JP2010097778A - ソリッドケーブル - Google Patents

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正幸 廣瀬
Munehisa Mitani
宗久 三谷
Yasushi Takigawa
裕史 滝川
Yoitsu Sekiguchi
洋逸 関口
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【課題】絶縁層に含浸される絶縁油の粘度が過剰に高くなることを抑制できるソリッドケーブルを提供する。
【解決手段】絶縁油が含浸された絶縁層30を備え、その絶縁層30の少なくとも一部が、絶縁紙とプラスチック層とを有する複合紙を巻回して構成されたソリッドケーブル100である。この絶縁紙は、パルプ製造工程、絶縁紙製造工程を経て製造され、このパルプ製造工程及び絶縁紙製造工程の少なくとも一方で、酸洗いと中和処理が行われる。そして、この中和処理は、金属イオンを含む中和剤を用いることなく行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソリッドケーブルに関するものである。特に、絶縁層に含浸される絶縁油の粘度が過剰に高くなることを抑制できるソリッドケーブルに関するものである。
海底ケーブルなどの電力線路として、ソリッドケーブルが提案されている。代表的なソリッドケーブルは、中心から順に、導体、内部半導電層、絶縁層、外部半導電層、金属シース、防食層および鉄線凱装を備える。このソリッドケーブルの絶縁層には、絶縁紙とプラスチック層とを有する複合紙を用いたものがある(特許文献1)。より具体的には、この複合紙を巻回して絶縁層を構成し、金属シースよりも内側の層には、中粘度油または高粘度油が含浸される。
上記の複合紙を構成する絶縁紙(クラフト紙)は、通常、異なる業者により行われるパルプ製造工程と絶縁紙製造工程とを経て製造される。パルプ製造工程では、原料となる木材チップを蒸解し、得られたパルプを洗浄する。絶縁紙製造工程では、まず、パルプ製造工程で得られたパルプを必要に応じて洗浄した後、離解・叩解し、さらに所定の薬品類を添加して、パルプが水溶液に分散されたパルプ溶液(紙料)を生成する。続いて、絶縁紙製造工程では、得られた紙料を抄紙機に導入して製紙する。さらに、必要に応じて、得られた紙をカレンダー掛けで高密度化すると共に、紙の表面を平滑にし、ロールに巻き取る。このような製紙過程において、パルプ製造工程及び絶縁紙製造工程における洗浄では、処理対象を水洗いすることが行われている。
特開2000-113734号公報
しかし、近年、絶縁紙の原材料の市場状況の変化などにより、安定した品質での原材料の入手が困難な場合がある。このような状況下、パルプや絶縁紙の性能や品質を安定させることが行われているが、一部の絶縁紙を用いた複合紙で試作したソリッドケーブルでは、絶縁油の粘度が過剰に高くなっており、絶縁層への絶縁油の含浸が不十分となる虞のあることがわかった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、絶縁層に含浸される絶縁油の粘度が過剰に高くなることを抑制できるソリッドケーブルを提供することにある。
本発明者らは、品質や性能の異なる絶縁紙で複合紙を作製し、その複合紙で絶縁層を構成したソリッドケーブルの試作を行い、絶縁油の絶縁層への含浸特性を検討した。その結果、絶縁油の粘度が過剰に高くなって絶縁層に絶縁油が十分に含浸されていないものと、適正に絶縁油の含浸が行われているものがあることがわかった。より具体的には、パルプ製造工程及び絶縁紙製造工程の洗浄工程で水洗い処理のみの絶縁紙は、絶縁油の含浸特性に特に問題がない一方、酸洗い及び中和処理をし、その中和処理を金属イオンの含有される中和剤で処理した絶縁紙は、絶縁油を増粘させる傾向が大きく、絶縁油の含浸特性に支障を及ぼす場合のあることが判明した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明のソリッドケーブルは、絶縁油が含浸された絶縁層を備え、その絶縁層の少なくとも一部が、絶縁紙とプラスチック層とを有する複合紙を巻回して構成されたソリッドケーブルに係る。このソリッドケーブルにおいて、前記絶縁紙は、パルプ製造工程、絶縁紙製造工程を経て製造され、このパルプ製造工程及び絶縁紙製造工程の少なくとも一方で、酸洗いと中和処理が行われる。そして、この中和処理は、金属イオンを含む中和剤を用いることなく行われたことを特徴とする。
