JP2010103029A - コネクタ - Google Patents

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JP2010103029A JP2008275217A JP2008275217A JP2010103029A JP 2010103029 A JP2010103029 A JP 2010103029A JP 2008275217 A JP2008275217 A JP 2008275217A JP 2008275217 A JP2008275217 A JP 2008275217A JP 2010103029 A JP2010103029 A JP 2010103029A
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Masakazu Suzuki
雅和 鈴木
Yojiro Hashimoto
洋治郎 橋本
Hidekazu Mizuno
秀和 水野
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Abstract

【課題】構成を複雑化することなくリテーナの移動案内を行う。
【解決手段】コネクタ10は、第1キャビティ41を有するハウジング本体40と、ハウジング本体40の前方に位置して端子金具160を抜け止めするランス82を有するランス体80と、前後方向に関してハウジング本体40とランス体80との間に位置し、端子金具160の第1キャビティ41への挿抜を許容する仮係止位置と、端子金具160をランス82とともに抜け止めする本係止位置とに前後方向と直交する方向に移動可能なリテーナ60とを別々に備えている。ハウジング本体40の前面には、ランス体80の位置まで延出してランス体80を弾性的に係止することにより、ランス体80のハウジング本体40からの離脱を規制する保持片48が撓み可能に設けられている。保持片48は、仮係止位置と本係止位置との間を移動するリテーナ60と摺接する摺接面49を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、コネクタに関する。
特許文献1には、端子金具を挿入可能な複数のキャビティを有するハウジングと、ハウジングに装着されて仮係止位置と本係止位置とに前後方向と直交する方向に移動可能なリテーナとを備えたコネクタが開示されている。キャビティの内面には、端子金具を抜け止めする撓み可能なランスが突出して設けられている。ハウジングの前後方向中間部には各キャビティに通じるリテーナ装着溝が三面に跨って開口して設けられている。
ところで、上記の構成によれば、ハウジングがリテーナ装着溝を有することによって括れ形状とされているため、ハウジングを成形する際に、リテーナ装着溝を挟んだ前後領域に樹脂が流れ難く、小型のコネクタには適用し難いという事情がある。これに鑑み、ハウジングを、ランスを有するランス体と、ランスを有しないハウジング本体とに別々に分割して形成し、その間にリテーナを挟持する構成とすることが考えられた。これによれば、リテーナ装着溝が省略されてハウジングに括れ部分が形成されないため、ハウジングの成形時に上記のような樹脂流動性の悪化をまねくこともない。このように、ランス体、ハウジング本体及びリテーナを別々に形成したコネクタは特許文献2に例示されている。
特開2004−355904 特開2008−65985公報
ところで、リテーナがハウジングに装着される構成であれば、リテーナ装着溝の溝面によってリテーナの移動案内がなされるが、ランス体とハウジング本体とが別体とされる場合には、リテーナ装着溝自体がなくなるため、これに代わってリテーナの移動案内手段を確保する必要がある。しかるにこの場合に、リテーナの移動案内をなす専用構造を設けるのでは構造上の制約が多く、構成の複雑化を招いて好ましくないという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ランス体とハウジング本体とが別体とされる場合に、構成を複雑化することなくリテーナの移動案内を行うことを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、端子金具を挿入可能なキャビティを有するハウジング本体と、前記ハウジング本体の前方に位置して前記端子金具を抜け止めするランスを有するランス体と、前後方向に関して前記ハウジング本体と前記ランス体との間に位置し、前記端子金具の前記キャビティへの挿抜を許容する