JP2010102750A - 偏光性ホログラム素子及び光ピックアップ装置 - Google Patents

偏光性ホログラム素子及び光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光性ホログラム素子において、コストアップを招くことなく、青紫光に対する良好な回折角が得られるようにする。
【解決手段】偏光性ホログラム素子12は、第1及び第2の2つの透明基板30、32と、これらの各透明基板30、32に挟まれたホログラム層34とで構成されている。ホログラム層34には、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜36によってホログラムパターンが形成されている。光学多層膜36は、傾斜して入射する光に対し、複屈折性を示す。これにより、ホログラム層34は、入射した光の偏光方向によって回折の度合いを変化させる。光学多層膜36は、微細加工精度に優れ、青紫光に対しても良好な回折角を得ることができる。また、光学多層膜36は、プロトン交換膜に比べて安価なので、コストアップを招くこともない。
【選択図】図2

Description

本発明は、入射した光の偏光方向によって回折の度合いが異なる偏光性ホログラム素子、及びこれを用いた光ピックアップ装置に関する。
CDやDVDなどの光ディスクに記録されたデータを読み取ったり、光ディスクに対してデータを書き込んだりする光ピックアップ装置が普及している。こうした光ピックアップ装置には、入射した光の偏光方向によって回折の度合いが異なる偏光性ホログラム素子を用いて読み取り用のレーザ光と光ディスクからの反射光とを分離するものがある(例えば、特許文献1参照)。偏光性ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置では、ビームスプリッタやハーフミラーを用いた光ピックアップ装置に比べ、装置の簡素化や小型・軽量化、及びこれらにともなう低価格化を図ることができる。
特許文献1では、高分子液晶などの配向性材料をガラス基板上に塗布した後、直線偏光した光を配向性材料に照射して複屈折性を増大させることにより、配向性薄膜を形成している。そして、この配向性薄膜をエッチングして回折格子のパターン(以下、ホログラムパターンと称す)を形成することにより、偏光性ホログラム素子を製造している。こうすることで、回折効率の高い偏光性ホログラム素子を歩留まりよく製造することができる。
特開平11−312329号公報
近年、405nmの波長の青紫光を用いることによって、赤色光を用いる従来のDVDよりも記録容量を増加させた光ディスクが実用化されている。波長の短い青紫光を偏光性ホログラム素子で分離させるためには、赤色の光が用いられるDVD用のものに比べてホログラムパターンのピッチを狭くしなければならない。しかしながら、配向性材料を用いた偏光性ホログラム素子では、青紫光に対応したピッチのホログラムパターンを形成することが難しく、十分な回折角が得られないという問題がある。
また、偏光性ホログラム素子としては、配向性材料を用いるものの他に、プロトン交換膜によってホログラムパターンを形成するものが知られている。プロトン交換膜を用いた場合には、青紫光に対応したピッチのホログラムパターンも形成することができるが、プロトン交換膜自体のコストが高く、偏光性ホログラム素子のコストアップを招いてしまう。このため、青紫光を良好な回折角で分離し、かつ安価な偏光性ホログラム素子の登場が望まれていた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、コストアップを招くことなく、青紫光を用いた際にも良好な回折角が得られる偏光性ホログラム素子、及びこれを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、入射した光の偏光方向によって回折の度合いが異なるホログラムパターンを有する偏光性ホログラム素子において、光学的に等方性の材料からなり、光が入射する光入射面と所定の角度傾斜した状態で前記光入射面と向かい合う傾斜面とを有する透明基板と、前記傾斜面に設けられ、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜によって前記ホログラムパターンが形成されたホログラム層とを備えたことを特徴とする。
ここで、ホログラム層に用いられる光学多層膜は、2種類の無機誘電体膜を交互に積層するものであることが好ましい。こうすることで、光学多層膜の製造コストを抑えることができる。
なお、前記ホログラム層は、筋状に形成された前記光学多層膜を、その長手方向と略直交する方向に所定の間隔を開けて複数並べることにより、縞模様状の前記ホログラムパターンを形成していることが好ましい。
