が放出されることになる。
以上に説明したように、液晶表示パネル200を駆動するために画素電極に印加する電圧値を切り替えると、電圧値の増減に伴って、寄生コンデンサに電力が供給されたり、電力が放出されたりしていることになる。そして、前述したように液晶表示パネル200全体としてみれば、寄生コンデンサの容量はたいへん大きなものとなる。従って、寄生コンデンサに蓄えられた電力を、そのまま熱として放出したのでは、電力効率が大きく低下する。本実施例の電気負荷駆動回路100では、寄生コンデンサから放出される電力を蓄えておき、再利用することで、液晶表示パネル200を駆動する際の電力効率を大きく向上させるとともに、液晶表示パネル200を精度良く駆動することが可能となっている。以下では、本実施例の電気負荷駆動回路100について具体的に説明する。
B.本実施例の電気負荷駆動回路 :
以下では、上述した機能を実現する本実施例の電気負荷駆動回路100の具体的な回路構成について説明し、次に、電気負荷駆動回路100が、上述した機能を実現する動作について説明する。
以下では、上述した機能を実現する本実施例の電気負荷駆動回路100の具体的な回路構成について説明し、次に、電気負荷駆動回路100が、上述した機能を実現する動作について説明する。
B−1.電気負荷駆動回路の構成 :
図4は、本実施例の電気負荷駆動回路の構成を例示した説明図である。図示した例では、プラスの電圧値を発生する電源E3、E4と、マイナスの電圧値を発生する電源E1,E2の合計4つの電源E1〜E4が設けられている。これら4つの電源が発生する電圧値は、E1<E2<0<E3<E4となっている。また、電源E1〜E4としては、二次電池や、コンデンサを内蔵した電源などのように、外部から供給された電力の少なくとも一部を蓄えることが可能な電源が使用される。尚、電源の数は4個に限らず、実際には電源の数が多くなるほど電力効率が向上するが、説明が煩雑となってしまうことを避けるため、ここでは、電源の数は4つであるものとして説明する。
図4は、本実施例の電気負荷駆動回路の構成を例示した説明図である。図示した例では、プラスの電圧値を発生する電源E3、E4と、マイナスの電圧値を発生する電源E1,E2の合計4つの電源E1〜E4が設けられている。これら4つの電源が発生する電圧値は、E1<E2<0<E3<E4となっている。また、電源E1〜E4としては、二次電池や、コンデンサを内蔵した電源などのように、外部から供給された電力の少なくとも一部を蓄えることが可能な電源が使用される。尚、電源の数は4個に限らず、実際には電源の数が多くなるほど電力効率が向上するが、説明が煩雑となってしまうことを避けるため、ここでは、電源の数は4つであるものとして説明する。
図4に示されるように、これらの各電源E1〜E4は、ユニポーラ型のNMOSトランジスタNtr1〜Ntr4を介して、液晶表示パネル200にそれぞれ接続されており、各トランジスタNtr1〜Ntr4のゲート電極をON状態とすることで、それぞれの電源E1〜E4から液晶表示パネル200に電力を供給することが可能となっている。また、各電源E1〜E4と液晶表示パネル200との間には、ユニポーラ型のPMOSトランジスタPtr1〜Ptr4も接続されている。そして、各トランジスタPtr1〜Ptr4のゲート電極をON状態とすることで、液晶表示パネル200から電源E1〜E4に電力を還流させることも可能となっている。更に、グランドに対しても、ユニポーラ型のNMOSトランジスタNtr0、およびPMOSトランジスタPtr0が接続されている。尚、トランジスタNtr0〜Ntr4、Ptr0〜Ptr4は、ユニポーラ型のトランジスタに限らず、バイポーラ型など、他の方式のトランジスタを用いることも可能である。
また、図4の中で、トランジスタNtr0〜Ntr4、Ptr0〜Ptr4と液晶表示パネル200との間にダイオードが挿入されているのは、本実施例で用いているユニポーラ型のトランジスタが大電力駆動用の縦型トランジスタ構造となっており、ドレインとソースとの間に寄生ダイオードが形成されているため、たとえトランジスタをOFF状態にしていても、寄生ダイオードを介して電流が逆流してしまうことが起こり得る。そこで、これを防止するために、逆流を防止する向きにダイオードが挿入されているのである。尚、電流の逆流が生じないトランジスタ(バイポーラ型など)を用いた場合には、このダイオードは不要となる。
各トランジスタNtr0〜Ntr4、Ptr0〜Ptr4のゲート電極には、オペアンプOpampの出力端子が接続されている。尚、トランジスタNtr0〜Ntr4は、誤動作を回避するためにゲート電極がプルダウン処理されており、トランジスタPtr0〜Ptr4は、誤動作を回避するためにゲート電極がプルアップ処理されているが、図が煩雑となることを避けるために、図示は省略されている。