仮係止位置と、前記端子金具を前記ランスとともに抜け止めする本係止位置とに前後方向と交差する方向に移動可能なリテーナとを備え、前記リテーナ、前記ランス体及び前記ハウジング本体がそれぞれ別体とされているものであって、前記ハウジング本体の前面には、少なくとも前記ランス体の位置まで延出して前記ランス体を弾性的に係止することにより、前記ランス体の前記ハウジング本体からの離脱を規制する保持片が撓み可能に設けられ、前記保持片は、前記仮係止位置と前記本係止位置との間を移動する前記リテーナと摺接する摺接面を有している構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ランス体の前面にはフロントマスクが装着され、前記フロントマスクには前記保持片の撓み空間に進入して前記保持片の撓みを規制する規制部が設けられているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記フロントマスクには、前記仮係止位置と前記本係止位置との間を移動する前記リテーナと摺接する案内壁が設けられているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
リテーナ、ランス体及びハウジング本体がそれぞれ別体とされていても、ハウジング本体の前面には保持片が撓み可能に設けられているから、ランス体のハウジング本体からの離脱が規制される。また、保持片の摺接面にリテーナが摺接することによってリテーナの移動案内がなされる。したがって、リテーナの移動案内を行うための専用構造を設ける必要がなく、構成の簡素化を図れる。
<請求項2の発明>
フロントマスクのランス体への装着に伴い、保持片の撓みが規制され、リテーナ及びランス体の遊動が確実に規制される。
<請求項3の発明>
リテーナは保持片とともに案内壁によってもその移動案内がなされるため、案内機能の信頼性が高められる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。本実施形態に係るコネクタ10は、図示しない相手コネクタと嵌合可能とされ、フレーム20、ハウジング本体40、リテーナ60、ランス体80、フロントマスク100及びレバー120を備えている。このうち、フレーム20とハウジング本体40とは互いに一体のハウジング140とされ、ハウジング140、リテーナ60、ランス体80、フロントマスク100及びレバー120はそれぞれ別体とされており、いずれも合成樹脂材によって構成されている。なお、以下の説明において前後方向については相手コネクタとの嵌合面側を前方とする。
ハウジング本体40は、図6に示すように、矩形枠状をなすフレーム20の内側後部に位置し、全体として角ブロック状をなしている。ハウジング本体40の内部には、前後方向に貫通する複数の第1キャビティ41が設けられている。第1キャビティ41には後方から端子金具160が挿通され、第1キャビティ41の断面形状はここに挿通される端子金具160の接続部161(後述する)と対応する形状とされている。
端子金具160は導電性の金属板を曲げ加工等して一体に成形され、図5に示すように、相手コネクタに装着された相手端子金具のタブ(図示せず)を受け入れる筒状の接続部161と、接続部161よりも後方に位置して電線180の端末に接続されるバレル部162とを有している。接続部161にはタブと弾性的に接触する接触片(図示せず)が設けられている。
ハウジング本体40の後部にはゴム栓収容部42が後面に開口して設けられている。ゴム栓収容部42には後方から一括型のゴム栓43が密嵌状態で挿入されている。ゴム栓43には、各第1キャビティ41と対応する位置毎に、端子金具160に接続された電線180を密着状態で通す電線密着孔44が貫通して設けられている。また、ゴム栓収容部42にはゴム栓43に続いて後方からゴム栓押さえ45が挿入されるようになっている。ゴム栓押さえ45には、各電線密着孔44と対応する位置毎に、電線180を遊挿状態で通す電線遊挿孔46が貫通して設けられている。ゴム栓43はハウジング本体40内を液密状にシールする役割を果たし、ゴム栓押さえ45はゴム栓43のゴム栓収容部42からの離脱を規制する役割を果たす。