また、前記光学多層膜は、P偏光光又はS偏光光である第1偏光光に対応する第1屈折率と、前記第1偏光光に対して偏光方向が略90度回転した第2偏光光に対応し、且つ前記第1屈折率よりも高い第2屈折率とを持つ複屈折性を有し、透過する光の偏光方向に応じて異なる位相差を発生させ、前記ホログラム層は、前記各光学多層膜の間に、光学的に等方性であるとともに前記第1屈折率と略同一の屈折率を有し、前記光学多層膜が前記第1偏光光に対して発生させる位相差と同じ位相差を透過する光に発生させる位相補償膜が設けられていることが好ましい。
さらに、前記光学多層膜は、前記光入射面に対して直交する光を前記傾斜面に入射させた際に生じる入射面と、前記長手方向とが略平行になるように形成されていることが好ましい。また、前記ホログラム層を挟むように配置される2つの前記透明基板を設けると、さらに好適である。
なお、入射した光の偏光方向に応じて回折効率が異なるホログラムパターンを有する偏光性ホログラム素子を用いて、光源が照射した読み取り光と、光ディスクの記録面で反射した反射光とを分離する本発明の光ピックアップ装置は、前記偏光性ホログラム素子を、光学的に等方性の材料からなり、光が入射する光入射面と所定の角度傾斜した状態で前記光入射面と向かい合う傾斜面とを有する透明基板と、前記傾斜面に設けられ、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜によって前記ホログラムパターンが形成されたホログラム層とで構成したことを特徴とする。
この際、前記光源は、所定の方向に直線偏光された光を前記読み取り光として照射し、前記偏光性ホログラム素子は、前記光入射面が前記読み取り光の光軸に対して略直交するとともに、前記読み取り光の偏光方向が前記ホログラム層に対してP偏光となるように配置されることが好ましい。
本発明では、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜によってホログラムパターンを形成するようにした。光学多層膜は、高分子液晶などの配向性材料に比べて微細加工精度に優れるため、青紫光に対応したピッチのホログラムパターンも形成可能で、青紫光を用いた際にも良好な回折角を得ることができる。また、光学多層膜は、プロトン交換膜に比べて安価に製造できるため、コストアップを招くこともない。
図1に示すように、光ピックアップ装置2は、レーザダイオード10(以下、LD10と称す)、偏光性ホログラム素子12、コリメートレンズ14、λ/4波長板16、対物レンズ18、フォトダイオード20(以下、PD20と称す)で構成されている。光ピックアップ装置2は、光ディスク4の記録面4aに向けて光源であるLD10から読み取り光を照射する。そして、記録面4aで反射した反射光をPD20で受光し、反射光の光強度の強弱を検知することにより、光ディスク4に記録されたデータを読み取る。
LD10は、直線偏光された光を読み取り光として照射し、その読み取り光を偏光性ホログラム素子12に入射させる。
偏光性ホログラム素子12は、第1及び第2の2つの透明基板30、32と、これらの各透明基板30、32に挟まれたホログラム層34とで構成され、略直方体状に形成されている。ホログラム層34は、第1透明基板30の底面30a、及び第2透明基板32の上面32aに対して略45度傾斜して設けられている。この偏光性ホログラム素子12は、底面30aと上面32aとが読み取り光の光軸Sに対して直交するとともに、読み取り光の偏光方向がホログラム層34に対してP偏光となるように配置される。
各透明基板30、32には、光学ガラスや光学プラスチックなどの光学的に等方性の材料が用いられている。ホログラム層34には、入射する光の偏光方向によって回折の度合いが異なるホログラムパターンが形成されている。なお、図1では、便宜上、ホログラム層34に厚みを持たせて記載しているが、ホログラム層34の膜厚は、約0.6μmである。
ホログラム層34は、P偏光光が入射した場合、その光をほとんど回折させることなく、そのまま透過させる。一方、ホログラム層34は、S偏光光が入射した場合、その光を回折させる。従って、偏光性ホログラム素子12は、LD10からP偏光の読み取り光が入射されると、その読み取り光を透過させてコリメートレンズ14に入射させる。
コリメートレンズ14は、光軸Sを中心に±10度程度の広がりを持ってLD10から照射される読み取り光を平行光束に変換し、λ/4波長板16に入射させる。λ/4波長板16は、直線偏光の読み取り光を円偏光に変換し、対物レンズ18に入射させる。対物レンズ18は、円偏光に変換された読み取り光を記録面4a上に集光させ、読み取り光を記録面4aに照射する。
