JP2010103016A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定波長域の光を選択的に遮光する遮光手段を蛍光ランプに設けることなく、始動性を向上させた照明器具を提供する。
【解決手段】透光性材料からなり内面に蛍光体被膜5を形成するとともに内部に少なくとも希ガスからなる放電媒体が気密封止されたバルブ2と、該バルブ2内の前記放電媒体を励起させる一対の電極3,3(励起手段)と、を備えた複数の蛍光ランプ1を隣接して配置した照明器具10であって、前記隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの種類又は配合比を異ならせてある。
【選択図】図1
【解決手段】透光性材料からなり内面に蛍光体被膜5を形成するとともに内部に少なくとも希ガスからなる放電媒体が気密封止されたバルブ2と、該バルブ2内の前記放電媒体を励起させる一対の電極3,3(励起手段)と、を備えた複数の蛍光ランプ1を隣接して配置した照明器具10であって、前記隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの種類又は配合比を異ならせてある。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の蛍光ランプを備えた多灯形の照明器具に関するものである。
従来より、複数の蛍光ランプと、この複数の蛍光ランプをそれぞれ点灯させる複数の点灯装置(点灯回路)とを備えた多灯形の照明器具が提供されている。
ところで、このような多灯形の照明器具では、複数の蛍光ランプの内の何れか一灯が先に点灯すると、最初に点灯した蛍光ランプの光が未だ点灯していない蛍光ランプに照射され、その蛍光ランプの始動電圧が上昇し、始動しにくくなるという問題がある。
この蛍光ランプの始動性が悪化するのを防止するために、先に点灯した蛍光ランプからの光が照射される蛍光ランプの点灯装置を、始動電圧の上昇分を考慮して、その上昇分だけ高い始動電圧が発生できるように設計することが考えられる。しかしながら、そのような点灯装置の設計は、本来必要な始動電圧よりも高い始動電圧を発生させるために、点灯装置のコストが高くなるという問題がある。
また、点灯装置による他の対策として、複数の蛍光ランプの始動する順番を予め決めておき、始動時に所定の照度よりも明るい光が入射する順番の蛍光ランプ(例えば、最後に点灯する蛍光ランプのみに)のみに、上昇分だけ高い始動電圧を発生させる点灯装置を用いることが考えられる。この方法では、本来必要な始動電圧よりも高い始動電圧を発生させる点灯装置を、全ての蛍光ランプに用いる必要がないので、上述の照明器具よりはコストの上昇を抑制できる。しかし、蛍光ランプの始動電圧の上昇分は、周囲温度、外部からの光照射量など、その使用環境によって大きく変化するため予測が難しく、点灯装置の設計が困難であった。
他方、蛍光ランプによる対策として、特定波長域の光を透過させない遮光手段を蛍光ランプのバルブに設けることが提案されている(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1に開示された蛍光ランプは、図7に示すように内面に蛍光体被膜5を形成するとともに内部に少なくともアルゴンを含む放電媒体を封入した直管形のバルブ2と、バルブ2の両端部にそれぞれ設けられた電極3,3と、を備え、特定波長域の光を選択的に遮光する(例えば、波長が300nm以上、且つ、500nm以下の全ての光が外部からバルブ2内に入射するのを防止するとともに波長が300nm未満の全ての光および波長が500nmを超える全ての光は透過させる)遮光手段16をバルブ2の両端部(電極3,3の近傍部位)に設けている。ここで、この蛍光ランプ1を多灯形の照明器具に用いた場合、隣接する蛍光ランプ1からの光を遮光手段16で遮光することにより、この蛍光ランプ1の始動電圧が上昇する問題を解決している。
特許第3922072号公報