周知のようにNMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタは、ゲート電極に電圧を印加すると、トランジスタ内部に、チャネルと呼ばれる電荷(NMOS型トランジスタでは電子、PMOS型トランジスタでは正孔)の通り道が形成され、ゲート電極に印加する電圧値を制御することによって、電荷の通り易さ、すなわち等価的な抵抗値を制御することが可能である。本実施例の電気負荷駆動回路100では、オペアンプOpampの出力端子を、各トランジスタNtr0〜Ntr4、Ptr0〜Ptr4のゲート電極に接続するとともに、以下に説明する負帰還回路を形成することで、液晶表示パネル200に印加する出力電圧波形を出力することが可能となっている。
オペアンプOpampには2本の入力端子が設けられている。このうちの一方の入力端子には、DAコンバータ(以下、DACと表記する)から出力されたアナログの目標電圧波形が入力されており、他方の入力端子には、液晶表示パネル200に供給される電圧(出力電圧波形)が入力抵抗Rsを介して接続されている。そして、オペアンプOpampの出力はフィードバック抵抗Rfを介して入力端子に戻されている。これにより、DACの出力する目標電圧波形を制御目標として、液晶表示パネル200に供給される出力電圧波形が目標電圧波形と一致するように制御される負帰還回路が形成されている。
例えば、液晶表示パネル200に供給されている出力電圧波形の電圧値が、DACの出力する目標電圧波形よりも低かったとすると、オペアンプOpampの出力が増加して、ゲート電極にかかる電圧が増加し、トランジスタの等価的な抵抗値が減少する。その結果、トランジスタでの電圧降下量が小さくなるので、液晶表示パネル200に供給される出力電圧波形の電圧値が増加することになる。逆に、液晶表示パネル200に供給される出力電圧波形の電圧値が、DACの出力する目標電圧波形よりも高くなると、オペアンプOpampの出力が減少するので、ゲート電極にかかる電圧が減少してトランジスタの等価的な抵抗値が増加する。その結果、トランジスタでの電圧降下量が大きくなるために、液晶表示パネル200に供給される出力電圧波形の電圧値が減少することになる。このように、液晶表示パネル200に供給する出力電圧波形が、DACの出力する目標電圧波形に追従するように制御することが可能となっている。
尚、液晶表示パネル200とオペアンプOpampとの間に挿入されたバッファ回路Bufferは、液晶表示パネル200と入力抵抗Rsとを直接接続すると、液晶表示パネル200に影響が及ぶ場合があるので、これを防止するために挿入された回路である。従って、影響が無視できる場合、例えば、液晶表示パネル200の抵抗が入力抵抗Rsよりも十分に小さい場合などには、バッファ回路Bufferを省略することができる。
また、オペアンプOpampからの出力は、スイッチSN0〜SN4を介して各トランジスタNtr0〜Ntr4のゲート電極に接続されている。同様に、スイッチSP0〜SP4を介して各トランジスタPtr0〜Ptr4のゲート電極に接続されている。そして、スイッチSN0〜SN4およびスイッチSP0〜SP4は、ゲートセレクタ回路140によって制御されている。ゲートセレクタ回路140は、DACの出力するアナログ電圧や、液晶表示パネル200に印加される電圧値(もしくはオペアンプOpampの出力電圧)を検出して、スイッチSN0〜SN4およびスイッチSP0〜SP4の何れかを接続するとともに、他のスイッチを切断する機能を有している。前述したようにトランジスタNtr0〜Ntr4のゲート電極はプルダウン処理されており、トランジスタPtr0〜Ptr4のゲート電極はプルアップ処理されているので、スイッチが切断されると、そのスイッチに対応するトランジスタ内のチャネルが消失してトランジスタがOFF状態となり、そのトランジスタの上流側に設けられた電源と下流側に設けられた液晶表示パネル200とが、電気的に切断された状態となる。
B−2.電気負荷駆動回路の動作 :
図5は、本実施例の電気負荷駆動回路100が液晶表示パネル200を駆動する動作を示した説明図である。尚、図4を用いて前述したように、本実施例の電気負荷駆動回路100には、プラスの電圧値を発生する電源E3,E4と、マイナスの電圧値を発生する電源E1,E2とが設けられているが、図5では、プラスの電圧値を発生する電源E3,E4の部分のみが拡大して表示されている。また、説明の便宜から、以下では、電源E3は電圧値E3の電力を発生しており、電源E4は電圧値E4の電力を発生しているものとする。同様に、電源E1は電圧値E1の電力を、電源E2は電圧値E2の電力を発生しているものとする。