この構成によれば、複合紙を構成する絶縁紙は、パルプ製造工程と絶縁紙製造工程の一方又は双方の中和処理で、金属イオンを含む中和剤が用いられていない。そのため、得られた絶縁紙を用いて複合紙を構成し、その複合紙で絶縁層を形成すれば、絶縁油を含浸した際に絶縁油の粘度が過剰に増加することがない。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理がパルプ製造工程で行われた絶縁紙であることが挙げられる。
この構成によれば、絶縁紙製造工程前のパルプ製造工程における中和処理で金属イオンを含有する中和剤を用いないため、この中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンが絶縁紙中に何らかの物質として残存することを効果的に抑制できる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理が絶縁紙製造工程で行われた絶縁紙であることが挙げられる。
この構成によれば、絶縁紙製造工程における中和処理で金属イオンを含有する中和剤を用いないため、この中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンが絶縁紙中に何らかの物質として残存することを効果的に抑制できる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理がパルプ製造工程と絶縁紙製造工程の双方で行われた絶縁紙であることが挙げられる。
この構成によれば、パルプ製造工程と絶縁紙製造工程の双方における各中和処理で金属イオンを含有する中和剤を用いないため、この中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンが絶縁紙中に何らかの物質として残存することを効果的に抑制できる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記絶縁油にポリブデンが含まれることが挙げられる。
ポリブデンは、二重結合を有する絶縁油であり、この二重結合が他の分子と結合して絶縁油中の高分子材料の割合を増加させると推測される。そのため、ポリブデンのように、二重結合を有する絶縁油を用いる場合に、本発明で規定する絶縁紙を用いることが効果的であると考えられる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記絶縁紙における前記中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンの濃度が300ppm以下であることが好ましい。
通常、中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンは、水などの中にも存在し、洗浄工程で単に水洗いしかしない絶縁紙にも、この金属イオンが何らかの物質としてある程度含有される。この水洗いしかしない絶縁紙における当該金属イオンの含有量の上限が300ppm程度であるため、絶縁紙中における前記金属イオンの濃度が300ppm以下であれば、その絶縁紙は、製造過程の中和処理で、金属イオンを含む中和剤を用いていないと考えられる。この金属イオンの濃度は、原子吸光分析やイオンクロマトグラフにより測定できる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、前記中和剤に含まれる金属イオンが周期律表2族および13族から選択される少なくとも一種の金属イオンとすることが挙げられる。
この構成により、周期律表2族および13族から選択される少なくとも一種の金属イオンを含まない中和剤を用いて絶縁紙を得ることで、その絶縁紙を用いて絶縁層を構成した場合、絶縁油の増粘を効果的に抑制できる。