しかしながら、特許文献1の蛍光ランプ1の遮光手段16は、蛍光ランプ1に外部から入射する光の一部を遮光するだけでなく、この蛍光ランプ1が発する光の一部も遮光する。そのため、この蛍光ランプ1では、遮光手段16を設けたことに起因し、光束値が低下するとともに配光分布や光色が変化してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は特定波長域の光を選択的に遮光する遮光手段を蛍光ランプに設けることなく、始動性を向上させた照明器具を提供することにある。
本願発明者らは鋭意研究の結果、多灯形の照明器具において、隣接する蛍光ランプに封入する希ガスの種類又は配合比を異ならせることで、蛍光ランプの始動電圧の上昇を抑制しうることを見出し本願発明をなすに至った。本願発明による作用の詳細は明らかではないが、以下のように考えられる。
蛍光ランプが始動するためには、少なくとも一つの電子が電界で加速され、蛍光ランプのバルブ内部に封入された放電媒体と衝突し、電離を引き起こすことが必要となる。そして、電離して生成した電子も電界で加速され、放電媒体と衝突しさらに電離を引き起こす。これが繰り返されることにより、電子と放電媒体を構成する原子のイオンとのペアの密度が非常に高くなり電離現象が継続することで放電が生じる。この状況を満たすための条件が始動条件である。
一般に蛍光ランプは、放電媒体として希ガスであるアルゴンが用いられている。電界により加速された電子がアルゴン原子に衝突すると、電子の運動エネルギーでアルゴン原子は励起され、励起されたアルゴン原子はすぐに光を放出して基底状態に戻る。この時、アルゴン原子が励起状態にとどまるのは、数ns〜数十nsである。
一方、アルゴン原子が準安定状態と呼ばれる準位に励起されると、この準位は光放出ができないためにアルゴン原子の励起状態が長くなる。この励起状態が長いアルゴン原子が多くなると、累積電離を引き起こすなどにより放電を生じる。そのため準安定状態に励起されたアルゴン原子の存在が、蛍光ランプの始動には不可欠である。しかしながら、一度、励起され準安定状態となったアルゴン原子の密度が低下する場合、密度を再び上昇させるために蛍光ランプの始動電圧が上昇する。
以下、図4を用いて詳述する。準安定状態(図中の状態C)の原子に光があたると、当該原子が、その光を吸収して上位の励起状態(図中の状態A)に遷移する。この状態は上述のように寿命が短く、すぐに光を放出して準安定状態Cよりも下位の励起状態(図中の状態B)へ変化し、さらにこの励起状態Bから光を放出して基底状態(図中の状態D)に遷移する。実際には準安定状態Cから励起状態A、励起状態B以外を経由して基底状態Dへ戻るものも存在しているが、同様にすぐに光を放出して基底状態Dに戻る。ここで、光吸収による励起が発生するには、その遷移幅(例えば、励起状態Aのエネルギー準位と準安定状態Cのエネルギー準位とのエネルギー差)に相当するスペクトルの光が入射する必要がある。準安定状態Cのアルゴン原子に、このような特定のスペクトルの光が照射されると、その光を吸収して上位の励起状態Aに遷移した後、光を放出して基底状態Dに戻ることにより消滅するため始動電圧が上昇する。
この励起された準安定状態Cの原子密度の減少は、未だ点灯していない隣接する蛍光ランプ中で励起された準安定状態Cのアルゴン原子が上位の励起状態Aに遷移するのに必要なエネルギーと、先に点灯した蛍光ランプに封入されたアルゴン原子が準安定状態Cから励起され脱励起することに伴い遷移発光する光のエネルギーと、が近似するために生じやすいと考えられる。また、希ガス原子は、準安定状態Cから上位の励起状態Aに遷移するのに必要なエネルギーが、希ガスの種類ごとに大きく異なる。そのため、隣接する蛍光ランプの希ガスの種類を異ならせしめることにより、隣接する蛍光ランプの希ガスが遷移発光する光の影響を低減せしめ、始動電圧の上昇に伴う蛍光ランプの不灯を防止しえると考えられる。
より詳しく説明すると、本願発明者らは、上述の準安定状態Cがアルゴン原子の殻外電子のエネルギー準位である4s軌道に相当し、励起状態Aがアルゴン原子の5p軌道と6p軌道のエネルギー準位に相当することを見出した。さらに、励起されたアルゴン原子の電子が5p軌道の励起状態Aから4s軌道の準安定状態Cへ遷移する場合、400nmから500nm領域の光を多く放出し、電子が6p軌道の励起状態Aから4s軌道の準安定状態Cへ遷移する場合、300nmから400nm領域の光を多く放出することも見出した。言い換えると、準安定状態Cにあるアルゴン原子は、400nmから500nmの光を受けると準安定状態Cにあるアルゴン原子の電子が5p軌道へと遷移し、300nmから400nmの光を受けると準安定状態Cにあるアルゴンの電子が6p軌道へと遷移する。