図5は、本実施例の電気負荷駆動回路100が液晶表示パネル200を駆動する動作を示した説明図である。尚、図4を用いて前述したように、本実施例の電気負荷駆動回路100には、プラスの電圧値を発生する電源E3,E4と、マイナスの電圧値を発生する電源E1,E2とが設けられているが、図5では、プラスの電圧値を発生する電源E3,E4の部分のみが拡大して表示されている。また、説明の便宜から、以下では、電源E3は電圧値E3の電力を発生しており、電源E4は電圧値E4の電力を発生しているものとする。同様に、電源E1は電圧値E1の電力を、電源E2は電圧値E2の電力を発生しているものとする。
今、DACから出力される目標電圧波形の電圧値が、0Vから増加する場合について考える。目標電圧波形の電圧値が0Vから増加し始めた直後では、ゲートセレクタ回路140は、スイッチSN3をONにして、他のスイッチSN0〜SN2,SN4はOFFにする。その結果、電源E3のみが液晶表示パネル200に接続され、そして、トランジスタNtr3とオペアンプOpampとによって負帰還回路が形成されて、液晶表示パネル200に供給される出力電圧波形が、DACの出力する目標電圧波形と一致するように負帰還制御が行われる。図5(a)では、トランジスタNtr3とオペアンプOpampとによって負帰還回路が形成される様子が、太い実線で表されている。
尚、電源E4もプラスの電圧値を発生しているので、電源E4を用いて負帰還回路を形成することにより、出力電圧波形を液晶表示パネル200に供給することも可能である。しかし、電源E3よりも高い電圧値を発生する電源E4を用いて負帰還回路を形成すると、トランジスタNtr4のドレイン−ソース間にかかる電圧差が大きくなって、トランジスタでの電力損失が増加する。そこで、DACの出力する目標電圧よりも高い電圧値を発生していながら、最も目標電圧に近い電圧値を発生する電源E3を用いて負帰還回路を形成することによって、トランジスタでの電力損失を抑制しているのである。
また、以上の説明から明らかなように、トランジスタでの電力損失を抑制するためには、トランジスタのドレイン−ソース間にかかる電圧差ができるだけ小さくなるようにすれば良く、そのためには、発生する電圧値が少しずつ異なる多くの電源を用意しておき、液晶表示パネル200に供給する出力電圧波形の電圧値に合わせて、細かく電源を切り替えてやることが効果的である。従って、本実施例では、プラスの電圧値を発生する電源も、マイナスの電圧値を発生する電源も、それぞれ2つずつしか用意されていないものとしているが、より多くの電源を用いることで、電力効率をより向上させることが可能である。
電源E3を用いて形成した負帰還回路では、電源E3の発生する電圧値E3より高い出力電圧波形を発生させることはできない。そこで、DACの出力する目標電圧波形が電圧値E3に達したら、このことをゲートセレクタ回路140が検出して、スイッチSN3をOFFにするとともに、スイッチSN4をONにする。その結果、電源E3、トランジスタNtr3、およびオペアンプOpampによる負帰還回路(図5(a)で太い実線で示した回路)が、電源E4、トランジスタNtr4、およびオペアンプOpampによる新たな負帰還回路(図5(a)中で太い破線で示した回路)に切り換わる。
尚、厳密に言えば、トランジスタ、および逆流防止用に挿入されたダイオードの内部抵抗によって電圧降下が生じるから、実際には、電源E3を用いた回路では、電圧値E3から、これらの電圧降下分を引いた電圧値までしか、出力電圧波形の電圧値を上昇させることができない。従って、ゲートセレクタ回路140は、目標電圧波形が電圧値E3に達する前に、すなわち、E3よりも少し低い電圧値でスイッチSN3をOFFにするとともに、スイッチSN4をONに切り替えている。しかし、説明が煩雑となることを避けるため、ここでは、トランジスタやダイオードの内部抵抗は無視できるほど小さく、従って、電源E3を用いた負帰還回路で、電圧値E3までは出力電圧波形の電圧値を上昇させることが可能であるものとして説明する。
以上のようにして、電源E4を用いた負帰還回路に切り替えてやれば、DACの出力する目標電圧波形が電圧値E4に達するまで(実際には、少し低い電圧値に達するまで)は、液晶表示パネル200に供給する出力電圧波形を、目標電圧波形に一致するように制御することが可能となる。
図5(b)には、以上のようにして、目標電圧波形に応じて電源を切り替えながら、出力電圧波形の電圧値を0VからE4まで上昇させる様子が示されている。図中に示した白抜きの矢印は、電源から液晶表示パネル200に向かって電力が供給されていることを表している。例えば、目標電圧波形が0VからE3に達するまでは、電源E3の電力がトランジスタNtr3を介して液晶表示パネル200に供給されている。同様に、目標電圧波形がE3からE4に達するまでは、電源E4の電力がトランジスタNtr4を介して液晶表示パネル200に供給されている。そして、図2および図3を用いて前述したように、こうして液晶表示パネル200に供給される電力の一部は、画像を表示するために画素電極に供給されるが、残りの電力は、液晶表示パネル200のソース線とゲート線との間に形成された寄生コンデンサに蓄えられている。