記録面4aに照射された読み取り光は、記録面4aで反射し、反射光となって再び対物レンズ18に入射する。この際、反射光は、ピットの有無や結晶化による反射率の変化などといった記録面4aの状態に応じて光強度が変化する。また、反射光は、記録面4aで反射することにより、読み取り光とは逆向きに回転する円偏光になる。
対物レンズ18は、入射した反射光を平行光束に変換し、λ/4波長板16に入射させる。λ/4波長板16は、円偏光の反射光を直線偏光の光に変換し、コリメートレンズ14に入射させる。この際、反射光は、読み取り光と回転方向が逆向きの円偏光であるため、読み取り光に対して90度回転した直線偏光、すなわちホログラム層34に対するS偏光光に変換される。コリメートレンズ14は、反射光を集光し、偏光性ホログラム素子12に入射させる。
偏光性ホログラム素子12は、S偏光の反射光が入射すると、その反射光をホログラム層34で回折させ、光軸Sに対して約11度傾いた1次回折光をPD20に入射させる。PD20は、入射した1次回折光を光電変換し、その光強度に応じた電気信号を出力する。これにより、光ディスク4に記録されたデータが読み出される。
図2は、偏光性ホログラム素子12の構成を概略的に示す分解斜視図である。第1透明基板30は、略台形柱状に形成されており、LD10からの読み取り光が入射する光入射面である底面30aと、略45度傾斜した状態で底面30aと向かい合う傾斜面30bとを有している。第2透明基板32は、略三角柱状に形成されており、記録面4aからの反射光が入射する光入射面である上面32aと、略45度傾斜した状態で上面32aと向かい合う傾斜面32bとを有している。
各透明基板30、32は、各傾斜面30b、32bでホログラム層34を挟むように組み合わされる。これにより、前述のように、偏光性ホログラム素子12が略直方体状に形成されるとともに、ホログラム層34が略45度傾斜して設けられる。なお、底面30a、及び上面32aには、これらの面における光の反射を防止するAR(Anti-Reflection)コート層を設けることが好ましい。
図2、及び図3に示すように、ホログラム層34は、筋状に形成され、その長手方向(矢線A方向)と略直交する方向に所定の間隔を開けて複数並べられた光学多層膜36と、これらの各光学多層膜36の間に設けられた位相補償膜38とで構成されている。ホログラム層34は、これらの各膜36、38によって縞模様状のホログラムパターンを形成している。
各膜36、38は、光入射面である底面30a及び上面32aに対して直交する光を各傾斜面30b、32bに入射させた際に生じる入射面と、それぞれの長手方向とが略平行になるように形成されている。各膜36、38の膜厚Tは、前述のように、約0.6μmである。また、光学多層膜36の配列ピッチPtは、約2.0μmである。なお、膜厚T、及び配列ピッチPtは、これに限定されるものではない。
図4に示すように、光学多層膜36は、第1誘電体膜40と、この第1誘電体膜40よりも低い屈折率の第2誘電体膜42とを交互に積層することで構成される。本実施形態では、7層の第1誘電体膜40と、6層の第2誘電体膜42とからなる13層構造の光学多層膜36を示している。第1誘電体膜40には、例えば、五酸化ニオブ(Nb)が用いられる。また、第2誘電体膜42には、例えば、酸化シリコン(SiO)が用いられる。このように構成された光学多層膜36は、P偏光光に対応する第1屈折率と、S偏光光に対応し、且つ第1屈折率よりも高い第2屈折率とを持つ複屈折性を有している。なお、各誘電体膜40、42の層数、及び材料は、上記に限定されるものではない。
位相補償膜38は、ランタンとアルミナの混合物による単層構造に構成されている。この位相補償膜38は、光学的に等方性であるとともに、45度傾斜した光学多層膜36の第1屈折率と同じ屈折率を有している。なお、位相補償膜38の材料は、上記に限定されるものではなく、等方性で第1屈折率と同じ屈折率を有するものであれば、如何なるものでもよい。さらに、位相補償膜38は、単層構造に限らず、上記の条件を満たすものであれば多層構造でもよい。
上記構成の偏光性ホログラム素子12を製造するには、先ず、蒸着によって第2透明基板32の傾斜面32bの全体に光学多層膜36を形成する。光学多層膜36の形成方法については、例えば、特開2007−102111号公報に詳細に説明されている。次に、光学多層膜36をイオンミーリングなどによってエッチングすることにより、傾斜面32bの全体に形成された光学多層膜36を、筋状の複数の光学多層膜36に成形する。この後、蒸着によって各光学多層膜36の間に位相補償膜38を充填することにより、ホログラム層34を形成する。そして、各傾斜面30b、32bでホログラム層34を挟むように、ホログラム層34が形成された第2透明基板32を第1透明基板30に接着することにより、偏光性ホログラム素子12が完成する。