多灯形の照明器具に基づいて説明すると、先に点灯した蛍光ランプでは、バルブ内のアルゴン原子は電子が衝突することにより、準安定状態Cになるばかりでなく、この準安定状態Cから5p軌道や6p軌道の上位の励起状態Aに励起され、光を放出してより安定な下位の励起状態Bなどに遷移する。このようにして遷移発光した光は、隣接配置され未だ点灯していない蛍光ランプのバルブ内で準安定状態Cに励起されたアルゴン原子にも照射される。この場合、準安定状態Cにあるアルゴン原子は、隣接する蛍光ランプのアルゴン原子が遷移発光した光(例えば、波長375nm)のエネルギーが、準安定状態Cから上位の励起状態Aへ遷移するのに必要なエネルギー(例えば、2価のアルゴンの励起準位)と近似しており、隣接する蛍光ランプのアルゴン原子から遷移発光した光を吸収しやすく、電子が上位の励起状態Aに励起されやすい。準安定状態Cから励起されたアルゴン原子の電子は、再び光を放出し、より安定な準安定状態Cよりも下位の励起状態Bへと遷移するために準安定状態Cのアルゴン原子の密度が低下しやすいと考えられる。
この現象を回避するためには、蛍光ランプの始動に重要な働きをする準安定状態Cに励起されたアルゴン原子の密度が光照射によって減少しなければよい。本願発明者らは、希ガスの種類により吸収励起する波長および遷移発光する波長が大きく異なることに着目し、隣接する蛍光ランプの点灯に伴って、先に点灯した蛍光ランプの希ガスから放出される遷移発光した光が、隣接する蛍光ランプにおいて準安定状態Cにある希ガス原子に照射されても励起されにくい、異なる種類の希ガス等を放電媒体に用いたものである。
すなわち、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、透光性材料からなり内面に蛍光体被膜を形成するとともに内部に少なくとも希ガスからなる放電媒体が気密封止されたバルブと、該バルブ内の前記放電媒体を励起させる励起手段と、を備えた複数の蛍光ランプを隣接して配置した照明器具であって、前記隣接する蛍光ランプに封入する希ガスの種類又は配合比を異ならせてなることを特徴とする。
この発明によれば、隣接する蛍光ランプの希ガスの種類又はその配合比が異なることにより、蛍光ランプに気密封止された希ガスの励起状態が、隣接する蛍光ランプの希ガスから放出される光に影響されることがないため、蛍光ランプに特定波長域の光を選択的に遮光する遮光手段を設けることなく、始動性を向上させた照明器具とすることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記蛍光ランプは、無電極蛍光ランプであることを特徴とする。
この発明によれば、前記蛍光ランプが有電極蛍光ランプである場合に比べて、長寿命化を図れ、その上、複数の無電極蛍光ランプとして同じものを用いた場合に比べて、遮光手段を設けることなく、始動性を向上させた照明器具とすることができる。
請求項1の発明では、隣接する蛍光ランプに気密封止される希ガスの種類又は配合比を異ならせることで、特定波長域の光を選択的に遮光する遮光手段を蛍光ランプに設けることなく、始動性を向上させた照明器具とすることができる。
(実施形態1)
本実施形態に係る多灯形の照明器具を図1に基づいて説明する。
本実施形態に係る多灯形の照明器具を図1に基づいて説明する。
図1の照明器具10は、3本の蛍光ランプ1と、各蛍光体ランプ1を各別に点灯させる3つの点灯装置(図示せず)と、各蛍光ランプ1および各点灯装置を取り付けた器具本体11と、を備える。器具本体11は、下面が開口した箱型に形成されており、内部に上述の3本の蛍光ランプ1を平行に隣接して配置してある。
各蛍光ランプ1は、直管形蛍光ランプであり、直管形のバルブ2と、バルブ2の長手方向の両端部であって、それぞれバルブ2の内側に設けられた電極3,3と、バルブ2の長手方向の両端部であって、バルブ2の外側に設けられた口金4,4と、を有している。