以上は、DACの目標電圧波形の電圧値が0VからE4まで増加する場合に、出力電圧波形を生成する動作ついて説明した。次に、目標電圧波形がE4からE1まで減少する場合について説明する。DACの出力する目標電圧波形が電圧値E4に達するまでは、上述したようにスイッチSN4がONにされて、電源E4から電力が供給されている。しかし、目標電圧波形が減少に転じると、ゲートセレクタ回路140がこれを検出して、スイッチSN4をOFFにするとともに、スイッチSP3をONに切り替える。すると、トランジスタNtr4がOFF状態になるとともに、トランジスタPtr3がON状態となって、電圧値E4がかかっていた液晶表示パネル200の寄生コンデンサと、より低い電圧値E3を発生する電源E3とが接続される。前述したように電源E1〜E4は、二次電池などのように、発生する電圧値よりも高い電圧値で電力が供給されると、電力を蓄える機能を有する電源が用いられている。従って、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられていた電力が電源E3に回収されて、それに伴って液晶表示パネル200にかかっていた電圧値(出力電圧波形の電圧値)が減少していくことになる。
また、トランジスタPtr3がON状態となることにより、電源E3、トランジスタPtr3、およびオペアンプOpampによる負帰還回路が形成される。その結果、液晶表示パネル200の寄生コンデンサから電源E3に回収される電力の回収速度(具体的には電流値)が制御されて、DACの目標電圧波形の電圧値の低下とともに、液晶表示パネル200にかかる電圧値(出力電圧波形の電圧値)も低下していくことになる。
このようにしてDACが出力する目標電圧波形の電圧値がE3まで低下すると、液晶表示パネル200にかかる電圧値もE3まで低下しているので、もはや電源E3では、液晶表示パネル200の寄生コンデンサからの電力を回収して、出力電圧波形の電圧値を低下させることはできない。そこで、DACの目標電圧波形がE3に達したら、ゲートセレクタ回路140は、スイッチSP3をOFFにして、スイッチSP0をONに切り替える。こうすることにより、トランジスタPtr3がOFF状態になるとともに、トランジスタPtr0がON状態となって、液晶表示パネル200の寄生コンデンサはグラントと接続される。また、トランジスタPtr0がON状態となることにより、グランド、トランジスタPtr3、およびオペアンプOpampによる負帰還回路が形成される。その結果、液晶表示パネル200の寄生コンデンサからグランドに放出される電力の放出速度(具体的には電流値)が制御されて、DACの目標電圧波形の電圧値の低下とともに、液晶表示パネル200にかかる電圧値も低下していくことになる。
尚、仮に電源E3よりも低い電圧値を発生する電源を備えているのであれば、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられていた電力をグランドに排出する代わりに、より電圧値の低い電源を用いて回収することも可能である。このことから明らかなように、電力効率を向上させるためには、発生する電圧値が少しずつ異なる多くの電源を用意しておき、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられた電力をできるだけ回収できるようにすることが効果的である。本実施例では、プラスの電圧値を発生する電源も、マイナスの電圧値を発生する電源も、それぞれ2つずつしか用意されていないものとしているが、このような点からも、より多くの電源を用いることで、電力効率をより一層向上させることが可能である。
図5(b)には、以上のようにして、目標電圧波形に応じて電源を切り替えながら、出力電圧波形の電圧値をE4から0Vに低下させる様子が示されている。図中に示したハッチング付きの矢印は、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられた電力を電源で回収することによって、液晶表示パネル200にかかる電圧値(出力電圧波形の電圧値)を低下させていることを表している。例えば、目標電圧波形がE4からE3に低下するまでは、液晶表示パネル200側の電力を、トランジスタPtr3を介して電源E3で回収する。また、目標電圧波形がE3から0Vに低下するまでは、液晶表示パネル200側に蓄えられた電力を、トランジスタPtr0を介してグランドに放出することによって、液晶表示パネル200の電圧値を低下させる。