なお、光学多層膜36のエッチングによって各膜36、38の特性にバラツキが生じる場合には、傾斜面32bと光学多層膜36(ホログラム層34)との間に、ガラスなどからなるバッファ層を設けることが好ましい。また、偏光性ホログラム素子12の製造手順は、上記に限定されるものではない。
図5、及び図6は、波長405nmの光を各膜36、38に照射した際に、各膜36、38が透過する光に与える位相差を示す位相特性のグラフである。図5は、P偏光光を入射させた場合を示し、図6は、S偏光光を入射させた場合を示している。また、各グラフの横軸は、入射する光の光軸に対する各膜36、38の傾斜角度(本例では、45度)であり、各グラフの縦軸は、各膜36、38が透過する光に与える位相差である。
図5、及び図6に示すように、等方性の材料からなる位相補償膜38は、入射する光の偏光方向に関わらず、ほぼ同一の位相特性を示す。これに対し、複屈折性を有する光学多層膜36は、P偏光光とS偏光光とで異なる位相特性を示す。
前述のように、45度の傾斜角度でP偏光光が入射した場合、各膜36、38の屈折率は、同じである。このため、各膜36、38は、図5に示すように、45度の傾斜角度でP偏光光が入射した場合、ほぼ同一の位相差で光を透過させる。一方、S偏光光が入射した場合、光学多層膜36の屈折率は、位相補償膜38の屈折率よりも高くなる。このため、45度の傾斜角でS偏光光が入射した場合、光学多層膜36は、P偏光光の入射時、及び位相補償膜38を透過する光と比べて、約180度位相を遅らせる。
ホログラム層34による回折度合いの変化は、上記した光学多層膜36の複屈折性に起因する。各傾斜面30b、32bによって45度傾斜して設けられるホログラム層34にP偏光光が入射した場合には、光学多層膜36を透過する光と位相補償膜38を透過する光とに与えられる位相差が同一であるため、前述のように、ほとんど回折することなく入射した光が透過する。これに対し、ホログラム層34にS偏光光が入射した場合には、光学多層膜36を透過する光と位相補償膜38を透過する光とに約180度の位相差が与えられるため、回折が大きくなり、前述のように、入射した光の光軸に対して約11度傾いた1次回折光が出射される。
[実施例]
次に、上記構成の偏光性ホログラム素子12の実施例について説明する。各透明基板30、32には、屈折率1.80063の光学ガラスを用いた。第2透明基板32の傾斜面32bに、下表1に示す13層構造の光学多層膜36を形成した。
Figure 2010102750
光学多層膜36をエッチングした後、各光学多層膜36の間に、ランタンとアルミナとの混合物(屈折率1.75)からなる位相補償膜38を630nmの膜厚で設け、ホログラム層34を形成した。この後、ホログラム層34が形成された第2透明基板32と第1透明基板30とを接着し、偏光性ホログラム素子12を完成させた。
図7〜10は、完成した偏光性ホログラム素子12に波長405nmの光を入射させた際の透過率を示すグラフである。各グラフの横軸は、底面30a又は上面32aに入射する光の入射角度(光の広がり角度)であり、各グラフの縦軸は、偏光性ホログラム素子12を透過した回折光の透過率(回折効率)である。また、図7は、P偏光光を入射させた際の0次回折光の透過率を示し、図8は、P偏光光を入射させた際の1次回折光の透過率を示し、図9は、S偏光光を入射させた際の0次回折光の透過率を示し、図10は、S偏光光を入射させた際の1次回折光の透過率を示している。
偏光性ホログラム素子12にP偏光光を入射させた場合、図7に示すように、0次回折光は、±12度の入射角度にわたって、ほぼ100%の透過率を示した。この際、図8に示すように、1次回折光の透過率は、±12度の入射角度にわたって、ほぼ0%であった。一方、偏光性ホログラム素子12にS偏光光を入射させた場合、図9に示すように、0次回折光は、−12度〜8度の入射角度の範囲で、ほぼ0%の透過率を示した。この際、図10に示すように、1次回折光の透過率(すなわち回折効率)は、−12度〜8度の入射角度の範囲で、約40%であった。また、1次回折光の回折角は、約11度であった。このように、本実施例によれば、波長405nmの青紫光に対し、約40%の高い回折効率、及び約11度の良好な回折角を得ることができる。
なお、上記実施形態では、2つの透明基板30、32を用い、ホログラム層34を挟むようにしたが、透明基板は、いずれか一方だけでもよい。また、上記実施形態では、ホログラム層34の傾斜角度を45度としたが、傾斜角度は、これに限定することなく、任意の角度でよい。さらに、上記実施形態では、LD10からP偏光の読み取り光を偏光性ホログラム素子12に入射させるようにしたが、これとは反対に、S偏光の読み取り光を入射させてもよい。また、上記実施形態では、光ピックアップ装置2に本発明の偏光性ホログラム素子12を適用したが、本発明の偏光性ホログラム素子12は、これに限ることなく、他の光学装置に適用してよい。