この中和剤に含まれる金属イオンの具体例としては、Mgイオンが挙げられる。特に、金属イオンとして、Mgイオンを含まない中和剤を用いて絶縁紙を得ることで、その絶縁紙を用いて絶縁層を構成した場合、絶縁油の増粘を効果的に抑制できる。その他、この中和剤に含まれる金属イオンの具体例としては、Alイオンが挙げられる。
本発明のソリッドケーブルにおいて、絶縁層の厚さが10mm以上であることが好ましい。
絶縁層の厚さが比較的厚いソリッドケーブルの場合、絶縁油の粘度が増加すると含浸時間の長期化を招くことがある。そのため、本発明で規定する絶縁紙は、絶縁油の粘度の過剰な増加を抑制できるため、特に絶縁層の厚いソリッドケーブルに適用することが効果的である。
本発明のソリッドケーブルによれば、複合紙を構成する絶縁紙の製造過程で、中和処理に金属イオンを含む中和剤を用いていないことで、ケーブルの絶縁層に絶縁油を含浸した際、過剰に絶縁油の粘度が増加することが抑制される。そのため、絶縁層に確実に絶縁油を含浸することができ、絶縁特性の信頼性が高いソリッドケーブルを構成できる。
本発明のソリッドケーブル100は、図1に示すように中心から順に、導体10、内部半導電層20、絶縁層30、外部半導電層40、金属シース50、防食層60および鉄線鎧装70を備える。このうち、金属シース50の内側の層には絶縁油が含浸される。必要に応じて、金属シース50の上又は防食層60の上に、補強層80(図示略)を設けても良い。本発明の最も特徴とするところは、絶縁層30の少なくとも一部を絶縁紙とプラスチック層とを有する複合紙で構成し、その複合紙を特定の複合紙としたことにある。以下の説明では、この絶縁層30の構成を中心に説明する。
《絶縁層以外の構成》
導体10は、複数の銅素線を撚り合わせた、いわゆるキーストン導体が利用できる。内部半導電層20、外部半導電層40は、カーボンテープなどを巻回することで構成される。金属シース50は、鉛により形成される。防食層60は、ポリエチレン(PE)といった樹脂により形成される。補強層80は、金属シース50にかかるフープストレスを分担する層であり、ステンレス鋼といった高抗張力材料からなる帯状材を巻回して構成される。
《絶縁層》
絶縁層30は、プラスチック層の片面又は両面に絶縁紙がラミネートされた複合テープ(複合紙)を螺旋状にギャップ巻きして構成される。例えば複合テープのプラスチック層にはポリプロピレン(PP)が、絶縁紙にはクラフト紙が用いられる。より具体的には、複合テープとして、一対のクラフト紙の間にPPを押出したPPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)が利用できる。この複合テープは、例えば複合テープ全体の厚さに占めるPP層の厚さの割合(k値)が40〜90%である適宜なものを利用できる。
この絶縁紙(クラフト紙)は、パルプ製造工程、絶縁紙製造工程を経て製造される。パルプ製造工程では、原料となる木材チップを蒸解し、得られたパルプを洗浄する。絶縁紙製造工程では、まず、パルプ製造工程で得られたパルプを必要に応じて洗浄した後、離解・叩解し、さらに所定の薬品類を添加して、パルプが水溶液に分散されたパルプ溶液(紙料)を生成する。続いて、絶縁紙製造工程では、紙料を抄紙機に導入して製紙する。この紙料を抄紙機に導入した以降の絶縁紙製造工程は、通常、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパートを備える。ワイヤーパートでは、紙料を抄紙網上に均一に広げ、湿紙として取り出す。プレスパートでは、湿紙を圧縮して搾水する。ドライヤーパートでは、搾水後の湿紙を乾燥する。
上記のパルプ製造工程及び絶縁紙製造工程の一方又は双方の洗浄過程において、処理対象を酸洗いして中和処理する。この中和処理は金属イオンを含有しない中和剤を用いて行う。具体的には、金属イオンを含有しない中和剤の一例としては金属キレートを含有する中和剤がある。以下、この金属イオンを含有しない中和剤を用いた中和処理を経て得られる絶縁紙を非増粘型絶縁紙という。
絶縁層30は、その少なくとも一部に複合テープを用いて構成すれば良い。例えば、(1)複合テープ単独で絶縁層30を構成したり、(2)紙テープと複合テープとを組み合わせて絶縁層30を構成したり、(3)樹脂テープと複合テープとを組み合わせて絶縁層30を構成したりすることが挙げられる。各種絶縁テープの組み合わせ方には、絶縁層30の厚さ方向の一部に異種の絶縁テープ巻回層を形成したり、異種の絶縁テープを交互に巻回することが含まれる。もちろん、前記紙テープも非増粘型絶縁紙で構成しても良い。