バルブ2は、ガラス材料により円筒状に形成され長手方向の両端部が溶融されて気密封止してある。気密封止したバルブ2内部には、外部からの電力で放電を形成維持するために、水銀蒸気と希ガスとを含む放電媒体が封入されてある。また、バルブ2の内面には、アルミナ等の金属酸化物からなる保護膜(図示せず)を形成し、該保護膜上には励起された水銀が放出する紫外線を可視光に変換するための蛍光体が結着剤とともに塗布され蛍光体被膜5が形成してある。保護膜は、バルブ2のガラス成分が当該バルブ2内部へ溶出するのを防ぎ、ガラス成分と水銀の化学反応による光透過率の低下を防止するために好適に設けることができる。
電極3は、例えば、タングステン線をコイル状に形成し、気密封止のために溶融されたバルブ2の両端部から導出する導入線(図示せず)の先端部間にバルブ2内で接続固定してある。タングステン線は、放電を容易にするため表面にバリウム酸化物からなる電子放出物質が好適に塗布される。本実施形態では、バルブ2の両端部に配置された一対の電極3,3に外部から電力が供給されると、バルブ2内の水銀および希ガスからなる放電媒体に電極3,3を介して電力が供給されるため、一対の電極3,3が放電媒体を励起する励起手段として働く。
口金4は、樹脂材等により円筒状に形成され、一端部が開口し他端部が閉じている。口金4は、内径がバルブ2の外形よりも大きく、直管形のバルブ2の両端部に嵌め合わせられている。口金4の上述の他端部には、接続ピン4aが設けられ、接続ピン4aはバルブ2内部の電極3と導入線を介して電気的に接続させてある。
各点灯装置は、蛍光ランプ1を始動させ安定な点灯を維持しうるものであればよく、蛍光ランプ1の種類や用途に応じて種々のものが用いられる。
器具本体11は、樹脂や金属等により形成され、各蛍光ランプ1を近接して収納でき、開口部側から外部に各蛍光ランプ1の光を効率よく放出できるものであればよい。
本実施形態においては、器具本体11に配置された隣接する3本の蛍光ランプ1として直管形蛍光ランプを用い、中央の蛍光ランプ1(以下、直管形蛍光ランプ1bと称す)の希ガスの種類をクリプトンとし、直管形蛍光ランプ1bの両隣の蛍光ランプ1(以下、直管形蛍光ランプ1a,1cと称す)の希ガスをクリプトンの代わりにアルゴンとした以外は同様にして形成させてある。
以下、多灯形の照明器具10を用いて、蛍光ランプ1の内部に気密封止される希ガスの種類を変えて点灯させた実験について、説明する。図2では、消費電力が40Wの3本の直管形蛍光ランプ1a,1b,1cを平行に近接して配置し、各直管形蛍光ランプ1a,1b,1cには、商用電源Vsに接続された3つの点灯装置20a,20b,20cを接続してある。また、図2の構成では、直管形蛍光ランプ1a,1b,1cを点灯するタイミングを変えて点灯順が始動電圧に与える影響を確認できるように、商用電源Vsと各点灯装置20a、20b、20cそれぞれの間に、スイッチ21a,21b,21cを設けてある。
まず、先に点灯した直管形蛍光ランプ1a,1cの光の影響により、近接配置させた別の直管形蛍光ランプ1bが不灯になることを確かめるため、上述の直管形蛍光ランプ1a,1b,1cの内部に封入される希ガスを全てアルゴンとし、全てのスイッチ21a,21b,21cをオフの状態から2つのスイッチ21a,21cのみをオンの状態とし両側の直管形蛍光ランプ1a,1cを予め点灯する。その後、中央に配置される直管形蛍光ランプ1bのスイッチ21bを、オフからオンにさせると中央に配置した直管形蛍光ランプ1bだけ点灯しない。
他方、図3に示す器具本体11は、内部に直管形蛍光ランプ1a,1b,1cを配置させた場合、中央の直管形蛍光ランプ1bと、その両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cとの間に直管形蛍光ランプ1bの長手方向に沿って黒色に着色したステンレス製の遮光板12が設けられるよう構成されてある。この遮光板12が設けられた器具本体11を用いて、直管形蛍光ランプ1a,1cからの光が中央の直管形蛍光ランプ1bに照射されない構造とした以外は上述と同様の構成とし、再度中央の直管形蛍光ランプ1bを除いて、その両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cのスイッチ21a,21cをオフからオンにさせ直管形蛍光ランプ1a,1cを点灯させる。次に、中央の直管形蛍光ランプ1bのスイッチ21bをオフからオンにさせると直管形蛍光ランプ1bも点灯する。これにより、隣接した両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cの光が、中央の直管形蛍光ランプ1bに影響を与えていることが確認できる。