ハウジング本体40の前面には、図6に示すように、その幅方向中央よりもやや一端側にずれた位置でかつゴム栓収容部42よりも前方の位置に、リブ受け部47が凹設されている。リブ受け部47には相手コネクタのリブ(図示せず)が前方から嵌入可能とされている。また、ハウジング本体40の前面には、幅方向に一対の保持片48が前方へ真直ぐ延出して設けられている。各保持片48は、その板面(内外両面)を幅方向(内外方向)に向けた帯板状をなし、幅方向に撓み変形可能とされている。各保持片48の内面には、図5に示すように、リテーナ60と対応する位置に、リテーナ60に設けられた係合孔67(後述する)の内側縁に摺動する摺接面49が設けられている。
各保持片48の先端部には、図7に示すように、内向きに突出する係止爪51が突出して設けられている。各係止爪51はランス体80に弾性的に係止可能とされている。各保持片48のうち、一方の保持片48は、ハウジング本体40の幅方向一端側でかつフレーム20の内側面の近くに位置し、他方の保持片48は、ハウジング本体40の幅方向他端寄りでかつフレーム20の内側面からやや離れて位置している。ハウジング本体40の各保持片48間には、比較的小型の端子金具160を挿通可能な小型の第1キャビティ41が集合して設けられている。
また、ハウジング本体40の前面には、図6に示すように、幅方向に関して他方の保持片48と同じ位置に、第1段差52が高さ方向に設けられ、第1段差52を境とした幅方向一端側の領域が他端側の領域よりも前方へ一段突き出て配置されている。この幅方向他端側の領域には、比較的大型の端子金具160を挿通可能な大型の第1キャビティ41が高さ方向に3つ並んで設けられている。
ハウジング本体40の外面後端部はフレーム20の内面全周に連なる連結部50とされ、ハウジング本体40の外面は連結部50を除いてフレーム20の内面との間に間隔をあけて配置され、このハウジング本体40の外面とフレーム20の内面との間は前方から相手コネクタのフード部(図示せず)を受け入れ可能な組付空間53とされている。また、ハウジング本体40の外面のうち連結部50の直前方にはシールリング54が嵌着されている。シールリング54はハウジング本体40の外面とフード部の内面とに弾縮状態で密着され、両コネクタ間を液密状にシールする役割を果たす。
フレーム20は、その内側に、リテーナ60、ランス体80及びフロントマスク100が前方から挿入される収容空間21を有し、連結部50に連なってハウジング本体40の回りを包囲する内壁22と、内壁22よりも外側に位置する幅方向に一対の外壁23とを有する二重壁構造とされている。内壁22と外壁23とはその前端及び上端において連結壁24を介して一体に連結されている。連結壁24、外壁23及び内壁22の間は、図5に示すように、レバー120のアーム部122(後述する)を収容可能な収納空間25とされている。そして、各外壁23の内面には、レバー120を回動可能に支持する円柱状の支軸26が突出して設けられている。
内壁22には、図6に示すように、相手コネクタに設けられたカムフォロア(図示せず)を前方から受け入れ可能な導入溝27が前端に開口して設けられている。支軸26は導入溝27を通して前方から視認可能とされている。また、内壁22のうち外壁23を有しない上部には、図7に示すように、各保持片48を成形する際に金型が上方へ抜かれることによってなる型抜き孔28が貫通して設けられている。型抜き孔28は幅方向に長い矩形状をなし、ここを通して上方から各保持片48が視認可能とされ、かつ組付状態ではリテーナ60が視認可能とされている。一方、内壁22のうち外壁23を有しない下部の前端部には、図6に示すように、レバー120を回動規制状態に保持するレバーロック部29が突出して設けられている。
レバー120は、幅方向に延出する操作部121と、操作部121の幅方向両端から互いに平行に突出する一対のアーム部122とからなり、全体として門型板状をなしている。アーム部122には、図11に示すように、支軸26を受ける軸受け孔123が貫通して設けられ、かつその内面には相手コネクタのカムフォロアと係合可能なカム溝124が凹設されている。操作部121の幅方向中央部には、図1に示すように、レバーロック部29と係合可能なロック片125が撓み可能に設けられている。レバー120は、支軸26を中心として初期位置と嵌合位置とに回動可能とされ、初期位置から嵌合位置に向かう過程ではカム溝124の溝面にカムフォロアが摺動して発揮されるカム作用によって相手コネクタとの嵌合動作を低操作力で進行させ、嵌合位置ではロック片125がレバーロック部29を弾性的に係止されることでその回動が規制されるようになっている。
