JP2010101013A - 免震構造 - Google Patents

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Akihiko Uchida
明彦 内田
Toshio Yonezawa
敏男 米澤
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Abstract

【課題】地震時に軟弱地盤を液状化させて免震効果を発揮させると同時に、構造物の浮き上がりを防止する免震構造を提供する。
【解決手段】軟弱地盤12上に構造物14が構築され、地盤改良層16で支持されている。直接基礎42の内部にはピット30が設けられ、構造物14の周囲にはRC連続壁26が構築されている。軟弱地盤12にはスタンドパイプ20が略垂直に埋め込まれ、加圧水を注入するポンプ22と接続されている。ポンプ22は貯水タンク23に接続され、地震計36と共にコントローラ40に接続されている。ポンプ22とスタンドパイプ20の間には切替弁25が設けられ、地震時には貯水タンク23の加圧水を軟弱地盤12内に注入し、軟弱地盤12を液状化させる。同時に、貯水タンク28の水をポンプ32でピット30に注入する。ポンプ32とポンプ34はいずれもコントローラ40で制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟弱地盤を強制的に液状化させて免震効果を発揮させる免震構造に関する。
埋立地や沖積の河川堆積地等の比較的緩い砂が堆積している軟弱な地盤(以下軟弱地盤という)は、地震時に地盤が液状化し、地盤の沈下や噴砂・噴水現象などが生じることがある。このような軟弱地盤に建てられた直接基礎の構造物は、液状化によって地盤の支持力が低下するため、直接基礎の沈下や構造物の傾斜などの被害を受ける。このため、従来は、液状化の可能性のある軟弱地盤では地盤改良を行い、改良された地盤に構造物を建てていた。
しかし、一方で、液状化された地盤は、地震時に地盤の非線形性が顕著に現れるため、地盤のせん断ひずみが大きくなると共に減衰も大きくなるという特徴を有する。
このせん断ひずみによる減衰は、地震による繰返しせん断に伴う地盤の履歴減衰であり、液状化された地盤では発生するひずみが大きく履歴減衰も大きくなる。即ち、地盤の深部から入力される地震時の振動が地表に伝わりにくくなり、地中よりも地表の揺れが小さくなる。なお、この現象は、阪神大震災の観測記録でも確認されている。
そこで、地盤の液状化を利用した免震構造が提案されている(特許文献1)。
図5に示すように、特許文献1の免震構造80は、軟弱地盤82上に直接基礎100の構造物84が建てられ、構造物84を支持する改良地盤83は、軟弱地盤82に根入れがされている。改良地盤83及び直接基礎100を取り囲んで、遮水壁86が設けられており、遮水壁86の下端部は、不透水層88に到達している。
構造物84の屋上には貯水タンク94が設けられ、軟弱地盤82にはスタンドパイプ90が鉛直方向に埋め込まれ、貯水タンク94からスタンドパイプ90に加圧水を送るポンプ92が貯水タンク94とスタンドパイプ90の間に配置されている。また、軟弱地盤82上には地震計96が設置され、地震計96の出力はポンプ92を制御する制御装置98に接続されている。
これにより、地震計96が地震振動を検出して制御装置98に出力し、制御装置98は運転開始指令をポンプ92に送る。ポンプ92は、貯水タンク94から軟弱地盤82へ加圧水を注入させ軟弱地盤82を強制的に液状化させる。これにより、液状化された軟弱地盤82が免震効果を発揮し、構造物84への地震入力が低減する。
しかし、特許文献1の構成では、例えば構造物84が低層で、かつ改良地盤83の根入れが深い場合には、液状化による浮力で構造物84が浮き上がり、構造物が傾斜する等の問題が生じる。
特開2007−247165号公報