以上のようにして、DACが出力する目標電圧波形の電圧値が0V(グランド)まで低下したら、今度は、目標電圧波形の電圧値がマイナスになる。目標電圧波形の電圧値がマイナスになる場合には、マイナスの電圧値を発生させる電源E1,E2を用いる点が異なるが、基本的な動作は全く同様である。すなわち、DACの出力する目標電圧波形が0VからE2の範囲にある間は、スイッチSP2をONにすることによって、電源E2、トランジスタPtr2、オペアンプOpampによる負帰還回路を形成する。また、DACの出力する目標電圧波形の電圧値が更に低下して、電圧値E2からE1の範囲にある間は、スイッチSP1をONにして、電源E1、トランジスタPtr1、オペアンプOpampによる負帰還回路を形成する。こうすることで、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられた電力を電源E2、電源E1で回収しながら、液晶表示パネル200にかかる電圧値(出力電圧波形の電圧値)を低下させることができる。そして、DACが出力する目標電圧波形の電圧値がE1から上昇に転じた場合には、今度は、スイッチSN2をONにすることによって、電源E2、トランジスタNtr2、オペアンプOpampによる負帰還回路を形成する。更に、DACの目標電圧波形が増加して、電圧値E1からE2の範囲にある場合は、スイッチSN0をONにして、グランド、トランジスタNtr0、オペアンプOpampによる負帰還回路を形成する。図5(b)には、以上のようにして、目標電圧波形に応じて電源を切り替えながら、液晶表示パネル200にかかる電圧値(すなわち、出力電圧波形)を制御している様子が示されている。
以上に説明したように、本実施例の電気負荷駆動回路100では、液晶表示パネル200に供給する出力電圧波形の電圧値が上昇する際には、各電源から電力が供給されるが、出力電圧波形の電圧値が低下する際には、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられていた電力を回収して各電源に蓄えておくことが可能となっている。図5(b)に示した例を用いて説明すれば、出力電圧波形の電圧値を0VからE3に上昇させる際には、電源3から電力が供給されるが、出力電圧波形の電圧値をE4からE3に低下させる際には、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられていた電力を回収して電源E3に蓄えておくことができる。こうして回収した電力は、再び出力電圧波形の電圧値を0VからE3に上昇させる際に利用することができる。同様なことは、電源E2についても当て嵌まる。すなわち、出力電圧波形の電圧値を0VからE2に低下させる際に電源E2で電力を回収しておき、この電力を利用することで、出力電圧波形の電圧値をE1からE2に上昇させることができる。
また、上述した例では、プラス側およびマイナス側のそれぞれについて、2つずつの電源しか設けられていないものとしたので、回収する電力はそれほど大きくはないが、実際にはより多くの電源を用いて、より多段に電源を切り替えることで、液晶表示パネル200の寄生コンデンサに蓄えられた電力のほとんどを回収することが可能となる。その結果、非常に高い電力効率で、液晶表示パネル200を駆動することが可能となる。
加えて、それぞれの電源は、トランジスタNtr0〜Ntr4,Ptr0〜Ptr4、およびオペアンプOpampとともに負帰還回路を形成し、液晶表示パネル200に供給する出力電圧波形が、DACの出力する目標電圧波形と一致するように負帰還制御されているので、正確な出力電圧波形を液晶表示パネル200に供給することが可能となる。
更に加えて、出力電圧波形の電圧値に応じて、複数の電源を切り替えているために、各トランジスタNtr0〜Ntr4,Ptr0〜Ptr4や、ダイオードなどにかかる電位差を抑制することができる。その結果、トランジスタやダイオードの内部抵抗によって生じる電力損失を抑制することができるので、より一層、効率よく液晶表示パネル200を駆動することが可能となる。
C.変形例 :
以上に説明した本実施例の電気負荷駆動回路100には、種々の変形例を考えることができる。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
以上に説明した本実施例の電気負荷駆動回路100には、種々の変形例を考えることができる。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
C−1.第1の変形例 :