ランス体80は、図5及び図8に示すように、ハウジング本体40よりも前方に配置され、全体として前後長さの短い扁平な角ブロック状をなしている。そして、ランス体80は、各第1キャビティ41と対応する位置毎に、端子金具160の先端部が挿入される第2キャビティ81が前後方向に貫通して設けられている。各第2キャビティ81の内面には前方へ突出するランス82が撓み可能に設けられている。各第2キャビティ81に正規挿入された端子金具160はランス82に弾性的に係止されて後方へ抜け止めされるようになっている。なお、かかるランス82はハウジング本体40には設けられていない。
ランス体80には、各第2キャビティ81の周り包囲するキャビティタワー83が前方に突出して設けられている。そして、各第2キャビティ81の前面には前方から進入する相手端子金具のタブを誘い込むテーパ状の誘い込み部84が周方向に部分的に設けられている。また、ランス体80には、ハウジング本体40の第1段差52と対応する位置に、第2段差85が高さ方向の全高に亘って設けられている。ランス体80は、第2段差85を境とする幅方向一端側の部位が他端側の部位よりも前方に一段突き出る段付き形状をなしている。また、ランス体80には、その幅方向中央よりも一端側へずれた位置に、相手コネクタのリブが通されるリブ挿通孔86が貫通して設けられている。
そして、ランス体80には、各保持片48と対応する位置に、幅方向に一対の受け孔87が貫通して設けられている。各受け孔87のうち、一方の受け孔87は幅方向一端側にてランス体80の側縁に開口する形状とされ、他方の受け孔87は幅方向他端側にてループ状に開口する形状とされている。各受け孔87には後方から対応する保持片48がその撓み空間59を保有しつつ遊嵌状態で挿入されるようになっている。ランス体80の前面には、各受け孔87の内側の開口縁に、各係止爪51が掛け止めされる幅方向に一対の切欠部88が周囲から一段落ちて設けられている。
リテーナ60は、図5及び図10に示すように、前後方向に関してランス体80とハウジング本体40との間に配置され、全体として高さ方向に沿った平板状をなし、各第1キャビティ41及び各第2キャビティ81と対応する位置毎に、透孔61が貫通して設けられている。かかるリテーナ60は、端子金具160の第2キャビティ81への挿入を許容する仮係止位置と、端子金具160の第2キャビティ81からの抜けを規制する本係止位置とに、フレーム20の収容空間21に収まる範囲で高さ方向(前後方向と交差(詳細には直交)する方向)に移動可能とされている。リテーナ60の幅方向両端面には、図2に示すように、幅方向に一対の仮係止受け部62と本係止受け部63とが高さ方向に並んで設けられている。ハウジング本体40の内面には、各仮係止受け部62及び各本係止受け部と対応する位置に、幅方向に一対の仮係止部38及び本係止部39が設けられている。仮係止受け部62が仮係止部38に係止されることでリテーナ60が仮係止位置に仮保持され、本係止受け部が本係止部39に係止されることでリテーナ60が本係止位置に保持されるようになっている。仮係止位置では、各透孔61に端子金具160が遊挿状態で通され、本係止位置では、各透孔61の孔縁における抜止部65が端子金具160の接続部161の後端に当接可能に配されて端子金具160が抜け止めされる。
リテーナ60における幅方向中央よりも一端側へ少しずれた位置には、相手コネクタのリブが通されるリブ通し孔66が貫通して設けられている。リブ通し孔66は対応する透孔61と部分的に連通する形状とされている。
また、リテーナ60には、各保持片48と対応する位置に、幅方向に一対の係合孔67が貫通して設けられている。各係合孔67のうち、一方の係合孔67は幅方向一端側にてリテーナ60の側縁に開口する形状とされ、他方の係合孔67は幅方向他端側にてループ状に開口する形状とされている。さらに、リテーナ60には、図10に示すように、幅方向に関して他方の係合孔67と同じ位置に、第3段差68が高さ方向の全高に亘って設けられている。リテーナ60は、第3段差68を境とする幅方向一端側の部位が他端側の部位よりも前方に一段突き出る段付き形状をなしている。フレーム20の収容空間21にリテーナ60及びランス体80がそれぞれ正規挿入されると、第1段差52、第2段差85及び第3段差68がそれぞれ対応位置して、それぞれの幅方向の一端側の部位と他端側の部位とが面当り可能に適合するようになっている。
ここで、各係合孔67は、高さ方向に細長い矩形状に開口する形状とされ、後方から各保持片48がその撓み空間59を保有しつつ遊嵌状態で通されるようになっている。各係合孔67の内側縁は、高さ方向に真直ぐ延出する形状とされ、リテーナ60が仮係止位置と本係止位置との間を移動するときに、各保持片48の内面が摺動する摺接受け面69とされている。