本発明は係る事実を考慮し、地震時に軟弱地盤を液状化させて免震効果を発揮させると同時に、構造物の浮き上がりを防止する免震構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明に係る免震構造は、構造物が構築された軟弱地盤を囲み、不透水層に到達する遮水壁と、前記遮水壁に囲まれた前記軟弱地盤内の水圧を上昇させる加圧手段と、前記軟弱地盤内の水圧が上昇したとき、浮力を打ち消す力を生じさせ、前記構造物の浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段と、地震波を感知したとき、前記加圧手段及び前記浮上り防止手段の作動を開始させる制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、遮水壁が軟弱地盤上の構造物の周囲を囲み、かつ下端部が不透水層に到達している。そして、制御手段が地震波を感知したとき、加圧手段に、遮水壁によって囲まれた軟弱地盤内の水圧を加圧させる作動の開始を指示する。また、浮き上がり防止手段に、液状化により発生する浮力を打ち消す力を生じさせる作動の開始を指示する。
これにより、地震時に、軟弱地盤が加圧水により強制的に液状化され、液状化された軟弱地盤が免震効果を発揮して構造物への地震入力が低減する。同時に、浮き上がり防止手段により、構造物の浮き上がりが防止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の免震構造において、前記加圧手段は、前記構造物の外部に設けられ、加圧水を貯留する加圧水槽と、前記制御手段からの指示を受け、前記加圧水槽から、前記遮水壁に囲まれた前記軟弱地盤内に前記加圧水を注入する加圧水注入手段と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、加圧水槽が加圧水を貯留しており、加圧水注入手段が、制御手段から指示を受けて、加圧水槽から遮水壁に囲まれた軟弱地盤内に加圧水を注入する。
これにより、地震時に、軟弱地盤が強制的に液状化され、液状化された軟弱地盤が免震効果を発揮して、構造物への地震入力を低減する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の免震構造において、緊急地震速報を受信し前記制御手段に出力する受信手段、若しくは、前記軟弱地盤上に設置され地震時のP波を検出し前記制御手段に出力する地震計、を有することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、受信手段が緊急地震速報を検出し制御手段に出力する。若しくは、軟弱地盤上に備えられた地震計が地震時のP波を検出し制御手段に出力する。これにより、緊急地震速報による地震情報、若しくは、地震計が検出したP波を、加圧手段及び浮き上がり防止手段の作動開始の制御に活用できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造において、前記浮き上がり防止手段は、前記構造物の外部に設けられ、浮き上がり防止用の液体を貯留する外部貯留槽と、前記構造物の内部に設けられ、地震時に前記液体が注入される内部貯留槽と、前記制御手段からの指示を受け、前記外部貯留槽から前記内部貯留槽へ前記液体を注入する注入手段と、を有することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、外部貯留槽に浮き上がり防止用の液体が貯留されている。また、構造物の内部には内部貯留槽が設けられ、制御手段からの指示を受けて、注入手段が外部貯留槽から内部貯留槽へ液体を注入する。
これにより、地震時に内部貯留槽に注入された液体の質量が、浮力を打ち消す力として作用し、構造物の浮き上がりが防止される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の免震構造において、前記内部貯留槽に注入された前記液体を、前記外部貯留槽に排出する排出手段を有することを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、排出手段が、内部貯留槽に注入された液体を外部貯留槽に排出する。