次に、内部に封入される希ガスの種類をアルゴンの代わりにクリプトンを用いて封入した以外は他の蛍光ランプ1と同様にして形成させた蛍光ランプ1を用いる。中央の直管形蛍光ランプ1bだけ、希ガスとしてクリプトンを封入した直管形蛍光ランプ1bに変更して、両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cは希ガスの種類をアルゴンのままにして多灯形の照明器具10を構成し上述と同様にして点灯を行う。なお、この器具本体11には図1のごとく遮光板12を設けておらず、隣り合う蛍光ランプ1からの光が自由に照射される。
その結果、希ガスの種類としてアルゴンを封入した両側の直管形蛍光ランプ1a,1cのスイッチ21a,21cを先にオフからオンとし両側の直管形蛍光ランプ1a,1cを点灯させた状態で、後からクリプトンを封入させた中央の直管形蛍光ランプ1bのスイッチ21bをオフからオンとさせても、直管形蛍光ランプ1bも点灯する。
次は、3本の直管形蛍光ランプ1a,1b,1cの内部に封入される希ガスの種類を全てクリプトンとした以外は同様にし、遮光板12を設けていない多灯形の照明器具10を構成する。中央に配置された直管形蛍光ランプ1bのスイッチ21bを除いて、スイッチ21a,21cを先にオフからオンとし予め両側に配置される希ガスとしてクリプトンが気密封止された直管形蛍光ランプ1a,1cを点灯する。この状態で中央に配置される直管形蛍光ランプ1bのスイッチ21bをオフからオンにしても、中央に配置した直管形蛍光ランプ1bは点灯しない。
この多灯形の照明器具10のうち中央の直管形蛍光ランプ1bの希ガスの種類を、クリプトンからアルゴンに代えた以外は同様にして形成させた直管形蛍光ランプ1bに変更し、両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cは希ガスの種類をクリプトンのままにして遮光板12を設けていない多灯形の照明器具10を構成して点灯を行う。
その結果、クリプトンが封入された両側の直管形蛍光ランプ1a,1cのスイッチ21a,21cをオフからオンにさせて、両端部の直管形蛍光ランプ1a,1cを先に点灯させた状態で、後からアルゴンを封入させた直管形蛍光ランプ1bのスイッチ1bをオフからオンにさせても直管形蛍光ランプ1bが点灯し、隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの種類を異ならせるという比較的簡単な構成だけで、遮光手段16(図7を参照)を設けることなく多灯形の照明器具10の不灯を防ぐことができる。
なお、本実施形態は消費電力が40Wの直管形蛍光ランプ1a,1b,1cを3本用いて説明したが、蛍光ランプ1の消費電力、形状、数は、本実施形態のみに限定されるものではなく、環状蛍光ランプや電球形蛍光ランプを用いた多灯形の照明器具10でも本発明を適用することができる。
また、本実施形態において、蛍光ランプ1を近接配置させるとは、希ガスの準安定状態C(図4参照)を脱励起させる所定照度以上の光が照射される距離に、隣接する蛍光ランプ1を配置させることである。蛍光ランプ1の形状、蛍光ランプ1の光出力、蛍光ランプ1の本数やその配置によって適宜設定される。
(実施形態2)
本実施形態は、図1にて説明した実施形態1の隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの種類を異ならせる代わりに、隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの配合比を変えた蛍光ランプ1を用いた以外は同様にして多灯形の照明器具10を構成する。
本実施形態は、図1にて説明した実施形態1の隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの種類を異ならせる代わりに、隣接する蛍光ランプ1に封入する希ガスの配合比を変えた蛍光ランプ1を用いた以外は同様にして多灯形の照明器具10を構成する。