フロントマスク100は、前方からランス体80に被着されるものであって、全体としてキャップ状をなし、図5及び9に示すように、ランス体80の前面を被覆する矩形状の前壁101と、前壁101の外周縁から後方へ突出する筒状の周壁102とからなる。周壁102の後端には、リテーナ60の幅方向両端面を被覆可能な板状の案内壁103が高さ方向に形成されている。
フロントマスク100には、相手端子金具のタブを前方から受容可能でかつキャビティタワー83の先端部が嵌合可能な複数の挿通孔104がループ状に貫通して設けられている。各挿通孔104の前面には、フロントマスク100がランス体80に装着されたときに、第2キャビティ81の誘い込み部84と周方向で合体する誘い込み部105が設けられ、両誘い込み部84、105が全周に亘って連なるようになっている。また、誘い込み部105は、ランス82の一部を前方から隠蔽可能とされている。
フロントマスク100における幅方向中央よりも一端側へ少しずれた位置には、相手コネクタのリブが通されるリブ導入孔106が貫通して設けられている。前壁101の後面には、図5に示すように、フロントマスク100がランス体80に装着されたときに、他方の保持片48の撓み空間59(係止爪51の突出側とは反対側の空間)に進入してこの保持片48の撓み動作を規制する板状の規制部109が後方へ突出して設けられている。また、フロントマスク100がランス体80に装着されたときに、一方の保持片48の撓み空間59には、周壁102が進入してこの保持片48の撓み動作を規制するようになっている。このとき、周壁102と規制部109とは、自然状態にある保持片48の外側面に当接して配置されるようになっている。
次に、本実施形態に係るコネクタ10の組付手順及びその作用について説明する。
まず、フレーム20の収容空間21に前方からリテーナ60を挿入し、図4に示すように、ハウジング本体40の前面にリテーナ60を被覆して当接させる。リテーナ60の挿入過程では、係止爪51が係合孔67の摺接受け面69と干渉して保持片48が外側へ弾性的に拡開させられる。リテーナ60が正規挿入されると、係止爪51が係合孔67を抜けるとともに、保持片48が自然状態に弾性復帰して係合孔67に貫通して配される。このとき、リテーナ60は、仮係止受け部62による係止作用によって仮係止位置に留め置かれるか、又は本係止受け部63による係止作用によって本係止位置に留め置かれる。
続いて、フレーム20の収容空間21に前方からランス体80を挿入し、図3に示すように、リテーナ60の前面にランス体80を被覆して当接させる。ランス体80の挿入過程では、係止爪51が受け孔87の内側縁を摺動して保持片48が外側へ弾性的に拡開させられる。ランス体80が正規挿入されると、係止爪51が受け孔87を抜けるとともに、保持片48が自然状態に弾性復帰し、それと同時に係止爪51がランス体80の前面における切欠部88を弾性的に係止して、ランス体80がハウジング本体40に抜け止め状態に保持される。このとき、リテーナ60は、ハウジング本体40とランス体80との間に挟持された状態となる。
さらに、フレーム20の収容空間21に前方からフロントマスク100を挿入し、図1に示すように、ランス体80の前面にフロントマスク100を被覆して当接させる。フロントマスク100が正規挿入されると、各保持片48の撓み空間59に規制部109及び周壁102が進入して各保持片48の弾性撓みが規制され、ランス体80及びリテーナ60が位置決め状態に保持される。
上記の状態で、リテーナ60を仮係止位置に保持させ、次いで後方から電線180付きの端子金具160を挿入する。端子金具160の接続部161は、電線遊挿孔46、電線密着孔44、第1キャビティ41及び透孔61を経て第2キャビティ81に挿入され、誘い込み部84、105の後面に当接して前止まりがなされるとともに、ランス82に弾性的に係止されて後方への抜け止めがなされる。続いて、リテーナ60を高さ方向に押し込んで本係止位置に移動させる。リテーナ60が本係止位置に至ると、抜止部65が端子金具160の接続部161の後端と対向する位置に配され、ランス82とともに端子金具160の後方への抜け止めを行う。
リテーナ60が本係止位置に至る過程では、各保持片48の摺接面49にその内側から対応する摺接受け面69が摺動するとともに、他方の保持片48の外面(摺接面49とは反対側面)にその外側から案内壁103が摺動し、かつリテーナ60の幅方向の一端面にその外側から案内壁103が摺動することで、リテーナ60の移動案内がなされ、リテーナ60の幅方向への遊動が規制される。その後、組付空間53に前方から相手コネクタのフード部が嵌入され、それによって端子金具160が相手端子金具と電気的に接続されることとなる。