これにより、地震が終了した後に、軟弱地盤からの加圧水の排出とタイミングを一致させて、内部貯留槽から液体を外部貯留槽構に排出できる。内部貯留槽から液体を排出することで、直接基礎が沈下するのを防止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造において、前記浮上り防止手段は、前記硬質地盤の内部に埋め込まれたアンカーと、前記構造物の基礎部に設けられた接続部と、一方の端部を前記接続部に接続し、他方の端部を前記アンカーに接続し、前記アンカーと前記接続部の間に張られたワイヤーと、を有することを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、アンカーが硬質地盤又は不透水層の内部に埋め込まれ、接続部が構造物の基礎部に設けられ、ワイヤーがアンカーと接続部の間に張られている。これにより、アンカーに接続されたワイヤーにより、構造物の基礎部に浮力を打ち消す下向きの力が作用し構造物の浮き上がりが防止される。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の免震構造において、前記接続部には、前記制御手段からの指示を受け、前記ワイヤーとの接続と解除の切り替えを行う切替装置が備えられていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、接続部に設けられた切替装置が、接続部とワイヤーの接続と解除の切り替えを行っている。
これにより、地震時には接続部とワイヤーを接続し、ワイヤーに構造物の基礎部に浮力を打ち消す下向きの力を発生させ、地震時以外には接続部とワイヤーを開放できる。
本発明は上記構成としたので、地震時に、軟弱地盤を液状化させて免震効果を発揮させ、同時に構造物の浮き上がりを防止できる。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る免震構造10は、不透水層18の上層にある軟弱地盤12上に、RC造の低層の構造物14が構築されている。
構造物14は、直接基礎42を有し、直接基礎42は軟弱地盤12を改良した地盤改良層16で支持されている。直接基礎42の内部には、地震時に浮き上がり防止用の水が注入されるピット30が設けられている。地盤改良層16の下部(地盤改良層16と不透水層18の間)には、軟弱地盤12が未改良層として残されている。
構造物14の周囲を取り囲んで、RC連続壁(遮水壁)26が構築されており、このRC連続壁26の下端部は不透水層18に根入れされている。即ち、このRC連続壁26によって未改良層として残された軟弱地盤12が、周囲の軟弱地盤13と分断されている。
また、軟弱地盤12中の地下水の水位C付近には、不透水層27が設けられている。不透水層27は、RC連続壁26と直接基礎42若しくは構造物14の外壁との間にあり、地下水の水位C付近の高さに位置する軟弱地盤12を、薬液注入工法によって改良し、遮水性を持たせたものである。
これによって、軟弱地盤12は、RC連続壁26、不透水層18、不透水層27、及び地盤改良層16によって囲まれ、概ね密閉されている。
また、軟弱地盤12には、スタンドパイプ20が略垂直に埋め込まれている。スタンドパイプ20は、地表面から地盤改良層16の底面より深い位置まで達する長さとされ、スタンドパイプ20の下端部は下に向けて開口し、噴出口20Aとなっている。
スタンドパイプ20の上端部は、加圧水を注入するポンプ22と接続され、ポンプ22は、構造物14の屋外に設けられた貯水タンク23に接続されている。また、ポンプ22は、構造物14の屋内に設けられたコントローラ40と接続され、運転の開始と停止が制御されている。
また、ポンプ22とスタンドパイプ20の上端部の間には、加圧水の流路の切替が可能な切替弁25が設けられている。切替弁25は、ポンプ22とスタンドパイプ20との間を接続する流路、スタンドパイプ20と貯水タンク23の間を接続する流路、スタンドパイプ20側を閉止する流路、の3つの流路切替えができる。
これにより、切替弁25の操作により、貯水タンク23の加圧水を、ポンプ22でスタンドパイプ20から軟弱地盤12内に注入した後ポンプ22を停止して、RC連続壁26によって囲まれた軟弱地盤12内の圧力を一定に保つことができる。
更に、軟弱地盤12内の圧力開放時に、切替弁25をスタンドパイプ20と貯水タンク23の間を接続する流路に切り替え、軟弱地盤12に注入された加圧水を、排出管44を介して貯水タンク23に戻すことができる。このときの加圧水の戻りは、加圧された軟弱地盤12内の圧力で戻すため、ポンプは不要である。
なお、スタンドパイプ20の上端部にはフィルター(図示せず)が取り付けられており、これによって、水と一緒に土砂が貯水タンク23に戻るのを防いでいる。
また、軟弱地盤13の地表面には貯水タンク28が設けられ、貯水タンク28の水をポンプ32により、ピット30に注入する。なお、ピット30の近くにはポンプ34が設けられており、ピット30に注入された水をポンプ34で貯水タンク28に戻す。