また、絶縁層30を構成する複合テープは、全て非増粘型絶縁紙を用いたものとしてもよいし、一部のみ非増粘型絶縁紙を用いたものとしてもよい。絶縁層30への絶縁油の含浸は、絶縁油を所定温度に加熱し、所定圧力に加圧して、絶縁層の外周側から内周側に向かって絶縁油を浸透させることで行う。その際、非増粘型絶縁紙は、絶縁油の増粘がないか小さい傾向が見られる。そのため、絶縁層30の外周領域に非増粘型絶縁紙を用いた複合テープを配置すれば、絶縁油の含浸初期において、当該外周領域での絶縁油の増粘が抑制され、絶縁層30の内周側にまで円滑な絶縁油の含浸が可能になる。一方、導体近傍となる絶縁層30の内周領域は、非増粘型絶縁紙以外の絶縁紙、例えば金属イオンを含有する中和剤を用いた中和処理を経て得られる増粘型絶縁紙を用いた複合テープで構成すれば、当該内周領域での絶縁油が増粘されても、ケーブル運転時の導体の発熱に対して絶縁油の移動を抑制することができて好ましい。
《絶縁油》
ケーブル絶縁層30に含浸されるケーブル絶縁油として、60℃における動粘度が500mm2/s(500cst)以上、特に1000cst以上の高粘度油や、60℃における動粘度が10mm2/s(10cst)以上500mm2/s(500cst)未満の中粘度油が利用できる。特に、二重結合を含む絶縁油が好適に利用できる。二重結合を含む絶縁油は、金属イオンを含む中和剤で中和処理された絶縁紙を絶縁層30に用いた場合、増粘する傾向がある。そのため、非増粘型絶縁紙は二重結合を有する絶縁油との組み合わせにおいて、絶縁油の増粘抑制に効果的である。
《ケーブルの種類》
本発明のソリッドケーブルは、直流ケーブル、交流ケーブルのいずれにも利用できる。特に、誘電損失を考慮しなくても良い直流ケーブルとして利用することが好適である。パルプ製造工程及び絶縁紙製造工程において、酸洗い及び中和処理を行わない場合、処理対象から十分に不純物を除去することができないことがある。このような絶縁紙は、誘電正接(tanδ)特性が悪くなるため、誘電特性が重要視される交流ケーブルには好ましくない場合がある。これに対して、直流ケーブルでは、基本的に絶縁層30の抵抗率が管理できればよい。そのため、パルプ製造工程と絶縁紙製造工程での洗浄を水洗いのみとした絶縁紙を絶縁層の一部に用いても、特に支障なく直流ケーブルを構成することができる。
図1に示したソリッドケーブルと同等の構成を有し、複合紙に用いた絶縁紙の製造過程における洗浄条件の異なる複数種の試験ケーブルを作製し、そのケーブルに絶縁油を含浸する。絶縁油の含浸条件は、各試験ケーブルで共通である。そして、含浸後の試験ケーブルを解体して、絶縁層中に絶縁油の含浸不十分な個所がないか否かを調べた。試験ケーブルの仕様は次の通りである。
(絶縁層)
構成材料:PPLP(スーパーカレンダー加工によりk値が70%程度のもの)
PPLPの絶縁紙:パルプ製造工程と絶縁紙製造工程で、表1に示す洗浄を行って得られたクラフト紙
PPLPの厚さ:100μm
絶縁層の厚さ:16mm
(絶縁油)
中粘度のポリブテン油(日本石油化学株式会社製HV-15)
40℃における動粘度:約650mm2/s
60℃における動粘度:約200mm2/s
PPLPを構成する絶縁紙の製造過程で行った洗浄条件と、試験ケーブルの含浸特性を表1に示す。表1において、「水」は水洗いのみ行ったもの、「酸+中和(キレート)」は酸洗い後、金属キレートを含み、かつMgイオンを含まない中和剤で中和処理を行ったもの、「酸+中和(Mg)」は酸洗い後、Mgイオンを含む中和剤で中和処理を行ったものを示す。また、含浸特性は、試験ケーブルを解体して、絶縁油の含浸不十分な個所があったものを「不良」、なかったものを「良」としている。
Figure 2010097778
まず、試料No.10は、酸洗いも中和処理も行わず、水洗いのみ行った。そのため、Mgイオンに由来する物質が絶縁紙に過剰に含有されることがなく、絶縁油が増粘されない結果、含浸特性も良好であった。この試料No.10の絶縁紙に含まれるMgイオン濃度は、300ppm以下であった。但し、パルプ製造工程及び絶縁紙製造工程で処理対象の十分な洗浄が行えていないためか、絶縁紙の誘電正接が大きく、誘電特性に劣っていた。