すなわち、バルブ2内に気密封止される希ガスの種類をアルゴンおよびクリプトンの2種類とし、一方の直管形蛍光ランプ1a,1cにはその配合比を2:1に、他方の直管形蛍光体ランプ1bにはその配合比を1:2にした以外は同様にしてそれぞれ直管形蛍光ランプ1a,1b,1cを形成させる。
希ガスとしてアルゴンおよびクリプトンが2:1の混合比で気密封止された2本の直管形蛍光ランプ1a,1cを器具本体11の両側に、希ガスとしてアルゴンおよびクリプトンが1:2の混合比で気密封止された直管形蛍光ランプ1bを器具本体11の中央に配置させ、各直管形蛍光ランプ1a,1b,1cをそれぞれ点灯装置20a,20b,20cと電気的に接続させた多灯形の照明器具10を構成する。
このようにして形成させた多灯形の照明器具10における直管形蛍光ランプ1a,1b,1cのうち、両側に配置させる2本の直管形蛍光ランプ1a,1cを先に点灯させ、後から中央の直管形蛍光ランプ1bを点灯させる。この場合においても、実施形態1の多灯形の照明器具10と同様に全ての蛍光ランプ1が点灯するができる。
本実施形態では隣接配置させた蛍光ランプ1に気密封止される希ガスをそれぞれ2種として、その混合比を変えたものであるが、蛍光ランプ1間の距離や配置、蛍光ランプ1の消費電力、光出力や形状などを考慮して、複数種の希ガスの配合比を適宜変更することもできる。
すなわち、多灯形の照明器具10において、隣接する蛍光ランプ1のうち、一方の蛍光ランプ1に封入する希ガスを1種類とし、他方の蛍光ランプ1に封入する希ガスを2種類以上とすることもできる。さらに、隣接する蛍光ランプ1にそれぞれ2種類以上の希ガスを気密封止することもできる。例えば、上述の多灯形の照明器具10において、中央に配置される直管形蛍光ランプ1bの希ガスを、アルゴン、ネオンおよびキセノンとし、その配合比を1:1:8とする。また、その両隣の直管形蛍光ランプ1a,1cは、希ガスの種類としてアルゴン、ヘリウムおよびキセノンを用いるが、その配合比は8:1:1としてもよい。
いずれにしろ、隣接した蛍光ランプに気密封止される希ガスに複数の希ガスを用いる場合は、先に点灯する蛍光ランプ1に封入された主となる希ガスの遷移発光した光が、未だ点灯していない隣接する蛍光ランプ1に封入された主となる希ガスの準安定状態Cを脱励起させ、始動電圧が上昇し不灯を生ずる程度まで照射させないことが重要となる。ここで、主となる希ガスとは、複数種の希ガスが混入された場合、最も混入量の多く蛍光ランプ1の放電開始に影響が大きい希ガスをいう。
なお、蛍光ランプ1のバルブ2に封入することができる希ガスの種類として、好適には、ネオン、アルゴン、クリプトンやキセノンが挙げることができ、希ガスの混合比を変える場合も、ネオン、アルゴン、クリプトンやキセノンの混合ガス比を調節することが好ましい。また、所望に応じて希ガスの他、例えば窒素ガスなどを封入しても良い。
(実施形態3)
図5に示す本実施形態の多灯形の照明器具10は、器具本体11内に2つの蛍光ランプ1(1e),1(1d)が収納配置されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
図5に示す本実施形態の多灯形の照明器具10は、器具本体11内に2つの蛍光ランプ1(1e),1(1d)が収納配置されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の各蛍光ランプ1は、無電極蛍光ランプ1d,1eであり、図6に示すように、透光性材料(ガラス等)によって形成したバルブ2と、バルブ2の底に取り付けた円筒状の口金4と、円筒状の放熱パイプ33、該放熱パイプ33の軸方向の一端部側が挿着された円筒状のシリンダ32、前記放熱パイプ33の他端部側で該放熱パイプ33に外装されたフェライトコア34、フェライトコア34に巻回された誘導コイル35で構成したパワーカプラ部30と、を備えている。