ポンプ32とポンプ34は、いずれもコントローラ40に接続され、コントローラ40がポンプ32とポンプ34の運転の開始と停止をコントロールする。
次に、本発明の第1の実施形態に係る免震構造10の作用及び効果について説明する。
地震が発生し、地震計36が地震のP波を検知すると、検知したP波の大きさによって、コントローラ40はポンプ22、32を作動させるか否かの判断を行う。
予め定めてある閾値以上の大きさのP波が検知された場合には、コントローラ40は先ずポンプ22を作動させ、貯水タンク23の水をスタンドパイプ20に加圧注入させる。そして、スタンドパイプ20内の水圧を上昇させ、スタンドパイプ20の下端部に設けられた噴出口20Aから加圧された水を噴出させる。
これによって、RC連続壁26によって囲まれた軟弱地盤12内の水圧、即ち、間隙水圧が上昇し、強制的に軟弱地盤12が液状化される。
同時に、コントローラ40は、ポンプ32も作動させ、構造物14の屋外に設けられた貯水タンク32の水をピット30に注入させる。これにより、構造物14の重量が増し、強制的に軟弱地盤12を液状化しても、構造物14の浮き上がりが防止できる。
液状化が完了した後、軟弱地盤12内の水圧が低下しないように、切替弁25をスタンドパイプ20側を閉止する流路に切り替え、ポンプ22を停止する。
これにより、強制的に液状化させた軟弱地盤12が免震効果を発揮し、構造物14への地震入力が低減する。同時に、ピット30に注入した水で構造物14の重量が増し、構造物14の浮き上がりが防止される。
また、地震力の大小を問わず、必要なときに強制的に軟弱地盤12を液状化して構造物14への地震入力を低減できるので、構造物14の耐震強度を下げた設計が可能となり、建設コストが削減できる。
また、軟弱地盤12は、RC連続壁26、不透水層18、不透水層27、地盤改良層16によって囲まれ、概ね密閉された状態になっている。これにより、液状化の際に発生する過剰間隙水圧が早期に消散してしまうことを防ぎ、より確実に液状化が図れると共に、液状化を早めることができる。
また、P波(初動)を検知した時点でポンプ22の運転を開始させるので、S波(主要動)が到達する前に軟弱地盤12を液状化をさせることができ、地震による構造物14の被害を抑制できる。
地震が止んだ後は、切替弁25を、スタンドパイプ20と貯水タンク23を接続する流路に切り替えることで、軟弱地盤12内に注入された加圧水を貯水タンク23に戻すことができる。これにより、過剰間隙水圧が消散して軟弱地盤12は元の状態に戻る。
このとき、同時にポンプ34の運転を開始し、ピット30の水を排水タンク28に排出する。これにより、構造物14の重量を地震前の重量に戻し、軟弱地盤12での沈下が抑制できる。
なお、本実施の形態では、地震計36を備え、地震計36で計測したP波をコントローラ40に出力する制御例で説明したが、地震計36を設置せずに、替わりに緊急地震速報の受信手段38を備えて、受信した緊急地震速報をコントローラ40に出力し、ポンプ22、32の運転を開始させてもよい。
次に軟弱地盤12で発生する浮力について説明する。
図2(A)に示すように、2階建て程度の低層の構造物14を想定し、概算重量として、地上部の重量W2=4t/m、地下部(斜線部)の重量W3=2.5t/m、地上部と地下部を合わせた建物重量W1=W2+W3=6.5t/mとする。
一方、地下部分の基礎底面に作用する浮力F1は、軟弱地盤12への根入れ深さを4mとし、地下水位面を地表とすると、水の単位体積重量は約1.0t/mであるため、F1=1.0t/m×4mで求められ、計算するとF1=4.0t/mとなる。
即ち、地上部と地下部を合わせた建物重量W1=6.5t/mに対して、浮力F1=4.0t/mなので、常時は構造物14が浮き上がることはない。
次に、図2(B)に示すように、軟弱地盤12を液状化させた場合、構造物14の根入れ深さに対応する浮力F2は、液状化された時の泥水比重を一般に言われている値である1.9t/mとすると、浮力F2=1.9t/m×4mで求められ、計算するとF2=7.2t/mとなる。
即ち、地震時には、浮力F1=7.2t/mが、構造物14の建物重量W1=6.5t/mより大きくなるので、浮き上がる可能性がある。