次に、試料No.20は、パルプ製造工程と絶縁紙製造工程の双方で酸洗いと中和処理とを行い、いずれの中和処理もMgイオンを含有しない中和剤を用いて行っている。そのため試料No.20は、過剰な絶縁油の増粘も認められず、絶縁油が絶縁層の厚み方向の全領域に亘って適正に含浸されていた。この結果は、試料No.10と同等の結果となっている。この試料No.20絶縁紙に含まれるMgイオン濃度も、300ppm以下であった。
一方、試料No.30は、パルプ製造工程と絶縁紙製造工程の双方で酸洗いと中和処理とを行っているが、いずれの中和処理も、Mgイオンを含有する中和剤を用いて行っている。そのため、絶縁油に過度の増粘が認められ、絶縁層中に含浸不十分な個所が見られた。なお、この試料No.30の絶縁紙に含まれるMgイオン濃度は、300ppm超であった。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、絶縁層の全てを本願発明が規定する所定の複合紙、つまり洗浄過程で金属イオンを含有しない中和剤で中和処理した絶縁紙を用いた複合紙で構成しなくてもよい。具体的には、絶縁層のうち外周側、例えば絶縁層の厚みの1/2程度の厚み分のみ非増粘型絶縁紙で構成し、残部を金属イオンを含む中和剤で中和処理した絶縁紙や、水洗いのみを行った絶縁紙を用いた複合紙で構成しても良い。
本発明のソリッドケーブルは、海底ケーブル、特に直流海底ケーブルなどに好適に利用することができる。
本発明の実施形態に係るソリッドケーブルの横断面図である。
符号の説明
100 ソリッドケーブル
10 導体 20 内部半導電層 30 絶縁層 40 外部半導電層 50 金属シース
60 防食層 70 鉄線鎧装 80 補強層

Claims (9)

  1. 絶縁油が含浸された絶縁層を備え、その絶縁層の少なくとも一部が、絶縁紙とプラスチック層とを有する複合紙を巻回して構成されたソリッドケーブルであって、
    前記絶縁紙は、パルプ製造工程、絶縁紙製造工程を経て製造され、
    このパルプ製造工程及び絶縁紙製造工程の少なくとも一方で、酸洗いと中和処理が行われ、
    この中和処理は、金属イオンを含む中和剤を用いることなく行われたことを特徴とするソリッドケーブル。
  2. 前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理がパルプ製造工程で行われた絶縁紙であることを特徴とする請求項1に記載のソリッドケーブル。
  3. 前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理が絶縁紙製造工程で行われた絶縁紙であることを特徴とする請求項1に記載のソリッドケーブル。
  4. 前記絶縁紙は、酸洗いと中和処理がパルプ製造工程と絶縁紙製造工程の双方で行われた絶縁紙であることを特徴とする請求項1に記載のソリッドケーブル。
  5. 前記絶縁油にポリブデンが含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のソリッドケーブル。
  6. 前記絶縁紙における前記中和剤中の金属イオンと同じ金属イオンの濃度が300ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のソリッドケーブル。
  7. 前記中和剤に含まれる金属イオンが周期律表2族および13族から選択される少なくとも一種の金属イオンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のソリッドケーブル。
  8. 前記中和剤に含まれる金属イオンがMgイオンであることを特徴とする請求項7に記載のソリッドケーブル。
  9. 前記絶縁層の厚さが10mm以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のソリッドケーブル。
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