上述した実施例では、出力電圧波形の電圧値が上昇している間は、その電圧値よりも少しだけ高い電圧値を発生する電源だけを用いて負帰還回路を形成し、逆に、出力電圧波形の電圧値が低下している間は、その電圧値よりも少しだけ低い電圧値を発生する電源だけを用いて負帰還回路を形成するものとして説明した。換言すれば、ゲートセレクタ回路140では、出力電圧波形の電圧値が上昇している間は、スイッチSN0〜SN4の何れか1つだけをONにし、出力電圧波形の電圧値が低下している間は、スイッチSP0〜SP4の何れか1つだけをONにしていることになる。これに対して、出力電圧波形の電圧値よりも、少しだけ高い電圧値を発生する電源と、少しだけ低い電圧値を発生する電源とを用いて、常に2つの負帰還回路を形成するようにしても良い。
上述した実施例では、出力電圧波形の電圧値が上昇している間は、その電圧値よりも少しだけ高い電圧値を発生する電源だけを用いて負帰還回路を形成し、逆に、出力電圧波形の電圧値が低下している間は、その電圧値よりも少しだけ低い電圧値を発生する電源だけを用いて負帰還回路を形成するものとして説明した。換言すれば、ゲートセレクタ回路140では、出力電圧波形の電圧値が上昇している間は、スイッチSN0〜SN4の何れか1つだけをONにし、出力電圧波形の電圧値が低下している間は、スイッチSP0〜SP4の何れか1つだけをONにしていることになる。これに対して、出力電圧波形の電圧値よりも、少しだけ高い電圧値を発生する電源と、少しだけ低い電圧値を発生する電源とを用いて、常に2つの負帰還回路を形成するようにしても良い。
図6は、このような第1の変形例の電気負荷駆動回路において、液晶表示パネル200を駆動する様子を示した説明図である。図6(a)には、DACの出力する目標電圧波形(出力電圧波形の制御目標)が示されており、図6(b)には、各スイッチSN0〜SN4、SP0〜SP4の設定状態が示されている。例えば、目標電圧波形の電圧値がE3からE4の電圧範囲にある間は、目標電圧波形の電圧値が上昇中あるいは低下中の何れの状態にあるかに拘わらず、スイッチSN4およびスイッチSP3をONにする。前述したように、スイッチSN4をONにすると、目標電圧波形の電圧値よりも少しだけ高い電圧値を発生する電源E4と、トランジスタNtr4と、オペアンプOpampとによる負帰還回路が形成される。また、スイッチSP3をONにすると、目標電圧波形の電圧値よりも少しだけ電圧値が低い電源E3と、トランジスタPtr3と、オペアンプOpampとによる負帰還回路が形成される。その結果、2系統の負帰還回路が形成されることになる。このようにすることで、より正確な出力電圧波形を生成して液晶表示パネル200に供給することが可能となる。
図6(c)は、第1の変形例の電気負荷駆動回路100を用いることで、より正確な出力電圧波形を生成可能な理由を示した説明図である。一般に、出力電圧波形が、目標電圧波形と完全に一致することはあり得ない。何故なら、負帰還回路は、出力電圧波形と目標電圧波形とに偏差が生じた場合に、この偏差を小さくするように機能するものであり、偏差が0の状態で偏差が発生しないように、その状態を維持する機能はない。そして、偏差が生じた場合に、その偏差を小さくするに過ぎないからである。従って、詳細に見れば、図6(c)に示されるように、出力電圧波形は、目標電圧波形よりも高くなったり、低くなったりしている。
ここで、第1の変形例の電気負荷駆動回路では、出力電圧波形が目標電圧波形を越えてしまった場合には、出力電圧波形よりも少しだけ低い電圧値の電源と、PMOS型トランジスタと、オペアンプOpampとによる負帰還回路が働いて、速やかに出力電圧波形を低下させて目標電圧波形に近づけることができる。逆に、出力電圧波形が目標電圧波形よりも低くなってしまった場合には、出力電圧波形よりも少しだけ高い電圧値の電源と、NMOS型トランジスタと、オペアンプOpampとによる負帰還回路が働いて、速やかに出力電圧波形を上昇させ、目標電圧波形に近づけることができる。このように、第1の変形例の電気負荷駆動回路では、出力電圧波形が目標電圧波形を越えた場合でも、下回ってしまった場合でも、出力電圧波形を速やかに目標電圧波形に近づけることができるので、正確な出力電圧波形を発生させることが可能となる。
C−2.第2の変形例 :
また、上述した実施例では、トランジスタ内の寄生ダイオードが順バイアスされて、電流の逆流が発生することを避けるために、トランジスタと液晶表示パネル200との間に逆流防止用のダイオードを挿入することとしていた。このため、逆流防止用ダイオードの内部抵抗により、電圧降下および電力損失が発生する。しかし、NMOS型トランジスタとPMOS型トランジスタとを直列に接続すれば、逆流防止用のダイオードを省略することが可能である。