浮き上がりを防止するためには、基礎部42にピット30を設け、ピット30内におもりとしての水を注入すればよい。例えば、水の比重は1.0t/mなので、70cmの水位に相当する量をピット内に貯めれば、浮き上がりが防止できる。
このとき、ピット30内に供給するおもりは水でなくてもよい。比重の大きな液体の方が注入する量が少なくて済むので望ましい。例えば、比重が2程度の重泥水でもよい。
なお、地盤改良層16は、ソイルセメント系改良体、サンドコンパクションパイル工法等により締固めた砂等が考えられるが、これに限るものではなく、液状化を防止できる地盤改良材であればよい。
また、軟弱地盤12を囲む遮水層としてRC連続壁26を示したが、遮水性を有するものであればよく、ソイルセメント壁、鋼矢板壁、鋼管矢板壁等を用いてもよい。
(第2の実施形態)
図3(A)に示すように、第2の実施形態に係る免震構造50は、第1の実施形態に係る免震構造10とは、浮き上がり防止手段の構成が相違する。従って、以下の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
硬質地盤18の上層にある軟弱地盤12上に、RC造の低層の構造物52が構築されている。構造物52は直接基礎60を有し、直接基礎60は軟弱地盤12を改良した地盤改良層16で支持されている。
直接基礎42の外壁にはフック58が外に向けて取付られている。フック58にはワイヤー56の一方の端部が接続されている(図3(B)参照)。また、地盤改良層16の下部には軟弱地盤12が未改良層として残されており、軟弱地盤12の下層の不透水層18の更に下層の硬質地盤19にはアンカー54が埋め込まれている。そして、ワイヤー56の他方の端部がアンカー54と接続され、フック58とアンカー54の間にワイヤー56が張られている。なお、ワイヤー56は、地盤改良層16を貫通してフック58とアンカー54の間に張られている。
即ち、フック58とアンカー54の間に張られたワイヤー56により、直接基礎60と硬質地盤18の距離が一定に保たれている。
これにより、地震時に、上述の方法で軟弱地盤12を液状化させて構造物42に浮力が発生しても、ワイヤー56により浮力を打ち消す下向きの力が作用し、構造物42の浮き上がりが防止される。
なお、直接基礎60とワイヤー56を、常時は接続せず、地震時にのみ接続することもできる。
即ち、図4(A)に示すように、直接基礎60の外壁には、切替装置64がフランジ44を用いてボルト(図示せず)で固定され、切替装置64を上下方向にワイヤー56が貫通している。
切替装置64は、上下面が閉じた筒状の筐体66で囲まれ、筐体66の上下面にはワイヤー56を上下方向に貫通させる貫通孔46が設けられている。筐体66の内部には、2分割されワイヤー56を囲む筒体のチャック68A、68Bと、ワイヤー56を囲む筒体でチャック68A、68Bを囲み、チャック68A、68Bの上部に設けられたリング70が配置されている。
チャック68A、68Bは、ワイヤー56を両側から挟む構成とされ、ワイヤー56を挟む内周面には滑り止めの爪部69A、69Bが設けられている。また、チャック68の外周面にはバネ76A、76Bが設けられ、筐体66を反力受けとして、バネ76Aがチャック68Aを、バネ76Bがチャック68Bを、それぞれワイヤー56に向けて付勢している。
チャック68A、68Bの上端はリング70とワイヤー56の間に差し込まれ、チャック68A、68Bの下部は分割位置で径方向に広げられ、広げられた隙間部には、横方向から伸縮するピン72が挿入され、広げられた状態を維持している。
図4(B)に示すように、ピン72は、筐体66に取付られたソレノイド74で矢印Pの方向に伸縮可能とされ、ソレノイド74は、コントローラ62からの指令を受けて、ピン72を伸縮させる。
即ち、常時は、ピン72がチャック68A、68Bの横方向から分割位置に挿入され、チャック68A、68Bを横方向に広げている。これにより、直接基礎60とワイヤー56は接続されず、ワイヤー56の上下方向の移動が可能となる。
一方、図4(C)に示すように、地震時には、コントローラ62からの指令を受けて、ソレノイド74がピン72を引き下げ、チャック68A、68Bの隙間部からピン72を抜き、チャック68A、68Bを閉じさせる。この結果、バネ76A、76Bがチャック68A、68Bをワイヤー56に押し当ててワイヤー56の上下方向の移動を制限し、直接基礎60とワイヤー56を接続する。