バルブ2は、全体として電球形状をしており、外殻部2aと、該外殻部2aの内側に窪んだ凹部2bと、該凹部2b内の底面から該凹部2b内に立設した管状部2cとから構成し、内部には希ガスおよび蒸気化しえる金属として水銀を封入してある。また、バルブ2の内面には、アルミナ等の金属酸化物からなる保護膜(図示せず)を形成し、該保護膜上には励起された水銀が放出する紫外線を可視光に変換するための蛍光体が結着剤とともに塗布し蛍光体被膜5を形成してある。保護膜は、バルブ2のガラス成分が当該バルブ2内部へ溶出するのを防ぎ、ガラス成分と水銀の化学反応による光透過率の低下を防止するために好適に設けることができる。
外殻部2aは、主となる発光部位で、球状の部分と円筒状の部分とが連続して形成してある。
凹部2bは、外殻部2aの上述の円筒状の部分の端から外殻部2aの内側に落ち窪んだ円筒状に形成され、窪みの底で底面を形成してある。
管状部2cは、前記凹部2bの円筒よりも細い円筒状に形成しており、軸方向の一端部を凹部2b内の底面の中央部に立設し、その内部空間は外殻部2aの内側と凹部2bの外側で囲んだ放電空間と連通させてある。管状部2cは、バルブ2内を排気するための排気管を用いて形成したものであって、他端部が外殻部2aの内側に落ち窪んだ凹部2bの外部に引き出され、バルブ2を排気し希ガスを導入した後、管状部2c内にアマルガムが収納された容器6、ロッド8を収め管状部2cの前記他端部を封止してバルブ2を気密密封されてある。
また、管状部2cの内壁には、管状部2cの開口部を有する前記一端部側から密閉した前記他端部側にかけて前記軸方向に順番に、内方に突起する突起部7a、7bを形成しており、前記他端部側の突起部7bとロッド8の間で容器6を保持している。
容器6は、中空の円筒容器形状に形成した金属材料からなっている。容器6の内部には、バルブ2内の放電空間に水銀蒸気を供給する粒子状のアマルガム(図示せず)が収納されている。この水銀を含有するアマルガムを使用することにより、水銀単体を使用した場合に比較して、広い温度範囲でバルブ2内の水銀蒸気圧を略一定に保つことができる。
管状部2cの突起部7aは、コ字状に形成した支持体9の一端部が係止され、管状部2cから放電空間に導出した支持体9の他端部には仕事関数が小さい金属化合物(例えば、水酸化セシウム)を塗布したフラブ9aを固着してある。フラグ9aに塗布された金属化合物は蛍光ランプ1の始動時における電子の数を増やす役割を担っている。
口金4は、樹脂材等により両端部が開口する円筒状に形成し、バルブ2と結合してある。
パワーカプラ部30は、AlやCuなどの熱伝導性材料により形成されバルブ2の管状部2cが挿入される円筒状の放熱パイプ33と、放熱パイプ33の軸方向の一端部側が挿着された円筒状のシリンダ32と、円筒状のシリンダ32および放熱パイプ33の一端部が挿着され支持する円筒状の支持台31と、円筒状の放熱パイプ33の他端部側で放熱パイプ33に外装されたフェライトコア34と、フェライトコア34に巻回された誘導コイル35とを備えている。このパワーカプラ部30は、シリンダ32の大部分、放熱パイプ33の大部分、フェライトコア34、誘導コイル35がバルブ2の凹部2b内に収納され誘導コイル35が管状部2cの軸方向に沿って巻回されている。
本実施形態は、誘導コイル35がバルブ2内部の水銀および希ガスからなる放電媒体を励起する励起手段として働くことになる。
次に、図5に示すように本実施形態の多灯形の照明器具10には、前面が開口した椀状の器具本体11と、前記器具本体11の内部に近接配置させた上述の構成の無電極蛍光ランプ1d,1eと、当該無電極蛍光ランプ1d,1e内の誘導コイル35,35に接続され高周波電力を供給し点灯させるための点灯装置20d,20eとを備えている。
本実施形態の多灯形の照明器具10において、一方の無電極蛍光ランプ1dのバルブ2内には、希ガスとしてアルゴンを気密封止し、他方の無電極蛍光ランプ1eのバルブ2内には、希ガスとしてクリプトンを気密封止した以外は同様の構成にて形成させてある。このように形成させた多灯形の照明器具10を点灯させると、不灯を生じることなく両方の無電極蛍光ランプ1d,1eが点灯することになる。
なお、実施形態2と同様に、蛍光ランプ1のバルブ2内に気密封止される希ガスの種類を代えるだけでなく、希ガスの混合比が異なる(即ち、複数の希ガスを用い、その主となる希ガスの含有量が異なる)場合においても、同様に隣接する無電極蛍光ランプ1e、1dに不灯が生じにくいことはいうまでもない。