このように本実施形態に係るコネクタ10によれば、ハウジング本体40の前面に設けられた保持片48によってランス体80のハウジング本体40からの抜け止めがなされるとともに、保持片48の摺接面49にリテーナ60の摺接受け面69が摺接することによってリテーナ60の移動案内がなされる。このように、保持片48がランス体80を保持する機能とリテーナ60の移動案内機能の両機能をあわせ持つことにより、両機能にそれぞれ対応する専用構造を設けなくて済むため、構成の簡素化を図れる。
また、フロントマスク100のランス体80への装着に伴い、規制部109が保持片48の撓み空間59に進入するから、保持片48の撓みが規制されて、リテーナ60及びランス体80の遊動が確実に規制される。さらに、リテーナ60は保持片48とともに案内壁103によってもその移動案内がなされるため、保持片48のみによるよりも案内機能の信頼性が高められる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)リテーナの幅方向両端面が保持片の摺接面と摺動する構成であってもよい。
(2)保持片はハウジング本体の前面に1つ又は3つ以上設けられるものであってもよい。
(3)ハウジング本体とフレームとがそれぞれ別体とされていてもよい。
本発明の実施形態1に係るコネクタの正面図である。 リテーナがフレームに係止された状態を背面視した断面図である。 フロントハウジングを装着する前の状態であってランス体の前面が露出されたコネクタの正面図である。 フロントマスク及びランス体を装着する前の状態であってリテーナの前面が露出されたコネクタの正面図である。 ランス体が保持片によって係止された状態を平面視した断面図である。 ハウジングの正面図である。 ハウジングの平面図である。 ランス体の正面図である。 フロントマスクの正面図である。 リテーナの正面図である。 レバーの側面図である。
符号の説明
10…コネクタ
20…フレーム
40…ハウジング本体
41…第1キャビティ(キャビティ)
48…保持片
49…摺接面
51…係止爪
59…撓み空間
60…リテーナ
67…係合孔
80…ランス体
82…ランス
100…フロントマスク
103…案内壁
109…規制部
160…端子金具

Claims (3)

  1. 端子金具を挿入可能なキャビティを有するハウジング本体と、前記ハウジング本体の前方に位置して前記端子金具を抜け止めするランスを有するランス体と、前後方向に関して前記ハウジング本体と前記ランス体との間に位置し、前記端子金具の前記キャビティへの挿抜を許容する仮係止位置と、前記端子金具を前記ランスとともに抜け止めする本係止位置とに前後方向と交差する方向に移動可能なリテーナとを備え、前記リテーナ、前記ランス体及び前記ハウジング本体がそれぞれ別体とされているものであって、
    前記ハウジング本体の前面には、少なくとも前記ランス体の位置まで延出して前記ランス体を弾性的に係止することにより、前記ランス体の前記ハウジング本体からの離脱を規制する保持片が撓み可能に設けられ、
    前記保持片は、前記仮係止位置と前記本係止位置との間を移動する前記リテーナと摺接する摺接面を有していることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記ランス体の前面にはフロントマスクが装着され、前記フロントマスクには前記保持片の撓み空間に進入して前記保持片の撓みを規制する規制部が設けられている請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記フロントマスクには、前記仮係止位置と前記本係止位置との間を移動する前記リテーナと摺接する案内壁が設けられている請求項2記載のコネクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9502814B2 (en) 2012-07-20 2016-11-22 Mitsubishi Electric Corporation Connector cover and connector connecting apparatus

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