本発明の第1の実施形態に係る免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造に生じる浮力を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る免震構造のワイヤーとの接続部の構造を示す図である。 従来の免震構造を示す図である。
符号の説明
10 免震構造
12 軟弱地盤
13 軟弱地盤
14 RC造りの低層の構造物(構造物)
16 地盤改良層
18 不透水層
19 硬質地盤
20 スタンドパイプ(加圧手段)
22 ポンプ(加圧手段)
23 貯水タンク(加圧手段)
26 RC連続壁(遮水層)
28 貯留タンク(外部貯留槽)
30 ピット(内部貯留槽)
32 ポンプ(注入手段)
32 ポンプ(排出手段)
36 地震計
38 緊急地震速報の受信手段
40 コントローラ(制御手段)
42 直接基礎
50 免震構造
52 RC造りの低層の構造物(構造物)
54 アンカー(浮き上がり防止装置)
56 ワイヤー(浮き上がり防止装置)
58 フック(浮き上がり防止装置)
64 切替装置(浮き上がり防止装置)

Claims (7)

  1. 構造物が構築された軟弱地盤を囲み、不透水層に到達する遮水壁と、
    前記遮水壁に囲まれた前記軟弱地盤内の水圧を上昇させる加圧手段と、
    前記軟弱地盤内の水圧が上昇したとき、浮力を打ち消す力を生じさせ、前記構造物の浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段と、
    地震波を感知したとき、前記加圧手段及び前記浮上り防止手段の作動を開始させる制御手段と、
    を有する免震構造。
  2. 前記加圧手段は、
    前記構造物の外部に設けられ、加圧水を貯留する加圧水槽と、
    前記制御手段からの指示を受け、前記加圧水槽から、前記遮水壁に囲まれた前記軟弱地盤内に前記加圧水を注入する加圧水注入手段と、
    を有する請求項1に記載の免震構造。
  3. 緊急地震速報を受信し前記制御手段に出力する受信手段、若しくは、前記軟弱地盤上に設置され地震時のP波を検出し前記制御手段に出力する地震計、を有する請求項1又は2に記載の免震構造。
  4. 前記浮き上がり防止手段は、
    前記構造物の外部に設けられ、浮き上がり防止用の液体を貯留する外部貯留槽と、
    前記構造物の内部に設けられ、地震時に前記液体が注入される内部貯留槽と、
    前記制御手段からの指示を受け、前記外部貯留槽から前記内部貯留槽へ前記液体を注入する注入手段と、
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造。
  5. 前記内部貯留槽に注入された前記液体を、前記外部貯留槽に排出する排出手段を有する請求項4に記載の免震構造。
  6. 前記浮上り防止手段は、
    前記硬質地盤の内部に埋め込まれたアンカーと、
    前記構造物の基礎部に設けられた接続部と、
    一方の端部を前記接続部に接続し、他方の端部を前記アンカーに接続し、前記アンカーと前記接続部の間に張られたワイヤーと、
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造。
  7. 前記接続部には、前記制御手段からの指示を受け、前記ワイヤーとの接続と解除の切り替えを行う切替装置が備えられている請求項6に記載の免震構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016113846A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 清水建設株式会社 有限滑り支承、免震基礎構造、及び有限滑り支承の構築方法
JP2017020219A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 株式会社不動テトラ 軟弱地盤の免震構造
CN111287223A (zh) * 2020-03-10 2020-06-16 广西大学 减隔震系统及方法
CN111305280A (zh) * 2020-03-10 2020-06-19 广西大学 一种减隔震系统及方法

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