また、上述した実施例では、トランジスタ内の寄生ダイオードが順バイアスされて、電流の逆流が発生することを避けるために、トランジスタと液晶表示パネル200との間に逆流防止用のダイオードを挿入することとしていた。このため、逆流防止用ダイオードの内部抵抗により、電圧降下および電力損失が発生する。しかし、NMOS型トランジスタとPMOS型トランジスタとを直列に接続すれば、逆流防止用のダイオードを省略することが可能である。
図7は、NMOS型トランジスタとPMOS型トランジスタとを直列に接続した第2の変形例の電気負荷駆動回路100を例示した説明図である。図7(a)には、NMOS型トランジスタとPMOS型トランジスタとを直列に接続した回路図の一部が拡大して示されており、図7(b)には、電気負荷駆動回路の動作状態に応じて、各トランジスタを動作させる様子が示されている。尚、図7(b)では、各トランジスタの寄生ダイオードも表示されている。
例えば、電気負荷駆動回路を動作させない場合には、NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタの何れもスイッチング素子として使用して、スイッチ状態をOFF状態にすればよい。NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタには、それぞれに寄生ダイオードが形成されているが、寄生ダイオードの向きが逆方向となっているので、各トランジスタをOFF状態としている限り、電流が逆流することはない。
また、電源から液晶表示パネル200に対して電力を投入する場合には、液晶表示パネル200に印加している電圧値(出力電圧波形の電圧値)よりも高い電圧値の電源En+1、および低い電圧値の電源Enのそれぞれに接続されているトランジスタを次のように動作させる。まず、高い電圧値の電源側のNMOS型トランジスタはスイッチング素子として機能させてスイッチ状態をON状態に設定するとともに、PMOS型トランジスタについては増幅素子として機能させて、負帰還制御を行う。また、低い電圧値の電源側については、NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタの何れもスイッチング素子として機能させて、スイッチ状態をOFF状態とする。
反対に、液晶表示パネル200から電力を回収する場合には、液晶表示パネル200の電圧値(出力電圧波形の電圧値)よりも高い電圧値の電源側については、NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタの何れもスイッチング素子として機能させて、スイッチ状態をOFF状態とする。また、低い電圧値の電源側については、PMOS型トランジスタはスイッチング素子として機能させてスイッチ状態をON状態に設定するとともに、NMOS型トランジスタについては増幅素子として機能させて、負帰還制御を行う。
このように、NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタを直列に接続しておき、それぞれのトランジスタの動作状態を切り換えてやれば、逆流防止用のダイオードを挿入する必要が無いので、ダイオードの内部抵抗による電圧降下や電力損失の発生を回避することが可能となる。
C−3.第3の変形例 :
上述した各種の実施例では、電源E1〜E4は何れも、常に安定した電圧値の電力を発生しているものとして説明した。しかし実際には、電力の放出あるいは回収するに伴って、発生する電圧値が変動することも起こり得る。更には、電源の能力に対して、液晶表示パネル200に供給する電力が過大なために、安定した電圧値の電力を供給することが困難な場合も生じ得る。このような場合は、各電源が発生する電圧値を監視しておき、液晶表示パネル200に印加すべき駆動電圧に応じて、最適な電圧値を発生している電源が液晶表示パネル200に接続されるように、スイッチSN0〜SN4あるいはスイッチSP0〜SP4を切り換えるようにしても良い。すなわち、各電源E1〜E4の発生する電圧値をゲートセレクタ回路140で監視しておく。そして、DACの出力する目標電圧波形に応じて、適切な電源が接続されるように、スイッチSN0〜SN4およびスイッチSP0〜SP4を切り換えるようにしてもよい。こうすれば、たとえ、各電源の発生する電圧値が安定していない場合でも、電力の消費を抑制しながら、液晶表示パネル200に対して正確な出力電圧波形を供給することが可能となる。