光ピックアップ装置の構成を概略的に示す説明図である。 偏光性ホログラム素子の構成を概略的に示す分解斜視図である。 ホログラム層の構成を概略的に示す部分断面図である。 光学多層膜の構成を概略的に示す断面図である。 光学多層膜と位相補償膜とのP偏光に対する位相特性を示すグラフである。 光学多層膜と位相補償膜とのS偏光に対する位相特性を示すグラフである。 偏光性ホログラム素子にP偏光光を入射させた際の0次回折光の透過率を示すグラフである。 偏光性ホログラム素子にP偏光光を入射させた際の1次回折光の透過率を示すグラフである。 偏光性ホログラム素子にS偏光光を入射させた際の0次回折光の透過率を示すグラフである。 偏光性ホログラム素子にS偏光光を入射させた際の1次回折光の透過率を示すグラフである。
符号の説明
2 光ピックアップ装置
4 光ディスク
4a 記録面
10 LD(光源)
12 偏光性ホログラム素子
30 第1透明基板
30a 底面(光入射面)
30b 傾斜面
32 第2透明基板
32a 上面(光入射面)
32b 傾斜面
34 ホログラム層
36 光学多層膜
38 位相補償膜
40 第1誘電体膜
42 第2誘電体膜

Claims (7)

  1. 入射した光の偏光方向によって回折の度合いが異なるホログラムパターンを有する偏光性ホログラム素子において、
    光学的に等方性の材料からなり、光が入射する光入射面と、所定の角度傾斜した状態で前記光入射面と向かい合う傾斜面とを有する透明基板と、
    前記傾斜面に設けられ、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜によって前記ホログラムパターンが形成されたホログラム層とを備えたことを特徴とする偏光性ホログラム素子。
  2. 前記ホログラム層は、筋状に形成された前記光学多層膜を、その長手方向と略直交する方向に所定の間隔を開けて複数並べることにより、縞模様状の前記ホログラムパターンを形成していることを特徴とする請求項1記載の偏光性ホログラム素子。
  3. 前記光学多層膜は、P偏光光又はS偏光光である第1偏光光に対応する第1屈折率と、前記第1偏光光に対して偏光方向が略90度回転した第2偏光光に対応し、且つ前記第1屈折率よりも高い第2屈折率とを持つ複屈折性を有しており、透過する光の偏光方向に応じて異なる位相差を発生させ、
    前記ホログラム層は、前記各光学多層膜の間に、光学的に等方性であるとともに前記第1屈折率と略同一の屈折率を有し、前記光学多層膜が前記第1偏光光に対して発生させる位相差と同じ位相差を透過する光に発生させる位相補償膜が設けられていることを特徴とする請求項2記載の偏光性ホログラム素子。
  4. 前記光学多層膜は、前記光入射面に対して直交する光を前記傾斜面に入射させた際に生じる入射面と、前記長手方向とが略平行になるように形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の偏光性ホログラム素子。
  5. 前記ホログラム層を挟むように配置される2つの前記透明基板を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光性ホログラム素子。
  6. 入射した光の偏光方向に応じて回折効率が異なるホログラムパターンを有する偏光性ホログラム素子を用いて、光源が照射した読み取り光と、光ディスクの記録面で反射した反射光とを分離する光ピックアップ装置において、
    前記偏光性ホログラム素子を、光学的に等方性の材料からなり、光が入射する光入射面と所定の角度傾斜した状態で前記光入射面と向かい合う傾斜面とを有する透明基板と、前記傾斜面に設けられ、屈折率の異なる複数の誘電体膜を交互に積層してなる光学多層膜によって前記ホログラムパターンが形成されたホログラム層とで構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 前記光源は、所定の方向に直線偏光された光を前記読み取り光として照射し、
    前記偏光性ホログラム素子は、前記光入射面が前記読み取り光の光軸に対して略直交するとともに、前記読み取り光の偏光方向が前記ホログラム層に対してP偏光となるように配置されることを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。
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JPH08313730A (ja) * 1995-05-22 1996-11-29 Sony Corp 偏光分離素子

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