なお、無電極の蛍光ランプ1では、バルブ2内部に電極がない。そのため、図7に示した有電極蛍光ランプのように近接配置した蛍光ランプ1の希ガスから放出する光が始動電圧に大きく影響する電極3,3周辺部のみに遮光手段16を設けることもできない。蛍光ランプ1の側面全体で遮光する遮光手段を設けるとすると、遮光手段の占める割合が大きすぎ、蛍光ランプ1の光束を確保することが難しく、配光特性に大きな制限が生じる場合もある。さらに、無電極の蛍光ランプ1は、誘導コイル35による電磁誘導だけでバルブ2内に放電を生じさせる。そのため、実施形態1のようにバルブ2内の電極3,3間で放電を生じさせる有電極の蛍光ランプ1と比較して始動電圧が必然的に高くならざるを得ない。例えば、無電極の蛍光ランプ1を用いて多灯形の照明器具10を構成した場合、消費電力50Wとすると、周囲温度が−20℃までの温度変化を考慮した場合の始動電圧が約2kV程度にもなる。そのため、蛍光ランプ1の始動性を向上させるため始動電圧の上昇分を考慮した点灯装置とすると著しくコストが上昇する。
しかしながら、本実施形態では隣接する蛍光ランプ1に気密封入される希ガスの種類又はその配合比を異ならせる、という比較的簡単な構成で、遮光手段を設けることなく始動性を向上しうることができる。
1 蛍光ランプ
2 バルブ
3 電極(励起手段)
5 蛍光体被膜
10 照明器具
35 誘導コイル(励起手段)
2 バルブ
3 電極(励起手段)
5 蛍光体被膜
10 照明器具
35 誘導コイル(励起手段)
Claims (2)
- 透光性材料からなり内面に蛍光体被膜を形成するとともに内部に少なくとも希ガスからなる放電媒体が気密封止されたバルブと、該バルブ内の前記放電媒体を励起させる励起手段と、を備えた複数の蛍光ランプを隣接して配置した照明器具であって、
前記隣接する蛍光ランプに封入する希ガスの種類又は配合比を異ならせてなることを特徴とする照明器具。 - 前記蛍光ランプは、無電極蛍光ランプであることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
Priority Applications (1)
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JP2008274731A JP2010103016A (ja) | 2008-10-24 | 2008-10-24 | 照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008274731A JP2010103016A (ja) | 2008-10-24 | 2008-10-24 | 照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010103016A true JP2010103016A (ja) | 2010-05-06 |
Family
ID=42293487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008274731A Withdrawn JP2010103016A (ja) | 2008-10-24 | 2008-10-24 | 照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010103016A (ja) |
-
2008
- 2008-10-24 JP JP2008274731A patent/JP2010103016A/ja not_active Withdrawn
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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A621 | Written request for application examination |
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A761 | Written withdrawal of application |
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