上述した各種の実施例では、電源E1〜E4は何れも、常に安定した電圧値の電力を発生しているものとして説明した。しかし実際には、電力の放出あるいは回収するに伴って、発生する電圧値が変動することも起こり得る。更には、電源の能力に対して、液晶表示パネル200に供給する電力が過大なために、安定した電圧値の電力を供給することが困難な場合も生じ得る。このような場合は、各電源が発生する電圧値を監視しておき、液晶表示パネル200に印加すべき駆動電圧に応じて、最適な電圧値を発生している電源が液晶表示パネル200に接続されるように、スイッチSN0〜SN4あるいはスイッチSP0〜SP4を切り換えるようにしても良い。すなわち、各電源E1〜E4の発生する電圧値をゲートセレクタ回路140で監視しておく。そして、DACの出力する目標電圧波形に応じて、適切な電源が接続されるように、スイッチSN0〜SN4およびスイッチSP0〜SP4を切り換えるようにしてもよい。こうすれば、たとえ、各電源の発生する電圧値が安定していない場合でも、電力の消費を抑制しながら、液晶表示パネル200に対して正確な出力電圧波形を供給することが可能となる。
以上、各種の電気負荷駆動回路について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
100…電気負荷駆動回路、 10…電源部、 20…目標電圧波形出力部、
30…負帰還制御部、 40…印加電圧切替部、 100…電気負荷駆動回路、
140…ゲートセレクタ回路、 200…液晶表示パネル
30…負帰還制御部、 40…印加電圧切替部、 100…電気負荷駆動回路、
140…ゲートセレクタ回路、 200…液晶表示パネル
Claims (4)
- 容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動回路であって、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する目標電圧波形出力部と、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う負帰還制御部と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える印加電圧切替部と
を備える電気負荷駆動回路。 - 請求項1に記載の電気負荷駆動回路であって、
前記負帰還制御部は、
前記各々の電源部と前記電源負荷との間に設けられ、外部からの制御によって抵抗値を変更可能な複数の可変抵抗部と、
前記出力電圧波形と前記目標電圧波形とを受け取って、これらの電圧値が一致するように、前記各々の可変抵抗部の抵抗値を負帰還制御する抵抗値制御部と
を備える電気負荷駆動回路。 - 請求項1または請求項2に記載の電気負荷駆動回路であって、
前記電気負荷は、複数の画素を用いて画像を表示する画像表示装置である電気負荷駆動回路。 - 容量成分を有する電気負荷に対して、印加する電圧値を切り換えることにより、該電気負荷を駆動する電気負荷駆動方法であって、
互いに異なる電圧値の電力を発生するとともに、該発生する電圧値よりも高い電圧値の電力が供給されると該電力を蓄えることが可能な複数の電源部を用意する工程と、
所定の電圧範囲内で電圧値の漸増と漸減とを繰り返す所定の電圧波形を、目標電圧波形として出力する工程と、
前記目標電圧波形の電圧値に応じて前記複数の電源部を切り替えながら、前記電気負荷に出力する出力電圧波形が該目標電圧波形と一致するように、該出力電圧波形の負帰還制御を行う工程と、
前記出力電圧波形が前記電気負荷に印加されている電圧値に達すると、前記負帰還制御部の出力と該電気負荷とを接続し、該出力電圧波形が該電気負荷に印加するべき目標の電圧値に達すると、該負帰還制御部の出力と該電気負荷との接続を解除することにより、該電気負荷に印加する電圧値を切り替える工程と
を備える電気負荷駆動方法。
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JP2008275230A JP2010103885A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 電気負荷駆動回路、電気負荷駆動方法 |
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WO2020110556A1 (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | アルプスアルパイン株式会社 | 静電容量センサ |
CN114720851A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-07-08 | 珠海妙存科技有限公司 | 一种芯片电源兼容性验证系统及方法 |
-
2008
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JPWO2020110556A1 (ja) * | 2018-11-28 | 2021-09-30 | アルプスアルパイン株式会社 | 静電容量センサ |
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